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2019年12月17日

こころの病の当事者による支援者向けの対談『こころの病とNPOと生き甲斐と』



『こころの病とNPOと生き甲斐と』をテーマに、生き甲斐をもってNPO活動に取り組む、こころの病の当事者2名による「支援者・援助者」向けの対談です。映像と音声にズレが生じていますが使用機材では修正不可能だったためご容赦下さい。

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対談者プロフィール
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土屋さつき(ツチヤサツキ)
自殺予防団体-SPbyMD-の副代表理事。通院治療中の双極性障害の経験・自殺で友人を亡くした経験・自殺未遂の経験を持つこころの病の当事者。就労継続支援B型事業所で働きながら、自殺予防団体-SPbyMD-のコアメンバーとして「こころの健康づくり癒やしのパステルアート教室」「双極性障害から学ぶ自殺予防」「自殺の方向に傾き易い心理」などの講演・講習を通じた、自殺予防活動に取り組み中。

屋代悠貴(ヤシロユウキ)
自殺予防団体-SPbyMD-の補佐理事。通院治療中の全般性不安障害の経験・市販薬乱用による薬物依存の経験・自殺未遂の経験を持つこころの病の当事者。就労継続支援B型事業所で働きながら、写真・映像作家名を別に持って「展示会主催の活動」を精力的に行うほか、自殺予防団体-SPbyMD-のコアメンバーとして「自殺予防映画製作部」などのメディアデザインに力を入れた自殺予防活動に取り組み中。

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自殺予防団体-SPbyMD-
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幸せに生きて幸せに死ぬことのできる北海道をつくるNPOとして、2013年5月1日に設立。コミュニケーション理論〈対話法〉を公式導入したゲートキーパー養成講習を、対話法研究所との協働事業として展開中。「自分の大切な人にとっての命の門番として自信を持って役目を果たせるようになりたい」という真剣な気持ちを持つ北海道民を対象に行う、こころの通う「対話」のできるゲートキーパーを目指した支援者支援。共にNPO活動に取り組みたい北海道民からのお問合せを大歓迎。
URL|http://spbymd.jimdo.com
Mail|spbymd@gmail.com
FAX|011-351-5093
所在|北海道札幌市北区「北24条エリア」

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首脳メンバー
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代表理事 内田貴之(ウチダタカユキ)札幌市
副代表理事 土屋さつき(ツチヤサツキ)札幌市
補佐理事 屋代悠貴(ヤシロユウキ)札幌市
顧問理事 竹内典彦(タケウチノリヒコ)北広島市
相談役 尾垣洋輔(オガキヨウスケ)斜里町


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表 内田貴之
posted by 内田 at 21:04 | TrackBack(0) | コラム

2019年12月12日

紙一重の世界に携わる私たちと精神障害者

自殺予防団体に属していると、結構の確率でなんらかの障害者と出会う。まぁかく言う私も、立派な障害者なんだけど。


─おはようございます、自殺予防団体-SPbyMD-の土屋さつきです。昨日、代表と買い物に出かけている時に、『私たちは紙一重の世界にいるんだよ』という話が出ました。少し、その話をここでしてみたいと思います。


私と同じ障害(双極性障害)でも、合う薬合わない薬の差や、躁鬱の頻度も症状も違う。自分の障害でも、理解するのは難しいのに、他の、障害の知識や理解は難しい。


そして、たどり着いたのが、色んな障害の特徴や、理解、応対の仕方など学べる講座があればいいな、という思い。


私たちみたいに、障害者と関わる機会がある人は、ある程度知識は身につけている。でも実際付き合ってみると未知なる世界で正直こわい。


弱みが狂気に変わることがある、それは、障害ありなし関わらず、人間というのは、気分次第で天使にも悪魔にもなる。人間と関わる仕事(対人支援)をしてる私たちは、その覚悟が必要とされるが、私はまだまだ未熟者。


4年前に自殺で自らの命を絶った親友が、晩年、統合失調症に冒され、幻聴や妄想が激しかった。正直私は、どう反応していいかわからず戸惑った。とりあえず信じたフリをして、会話を合わせた。


でも、それは、自分の本当の気持ちではなかったため、それが正しかったのか、未だに悔やんでる。幻聴が出た時、どういう風にしてもらいたいか。否定していいのか、その世界に一緒になって付き合っていいのか、わからなくて。


