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サメ・サンクチュアリやPNAのニュース [2011年08月11日(Thu)]

8月11日

それほど新しい話ではありませんが、2つ紹介します。

1.マーシャルの環境保護関係者がサメサンクチュアリ設置に賛同
http://www.rnzi.com/pages/news.php?op=read&id=62274

7月下旬にポンペイで開催されたMicronesia Chief Executive Summitで、サメ・サンクチュアリ設置に取り組むことが合意されたようです。

すでに、パラオ、北マリアナ、グアムはサメ禁漁措置を取っているので、ミクロネシア連邦とマーシャル諸島が加わるだけのようですが。

実際のところ、その取締りは困難でしょうし、インタビューに答えている、Marshall Islands Conservation Societyのアルボンの回答からは、設置によってドナーから支援が得られることを期待しているように見えます。

マーシャル国内では、酋長系の人で、「サメなんてたくさんいるし、マグロのように価値のあるものではないのだから、どんどん商売に使えばいいのだ」と言っていた方々がいたことを記憶しています。パラオやミクロネシア連邦よりも、より海洋資源に依存しているマーシャルでは、このようなサンクチュアリ設置の流れが、他の資源に及ばないようにしないとダメでしょうね(たとえ設置しても実効性があるかは疑問ですが)。

ただ、これで気になるのは、これがたとえばシー・シェパードがミクロネシア連邦政府やマーシャル政府に接近する足掛かりになってしまうのではないかというところです。シー・シェパードから支援が得られる、あるいはシーシェパードを利用して日本などから支援を引き出すとか。

様子を見てみましょう。


2.ナウル締約国(PNA)のFishing Day Schemeを利用した利益の分配に関して
http://www.rnzi.com/pages/news.php?op=read&id=62275

外国船と契約する操業日数を昨年の7割程度に抑えたことで、パプアニューギニアやソロモンではすでに2011年の割り当て日数を使い切ってしまったようです。そのため、操業日数がまだ残っているマーシャルとミクロネシア連邦から、パプアニューギニアがそれぞれ100万ドルで日数を購入したとのこと(1日2,500ドルで取引されるようです)。

ソロモンでは1000日分をマーシャルから2.5百万ドルで購入する可能性があるとのこと。

例えば、マーシャルの年間予算約130百万ドルのうち、税収や漁業許可料などによる一般歳入は30百万ドル程度。うち漁業権(というかライセンス販売)料はこれまで4百万ドルも程度でした。

外国船によって獲られるマグロ・カツオ資源の量に比べて、国家への収入が少ないことが不満であり、そのことがPNA強化につながりました。

このニュースを見ると、外国船側との交渉がうまくいかず、漁業権を販売できないとしても、PNA国間で日数の販売ができることで、資源の減少を抑えつつ、この仕組み導入以前以上の国への収入も得られるということになります。

外国船側は、これまで強く交渉に当たることができましたが、この仕組みが機能するとなると、これまでのやり方は難しくなるかもしれません。


ちなみにミクロネシア地域ではキハダとカツオがメインの魚種で、メラネシア地域では、メバチなどキハダよりも価値のある魚種が獲れるのだと聞いたことがあります。

目的は乱獲防止、持続的利用、資源国側の正当な利益獲得になりますので、その点を頭において、今後の流れを見守りたいと思います。

では。
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