______________________

─藤里町という地域で、「こみっと」というひきこもり支援を開設した結果、人口4000人の町にひきこもりが100人以上いたのが、こみっとの様々な取り組みにより、10年、20年引きこもっていた人が、次々に一般就職を決めて、家から巣立っていった。
─なにもひきこもり支援したつもりはなく、福祉の立場で考えたて出した結果、ごく普通の若者支援をしようと思ったものの、若者支援というカテゴリでは、福祉事業と認めってもらえないため、ひきこもり支援として、こみっとによる支援が始まった。
─活動を始めた当初、地域はひきこもりに対する偏見が大きいものだった。こみっとオープンに伴う案内チラシを一軒一軒配る時「この家は、ひきこもりがいそうかな?」「この住民はどうだろうか?」など探り探りのように巡回した。
─そんな職員に対して、本当に引きこもっていた方からしたら、すごく警戒心が強く出てしまい、職員からは、「ひきこもりの人は、不気味な人」という印象が残ってしまった。
─こみっと側としては、「今度こういうイベントがあるよ!」とか「求職者支援事業をやってる」という、ただただ情報提供をしただけだったので、訪問を続けた。すると、支援やイベントには興味を示さなかった人が求職者支援には、関心を持ってくれた。
─ハローワーク経由の求職者支援事業は、ひきこもりにはハードルが高い。ハローワークに登録面接、資格取得の厳しいカリキュラム…。それでも多くの人たちが、福祉の支援を受けることにより、資格を取得し、一般就労を決めていくことになった。その際、こみっとによる指導や、同期の人とのふれあいが、成功のかぎとなった。
─そういう支援をしていたら、気づけば藤里町にひきこもりは、ごくわずかになっていた。どうしてそこまで少なくすることができたのかというと、なにもこっみっとは特別なことをしているわけではなく、常に地域の方々とふれあう機会を増やしていっただけのこと。
─求職者支援事業を一緒に受講していた仲間や同期や一緒に働く高齢者(こみっとは老人クラブと共同の事務所なので)が、社会で生きる事や、働くことの後ろ姿を自然体で示してくれた、そのことが、彼らの自立に大きく貢献した。
─そして、最初、ひきこもりの方が、警戒心強かったこの支援が、今では、ひきこもりやひきこもりがちのひとが、「家で何もしていないんだったら、こみっとに行ってみたらどうか」と軽い気持ちで、行けるようなところになってきた。
─全国のひきこもっている皆さんへ、いろんなしがらみのある家、地域から少し飛び出し、一度藤里町に来て、地域のひととのふれあいやプログラムを体験して新たな一歩へ踏み出しませんか?という藤里町の支援の取り組みの魅力についてお伝えした。

______________________
【今回、この本を読んだ私の感想】
ひきこもりの方の住んでいるそれぞれの地域に、もしかしたらこうした支援は、あるかもしれませんが、全然知らない町で、知らない人との交流が、生きてくうえで大切なきかっけ、かけがえのない出会いだったりもすることがあるので、いい取り組みだと思いました。
______________________
【読んだ本】
こころの科学メンタル系サバイバルシリーズ
ケアとしての就労支援
ISBN 978-4-535-90447-7

以上
自殺予防団体-SPbyMD-
土屋さつき