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太平洋諸島フォーラム次期事務局長候補 [2020年08月10日(Mon)]

休暇中ですが、気になる話題が出ているので、書いてしまいます。

現地では、来年1月の現事務局長の任期切れを控え、地域機関太平洋諸島フォーラム(PIF)次期事務局長ポストについての話題が増えています。例えば、下記。

https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/423037/five-contenders-for-pacific-forum-top-job

自分自身は、2006年のグレッグ・アーウィン事務局長時代から、メグ・テイラー時代まで浅くも深くも関わってきた経験があるので、肌感覚で分かる部分も踏まえ、ちょっと書いてみます。

PIF事務局というのは、島嶼国首脳が地域政策合意を図る枠組みであるPIF(太平洋諸島フォーラム)で首脳による決定事項を実現するために取り組む機関で、決して首脳の上に立つものではありません(首脳の合意→PIF事務局が実行)。国連総会のオブザーバーステータスも持ち、国際会議に地域機関として参加もします。島嶼国間の政治が絡む組織でもあります。

事務局長職は、1期3年で2基まで、地域全体をとらえる視点と、各国首脳と中身のある議論を行う必要があります。最近では、現職のメグ・テイラーさんがメラネシアのパプアニューギニア出身で6年、その前のスレイド氏がポリネシアのサモア出身で6年、事務局長を務めてきました。

次のような紳士協定のようなものもあります。
・サブリージョンで持ち回り。つまり、ポリネシア→メラネシアと来たので、次はミクロネシアというもの。
・事務局をホストしているフィジーからは、事務局長を出さない。

ただし、独立が遅く、遅れて加盟した米国系の北部ミクロネシア地域は、伝統的にPIFの枠組みでは後付け感があります。教育的背景も南半球と北半球では異なり、文章もノリも違う面があります。これまでミクロネシア地域出身の事務局長は、キリバスの初代大統領だけだと思いますので、北半球から選ばれたことはありません。

さて、今回の候補ですが、次の5人の名前が上がっています。
1. ジェラルド・ザキオス氏 マーシャル駐米大使、元外務大臣(ミクロネシア地域)
2. プナ氏 クック諸島首相(ポリネシア地域)
3. ジミー・ロジャース博士 元SPREP事務局長、ソロモン諸島出身(メラネシア地域)
4. アメリア・シマモウア氏 英コモンウェルス事務局職員、トンガ出身(ポリネシア)
5. イノケ・クンブアンボラ氏 元フィジー外務大臣・防衛大臣(メラネシア)

1. に関しては、パラオ、マーシャル、ミクロネシア連邦、ナウル、キリバスの5カ国がミクロネシア地域の統一候補として推薦しています。母親はパラオ人。古いですが、自分がマーシャル時代に外務大臣で、本気で怒るときは怒るものの、極めて穏やかな性格で、事務局長としては人が好過ぎる印象ですが、どうか。

2. はちょっとずるい気がします。

3. 他の地域機関事務局長経験者というのは、あまり好まれないのではないか。前職の時に大使館に訪問され、大使と共に話をしたことがあります。Dr. であり、印象としては、島嶼国も英国含む旧宗主国も裏も表も知るドクター。北半球については薄いですが、地域をとらえている。ただし、首脳レベルとの対等なやり取りができるかは不明です。SPREPはPIFほど政治的ではないので。

4. は、分かりません。現状、唯一の女性候補。コモンウェルス事務局ではジェンダー部門のトップだそうです。現在、フォーラム漁業機関(FFA)事務局長、南太平洋観光機構事務局長がトンガ出身です。トンガは実直で優秀で忍耐強い方が多い印象です。

5. クンブアンボラ元大臣は、前フィジー駐日大使でもあります。2012年末頃、自分のフィジー赴任当初。当時、日本とフィジーの関係は極めて悪く、事務レベルでの対話も非常に薄い状態で、フィジー政府と大使館の意思疎通も極めて薄かった時期でした。当時はフィジーはまだクーデター後の暫定政権時代で、ある出来事によってフィジー首相が日本に失望した結果、感情的に極めて関係が悪化していました。おそらく閣僚も日本側との接触については、何らかの制限があったものと思います。簡単な対話もしにくい状況でした。

そんなある時、フィジー主催のレセプションがあり、外交団も招待され、自分は日本大使に同行して参加しました。クンブアンボラさんは、当時外務大臣。

2012年10月にフィジーに赴任しましたが、赴任前、ミクロネシア連邦のフリッツ大使に「クンブアンボラ大使が大臣を務めているから、会うことがあれば、よろしく伝えてください」と、声をかけていただいていました。

日本とフィジーの微妙な関係の中、自分は新任外交官としてそのような空気を知らないふりをし、クンブアンボラ大臣に近づき、フリッツ大使のメッセージを伝えました。おそらく日本との距離感を保つ必要があったのでしょう。微妙な表情をしながら、「こっちに来い」と、何人かフィジー政府の方々に引き合わせていただいたことがありました。

2013年8月頃には、当時もまだ閣僚級以上の訪日は優先度が極めて低い時期で、水俣会議に対する招待が日本政府経由で伝達されても、まったく反応が無い時でした。当時、すでにフィジー外務省の高官と話をする関係を作っていたので、その大使クラスの方にアポを取り、水俣会議の意味、安倍政権と前政権の違い、国内政治情勢、日本・フィジー関係の回復を考えた場合に時期としての重要性などを伝えました。フィジー政府内では、国連会議であるため、例外的に対応できるという説明ができるとのことでした。

その大使は、外務次官(当時ヤウボリさん)、大臣に直ぐ伝えると動いてくれ、自分が大使館に戻ると、「クンブアンボラ大臣が参加する」との回答があったと担当部門が驚いていたということがありました。


