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第2回障害児支援における人材育成に関する検討会 [2025年06月30日(Mon)]
第2回障害児支援における人材育成に関する検討会(令和7年5月26日)
議事 (1) ヒアリング報告 (2) 中間整理(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/support-personnel/02
◎参考資料7 こども施策及び障害児支援関連の研修について
○こども施策及び障害児支援に関連する主な研修の全体像(イメージ)→@保育士等キャリアアップ研修 〜 I強度行動障害者支援者養成研修(基礎、実践)、中核人材養成研修
参照のこと。

@保育士等キャリアアップ研修↓
○保育士等キャリアアップ研修ガイドラインの概要→・保育現場においては、園長、主任保育士の下で、初任後から中堅までの職員が、多様な課題への対応や若手の指導等を行うリーダー的な役割 を与えられて職務にあたっており、こうした職務内容に応じた専門性の向上を図るため、研修機会を充実させることが重要。⇒研修分野・対象者 参照のこと。
○保育士等キャリアアップ研修の分野及び内容→@〜E。マネジメント、保育実践 あり。

A放課後児童支援員認定資格研修↓
○放課後児童支援員に係る都道府県認定資格研修ガイドラインの概要→認定資格研修は、一定の知識及び技能を有すると考えられる基準第10条第3項の各号のいずれかに該当する者が、放課後児童健全 育成事業(放課後児童クラブ)に従事する放課後児童支援員として必要な知識及び技能を補完し、新たに策定した基準及び放課後児童 クラブ運営指針(平成27年3月31日雇児発0331第34号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)に基づく放課後児童支援員としての 役割及び育成支援の内容等の共通の理解を得るため、職務を遂行する上で必要最低限の知識及び技能の習得とそれを実践する際の基本 的な考え方や心得を認識してもらうことを目的として実施するもの。⇒研修内容等 参照。
○(別紙)放課後児童支援員に係る都道府県等認定資格研修の項目・科目及び時間数→1〜6まであり。合計 24時間(16科目)

B「子育て支援員」研修↓
○「子育て支援員」研修について→子ども・子育て支援新制度において実施される小規模保育、家庭的保育、ファミリー・サポート・センター、一時預かり、放課後児童クラブ、地域子育て支援拠点等の事業や家庭的な養育環境が必要とされる社会的養護に ついては 、子どもが健やかに成長できる環境や体制が確保されるよう、地域の実情やニーズに応じて、これらの支援の担い手となる人材を確保することが必要 。○ このため、地域において保育や子育て支援等の仕事に関心を持ち、保育や子育て支援分野の各事業等に従事することを希望する者に対し、 多様な保育や子育て支援分野に関しての必要な知識や技能等を修得するため の全国共通の研修制度を創設し 、これらの支援の担い手となる「子育て支援員」の養成を図る。⇒「子育て支援員」とは、研修受講から認定までの流れ  参照のこと。
○子育て支援員研修の体系→基本研修(8科目・8時間)⇒4コースに分かれる。 参照。
○子育て支援員研修(基本・専門)科目一覧@➁  参照のこと。

Cこども家庭ソーシャルワーカーについて↓
○こども家庭ソーシャルワーカーについて→・こども家庭福祉の現場にソーシャルワークの専門性を十分に身につけた人材を早期に輩出するため、まずは、一定の実務経験のある有資格 者や現任者について、令和6年4月より、国の基準を満たした認定機関(※)が認定した研修等を経て取得する認定資格(こども家庭ソーシャル ワーカー)を導入。※一般財団法人日本ソーシャルワークセンター。 ・受講者には、こども家庭福祉の現場(児童相談所、市区町村、保育所、児童養護施設等)で働いている者など、一定の実務経験を求めており、 研修に参加しやすいよう、講義等をオンラインで受講できることとしているほか、研修受講費や賃金引き上げ等に対して補助を行う事業を実施。  ・こども家庭ソーシャルワーカーは、児童相談所の児童福祉司・市町村こども家庭センターの統括支援員・地域子育て相談機関の職員・スクール ソーシャルワーカーといったこども家庭福祉の職種の要件の1つに位置づけられている。研修の受講を通じて現任者等が資質の向上を図り、質 の高い支援を実施できる人材が幅広い現場で活躍することを目指す。⇒<スケジュール><資格取得ルート>  参照。
○こども家庭福祉の認定資格取得者に求められる専門性→専門性の柱を検討する視点、検討会で整理した新たな認定資格の専門性の柱(「姿勢を培い維持すること」「こどもを取り巻く環境を理解」「支援の方法を 理解・実践」)
○こども家庭福祉に係る研修カリキュラム(追加研修含む)→こども家庭福祉に係る研修(指定研修)は、@すべての研修受講者が受講する100.5時間の指定研修と、A相談援助有資格者のルートに含まれる一部対象者が追加的に受講する計24時間の研修(追加研修)の2種類がある。
○ソーシャルワークに係る研修カリキュラム→ソーシャルワークに係る研修(ソーシャルワーク研修)は、こども家庭福祉の実務経験者ルートの受講者(計97.5時間)及び 保育所等保育士ルートの受講者(計165時間)が受講するもの。

D児童発達支援管理責任者研修↓
○サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者について→サービス管理責任者については、平成18年に障害者自立支援法施行により、サービスの質の向上を図る観点から 個別支援計画の作成と従業者への指導・助言を行うものとして位置付けられた。配置にあたっては、一定期間の実 務経験及び研修(※)の修了の双方が必要。 ※基礎研修+実践研修の修了が必要で、実践研修修了後は、5年毎に更新研修の修了が必要。
○サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の見直しについて→・分野を超えた連携を図るための共通基盤を構築する等の観点から、サービス管理責任者研修の全分野及び児童発達支援管理責任 者研修のカリキュラムを統一し、共通で実施する。 ※共通の知識及び技術に加えて各分野等において必要な知識や技術については、新たに専門コース別研修を創設して補完(予定)。 ・このほか、直接支援業務による実務要件を10年⇒8年に緩和するとともに、基礎研修修了時点において、サービス管理責任者等の 一部業務を可能とする等の見直しを行う。 ※新カリキュラム移行時に配置に関する実務要件を満たす者等について、一定期間、基礎研修修了後にサービス管理責任者等としての配置を認める経過措置。⇒【新規創設】サービス 管理責任者等 更新研修(13h)※5年の間毎に 1度修了。
○サービス管理責任者等研修制度の変更点のポイント→@実践研修の受講に係る実務経験(OJT)について Aやむを得ない事由による措置ついて 参照。
○サービス管理責任者として従事するための実務経験要件→参照のこと。
○サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者研修の告示別表→参照のこと。

