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島嶼国の人々の印象 [2020年06月21日(Sun)]

元来、旅行というものは得意ではなく、海外を訪問する時には、できるだけ訪問者ではなく生活者になりたい、生活者の視点を理解したいと考えてきました。

これまで海外で生活したと言えるのは、ザンビア、マーシャル、フィジー。ザンビア時代は、社会経験もなく行ってしまったので、何もかもが新しく、ただ揉まれただけのような気がしますが。

個人の見解になりますが、例えば、マーシャルでは、外側から見ると、皆、微笑んで優しいし、声を上げることもないし、否定しないし、心地よいという印象があります。しかし、彼らの日常生活に深く入り込むことで、それが変化していきました。

例えば、生活上、閉ざされた社会故のプレッシャーやストレス、生活費の不安、家族親族を養うプレッシャー、家族の問題、伝統社会に基づく不文律の制約、表に出せない様々な不満などを抱えており、これに今でいう気候変動や環境変化による問題(高潮、干ばつリスク)が加わっていました。

そのような彼らと生活していく中で、彼らに「忍耐力」と「我慢」する心の強さを感じました。


目立つ範囲で言えば、例えば、ネムラ外務大臣。彼は国民からの人気も高く、自分の経験では強い信念を持つ将来のマーシャルを支える国士でしたが、古い政治家が大統領になるのを防ぐため、一旦大統領に選出されたものの、10日足らずで不信任案が成立し、失脚、野党に下りました。大変、不名誉なことで、狭い島社会の中で厳しい状況に置かれました。恥をかくことが最もつらいこと。当日、自分はネムラ夫人や豪州の友人に、「キャステンは自らを犠牲にすることで、古い政治が続くことを防いだ」、必ずチャンスが来るとメッセージを送りました。

その後、彼は、4年間忍耐強くロープロファイルで地力を高め、現在の政権では外務大臣に就任しています。

ネムラ大臣は、米国から帰国し官房長官になった2007年頃、クワジェリン基地に関連し、大酋長の故イマタ・カブア元大統領に政府代表として面会した際、「お前は誰だ?」と軽くあしらわれたことがありました。当時まだ30代だったと思いますが、その時も、冷静さと強い忍耐力を示していました。

プロレスラーのように握力が強く、握手するといつも自分は声を出さずにいられなかったことも思い出します。当時から、強い信念と将来のビジョンを持つ、忍耐強い人物でした。


話変わり、今年の1月、フィジーからソコ国家災害管理局長が日本に来た際、現地の災害に関する話をしました。その中で、島嶼国の「脆弱性」という言葉を自分がいったのか、誰かが言ったのか忘れましたが、発したとき、ソコさんは「我々は脆弱ではない。これまでずっと自ら対応し、生き抜いてきた」という発言をしました。

これはソコさんだけではなく、これまでもいろいろな島嶼国のさまざまな立場の方々から言われてきました。彼らは彼らの環境をよく知り、対応し、生存してきたと。ただし、現在は気候変動により対応するには変化が激しく、新しい技術が必要とも言います。

ソコさんの言葉で、彼らの誇りの高さと、忍耐強さを再認識させられました。


さて、彼らのその精神性の背景には何があるのでしょうか。キリスト教が強いウェイトを持つのは確かだと思います。何かあると、聖書の「〜」と、紹介してくれます。加えて、自我というかエゴが少ないのかもしれません。公共の意識というものが弱いという印象がある一方で、自己主張は抑えている人々が多いです。

あるいは、ある意味達観しているのか。

自分が彼らと同じ状況にいたらと想像すると、絶対に耐えられないような精神が崩壊すると思えるような状況でも、自分よりも20年若い世代でも、彼らは達観して乗り切っています。

これはキリスト教以前からある島の伝統的考え方でしたが、かつて海洋保護区やRidge to Reefプロジェクトなどに関わった際、彼らは、「自分たちは島の生態系の一部だ」という考えも示していました。


島嶼国の人々は忍耐力が強く、それを支える何かがあります。
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