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地政学に関する話 [2025年05月29日(Thu)]

昨日、一昨日と、グアム大学でPacific Center for Island Security(PCIS)による地政学に関する会議に出席しました。自分は地域の外側の人間として話すという役割でした。先方の代表は学長のアンダーウッド博士。
1992年に笹川平和財団とプロジェクトを実施したことがあると資料を見せてもらいました。
両日とも3名の話題提供者がおり、自分は昨日最後に話をしました。(下記、Drとあるのですが、当日修正してもらいました)

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自分に与えられたテーマは、Japan's view of geopolitical competition with the US in Micronesia。このタイトルで民間の研究員が話すのもどうかと思いますが、政府を代表する立場ではないことを前置きし、できるだけのことはやってみました。

スピーカーの6名には左翼的な人もいれば右寄りの人もいる。豪州、NZ、米国DC、中国系の研究者で、大国の視点が強め。自分は日本で保守的な立ち位置で話しました。

PCISのミクロネシアグループの創設会議の一部で、ミクロネシア連邦のジェームズ・モヴィックさん、マーシャルのキャシーさんの他、パラオ、北マリアナ、ミクロネシア連邦ヤップ州、グアムの参加者がこれらの発表内容に関して議論するという形。ナウルとキリバスも対象ですが、全体的に米系の島嶼国・地域の視点。

自分は最近の南側での公開・非公開の安全保障・地政学関連の会議の内容にウンザリしていたこともあり、以下のポイントを伝えたつもりです。

・北半球の国々と南半球の国々では、安全保障上の脅威に関する認識が異なる。
・我々は台湾有事は現実的な脅威であるが、南半球の国々は脅威ではない。
・ミクロネシア地域においても、北と南で分けることになる。
・一部の国は米中を中心とする地政学的競争に関し、被害者のような立場で懸念や不満を述べる。しかし、それらの国の中には、より利益を得ようとして、自ら地政学的競争を煽り、パートナー国の人々・納税者を弄んでいる国もある。
・現在、PeacetimeからWartimeへの遷移期に入っている。Wartimeに至らないように、日米米国自由連合国の連携・協力が重要。
・ディスインフォ、グレーゾーン活動を含む政治戦はすでに始まっており、これに対する日米米国自由連合国の連携・協力が重要。

国レベルの政府系の人はいなかったことで、実務でなく研究者中心の視点になっていました。より真剣で現実的な議論を行うには、やはり3月のブリスベン会議のような非公開のトラック1.5の場が必要だと思います(ただ今回のグループに実際には研究者中心に見せていた隠れキャラがいたと思います)。

PCISは今回の議論を経て、ミクロネシア地域の情報マッピングを年末には公開することになるそうです。楽しみです。
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