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第50回PIF総会コミュニケ [2019年08月28日(Wed)]

昨夕、先般ツバルで開催された第50回太平洋諸島フォーラム(PIF)総会コミュニケにざっと目を通しました。

同総会は”Securing Our Future in the Pacific"がメインテーマとなり、全体的には島嶼国側の強い危機感を基盤に、具体的で効果的なアクションを地域や国際社会に求めようとする空気が強いものだったのではないかという印象です。

https://www.forumsec.org/fiftieth-pacific-islands-forum-tuvalu-13-16-august-2019/

また同コミュニケには"Kainaki II Declaration for Urgent Climate Change Action Now"も含まれています。同宣言は、12時間を超える首脳間の議論、豪と太平洋島嶼国の意見の決裂などの末、取りまとめられたそうですが、島嶼国側も受容できるレベルの妥協点に達しているものと思います。

シビアに考えてみると、例えば、島嶼国側が豪州の基幹産業を止めるかのようなプレッシャーをかけ、仮に豪州がこれを飲んで、豪州経済が下降し、豪州の太平洋島嶼地域への関与が下がった場合、それでいいのか、という疑問があります。

その場合でも、豪州自身の安全保障に関わるところでは、関与は続きますが、その他に関しては予算が削られるかもしれません。ちょうど2000年代の援助疲れの状況に近いかより悪くなります。

島嶼国側は、そこで中国カードを示します。「豪州が支援できないなら中国がいる」と。今回の報道では気候変動に関して中国はより太平洋島嶼国のニーズに合う支援を表明しているというようなある首脳の話もありました。

しかし、それが例えば「持続可能性」と考えた場合、現実的でしょうか・・・?

一つの見方としては、島嶼国側は、国際社会における発言力をより強め、国際社会の流れを作りたいのではないか。そこでは豪州自身がどうであれ、地域が一致して強いメッセージを国際社会に出したい。

そのメッセージというのは、2020年から始まるパリ協定における実際の取り組みを、アリバイ的なものではなく、実効性のあるものにしたいということではないか。そのために、地域内でも具体的なアクションを示したい。ということかもしれません。

コミュニケのパラ16には、気候変動の影響に対し、国際法の下で現在と将来世代の権利を守るための各国の義務について、国際司法裁判所による助言的意見を求める国連総会決議の提案について述べられています。


非常に大きく見れば、持続可能な世界の実現ということになりますが、現実問題として世界経済が落ちたり停滞することは、多くの信託基金運用や開発パートナーの支援に依存している太平洋島嶼国にとって自分の首を絞めることにもなります。一方で、島嶼国住民が直面しているのは頻発する自然災害(太平洋島嶼国にとっての安全保障上の現実的脅威)で、その要因に気候変動があると考えられており、その要因に温室効果ガス排出があります。すなわち気候変動への適応と緩和ということになります。

もう一つ、島嶼国側(だけではありませんが)がプッシュしている気候変動に関連するものに、ロス・アンド・ダメージの議論・交渉があります。個人的には、要は、先進国が温室効果ガスを排出したこと(これにより経済的に発展し、先進的な生活ができている)で、気候変動が拡大し、島嶼国に甚大な損害が発生しているのだから、この損害に対して加害者である先進国が賠償しろ、というように見えます。緑の気候基金が実現した背景にこの議論もあったと思います。

自分が現地で外交に関わっているときには、日本を含む先進国が加害者で、島嶼国が被害者のような単純な構図にならないようにすべきという議論が島嶼国を含めありましたが、報道を見ると、今回は豪州と太平洋島嶼国という形で、その構図がクローズアップされた感があります。

島嶼国側のニュアンスがどこまで掘り下げられているものなのか、もう少し調べてみます。

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