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太平洋島嶼国、コロナ19、経済 [2020年02月24日(Mon)]

先日、日本の10月〜12月期のGDPが年率マイナス6.3%との報道がありました。
内閣府の元資料(https://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/data_list/sokuhou/gaiyou/gaiyou_top.htmlを見ると、以下のとおりでした

前期比(7〜9月期比)で、実質マイナス1.6%(目安ですが4倍すると年率)。名目がマイナス1.2%(年率マイナス4.9%)。

2019年の実質GDPはプラス0.8%。

前期比という部分で言えば、消費税増税前に少し高めの成長があり、10月以降増税の影響があれば、両期の差が大きくなるのは想定内のことかと思います。

しかし、先日大阪なんばの小さな飲み屋さんに行く機会があったのですが、マスターが「2%の増税で店をたたむ人が増えた。たった2%というが、便乗を含め、あらゆる段階でコストが上がり、末端でその利益を出すのがどれだけ大変か。」と話してくれました。その後、多くのことを考えさせられました。自分の中で、現実的なミクロ経済の視点が欠けていました。

支出面からのGDPは、CGI +(X-M: 経常収支)と、フィジー財務省のペニさんに教えてもらいましたが、Cが民間消費、Gが政府消費、Iが固定資産形成(Investment)、X-Mが貿易収支。マクロ面では、どうやってお金を動かすか。貿易収支については、日本やアメリカのような国は、大きな赤字はGDP上あまり良くないと思いますが、それよりもボリュームが重要なのだと思います。例えば輸入が大きくなれば、それだけの需要・消費力が国内経済にあるのではないかと。

今回のコロナ19の影響について、経済面に次第に現れると思いますが、素人考えですが、人やものの流れが淀んだとき、国の経済については国内消費を増やさなければまずそうです。


太平洋島嶼国の経済については、2007年の石油価格高騰、穀物価格高騰、2008年以降の世界金融危機が起こり、2012年までの混乱期を思い浮かべています。(例えば穀物価格は投機やバイオエタノールの流れもあり、島嶼国での消費レベルでは3倍に上がりました)

今回、石油価格は低く安定、穀物価格もまだ安定しています。金融市場もまだ大混乱には至っていないので、信託基金の運用は大丈夫そうです。

石油・穀物価格が安定し、金融市場が安定している現時点では、大きな打撃がありそうなのは、観光産業が盛んな、パラオ、バヌアツ、フィジー。パラオではGDPの7割が観光関連、GDP官民比が1:2なので、政府部門は何とかなりそうですが、観光部門が大幅に縮小するとGDPとしては最悪ゼロからマイナス成長の可能性があります。その場合、民間部門が海外からのあらゆる投資を求めることになるでしょうし、9月の大統領予備選、11月の本選と議会選挙になんらかの影響を与えそうです。

島嶼国の経済としては、中国の消費下降で豪州経済が落ち、南半球の島嶼国経済に影響するかもしれません。直接的には中国からの政府支援、民間の直接投資が減れば、リスク要因となるでしょう。さまざまな工事が止まれば、現地の建設部門が冷え込み、フィジーで言えばセメントもマイナスになるかも。資産の引き上げや、借金取り立ても出てくるかもしれません。

一方、気候変動の視点では、太平洋島嶼国が望むとおり、二酸化炭素の排出量は世界的に落ちるかもしれません。それと同時に経済との連関が見える機会になるでしょう。

現時点では、太平洋島嶼国経済では、石油価格、穀物価格、金融市場(信託基金の運用)の動向、上記3国については観光部門の動向、豪州・NZ経済動向と民間経済への影響、中国の政府経済協力の動向、中国民間の経済活動について、注視して行くことが重要だと思います。

過去の経験から言えば、現地経済の悪化は、各国内政の不安定化をもたらし、地域秩序に隙ができます。2000年代から2010年代初期は、先進国側の援助疲れと中国の経済発展により中国の影響力が非常に高くなりました。

今回が、何らかの経済変化の局面であるとすれば、かえって状況を好転させる機会とすることも可能であり、備えておく必要がありそうです。
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