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太平洋島嶼国留学生会議 ISA2012 (3) [2012年03月14日(Wed)]

3月14日(水)
バレンタインズ・デーは意味が分かるけれど、ホワイトデーの意味が分からない。

さて、太平洋島嶼国留学生会議の続きです。

グループディスカッションに続いて、メラネシア、ポリネシア、ミクロネシア、日本の風習に関する発表です。特に婚姻に関する部分。

↓メラネシア(フィジー):左からエモシ、アイセア、テキニ、ルシラ、ジョキム
FijianCustom.jpg

フィジーでは、男性が父親あるいは叔父などを連れて、貢物を持って、結婚したい女性の家を訪問します。この男女はすでにデートを重ねている場合もあるし、男性の一目惚れの場合もあるようです。

この時、求婚されている女性が直接話すことはありません。基本的に求婚する男性の父親(または叔父)が女性の方の父親に話をし、貢物を差し出します。女性の方の父親は、母親と求婚されている女性に意思の確認をし、OKであれば、貢物を受け取り、婚姻に向けた段取りが進められ、拒否する場合(女性自身の意思の場合もあれば、両親の意思の場合もある)は貢物を男性側に返します。

上の写真では、左から求婚する男性、男性の父親、求婚されている女性の父親、女性、女性の母親が演じられています。


パプアニューギニアでは、セシリーさんの出身の村ではということですが、男性が気に入った女性を外に連れ出すために口笛を吹くそうです。基本的に、すでにお互いを知っています。女性が外に出て、単にデートをする場合がありますが、たとえば女性が一人でその男性の家に入ったならば、世間からは婚姻関係にあるとみなされます。

男性側は、女性に子供ができると、家畜としての豚や金銭を女性の家族に支払います。また女性の教育水準に合わせた相場もあるそうです。支払期限は明確に決められているわけではなく、家族間の信頼関係に基づいており、男性側が出世した後、10数年後に支払う場合もあるとのことでした。


↓ポリネシア(トンガ):サロメさん
Salome.jpg

トンガでは、婚姻が決まると、女性が男性宅(夫婦用の家か部屋)に移ります。その新しい家の家具は女性側が用意することになっており、特に寝床となるベッドは必須だそうです。婚姻の儀式まで、その男女は肉体関係を持つことはできません。

結婚式の後、昼間に、ベッドインします。そしてその部屋(建物)を両家族の人々が取り囲みます。目的は女性が性的純潔を守っていたか否かの判定です。

一通りイベント(?)が終わると、男性側の家族が部屋に入り、シーツを確認します。そこに女性が初めての体験であったというしるしが見つかれば、その男性の家族がシーツをとり、家の周りの家族に見せ「やったー」という騒ぎになります。そして、その後の宴で、男性側の家族は、「あなた方は、良く娘さんを育てた」という意味で、料理で出される大切な豚を、頭を女性の両親のところに向けて捧げます。

もし、貞操が守られていなかった場合、その部屋の周りの雰囲気は沈みます。その後の宴では、男性側の家族が料理の豚を、尻尾を女性の両親のところに向けて捧げます。「あなた方の教育の結果だ」という意味合いで。


僕がマーシャルにいたとき、キリバス人の友人から同じような話を聞いたことがあります。男性の家族がシーツを確認するところまでは同じで、その後、女性のそれまでの貞操が確認できると男性の家族がシーツを掲げてピックアップに乗り、車には空き缶をたくさんつけてひきづって音が鳴るようにしているのですが、クラクションを鳴らしながら島中を回るそうです「うちの嫁は貞操を守っていた〜!」と叫びながら。

ポリネシアで共通しているのだろうかと興味を持ちました。


ミクロネシアでは、たとえばミクロネシア連邦のチュークでは、Love stickというのがあるそうです。それぞれの男性が木でできた突っつき棒を持っており、気に入った女性がいると話しかけるのは恥ずかしいのか、そのLove Stickで突っつくそうです。これは国を問わず、今回の参加者全員が、「良い方法だ」と言っていました。男女のことになると、みんなシャイです。

パラオでは、婚姻となると、やはり男性側が女性の家族に多くの貢物をする必要があります。そのため、男子が生まれるよりも女性が生まれた方が、その家族としては喜ばしいとのこと。それもあり、パラオでは「婚姻はビジネスである」とも言われています。

最後は日本学生会議所UNISC http://unisc.jp/の芳賀さんと長山さん↓
UNISC.jpg

日本とミクロネシア地域の関係についてのプレゼンや、日本の歌の紹介、角隠しの話などをしていただきました。


今回は新しい留学生会議を目指して、試験的にこのような内容のプログラムとなりました。参加者の間では充実感があり、会議後、各地に戻ってから、現在もメールベースで意見交換がなされています。

ISAの今後の発展を期待しています。

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