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第51回PIFサミット [2021年08月06日(Fri)]

本日、8/6、2年ぶりにPIFサミットがオンラインで開催されています。

昨年は、ホストのバヌアツが延期を要請し、のちに中止。本年2月に、事務局長選出のためのオンライン臨時サミットがありましたが、正式なサミットは2019年8月のツバル主催の第50回サミットで止まっていました。そのため、議長国はツバルが2年にわたり務めることとなりました。

今回、オンラインではありますが、第51回PIFサミットがフィジー主催という形で行われており、議長国がツバルからフィジーに交代しました。

現時点でオープニングの50分が公開されていますが、興味深いのは、脱退を表明したミクロネシア諸国のうち、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル、キリバスが欠席、トンガは特使が参加していましたが技術的理由か何かで消えました。

米国自由連合国のパラオ、ミクロネシア連邦、マーシャルは、それぞれ米国インド太平洋軍と防衛協議を行うなど、米国が責務と権限を有する防衛・安全保障のフェーズが変化しており、安全保障に関する捉え方が南側諸国と大きく異なっています。

米国は、これら米国自由連合諸国に対し、中国が安全保障上の脅威と明言しています。昨年9月にエスパー長官(当時)がパラオで公に発言したことに驚きましたが、つい先日、7/29の報道で、ミクロネシア連邦に対しても中国が安全保障上の脅威であると明言しました。

PIFでは、テイラー事務局長、プラット次長時代に、2018年頃でしたか、米国を含む大国の争いとは距離を置く(これは良い)、言いなりにはならないといったような発言があり、一方で、中国との経済・経済協力に関する関係を強化するという動きがあるという状況が続きました。さらに、PIFには台湾承認国が加盟しているにも関わらず台湾を軽視するような発言もありました。COVID-19パンデミックがその状況に変化をもたらしていますが、基本的な流れはPIFは大国の言いなりにならない(しかし、中国とは仲良くする)のまま。

キリバス、ナウルは、米国自由連合国とは立場が異なり、上記要素とは異なります。強い太平洋島嶼国主導のPIFに対し、対抗するという要素があるのでしょう。


今朝のオープニングでは、議長となったフィジーのバイニマラマ首相の要請に応じ、米国バイデン大統領がビデオメッセージを贈りました。バイニマラマ首相は、昨年11月の米国大統領選後にいち早くバイデン次期大統領(当時)に祝意を伝え、2021年のPIFサミットへの参加を要請しています。

背景には、トランプ政権で気候変動に懐疑的になりパリ協定から離脱することになった米国が、気候変動についてはトランプ政権以前に戻る、すなわち温室効果ガス排出の2030までの劇的削減や気候変動ファイナンスへの出資の約束の履行への期待があり、気候変動の影響の前線にある太平洋島嶼国の土地に降り立ち、見て欲しいといった考えがあったようです。

ちなみに、バイニマラマ首相は、これまでも国連事務総長や国際機関の長、インドのモディ首相、中国の習近平国家主席、インドネシア大統領、東ティモール首相などの招聘に成功しています。

バイデン大統領の今日のビデオメッセージですが、冒頭、PIF50周年を祝いつつ、地域と米国のマルチの関係ではなく、「各国」との関係と表現していました。COVID-19については、パンデミックと経済問題に触れ、ワクチンへの協力実績と今後の協力、経済復興に対する認識について触れました。また気候変動については、島嶼国各国の重要性を認識し、2030年までの温室効果ガス排出量削減目標の履行、気候変動ファイナンスへの協力について言及しました。個人的に、中国を意識した債務や法の支配、人権などの話に触れるかどうか関心がありましたが、一言、米国の自由で開かれたインド太平洋戦略について触れ、それにより米国は地域の安全と繁栄に貢献する旨述べるにとどまりました。


今回のPIFサミットでは、気候変動による海面上昇が島や沿岸部を水没させることで生じる現実的な問題の1つ、領海および排他的経済水域(EEZ)の縮小の可能性を踏まえた議論が注目されています。いわゆる領海・EEZの根拠となる現在の基線が、気候変動による海面上昇で変更されないように国際社会に訴えかけるための宣言を用意しているようです。同宣言は、9月中旬以降の国連総会、11月初旬の気候変動枠組み条約COP26(グラスゴー)で提示し、国際世論形成を狙っています。これは日本も同調できそうですね。

もう一つ、福島原発汚染処理水については、オープニングで核汚染・非核ゾーンの文脈でツバル首相が触れていました。これについても、何らかの言及があるでしょう。

サミット後にはコミュニケが発表されますので、結果を待ちたいと思います。
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