私たちのように障害者に関わる仕事をしている人にも、していない人にも、障害者の応対法(関わり方・症状が出た際の対処法)を勉強できる機会があってもいいと思うし、むしろ、あって欲しい。いつ何時も障害者を、紹介されても戸惑わないように、勉強できる場を、私は求めます。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
副代表理事 土屋さつき
posted by 内田 at 13:58 | TrackBack(0) | コラム

2019年12月06日

手首に針を刺したままの修学旅行の思い出

こんばんは。「次回の鍼灸治療は何日にしてもらおうかしら」なんてことを考えていて、ふと昔のエピソードを思い出したので、寝る前につぶやきます。

中学生の頃、僕は当時部活動で和太鼓をやってて、手首が慢性的な腱鞘炎になってしまったんです。確か両方の手首です。

手首って、日常生活の中でめっちゃ使うんですよねぇ。普段はべつに意識していませんでしたが、物を持つ時・書く時・歩く時・寝る時・PCやる時・トイレをする時...。何かをしようとするとき、必ずと言って良いほど手首って使う。だから、もう、腱鞘炎って痛いのなんの...。動作するたび悲鳴でしたね。

部活動の先生は和太鼓の指導員資格を持つスペシャリストだったので、対処法を熟知していました。そして、手首の腱鞘炎になるってことは、すなわち、正しいバチの握り方・正しい打法を行なっている証拠であり、誰もが通る道なんですって♪

対処法は、鍼灸治療とテーピング固定の2つが基本だと教わり、どっちもやっていました。

テーピングで手首から腕にかけて固定するんですが、これ効くんですよ。ただ硬めのテープを巻きつけてるだけ、と最初は思って疑っていましたがやれば実感(笑)なぜか手首の痛みが減るんです。

それから鍼灸。これも最初は疑っていました。だって、針を刺したり温めたりするだけだし!と思っちゃうじゃありませんか。これもやれば実感(笑)なぜか手首の痛みが減るんです。


修学旅行が近くなり、ほぼ毎日通院していた鍼灸治療院で修学旅行中どうするかについて相談しました。その結果が、手首に針を刺したまま、針が抜けないようテーピングで手首を固定しての修学旅行です。

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短い長さの針とはいえ、針ですから(笑)針が手首に刺さったままの状態での修学旅行は、ハラハラドキドキしたのを覚えています。

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修学旅行では、りんご狩り・コケシづくり・きりたんぽづくりなど、手首を酷使するような体験学習ばかり次から次へと...。テーピングで固定しているとはいえ、やはり動かすとキリキリ痛みます。「手首が痛いので見学してます」なんて言えず、頑張りました。

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というわけで、僕が人生で初めて鍼灸治療を毎日やったのは中学生の頃でした。当時を振り返ると、針よりお灸のほうが嫌だったのを思い出します...火傷が恐くて。

「気持ちいい熱さ」だなんて信じられません。自宅でも毎日お灸キットを使って下さいね、と言われていましたが、めっちゃ熱いんで、当然やりませんでしたね(笑)

ところで、僕は最近、冷え性を改善するために鍼灸治療を受け始めました。前回は「お灸」やったんです...、久しぶりにあの恐怖が蘇りました(笑)でも、ユニークな先生なので、熱さの恐怖はどうにか我慢することができました。たぶん、次回もやるんだろうなぁ...、熱いのいやだな(泣)

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以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:06 | TrackBack(0) | コラム

2019年11月16日

就職話:自殺予防と無縁の世界に就職すると年間245日が勿体無く感じる心理からの解決策

『生きるため(=生活費や活動資金のため)と割り切って業種を問わず幅広く就活してどうか?』と知人から提案されたが、大学卒業後から28歳の序盤までそうした割り切りの働き方をしてきた。様々な業種を転々としてきたわけだが、お金のためだと割り切っても続かない。


就職をして間もない頃は「自殺予防を続ける資金のためだ、頑張るぞ!」と気合を入れて張り切ってても、そのうち「こんな自殺予防とは無縁の仕事をしている年間245日と比べて、本職の自殺予防は年間120日しか出来ないなんて!時間が勿体無い」という感情・心理に行き着いてしまう。WEBデザイナー・ホテルマン・楽天市場広告審査・楽天市場コールセンターなど、どの仕事に就いても、最終的に行き着いてしまう心理なのだ。


