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ようこそ信州まちづくり研究会へ
私たちは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンに行きエコヴィレッジとその要素であるコウハウジング、そして循環形社会のモデルを勉強しました。アメリカ、カナダでは,”サステイナブル・コミュニティ”の理念で創られた町と住宅地とデュレ夫妻が北欧から学び帰った”コウハウジング”を視察しました。そして今里山の資源活用研究と、「田舎暮らしコミュニティ」創りの推進を始めました。
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How to「地元学」地元はすばらしい![2012年01月14日(Sat)]

1月9〜10日と住宅生産性研究会の戸谷理事長さんに信州せいしゅん村に来て頂き、今後の村おこし活動についてアドバイスを頂きました。その時に小林村長が提起した内容は地元学そのものだと思いました。改めて地元学を見直しました。
お断り:この文章はWebにあったPDFからコピーしました。著者名が「吉本哲郎(地元学ネットワーク主宰)」とありましたのでご本人のものかと思います。深く感謝を捧げながら転載させて頂きます。

地元学とは!
吉本哲郎(地元学ネットワーク主宰)

私たちが何気なく過ごしてきた地域には、実はすばらしいものがあります。「こん なものが」と思うような「あたりまえのもの」が、実は外の人が見れば新鮮で、価値があるものだったりします。それを見出すことが地域の持っている力、人の持っ ている力を引き出す地元学の第一歩です。地元学は、地元にあるものを探し、新しく組み合わせたりして、町や村の元気をつくっていきます。でも、その取り組み方や対象はさまざまのです。なぜなら、土地や地域が違うし、住んでいる人も違うからです。


次のような考え方を地元学の基本としています。

・ 地元に住んでいる人が主体的に行います。
・ 学問(民俗学等)や物知り学ではなく、調べたことを町や村の元気づくりに役立てていくものです。役立てるために調べていきます。
・ 地域住民だけでなく、地域外の人、いわゆる「風の人」の視点や助言を得ながら、地元を調べていきます。
・ 第一歩は、自分の家を調べることから始まります。
 お父さんやお母さんがどんな気持ちで自分を育ててきたのか、家まわりにどんな植物があり、使われているのかなどです。
・ 自分たちのつながりを充実していきます。

地元学の取り組み方

地元学は、単なる「地域にあるもの探し」で終わらせることなく、地域づくり、生活づくり、ものづくりに役立てていきます。最初は、基本的な調査である「水のゆくえ」と「あるもの探し」をするのがいいでしょう。ただし、最初から地域の抱 えている問題や課題に沿って調べることもあります。

基礎的・基盤的な地域調べ
「水のゆくえ」と「あるもの探し」

「水のゆくえ」 地形図に、川、沢、谷に色を塗り名前を書き込みます。農業用水路とその取水口である堰、飲み水の水源(上水道、簡易水道、自家水道)とその管路(幹線)、池、 雑木山、山とその高さ、名前、尾根(取水域)、田、畑、井戸、排水の流れ先、自然神(山の神さん、水神さん、田の神さん、荒神さん)を書き入れていきます。

水(雨とその降り方、川)、土(地形、地質、地味)、光(太陽の道)、風(風 の道、風の名前)も書き込みます。

書き込んだら川の形、南向きかどうか、集落は山に囲まれているのか、平たいところなのか、山のふもとなのか、そこに繰り広げられてきた風土と暮らしの関係 を読み取っていきます。また、昔の森や川はどうだったのか、なども書き込み、風 土と暮らしの移り変わりを書き込みます。

最後に、これらを全部眺めて、ここはどういうところなのかを書き込みます。土地の個性です。土地の個性を表現することにつながります。

「あるもの探し」

地元学は、住んでいる地域にあるものを見つめることから始まります。「ゆっく
り」と集落を歩いて、急がず、あせらず、「じっくり」と家のまわりや集落にある有用植物、家庭菜園の様子、路傍の神仏、石碑行事・祭りなど地域にあるものを徹 底的に探していきます。


風の人・土の人

あるもの探しには、地域外の人も参加します。外の人は聞き役、地元の人が案内します。地元学では、地域外の人を「風の人」、地元の人を「土の人」と呼んでい ます。外の人の視点で見ると地元の人が気がつかなかったことが見えてくるからです。
外の人はあくまでも助言者です。主役は地元の人たちです。外の人たちは地元の 人の話に耳を傾け、問いかけて調べていきます。

アドバイザー
初めて地元学に取り組むときには、地元学の経験を持つアドバイザーが重要な役割を果たします。地元学の進め方を地域の人たちにわかりやすく説明して地元学の実践を助けていきます。

地元学リーダー
地域を見つめたい。地域をもっとよく知りたい。地域を地元学の取り組みから考 えてみたいなど、自ら率先して地元学の実践に参加し、経験を重ねた人たちの中から地元学リーダーが生まれてきます。地元学リーダーは、地元学の取り組みを的確に進めることのできる人です。