今後、現地からはいろいろな情報が出てくるでしょう。(パラオのレメンゲサウ大統領が候補だったら、もっと支持が広がる気もする)
明日から夏季休暇になります。 [2020年08月08日(Sat)]

明日からお盆明けまで夏季休暇に入ります。
先ほどの件で、ご連絡いただければ返信させていただきますが、このブログへのエントリーは減るか、お休みにするかと思います。

よろしくお願いします。


これまで何か月もの間、土日祝日関係なく、オンオフの境目も曖昧になる日々が続いてきたので、この休みを利用して、ちょっと心と頭のスポンジを絞り、吸収力を回復したいですね。


晴れた空の下、草はらの上で、レタスとトマトとチーズのサンドイッチをバクバク食べて、安い赤ワインでガブガブと流し込んだり、

骨つき牛肉と厚めに切ったタマネギを直火で焼いて、対岸の町の明かりを見ながら、赤ワインをソーダで割って、氷、そしてレモンを搾って作るティントデベラーノで食べたり、

トマト、ピーマン、バケット、ニンニク、塩、オリーブオイルでガスパーチョもいいし、

好きな音楽を流しながら、シェイカーでキュラソーとか使っていろんなカクテルを作ったり、

ビターチョコでウィスキーを飲んだり、

葉巻をふかしながらラム酒を飲んだり、


あ、再来週健康診断だから、肉と酒は減らさないとダメか。たばこも葉巻もやめてるんだった。

ストロベリーチョコでコーヒーを飲みながら、数学と英語の勉強でもしましょう。キャドバリーのホワイトトップの方が良いか。


そういえば、先日、10代の時のある出来事を思い出しました。

高3の時、家の事情で、実家から通える地元の国立大で現役合格しか選択肢がなく、滑り止めもなし、一発勝負で落ちたら働くしかないという状況の中、部活を引退した9月ごろから、毎日18〜20時間勉強していました。学校は休まず授業を受けていたので、帰宅後4時頃から朝までぶっ続けという感じか。

定期試験とか模試の時には、徹夜になっていることもあり、確か2回、大事なテストの時に、寝過ごしそうになったことがありました。コタツで勉強していて寝てしまっていました。

それが、その2回とも、15センチくらいの百足に助けられたんです。

1回目は、コタツで突っ伏して寝てしまい、遅刻しそうなとき、足の甲を百足が横切り、目を覚ましました。

2回目は、明け方に疲れて横になり、寝過ごしそうだったとき、何か音がして目を覚ますと、耳元で百足が畳をかじって引っ張りながら音を出していました。

特に2回目は、目が合い、起こそうという百足の意思を感じました。

以降、自分にとって百足は恩人。百足が助けてくれなければ、今の自分はなかったでしょう。


そんな10代の頃の強い精神力と集中力、そして百足の助けを思い出しました。

この休み中、何か探してみましょう。

では、良い週末を。
【業務連絡】太平洋島嶼国に関心のある方 [2020年08月07日(Fri)]

このブログをお読みの方で、太平洋島嶼国への渡航経験(短期も可)があるか調査研究対象としたことがあり(もしくは現在対象としている)、30代前半以下(学生、院生、JICAボランティア経験者、現役の専門調査員、専門調査員経験者含む)、辞書ありで英文記事を読む程度の英語力があり、太平洋島嶼国と笹川平和財団の活動に関心のある方がいらっしゃいましたら、下記までご連絡いただけないでしょうか。

babeldaob.ecotourism@gmail.com

ご連絡いただきましたら、正式の職員メールで、内容と共に返信いたします。

また個人的に、あるいは人づてに私の連絡先をご存知の方は、そちらにご連絡下さい。

よろしくお願いします。
太平洋島嶼国の観光再開は可能か。 [2020年08月05日(Wed)]

太平洋島嶼国各国の経済を見たときに、民間部門が強く、さらに観光業の割合が大きな国々というのは、フィジー、パラオ、クック諸島の3国になります。

次いで、バヌアツ。
さらに、サモア、トンガ、ニウエ
そのあとに、ソロモン諸島、ミクロネシア連邦
と続くイメージです。

マクロで見た場合はフィジーからバヌアツにおける影響が非常に大きいのですが、観光部門が開発途上の国々であっても、マクロでは規模は小さくとも、住民や観光業者の個別の数百万円から数千万円のロスというのは深刻な問題です。

そういった事情も踏まえつつ、特に観光業の活発であった国々では、如何にインバウンド観光を再開できるかが、大きな関心事項となっています。


そのような状況の中、今朝、少し早くから地域観光に関するウェビナーがあり、新型コロナウィルスに関する安全性の面で、いくつか気づかされることがありました。

まず、Safe ZoneとWith Coronaという2つの見方。

With Coronaは、現地の医療体制が十分に整っていることを前提としなければならず、太平洋島嶼国では非常に困難。したがって、可能な限り、Safe Zone=コロナフリーを維持しなければなりません。

そうすると、観光対象国は少なくともコロナの感染拡大が収まっている国だけになり、現状、観光市場としては、ニュージーランドと台湾だけになります。(これらの国々でも、海外との人の往来が再開すれば、常にコロナ感染拡大のリスクはあるものと思います。)

Safe Zoneを維持する場合、新型コロナの無症状者とPCR検査の精度が問題となります。無症状者が他者にウィルスを感染させる可能性があることと、PCR検査である程度の偽陰性可能性があることが問題になります。

PCR検査というのは、何らかの症状がある人に対して、原因を確定するための手段の一つだと思います。そのPCR検査による陰性証明というのは、With Coronaであれば、マクロで見た場合の感染者数の移動をある程度抑えることができるので有効でしょうが、コロナフリーという視点では難しいかと思います。