自殺予防とは無縁の仕事を5年間色々やってきて辿り着いたのは「狭義の自殺予防ではなくとも障害者福祉や地域福祉という広義の自殺予防の世界で働くことが叶えば、年間245日は決して勿体無くは感じないはず!?」という考え・予想。


そこで28歳の中盤から29歳の序盤にかけて、障害者福祉の就労継続支援A型事業所スタッフと、地域福祉の生活困窮者自立支援スタッフの仕事にそれぞれ就いた。大学卒業から5年間の自殺予防とは無縁だった働き方と比べて予想通りの雲泥の差!「これこそ求めていた理想的な働き方だ」と心底感じた。


補足だが、生活困窮者自立支援の仕事を選んだ理由は自殺予防だからという他に、2019年2月からコミュニケーション理論〈対話法〉を真剣に学び始めていたことで「相談支援の仕事に携わってみたい!」と思うようになっていたところに、ちょうど舞い込んできた仕事の話だったから。

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さて、今また再就活をしている。希望の業種は言うまでもない。これまでは理想的な働き方を探しつつも活動資金を得るためであれば雇用形態はパートでも構わない選択をしてきた。だが、30歳まで残り半年を切ってしまった今、結婚を目指すべく正社員雇用を求めている。


正社員雇用でなければ結婚できないという法律は存在しない。お互いパートや派遣同士で結婚している組も友人にいる。しかし、我が家には厳しい掟が存在する…。結婚を成功させ親元から巣立って家庭を築いてしまえば、我が家の厳しい掟からは解放されるので、一刻も早く!という思いが続いている。


僕にとって正社員雇用は掟からの解放を実現させるための方策でしかないとさえ捉えている。正社員雇用による社会的メリットは、言うなればオマケ・副産物。本職の自殺予防を本業の軌道に乗せることが実現すれば、会社勤務という働き方からも脱却できる…はず。


ところで今、僕が探している正社員雇用の業種は障害者福祉。前職を辞めてから約6ヶ月のあいだ色々と考えてみたが「年間245日もの時間を勿体無く感じず、かつ広義であれ自殺予防策としても有効な福祉の世界で働きたい」という想いは強いため、就労継続支援B型のスタッフにターゲットを絞ることにした。


副代表理事がこれまで2ヶ所の就労継続支援B型事業所に通所して、作業の話やスタッフとの話を色々と聞いてきた。話を聞けば聞くほど「やり甲斐があって面白そうだな!」「B型は自殺予防策として有効な福祉制度になっている」と感じる。僕自身まだB型の世界については副代表理事から日々の体験談を聞いて知る程度なのだが、働きたい世界だという気持ちは僕が社会人になって依頼最も強いと感じている。


再就職活動、頑張るぞ。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:13 | TrackBack(0) | コラム

2019年11月12日

事業のカテゴライズ方法と賃貸物件の余談

本日は事業のカテゴライズについてお話したいと思います。


自殺予防団体-SPbyMD-は2013年に設立して以来、色々な事業を展開し続けてきました。数年前から法人化を見据えて、組織としてのいわゆる「部署分け」「帰属先」を考えるようになりました。まだメンバーは部署分けするほど人数がいませんから、一人ひとりが担当部署を持っているわけではありません。


しかし、事業については幅広く多種多彩あるので部署分けができます。いえ、できるできないというより、必要を感じているからやり始めたんです。


今、自殺予防団体-SPbyMD-には「運営チーム」「事業統括チーム」「ファンクラブ運営チーム」「探究室」「同好会」「‪道民の自殺予防拠点~めいめい~‬」といった部署...、というかカテゴリが組織内にあります。


...そう!部署というよりカテゴリという言葉を用いたほうが、感覚的にしっくりくるかもしれませんね。


例えば、最近、‪道民の自殺予防拠点~めいめい~‬を開設したことにより、もっと地域住民の自殺予防を図るような地域に根づいた取り組みをしたい!という想いが湧き上がり「パステルアート教室」を新しい事業として始めました。


