• もっと見る

«PIFに関する昔話 | Main | それなりの1日»
PIF事務局科学委員会による地域セミナー [2023年01月20日(Fri)]

PIF事務局では、科学委員会のメンバーを中心に、一般向けのセミナーが開催されました。

https://www.youtube.com/watch?v=5WbpkfllKao

核実験の話や、核廃棄物の話があり、ALPS処理水の話があるので、よくわからなければ核実験と同等の脅威があるように受け取られるのではないかと気になりました。危険な量の核物質を海洋に投棄するようなイメージ作りがされているようにも思います。

昨年末に紹介したPACNEWS記事では、100名以上の科学者からなる米国のNational Association of Marine Laboratoriesのポジションペーパーに関して報じられていましたが、今回の内容と共通しているのは、

・日本側のデータが偏向している。(数値に幅があるとして、問題とならないところだけを出しているといったニュアンスだと思います)
・ALPS(多核種除去設備:Advanced Liquid Processing System)の性能への懸念
・保存タンクのサンプリングの方法や統計方法の瑕疵

さらに今回はIAEAの調査に対する不満も述べられています。


これらを前提として、ALPS処理水は、核廃棄物と同等にとらえていると考えられているようであり、何十年先にどのような影響が及ぶかわからないのでやめるべきという内容でした。

日本側の取り組みが正しいということであれば、人に言わせると重箱の隅をつつくようなもののようです。

日本の復興庁や東電も、英語版で動画を上げているのですが、現地で見たことのある人はほとんどいないかもしれません。

https://www.youtube.com/watch?v=huMY0gTRa_M

https://www.youtube.com/watch?v=D1SpPUFGgHw

https://www.youtube.com/watch?v=VYyvwqpXhTw

https://www.youtube.com/watch?v=QckQYtHpWlU


科学者間の真摯な話し合いは、続けられるとして、ますます現地の一般市民に対する丁寧な説明が必要になっていると思います。おそらく、最初の段階から考え方が異なっていて、日本は処理した水の放出であるのに対し、現地は危険な核廃棄物の海洋投棄というもの(核実験と同列に語られるレベル)。このギャップを埋める努力が必要なのかもしれません。

それこそ、上記の動画のようなものを現地向けに流すとか、SNSにあげるとか。そうするとネガティブなものも含め反応があると思うので、さらにそれに対して丁寧に対応していくというのも必要なのかもしれません。これとは別に、日本に対し、日本を見下したり、脅したりするようなPIF事務局の姿勢については、毅然と対応してほしいです。

ちなみに、今日の現地のニュースでは、フィジーのランブカ首相がキリバスのPIF復帰を促すために豪軍の飛行機でキリバスを訪問したそうです。昨年末、現在の議長国フィジーは1月にクックに交代と聞いていましたが、今日の情報では3月に交代とのことでした。

PIFという枠組みは米豪NZが強化し、日本が離れていく感じがします。
コメントする
コメント