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ミクロネシア5カ国、PIF脱退か? [2021年02月09日(Tue)]

これは予想を超える動きです。自分自身、ブラフもあると考え、過小評価していました。

本気だったのですね。

ミクロネシア5カ国(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル諸島、キリバス、ナウル)が、正式にPIF脱退手続きを開始するというニュースです。

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/436039/five-micronesian-countries-leave-pacific-islands-forum

自分の理解では3段階+1ありました。
1.南側諸国と元々距離感があったパラオの脱退
2.米国コンパクト諸国(パラオ、ミクロネシア、マーシャル)の脱退
3.ミクロネシア5カ国の脱退
+1:台湾承認国(パラオ、マーシャル、ナウル)の脱退

特にキリバスとナウルについては、豪州との関係もあり、抜けにくいかと思っていましたが、これは相当な怒りがあるということなのでしょう。キリバスも骨のある国だし、ナウルも中央太平洋国として誇り高い国ですが、ここまでとは。なめるなよということか。

長年、地域協調のために妥協し、我慢に我慢を重ね、蓄積してきたものが、紳士協定破りにより爆発したのかもしれません。そのような印象を受けます。

ザキオス大使は、これらの国々の動きに対して、熱い気持ちを感じているのではないでしょうか。

ザキオス大使を担ぎ出すために5カ国が相当な努力をしたのかもしれません。この点についても自分は過小評価していました。(適任者が見つからず、最終的に落ち着いたものと...)

ミクロネシア地域は、2016年にMIF(Micronesia Islands Forum,
事務局はパラオ)というミクロネシア行政チーフサミット(MCES)を発展させたサブリージョナルな枠組みがあり、ミクロネシア諸国の課題により直接的にアプローチする形がよりフォーマライズされつつあります。

PIFがSPFに変わる日も近いのか。そうなるとMIFと旧PIF(SPF?)の2つの地域機関枠組みとなるのかもしれません。


日本国内や欧米シンクタンクは、中国の影響を絡めて分析しようとするでしょうが、今回の件に関しては、極めて島嶼国間の問題だと思います。既にPIF事務局では、中国は正当なアプローチ(貿易投資促進、奨学金など)で影響力が高い状態にあり、そこに親台湾の事務局長は合わないという見方はあったかと思います。

PIF自体、南側主導で豪・NZの地域秩序を確保するための枠組みとなっているところ、米系およびミクロネシア地域が主導権を握るのは好ましくないという理由の方が強かったものと思います。


今年、太平洋・島サミット(PALM)を控える日本にとっては、実はチャンスでもあります。PIFが太平洋島嶼国を取りまとめる枠組みでなくなるのであれば、必然的にPALMプロセスの構造を変えなければなりません。関係者は大変になるかもしれませんが、対PIFではなく、14カ国と個別に対応する必要が出てくるでしょう。なぜなら、PALM首脳宣言を太平洋島嶼国を代表すると称するPIF事務局と日本政府で取りまとめたとしても、事実としてPIF事務局は太平洋島嶼国を代表していないことが明らかとなるからです。PIF事務局は太平洋島嶼国を取りまとめる事務局としての正当性を失います。

二国間(バイ)のアプローチではなく、地域としての枠組みに対してアプローチするのであれば、PIF事務局だけではなく、MIF事務局(パラオ)のアプローチが必要になるでしょう。



やはり今年のキーワードは「リセット」。固定観念を取っ払って、再構築。

日本の国益となるよう、皆で知恵を出し合い、それぞれの持ち場を理解した上で相互に隙間を埋め、実質的成果を得るために活動するときが来たのかもしれません。
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