そのため、太平洋島嶼国側が、陰性証明を持つ観光客を受け入れる場合でも、その中の数%がウィルス保持者だとの前提に立った事前対策を行わなければならないでしょう。

現地の対応としては、1つは行動範囲の限定(「汚染しても良い地域」の指定と言えるかもしれません)、1つは感染者が出た際の行動履歴の追跡、それ以前に、到着後に14日〜21日間隔離という方法も必要かもしれません。

さらに医療体制の充実も必要になるでしょう。

日本を含め、各国で、症状のある感染者が出た場合、その患者さんは数週間入院することになっています。重症化した場合には、さらに期間が長くなります。患者数は点ではなく累積になっていきます。また、感染者が出た場合には、感染拡大を防ぐために、接触者の確認と隔離、行動履歴の追跡など、根気強く対応しなければなりません。

これまで観光客が現地にウィルスを持ち込み、現地の人々を感染させる場合のことを考えていましたが、観光客が現地で発症するケースも想定しなければなりません。重症の場合は、短時間で急速に症状が悪化するケースもあるようなので、観光客が発症した場合、現地の医療体制が生存のカギになります。しかし、、太平洋島嶼国でどれだけICUがあり、人工呼吸器が使用できるのか。


今日のウェビナーの中で、豪州の方が、先月まで話題になっていたニュージーランドとの観光再開構想「Trans-Tasman Bubble」については、最近の豪州での感染再拡大を受け、国内では話題にならなくなったと話していました。

状況は常に変化していくので、我々も短期視点と中長期視点を持ちつつ、情報を常にアップデートしていかなければなりません。
第2波? [2020年07月31日(Fri)]

国内で新型コロナ第2波という話を耳にするようになりました。
しかし、普通、第2波というと、一旦収束し、(イメージとして)地球を一周した後、変異したウィルスが新たに広がることを意味するのだと思っていました。

今は、第2波というよりも、第1波の増減の波の中にいるのではないかと思います。感染者数で言えば、人の動きを制限すれば、2週間後くらいに数が減り始め、経済活動を行うために人が動けば数が増えるという状況。どちらを取るかですが、いずれの見方でも増減をある意味動かせる状況。

本当の第2波は、もっと怖いものではないかと思います。

現在が第1波の増減変動の中にいるとして、第2波というのが本当にあるのだとすれば、この新型コロナは、かなりの長期戦を考えなければならないのかもしれません。

現在、太平洋島嶼国では、ほとんどの国がコロナフリーですが、これをキープし続けられるとしても、油断すると、油断でなくとも人の往来が活発化すると、第1波と第2波を同時に経験することになるかもしれません。

現地では、2週間ほど前から、アーカンソー州やユタ州で、米国在住の太平洋島嶼国出身者の感染率が非常に高いというニュースが何度か報じられています。

肥満とか生活習慣病とか基礎疾患のせいという見方もあるようですが、家族とか友人間の距離が近くシェアの文化でもあるので、そのようなソーシャルディスタンシングが難しい生活様式が影響しているのではないかという見方もあるようでした。

有効なワクチンや治療薬が早く見つかればいいのですが、そうでない場合、なかなか警戒心を解くことはできません。
米豪 外務・防衛閣僚会合 共同声明(AUSMIN 2020) [2020年07月30日(Thu)]

7/28、ワシントンDCで、1985年以来、30回目となる、米国、オーストラリアの外務・防衛閣僚会合(AUSMIN 2020)が開催されました。

共同声明が発表されています。

https://www.state.gov/joint-statement-on-australia-u-s-ministerial-consultations-ausmin-2020/

太平洋島嶼地域関連で、目についたところは4点。

1.地域回復への協力
第6段落、"Indo-Pacific Recovery"の部分。COVID-19への対応、経済面の支援について。豪州の"Partnership for Recovery"、米国の118百万米ドル超の支援について言及。

2.地域機関への協力
第7段落、"Indo-Pacific Recovery"の部分。太平洋諸島フォーラム(PIF)、太平洋共同体(SPC)という2つの地域枠組みの重要性と協力を確認しています。

3.パプアニューギニア、パラオ
第8段落、"Indo-Pacific Recovery"の部分。パプアニューギニアの電化計画とパラオの2本目の海底ケーブル接続計画について言及。これには日本も触れられています。

4.台湾
第12段落、"Indo-Pacific Security"の部分。インド太平洋地域における台湾の重要性と台湾の国際枠組みへの関与支援などを再確認。そして、”They also committed to enhancing donor coordination with Taiwan, with a focus on development assistance to Pacific Island countries. ” 伝統的安全保障の文脈ではなく、太平洋島嶼国の開発援助に関し、台湾とのドナー協調強化について述べられています。

最後の台湾との開発援助を通じた先進国間の協力・協調の促進について、特に昨年9月以来、表に裏に動いていたこともあり、同じ方向性にあることが確認できました。

日本も外交関係ではなく、現地の開発パートナーの活動との協調という文脈であれば関与できるでしょうし、彼らのリソースを活用できれば日本側にもメリットがあり、太平洋島嶼国側にもメリットがあります。
現地の友人 [2020年07月28日(Tue)]

男の友人同士というのは、時に何カ月も何年も連絡をしないことがあります。
それぞれに何かに取り組んでいたり、相手が忙しいことを考えると、知らせが無いことが良い知らせ、のような時期ができたりします。

今朝、ちょっとしたきっかけで、最も親しいパラオの友人から、2年ぶりに連絡がありました。

コロナの件で心配して連絡をくれたようですが、その友人の家族のことも知っているので、奥さんや息子さんや兄貴について、また自分の家族について近況を交換しました。

ちょっと忘れていた感覚を思い出しました。


また別のパラオの友人には、実は1年半前に、ちょっと間違いがあってシコリができていたのですが、連絡し説明し謝ったところ、優しく許してもらえました。


トンガの友人からは、タロ畑の様子が送られ。

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フィジーの友人からは、日本とフィジー、日本と太平洋島嶼国に関するある件に関して、いくつか知見に基づく助言を求められ、役に立ったかどうかわかりませんが、ポイントをいくつか共有しました。