E相談支援専門員研修↓
○相談支援専門員について→(基準)指定計画相談支援事業所・指定障害児相談支援事業所ごとに管理者及び相談支援専門員を配置。(経緯)(現状) 参照。
○相談支援専門員の実務経験要件→相談支援専門員の業務内容  参照。
○相談支援専門員制度について(令和2年4月1日〜)→意思決定支援への配慮、高齢障害者への対応やサービス等利用計画の質の向上、障害福祉サービス支給決定の適正化等を図り、質の高いケアマネジメント を含む地域を基盤としたソーシャルワークを実践できる相談支援専門員を養成するため、カリキュラムの内容を充実させる改定を実施した。・実践力の高い相談支援専門員養成のために、実践の積み重ねを行いながらスキルアップできるよう、現任研修の受講にあたり、相談支援に関する一定の実 務経験の要件(※1)を追加。(※経過措置: 旧カリキュラム修了者の初回の受講時は従前の例による。) ・さらに、地域づくり、人材育成、困難事例への対応など地域の中核的な役割を担う専門職を育成するとともに、相談支援専門員のキャリアパスを明確にし、 目指すべき将来像及びやりがいをもって長期に働ける環境を整えるため、主任相談支援専門員研修を創設(H30年度創設、H31年度〜養成開始) 。
○相談支援専門員研修の告示別表→「見直し後」と「主任相談支援専門員研修」 参照。

F専門コース別研修↓
○専門コース別研修の拡充について→※意思決定支援、障害児支援及び就労支援のカリキュラムは相談支援専門員、 サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者に共通(都道府県等においては、 両対象者へ一体的に実施することも可能)。

G医療的ケア児等支援者養成研修
H医療的ケア児等コーディネーター養成研修↓

○医療的ケア児等支援者養成研修及び医療的ケア児等コーディネーター養成研修実施の手引き(令和6年3月)@→日常生活および社会生活を営むために恒常的に人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為を受けることが不可欠な児童や 重症心身障害児(以下「医療的ケア児等」という。)が地域で安心して暮らしていけるよう、医療的ケア児等に対する支援が適切に行える人材 を養成することを目的。⇒研修対象者 参照のこと。
○医療的ケア児等支援者養成研修及び医療的ケア児等コーディネーター養成研修実施の手引き(令和6年3月)A→@医療的ケア児等支援者養成研修カリキュラムA医療的ケア児等コーディネーター養成研修カリキュラム 参照のこと。

I強度行動障害者支援者養成研修(基礎・実践) 中核的人材養成研修↓
○強度行動障害が現れている人への支援スキル修得に関する強行研修の位置づけ→制度上の研修⇒知識・技術の習得からその活用へ。 参照。
○強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)(実践研修)の位置づけ→・強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)⇒B支援。 ・強度行動障害支援者養成研修(実践研修)⇒@アセスメント A支援の計画 (支援の手順書)  参照のこと。
○強行研修のストーリー&到達点→@〜Dまで。到達点⇒・基礎研修→計画された支援の根拠を理解し、 決められた手順通りに 支援をすることができる。 ・実践研修→チームの動きをイメージし、 支援の手順を考え文章化する。 また、支援結果に合わせ、 支援及び手順の修正をすることができる。

次回は新たに「第5回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」からです。

第2回障害児支援における人材育成に関する検討会 [2025年06月28日(Sat)]
第2回障害児支援における人材育成に関する検討会(令和7年5月26日)
議事 (1) ヒアリング報告 (2) 中間整理(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/support-personnel/02
◎参考資料5 第2回研修カリキュラム等の検討に関する実務者作業チーム構成員からの主なご意見
1.研修の在り方について→64意見あり。
○ そもそも「ウェルビーイング何」というレベルが、全国的に数多く存在しているような状況。保育指針や幼稚園教育要領との比 較や学びも関係機関として地域連携が前提である以上、その理解は極めて重要。トンデモ理論ではなく、学会等で標準とされ る考え方をきちんと伝えていくことも観点として入れていただきたい。
○ 現場では、医療モデルというか、治療モデルに寄っていると感じることもあり、障害とか特性自体を改善しようとか変化させよ うという流れもないわけではないため、そもそも障害を持っていてもそれは尊いものとして尊重されることが大事なスタートかなと思うので、そこの観点を入れていただきたい。
○ 障害のあるこどもは、小さいときからいろいろ苦労している。いろいろなハンディキャップを負っているし、いろいろな不利益も 受けている中で、さらに頑張れというのはまずい。それを踏まえ、社会モデルをもう少し強調していくといいのではないか。
○ ここで整理される方向性というのは、障害児支援だけでなく、例えば、保育所等で障害のあるお子さんを見ている方々にも共 通するものだと考えたときに、いままで、保育所等で難しかったというのは、どうしても能力的な観点でできないという考え方が 多くて、例えば、集団に入れないとかそういうことで、なかなかインクルージョンが進まなかったということがあるのではないか。 それを踏まえると、社会モデルという観点で、どういう環境の工夫をしたら、こどもが楽しめるか、どんな遊びの介助をしたら楽しいと思えて、みんなと共感しあえるのか、そういう具体的な社会モデル的な視点を日本中に広めていかないと、できない・で きるという能力的な観点での見方になってしまう。社会モデルの視点があって、そのことが人権を守るという人権モデルにつな がると思う。ここら辺の人権モデルをどういうふうに入れていくかというのは、これから考えていただきたい。
○ 「D家族支援」の中に、家庭で発生する虐待予防についての観点を入れていただくといいのではないか。Fにも、「実践」のと ころで「保護者等による虐待につながる情報を把握する」と書いてあるが、家族支援の中に虐待という視点、不適切養育という 視点は入れたほうがいいのではないか。その上で、Fは「事業所内における虐待防止」みたいな形で整理していただけるとい いかなと思う。
「E地域支援・地域連携」の中に、「インクルージョン」という言葉をぜひ入れていただきたい。移行支援に力を入れていると思 うので、一般施策への移行も含めたインクルージョン、もしくはインクルージョンされている状況での支援というのも重要な視点 になると思う。併せて、いわゆる一般施策への移行支援だけではなくて、ライフステージにわたるときの移行支援もすごく重要 になってくるため、文言の整理は必要かもしれないが、書いていただけるといいのではないか。
「パーマネンシー保障の考えも障害児支援で重要な観点である」と入れていただき非常にありがたい。どこまで理解いただけ るか分からないが、研修の中でパーマネンシーの考え方を紹介してもらい、こういう言葉が出てきたというのが研修に入ってい るといいなと思う。
○ 家族支援を1年目の職員にもというのは非常に大事だと思う。一方、現場の実態を見ていると、新卒の若い先生方がお母さ んたちとどう対応するかというのは、非常に難しいとデータでも出ていて、現場でも実感している。お母さんたちと何をどう話し ていいのか分からない。子育てをしたこともないというところは、家族支援をするに当たってはハードルが高いと思う。

