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トンガ(3) [2020年03月11日(Wed)]

さて、トンガを民主化の視点から見てみましょう。

再掲すると、当時の議会は平民議席9、貴族議席9、国王が任命する閣僚14名で構成され、首相も国王が任命していました。33名中、平民は9名のみ。形だけの平民議席と言えます。

人口の大多数を占める平民の民主化の声を受け、議会は2002年、2004年に政治改革案を発表しますが、満足のいくものではなく、2006年のヌクアロファ大暴動に繋がりました。

そして、2010年に議会改革が行われます。新しい議会構成は平民議席17、貴族議席9議席の全26議席で、議会が首相を選出することとなりました。

一見大改革に見えますが、貴族側が平民から5名取り込むことで、依然として貴族・王族による支配が続く形となっています。そのため、平民主導の政権を作るためには、平民議席17議席中、13議席を1つの政党もしくはグループが占めなければなりません。非常にハードルが高い。

新しい制度で行われた2010年の選挙では、平民側議席はポヒバ氏率いる政党DPFI(Democratic Party of Friendly Islands)12議席、無所属5議席で構成され、DPFIが平民過半数を占めたものの、無所属平民議員5名と貴族9名が結束し、首相には王室に近い貴族議員のトゥイバカノ卿が選出されました(トゥイバカノ卿というのは伝統的タイトル名ですが、トンガではタイトルが継承された時点で名前として使用するそうです)。国王は現在のトゥポウ6世です。

ポヒバ氏率いるDPFIは選挙で大勝したものの、平民が関与できない貴族議員枠のために政権をとることはできませんでした。

4年後、2014年の選挙ではDPFI9議席、無所属8議席、貴族9議席となりましたが、首相指名選挙ではポヒバ氏が15票を獲得し、ついに平民政権が誕生しました。議長には同じく15票を獲得したトゥイバカノ卿が選出されました。(ちなみに土地担当大臣は貴族議員)

故ポヒバ首相は、民主化運動の闘士であり、王室の政治関与を軽減し国王の地位をより象徴的にすることを目指していました。そのため、2017年8月までに4回ほど内閣不信任案を提出する動きがありましたが、いずれも否決、もしくは議会に提出されませんでした(2017年2月には内閣不信任案が正式に議会に提出されたが、否決された)。

しかし、2017年8月、議長トゥイバカノ卿が枢密院を介して国王に助言し、憲法に保障されている国王の権限で、議会が解散され、同年11月に平民17議席のみの選挙が行われることになりました。(これは民主主義の視点では覚えておくべき事例だと思います)

結果は、DPFI14議席、無所属3議席のポヒバ圧勝であり、初めて1つの政党が単独過半数を獲得。これはトンガ国民の根強い民主化支持を表すものであり、貴族および王室の政治関与への不満の表れであったといえるでしょう。

平民の政治参画強化を実現したアキリシ・ポヒバ前首相ですが、残念ながら、病気のため昨年9月逝去されました。
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