特にこうした新しい事業を始める際に、その事業は組織内のどこにカテゴライズするのが最適か、をまず考えます。


自殺予防団体-SPbyMD-の「パステルアート教室」はゲートキーパー養成講習のプログラムのひとつとして2018年12月に生まれました。大変好評なので「パステルアート教室」だけの依頼講座を引き受けたり、レクリエーション企画のひとつとしてやったりするようになってきました。


ゲートキーパー養成講習は、自殺予防団体-SPbyMD-の主軸事業なので事業統括チームにカテゴライズされています。事業統括チームとして展開している事業は、基本的に理事会が関与しています。


やはり組織の柱の事業なので、開催時期・開催地域・予算・プログラム・PRと集客などなどを理事会で話し合いを重ねて決めていきます。理事会が関与する事業統括チームの事業は「思い立ったが吉日」的なフットワークの超軽い開催はまずできません(笑)


話を戻しますね。地域に根づいた取り組みをしたくて始めたばかりの「パステルアート教室」、これをどこにカテゴライズするか悩みました。関わっているのは講師を務める副代表理事とコーディネートする筆者の2人です。理事会は関与せず、思い立ったが吉日的に考えて行動することができます。


すると事業統括チームにカテゴライズするのは感覚的に微妙なんです。事業統括チームの事業には、定款に明記している「ゲートキーパー養成事業」「講演会事業」「街頭啓発事業」に基づいて、分類されていて、どれに該当するのか選ぶ必要があります。「パステルアート教室」はどれにも当てはまらないわけです。


そこで、結論としては「道民の自殺予防拠点~めいめい~‬」が独自の行事として開催するというカテゴリになりました。地域住民のこころの健康づくり・拠点と地域住民とのふれあい、が趣旨なので、事業統括っぽさは無いわけです。


という感じで、自殺予防団体-SPbyMD-では多種多彩な事業を組織内のどこにカテゴライズするか結構重要です。カテゴライズをいちいち理事会で話し合う必要はまだ無いので、筆者が代表理事の一存で考えています。


ほかのNPOは、こうした部署分け・帰属先・カテゴリなどを考えたり、実際やっているのかは知りません。組織が成長してきて必要を感じはじめたらやる、というスタンスで良いのかもしれませんね。


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※余談コーナー※
‪道民の自殺予防拠点~めいめい~‬は、自殺予防団体-SPbyMD-の事務所として開設しましたが、ちゃんとネーミングの通り「‪道民の自殺予防拠点」として機能し始めてきました。とても嬉しいことです。


ただ、契約において管理会社である不動産屋からはOKが出ているもののグレーゾーン的な面も少しあるため、道民の自殺予防拠点~めいめい~‬をあまり表立ってPRすることはできないんです...。


具体的には、交流施設のように開放して不特定多数の人がいつでも出入りすることができるような使い方はNG。「不特定多数ではない地域住民の寄り合い」的な感じの「会合」的なものを開くことはOK。なので、お茶会・座談会・手芸教室くらいであれば問題なし。ご近所さん同士が定期的に集まって、お茶を飲みながら手芸を教え合って楽しい午後のひとときを過ごすレベルですね。


自殺予防団体-SPbyMD-が数年後、法人化した際には、‪道民の自殺予防拠点~めいめい~‬が「交流施設」として堂々と機能できるようなテナントへ移転するでしょう。そこでは就労支援も展開したいと考えています。はい、余談でした。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:43 | TrackBack(0) | コラム

市民活動プラザ星園に初めて行ってきた感想

用事があって「市民活動プラザ星園」に初めて足を踏み入れてきました。地下鉄の豊水すすきの駅から徒歩数分のところにある廃校になった学校を再活用している施設です。


遥か以前から知ってはいた施設なので、一度どういう雰囲気なのか行ってみたいなぁと気になっていたんです。


雰囲気は一歩入った瞬間から「あっ、小学校だ」と。そして、1F〜4Fまでの大半の教室が市民活動団体向けの貸事務所になっていたり、いくつかの教室が貸会議室になっていたり。


今日は、入居団体のほとんどが「在室マーク」の表示になっていたので、校舎内はワイワイ賑やかなのかな?と予想しましたが大ハズレ...。校舎内は薄暗くて、人間がまるでいないかのように、シーンと静まり返っていました。。。でも、各教室の中は明かりが灯っているのが見えるので、やはり在室なんですね。それでもシーン...笑


