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太平洋島嶼国という地域としての括りの有り無し [2021年03月20日(Sat)]

米中外相級会談が行われ、さまざまな報道が流れています。それらの報道を見ると、米国はトランプ政権時代よりも立場をより鮮明にし、中国側に率直に伝えたとの印象を受けました。

自分は2012年10月頃から数年だけ、しかも現地での書記官という立場でしかありませんでしたが、国の外交に関わったことがあります。その当時、何ら明確な指示があるわけではありませんでしたが、自分としては尖閣をめぐり、準有事という認識を持っていました。そのことを頭に置きながら、太平洋島嶼国との外交の前線にいたということになります。

当時の豪州、NZの立場も理解できますが、当時はフィジーが先進国側から離れ、日本との関係も最悪の状況にありました。そんな中で、フィジー側の事情を受け取り、一書記官のレベルでしかないのですが、米、豪、NZ、英、仏、EUなどの大使館・高等弁務官事務所、フィジー外務省、PIF事務局を行き来していました。大使館・高等弁務官事務所は大事な時だけなので年に2回程度だったと思いますが、会合でも顔を合わせることはあるので、少しずつニュアンスが共有できればというところでした。

単純に言えば、当時の自分の頭の中には、究極的な対立が発生したとき、国際社会などで、太平洋島嶼国が各国単位で日本側につくか、悪くとも中立の立場を取るかということが常にありました。

2012年10月当時には、準有事という認識があり、それは自分が任を追える3年後も変わりませんでした(フィジーとの関係は改善しました)。

その後、トランプ政権を経て、バイデン政権となりましたが、ベクトルは変わっていません。


これは誰もが思っていることだと思いますが、「太平洋島嶼国」という言葉は無視し、日本を含む情勢を考えると、段階的に次のように分けられるでしょう。
1.台湾、尖閣
2.パラオ、北マリアナ、グアム
3.ミクロネシア連邦(ヤップは位置的には2.だが軍事施設はない)、マーシャル

(キリバス、バヌアツ・ソロモン、フィジー、トンガ・サモアはそれぞれターゲットが異なる)

小さい記事でしたが、3/5付のRNZ記事で、米国防総省がグアム防衛予算16億米ドル計上といったものがあり、1行だけ「パラオのレーダーシステム含む」と書かれていました(https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/437716/in-brief-news-from-around-the-pacific-for-5-march)。パラオのレーダーシステムは3年ほど前から準備されパラオの海域と空域を監視する目的でアンガウルなど数カ所に設置されたものです。当初の名目は、海域は違法操業対策、空域は北朝鮮のミサイル対策でした。

さらに、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャルは米国自由連合国であり、その国民は米国領内では米国市民と同等の権利を有することになっており、志願し成績が良ければ米軍に従軍することもできます。イラクやアフガニスタンに従軍し、命を落とした人々もいるなど、この20年間も実際の戦争に加わっています。自分のマーシャルの教え子も何人か米軍に志願し従軍していました。パラオにも、すでに除隊しているものの、沖縄や横須賀に配属されたことがある人もいます。

つまり、ミクロネシア3国にとって米国の戦争は他人事ではないということです。

何年も前から想定されていることでしょうが、米中の対立が本格化すれば、上記の1、2、3、とターゲットになる可能性があるわけであり、その緊張感は他の島嶼国とは共有できないものであろうと想像できます。

非伝統的安全保障や議論においては「太平洋島嶼国」で地域として括ることができますが、もともと個別の独立国だし、現在のリアルな情勢を踏まえれば「太平洋島嶼国」という言葉にとらわれない方が良いかもしれません。
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