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ユネスコ 持続可能な観光 地域会議(2) [2018年10月01日(Mon)]

そういえば、今回、6〜7年前に、確かこのブログで自分がパラオのバベルダオブ島の遺跡の話を書いたのを見て、自分にメールを送ってくれていたユネスコの高橋さんに、ようやくお会いすることができました。
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それこそ、サモアのユネスコ地域事務所を基盤に、地域16カ国・地域を飛び回っているそうです。地域文化に対する造詣の深さに圧倒されました。


さて我々の出番は第2セッションの2部、世界遺産の観光利用に関するラウンドテーブル。パラオのロックアイランド南ラグーン地域とバヌアツの大酋長ロイマタの領域が対象で、自分はパラオにからんで地域密着型エコツーリズムの実践例の紹介という立場でした。

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ジョリーンさん。今年、コロール州知事が交代したことで、知事室に配属された若い方ですが、かなり優秀な人物だと思います。話が具体的でわかりやすく、プレゼンもうまい。天然資源環境観光省のグウェンさんのキレに似ています。

パラオは人口が少ないですが、人材は豊富です。


今回、自分はブラシャツか普通のシャツかで直前まで悩みましたが、パラオの方々は、普段ブラシャツやアロハを着ていないし、日本から来たトウキョーボーイ(生まれも育ちも茨城県日立市)だし、ということで、ネクタイをしめて普通の仕事着にしました。

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ジョリーンさんには何度も「パラオにオフィスがあって、住んでるんでしょ?」と言われましたが、準居住者みたいな感じでしょうか。会場からパラオの取り組み、例えばマリンサンクチュアリの話が出たときに、コロール州政府職員としてジョリーンさんが話せないところ、外部の観察者として、経済的不利益と観光でそれを補える仕組みについて、自分が回答しました。特に損失部分と観光客数で補える部分を数字で示したことが有効だった気がします。


今回の会合は、いかに持続可能な観光を太平洋島嶼国・地域で実現していくかがテーマでしたが、ジョリーンさんと自分は、今、まさにそのための実践を行っているところであり、その点で違いがあった気がします。

持続可能な観光を進めるには、太平洋島嶼国・地域に観光促進による経済成長を求める意思があることが前提になります。その点、パラオはまさにこの数年で持続可能な観光の必要性に直面し、昨年、国として持続可能な観光政策枠組みを制定するなど実際の取り組みを進めているので、先進事例として地域に役に立っていくようになると思います。


今回、自分のプレゼンの中で、パラオで住民参加型ワークショップを行う際に最初にする質問を紹介しました。(各州の人口は100〜500、世帯当たりの支出は月500米ドル程度と説明しています)

Q: 1週間に5000米ドルを稼ぐために、どちらが好ましいですか?

選択肢A:客単価5ドルの観光客を1週間に1000人集める。

選択肢B:客単価250ドルの観光客を1週間に20人集める。

実際にパラオの7つの州でこの質問をしたところ選択肢Aが多い州が3つ、Bが多い州が4つでした。

Aを否定しませんが、我々は「観光による経済成長」と「文化と自然の保全と保護」のバランス化を目標としているので、我々の事業での選択肢はBと説明しました。

さて客単価を上げるには、そのニッチな観光客が満足できる内容の観光を構築する必要があります。しかし、それは大規模な投資を必要とするものではなく、今そこにある日常生活を改めて見直すことで、地域密着型観光を実現するのだと、知恵を使って観光客の好奇心をくすぐるのだと説明しました。

例えばフェノロジーカレンダーで、さまざまな特徴やピーク(例えばアイゴという魚が最も美味しい季節)を点として見つけ出し、点ではなく、伝説や神話、歴史、自然科学的視点など、テーマやストーリーによってその点を繋げて線にし、ローカルガイドと体験していくツアーを作るのが我々のやり方だと。

観光資源を見つけて、それを売りにして、観光客を呼び込むことは経済的にも重要ですが、観光の多様化という視点で、我々の取り組みはおもしろいと思います。

自分たちの前のセッションで、「持続可能な観光とは何だ?数字がないとわからない」という質問が出ていましたが、上記の単純な話が、理解を進める1つの要素になるかもしれません。
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