ちょっと不気味でした。


公共施設エルプラザ2Fの札幌市市民活動サポートセンターを利用したことのある方なら、しみサポの賑やかな雰囲気がよく分かると思います。ああいう雰囲気だと予想して行ったので、真逆で驚いたんです。笑


ちなみに、貸事務所は月いくらなのかと気になって公式サイトを覗いてみたら、平均5万円くらい。光熱費は別途かかるようです。んー、アパートのほうが安いですね。あと、市民活動サポートセンターの貸事務所は月1万円でした、水道光熱費込みでね。


しかも借りる教室内のレイアウトは自由だとは言え、もう一部屋つくりたくても、パーテーションや家具で簡易的に間仕切るレベルでしょう。‪あまり魅力的とは思えませんでした。


実は自殺予防団体-SPbyMD-も、設立前は、事務所を構える場合はアパート案・しみサポ案・星園プラザ案、どれかにしたいと考えていました。うーん、選ばなくて正解です。


あくまでも個人の感想です!


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:19 | TrackBack(0) | コラム

2019年11月10日

無理解な人間とそうでない人間の姿勢的な違いについて

─もし、自分には理解できないような障害や病気に対して「理解したいと思い読書したりセミナーに参加して少しでも理解できるよう努める人間」と、「理解できないことは理解しないし理解しようと努めることもしない人間」がいたら。どちらのほうが人間味を感じるだろうか。その障害や病気を抱えている人に寄り添う姿勢が伝わるだろうか。


言わずもがな前者であると僕は数年前から考えている。自分が他人からなかなか理解されにくい排尿障害に陥ってから日々苦痛に感じるようになった。


無理解な人間とは、ある対象について理解できないのではなく、少しも理解しようとは努めない人間のことである。


理解しようと努めていても、当人にしか理解できない内面的な障害や病気もあるだろう。だが、ハナから理解しようとせず、自分の価値観のみで、その障害や病気そのものを「否定」する人間はなんと冷血で、愚かであろうか...と、そのように排尿障害を通じて僕は感じるようになった。


人間関係がそれほど濃くない他人、例えば会社の同僚・クラスメイトといったその場所でしか会うことのない人であれば、無理解な人間との生活もその場限りで済むから何とかなるかもしれない。


しかしながら、無理解な人間を家族に抱えることは次元が違う。外泊時以外のほぼ365日、毎日をそうした人間と一緒に生活して過ごすことは非常にストレスが重たい。障害や病気によっては、家族が無理解な言動を繰り返すあまり、精神的または心理的にも状態が悪化して、最悪の場合「自殺」へと追い込まれてゆくこともあり得るため危険である。


例えば、排尿障害にしても「尿意があり膀胱にも尿が溜まっているにも関わらず自分の意思で排尿することができない」という状態を説明して、相手からその苦痛と精神的疲労をねぎらうような温かい言葉や共感を示してもらえた時には、心理的にかなり落ち着く。排尿状態は変わらなくても、心理的に「理解しようとしてくれている優しさ」を感じて落ち着くのだ。


ところが説明に対して「水分をきちんと補給してないのだから出るものも出なくなるのは当たり前!」「尿意があっても出ないのなら膀胱に溜まってると錯覚する膀胱炎だ!尿意は気のせい」などと聞き手が自分の価値観で判断して、勝手な決めつけを行い批難を浴びせるならば、心理的には苦痛がさらに上乗せされ、微塵も理解しようとさえしない相手の姿勢に怒りさえも芽生えてくるのだ。


もし、自分には理解できないような障害や病気に対して「理解したいと思い読書したりセミナーに参加して少しでも理解できるよう努める人間」と、「理解できないことは理解しないし理解しようと努めることもしない人間」がいたら。どちらのほうが人間味を感じるだろうか。その障害や病気を抱えている人に寄り添う姿勢が伝わるだろうか。


読書などの勉強をするまでいかずとも、共感的傾聴をしてくれるだけでも相手に対して心理的な安心感を覚えることができる。今、僕は障害者福祉施設のスタッフになりたいと思って求人を探しているところなのだが、くれぐれも「無理解な人間」側には堕ちたくないと日々思っている。相手の障害や病気のことを相手の心理までも含めて100%理解する!などということはエスパーでもない限り困難である。それでも、一人ひとりの苦しんでいる状態や抱えている困りごとを寄り添いながら理解しようと、僕は努め続けていきたい。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:46 | TrackBack(0) | コラム