2.研修の実施主体について→25の意見あり
○ 『自治体を実施主体とする場合には、研修の実施を委託することを可能とする方向も考えられるがというか』という点について は、委託でも良いと思うが、自治体が実施する場合でも、研修の質を確保できるよう、実施者向けの研修会や情報交換会等も 開催する必要があるのではないか。 ○ 事業者が実施主体となる場合、事業規模の小さい事業所群にあっては、個々の事業者では研修実施が困難な場合が考えら れるため、そのような場合には、国の標準カリキュラムに準拠する形で、事業者団体などがオーガナイズする形など、ほかの 事業者との合同研修を行うことも考えられると思う。 ○ 今回、研修の全国一律の実施も検討されている中、基本報酬の要件化とか、その可能性も視野に入れているということであ れば、小規模な事業所が多い中で、また、現状の研修ですら受講が制限されて十分に受講できない現状の中で、非常に懸念 されることがあるため、研修の効果と実現可能性のシミュレーション及び段階的な導入を行っていただきたい。○ 法人によっては、法人内で研修体系を構築しているところが散見される。そういったところはこれまでどおり、受講に関しては、 状況によっては不要とし、研修体制のないところ、不十分なところは研修を受けるなど、事業所の実態に応じた柔軟な研修方 法を考えてもいいのではないか。また、事業所自体の独自性や多様性を担保する観点から、研修内容は最低限必要な基礎的 なものに限定するということを視野に入れた内容も必要ではないか。 ○ 指定方法による研修の実施を推奨したい。委託の問題点としては、実績のあるところのみに委託し、回数制限など十分な体 制にならないことが強く想像されるのではないかと思う。委託方法からスタートして、徐々に指定方法に移行では、回数制限な ど十分な体制にならないことが一定期間起きてしまうことが考えられるため、指定方法ありきで進めるべきではないのではない か。指定方法でも、障害・障害児分野で十分な実績を持つ運営者が多くいるという現状もありますので、委託方法からのスター トにこだわる必要はないと考えている。○ 研修の実施については、都道府県が責任を負う形で実施していただきたい。なぜなら、こどもの支援のエキスパートをつくっ ていくという目的と、もう1つは、こどもの支援のエキスパートが育つ地域をつくるということが、この研修の意義ではないかと 思っているので、地域の中で支援者が育つ仕組みをつくるためには、まずは都道府県が主体となることが重要。 ○ 相談支援従事者研修の始まりを考えると、まずは国が示したモデル研修を、都道府県と支援機関が一緒に学んで、それをき ちんと都道府県で実施していく。その中で、いわゆる研修委員会、人材育成部会みたいなものが立ち上がり、そこが中心となっ てカリキュラムを地域の実情に合わせたものにしていく。このプロセスは非常に大事であり、研修をつくることでエキスパートが できていくという実践を見てきた。まずは丁寧に最初の一歩を始め、そこから広げていく形ができないかと思っている。○ 教えられる研修ではなくて、自らが積極的に気づく、学ぶ研修にしてくためには、演習、顔の見えるようなグループワークが必 須だと思っている。これに関しては、地域の実情を知っている方が指導しないと分からない。地域の実情が見えない中でのグ ループワークになってしまうので、そこの部分に重きを置いたような研修がつくれるといいのではないか。 ○ これらを踏まえ、まずは都道府県が中心となって、研修委員会みたいなものを地域でつくっていただく。そうしないと、都道府 県が研修をつくれなくなってしまうという実情がある。ですから、指定の方とかいろいろな方が入った中で研修委員会みたいな ものをつくり、地元の講師も含めて標準カリキュラムに沿った研修をやってみて、バージョンアップしていくという形が取れるとい いのではないか。地域の課題は、地域で解決することが一番いいと思っているので、まずは都道府県が主体となるような研修 の在り方を実施していただければと思う。
○ 研修の効果という意味では、確かに本人の満足度はよく評価されますが、あれはあまり意味がないのは確か。今までいろい ろな調査研究があるが、例えば、座学だけだとあまり意味がないというのは結構多い。座学に加えて、コーチングがある。現場 で指導する。さらに、研修した後に、研修をやった講師が現場に行ってフォローアップする。それが一番効果があるということは いろいろな研究で分かっている。全てにそれをやるのは難しいと思うが、一定レベルの人には、コーチングがあって、現場の フォローアップもある。そういった枠組みをつくっていくことが必要かなと思う。
○ 研修の効果をどうやって評価するかについての事例として、療育支援センターに出向いてもらって、そこで研修してもらった人 が、自分の事業所に戻ってから一定期間経った後に、どれくらい効果があったかを評価するため、療育センターから事業所に 出向いて行ってフォローアップ研修を実施している。そこでOJT、フォローアップで指導しながら、実際効果がどれくらいあった か聞き取りをしている。ただ、座学の研修の評価をするというのは、どの研修でどういう効果があったか特定できないので、全 体的なところを評価するしかできないと思っているが、どういう部分が課題になっているのかというのは、現場に出向いていっ て評価できると思っている。


◎参考資料6 第3回研修カリキュラム等の検討に関する実務者作業チーム構成員からの主なご意見
1.研修の標準カリキュラム(案)及び効果的な実施手法について→39意見。

○ 資料2の4ページの研修標準カリキュラムの初級U「5.制度理解」のこども施策及び障害児支援の基本理念に、今回の委員 会の中でも何度か取り上げていただいた「パーマネンシー」といった文言をキーワードとして入れてはどうか。 ○ さらに、同じ講義のところに「幼児までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン」と「こどもの居場所づくりに関する指針」を取り 上げながら「パーマネンシー」「安心と挑戦」「アタッチメント」「自分らしく育つこども期の保障」といった考えも初期の研修で紹介できるとよいのではないか。
○ 初級だけではなく、中級・上級においても、障害のあるこども達も含めて全てのこどもに対して国として考え方を示した「こども 大綱」「幼児までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン」「こどもの居場所づくりに関する指針」が必要な考え方だということを 紹介してはどうか。
○ インクルージョンについて、全ての階層を通して共通の科目として入れてはどうか。全てに共通したインクルージョンの考え方 としてはどうか。
○ 資料1の6ページ、検討の視点の「自己研鑽」について、基礎・実践研修のみならず中級や上級においても学び続ける力が 重要ではないか。例えば、中級においては外部の研修に参加する意義やその研修効果等も加味してはどうか。上級において は、自分で研修を企画、実行する意義や実践事例等も盛り込んではどうか。 ○ 資料2の5ページ、「こどもの権利擁護・意思の尊重」について、こどもの意思の尊重は重要だが、その前提として、こどもの 発達や障害の程度に応じた、また、保護者の声や声なき声を聴き、こどもや保護者の意思を尊重することも重要である。こども や保護者の声を聴けているのかを常に問いかけることの重要性を明記してはどうか。 ○ 資料2の11ページの「地域全体の支援体制や地域資源」について、最新の情報を知るだけでなく、よりよい地域に変えていく 役割を期待してはどうか。例えば、地域の課題を見つけ、行政と一緒に地域の仕組みを変える等を追記してはどうか。
○ 資料1の13ページの検討の視点として、基本的な流れとして、講義の部分は動画を視聴することになる方向性と理解してい る。その後の演習や振り返り等についても基本的な進め方について動画等を作る必要があるのではないか。その上で、それ ぞれの事業所の課題を取り上げる等の方法が現実的ではないか。 ○ 研修全体の進め方として、上級を先行して進め、事業所や地域が成熟した段階で初級のオンラインでの研修としてはどうか。 初級を先に進めた場合、数年後に事業所見学の受入れができるのか、チームとして地域づくりが可能なのかといった懸念が 生じるのではないか。

