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地域機関か二国間か。 [2020年02月01日(Sat)]

地域機関に関係ない場合ですが、かつて日本は太平洋・島サミットで今後3年で500億円の支援をするとコミットしていました。日本は真面目に支援を続け、積み上げた結果、約束を十分に果たしていました。


しかし国単位で見ると、「A国は50億なのに自分のところは8億、500億とはなんだったのか。人口の差のためか。他の同規模の国は自分たちの何倍も支援を得ている。」との不満が出てきたり、そもそも地域へのコミットメントと、各国が得られるメリットについて説明がないという不満も生じたようです。


これは本来、各島嶼国よりも他の開発パートナーに対する宣言という意味合いが強いと思いますが、言われた島嶼国各国には、非常に多額の支援が投入されるとの期待をもたらした可能性があります。



次に地域機関に関してですが、地域機関は支配的で、各国との情報面での風通しが非常に悪いケースがあるようです。地域機関の事務局では、運営資金が大きいため、確保の優先度が高くなったりします。内容ではなく、事務局にどれだけお金が落ちるかが評価基準となっているように思える場合もあります。


例えば表向き気候変動や環境に関して洗練された主張がなされたとして、本当の目的はどこにあるのか精査すべきでしょう。先進国に気候変動資金を出せという。例えば先進国は100億円で各国の現場の危機改善をしたいと地域機関に持ちかける。すると何割かが地域機関の事務管理費として引かれます。なかなか必要なところに届かないのかもしれません。

情報の面ではどうか。例えば日本が地域機関を介して各国に情報を伝達する場合、地域機関がフィルターをかけたり、何か余計なものを加えて各国に伝えたり、情報を適したタイミングで伝達しなかったり、あるいは伝達しなかったりする恐れがあります。日本の外交に地域機関が関与していることになり、良いこととは思えません。


そのような地域機関が拠出金などにより他の開発パートナーの影響を受けている場合は尚更です。他の開発パートナーが日本と対立する国だったらどうなるのか。



地域機関が言う「地域主義」という言葉の真の意味も精査すべきかもしれません。その目的や各島嶼国の外交に与える影響など。


個人的な見立てになりますが、地域宣言は各国の政策に強い影響力を有するわけではなく、Agreementにまで持っていかないと力がありません。Agreementの場合、例えば地域機関は調整役になりますが、本来支配する立場ではありません。あくまでも各国首脳の合意内容や意思を実行するために働くのが事務局の役割です。彼らが各国首脳の意思を超えて支配的になることはおかしい。



そうすると日本が太平洋島嶼地域への影響力を高めたい場合、アプローチ方法は、日本が地域機関から国に落とすのではなく、日本が各国との二国間ベースでの丁寧な対話を積み重ねていき、支持が広がった後に、(必要であれば)地域合意を目指して行くとすべきかもしれません。


例えば、日本が自由で開かれたインド太平洋ビジョンへの支持拡大を目指すのであれば、地域機関からのアプローチではなく、二国間ベースで丁寧に積み上げる必要があるのでしょう。


このように考えて行くと、日本の国益を考えた場合、太平洋・島サミットの構造を改革すべき時が近づいているように思います。


太平洋・島サミットは1997年に日本・PIFサミットとして始まりました。PIFは太平洋諸島フォーラムという地域枠組みで、事務局はあくまでもそのフォーラムの事務局。事務局長は本来であれば各国首脳の上に立ちません。


太平洋島嶼国がまだ若く、豪・NZなどの考えに従順である時代には、これでよかったのでしょう。


しかし、今や同事務局は非常に多くの開発パートナーと関係があり、多くの拠出金を出している国の影響が強いとの疑念があります。(豪、NZは加盟国)


日本の優先度はあまり高くないようだし、日本という国に対して失礼じゃないかと思えることも、個人的にはあります。


島嶼国各国が力をつけ、PIFが変質してきた(ように見える)現状において、日本は強かに動く必要があるのではないか。


その場合、同フォーラムのメンバーである豪・NZの権威を落とさない配慮が求められます。


一つの段階として、日本とフォーラムメンバーのサミットとし、フォーラム事務局を外すのはどうか。日本側の事務的負担は増えますが、そのプロセスにより二国間ベースの関係は強化されます。


フォーラム事務局には、日本とフォーラムメンバー各国の首脳による合意内容・宣言を受け、その実現のために汗をかいてもらう。それが本来の彼らの役割です。


もしフォーラム事務局がごねるのであれば、事前に二国間ベースでいくつかの太平洋島嶼国の協力を取り付ければ良い。


日本は太平洋島嶼国とはもともと二国間関係を丁寧に築いてきているので、それは強みだと思います。



繰り返すと、
・PIF事務局は国の首脳の上に立つのではなく、首脳の意思をもとに動くのが本来の姿。
・日本と島嶼国間の外交に、他の開発パートナーの影響を持つ地域機関が介入するのはおかしい。
・豪NZへの配慮は必要。
太平洋島嶼国には太平洋諸島フォーラム事務局の立ち位置や事務的介入に不満を持つ国がある。
・日本はもともと太平洋島嶼国各国との二国間関係は良いはず。

マダラ模様になるかもしれませんが、面としての地域へのアプローチではなく、ドット(各島嶼国との二国間関係)から始め、小さな面を作り、やがて大きくする。一方、先進国間の面も構築して行く。

相変わらず切れが悪いですが、今後、この視点も頭に入れつつ、関係国と仕事ができればと思います。

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