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PIF事務局長選出、追記 [2021年02月05日(Fri)]

まず、PIFの加盟国・地域ですが、豪、NZ、太平洋島嶼国14カ国(ミクロネシア5,メラネシア4、ポリネシア5)、仏領2(ニューカレ、仏ポリ)の18になります。

昨日の現地報道や、ミクロネシア連邦の広報がアップしたパニュエロ大統領のインタビュー書きおこしなどを読むと、少し空気感が分かるように思います。

今回の特別オンライン首脳会議は、パニュエロ大統領によれば「マラソン」会議で、朝9時から14時間行われたそうです。昨年年次総会が開催できなかったことから、さまざまな議論すべく課題があったこと、さらに新事務局長選出というものがありました。

選出自体は、恐らくキックアウト形式で行われたものと思います。秘密投票の形だそうで、5人の候補者から始まり、最後にはプナ前首相とザキオス大使(元外相)の決選投票となり、9対8でプナ前首相が選ばれたということです。

ザキオス大使は残念ですが、メンツはギリギリ保たれたのではないでしょうか。しばらく、ミクロネシア諸国(特に米系3国)は疎外感を感じるかもしれませんが、PIF自体が基本的に南側のルールによるものなので、変わらないと言えば変わらない。


しかし、今回はCOVID-19のせいで異例の形となったものと思います。通常、年1回のPIF総会(サミット)では、サミット、域外国対話があり、さらに別日程で首脳のリトリートがあります。そして、このリトリートが非常に重要な機会となります。

サミットや域外国対話は、正式な会議として、事務方も含め多くの目の中で行われます。

リトリートは、離島やサマーハウス的なリラックスできる場所に移動し、基本的に首脳同士が事務方を交えずに直接率直な話をする場です。そこで信頼関係や友人関係が築かれるし、本音の話し合いができ、例えば2者間にわだかまりがある場合でも、その場で仲介する首脳が表れ、解決されたりします。リアルなパシフィックウェイの場です。

本来、事務局長選出の時には、事前にこのようなリトリートを行い、合意形成を図ります。全会一致にはならないので、最後は投票で決められますが、それでも事前のリトリートの話し合いがあるので、対立が深まることは基本的に避けられます。


しかし、今回はオンライン会議であるため、そのような肩を抱きながら話すような機会、魚を取ってビールを飲みながら談笑する機会が無かったことで、選出の仕方が尖ったものになってしまったかもしれません。

一時的に分断が進むかもしれませんが、COVID-19で対面の会合は当面難しいでしょうし、つかず離れず(課題によっては結束し、課題によっては離れるなど)といった風になるのではないでしょうか。それよりも、ものすごく官僚的なPIF事務局がプナ元首相の腕力で柔軟性のある組織に変わって欲しいと思います。


前の記事と重複しますが、1年半前、PIF首脳は「次の事務局長はミクロネシア地域から」ということで暗黙の了解=紳士協定ができていました。しかし、そこにはPIF事務局長は名誉職ではなく(癖のある首脳、豪、NZ、さまざまな開発パートナーなど、野獣の世界で切り盛りできるような)強いリーダーシップが必要という暗黙の注釈がありました。

期待していたところ、ミクロネシア5カ国の首脳が推薦したのはザキオス大使。ザキオス大使は外相経験もあり、弁護士でもあったと思いますし、実績もありますが、いかんせん地域では名が知られていない。ある南側の国のハイレベルの方は自分に対し「ザキオス氏はどんな人だ。南側ではほとんど知られていないぞ。PIFのことを理解しているのか」などと話してきたこともあります。

2001年から2007年頃までマーシャルの外相としてPIF総会にも大統領に同行し出ていたと思いますが、当時、次のリトクワ大統領(顧問はツバル人2名)になるまで、PIF総会では当時のマーシャル代表は、ニコニコして頷いて、意見を言わないと見なされていたという話もそのツバル人顧問から聞いたことがあります。

それで、2008年にリトクワ大統領が英連邦系の島嶼国が豪・NZに対しハッキリ意見を言わないところ、ズバッと「例えば日本は〜の支援を約束したが、あなた方は考え方を押し付けるだけで、具体的にどのような支援を考えているのか」と発言し、他の出席者を2つの意味(ただニコニコしていたマーシャルが、そして豪・NZに)で驚かせたと、いつかの食事の席で大統領と顧問2人が話してくれたことがありました。そのころから、マーシャルは様々な場で、はっきりものを言うようになったと思います。

ザキオス大使が外相の時には、PIF総会ではほとんど目立たなかったということです。


ということで、要するに、ミクロネシア地域にチャンスが回ってきたが、人選がうまくいかなかったということでしょう。そして、南側の国々が危機感を感じていたところ、プナ首相が勇敢に出馬を宣言し、今回の結果に繋がりました。

パラオのレメンゲサウ前大統領やキリバスのトン元大統領(キリバスは米系ではなくかつて元大統領が事務局長になっているので現実的ではなかったし、マーマウ大統領は支持しなかったでしょうが)が候補となっていれば、プナ前首相が立つこともなかったかもしれないし(それでも立つという場合は、要素は米系にはまだ任せたくないとか、親台湾という要素が強く関わったはず)、ミクロネシア地域から事務局長が誕生したかもしれません。

タイミングの問題もあります。1年以上前、ミクロネシア地域の候補者をまとめるときに、レメンゲサウ大統領は現職バリバリだし、他に出られる立場のキャリアがある人がいなかったともいえます。

でも、PIF事務局長職は本当に大変な立場だと思うので、今回の結果で良かったのではないかと個人的には思います。

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