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私たちは、デンマーク、ノルウェー、スウェーデンに行きエコヴィレッジとその要素であるコウハウジング、そして循環形社会のモデルを勉強しました。アメリカ、カナダでは,”サステイナブル・コミュニティ”の理念で創られた町と住宅地とデュレ夫妻が北欧から学び帰った”コウハウジング”を視察しました。そして今里山の資源活用研究と、「田舎暮らしコミュニティ」創りの推進を始めました。
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団塊世代の地方移住が日本を救う[2014年11月10日(Mon)]

JBpressの2014年11月7日の記事です。
NPO法人信州まちづくり研究会がやろうとしていることがズバリ書かれていて感激です。特に佐久市のVSL(Visit,Stay,Live)段階の考え方がすばらしい!記事を転載させて頂きます。


団塊世代の地方移住が日本を救う

都市郊外のマイホームで淋しい老後を送るのか?
「地方の衰退を止めるために、高齢者の地方への移住を進めよう」──こう主張するのは、人口減少や高齢問題に関心が高い経済ジャーナリストのS氏だ。

これまでの地方活性化策は、「企業誘致を行い若者を呼び戻す」のがメインだった。しかし景気が悪くなると企業が撤退し若者も定着しないため、「仕事を作り若者を呼ぶ」という手法には今や手詰まり感が強い。

地方創生は安倍内閣の最重要課題である。
10月21日に総理官邸において、石破地方創生相ら関係閣僚、全国知事会など地方6団体の代表者らが出席した「国と地方の協議の場」が開かれた。その会議の場で安倍首相は「これまでとは異次元の施策に取り組んでいく」と発言している。だが地方再生は長年の課題であり、具体的な成果を出すのが難しいのが現実だ。

そこでポイントになるのが「異次元」というキーワード。これまでにない発想の転換が不可欠である。では、なぜ若者ではなく高齢者なのか。


健康でバイタリティーに富んでいる団塊世代


高齢者が地方に移住することのメリットは、移住した高齢者の旺盛な消費により高齢者向けの新たな産業が発生し、若者中心に雇用の増加が見込めることである。消費税の地方分も増加するが、地方にとって何よりありがたいことは、若者と違って仕事を作らなくてもよく、雇用対策に金がかからないことだ。

高齢者の中でもターゲットになるのは「ニューカマー」である団塊の世代である。これまでの高齢者は戦前生まれであったため、質素倹約の道徳を植え付けられてお金を使わないとされてきたが、団塊の世代は消費意欲が盛んだ。

公益財団法人日本生産性本部によれば、2013年の余暇市場は65兆2160億円となり、前年比0.8%、4900億円増と2002年に0.7%増加して以来11年ぶりのプラスになった。

項目別に見ると、「国内観光旅行(避暑・避寒・温泉など)」が3年連続で首位となり(5590万人)、レジャーの代表格として定着した。注目すべきは余暇生活の満足度だ。男女とも10代から40代までは低下するが、50代で上昇に転じ、特に60代以上の満足度の上昇が目立つ。

あおぞら銀行は10月1日、60代を中心とする55〜74歳の男女2072人を対象に行った「お金の使い方や資産について」のアンケート調査を発表した。調査では、「子どもには財産を残さず、今を楽しむために使う」と回答した人が66%に達するなど「今どきシニアは自分の人生を謳歌したいと考えている」ことが分かった。平均金融資産額は60代が2254万円。回答者の6割以上が「自分の心の年齢は実年齢よりも若い」としている。

団塊の世代は、健康でバイタリティーに富んでいる。パソコンが使える。レジャーを満喫することに関しては「現役」以上の活躍ぶりである。


「介護難民」が大量に発生する恐れ
 
「数の多さ」で戦後それぞれの時代の流行や文化・社会現象などをリードしてきた団塊の世代だが、彼らにも悩みの種がある。
東京オリンピックが開催される2020年頃、団塊の世代にも介護需要が発生するため、東京をはじめとする大都市圏で介護施設やサービスに従事するスタッフが不足する問題が顕在化し、いわゆる「介護難民」が大量に発生する恐れがあるからだ。

65歳以上の高齢者人口10万人当たりの介護老人福祉施設数は都道府県別で見ると(2008年時点)、トップは島根県の37.6カ所、最も少ないのは東京都や愛知県の14.5カ所だ。大都市圏は軒並み下位を占め、上位の県の約半数程度しかない。
大都市圏に住む団塊の世代は「それなりのお金があるのに行き場がない」という事態に陥る危険性が高いのである。


都市郊外の淋しい老後

団塊の世代は1947年から49年にかけて約806万人誕生したが、戦争中に都市部から地方に疎開していた女性が多かったため、東北や九州など地方で生まれた者が多い。

その後、日本経済の復興とともに地方から都市部への大量の人口移動という現象が1960年代末まで続いたが、団塊の世代はまさに大都市に大量流入した世代である。
「集団就職」は1954年に始まったとされるが、集団就職者の数は団塊の世代が中学校を卒業する時期にピークに達した(63〜65年の3年間で約23万人)。

地方から学生服を着て夜行の列車で上野駅に上京してきた中卒・高卒の少年少女たちが、下町の町工場や商店の店員として働き、その後、マイホームを求めて郊外に移住した。地方から来た若くて貧しい独身の労働者が、豊かな家庭を持つ中流階級に上昇していくという営みが高度経済成長を推進する力となったと言っても過言ではない。

団塊の世代は面倒な人間関係や「しきたり」という古い日本を否定し、新天地である都市郊外にマイホームをつくり、自分たちだけの幸せを築こうとした。しかし郊外に建設されたニュータウンはゴーストタウン化し、マイホーム主義者の淋しい老後が現実のものとなりつつある。

