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第12回ミクロネシア大統領サミット [2012年07月10日(Tue)]

7月10日(火)

毎年1回開催されているミクロネシア大統領サミットの結果について報道がありましたので紹介します。今回のサミットは7月3,4,5日にマジュロで開催されたそうです(6日はフィッシャーマンズ・デイという祝日だったので、トローリングにでも行ったのでしょうか)。

ミクロネシア地域では、いわゆる米国圏の国と地域が首長会合を定期的に開催しています。

1つはMicronesia Chief Executives' Summit(MCES)。ミクロネシア行政首長サミットで、これにはパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャルの大統領とグアム、北マリアナの知事、ミクロネシア連邦のヤップ州、チューク州、ポンペイ州、コスラエ州の知事が参加し、年2回開催されます。開催地は、これら3か国2地域(グアム、北マリアナ)を巡回し、第17回MCESはこの3月にグアムで開催されました。

もう1つは、Micronesia Presidents' Summit(MPS)。これは年1回、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャルで巡回し、通常MCESに合わせて開催されます。想像ですが、今年はパラオが9月25日に大統領予備選、11月6日に大統領本選と総選挙があるため、分離して開催したのではないでしょうか。

わかりやすい記事は、こちらです。
http://pidp.eastwestcenter.org/pireport/2012/July/07-09-04.htm

MPSは、特に国際社会に向けて、3か国の共通事項を協力して訴えていこうという目的があります。

この記事を読むと、気候変動対策に絡めて、マーシャルがクワジェリンに開発しよう企図している海洋温度差発電(OTEC)を地域のプロジェクトとしようとしている点や、まだ全く調べていませんが”debt swap initiative“というカリブ諸国が導入しているものをミクロネシア地域でも取り入れようという点が注目されます。

その他、PNAに関連した漁業や、当財団もかかわっていたコーストガードに関する話もあります。

個人的に変わったなと思えるのは、これまでマーシャルはミクロネシア地域でも漁業国であり、たとえば海洋保護区を例とすると、パラオが生物多様性保全の環境寄りだとすれば、マーシャルは資源の持続的利用の水産業寄り、つまり、日本に近い感じでした。しかし、パラオにならってサメサンクチュアリを導入したり、PNAの仕組みを活用した、資源を守りつつ利益を上げる手法が成功しつつあることから、環境寄りになってきています。

象徴的なのは、今回の大統領サミットでは、米国の環境NGOであるThe Nature Conservancyが背後で活躍していることで、マーシャル政府との距離がかなり近くなったことが感じられます。4〜5年前までは、環境NGOを毛嫌いしている雰囲気がありましたので、これは大きな変化かもしれません。

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