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2025年02月15日

自治体主催「ゲートキーパー研修会」に対して「本気を出せよ」と思わざるを得ない理由

自殺予防団体-SPbyMD-のメンバーがたまたま見かけて共有してもらいました。厚真町主催「ゲートキーパー養成講座」が3/13(木)に開かれるという情報です。その10日間後に新ひだか町で「ゲートキーパー養成講習」を控えている私たちにとっては強敵のライバル到来か!?と思いましたが、開催時間を見て卒倒(汗)


『1時間45分間という短さで「ゲートキーパー養成」を名乗れるのか?内容的にも精神科医による講義のみなので「ゲートキーパー養成を啓発する講演会」くらいの名付けレベルじゃないか?』って僕は個人的に思ってます。自治体主催のゲートキーパー養成に対する態度はこんなもんです。道内大都市の札幌市主催のだって「傾聴ロールプレイぷち体験会&精神科医による鬱病基礎解説」てなもの。貧弱。


あっ、自治体主催の「ゲートキーパー養成講座や研修」を見下しているわけじゃないですからね、誤解なきように。ライバル視する価値もないという捉え方なだけです。逆に言えば、それだけ僕は、SPbyMD主催「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」のほうが内容もクオリティも上だと自信を持っているという意味です。


それでも、SPbyMDの「GK新ひだか」よりも自治体主催「ゲートキーパー養成講座」への参加を町民たちが選んでしまうのであれば、選ぶ動機は自治体主催という不思議な信頼感&精神科医というネームバリューかなと推測しています。


と、言いたい放題なケチを付けましたが、実際どれくらいの学び内容なのか、集客数はどのくらいか?と気になるので「内偵」しに行くことにしました(^^)僕は自殺予防について貪欲に学んでいく姿勢を学生時代から貫いていますからね。以前、「自殺予防活動にゴールはない」という投稿をしたように、自殺予防についての学びにもゴールはないと考えています。


自治体主催の「ゲートキーパー研修会」は短時間かつ内容が貧弱だ、という僕の意見の意図は『そんな低クオリティならやるなよ』ではなく『自治体の権力行使をしてでもハイクオリティになるよう改善してもらいたい』のです。


法律で強制的にどんな小さな自治体であっても自殺対策策定を計画して実行しなければならなくなったのですが、ゲートキーパー研修会の内容を見るとどうしても「はいはい、法律遵守しますよ。とりあえず有名な医療系大学の精神科医に依頼すっか…」という仕方なさそうな匂いを感じてしまうんです。偏見を持っているわけではないのです。


自治体主催という民間団体よりも強い権力という名の武器を持っているのですから「精神科医による精神疾患の講義」にとどまらず「自治体で自殺対策を担当している保健師や専門職による地域地区ごとの自殺推移・特徴・相談窓口の講義」「地元の相談窓口のひとつ社会福祉協議会による相談内容の具体例と支援方法の講義」「地元議員による福祉政策の取り組みの講義」「北海道カウンセラー協会等による傾聴技法の講義」くらいは、せめても含めるような改善をしてもらいたいんです。


開催時間も1回完結なのに、2時間未満では不十分過ぎると感じます。民間団体が不安がるような「長時間だと会場使用料が高くなっちゃう」など予算的課題は自治体管理の公共施設使えばどうとでもなります。奥の手ですが役場の広い会議室を使う手もありますから。


自殺対策は、国・自治体・民間団体・企業・大学・研究所・国民など、それぞれが連携し合うことによって、より促進されていくものです。国が主催するイベントって稀ですから、その下の自治体には特にしっかりしてもらいたいと、僕ら民間団体の立場では思わざるを得ません。本気出してもらいたい。。。


自治体が「自分たち主催のゲートキーパー研修会を開催するので町民・市民の混乱を防ぐため民間団体による同様の養成講習開催はお控え願います」という回答を、道内いくつもの市町から受けていますが、「そんなこと生ぬるいこと言うなよ、お前ら自殺対策に対する取り組み姿勢を改めたほうがいいと思うぜ?連携を何よりも大切にしている自殺対策基本法と大綱に則れよ」と毎度思います。遺憾。


いくら自治体で「ゲートキーパー研修会」主催するからと言っても、町民や市民には自殺予防について学べる機会を増やすこと、複数の選択肢を用意すること、が必要ではなかろうか?というのが僕の意見です。