2.研修の具体的運用の方向性等について→50意見あり。
○ センターの中核機能も踏まえて、センターと本研修をいかに絡めていくかという視点も重要になってくる。地域の人材育成に しっかりとセンター等が関わっていくことがすごく大事なので、センターの位置づけをガイドラインに書き込んでいただけるとい い。
○ 実際の運用方法について、基本的には動画という方向性だが、科目によっては動画に代わって実際に対面講義をやりながら、 その場でディスカッションするというような代替的な実施も含め、柔軟な部分も考えておくと良いのではないか。 ○ 保育関係でも、障害関係の講座等はすごく人が集まる。それだけ皆さん日頃から苦労されて、学びたいというところがあるた め、絶対に活用できると思う。
○ 障害児支援の専門性をつけていくというところでは、その事業所だけで完結するのではなく、自分の地域のためであり、こど もと家族をまんなかに置く視点を常に持ちながら、職員が力をつけ、その結果、事業所全体のいい支援につながるのではない か。
○ 全部受講しましたというときに、本人と事業所がちゃんとライセンスを持てる、そういうふうになっていったらいいのではないか。 ○ 特に初任者に対して、上司が職場でのスーパーバイズや、あるいは日常の業務で効果的に関わっていただくには、例えば人 権モデル等、難しいものもしっかり上司の方に読み込んでいただかないといけないなというところがあると思う。日進月歩でい ろいろな議論が進んでいるところがあるので、そういったものをリアルタイムにどう反映していくのか、継続した研修の中でどう 確保していくのかというのは、うまく運用していくためのポイントなのではないか。 ○ ぜひコア人材のほうでは、継続した学びを特に強調し、視野を広げながら地域づくりも含めてどのように障害を社会の中で受 け止めて社会化していくのかというところに向けて検討していただく必要があるのではないか。
○ ガイドラインのほうに具体的な取組を書いていく際に、いわゆるリフレクティブサイクルみたいな感じで、こういうサイクルで省 察を含めた学びは進むという構造みたいなものを示した上で、振り返りのときには対話のやり方があるとか、OJTのやり方があ るとかというふうなことを入れることや、次の計画に向かってはこんなやり方がある、こんなやり方があるみたいなところを入れ ていく。そのうえで、新しいことをまた学ぶときにはというふうな観点も入っていくと、どうしてそれをやるのかというところが明確 になるのではないか。また、それは階層問わず全員に当てはまることだという提示の仕方もあり得るのではないか。
○ 資格や研修受講の有無を問わず、やはり全員受講するべきだと思う。
それは管理者も含めてです。こういうものはどんどん 中身がバージョンアップしていきますし、逆に言うと、バージョンアップしていかなければいけないと思う。だから、例えば1回受 けたらおしまいではなくて、何年かに1回は受けるみたいな感じでやって、提供する側もちゃんと時代に合わせてスキルアップ、 バージョンアップしていく、そういうコンテンツを提供していくことが必要かなと思う。○ 研修の中身の部分ではなく、制度的に盛り込んでおいたほうがいい点として、研修の構造とかカリキュラムの内容は、当然見 直しとか改善が必要になると考える。例えば、3年ごとに受講者のアンケートなどを基に研修の構造とかカリキュラムの内容を 柔軟に見直すということも制度の中にあらかじめ盛り込んでおいたほうがいいのではないか。
○ こどもや子育て当事者の声を研修内容とかに反映させるという視点も大事なので、各都道府県とか市町村レベルでも反映で きるといいのではないか。 ○ 強度行動障害研修のような形で、しっかりと質が担保されている事業所だということでインセンティブが報酬上もあるといいの ではないか。 ○ 社会的養護では、しっかり研修を担っている機関がある。障害児支援に関しても、最初はこども家庭庁がグリップを握れると 思うが、質も含めた研修を年に1回更新するとか、テキストとか、研修におけるセンター的な機関が障害児支援にも必要ではな いか。
○ どこから実施するのかというのは非常に大事。やはり都道府県の関与がないと、例えば他の事業所へ見学に行くとか、インターバルのところ で行かせてもらうみたいな協力依頼みたいなものは、公的な文書がないと進まない気がするので、そのへんも含めて都道府県 単位で実行委員会、研修委員会みたいなものをつくれるような仕組みで進めていただけるといい。
○ 時代の流れを考えると、障害児支援は国連からも言われているように医学モデル的なことがまだ残っている場合もあるが、 社会モデルになり、子どもの権利といった流れになってきている。こども家庭庁も、こどもの意見聴きながら施策をつくっており、 都道府県や事業所の管理者も含めて、時代の変化とともにというところを学んでいけるカリキュラムになっていくといいのでは ないか。そういう意味では、研修内容に具体的にこどもの声を聴いてみるとか、子育て当事者の声を聴いてそれをまとめてみ るとか、そういうことも工夫できるのかもしれない。

次回も続き「参考資料7 こども施策及び障害児支援関連の研修について」からです。

第2回障害児支援における人材育成に関する検討会 [2025年06月27日(Fri)]
第2回障害児支援における人材育成に関する検討会(令和7年5月26日)
議事 (1) ヒアリング報告 (2) 中間整理(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/support-personnel/02
◎参考資料1 各研修の実施方法(案)について
○障害児支援リーダー研修・コア人材研修
→【障害児支援リーダー研修(仮称)の実施イメージ(例)】約37時間〜 43時間程度 参照のこと。
○障害児支援基礎・実践研修→【障害児支援基礎・実践研修(仮称)実施の一連の流れのイメージ(例)】 参照のこと。


◎参考資料2 研修カリキュラム等の検討に関する実務者作業チーム検討の経過
○これまでの検討の経過↓

・第1回及び第2回実務者作業チーム→障害児支援に従事する者としての大切な心構えの整理、 研修体系の構築における基本理念の整理、 障害児支援に従事する者における重要な共通要素の整理、 研修体系の構成要素の整理、 研修の階層と期待される人材像の整理。⇒研修実施主体についての整理へ。
・第3回実務者作業チーム→それぞれの階層における研修カリキュラム(案)の整理、 効果的な実施手法等の整理⇒ 研修の具体的運用に向けた方向性等の整理⇒ 中間整理(案)。

