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太平洋島嶼国と中国の話など..の続き [2020年05月31日(Sun)]

一晩寝て、思い出したことがあるので少しだけ。

2012年10月から3年間、フィジーの現場にいたのですが、当時、自分が認識していた日本と地域との関係に関するキーファクターに、フィジー、豪州、NZ、PIF事務局、中国がありました。当時はまだNZと豪州はセットで、豪州が決めればNZがついていくような印象があり、フィジーに関しては特に2014年末までは、両国がバイニマラマ暫定政権に対して大変厳しい対応をとっており、両国にとって中国ファクターはかなりプライオリティが低く、むしろ「日本が中国と覇権争いをしているのだろ?」といった雰囲気だったと思います。

例えば、中国を開発パートナーの一つと認識して、どうやって先進国側の支援と協調させていくかという考えもありました。被援助国次第でもあり、今も現場ではあるのだと思います。現地の中国大使館も、融資などについても情報をできるだけオープンにしようとする姿勢もあったようです(当時のADB現地事務所長)。

思い出したことというのは、NZや豪州の中国に対する立ち位置についてです。

自分が現場にいた2012〜2015の間、自分が得ていた印象は、両国とも親中であり、日本と中国を比較したときに、差がない、場合によっては、中国の方をより親しく見ているというものでした。

2013年頃、当時の岸田外相がNZを訪問し、日本とNZで島嶼国に対する経済協力の協調を図ろうと共同声明を出した後のこと。当時、ある国で日本の資金によりPIF事務局を介して進めているプロジェクトがありました。何カ月もの期間、ガイドラインに沿って進め、もう機材を調達して実施するのみといったところまで進んでいましたが、対象国が急に沈黙するという事態が発生しました。調べるとNZとの関係があり、同地を管轄する日本の外交官やPIF事務局の担当者が現地に入り、日本とNZの協調案件にできるのではないかと調整を進めましたが、対話どころではなく、一方的に同プロジェクトを白紙に戻されたということがありました。当時すでに現地ではNZと中国の協調案件が進んでいた時期でもあります。このプロジェクトの話はこれで終わりです。

このような細かな話がいろいろな場面であり、フィジー、PIF事務局、中国を取り上げただけでも、当時、自分の立場ではNZや豪州をどこまで信用していいのか、疑問が残りました。

日本のフィジーやPIF事務局に対するアプローチに対しても、「余計なことをするな」と暗喩したニュアンスがあり、苦々しく思っていたかもしれません。

それでも、ある日本の外交官は「日本は世界の大国であり、誇りをもって堂々と対応しよう」と言い、外交的配慮をしつつも、豪州やNZの意向に屈せず、太平洋・島サミットを活用し、状況を変えていきました。

2015年末に自分は帰国し、当財団で再び働き始めたわけですが、依然として、豪州、NZについては、上記の印象が残っていました。

その期間、2013年9月のオーストラリアでの労働党から自由党への政権交代、2014年9月のフィジーの民政復帰、2016年11月の米国大統領選、2017年1月のトランプ政権誕生、2017年10月のニュージーランドのアーダーン政権誕生などがあり、2017年以降は、上述の印象は大きく変化していきました。

これを考えると、過去を知っていてもそれを引きずらず、変化にうまく対応できる頭の柔軟さが重要なのだと思います。
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