いつか再会できることを信じて、やれることをやっていく。今は備えのとき。
米国がヒューストンの中国総領事館閉鎖を通告 [2020年07月22日(Wed)]

米国政府が、ヒューストンにある中国総領事館を閉鎖するよう通告したというニュースがありました。ヤフーにも掲載されています。

こういった話を聞くと、最初に思い浮かぶのは、「ペルソナ・ノングラータ」という言葉。これは個人に対するもので、接受国が派遣国の外交官・領事官など外国使節の構成員に対し、理由を示さずに国外退去を命じるもの(と理解しています)。

今回のニュースは領事館に関するものなので、ググってみると、「領事関係に関するウィーン条約」の第4条に関するものでしょうか。

第4条第1項には、「領事機関は、接受国の同意がある場合にのみ、接受国の領域内に設置することができる。」とあります。(https://www1.doshisha.ac.jp/~karai/intlaw/docs/vccr.htm

接受国側の米国が、同意できない相当な理由があるのでしょう。また、米国側には理由を示す義務はないはずです。


外交関係・領事関係は、接受国・派遣国の双方が、ウィーン条約に従って活動していることが前提なので、ウィーン条約を破る行為があったとすれば「いちいち理由を示さなくてもわかるよね?」ということでしょう。

派遣国側は、接受国側にそのように扱われないよう気をつけるものだし、ペルソナ・ノングラータや、公館設置の同意破棄などの通告を受けた場合には、粛々と従うしかありません。


これまで、上位に当たる、ある外交関係に配慮して見逃されていたものが、見逃されなくなったのか。そうすると派遣国側としては、これまでと変わらない活動をしているのに何故?と疑問に思うかもしれません。

いずれにしても、米国は本気だな、という印象を受けました。
トンガの友人、コロナ禍の中でのサバイバル [2020年07月22日(Wed)]

以前、ここに書いたことがあるトンガの友人ですが、ときどきフェースブックのLiveで現地の日常生活を見せてくれます。

レストランや運送業など、観光業に関わっている方なので、コロナ対策でトンガ国境が封鎖される中、トンガ政府の経済支援はあるようですが、稼ぎが激減している状況。

それでも家族とコミュニティの生存(前向きな意味で)のために、いろいろ取り組んでいるようです。


今日は、現在コミュニティの方々と荒地を開墾し、キャッサバやタロイモなどの畑を作っている様子を流してくれました。

現地の一市民の意見なのでしょうが、食品価格の上昇や、かの国からの輸入物資が増えることで、基本的な食料も外国に押さえられてしまうという危機感もあるとのことでした。


おそらく自家消費だけではなく、生活のために、コミュニティとして国内市場で現金化も図ると思います。もともとサービス業中心であったところから、食料(食糧)生産に生活基盤を変えるわけで、一つのアフターコロナの形なのかもしれません。

トンガ国内でそのような動きがあるのであれば、コロナ禍がかえって持続可能で強靭な島嶼社会構築を促すのかもしれません。

自らの足で立つ健全な国家へ、というと失礼か。

もしかすると、今後、農業に関わる資機材、トラクターや灌漑設備整備のニーズが増えるのかもしれないし、それが現地の人々に直接良い影響をもたらすかもしれません。

このような細かなところから、日本とトンガの人と人の関係強化に繋がるのではないか、などと思ったりもします。放っておくと、中国がドーンっと支援しそうな気もしますが。。。


その友人は、明日、トンガ国王が、彼らの取り組みを観に来られると、嬉しそうに話していました。
パラオが観光再開に向けて必要な考え [2020年07月21日(Tue)]

太平洋島嶼国の中で、経済が特に観光に依存している国々と言うのは、フィジー、パラオ、クックになります。国以外では、タヒチ(フレンチポリネシア)、ニューカレドニアがあげられます。

これらの国や地域は、観光が国の財政、経済、雇用など社会問題の改善のカギであるため、その再開を模索しています。

南半球の国々では新型コロナの感染者数が抑えられているニュージーランド、北半球のパラオにとっては台湾がまず重要なパートナーになるのではないかと思います。

まぁそんな中、パラオの友人とここ数日、いろいろ話をしています。パラオが観光再開を検討する上で、もしかすると伝わっていない情報もあると思い、いくつか伝えました。

まずは日本で報道などを通じて一般的に理解されている3つの点。

1.PCR検査の偽陰性率が20〜40%ある可能性があること。

2.感染者の中で、無症状の人が20%程度いるようだということ。

3.70代以上の方の重症化率が高く、死亡率も高そうだということ。

すなわち、感染者がいる国との人の往来があれば、検査をすり抜けてウィルスがパラオに入る可能性があるということ。

そして、新型コロナウィルスが本当にパラオに入ったならば、特に高齢者を守る必要があることを伝えました。(肥満や生活習慣病の話は、恐怖感を煽る可能性があるため、あえてしませんでした。)

次に、新型コロナウィルスが国内で見つかった場合の対応について。

その前に、対応方法については2段階あるだろうとしました。

1段階目は、十分な水際対策を行い、感染者一人一人の行動を確実に追跡し、接触者も掴めるレベルのもの。コロナ・フリーを追求するもの。

2段階目は、感染者がある程度増え、バランスをとりながら、新型コロナウィルスの存在する社会を許容するもの。ウィズ・コロナ。しかし、十分な医療キャパシティが必要というもの。

