(山形暮らし)前回の記事からの続きです。
以下は、最近の「オレオレ詐欺」の実例です。
1.未遂事件
ターゲットになった人=米沢市在住者
・警察官を名乗る男からの電話
・「オレオレ詐欺がはやっています」
・「気をつけてください」
ターゲットの対応
相手が掛けて来た電話の番号が米沢署のものと
違ったため、嘘と見破った
2.未遂事件
ターゲットになった人=新庄市在住者
・生活安全課のイシダと名乗る
・「押収品の中にあなたの名前がありました」
ターゲットの対応
警察に相談したため、被害を免れた
3.未遂事件
ターゲットになった人=新庄市在住者
・地域課の警察官と名乗る
・「詐欺などがあるので気をつけてください」
・「携帯電話は○○を使っていますか?」
ターゲットの対応
警察に相談したため、被害を免れた
4.未遂事件
ターゲットになった人=米沢市内在住の女性
・消費者庁のキタガワと名乗る
・「通販会社3社にあなたの個人情報が登録されている」
・「あなたの個人番号(暗証番号、またはマイナンバー?)は
誰にも教えてはいけない」
↓
・YKハウスのアライと名乗る
・個人番号を尋ねた
ターゲットの対応
個人番号を教えた
↓
・消費者庁のキタガワを名乗る
・(個人番号を教えたことについて)
「これは犯罪だ!3千万円の罰金になる」
ターゲットの対応
警察に相談したため、被害を免れた
5.被害が生じた事件
ターゲットになった人=米沢警察署管内在住70代男性
・米沢警察署の警察官や消費生活センター職員を名乗る
男たちから複数回の電話
・「暴力団を捕まえた際、あなた名義の預金通帳を持っていた」
・「預金が危ないので、お金を下ろしてください」
・「下ろしたお金が偽札かも知れないので、確認させてください
確認後、お金は返します」
ターゲットの対応
米沢市内の金融機関で2回にわたって現金を下ろし、
計1300万円を犯人に手渡した
電話が掛かって来た時間はいずれも
午前9時頃から午後3時頃にかけて。
これは、仮に同居している人がいたとしても
働きに出ていて、高齢者が独りで
家に居ることが多い時間帯を
狙って掛けて来ていることが分かります。
また、「警察官」のほか、「消費者庁」や
「消費生活センター」など、高齢者が
ニュース等で聞いて知っていそうな、そして何となく
権威がありそうな団体の名前を出して
掛けて来ることが多いです
(他には「弁護士」なども使われます)。
内容は、「暴力団」「個人情報漏えい」「押収品」
「偽札」など、事件性を匂わせる言葉が入れることにより、
高齢者が強い不安を抱きやすくなるようにしてあります。
「大変なことになった」と感じた高齢者が、
正しい判断力を失い、詐欺グループの言うなりに
なることを狙ったものです。
未遂で済んだ事例は、多くが警察に相談したことによって
被害を免れています。
特に、上記4の未遂事件は非常に危ないところまで
行ったと思うのですが、お金を払う前に警察に相談し、
なんとか未遂事件で済んだ、ギリギリセーフ例。
反対に、上記5の事例は最後まで警察に相談せず、
その結果お金を取られてしまうことになったのです。
上の5つの事例は、いずれも、山形県が提供している
安全安心情報サービス
「やまがた110(イチイチマル)ネットワーク」を通じて
登録者に提供された情報からの抜粋です。
情報の中に、こんな文章がありました。
相手は『だましのプロ』です。
電話に出て相手と会話してしまうと、
言葉巧みにだまされてしまいます。
留守番機能を使って、
犯人からの電話に出ないようにしましょう。しかしながら…。
義母はとにかく理由を付けて
留守番機能を使いたがりません。
「自分が家にいるのに、電話に出ないのは失礼だ」
「留守番電話をセットしたり解除したりするのが
よく分からないし面倒くさい」
と言うのが、その言い分です。
身近にいる警察官(夫とも言います)によると、
山形の高齢者は義母と同じような理由で、
とにかく留守番機能を使いたがらず、その結果
「オレオレ詐欺」の餌食になってしまう例が
後を絶たないのだそうです。
うーん…。
律儀なのが裏目に出てしまうとは!
そして、そういう高齢者の特性を悪事に利用するとは!
…実に卑怯なり!と思います。
とにかく留守番機能を使ってもらえるよう、
ここは家族が知恵を絞るしかなさそうですね。
最後に、
「本当に警察からの電話かどうか
確かめる方法」を。
家族構成や親戚の有無等を警察で確かめたい時は、
「巡回連絡」の形を取ります。
皆さんが「お巡りさん」として認識している
制服を着た警察官が実際にお宅へ伺い、
必ず最初に警察手帳(今はアメリカの警察官と
同じような形で、「手帳」ではありません)を見せ、
直接お話をお聞きします。
ですから、
家族構成等を電話で尋ねようとするものは、
まず間違いなく詐欺電話なのです。
「もしかして、本物?」と判断に迷ったら、
皆さんの個人情報等は決して相手に話さず、
相手の名前(フルネーム)と所属(どこの
警察署の何という部署で働いているのか)だけを
聞いたらすぐ電話を切り、警察署に電話を
かけなおすようにしてください。
もし、本当に警察からの電話だったとしても、
「詐欺だと困ると思ったので…」と言えば、
きっと感心されると思いますよ
※上記のような特殊詐欺事例をはじめ、道路の
渋滞情報や不審者情報、防災情報などの
安心安全情報が配信されるサービス、
「やまがた110(イチイチマル)ネットワーク」へは
こちらから(登録もこちらから可能)。
http://www.pref.yamagata.jp/ou/keisatsu/800028/110.html