太平洋島嶼国で警戒態勢が緩みつつある? [2020年04月21日(Tue)]
フィジーではスバのロックダウンが解除され(夜間外出禁止や集会禁止などは継続)、トンガでは6月に航空便再開の話題が出て、グアムでも知事が新規感染者数が減少しているので経済活動を再開する方向で検討しているとの情報が目に付いてきました。
感染者が出ていない、サモア、トンガなどでは、感染者がいるものと想定し、非常事態宣言が出され、ロックダウンや外出禁止令などによる人の移動の制限が行われ、もう1カ月くらいになるでしょうか、結果、感染者は未だ無し、という状況にあります。 他にも感染者が出ていない国で、外部からの流入が無い状態で、数週間人の動きを制限し、感染者ゼロであれば、(感染者が出るまで?)通常の経済活動に戻って良いのだと思います。 ただ、海外からの観光などによる人の往来に関しては、まだ緩めてはいけない状況でしょう。水際対策を強化・維持しなければなりません。 「島にウィルスを上陸させない」 シンプルにこれだけです。 自分が日本で生活していても、身近に感染者が出ないと、なかなか実感がわきませんが、同様に感染者が出ていない国では深刻さを維持することは簡単ではないでしょう。その緩い警戒感を背景に、海外からの渡航を再開させていけば、島から見た海外での感染者数の増加(=ウィルスキャリア確率の上昇)を踏まえれば、島にウィルスが入るのは時間の問題となります。 いつ、海外との人の往来を再開するのか、これは観光産業が発展している島嶼国においても重要な課題ですが、ウィルスフリーの世の中にならなければ難しい。そうすると、数カ月での再開は難しいでしょう。 現実的にウィルスが残る世の中において、人の往来を再開し、経済活動を再開するためには、リアルタイムで未感染であることを示したり、抗体を持っていること(この抗体は、感染歴を証明する抗体ではなく、感染しないように体を守る抗体のこと。映画「コンテイジョン」のマット・デイモンの状態)を明示しなければならないのではないかと思います。例えば5Gがどこでも使えるような地域であれば、アプリか何かで示せるようになるとか、体にマーカーが付けられるとか。 症状が無くても他者に感染を広げることができ、14日の隔離もすり抜けるということであれば、少なくとも太平洋島嶼国が人の受け入れを再開するには、体温だけではなく、フライト搭乗時と入国時に、ウィルスがないことを示せるようにならなければならないでしょう。 もう一つは、ウィルスが変異して、弱毒化し、普通の流感のようになることを望むということかもしれません。 |