• もっと見る

«トンガ被災状況 2/3 reliefwebなど | Main | 米国NBRのインタビュー»
ソロモン、キリバス、パラオ 2/7 [2022年02月08日(Tue)]

1月から感染爆発が起こっているソロモン、キリバス、パラオの2/7現在のWHOの情報を見ると、次のような違いが見えてきます。

ソロモン(1/19頃〜)人口約60万人
累計 3182人
死者 33人(他に家で亡くなっている方がいる可能性あり)
ワクチン接種 1回以上197,796人、うち2回済80,001人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約33%、2回済約13%

キリバス(1/24頃〜)人口約11万人
累計 1543
死者 0
ワクチン接種 1回以上74,579人、うち2回済46,015人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約68%、2回済約42%
※ただし、キリバスの場合、人口が密集する南タラワだけを見れば接種率は高いはず。

パラオ(1/7頃〜)人口約2万人
累計 2556
死者 0
ワクチン接種 1回以上19,335人、うち2回済17,048人
ワクチン接種率(全人口比、目安)1回以上約97%、2回済約85%

これを見ると、ワクチン接種率が極めて低いソロモン諸島では、死亡数が感染者数の1%ほどであり、デルタ株の感染爆発があったフィジーの死亡数の感染者数比である1〜1.5%と同等の犠牲者が発生しているように見えます。

ソロモンでワクチン接種率が低いのは誤情報や住民の意識による忌避感が強く、昨年来、ソガバレ首相が住民に推奨しても進みませんでした。現状がその結果を示しているかもしれません。

キリバスの場合は、まだ様子を見た方が良いかもしれませんが、感染の広がりに比べて、まだ死者は出ていません。


パラオの場合は、先ほど2/8午後3時30分時点の同国保健省発表情報を見ると、新規127人、累計2,843人と新規感染者数は高止まりを続けています。気になるのは入院数で、現在22人、うち9人がコロナが原因、13人は既往症の悪化となり、少しずつ増えています。ワクチンの効果で症状悪化が抑えられているけれども、時間をかけて状態が悪くなる方が増えているのかもしれません。入院患者10名でも医療逼迫との話がありましたので、社会的な影響は大きくなっていると思われます。

今日は久しぶりに古いパラオの友人と話をする機会があり、ある事例を教えてもらいました。プライベートクリニックにコロナ陽性と思われる患者が検査に訪れたことがあったそうです。その患者は検査の結果、陽性と判明し、その医院の看護師や職員は1名を除いて全員陽性になったとのこと。

怖いのは陰性だった方で、何度検査しても陰性でしたが、最初の患者が医院を訪れてから5日ほどで、その方の奥さんと子供は陽性になったそうです。その職員はそれでも陰性でしたが、最初のコンタクトから8日目に陽性に転じました。陰性とされた8日間に、その人は周りに感染者を増やしたことになります。

その友人は、今回の感染爆発についても同様のことが起こったのではないかといっていました。グアムからパラオへの渡航者は全員検査で陰性でしたが、8日後以降に陽性に転じ、その結果、市中感染に繋がり、感染爆発に至ったのではないかと。コロナフリー、コロナゼロを維持するには、厄介な性質だと言っていました。

現在、太平洋島嶼国は、世界各国が1〜2年前に経験したことを経験し始めていると言えます。救い
なのは、現在従来株やデルタ株ではなく、比較的症状が軽い(肺の深くまでウイルスが影響を与えない)と言われるオミクロン株が主流とみられることです。

今月どのように遷移しているのか、気になるところです。
コメントする
コメント