2019年11月05日

SPbyMDがクラファンに挑む理由

自殺予防団体-SPbyMD-は、今、クラウドファンディングに初めて挑もうと準備を進めています。そうすると、組織の内外から様々な疑問の声が聞こえくるのです。そこで、本日は聞こえてきた疑問をいくつかピックアップして、自分なりに考えを示してみることにします。


【指揮を執るのは誰ですか?】
今回のクラウドファンディングプロジェクトの指揮者つまりリーダーは竹内典彦顧問理事が担当しています。顧問理事が発案者であり、プロジェクトを進めていく上で様々な計画や作戦を練り、号令をかける担当です。


【目標額と額を決めた理由】
目標額は「50万円」です。これは、2020年に自殺予防団体-SPbyMD-が主催する「ゲートキーパー養成講習」を道内4市町村で開講するために必要な経費の見積額です。


【ゼロ100?総取り?】
「All in」と呼ばれる総取り方式を選びました。ゼロ100にすると、目標額に到達しなかった場合は「ゲートキーパー養成講習を2020年は開講しません」といったニュアンスになってしまいます。しかしながら、自殺予防団体-SPbyMD-は例え目標額に達しなくても、支援していただけたお金を資金として「ゲートキーパー養成講習」を可能な限り多い回数で開講します。


【今までの開講資金はどうやって確保していましたか?】
今まで(2018年3月・9月・12月、2019年5月・7月・12月)の開講資金は、そのつどメンバーの手弁当を持ち寄っていました。そのため、最高額でも1回につき6〜7万円で開講可能な地域の選択が必要でした。特に、会場予約・チラシ設置・当日の少なくとも3回の遠征が必要なので、遠方であればあるほど交通費が莫大にかかります。


【高額なお金を掛けてまでゲートキーパー養成講習は必要ですか?】
ゲートキーパーについて意訳すると「自分の大切な人たちを自殺で失いたくない」という気持ちを持ち、そのために自分にできる予防策を学んでおきたい、と真剣に考えている人たちのことをいいます。そうした真剣な人たちに、予防策を学びスキルを磨く機会を自殺予防団体-SPbyMD-は提供し続けたいと考えています。真剣な人たちに対して中途半端な支援を行うわけにはいきませんので、それ相応の資金は必要なのです。


【組織の理念が現実と掛け離れています】
自殺予防団体-SPbyMD-は、幸せに生きて幸せに死ぬことのできる北海道をつくるNPOです。これが組織の理念であり、理念の実現に向けて「講演会」「養成講習」「パステル教室」「パネル展」「街頭啓発」などの様々な活動に取り組んでいます。

組織の理念は、今日明日に簡単に実現できてしまうような規模では低すぎます。それは毎日の目標というべきです。理念は、この組織が生涯にわたる活動を通して実現させたい社会の理想像です。ありありと描いた理想像に向けて、社会を作っていこうとするのがNPOだとも言えるでしょう。

幸せに生きて幸せに死ぬことのできる社会とは、苦難に遭っても自殺に追い込まれることのないよう誰もが全力のサポートを受けることのできる社会であり、叶えたい夢や希望に向かって誰もが幸せを感じながら生涯生きることのできる社会だと、自殺予防団体-SPbyMD-は考えています。

ですから、現実と掛け離れているというのは別の言い方をすれば「理想像に現実味が無い社会」だと感じてしまっているということです。とても「幸せに生きて幸せに死ぬことのできる社会など実現できるわけがない」と感じてしまうほど、現在の社会は荒んでいると言えるかもしれません。

しかしながら、この事実は、自殺予防団体-SPbyMD-の社会的ミッションは非常に有意義であると、言い換えることができます。社会の課題点や問題点を解決しよう!というのがNPOの出発点なのです。


【クラファンの目的は資金調達以外にありますか?】
今回のクラウドファンディングは北海道新聞社が運営するシステムを利用するため、新聞に掲載され全道各地の北海道民に向けてPRができます。自殺予防団体-SPbyMD-は北海道の組織として道内各地を巡って活動していますが、組織の認知度は無いに等しいほど低いでしょう。テレビCMや交通機関の啓発ポスターなど、日常的な社会露出はまだまだありません。