地元に学ぶ
私たちは足元のことをよく知っているのだろうか?
次の問いに答えてみましょう

1 あなたの身の回りのことを教えてください。

Q1 あなたの家で飲んだり使ったりしている水は、 
  どこから来てどこへ行っていますか。
Q2 家の近くの川で、昔はどんな遊びをしていましたか。
  そこは今どうなっていますか。
Q3 あなたの住んでいるところで一番高い山はどこですか。
  そこは今どうなっていますか。
Q4 冬と夏の太陽はどこから昇り、どこに沈みますか。
Q5 強い風や寒い風はどの方向から吹きますか。
Q6 あなたは、今、どの方向を見ていますか。
Q7 あなたの近くの山はどんな食べ物がありますか。
Q8 あなたの家にいる、人以外の生き物は何ですか。
Q9 あなたの住んでいるところに、昔からあった生活技術をあげてください。
Q10 あなたの住んでいるところに、昔からあったエネルギー源はなんですか。
Q11 あなたの住んでいるところで、昔から信仰している
  自然神はどのようなものですか。
Q12 あなたの住んでいるところで、
  誇りに思うことや モノをあげてください。

2 あなたの住んでいる地区をあなたの言葉で案内してください。

地元学を行う場合の注意点

■ グループで歩く
風の人(外のひと)と土の人(地元のひと)が一緒に歩きます。地元の人が気がつかない発見があるかもしれません。

■ゆっくり歩く
急ぎ足では、いろんなことに気がつきにくいものです。風や鳥や木や草花と会話をするつもりで、ゆっくりと歩いてみましょう。

■役割を決めて歩く
地元学では、グループごとにそれぞれ参加者の役割を決めて歩きます。
*案内人:メンバーが見つけた「もの」を説明する人。地元のみなさんです。
*記録する:「あるもの」を見つけた場所とメモを地図に記入する人。
*写真をとる:「あるもの」を写真に撮る人。
*あるものを探す:「あるもの」を探し、これは何かなどと質問して引き出す人。

■なんだろう?が大切
地元学では「これはなんだろう?」という疑問が大切です。 三回「なぜ?」をいうことです。

■「あるものさがし」
地元学では、地域の暮らしの中にある生活の道具や食の習慣、祭りやしきたり、路傍の石碑、今は無くなってしまったけれど昔あったものなど当たり前にあるも のを探す「あるものさがし」を行います。

■地形
地図と向かい合って気づくことはなんでしょうか。
地図を広げて地域の地形を見てみましょう。等高線からどんな地形が見えるでしょうか。普段歩き慣れた道、近くにあるのに歩いたことのない道、路地の向こうの山道、山ふところにつつまれるように寄り添って暮らす家々、稜線の向こう に広がる隣町、川はどんな流れをつくっていますか。田畑はどんなところに多い のでしょうか。

■道や建物
昔からあった道、最近できた道、もうなくなってしまった道など、道は地域の暮らしや文化と密接にかかわっています。今は使われていない道の奥にぽつんと 取り残された小さなほこらがあるかもしれません。地域の伝統文化を色濃く残した建物は貴重な地域のすばらしいものです。

■水のゆくえ
暮らしに欠かせない水は、どこからくるのか、どのように使われているのか、それは飲み水か、川から引かれているのかなど「水のゆくえ」を調べると地域の今 と昔が見えてきます。そして水のわき出るところに大きな木があったりします。でも、どうして水と大気は関係あるのでしょうか。1軒の家の水回りをていねいに調 べると水が生活にとってどんな意味をもっているのか地域の特長が見えてきます。 みなさんの地域には、川、堀、沼、井戸、ため池などはありますか。その水はどこ へ流れていきますか。

■暮らしや道具
あたりまえの暮らしの中にいろんな道具が使われています。生活の時間や食べ物は、営む仕事や地域によっても違います。みなさんの地域ではどんな 暮らし を営み、どんな道具を使っていますか。「暮らしの暦」「暮らしと食」「若い人の暮らし」「家族の暮らし」「農家の 暮らし」「漁家の暮らし」などをつくってみると地域の暮らしに広がりと深みが でてきます。

■草花や生き物
身近にどんな草花や生き物がいるのか案外気がついていないことが多いものです。どんな草花や生き物がいるかを調べてみると、地域のようすが見えてきます。

■写真とメモ(記録)と地図への記入
気になるところ、興味のあるところなどを歩きながら地図にその場所を書き込みます。さらにカメラでも写しておきます。写真に撮ったものについて案内人に尋ね、説明したことを忘れないようにメモします。また、みんなで話し合いなが ら気がついたことや思いついたことなどもメモしておきます。

■お年寄りに聞く
案内役がわからなかったことでも近所のお年寄りなら昔のことを知っているかもしれません。「こんなことあった?あんなことはどうだった?」と聞いてみま しょう。「小さいときどこで遊んだの?」「遊んでた場所は今どうなった?」 「何が楽しみだったのかな?」などお年寄りが知っていることを聞きましょう。

