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2019年03月10日

市町村に思う「こころ」という表現

精神疾患について市町村でも「こころの病気」と表現し、
自殺対策においては特に「うつ病」に対して使われています。

しかしながら、
実際には脳に原因がある「脳の病気」だとされています。
これが科学的な見解として定着されています。

であれば精神疾患は「こころの病気」ではなく「脳の病気」
だと表現することが、科学的な見解に基づいたある意味で
市町村にとって誤解なき表現だと思います。

なぜなら、
市町村という組織は基本的に非科学的(ここでは霊的)な
要素を取り入れて公に発表することができない性質だからです。

例えば宗教という組織が「精神疾患はこころの病気です」
と表現するのとでは、使われている表現は同じでも、
その意味は全く異ならざるを得ないのです。

同じ表現に対しても市町村が使う場合には
「※ここでいう心とは脳と同義です」と補足をしなければなりません。
実際に補足が明記されている場合はほぼなく、
常識として「言わなくても当然わかるだろう?」とされています。
暗黙の了解みたいなものに感じています。

ですから、
それでも尚も「こころの病気」という表現を市町村が使い続けるには、
「脳とは心であり心とは脳である」という定義を前提にしている
ということを我々は認識しなければならないのです。

自殺対策では市町村が様々な組織とコラボレーションをして
普及啓発のイベントを開催するようなことも多くあります。
最近では宗派を越えて自殺対策に取り組む僧侶集団が
市町村主催のイベントにゲストとして登場する機会もあります。

その場合イベントのテーマなどで「うつ病はこころの病気」
と題されているとします。組織同士の共通理念とされる場合は
「あれ?そもそも市町村が使う”こころ”と
自分の認識する”こころ”は同義語なんだろうか?」と立ち止まって
少し考えてみてほしいのです。

また、自分が属する組織において、
自殺対策やうつ病に関して組織のメッセージを
公に打ち出すような担当者になった場合。

「うつはこころの病気です」という一般的に定着されている表現を
当然かのようにほいほい使う前に、自分たちの組織のスタンスに
この表現は適しているのか?と、確認する作業も必要だと思います。

少なくとも、
非科学的なことを公に主張できない組織や市町村という組織は
「こころの病気」という表現を無暗に使うべきではないと思います。
先述したように「※この場合のこころは脳と同義です」と念を押して
補足しなければ、誤解を招きやすい、少しあやふやな表現だからです。

もちろん、
SPbyMDとしては「心=脳」ではないという
霊魂を前提とした認識のもと市町村にも「こころの病気」
という表現を使ってほしいという理想は持っています。

しかしそれは市町村という組織の性質的に
現実的な理想ではないことは明らかです。

3月は自殺対策強化月間です。
全国各地の市町村が、うつ病などの精神疾患について
「こころの病気」という表現を使った啓発を展開しています。

そこで今回のように、
「あれ?そもそも市町村が使う”こころ”と
自分の認識する”こころ”は同義語なんだろうか?」と、
少し考えてみる機会にもしてほしいと思います。

以上

自殺予防団体-SPbyMD-
代表理事 内田貴之
2019年3月10日(日)
タグ:組織 こころ
posted by 内田 at 15:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 代表ブログ
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