見ている人は多いと思うけれど、私もNHKの番組「プロフェッショナル」が好き。
今日は英国を中心に活躍するバレリーナ、吉田都さんだった。
詳しくは
番組HPへ。
ストレッチ、基礎練習、体力づくり。他人から見れば「過酷」な訓練の日々。
それでも、拍手をもらってお客さんがこれだけよろこんでくれているのだ、と思うと、またがんばろ、って思ってしまう。
プロフェッショナルとは、「戦い続けられること」だと吉田さんは言う。
そんな戦士の吉田さんが、若手ダンサーに対する接し方が印象的だった。
本番9日前、吉田さんの相手役が怪我のため、別の若手ダンサーが急遽登板することになった。
彼は練習を重ねて技を洗練させてきたが、前日になると緊張のあまり感覚がつかめなくなっていた。
本番前のリハーサルで、初めて吉田に不安を口にした。
「2幕って緊張しません?あのパ・ド・ドゥ。」
吉田は諭すでも、励ますでもなく、おちゃめに明るく答える。
「あぁもう、ステップとか考えないで(やってる)。」「愛のパ・ド・ドゥって感じで。」
41歳の世界的ダンサーが、27歳の若手に発した言葉なのに、
あえて先輩ぶらない。あえて「教える」立場をとらない。等身大の包容力。
数秒後、舞台裏に歩きながら言葉をつないだ。
「あぁでもわかる気がする。雰囲気がね。」「歌いながらやろ、歌いながら。」
若手ダンサーは思わず
「ありがとうございます」
と口にしていた。
自分と向き合うときは戦士でありながら、周りの人を包み込むことのできるダンサー、吉田都さんから学ぶことは多い。
私は、41歳になったとき、どんなことをしているんだろう?
どんな仕事のプロフェッショナルになっているのだろう。なれるのか?
「プロフェッショナルとは?」との問いに、なんて答えるんだろう。
今週もまた、一度はバレエに行こうと思った。
ーーーーー以下、
NHKのホームページより、番組の概要ーーーーー
プロフェッショナル 仕事の流儀
「自分を信じる強さを持て〜バレリーナ・吉田都〜」
午後10:00〜10:44
世界的バレリーナ・吉田都(41歳)。29歳のとき、最高峰の英国ロイヤルバレエ団の最高位・プリンシパルに日本人女性として初めて就任、世界の観客を魅了してきた。昨年から日本のバレエ団に移籍し、東京とロンドンを往復しながら活動を続けている。今年1月には英国バレエ界のオスカーとも言われる英国批評家協会の最優秀女性ダンサー賞を受賞した。
吉田の日常は、驚くほど地道で過酷だ。毎日変わらぬストレッチに、徹底的な練習。食事は夜の1回のみ。舞台に立つときも、「ジンクス」や「お守り」にあえて頼らない。必要なのは自分を信じる強さ、と言いきる。
今年2月、吉田はかつて封印した、ある難役に挑んでいた。バレエの人気演目、「白鳥の湖」。背を大きくそる白鳥のポーズがもたらす腰への負担、そして初めてペアを組む相手とのコンビネーション。過密スケジュールの中、舞台は刻一刻と迫っていく・・・。
知られざるバレエの舞台裏に密着。その華麗で過酷な「仕事術」に迫る。
[司会] 茂木健一郎、住吉美紀アナウンサー
[番組ホームページ] http://www.nhk.or.jp/professional/