自殺対策に関心のある読者の皆さんの声もお聞きしたいです。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
創立者 内田貴之
posted by 内田 at 06:36| Comment(0) | TrackBack(0) | コラム

2025年02月06日

当団体のテーマソング『ワンライフ・改』完成と公開




原曲の作詞作曲/竹内典彦
原曲の採譜/盛孝浩
原曲の再採譜/西村順治
編曲/内田貴之
編曲指導/西村順治


2025年1月〜2月にかけて原曲をアレンジしました。原曲の『ワンライフ』は自殺予防団体-SPbyMD-の現理事長の竹内典彦氏に第一子が誕生した時、我が子が産まれた感動を書き綴った歌です。歌詞がとても良いため「自殺予防団体-SPbyMD-」のテーマソングとして採用された経緯があります。


2025年2月5日にアレンジバージョンとして完成した『ワンライフ・改』は、「幸せに生きて幸せに死ぬことのできる北海道をつくる」という団体理念を掲げ、「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」をメイン事業として据えている自殺予防団体-SPbyMD-にとって、テーマソングとしてより良い構成になるようにしました。


原曲は、
★一人の命の誕生
★周囲の人々から愛を受けて育つ
★愛こそ自分たちの幸せな町を創り出す原点であり欠かせないキーポイントである
という構成です。


アレンジバージョンでは、
★一人の命の誕生
★周囲の人々から愛を受けて育つ
★成長して大人になると過酷な社会の環境下で「愛」のことも忘れてしまう
★険しい道の中を生きて孤独感を味わうようになり挫折を経験して苦しむ
★自分一人では立ち上がれない状況に陥る
★孤独な主人公の存在に気づいた心優しい周囲の人々から愛を受けて命を救われる
★主人公は忘れていた愛の存在を思い出す
★「愛こそが自分たちの幸せな町を創り出す原点」であることに気がつく
★物を与えることは有限だけど愛を与えることは無限だと気づく
★これまで生きてきた中でたくさんの愛を与えてもらった自分が今度は愛を与え続ける番だと自覚する
★自分もいつかは老いて死を迎える日が訪れるが「最期の時も愛に囲まれて旅立ちたい」と願う主人公
★人々は互いに愛を与え合うことによって自分自身も幸せに生きて幸せに死ぬことができるようになる
★ひいては幸せに生きて幸せに死ぬことのできる町をつくることができる
★この行動を自分の次の世代も次の世代も連綿として続けることで「愛があふれる町」になってゆく
という、主人公の生から死までを描き「いかに愛が大切な存在であるか」を聴いている方々が再認識できる構成です。


どうぞご視聴ください。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
創立者・理事・事務局長 内田貴之
posted by 内田 at 09:44 | TrackBack(0) | 活動報告

2025年02月03日

ゲートキーパーの皆さんにお伝えしておきたいこと

ゲートキーパーの皆さんにお伝えしておきたいことがあります。大切な人のためにゲートキーパーとして自殺予防活動をする時に注意点があります。「ここまで予防策をやっておけば絶対安心」という指標はありません。かといって、ゲートキーパーの皆さんがご自身にできることには限界があります。

その時その時において「いま自分にできることをし尽くそう」と心掛けることによって、失敗したらどうしようという不安など精神的な負担を軽減でき、今やるべきことに注力できるようになります。

ゲートキーパーとして大切な人の深刻な悩みを聴いたり、適切な支援機関へ繋げることができたとしても、先ほど述べたように「ここまで予防策をやっておけば絶対安心」という指標はありませんから、もし、大切な人が最終的に自殺で亡くなってしまった時があっても「自分はゲートキーパーになれなかった…」と自分を責めないで下さい。

そうした時、皆さんはゲートキーパーとして自分にできることをし尽くした上での結果だということを、つらい現実だと思いますが受け入れて下さい。亡くなった大切な人に対して自分にできることをやって下さい。

このようなメッセージを皆さんにお伝えして、ゲートキーパーを養成する私たちのことが冷酷的だと感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは自分たちが養成したゲートキーパーの皆さんを永続的にフォローアップしていきます。ゲートキーパーの皆さんも一人で抱え込まないで欲しいと切に願います。

2025年2月2日
自殺予防団体-SPbyMD-
理事 内田貴之
posted by 内田 at 00:17 | TrackBack(0) | コラム