今回のクラウドファンディングの最大の目的は、ゲートキーパー養成講習の資金を調達することですが、その副産物として組織の認知度が少しでもあがれば嬉しいと思っています。それは、自殺予防策について真剣に学びたいと考えている人たちが、自殺予防団体-SPbyMD-の講習を知り得るキッカケに繋がるからです。


以上
今後も疑問の声が聞こえてきたら、記事で考えを示したいと思います。

自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
posted by 内田 at 22:49 | TrackBack(0) | コラム

2019年11月01日

自立支援医療制度を知っていますか?

皆さん、自立支援医療費制度という制度をご存知ですか。精神科を継続的に通院する人の負担を少なくするという制度です。


• 精神通院医療(精神疾患の治療)
• 更生医療(身体障害の治療など)
• 育成医療(身体障害がある子どもの治療)


の3種類あります。


• 診断名が統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症等の脳機能障害、薬物関連障害(依存症等)の方
• 3年以上の精神医療の経験を有する医師によって、集中的・継続的な通院医療を要すると判断された方
• 医療保険の高額療養費で多数該当の方(過去1年間に、高額療養費の支給回数が既に3回以上の方)


など。


それを利用すると保険証だけだと3割負担なのが、1割負担になります。そして、所得に応じて上限が決まっていて、それ以上の医療費がかかれば、そのはみ出した医療費は払わなくてもいいという制度です。


といっても、対象になるものだけが1割となるので、医療費・薬代全部が1割負担ではないです。対象になるのは、精神の治療のための診察代、それに伴う薬代です。


私の場合は、精神薬のほかに便秘薬や胃薬などを処方してもらっていますが、便秘薬や胃薬など、精神医療に関係ない薬は、1割の対象にはならないのです。それでも、私の場合は、大体2000円の薬の内1000円くらいは1割負担になっているので、助かってます。


ですが、以前…といっても10数年前なのですが、かかっていたクリニックでは、自立支援医療費制度の自の字も提案が出てこなかったです。病院によっては、医者の方から提案してくれないところもあるので、そういう時は、勇気を出して、聞いてみましょう。


私たち、精神の病に罹ってる人や障害を持っている人は、まだ知らないたくさんの制度があります。どっかの人は、「人の汗水たらして働いている税金を使いやがって」という人もいるかもしれませんが、病院にかかってる人は、なりたくてなったわけじゃないんです。


人の助けを受けないと生きていけないんです。それが付き添いだったり、お金の補助だったりするわけです。でも人の援助を借りて生きることは、決して悪いことでも、惨めなことでも、恥じることでもないんです。


私は、人様の税金で、生きている身としているので、少しでも、世の中の役に立ちたいと思っています。だからこそ、自殺予防団体-SPbyMD-の仕事に使命感を感じるわけです。


事業所で仕事をしている人たちも自立支援医療費制度を使ってるかはわかりませんが、ぬいぐるみをかわいがる子供の笑顔のために、一生懸命、ぬいぐるみを作っています。


誰も、税金のお金で楽したいなんて思ってる人は一人もいません。みんな何かの役に立ちたいと思って、生きています。


自立支援医療費制度のことを知らない方がいるならば、ぜひ活用してみてください。高額な医療費で困ることを少しでも軽減できると思います。


以上
自殺予防団体-SPbyMD-
副代表理事 土屋さつき
posted by 内田 at 14:07 | TrackBack(0) | コラム

2019年10月18日

人権の大切さと先人の犠牲を...

ハートネットTV
「消された精神障害者〜沖縄の私宅監置〜」
まだ見たことのない方は、
見てほしいと思います。

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※2020年7月14日に確認したところ、YouTubeから削除されていました。
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なんか、こわかったです。
私たちは、この被害者たちの上に成り立っている。


帰りの電車で優先席に乗れるのも、
この人達の犠牲の上なんだなと思うと、
なんかやり切れないと思いました。


私たちは、しがらみがあるけど、
まだまだ幸せなんだと思い、
命の、そして人権の大切さを知りました。


自殺予防団体-SPbyMD-
副代表理事 土屋さつき
タグ:私宅監置
posted by 内田 at 14:15 | TrackBack(0) | コラム