○主な検討事項@➁↓
1.研修の在り方について

【これまで検討してきた主な論点】→○ 全国どの地域においても、質の高い発達支援の提供が図られるよう、全国共通の枠組みとして研修体系を構築していく観点 では、 ・ 障害児支援に従事する者としての大切な心構えについてどう考えるか。 ・ こども施策及び障害児支援の基本理念等を核とした、研修の在り方についてどう考えるか。 ・ 人材育成を進めていくにあたり、障害児支援に従事する職員における重要な共通要素を整理してはどうか。 ・ 障害児支援と子育て支援両方の観点からの専門性を身につけるため、研修体系の構築に当たっては、「こどもの権利」、「本人支援」、「家族支援」、「地域支援」等の構成要素を踏まえ、整理してはどうか。 ・ 現場の実態等も踏まえながら、「障害児支援に従事した段階」「本人支援を中心に担う段階」「事業所の中心的役割を担う段 階」「地域の中心的な役割を担う段階」等、それぞれの段階に応じて期待される人材像を整理し、段階的な研修体系を構築し てはどうか。
2.研修の実施主体について
【これまで検討してきた主な論点】→○ 研修の実施に当たっては、それぞれの段階によって想定される受講者数、期待される人材像、研修のねらい等も変わってく るものと考えられることから、それぞれの段階によって、研修の実施主体を異なるものとし、 ・ 本人支援を中心に担う者、すなわち障害児支援に従事してから一定年数(3年目程度が目安)までの者が受講する研修に ついては、速やかに必要な研修を受講することが重要である上、現在の事業所数を踏まえると、想定される受講者数も相当 数になることが想定されることから、事業者が実施主体となり、国の標準カリキュラム等に基づき、研修を進めることについて どう考えるか。 ・ 事業所や地域において中心的な役割を担うことになる者が受講する研修については、都道府県や指定都市等、自治体が 実施主体として研修を実施していくことについてどう考えるか。
○ 自治体を実施主体とする場合には、研修の実施を委託することを可能とする方向も考えられるがどうか。
3.研修の標準カリキュラム(案)及び効果的な実施手法について
【これまで検討してきた主な論点】→〇 それぞれの段階に応じて、障害児支援に従事する者が共通して習得すべき知識等について、令和6年度 子ども・子育て支 援推進等調査研究事業「障害児支援における支援の質の向上に関する調査研究」で整理されているカリキュラム(案)を参考 に、国として一定の標準カリキュラムを策定してはどうか。 〇 研修の実施に当たっては、対面による開催だけでなく、オンラインの活用等も検討してはどうか。その際、効果的に研修を進 めていくために重要な観点として考えられるものはあるか。 〇 講義等の座学のみではなく、演習、OJTを組み合わせる等、研修内容等によって、効果的な実施手法を検討してはどうか。 その際、効果的に研修を進めていくために重要な観点として考えられるものはあるか。
4.研修の具体的運用に向けた方向性等について
【これまで検討してきた主な論点】→○ 事業者、都道府県・指定都市が実施主体となることも想定される中、全国共通の枠組みとして、実施主体が効率的かつ効果的に研修を進めていくために必要な取組として考えられるものはあるか(例えば、研修実施主体向けのガイドラインの作成等)。 ○ 既に実施されている他のこども施策の研修科目や、資格取得等における養成課程において、こどもの発達や障害に関する 専門的な知識を習得している場合等の取扱いについて、当該研修で知識の習得等が十分に担保されていると判断されるも のについては、障害児支援において新たに創設する研修の受講を一部免除する等の取扱いを検討することも考えられるがどうか


◎参考資料3 第1回障害児支援における人材育成に関する検討会構成員からの主なご意見
1.研修の在り方について→21意見。
〇 アタッチメント。これは、安心と挑戦の2つが大事だといわれている。「こども大綱」や「こどもの育ちのビジョン」でも言われてい る。先ほど、「遊びが一番よかった」との発言があったが、まさに遊びとか挑戦をどれぐらいしっかり保障できるかということまで 含めた支援が大事である。〇 現在、より人が問われる時代ではないかと思う。従来、障害児支援は、発達支援が強力な軸としてあったが、いまは一人一 人のウェルビーイングをしっかり考えていくということも強調されている。大人の基準でこどもの幸せを考えるだけではなく、こど もと応答的にやり取りしながら、一人一人のこどもがどんなことに幸福感を感じているのか。従来のような知識、技能以上に、 何かもっと問われることがあるのではないかという中で、研修をどう体系化していくのかということが大きな課題になる。〇 障害児支援においても、様々な専門職が関わっているので、基本的なこどもの人権、障害者の人権もしっかり理解していく必 要があるとともに、権利だけではなく、その前に、どんな状況にあっても、どんなこどもであっても、そのこども一人一人、親御さ ん一人一人に固有の価値と尊厳があるということを前提にして、権利を捉えていく必要があると思う。
2.研修の実施主体について→3意見。〇 自治体(協議会含む)や地域の児童発達支援センターが主催すること等、様々方法があると思うが、地域の事業所同士のつ ながりができるような研修ができると良い。
3.研修の標準カリキュラム(案)及び効果的な実施手法について→21意見。〇 研修の実施については、評価が大事。研修を受けて実際アンケートによる評価を取ってみると、満足度が高い人でも、理解 度を確認するすると誤っていたりする。満足度等と研修内理解度には差がある可能性がある。参加者の理解度を確認しなが らコンテンツの中身もブラッシュアップしていくことや、実施方法についても検討していくことが重要なのではないか。 〇 地域みんなで支援していくというところでは、連携がとても大事。母子保健、こども家庭センター、家庭と教育と福祉の連携、 医療との連携等々、縦横の連携がとても大事になると思うので、そこの連携をどうするかというのは、ぜひ入れる必要がある。
4.研修の具体的運用に向けた方向性等について→6意見。〇 研修の機会を確保することが非常に大事。研修の受講者も、制限しない方向で考えるべき。今後、研修修了が人員配置や 加算要件となる場合には、受講者が限定されると事業実施に必要な人材の配置が困難になる恐れがある。研修機会を公平 に確保するため、原則として希望者全員が受講できるような実施方法、あるいは実施回数を考えた議論が必要である。 〇 こども家庭センターの創設によって、障害児者福祉部局で一体的に支援されていた障害者と障害児の管轄が分断されて、 連携しづらい自治体が多くあると聞いている。障害児支援における研修体系は、こども家庭センターと共同で実施するなど、 連携が強化できる仕組みを考えていただきたい。

