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バイデン・ハリス政権下で、ミクロネシア3国はどうなるか(私見)? [2020年12月06日(Sun)]

一切の陰謀論を排せば、米国大統領選の結果は決まったと考えるのが一般常識になっていると思います。その場合、陰謀論を排するということに矛盾しますが、トランプ陣営は何のために粘ったのか、興味がわいてきます。

古き良き時代のアメリカの最後の炎だったのか。比喩が正しくはないと思いますが、直感的に、西南戦争の西郷隆盛のような役割だったのかなどと、考えます。

冷静に俯瞰してみると、@オバマ政権・日本の政権不安定時代→A安倍政権→B安倍政権・トランプ政権時代→C次の時代という流れのようにも見えます。

島嶼国相手ではありますが、外交の一端を現場で経験する中で、@の時代は日本は目立たず(ある意味、気楽)、A・Bの時代になり積極的に国際社会に関与し役割を担うように変化したように見えます。

(以下、探せば関連する報道もあるかもしれませんが、自分の現地で得た空気感によるものです。)

米国とミクロネシア3国(パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル)の関係では、@のオバマ政権時代は距離感があり、Bのトランプ政権時代にグッと距離が縮まりました。

オバマ政権時代は、米国側から見ると「ミクロ3国側に甘えさせない、自立させる」という考えであり、地域の安全保障上の重要性はあまり認識されていなかったようです。一方で、ミクロ3国側からは「話が通じず、チクチクいじめやがる」と捉えられました。良い面としては、実際にミクロ3国側はそれぞれ米国に頼らず、財源を探して自立しようという動きになりました(例えばナウル協定締約国グループの活動、パラオの観光促進など)。

結果、マーシャルでは内政混乱の遠因となり(クワジェリン関係とか)、ミクロネシア連邦ではコンパクト破棄という過激な話も出るようになりました。中国の経済力も魅力に感じられたでしょう。

パラオについては2010年から2017年までコンパクトの部分改定が放置され、経済関係の多様化方針から中国の影響力が高まりました。米国との心理的距離感が生まれました。


トランプ政権になり、安全保障上の重要性から、ミクロネシア3国との血の通った関係構築を進めていきました。ミクロネシア3国側からは、コンパクト改定に向けて、話の分かる相手であると、米国に対する信頼感なのか安心感なのか、そのようなものが感じられるようになりました。


そして、主題の「バイデン・ハリス政権下で、ミクロネシア3国はどうなるか」ということですが、オバマ政権への回帰ということになると、ミクロネシア3国から見ると、また話が通じない相手となる可能性があります。(ここでは台湾関係は触れません。)

ミクロネシア連邦とマーシャルのコンパクトは、米国も含め、いずれかが破棄を申立て、各国の憲法に則った住民による破棄の合意がない限り、期限がありません。ただし、経済援助については2023年度(2024年9月末)で終了する取り決めなので、それまでに改定交渉を終えなければなりません。パラオについては2044年までと期限があり、その中の経済関連部分の改定を2024年度(2025年9月末)までに、終える必要があります。その交渉相手がバイデン・ハリス政権となります。

ミクロネシア3国から見て、プラスの面から期待できるのは、社会福祉面を重視してくれるのではないかというところ(ミクロネシア3国の市民は準米国市民扱い)と、気候変動を重視し安全保障の対象としてくれるのではないかというところだと思います。

マイナス面としては、先進国と同様なレベルの回答を求められ、キチキチ詰められて、嫌がらせのように感じるようになるかもしれません。(米国の立場に立てば、間違っていないとは思います)


オバマ政権への回帰ということになると、俯瞰してみれば、ミクロネシア3国との距離感が少し開く感じです。そこに隙間が生まれ、中国の経済次第ですが、中国が再び影響力を高められる場ができるかもしれません。日本がその隙間を埋める力があるかどうか。最悪のシナリオでは、台湾承認国の消滅もゼロではないでしょう。さらに、ミクロネシア連邦でのコンパクト破棄という話が再燃するかもしれません(実際には米国在住の何万人ものミクロネシア国民のビザ特権や社会福祉がなくなるので現実的ではないと思う)。

トランプ政権下で日米豪ミクロネシア3国で1つの一致した方向性が見えてきていましたが、バイデン・ハリス政権の誕生でミクロネシア地域の様相が一変するかもしれません。日本はいくつかのシナリオを想定し備える必要があるでしょう。

あとは、太平洋地域において、日本が2000年代のような扱いに陥らないかどうか、心配なところもあります。
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