
儲かる、研究すべきニュージーランドの放牧酪農[2017年02月20日(Mon)]
農業技術通信社が主催している「農村経営研究会」は最先端の農業情報を開示してくれます。農業技術通信社はスマートテロワール協会の事務局のある会社なので、NPO法人信州まちづくり研究会はその活動情報を共有することができます。
去る15日に行われた『電気牧柵を使った管理放牧技術』セミナーには齋藤理事長が参加して、貴重なリポートをまとめてくれました。ここにさわりだけしか掲載できませんが、ご要望の方は私までお知らせください、PDF添付でお送りします。或いは、雑誌「農業経営者」に掲載される筈です。
下のさわりを読んだだけでそのすごさがお判りかと思います。講師は創地農業21.代表、ファームエイジ代表取締役である 小谷栄二氏です。
全容をご希望の方は下記へお知らせを!contact@smk2001.com
『電気牧柵を使った管理放牧技術』
日本人がイメージする放牧と 別物と言っても良いニュージーランド(NZ)の放牧技術の基本について勉強し ました。電気柵で牧場を幾つかの区画に仕切り、その区画を放牧場として牛を移動させながら牧草と牛の生育を 管理するのです。これにより放牧用地の牧草だけで飼料を賄うことが出来、労働生産性も高くNZの酪農 世界 一の競争力を持っていると言われています。
現在、北海道に酪農経営を目指して移住してくる人たちの多く 、従来型の厩舎による大型経営でなく、NY 式の管理放牧技術による小規模な酪農経営を目指しています。
管理放牧の牛たち
日本で 一頭の牛 平均 2.6回産だがNZで 4〜6 回産。
NZの牛 小ぶりだが繁殖率が高い、アメリカでも飼育が増えている。
日本で 生後6ケ月経たないと放牧場に出さないがNZで 2ケ月。
牧舎での飼育に比べ糞尿の処理が格段に低コストとなる。
日本でも14頭の飼育で4千万借金を返済した例などが出てきている。
鹿の放牧についても次のような報告もありました。
NZでも、10 年前には国全体で 150 万頭の野生の鹿がおりその食害には悩まされていた。捕獲に取り組み 5 年前には 5 万頭までに減少、その後、捕獲した野生鹿の一時的な放牧などで鹿飼育のノウハウ も蓄積、10 年かけ 150 万頭を飼育するまでになっている。ここまで来たのは鹿の肉がドイツで売れた ことと鹿茸が韓国へ輸出出来たことなどが大きい。
現在も獣害対策の鹿捕獲が行われている。電柵を使った「かこい罠」で捕獲した鹿は一定期間飼育し た後に食用とする。「かこい罠」の中に野生鹿を誘い込むためにリンゴのサイレージ使うと言う話は面 白い。おそらく、発酵したリンゴの匂いは鹿にとっては大変な魅力なのではないかと想像しました。しかしどうやって作るのかまでは聞けませんでした。