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エリザベス女王の崩御が太平洋島嶼地域に与えうる地政学的影響 [2022年09月13日(Tue)]

自分がフィジーにいたころ(2012〜2015)、フィジーは独立国としての地位を確立することを重視していましたが、その中に、国旗の変更(ユニオンジャックを外す)と通貨からエリザベス女王の肖像を外すことが含まれていました。これに対し、特に先住民系フィジー人の間で反対する声があがりました。よく耳にしたのは、英国の植民地であったことに対する誇りでした。(フィジーは1970年の独立の際に共和制に移行しており、国家元首はエリザベス女王ではなく大統領)

その後、国旗については変更はありませんでしたが、紙幣についてはフィジーの生物固有種が描かれるようになりました(フィジー7sの場合もあり)。

数年前には、ニュージーランドでも国旗を変える動き(ユニオンジャックを外す)があり、オールブラックスのようなシルバーファーンや、鳥のKiwiが目からビームを出すような図柄が出ていましたが、これもよいものがなく、話は流れました。


さて、太平洋島嶼国は独立して以来、ずっとエリザベス女王の時代であり、エリザベス女王の英国に対するつながりを持っていたものと思います。

2022年時点で、太平洋島嶼地域でエリザベス女王を国家元首としていたのは、豪州、ニュージーランド、ソロモン諸島、ツバル、パプアニューギニアですが、女王の崩御により、これらの国々で共和制への移行の話が出てくる可能性があります。それが地域の地政学にどのように影響するのかはわかりませんが、これまで目立たなくともそこに存在していた英国の権威といったものが薄まっていくことになるのかもしれません。

本件に限らず、太平洋島嶼地域でも大きな変化の流れにあることは確かで、固定観念にとらわれない柔軟な視点が大切になりそうです。
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