パラオは今1段階目にあり、コロナ・フリーを可能な限り追求する必要がある。一方で、日本は2段階目にいるということ。

そこで、仮にパラオで感染者が見つかった場合、どのようなことが考えられるか想像するため、フィジーの対応を簡単に共有しました。

1.感染者の隔離と観察。

2.町のロックダウンと全国の夜間外出禁止令。集会禁止。とにかく人の動きを止める。

3.感染者の行動を追跡し、家族、接触者など潜在的にコロナウィルスに触れた可能性のある人のリストアップ。

4.3の人々全員のPCR検査。

5.新たな陽性者が出るかどうか観察。出た場合には1.3.4.の実践。

6.フィジーの場合は、国内で徹底的に検査を進め、6週間以上新たな陽性者が確認されなかったことで、さまざまな制限を緩和。


パラオでは、仮に重症者が出た場合には治療ができず、今から現地で重症者を治療できる医療レベルに上げることも難しいので、感染者を出さないことが第一。

感染者が出た場合には、感染拡大を防ぐために、フィジーがとったような徹底的な対応が必要。その基礎になるのは入国者の動きを常に追跡できるようにすること。この点は何かアプリを導入することである程度はカバーできるようです。


とにかくまだ感染者が出ていないということは、感染者が出た場合の対応やウィルスがある社会について実感がないはずなので、簡単ではないというニュアンスを伝えようという思いが強くありました。


最初の3点に話を戻すと、パラオの友人はグアムは大丈夫かと。グアムには在留パラオ人が一定数おり、近くグアムからそれらの人々の帰国便を飛ばす話もあるので。

そんな話を午前中にしていたのですが、午後にグアム滞在中のパラオ人2名がコロナ陽性というニュースがありました。

パニックになる必要はありませんが、この結果、新型コロナはより現実的な感覚を持ってとらえられるでしょう。

とにかく焦らず、うまく他の国々の対応を参考にしながら、賢い選択を続けて欲しいと思います。
大掃除 [2020年07月20日(Mon)]

昨晩、「そういえば、2年以上使っていないスピーカーシステムがあるんだ」と思い立ち、接続をやり直そうとすると、台に固着してしまっていて断念。


今朝、作業を逆算(?)し、必要な掃除をと、キッチンの掃除から始めました。spotifyで相対性理論を流しつつ。

小さなワンルームの一人暮らしですが、キッチン、洗面台床、廊下、部屋と徹底的に掃除。

今までサボっていたせいで、ホウキがけ、掃除機、ブラシ、雑巾掛け、掃除機、雑巾掛け。

そして、機材をセットアップ。気づいたら、飯も食べずに12時間。

部屋もきれいになり、サウンドも復活。


また在宅ワーク用に2枚目のA2ホワイトボードも購入。

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1枚目は固定メモ用に、2枚目はこんがらがった糸をほぐしてポイントをつかめるように。
やはり免疫力か。 [2020年07月19日(Sun)]

6月中旬、1カ月も前からネット上には、懸念事項として中国の長江流域の洪水に関する情報が出ていました。
中国を落とすためのデマかもしれない、極端に誇張した映像かもしれないと、半ば疑って見ていましたが、ここ数日、大手メディアも報じるようになってきました。

九州の水害も酷くて、安全なところにいる自分としては、寄付をするしかできません。もし自分が現地にいたらと想像すると、多くの被害者がおり、洪水自体も酷いと思いますが、水がひいた後も、堆積物の処理を考えると、気が重くなります。


中国の洪水については、もう1カ月も経つのに悪化する一方のようで、水がひくどころか、増水しているように見えます。

あの濁った水の下には何があるのでしょうか。現地の住民の方々は、本当に大変だと思います。被害者が増えなければ良いのですが。


ここで引いて見てみると、この中国の洪水がおさまった後に、何が起こるのかが気になります。

途上国で生活してきた素人の感覚ですが、流れている水ではなく、止まっている水は衛生上危険ではないかと思います。

あれだけの人口で、あれだけの領域で水が滞留し、気温も低くないとなると、今後何が起こるでしょうか。

新たな感染症が広がり始まるのではないか、食糧生産はどうなのか、気になってきます。


今は自分たちも新型コロナを中心に、今後の新しい生活様式というものを頭の片隅に置きながら、止まらない時間の中で、答えも分からず、ゴールも分からない中で、試行錯誤しながら対応を続けている状況です。

金融市場ではなく実体経済に影響が現れるのはこれからでしょうし、食糧の需給バランスの変化もあるかもしれないし、これに新たな感染症や既知の感染症が流行り始めると、大変な戦いになるでしょう。


2月末か3月に書きましたが、今の状況では、やはり一人一人が免疫力を高めておく必要があり、免疫力が弱い方々を守る意識が大事ではないかと思います。

自分個人のレベルでは、栄養摂取と休息と精神的ストレスの軽減は制御できることなので、油断せず、これらを意識して生活していければと思います。
フィジー政府支出削減の影響 [2020年07月18日(Sat)]

昨日か一昨日、フィジー政府が海外ミッションを整理することで、800万フィジードルの支出削減を図るとのニュースがありました。
そして昨晩、米国ワシントンDC、韓国、パプアニューギニア、ブリュッセル、クアラルンプールの在外公館を一時的ではなく、閉鎖するとの決定がなされたようです。

国連代表部が残るので、DCとブリュッセルはカバーできるでしょう。韓国ソウルはハブとしての評価が外されたのでしょう。


コロナによる財政問題、ニューノーマルとして遠隔でカバーできるものの整理と効率化、人の往来減少が背景にあるのかもしれません。


大切な友人であり、自分の先生でもあるアメナ・ヤウボリ大使が、先日駐米大使となったのですが、大使館が閉鎖されるということで少し心配です。

本国に常駐して、オンラインで米国大使の役割を担うのか、国連代表部を活用するのか。

今後、物事がどうターンアウトしていくのか、見てみましょう。

日本は重視されているようで、ほっとしました。

東アジアは中国大使館がカバーするとなってしまったら、外交関係の後退になるところでした。
米国台湾関係法(Taiwan Relations Act)など [2020年07月15日(Wed)]