その他
【現状等について】→8意見。
〇 ソーシャルワークにおいても、かつては方法が主であり、グループワークやコミュニティワーク、様々な領域でそれぞれの技 術を競い合っていた時代もあったが、そもそも何のためにサービスをやっているのかというところで、むしろ、価値、あるいは倫 理を主軸に据えて、様々な領域が共通の基盤をつくっていった。そして、共通の価値をつくっていったというような歴史がある。
【ヒアリングについて】→5意見。〇 障害児である前にこどもであると考えるべきであり、こども・若者当事者ヒアリングに当たっては、例えば地域の中でどんな 触れ合いが欲しいのか、友達とどんな関わりが楽しいのか、何があったら良いのか等を中心に聞くことも必要である。


◎参考資料4 第1回研修カリキュラム等の検討に関する実務者作業チーム構成員からの主なご意見
1.研修の在り方について→○ こどもの権利が、まずは第一で、それに基いて出てくるのが、「パーマネンシー保障」。大切な大人とのつながりで、こどもがこれからずっと続くと感じられる将来の見通しをもった育ちの保障や、そこに所属していると感じられて、いつでも戻れる場所があ るとか、そういったつながりをこども自身が自分で定義するといったことが、パーマネンシー保障の定義。
○ 社会的養護の中にもかなりたくさんの障害のあるこどもたちがいて、パーマネンシー保障が考えられているが、実際には全て のこどもに対して考えなければならないことで、こちらの領域でも考えるべきであり、研修でもぜひ考えていただきたい。 ○ 「アタッチメント」も重要。「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なビジョン」でも示されているが、アタッチメントという安全・ 安心のところばかりが言われて、これまで「安心と挑戦の循環」、「挑戦」という部分はあまり強調されてこなかった。安全・安心 は大前提で、それがあっての挑戦、遊びと体験の大事さ。障害の領域では、よりここが強調されるべきではないかと思う。研修 の実施に当てっては、ぜひセットで大事であるということを考えてほしい。 ○ 「自分らしく育つこども期の保障」も重要。障害のあるこどもの特徴等、いろいろあると思うが、全てのこどもが、「自分らしく」というのを守れたらなと思う。 ○ こどもの居場所づくりに関する指針では、「こども・若者が過ごす場所・時間・人との関係性全てが、こども・若者にとっての居場所になり得る」ということや、「その場や対象を居場所と感じるかどうかは、こども・若者本人が決めることである」ということが 明記されている。障害分野についても同じで、居場所になっている場所はたくさんあると思うので、こどもの権利を大前提にするとなったとき、次の段階では、具体的にはこういった考え方が大事になるのではないか。 ○ 従事する者としての大切な心構えという整理で、とても大事になるのは、こどもの権利ということ。○ 歴史的にはいえば、いわゆる医学モデルから、社会モデルになり、今、人権モデルになっているが、こどもの権利、障害児の権利がまだまだ守られていない、懸念があるということが国連でも述べられている。 ○ 障害児支援に従事する中で、「共生社会の実現」も重要。歴史的には、平成26年の障害児支援の在り方の検討会で、「家族 支援とインクルージョン」ということが書かれてちょうど10年になるが、まだまだインクルージョンということも実現していないところであり、ぜひその辺りが、時代の変化とともに変わってきたというところを押さえてもらいたい。 ○ 技術に走ってしまう職員も結構おり、こどもの権利、倫理的な姿勢がまず一番であるというところをしっかり押さえていただきたい。 ○ こどもの命、安全をしっかり押さえておかないといけない。組織マネジメント、BCP的なところでも安全というところ、安全管理も あると思うが、ぜひ本人支援の中で、安全ということをしっかり忘れないようにしていただきたい。 ○ 保育や子育て支援分野では、こどもの権利に関して、大きく、様々な科目の中でいろいろな形で取り上げられている。そのことについての学びの機会は非常に多いし、「こどもの最善の利益の尊重」だとか、「最善の利益を優先する」といったことを、保育関係者は言葉にすることが多いと思う。 ○ 2022年に不適切保育というようなことが問題になり始めて以降、頭で理解していることと、実際に保育の現場で行われている 保育者のこどもへの対応や関わりの中に、好ましいとは言えない関わりがたくさんあるのではないかということに気づいたことは、最近の非常に大きいところ。2023年、24年くらいは、そういった行動をどのように変えていく必要があるとかということが、研修で取り上げられている。
○ 昔から、このように行っているという保育者の行動が、今、こどもの権利の観点から考えたときに適切とは言えないようなこと がたくさんあり、そこまで意識せずに行動しているところが様々あると思う。「やってはいけないこと」というよりは、むしろ「どういう対応をすべきなの」かということに、今、変えていこうとしている段階。文言の理解と、現場に落とし込んだときにどういう行動 が必要なのかということを、きちんと理解していただくことが必要なのではないか。 ○ 保育の分野では安全対策が今すごく重要なこととして取り上げられている。もちろん組織としてどう対応するか、訓練をどうするかというのも必要だが、個々の人、職員一人一人が、こどもの命を守ることや、事故を回避すること、そのために自分は何をしなければならないかという意識、あるいは心構えをしっかり持つことが大事。最初の段階で、安全対策、安全への意識ということもきちんと入れていただきたい。 ○ こどもの権利を大事にするのは賛成だが、発達障害の場合は、こどもの権利を守るということの視点が、発達障害の特性を見ないと分からないこともある。例えば、常同行動、あるいはひとり言、こだわりといった行動は、今、発達障害の支援の中では よくない行動とされ、変化させる、普通に近づけるという支援が実際にはなされていることがあるが、海外の事例では、それは 権利であるということで、それをやめさせることがむしろ不適切支援になるという視点が強い。 ○ こどもの権利は大事だが、個々のこどもの障害特性に合わせた、あるいは個々のこどもの特性に合わせた権利は何かということであり、特性を理解していないと虐待的な状況が起きる。そういった特性をきちんと検証の中に折り込んでいくことが大事。 ○ インクルージョンは大事であるが、現在、発達障害でよく言われるのは、カモフラージュとか過剰適用。結局、障害者福祉とか、 あるいは、学校、特別支援教育で教えられてきたことはカモフラージュで、カモフラージュしているうちに疲れてしまって鬱に なったり、ひきこもったり、不登校になるということが大きな問題になっている。こういった理解をきちんと折り込んでいただきた い。
○ 私たちの対象としているこどもたちは障害がある方なので、どういう歴史の中で人権が守られなかったかということも、しっかり理解していく必要がある。 ○ 私たち支援者や親が強者になって、障害がある人たちをコントロールするということに陥りやすい。実際、旧優生保護法等の 歴史的実態もある。やはり、どの命も大切なのだということは、そういう歴史の反省から学んできたというところを入れていただ きたい。 ○ 本当に簡単なことでもいいので、差別とはどのようなことだということ等を学ばないと、この分野に関わる上で何のためにやっ ていくのか。昔のやり方ではなく、こども本人の意見を聞いたりしながら、最新の知見を盛り込んで支援をしていく、つくっていく ということを伝えていかなければいけない。 ○ 障害があるこどもは、ちょっと目を離したら園庭から出ていってしまうこと等、事故は本当に起きやすい。支援者は1年目で現 場に出るので、安全対策については、最初はロールプレイをしながら、現場で教えていく中身に入れていただきたい。 ○ こども家庭庁ができて、こどもの声を聞くとか、こどもの権利をしっかり守っていくことに中心を置いた。今までは、障害のある 子たちは、大人の思いで動かしてこれたところがあったと思うので、それではない方向、新たな在り方を皆が身に付けられるようになると良い。 ○ 共生社会について、障害児支援をする私たちだけが発信するのではなく、共生社会なので、こども全体で共生社会について どういうふうに考えていくのか、社会全体で考えていくべき点だと考えている。 ○ 成人になって行動の問題が重篤化して、生活に困難で、地域でも生活できなくなってという方に会う機会がある。早期から強度行動障害の予防とか早期対応という観点も、共通要素の大きいカテゴリーでなくてもいいので中身に入れていただきたい。
