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太平洋諸島フォーラム(PIF)事務局長ポストを巡る動き [2020年06月19日(Fri)]

PIF事務局長の任期は3年、連続2期までとの取り決めがあります。その事務局長はPIFメンバー国首脳の合意で決定されます。

現在のテイラー事務局長は、2014年12月に就任されたため、今年の12月までが本来の任期になります。

通常、8月〜9月頃に開催されるPIF総会(サミット)で、首脳が次の事務局長を選びますが、コロナの影響を受け、今年の総会は開催国バヌアツの要請で来年に延期の見込みとなっています。そのため、首脳が次の事務局長をどう決めるのかに関心が集まっています。

テイラー事務局長の任期延長という話もあるようですが、テイラー氏自身はもう一期、3年務めたいとの意向がある一方で、首脳は期限を決める、常識的には来年のPIFサミット後までだろうとの空気になっているとの話もあります。

近年の事務局長は、豪州人の故グレッグ・アーウィン氏(2004-2008)、テオ次長の暫定事務局長を挟み、サモア人のスレード氏(2008-2014)、パプアニューギニア人のテイラー現事務局長(2014-)となっています。

テイラー事務局長選出の時期、ポリネシア地域のスレード氏の後なので、ポリネシアが続くことはなく、次はメラネシア地域からという空気ができていました。そこでフィジーの元外相が有力でしたが、最後にパプアニューギニア側のロビー活動で逆転(確かミクロネシア地域の国々が支持したと記憶があります)、テイラー氏が選ばれました。テイラー氏は確か世銀などで活躍し、国際社会での経験が豊富。就任後は、上下関係を問わず広く人々の意見を聞き、かつ強いリーダーシップを持つ方とスレード氏の後のPIF事務局内では職員の評判も高かったと思います。

このように、ポリネシア、メラネシアと続いたので、当然次はミクロネシア地域から選出だろうとの空気がありました。過去に1992年から2期6年、キリバスのタバイ元大統領が事務局長を務めたことはありますが、北半球から選ばれたことはありません。PIF自体、北半球の国々が加盟できたのが80年代後半の独立以降で、これらの国々は米国の強い影響下にある国々でもあるため、10年ほど前までは、いまいちPIFの枠組みに馴染んでいなかったようにも思います。教育の背景も英連邦系と米国で異なるし。

今回、ミクロネシアの5カ国は、マーシャルの元外相、駐米大使を務めるジェラルド・ザキオス氏を統一候補として推薦することに合意しています。ザキオス氏はマーシャル人ですが、母親がパラオ人なので、パラオとしても身内になります。

ところが、少し様相が変わってきました。

PIF事務局は財政問題もあり、次長を2名から1名に減らし、以前、フォントイ次長(NZ)、プラット次長(NZ)の体制から、プラット次長(NZ)1名となり、先日プラット次長も退任されました。そして、つい先ごろ、新しい次長に、マーシャル人のマノニ博士が就任されました。

ここで2つ懸念材料があります。1つは、ザキオス氏のプロファイルについて。米国系の国の出身者が英連邦系の多いPIFを仕切れるのか、国際社会での発言力があるのか、など心配されているとの話があります。また、次長にマーシャル人が就任したことで、両方がマーシャル人で良いのか。さらに、豪州、NZとのパイプが薄いマーシャル出身者で、豪州、NZとやり取りできるのか。マーシャルは台湾承認国という点もうっすらと影響がありそうです。もう1つは対立候補の登場です。

なんと、クック諸島のプナ首相が9月に辞任し、PIF事務局長に立候補すると宣言しました。

6/17付 Radio New Zealand
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/419204/the-cook-islands-pm-to-stand-down-in-september

これに対し、昨日、パラオのレメンゲサオ大統領が声を上げています。

6/18付 Radio New Zealand
「次はミクロネシアの番だ」


PIFサミットの延期、初の米国系諸国か英連邦系(豪・NZ)か、台湾承認国か中国と国交のある国か、幾つかの要素が絡み合っています。

仮に、ポリネシア、メラネシア諸国がプナ首相を推す場合、PIFの枠組みに亀裂が生じることが考えられます。

現状、PIF事務局は日本の太平洋・島サミットの現地事務局的役割を担っているため、日本にも関係がないわけではないので、少し気にした方がよさそうです。
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