先日、NHKで「車中暮らし」の特集をしていたのを、偶然見た。
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レジャーで楽しむ車中泊ではなく、やむをえない事情を抱え、長期間にわたり車で生活する「車中生活者」。その背景には、いったい何があるのか。誰にも気付かれず、ひっそりと駐車場の片隅で生活する人々の実情を知るため、私たちは、支援に取り組むNPOとともに、半年間にわたり取材を続けました。(「車中生活」取材班・社会番組部チーフディレクター熊谷光史)
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ある60代の男性は、年金10万で、車中暮らしをしている。 年金10万じゃ、アパートも借りれないという事で、この暮らしを始めたという。 でも車の中には、冷蔵庫がない為、食費がかかる。 だから、年金10万と支出がほぼ同じであるため、余裕ではない。
生保も車がある以上、支給出来ないと役所は言う。彼らは、主に道の駅に車を止めて暮らしている。でも長くいれば、不審に思われ、そう長くは止められないので、全国各地を転々として暮らしている。
また、次の車中暮らしをしているのはまだ若い20代の男性だ。 その人は、お父さんの暴力から逃げるように、車中暮らしを始めた。
そして、私が見た最後の人は、元看護師のご夫婦。 愛媛県に自宅があるのにも関わらず、夫婦で全国各地で車中暮らしを楽しんでいる。 なぜ、夫婦は車中暮らしをしているのだろうか。 その理由は、あまりにもさみしい。「人間関係に疲れた」という事だった。「車中暮らしなら、誰ともかかわらない、会話をするのは夫婦2人のみ。他は誰もいない。 それが良いんだ」と、旦那さんは言う。
ただ、旦那さんは糖尿持ちで、いつ悪化するかわからない。 それだけが心配だが、旦那さんは続けて、「車中暮らしで死ねたら本望だ」と。その言葉を聞いていた奥さんは、ちょっと悲しげな顔をしていた。
「生活困窮」「親の暴力」「人間関係」様々な要因で、それぞれの車中暮らしがある。車中暮らしが、悪いわけでもないし、法律に反しているわけでもないし、かわいそうでもない。
でも、世間がもっと優しかったら、社会がもっと一人一人を大切にしていたら、車中暮らしという選択肢はなかったと思う、と私は思った。 車中暮らしの中で、亡くなった方も少なくはないようだった。「孤独死」この問題も、世の中が変われば、少なくなるのではないかと思う。
この番組を見て、なんかやりきれなさが残った。
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NHK・WEB特集「車中生活者をどう支援するのか」NPOの模索を閲覧したい方は、リンク先から魚拓をダウンロードいただけます。(PDF形式)
https://drive.google.com/file/d/1jgZ2HCkAPRGUWwfRfK-hu3TiMPe5DzSa/view?usp=sharing
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以上
自殺予防団体-SPbyMD-
副代表 土屋さつき
2020年03月02日
NHK特集「車中生活者をどう支援するのか」を見た感想
posted by 内田 at 13:19
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