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PIF事務局長選出に関する私見 [2021年02月04日(Thu)]

PIF事務局長選出について、個人的な感想や見立てを書き残したいと思います。

今回のPIF事務局長選出に関する混乱の原因は、偏に、ミクロネシア諸国5カ国が選んだ候補者の弱さに尽きます。

1年半ほど前、PIF首脳は、これまで豪州〜ポリネシア(サモア)〜メラネシア(PNG)と事務局長職が回っていたので、「次はミクロネシア地域から」ということで合意していました。いわゆる紳士協定です。しかも同じミクロネシア地域でも、これまで一度もなかった米国系の国々(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャルの3国で、PIFの枠組みでは後から加盟した国々)のいずれかからという考え方でした(90年代にはキリバスの元大統領が事務局長を務めました)。

しかし、そこには「しっかりとした候補を出せよ」という暗黙の注釈がついていたのだと思います。

そこで、パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル、ナウル、キリバスの5カ国首脳が推薦した候補者が、マーシャルのザキオス駐米大使でした。

かつてノート政権で長く外務大臣を務めたことや、人的繋がりもあるため、この5カ国の間では知られている人物ですが、南側の国々ではほぼ無名であり、リーダーシップについてもクエスチョンが付き、野獣と渡り合わなければならないPIF事務局を任せることは難しいという意見が大勢だったと思います。

仮にザキオス大使が事務局長になれば、次の懸念がありました。
・PIF事務局の弱体化、PIF枠組みの弱体化
・PIF事務局の国際社会での発信力低下
・地域CROP機関のとりまとめ力低下
・米国に近すぎるため、米国系の影響が入る
・親台湾であるため、PIF事務局内に余計な摩擦が生じる

この空気を読んだのか、背中を押す人たちがいたのか、昨年4月頃にクックのプナ首相が突如、立候補を表明しました。

首相を辞任してまで出馬するということは、すでに強い後押しがあったのだと思います。クックはNZに近く、プナ首相は、発言力、発信力、政治力、リーダーシップがずば抜けています。かつて、フィジーがPIFから外に出されていた時、2013〜2014年頃でしたか、EUのACP枠組みのパシフィックグループを活用し、本来PIF事務局がPacific ACPの事務局であるところ、フィジーが外されていることに対抗し、フィジーを取り組むために別途事務局を作ろうとするなど、大国や既存の枠組みを変えていこうとする意志の強い方だと思います。キリバスのトン元大統領をさらに強くした感じです。

日本との関係は特に問題はないでしょうが、特別な扱いは期待せず、これまでどおり外交相手の1つという位置づけになると思います。むしろ、外交のど真ん中にいた方なので、話は通じやすいかもしれません。


ここまで次の動きがありました。
1.PIF首脳の総意として、次はミクロネシア地域から。
2.しかし、ミクロネシア地域からの候補は非常に弱い。地域がまとまらない。
3.プナ首相が立候補表明
4.ミクロネシア諸国(特にパラオのレメンゲサウ大統領)が離脱も含め強硬なメッセージ。

PIF首脳側としては、
1.ザキオス候補には任せられない
2.ミクロネシア諸国の顔を立てなければならない
3.ザキオス候補に恥をかかせるわけにはいかない
といった要素がある中、さらに3名が立候補することとなりました。

結果的に見れば、候補者が乱立したことで、票が割れ、5名の候補者の中で最もキャリアが秀でているプナ首相(首相を辞任してまで立候補した強い意志と、その首脳経験者に恥をかかせるわけにはいかないという部分もあるのでは)が自然に選ばれる流れが作られたように思います。

仮に、これがザキオス大使とプナ首相の一騎打ちとなれば、地域内の亀裂は深まったことでしょう。

今後しばらく地域の結束には問題があるかもしれませんが、時間が解決していくでしょう。6年前にテイラー事務局長が選出されたときにも、フィジーの候補が優勢だったのがひっくり返ったことで、一時的に不和な状況が生じたものです。


プナ新事務局長の下で、事務方が強くなり過ぎたきらいがあるPIF事務局の内部改革が進むことが期待されます。
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