団塊世代は農村部出身者が多いため、農業への関心は強い。都会に出てきてサラリーマンをしたのは、一種の仮の姿であるとの意識がどこかにあるのかもしれない。ボランテイア活動などへの参加意欲も高く、居場所や活躍の場が見当たらない団塊の世代(特に男性)にとって、地方への移住はまたとないチャンスになるかもしれない。


団塊世代を中心に転入が進む佐久市

しかし地方を勝手に飛び出した団塊の世代にとって「マイホームを捨てて今さら地方に戻るなんて」という心のわだかまりがある。「若者の移住は歓迎されるけど、これから老後生活に入ろうという高齢者を受け入れてくれるのだろうか」という疑問も頭をよぎる。
悩める団塊の世代にとって朗報なのは、高齢者の移住を積極的に受け入れようとしている地方自治体が現れてきていることだ。代表的な例を紹介しよう。

佐久市は長野県東部に位置し、北に浅間山、南に八ヶ岳連峰、西に蓼科山など四方に雄大な山並みを望む高原都市だ。実は佐久市は、長野県内にある19市の中で唯一人口を増加させている。

その秘訣は団塊の世代を中心に佐久市への転入が進んでいるからだが、これをもたらしているのは市挙げての積極的な取り組みだ。

佐久市の取り組みの特徴は「VSL視点」、つまり「来訪する(Visit)」「滞在する(Stay)」「定住する(Live)」という3つの段階を意識して、その段階ごとに交流事業を展開し、これによって観光地としての魅力にとどまらない「住みやすさ」を実感してもらい、最終的には移住につなげていこうという発想だ。

例えば、休憩施設に滞在して隣接する農園で自家菜園が満喫できる「滞在型市民農園事業」や、移住を希望している人に市内の空き家を紹介する「空き屋バンク」といった施策がある。空き屋バンクは全国でトップクラスの実績を挙げているが、実際の移住者を「移住・交流相談員」として配置するきめ細やかな対応をしていることが功を奏している理由の1つだろう。

このように地方への移住は一方的に負担をかけるのではなく、地方も、高齢者に移住してきてもらうことを求める時代に入ったのである。佐久市の試みに追随する地方自治体も徐々にではあるが増えつつある。

S氏は「団塊の世代をはじめとする高齢者は自信を持ち、移住というものを前向きに捉えよう」と主張する。国も、地方自治体の取り組みを制度面から支援すべきである。

高齢者を地方に導くための第1の方策は、都市部の自宅を売却し地方に移転した場合に不動産関連の税を免除するなどの優遇措置を採ることである。
さらに地方に「高齢者特区」などを設定することにより、高度な医療技術を持った高齢者専門病院・介護施設を誘致する。加えて、映画・演劇などの鑑賞施設、ハイキング用の山道等を整備して、高齢者が生活をエンジョイしやすい環境を作る発想も重要だ。

これらに加えS氏は「同窓会の活用をはじめ、高齢者が移住した場合に溶け込みやすいコミィニテイ作り」の必要性を力説している。確かに地方移住を考える団塊の世代にとって、かつての同級生が多く暮らしていることほど心強いものはない。


もともと「のんびり」したかった団塊世代

消費社会研究家の三浦展氏は、「団塊の世代の『量を質に転化させる力』をどううまく使うかが、これからの日本の社会の成否を分ける」と主張する。「猛烈サラリーマン」の印象が強い団塊の世代は意外にも「明治以来初めて若い頃から『がんばる』より『のんびり』を人生観とした世代である」という。

1966年の高校生(団塊の世代)を対象に実施されたアンケート結果によれば、「生まれ変わって財産も才能も無限にあったらどんな職業につきたいか」という質問に対して「別に働きたいと思わない」「職業などにはつかないで自分の好きなことをやる」といった回答が多数を占めた。

貧しさから脱却するために嫌でも働かなければならない状況下では、安月給で夢がなく人に頭をぺこぺこ下げるサラリーマンになるしかなかったのかもしれない。だが団塊の世代もようやく地方で生活をエンジョイできる時代が到来したのである。

団塊の世代の生みの親である堺屋太一氏は「団塊の世代は競争に苛まれたとしても、諸外国の同世代に比べて先輩たちの築いた体制と価値観に安住できた幸せは大きかった」と指摘する。米国の戦後世代の多くがベトナムの戦場に駆り出されていく悪夢を経験し、中国の戦後世代が10年にわたる「文化大革命」に翻弄されたのに対し、団塊の世代が物心が付いた1950年代後半、日本の戦後体制はすでに出来上がっていたからだ。


“人生90年時代”のモデルを作れるか

最近、堺屋氏はそんな団塊の世代に対し、「今こそ必要なのは、本当の新しい時代を次の世代のために用意することだ」という檄を飛ばしている。その意味では、「健康なうちに地方に移住し、移住先で生活をエンジョイしつつ社会的関係を築きながら歳を重ねていく」という“人生90年時代”のモデルを作り上げるのが彼らの責務ではないだろうか。

団塊の世代が地方に移住すると、都市部の老朽化したマンション・家屋の再生が進み、若い人が都市部で居住できるようになる。自宅と職場が近づき、共働きが楽になり、子供が作りやすくなるという少子化対策にもプラスの効果をもたらす。

S氏は「都市と地方の人口循環の確立」を提唱している。団塊世代の生活防衛、地方の再生、それから少子化対策は、まさに「三位一体」なのである。
地方創生を達成するためには長い時間が必要となるが、「団塊の世代の地方移住」がその起爆剤となることは間違いない。

(参考文献)「団塊世代が日本を救う」(日本のこれからを考える会、文芸社)
この記事のURL
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