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米国と太平洋島嶼国(FFA加盟国)の漁業協定改定について [2012年07月13日(Fri)]

7月13日(金)仏滅

先週のマーシャルアイランズ・ジャーナル紙に、米国と太平洋島嶼国との漁業協定改定交渉に大きな進展があったとの記事が掲載されていました。

この協定はUS treatyといわれるもので、米国政府とフォーラム漁業機関(FFA)の間で結ばれているもので、米国の漁船がFFA加盟国の排他的経済水域内でカツオ、キハダマグロ、メバチマグロを巻き網操業する代わり、毎年一定の許可料を支払うというものです。

FFAの資料によれば、この協定が締結される1987年まで、米国漁船は太平洋地域のEEZ内で操業し放題でした。1980年代に入り、島嶼国側が各国EEZ内の上記マグロ類の権利を主張し、1982年にパプアニューギニア、1984年にソロモンでそれぞれ米国籍巻き網漁船が違法操業として操業停止措置がなされました。(行間からは、それでも米国は地域との漁業協定締結には前向きではなかったように読めます)

その後、1985年にキリバスが、1987年にバヌアツが、それぞれロシア(当時はソ連)との漁業協定を結ぶ動きを見せたことがきっかけとなり、米国がFFAとの交渉のテーブルにつき、1988年6月15日に「The US Multilateral Treaty on Fisheries」が締結されました。

この協定の目的は、次の通りとされています。
・米国籍巻き網漁船は合意された財政パッケージにより、FFA加盟国のEEZに侵入できる。
・FFA加盟国の漁業資源の開発により最大限の利益を得る。
・技術経済協力を通じてFFA加盟国と協調する。
・FFA加盟国が、@缶詰工場、積み替え施設、修理工場の利用、A部品、食料、燃料の購入、BFFA加盟国出身者の雇用、を通じ最大限の社会経済的利益を得る。

締結内容は、米国製巻き網漁船がFFA加盟国内EEZにおいて無制限に操業する代わりに、米国がFFAに対し、年2100万ドルを支払うというものです(2度の改定があり、現在の支払い額)。

FFAには、オーストラリア、クック、ミクロネシア連邦、フィジー、キリバス、マーシャル、ナウル、ニュージーランド、トケラウ、ニウエ、パラオ、パプアニューギニア、サモア、ソロモン、トンガ、ツバル、バヌアツの17の国と地域が加盟していますが、米国から支払われる2100万ドルのうち15%は均等に配分され、85%は実際の操業に合わせて、操業した地域に支払われます。

2003年の資料では、キリバスに691万ドル、ツバル248万ドル、ソロモン230万ドル、パプア200万ドル、その他の加盟国には25万〜72万ドルが支払われています。

この協定はまた、FFA監視官により以下の監視を行うプログラムへの支援を含みます。
・漁船が操業エリアの国の法律を順守すること。
・ミナミマグロや上記魚種以外のマグロ類を獲らないこと。
・禁漁区で操業しないこと。
・許可なしに航空機やヘリコプターなどを使用しないこと。
・決められた場所以外で、海上で積み替えを行わないこと。

この協定は、2013年まで続きますが、船1隻1日分の費用に換算するとわずか2300ドルであり、資源国であるFFA側は2013年以降の新協定について、大幅な増額や地域への投資を求めています。


前置きが長くなりましたが、先週の報道では、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル、キリバス、ナウル、ツバル、ソロモン、パプアニューギニアからなるPNA(ナウル協定締約国)が導入したVessel Day Schemeが大きな効力を発揮し、米国側の年間支払い額を3倍に引き上げることに成功し、操業日数もこれまでの9000日から8300日に削減することに成功したとのことです。

PNAでは、1隻1日当たり5000ドル以上で販売することとしていますが、この新協定の取り決めでは7590ドルとなります。また操業日数8300日のうち、8000日がPNA加盟国のEEZ内であることから、PNA国は大きな収入増になり、また、この新たな取り決めは、PNAの取り組みを後押しすることとなります。

PNAの仕組みについては、改めて、次のエントリーで紹介させていただきます。

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