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2018年08月31日

第10走者『うつ病はこころの風邪』という表現を改めて考える

第10走者『うつ病はこころの風邪』という表現を改めて考える
自殺予防団体-SPbyMD-

リレー企画の第10走者、アンカーを担当させていただきます顧問理事の竹内です。よろしくお願いします。本題に入る前に、今回のリレー企画はメンバーみんなでテーマについて意見交換できるとてもよい試みだと思います。代表理事に感謝します。

「うつ病は心の風邪」という表現について。

私は今回アンカーのために、次につなげる人がいません。責任を感じる反面、これまでの方がよい考察をしています。おかげでとても勉強になりました。私自身の意見を述べる前に簡潔にこれまでの意見をふりかえります。

第一走者の土屋さつき代表補佐。うつの体験者として、うつは治療が困難で副作用もあり、うつは心のカゼなどと簡単に言わないでほしい、という主張でした。たいへん説得力があり、感銘を受けました。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/171

第ニ走者の学生ボランティアの田中沙苗さん。この表現が製薬会社によるキャッチコピーであると調べてくれました。そしてコピーの功罪を指摘して、特に罪な点としては、会社側が「たかがカゼだろう」と従業員のうつを軽く見る危険性を指摘しました。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/173

第三走者のボランティアの田中智美さん。ご自身の経験をもとに、かぜは普通に通院できるけど、うつで精神科に通うのは抵抗があるし、通えば人の偏見の目にさらされるリスクも指摘してくださいました。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/174

第四走者の内田貴之代表理事。この表現のメリットとデメリットを述べた後で、どのような表現にも誤った理解と正しい理解があり得るとして、誤った理解の払拭と正しい理解の啓発こそが当団体の使命と指摘しています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/176

第五走者代走の内田忍相談役。うつ病とかぜは、症状の期間に違いがあるのだから明確に異なるとしています。誰でもかかる可能性があるという点ではメリットもあるかもと指摘しています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/177

第六走者の学生ボランティアの藤村美咲さん。うつ病が多くの人に認知された点はよかったが、自分を含め「うつ病は簡単に治る」と誤解を与えた点ではよくなかった、表現自体が間違っていると指摘しています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/178

第七走者の学生ボランティアの中村勇斗さん。うつ病とかぜは違うと明確に述べた後、似ている点もあるかもとしています。そのうえでうつ病の症状や原因について考えたり知ることが重要と指摘しています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/179

第八走者代走の尾垣洋輔副代表理事。うつ病は精神病で悪霊の憑依であるとして、自殺に追い込まれるかもしれないうつ病とかぜは根本的に異なるので、例の表現は不適切であると指摘しています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/180

第九走者の学生ボランティア兼スタッフ研修生の杜田梨央さん。うつ病になった人は「がんばり過ぎた」から「無理をした」に進んだのではとし、その原因は環境の影響もあるとしています。例の表現は不適切なのでいろいろな表現で広めたいと述べています。
https://blog.canpan.info/spbymd/archive/181

さて私自身のリサーチと考察です。

ウィキペディアの「病気喧伝」によると、「心の風邪」は製薬会社のグラクソ・スミスクライン社がパキシルを販売するために考えたキャッチコピーでした。2000年ころ登場したこのキャッチコピーが広く知られるようになり、8年後には薬の売り上げが10倍になったそうです。

1998年に金融機関の破綻が始まり、自殺者数は14年連続3万人を超えます。この史上最悪の自殺者数の時期と重なるのは、はたして偶然でしょうか?私は製薬会社の販売促進戦略の片棒を担ぐつもりはないです。ちょっと気持ちが沈むくらいで、風邪薬をのむようなつもりで安易に薬に頼ると、あとあと副作用に苦しむことになります。たいへん危険な誘惑とも言えます。

精神科医の泉谷氏は、例の表現はうつ病の「治療イメージ」と「どう捉えるべきか」で誤解を与えるとしています。うつ病は、風邪のように「ひく前の状態に戻る」ことが「治療」ではなく「生活を見つめ直し、生まれ直す」ことでうつ病は根本的に治るということです。たいへん共感しました。同様なことを国際医療福祉大の原先生も指摘しています。

NAVERまとめでは、「心の風邪」は大きな誤解を生むとし大江病院のホームページには「うつ病の症状は風邪とは比較にならないほどつらく、生活への影響は甚大」とあります。

コピーは不適切として、私たちはうつ病をどう捉えるべきでしょうか?「心の骨折」や「心のガン」という表現も見ましたが、「脳の病気」という表現も見ました。社会的にどういう表現が最も適切なのか結論は出ていません。

うつ病を正しく理解するための勉強を、私自身これからも続けていこうと思います。

またうつ病の原因として、学生ボランティア兼スタッフ研修生の杜田梨央さんの「無理をした」という表現はとても納得がいきました。よい考察をしてくださいました。ありがとうございます。

以上

最後までお読みいただきありがとうございます。みんなの待っているゴールまで無事走りきれたことをたいへんうれしく、団体のメンバーとして誇りに思います。

自殺予防団体-SPbyMD-
顧問理事 竹内典彦
2018年8月31日
posted by 内田 at 02:42| Comment(2) | TrackBack(0) | リレー企画
この記事へのコメント
eknさんへ
SSRIパキシルの副作用による凶暴性や自殺衝動の危険性について、貴重なご意見ありがとうございます。当団体メンバーも、昔うつ病だった時に処方されていた経験があり、やはり強い副作用によって大変な目にあったと話していました。今後、当団体の勉強会において「SSRIパキシル」をテーマにしたいと考えています。
Posted by 代表理事ウチダ at 2019年03月18日 01:51
御中

下記サイトのPDFを読んでください。
SSRIパキシルの服用を開始したなら、中性脂肪TGを測定してパキシル血中濃度を把握し、パキシル高濃度自殺を予知・防止してください。
パキシル服用者のTGが急に200 mg/dLを超えたら危険です。自殺があるかもしれません。

Please read the PDF at the site below and prevent suicide with higher conc of paroxetine by measuring TG level

https://www.ajouronline.com/index.php/AJPNMS/article/view/5624/2922

Higher Triglyceride and Normal HDL-C Concentrations, the
Triglyceride/HDL-C Concentration Ratios ≥ 3.5, and Insulin
Resistance as Potential Predictors of Developing Higher Paroxetine
Concentrations and Suicide in the Early Months of Medication

また、家族には、パキシル高濃度が起こす自殺の危険性を、パキシル処方開始日に必ず告知してください。

EKN
Posted by ekn at 2019年03月16日 16:34

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