○ 現場で見ていると、みんなこどもの人権を大事しなくてはいけないということは理解している。頭では分かっているが、人権を理解すること自体、私たち自身もあまり現場では体験していないというか、何をどうすることなのかということはみんな知りたいし、ぜひ自分の中に採り入れていきたいと思っている。 ○ 一方、昔から私たちが無意識に、自分たちの中にある価値観やいろいろな捉え方、こどもたちの「できなさ」をどうしても支援 者が見てしまったり、そこを何とかしなくてはというような、こどもが行動の中で表現しているいろいろな思いだとか、何をしたいのかとか感じていることを読み解く、意識できていくことがこれからますます支援者の側に必要であり、そういう意味で、この研修がそういうのとつながるといい。 ○ まだまだ「レッテルを貼られる」という感覚が利用者や保護者の中にはある。価値観をもう1回更新する、変えていくというチャ レンジ、国としてもみんなでそれをやっていこうという雰囲気づくり、後押し等、研修を通して、みんなにつながっていくというよう な、そういう視点もぜひこの捉え方の中に入れてもらいたい。 ○ こどもの行動には必ず意味があるということから、こどもと向き合っていく。それをみんなで試行錯誤しながら進めていくという、 現場を後押しできるような研修にできたらいいのではないか。 ○ 各論部分にチームアプローチと法制度の話が出てくるが、お子さんへの支援を行うに当たって、制度またぎというか、複数の制度や法律を使わなければいけないということ。それから、支援者は複数になるので、可能であれば、総論の部分に当たり前にチームアプローチ、地域の中で支援者を集めて連携を取ってやっていくということや、様々な法体系の中での支援が必要になってくるという触りの話が入り、そこから、さらに各法律をどう使うのか、多職種連携をどうしていくのかという話に下りていくよ うな流れだと、分かりやすいと思う。
○ 行動が生じたときの、行動の背景をしっかりみとる部分、アセスメントする部分。ここのみとりを間違うと、よかれと思った対応 が、かえってそのこどもの行動にマイナスになるということ。ひいては行動障害につながっていくこともあると思うので、行動の みとり、ティーチでいうような氷山モデルも、しっかり中に入れて考えていく必要があるのではないか。 ○ 新卒とか未経験、特に子育ての経験のない職員については、知識を得ても定型発達の理解が追いつかず、事業所で出会っ たこどもの状態を当たり前だと捉えてしまうことがあるように思うため、正しい支援につなげるためにも、定型発達に関する研修は不可欠である。 ○ 支援の知識、スキルについて、各事業所に共通して必要なものもある一方で、対象とする児童の障害種別によって支援員に 求められる知識とかスキルが異なるということがある。そのため、研修内容を、共通部分と選択部分に分けることが必要ではないか。 ○ 家族支援に関しては、家族全体をアセスメントして支援するという視点を採り入れるべき。 ○ こどもに対してだけではなくて、保護者、関係機関への対応が非常に難しくなって、対応がうまくいかないことで、こどもが事業 所を転々とするという事例が各地で起こっている。対応スキルについての研修も盛り込んだ形で議論がされればと思う。 ○ 心構えとして大事なところは、権利と安全というところに集約していくのではないかと思う。特に権利を守るということに関しては、それが実際の態度とかスキルとしてやれている方はいい支援者になるが、それがなかなかできない方も結構いるので、最重要であるのにそうなるというのは難しいことだろうなと思う。なので、最初の研修のイニシャライズというか、最初の部分で十分時間を取って、そういう理念が実際の態度とかスキルに落とし込めていけるようなものがあると良いのではないか。 ○ 人権を大事にするということは、私たちの文化の中に身につけていかなくてはいけないこと。私も海外に行くと、できていなかったなと反省することが多いが、学習することで行動が変わるので、この研修で価値観が変わっていったらいいなと思う。
○ いじめ社会なので、いじめられてきた職員もいる。被害者もいるけど、被害、加害、傍観、そこら辺の中で生き抜いてきた。もしかしたら福祉の人たちは被害になっている人も多かったりして、自己肯定感が下がっている場合があったりする。どんなふう に職員の自己肯定感とか人権意識、「あなたは、いじめられなくてよかったんだよ」等、職員がサポートを受けるか。 ○ そこの変化には時間がかかるので、職員もセラピーを受けたり、いろいろやっているが、実際、肯定的なこどもの関わりは、ス キルでまずは覚えることも必要。現場では、25%のいいところを見つけたら肯定的に関わるということをスキルで伝えている。 ○ 根本的に、若い世代はいじめられてきたという日本の歴史に基づいて人権というものを考えていくことは、インクルージョンも含めてすごく大事なことだと思う。 ○ 今注目している研修は、支援者の持っているバイアスとか価値観、あと、否定的な感情に焦点を当てたプログラム。本人がどんな偏見を持っているかというのを、実際にビデオとか、ディスカッションしながらやっている。例えば、否定的な児童期を過ごした支援者は、こだわりが強いこどもとか勉強ができないこどもを見ると、何とかしてあげたい。肯定的にしたいから「勉強もっと 頑張れ」「もっとスポーツ頑張れ」といって、頑張れ、頑張れ支援者になってしまう。それがかえってこどもを追い詰めて、虐待の 連鎖みたいになっていることが実は結構多いということが分かっている。 ○ 研修の中に、支援者が自分のバイアスに気づいて、自分自身がハッピーになる、そういった研修を入れていく必要があるの ではないか。支援者は自分のメンタルを維持するのはすごく大事なので、ここは強調していけるといい。 ○ 私がこどもだった頃は、殴られたりとか、それがしつけ、当たり前でした。そういった歴史は当然あるわけで、その辺りで、今の 支援者の中や事業所の中で、ベテランの人たちの支援の在り方や基本的な考え方も違うので、カリキュラムの中では歴史的 なところの子育ての考え方なり等を伝えた上で話していかないといけない。時代の流れの中で子育ても変わってきた、障害の 療育も変わってきたというところを押さえられるといい。
○ 対人支援の倫理的姿勢の中で「こども」という表現がありますけれども、こどもの権利というのは全てのこどもということで、障害児と分けてではなく、分け隔てなく全てのこどもという理解、そこは押さえておかないといけないなと思う。 ○ 組織マネジメントの安全管理という中で、災害対応ということも書き入れてほしい。 ○ 虐待対応の防止の研修は、障害者虐待防止の手引がとても参考になるので、そういったところは丁寧に研修できるといい。 ○ 定型発達の理解は当然必要だと思う。ただし、定型発達に近づけるのがいいという話にはならないので注意が必要。 ○ 障害児の前にこどもなので、いわゆるスペシャルニーズとか障害児ニーズというふうにあまり強調すると、逆を生むのではな いかと思う。いわゆる定型といわれるこどもの中にも特性のある子はたくさんおり、量的な問題だと思うので、むしろ障害だから 支援するのではない。スペシャルニーズではなくてヒューマンニーズだと考える。こどもの権利から来るニーズ。 ○ 支援者自身の今までの経験によってつくられた信念みたいなものを変えていくというところで、いわゆるビリーフの書換えみた いな話かと思うが、それはすごく時間がかかることだし、一足飛びにはいかないことだと思う。通常、ビリーフの書換えは、ベテランの先生に求められることかなと思う。 ○ 「自己覚知と省察」というところが、ビリーフの書き換えには関連すると思う。個人的には、新任よりも経験のある先生方に当 てはまるような内容だと思っていたが、初年度とか早い段階で、自らの経験によってそういうところが必要だという話しもあった ので、「自己覚知と省察」というのは、全体に係るような位置付けになるのかなと思う。 ○ ここで目指す専門家像として、省察的実践家というところの専門性、専門者像を目指していくような研修として、「自己覚知と省察」というのは経験年数とかそういったところに関わらず全体に係るもので、あらゆる研修のときにそういった要素を入れていくというところで考えていくというのもあるのではないか。
○ まだまだ療育の中では、障害種別でみたいな形になっているが、大学の共通テストなどは、障害種別への配慮ということから、 こどものニーズに合わせて配慮するというような審査をしている。そういう意味でスペシャルニーズではなくて、ニーズの必要な 子どもたちという捉えに変わってきているので、ぜひその辺りが研修の中に入るといい。 ○ 社会的養護でも、最近はこどもの権利を守る、こどもにニーズがあるときにサポートしていくという考え方になっていると思う。 ○ 例えば、虐待防止の研修でも、これをやったら虐待だということだけではなくて、職員も認められて人としてこどもや保護者に 認められるところがあるので、何をしたらいけないかということと同時に、どういう職場づくりをしていけばいいのか、そこが予防 になるというところは考えなければいけない。 ○ 様々な領域とつながっていくというところでは、初任者は特にいろいろな現場で、「自分たちが思っている価値がこどもに通じ ないという葛藤を感じている」という話も聞く。そういった意味で、障害児支援だからこそできることとか、強みみたいなものも入 れられるといい。 ○ 支援する上で、たくさんテクノロジーが出てくると思う。そういうところのつきあい方でも、大切にしていく価値を使いながら、つきあい方や、その子なりの活用の仕方ができるようなものも必要かなと思う。 ○ 家族からの文脈であったり、体験のところ、省察的実践の話も出ているが、そういうところが理解できるようにというところの意識は必要かなと思う。 ○ 支援者として必要な理念もとても大事なことだと思う。ただ、理念はどうしても抽象化された表現になりやすくなる。そうすると、 聞く人の価値観によって独自な解釈になり、それが具体の支援になると、同じ理念を聞いていても提供している内容が大分違うということはよく起こると思うので、具体の各論のところで発達段階であるとか発達特性から押さえるこどもの理解が必要ではないか。

