CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

«フィジー経済の雰囲気2019.11.19 | Main | 続マーシャル諸島総選挙2019(3)»
続マーシャル諸島総選挙2019(2) [2019年11月20日(Wed)]

マーシャル諸島総選挙のニュースを追っていて興奮してきたので、少し基本的なところに戻って見てみたいと思います。

今回の選挙の注目は、現職と新人の争い。その際、与党(政権)側、野党側、両方がターゲットとなります。先に記した通り、マーシャル諸島では、2000年から2007年の期間については伝統的酋長系(特にクワジェリン側)のAKAと自由な平民系UDPの2つの軸があったところ、2007年の選挙の際にUDPの中心人物ノート大統領(当時)の3選阻止という新しい軸ができたことで、混乱が始まりました。

2007-2008には、UDPが分裂し、最初の反ノート側が3名ほどでUPPを形成し、また無所属新人5名が当選、しかし、その後、敵味方入り混じった多数派工作が続き、さらにハイネファミリーの塊ができ、現在に至ります。

途中で故チューレラン大統領がKEAという政党枠組みを作ったことで、名目上UDP(ノート派)、KEA、AKA、UPPの政党(政治グループ)と無所属ができていますが、政党政治にはなっていません。故に、自分としては次の安定期のための過渡期(議員の入れ替わりによる新しい政治の時代)とみなしています。

2015年の選挙後、期待されていた新人のキャステン・ネムラ、ブルース・ビリモン、アルフレッドジュニアらが新しい政治枠組みを作ることが期待されていましたが、2016年1月の大統領選出の際に、これらのメンバーがいる側(反ノートUDP中心)が反ノートUDPのアルビン・ジャクリック(古い従来の政治家となる)を大統領候補に擁立したことで、その新人グループが分裂し、ケサイ・ノートやAKA側にキャステンが大統領候補として引き抜かれ、逆転でキャステンが大統領に選出されました。しかし、その際、ノート元大統領が入閣する人事を行ったこととトーマス・ハイネを入閣させなかったことでハイネ一族(双方に合計7名ほどいる)が反発し、反ノートUDP、新人グループ、無所属議員に働きかけ、不信任案を可決、その後ヒルダ・ハイネ政権が誕生しました。

しかし、ハイネ大統領に対する忠誠心は弱く、閣僚になった新人議員らには職権乱用などの問題を起こす者が現れ、内閣はバラバラとなり、数名の閣僚(法務大臣や資源開発大臣など)が更迭されました。

今年の5月の段階で、ハイネ一族(7名・親類含む)を除く議員らがAKA、UDP(ノート派)、更迭された元大臣らが、恨みを持ったり、利己的な考え方により、反ハイネ一族で緩やかにまとまり、今回の選挙に至るという状況となりました。


今年の5月に聞いた話を今思い出しました。

マーシャルの選挙では24の選挙区(地方自治体のある枠組み。主に環礁ごと)が設置され、首都マジュロ5議席、クワジェリン3議席、アイリンラップラップ、アルノ、ジャルートが2議席、あとは1議席が配分されています(人口による)。全33議席。住民は自身の血筋の土地(父母合わせてたいてい4つほど)から1つの選挙区に投票することができ、どこの選挙区で投票するかは、選挙1年前に登録しなければなりません。

かつて、2007年の選挙ではウトリックで強敵ヤマムラ議員を倒しアメンタ・マシューさんを当選させるため、選挙の1年前に、マシュー一族が大量にウトリックの選挙区に登録し、翌年の選挙で勝利したという革命的できごとがありました。

ヒルダ・ハイネ大統領は、今回もアウル選挙区から出馬していますが、1年前の段階では、対抗馬は1人で、余裕で勝利が見込まれていました。そのため、地盤の弱い、ジャルートのデイジー・モモタロウ議員を再選させるため、かなりの数の自身の支持者をジャルート選挙区に登録させたそうです。しかし、その裏では、ステルス作戦が行われており、アウル選挙区に強力な対抗馬が擁立されることになりました。

そのため、今年5月の段階で、大統領自身のアウルでの選挙も決して安泰ではないという情報が流れていました。おそらく、反ハイネ政権側が、裏で謀っていたものだと思います。

(つづく)
コメントする
コメント