■農家などをたずねて、地元の人たちの当たり前の暮らしを聞く
長く土地に住んで畑を耕し、田んぼをつくり、漁場を守ってきた地元の人たち は、生活の中に地域に暮らす知恵を培っています。でも、地元にとって当たり前 のことは、「そんなことは当たり前だ、山は山だ」となってしまい、説明しにく いものです。でも、当たり前のことが実氏すごいことなのです。文化なのです。 生きる知恵なのです。外からみるとのひとには宝に思えるものがたくさんあります。地域の今と昔を知っている人に会って話を聞きましょう。

■人の集まるところを調べる お店などをたずねる
人が集まるところはお互いの消息がわかったり、手伝いがいるかどうかなど、日のすべてが始まるところでもありました。 村のお店やばあ様たちの集まる個人の家、あるところでは、お寺、若いお母さんたちは保育園に子どもを迎えに行き、そこでちょっとおしゃべりしたりしてい ます。漁村では海女小屋とかです。


あるもの(地域情報)カード

■あるもの(地域情報)カードをつくる
 ★写真を貼り、撮影場所、撮影年月日を記入する
  あるものカード(地域情報カード)にあるものを撮った写真を貼り付け、撮影場所、撮影年月日を記入します。
 ★タイトルを書く
タイトルは、写真に撮った地域のあるものの特長や気がついた内容にそってわかりやすく短い言葉にして記入します。
 ★説明を書き込む
あるものについて、地元の人に地域での呼び方や使われ方、意味などをたずねて記録します。 特に気がついたことや感想があれば短いコメントとしてカードに記録しておきます。小さな発見が地域の元気づくりにつながる大事な手がかりになります。

■テーマ別にまとめてみる
あるものカード(地域情報カード)ができたら、次に、水(雨)、土(地質や地形)、植物、生物、山、川、沼、里の暮らし、暮らしの道具、作物など内容の近 いものを一緒に集めます。
大まかに分類したカードの内容をさらにカードのタイトルを見ながら内容にふ さわしいテーマをつけてまとめます。「Aさんの家の水のゆくえ」「神さまと暮ら し」「古い街道」「食と食材」「まつり暦」など内容に合ったテーマを自由につけ てみます。

■あるものリストの作成
あるものマップの丸シールの通し番号にしたがって、チェックした場所の「もの」が何かをタイトルをつけて表にします。地域にどんな資源があるかをわかり やすく表にまとめたものが「あるものリスト」です。

■いろんな発見を話し合いましょう
地域をじっくりそしてゆっくり歩いてみつけた「あるもの」は、形のあるもの ばかりとは限りません。かつてあったけれども今はもうなくなってしまった、思 い出の中にだけあるものかもしれません。いろんな発見を話し合いましょう。

■気づいたことをみんなで考えよう
いろんなあるものが集まると、それまで気がつかなかった地域の個性や特長が見えてきます。「まだあれもある、これもある、こうではない、そうではない」 など気づいたことをみんなで考えましょう。

■みんなで情報を共有しましょう
あるものカード(資源カード)やあるものマップは、地域の方がいつでも見ることができるよう工夫したいものです。絵地図にしてみんなで持っているのも一つ の方法です。また、公民館や地域コミュニティセンターに置いて公開する方法も あります。
地域の情報は地域のみんなで共有しましょう。

■発表する
発表会では、地元学の地域点検に参加した全員が、各自お気に入りの「あるも のカード」やさらにあるものカードをグループで話し合い整理された「あるもの マップ」を紹介します。調べたことの簡単な概要と調べて驚いたこと気づいたこ とわ伝えていきます。

■考える
地元学であるもの探しをしたらどのように使いこなしていくかなどを考えていきます。

■考え方
つなぐ 海と山と川はつないで考える

重ねる 単なる歴史ではなく、生活の移り変わり、プロパンガスの登場
    人工林の 拡大、砂防ダムづくり、家庭電化製品、車などの普及
    人口の増減を何度も重ねて時代の移り変わりを見ていきます。
    すると特徴が見えてきます。

はぐ  重ねるの反対で、新しいものとか時代をはいでみていきます。
    すると、実は神社は昔は今のようなたてものではなかったこと
    仏教建築の影響だったこと、山は先祖の魂が一時とどまるとこ
    ろだったことなどが見えてきます。

これらの「つなぐ、重ねる、はぐ」で地域にあるものの本質ほ見抜いていきます。 モノの持っている質、人の持っている質、風土と暮らしの移り変わりという質、 地域の質、お客の質、これらの掛け算が実は商品化なのです。

■つくる・役立てる
以上のことがわかって初めて作る役立てることができます。
専門性が必要になります。
以上


このPDFのURL
http://www.city.higashimatsuyama.lg.jp/conveni/living/kankyo/k_kihonkeikaku/jimoto/jimoto_i.pdf#search='地元学'

吉本哲郎紹介URL
http://www.ruralnet.or.jp/ouen/meibo/154.html
この記事のURL
https://blog.canpan.info/smk/archive/62
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