香港の件を受け、次は台湾だという見方がネット上で散見されます。

香港とは異なり、米国と台湾との関係では、台湾関係法(Taiwan Relations Act、https://photos.state.gov/libraries/ait-taiwan/171414/ait-pages/tra_e.pdf)があります。

これまで同法は、単なる法律と思っていましたが、よく読むと自由連合国のコンパクトとまではいきませんが、台湾の安全保障は米国の重大な関心事項であり、台湾の安全保障が脅かされた場合には米国がこれに対抗する能力を維持するとされています。

この法律自体、1979年1月1日に米国が中華人民共和国を国家承認したことを受け、台湾を国と同等に扱い外交関係を維持するために作られたもののようです。


そもそも台湾は1895年の下関条約に基づき日本が統治していましたが、太平洋戦争の結果、他の日本領と同様に、連合国側が統治することとなり、台湾については中華民国が連合国を代表して統治したという経緯があるようです。この1945年から1950年代初頭までの戦後処理については、知らないことが多いので、折をみてよく勉強しようと思います。


この経緯を見ても、台湾と香港は、米国にとって位置づけが異なることが分かります。
微かな光が [2020年07月15日(Wed)]

ときどきホリー・コールのコーリング・ユー、ノラ・ジョーンズのサンライズが聴きたくなります。今日もそんな気分。

ここからヴァン・モリソンのキャラバン、CSN&YのOur Houseに入ると抜け出せなくなるので、良いところで切り上げて、っと。

ああカーティス・メイフィールドのThe Makings of You ライブ版とWe’re a Winner ライブ版も追加で。

今日はパラオの友人らと簡単にキーワードのキャッチボール、台湾の友人からも久しぶりに連絡があり、共に生存確認。長いトンネルの先に針の穴ほどの白い点が見える。

ニュース(7/14付Radio New Zealand https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/421101/french-polynesia-launches-online-system-for-arriving-travellers)によれば、タヒチ(仏ポリ)はパリとの航空便を再開し、15日にはロスとの航路を再開するそうです。出発3日前までにPCR検査で陰性証明が必要で、入国時には各乗客に検査キットを渡して各自が自分で検査する体制をとるとのこと。

基本的には、コロナウィルスが入ってくることを想定した対応なのだと思います。この点で、やはり仏ポリはフランス。コロナフリーを維持しなければならない他の太平洋島嶼国とは異なるなあとの印象。

今日は令和2年版防衛白書(https://www.mod.go.jp/j/publication/wp/)。2018年以来、太平洋島嶼国との関わりが強化されていることがわかります。頭が下がります。

これだけの方々が関与していることを考えると、いいかげんなことは言えません。注意しないと。


ああカーティス・メイフィールドPeople Get Readyが流れてきた。最後はジャミロクワイのHalf the Manで。
週末のメモ [2020年07月11日(Sat)]

太平洋島嶼国の動向を追いかけるとき、バイアスや先入観を避けるために、あえて国際社会の動向を知らないようにすることがあります。

イメージで言えば、国際社会で起こっていること、例えばSDGsが話題となっているとして、世界的な取り組みを探る中で、太平洋島嶼国における取り組みを事例として見ていくのではなく、太平洋島嶼国各国の取り組みを理解するところから入り、結果的にSDGsにも繋がるといったものです。

グーグルアースのように地球を上空から眺めて地域に降りていく方向ではなく、現地の人々の取り組みから世界に繋げていくといったイメージです。


これまで長い間、そのような視点で太平洋島嶼地域に関わったり、調査をしたりしてきたわけですが、ときどき、太平洋島嶼国は世界の動きが早期に現地社会に反映されると思わされることがあります。

おそらく、少人口である優位性だと思いますが、住民と国のリーダーシップの距離が近いため、住民の声を国→(地域→)国際社会に繋ぎやすく、国際社会→(地域→)国→地域社会の方向でも、伝達速度が速いことが背景にあるのだと思います。


バイアスや先入観を避けたいと言いつつも、現在、コロナ禍の中で、太平洋島嶼国の情報だけではなく、世界情勢についても同時に耳に入る状況にあります。自分のためのメモの意味も込め、ここ数日気になっている項目を書いて、このエントリーを終わりにします。

・先進国と開発途上国、国連機関
・自然災害、コロナ
・米国大統領選
・世界はGゼロに向かっているのか
・冷戦2.0
・中国は平時体制ではない?(準有事の認識か?)
・2014.11.28 中国中央外事工作会議
香港国家安全維持法に対する一部太平洋島嶼国の立場 [2020年07月05日(Sun)]

言い尽くされた話ですが、日本にとって太平洋島嶼国は海洋国家として同じニュアンスを共有できる国々であることに加え、漁業資源、有事の際の代替シーレーン、国際場裏における支持者として重要です。

かつて、15年ほど前までですが、太平洋島嶼地域は米豪NZなど旧宗主国が力を持ち、敗戦国である日本は、主にODAを通じて、島嶼国各国の発展に実直に協力していました。当時は、旧宗主国と日本の間には、現在の先進国と中国の間に似た距離感があり、日本がやり過ぎて影響力を高めすぎないように警戒されている面もあったと思います。

島嶼国側から見れば、日本は太平洋島嶼国と心が通じる海洋国家でありながらも、旧宗主国に対して物を言うことができる先進国であり、島嶼国側が旧宗主国との間でうまくいかないときに、島嶼国をバックアップする、もしくは旧宗主国に対抗する際の仲間であるとの期待があったと思います。

