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PACER Plusに関するPNGとフィジーの考え方、中国のバヌアツ支援 [2016年05月18日(Wed)]

今日も地域のニュースから、個人的に気になるものを紹介します。

太平洋地域には太平洋島嶼国が加盟する地域機関がいくつか存在します。その中で、地域政策や地域経済といえば、太平洋諸島フォーラム(PIF)、太平洋島嶼国14か国とオーストラリア、ニュージーランドが加盟しています。

特に近年、PIFではEUのような地域統合を目指す方向性が示されていますが、同フォーラムの下で進められている太平洋島嶼国貿易協定(PICTA)や太平洋諸島経済緊密化協定(Pacific Agreement on Closer Economic Relations:PACER)の拡大交渉(PACER Plus)は、その前段階である地域経済統合の動きとみなすことができると思います。

特にPACER Plusは、太平洋島嶼国の貿易経済統合や労働力の移動を含むオーストラリア、ニュージーランドとの経済関係緊密化を目指すものとなります。

個人的には、経済レベルが異なり多様性のある太平洋島嶼国が、本当にEUのような地域統合を目指しているのか、疑問を感じていますが、PICTAおよびPACER Plusは、加盟国間で粛々と交渉が進められています。

今日はPACER Plusに関するPNGとフィジーのニュースがありましたので、紹介します。

まずはPNG。オーストラリアのケアンズで開催されていた豪−PNGビジネスフォーラムにおける、オニール首相のPACER Plusの課題に関する発言。
PACER Plus deal has some issues: O’Neill
(5月17日付、THE NATIONAL)

パプアニューギニアはAPEC加盟国であり(2018年にAPEC総会を主催する)、アジア経済と関係があるなど、他の太平洋島嶼国とは経済規模が異なるため、PACER Plusについては、他の二国間協定に負の影響を及ぼす可能性など課題があると考えているとのこと。

たとえば、PNGはEUとのEPA締結により輸出が2倍に拡大したようですが、オーストラリアやニュージーランドとも、マルチよりもバイで協定を結ぶ方がメリットがあると考えられるようです。

一方、フィジー。タイで開催されていたUNESCAP会合におけるバイニマラマ首相によるPACER Plusに対する問題点と期待に関する発言。
PM Bainimarama highlights Fiji’s expectations on regional trade deal
(5月16日付、PACNEWS)

まず、PACER PlusはPIF加盟国を対象としたものですが、フィジーはPACER Plus交渉に参加してきています。

バイニマラマ首相は、PACER Plusについて、たとえば投資とサービスにかかる条項は、現時点で先進国のような法的整備が整っていないフィジーのような国にとり、将来的に国内政策へ制約を与えるリスクがある、一方で、労働力の流動性、開発協力、市場へのアクセスに主眼を置くことでメリットとなる潜在性があるというようなことを述べ、現時点ではフィジーがPACER Plusにコミットできるだけの十分なメリットがないとしています。

いずれも、まっとうな考え方だと思います。

追加で、バヌアツに対する中国の援助のニュース。
China To Renovate Vanuatu PM’s Office
(5月16日付、Radio New Zealand International)

バヌアツは1980年にイギリスとフランスの共同統治から独立しましたが、これまでは独立前にフランスの高等弁務官事務所であった建物を使っていたようです。現地に行ったことがありますが、豪奢な建物ではありません。今回中国の支援で新たに首相府を建設するため、起工式が行われたようです。

上記記事では、サルワイ首相(自分が会ったときは教育大臣だったと思います)は、中国との関係は大変良好であり、今後さらに強化することを望むというような発言が紹介されています。

これらのニュースに加え、インドネシア西パプア州問題に関し、PNG国連代表部とソロモンのソガバレ首相の見解が全く異なるなど、メラネシアン・スピアヘッドグループ(MSG)周辺で興味深い話がありますが、これについては、また別の機会に。
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