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トンガ(2) [2020年03月11日(Wed)]

トンガは男系であり、トンガ情報通信省資料によれば、現在のトンガの正式な貴族階級が33あり、現在、国王、皇太子、王子3名、貴族(〜卿)が25(3つは空席)とのことです。このタイトルには土地の権利が付帯しています。他に永世貴族のような階級が8つあります(こちらは土地はつかない)。トンガ全体の人口構成でみれば、圧倒的に平民が多いということが言えます。

このような階層社会のトンガでは、独立以降、トンガの政治も外交も経済も王室が握ってきたこと、さらに1996年以来の中国との親密化が背景にあり、平民に不満がたまり、2000年代に入ると、のちに首相になった故ポヒバ氏などを筆頭に民主化運動が活発化することになります。

2002年、2004年には議会で政治改革案が出され、2005年にはPIF総会でトンガの民主化運動が提起されました。

その民主化運動のピークが2006年11月の首都ヌクアロファの商業地区(CBD)で発生した大暴動です。当時、ポヒバ氏は演説などを行っていたようですが、この暴動によりCBDが焼けました。逮捕者は約800人。

2006年当時のトンガGDPが約350億円のところ、この暴動による損害額は100億円弱ともいわれ、当時トンガ政府がCBD再建資金支援を開発パートナーに求めました。

しかし、通常のODAのラインでは適切な支援手法はなく(なぜなら具体的なプロジェクトではなく、資金を調達したいというものであったため)、例えば豪州、NZなどは民間銀行を介した融資枠設置などを行ったと思います。

そこで手を挙げたのが中国。ヌクアロファCBD再建計画として、中国から総額約70億円のローンを得ることとなりました。2007年に合意、2008年から事業開始。当然、当時のトンガ政府は王室主導でした。ここに、のちに外部で「借金の罠」と揶揄される中国との関係が始まります。融資の扉を開いたというか。

ただ、中身をみると、中国が悪者にされるのは気の毒というか、トンガもトンガだと思います(踏み倒し前提で資金を求めた節がある。。)。

内容は、
(1)総額4億4000万元(1億4270万トンガドル、約70億円)
(2)猶予期間10年(交渉により5年延長、2018年9月より返済開始予定が、再交渉で再延長)
(3)返済期間20年
(4)金利2%だが、管理費等含め、毎年3.75%の支払いを行っている。
   (すなわち、トンガ政府は毎年2億5千万円前後を10年以上支払っている)

この資金を使い、トンガは、以下のプロジェクトを実施しました。
(1)2006年の暴動で破壊された商業地区の再建(2012年完了)
(2)ブナ埠頭建設(2012年完了)
(3)セント・ジョーンズ政府庁舎建設(2017年完了)


これで中国からの資金調達手法を知ったトンガ政府は、さらに資金を調達します。
・トンガ全国道路改修事業(2009年合意、2010年事業開始、2017年完了)
(1)総額2億9100万元(9450万トンガドル、約45億円)
(2)猶予期間10年(交渉により5年延長)、返済期間20年、2020年9月より返済開始
(3)金利2%だが、管理費等含め、毎年3.75%の支払いを行っている。
   (すなわち、トンガ政府は毎年1億7千万円前後を支払い続けている)

皮肉にも、民主化運動が、中国と王室主導のトンガ政権の関係をより親密化させたと言えます。ただ、のちにこれらの融資が国に対するものなのか、王室を通じた民間に対するものなのかという議論もおこりました。

(つづく)
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