例えば、あれは2007年だったと思います。マーシャルの故トニー・デブルム元大臣が、マーシャルが米国から独立する際に、米国との間で主権にかかわるある問題が持ち上がったとき、80年代前半のことですが、当時日本がマーシャルを支援したと話してくれたことがありました。

その基盤には、様々なレベルでの腹を割って話すことができる人間関係があったのだと思います。たとえ日本が旧宗主国と同じ側にいるとしても、その人間関係があれば、本音を共有できるし、信頼関係も醸成されるでしょう。

しかし、近年、そのような関係は次第に薄まり、むしろ旧宗主国の方が現地の人々に近くなっているのではないか、と思わされることが少なくありません。それは現地で会う人との会話とか、ニュースから得られる感触に基づいています。


最初の話にもどりますが、日本にとって太平洋島嶼国は国際場裏における大切な支持者です。かつて、日本が島嶼国に支持を求めれば、見返りなど約束事がなくとも、日本の主張を信頼し、支持してくれたものです。それは、島嶼国側に能力がなく盲目的に支持していたということではなく、「日本が言うことは間違いがない」という信頼に基づくものでした。(ここでは捕鯨問題や環境・気候変動に関するものは含みません)

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*太平洋島嶼国側が立場を決める際には、少なくとも次の要素が関係します。
・米国自由連合国:パラオ、ミクロネシア連邦、マーシャル
・英コモンウェルス:パプアニューギニア、ソロモン、バヌアツ、フィジー、トンガ、サモア、ツバル、キリバス、ナウル
・台湾承認国:パラオ、マーシャル、ナウル、ツバル
・中国と国交のある国:ミクロネシア連邦、パプアニューギニア、ソロモン、バヌアツ、フィジー、トンガ、サモア、キリバス
・課題に対する国内事情(例えば人権問題、核問題等)
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近年、自分が覚えている範囲で注目したことが2つありました。

1つは、2013年11月に中国が定めた尖閣諸島上空を含む防空識別圏問題。このとき、日本国内で報じられたかどうかわかりませんが、外交当局者は現地で相手国政府に日本の立場を説明していたと思います。

2つ目は、2016年7月の南シナ海に関する仲裁裁判所の判定。フィリピンがハーグの仲裁裁判所に申し立てたもので、中国の主張は認められないとの判断が出されたものです。この結果を受け、日本はこの裁定を支持しましたが、太平洋島嶼国ではバヌアツが中国の立場を支持しました。当時、フィジー外相が北京訪問中に中国の立場を支持したとの報道がありましたが、のちにフィジー政府はこれを否定するということもありました。

いずれの場合も、15年前であれば、日本が支持しているのであれば正しいだろうとして、島嶼国は明確に日本と同じ立場にいたものと思いますが、上記の日本と中国の立場が対立する事案について、島嶼国の立場は微妙でした。


さて、6月30日夜、中国で香港国家安全維持法が施行されましたが、これに対し、第44回国連人権理事会で参加国から発言がありました。

まず、英国代表は、日本など27カ国を代表し、懸念を表明しました。
https://www.gov.uk/government/speeches/un-human-rights-council-44-cross-regional-statement-on-hong-kong-and-xinjiang

27カ国には同理事会から離脱している米国は含まれませんが、主な先進国に加え、マーシャル諸島、パラオ、そしてベリーズ(いずれも台湾承認国)が支持国として名を連ねています。


他方、キューバ代表が53カ国を代表し、中国の立場に対する支持を表明しました。
https://www.fmprc.gov.cn/mfa_eng/zxxx_662805/t1793689.shtml

この53カ国の中に、太平洋島嶼国が1国含まれるようですが、信頼できるソースに当たらないためここには書きません(フィジー、バヌアツ、サモア、ソロモンではありません)。国内に独立問題を抱えているからなのか、大規模な援助を受けているからなのか、理由はわかりませんが、明確に中国の立場を支持しているようです。


懸念を表明した国々に、台湾承認国のナウルとツバルが含まれていないことが気になります。少なくともナウルは、これまで自由と民主主義に関する場面では先進国側の立場にいたものです。


数字上、27対53というのは大きな差です。これは中国の外交的勝利と言えるのではないでしょうか。反対に、なぜ先進国側は、もっと支持を得られなかったのか。

このようなところに、中国の外交力の強さを感じずにいられません。

何もない日常の外交関係が、このようなときに生きるのではないか。何らかの事象が発生してから慌てて動き、日本の立場を主張してもビジネスライクなやり取りで終わってしまうのではないか。


将来、また同様のことがあるかもしれません。そして、日本に直接関わる事象が発生した場合どうなるだろうかと思うと、焦りすら感じてしまいます。
住民の視点と外部からの視点 [2020年07月03日(Fri)]

先日のキリバス大統領選挙についてですが、現地の一般的住民の視点から見れば、第1に候補者2名の比較、第2に自分たちの生活に直接かかわるメリットの比較、その他があり、次いで中国との国交という課題があったのだと思います。

中国云々を除いて、マーマウ大統領が行ってきたことを見ると、経済成長政策に特徴があります。

前政権時代は、入漁料収入の急増の一方で、経済成長抑制策が取られていました。一つには社会の大きな変化・文化破壊を避ける意味がありました。自分は、後発開発途上国(LDC)卒業でもたらされるデメリットを避けようとする意図もあったのではないかと思っています。例えば、卒業してしまうと、援助が贈与ではなくローンになることが多く、パラオはその厳しさに直面しています。

いずれにせよ、前政権時代は、入漁料収入で得た果実を将来のために蓄えておくという方向性があったと思いますが、マーマウ政権ではそのメリットを国民に還元する、社会経済レベルと一段アップさせるという取り組みを行い、国民はその違いを感じていたものと思います。

2017年頃(2016年かもしれません)、マーマウ大統領が600百万米ドル(600億円)をこえる自国の歳入安定準備基金を担保に、インフラ整備資金を先進国からローンで調達しようとしたとき、いずれも賛同されませんでした。そこで、民間銀行から調達すると発言したものの、これも批判されたというニュースがあったと思います。

シンプルに、マーマウ政権は、入漁料収入急増→自国社会経済発展に活用、そのためにインフラ整備・内需拡大、という方向で物事を進めています。その過程で、台湾と中国を比較したときに、中国が選ばれた、ということでしょう。


一方、2017年頃の件について、果たして、先進国側(台湾を含む)はただ単に開発投資を拒否したのでしょうか。恐らく、持続可能性、より細かく言えば、現地のインフラ維持管理能力を見ているので、急激な開発ではなく、段階を踏まなければならないと考えたのではないでしょうか。

以前ある専門家が言っていました。オフィスの天井が落ちていても気にせず放っておく。ドアノブが壊れていても、直せるものなのに直さない。基本的に物が壊れるまで使い倒し、壊れたら捨てて、新しいものを求める。まずは維持管理能力を高めるべきだと。


とはいえ、大統領選における住民の優先課題に関わらず、中国か台湾かという海外の視点で言えば、キリバスの人々は中国を選択したと判断されます。現地の細かな実情は考慮されません。勝利者は、これを機に、より自信を持つことになるでしょう。

中国がプロパガンダを行っているという話もありますが、それが現地の法律に違反していないのであれば、それは批判されることなのか。法律を変えるか、反対勢力側も同じ法律の下で対抗するしかないのではないか。自分が見てきた経験で言えば、中国の外交団はプロフェッショナルで、丁寧にマメに戦略的に外交を行っています。その積み重ねが結果として表れているのでしょう。


キリバスは、かつて冷戦時代に、米国との漁業交渉がうまくいかないとき、ソ連と漁業協定を結んだことがありました。骨のある国との印象です。まず自国の意思があり、それに合う外交関係を選択してきたのだと思います。

台湾から中国に切り替えるときにも、おそらく究極的に決定されるボタン、もしくはラインがあったものと思います。それが大規模資金の要請ということであれば、かつてガンビアなどの場合と同じで、台湾はそれに乗ることはできないし、する必要もないでしょう。


今後について、幾つか考えられることがありますが、余りにもドラスティックなので、共有するのはやめます。世界情勢をしっかり追いかけつつですね。
パプアニューギニア ブーゲンビル自治州 [2020年06月24日(Wed)]

パプアニューギニアについて詳しくはないのですが、新聞情報(www.rnz.co.nz)を漁っていて、書いてみたくなりました。

ブーゲンビル自治州はソロモン諸島に繋がるブーゲンビル島を中心になり、住民もソロモン諸島の人々に近いと聞いたことがあります。また銅鉱山が有名です。

そのブーゲンビル自治州ですが、昨年11月から12月にかけて、独立を問う住民投票が行われ、独立支持98%という圧倒的結果となりました。

その住民投票の最終報告書が、先頃、パプアニューギニア政府に提出され、来年にも国会に提出される流れだそうです。

一方、ブーゲンビル自治州では、大統領選挙が、当初予定から同州対コロナ非常事態宣言の影響で2カ月延期され、8月から9月にかけて行われます。現職のモミス大統領が退任されることで、候補者乱立の様相。女性候補もいます。

銅鉱山の再開に向けた話も出ているようですし、今後数年で何が起こるのか注目されます。
キリバス大統領選、中国完全勝利 [2020年06月24日(Wed)]

6/22(月)キリバスで直接投票による大統領選があり、現職のマーマウ大統領が大差で野党ベリナ候補の挑戦を退けました。

6/23付 Radio New Zealand
https://www.rnz.co.nz/international/pacific-news/419640/taneti-maamau-re-elected-president-of-kiribati-in-blow-for-taiwan

投票率は80%弱、得票率はマーマウ大統領が6割弱と、予想以上の大差がつきました。

与党はメディアを抑える力もあり、資金力もあり、離島への選挙活動にも与野党で差ができたようです。

現地中国大使館云々の件がベリナ氏の話としてニュースになっていましたが、実際にそのようなことがあったとしても、外国勢が内政に関わることは出来ず、キリバスの国内法の範囲で何とかしてもらうしかない状況だったと思います。

何があったとしても、結果は出ました。国際社会から見れば、キリバス国民は、中国を信任したことになります。

中国によるキリバスへの投資や開発計画は非常に大規模であり、どの国も太刀打ちできないでしょう。冷静に持続可能性や安全性を考えれば、急激な投資拡大、開発促進は危険であり、先進国は資金があるとしても中国と同様な支援はしないでしょう。これは受けて側がどう考えているかというところでしょう。数年後に結果が分かります。

また、資金力の他にも大きな理由が背景にあります。

20数年前にトンガが中国に国交を切り替えた理由には、国連加盟というものがありました。国連で発言力を高めようとすれば、脱退した台湾ではなく、常任理事国の中国の価値が非常に高いことは当然のこと。ソロモンもキリバスも、経済プラス国連関係で、中国ということでしょう。


米国も国内が大変なことになっているし、トランプ大統領も厳しい状況に置かれているし、もう太刀打ちできません。

中国の完全勝利。中国の覇権拡大、中国の時代。

クリスマス島やフェニックス諸島に、チャイナタウンができるかもしれないですね。


このような情勢をひっくり返すことがあるとすれば、それは国際社会の枠組みが変わること以外ないように思います。国際社会の枠組みとは、国連の枠組みが変わるかということです。

常識的にはありえないでしょうね。


2〜3カ月後に議会選挙を控える香港も攻略したし、盤石と言えるでしょう。


中国では80年ぶりの大規模洪水が発生しているとの情報がTwitterで見つかりますが、中国の覇権が揺るぐことはないでしょう。
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