2.研修の実施主体について→○ 相談の研修体系では、都道府県の関与が薄まっていて、事業者が結構参入しているという状況が起こっている。良くも悪くも 広がりはいいが、一番懸念されるのが、同じ研修を受けているのに、自治体間で受講費用の格差が生じていること。そのため、 このあたりの部分については、自治体とか都道府県の関与の部分は残しておいていただきたい。 ○ 全部行政がやるというのは難しいが、行政として、いわゆる事業所がやっている研修の内容をきちんと精査しているのかという話とか、きちんと把握をして均一なものにしていただきたい。 ○ 対面の研修とかグループワーク的なところ、演習みたいな、いわゆる顔を合わせて地域の中で行う場というのは必須でつくっ ていただきたい。 ○ 研修を受けた皆様方のインセンティブではないですけれども、例えばどこどこ事業所には上級研修を受けた人が何人います とか、うちの事業所の職員は初級何人、中級何人受けていますとか、評価とは言わないが、何か事業所のスケールメリットに なるような、受けている人と受けていない人のインセンティブが何か付けられないのかなと思う。 ○ 研修の標準化は必要。 ○ 自治体の中には、特定の事業者が委託を受けて、ただ、受諾しにくい公募要件を設けかねないかなというところもある。広く 許認可申請しやすい環境を整えて、特定の事業者が開講することがないように配慮いただきたい。 ○ 今の労働人材不足の中で質を高めるということは大事であり、例えば研修は民間開放する等により、より多くの方が受講でき る機会を設けるべきではないか。 ○ 自治体も事業者も両方に言えるが、特に事業所まで実施主体をお願いするときには、振り返りやチェックをするというような形の仕組みになると、それは実際監査のときにチェックされる。研修を受けっぱなしにならないようにしていただきたい。
○ 今回の研修のコンテンツは、最初からではなくても良いと思うが、小児病院や小児医療に関わる人たちにも参考情報として提 供できるような形になるとより良いのではないか。 ○ 障害児の支援は、ある程度医療も不可欠な部分があり、医療の側に携わっている人たちにも情報共有できるといいと思うし、 そういったところをバックグラウンドにして、障害児、在る支援に、医療に携わっている人がまた来てくれることもあるのではないか。 ○ 地域の研修をするときには、行政が積極的に絡んでもらわないと、児童発達支援センターがやろうとしても難しいところがあ ると思う。行政と一緒にやっていくのがいいと思う。 ○ 事業所や地域の中心となる人たちの研修は、非常に難しい研修だなと思っている。イメージ的には、社会的養護の子どもの 虹情報研修センターや、西日本こども研修センターあかしがやっているように、こども家庭庁ときちんと連携を取りながら、この レベルの人たちの研修を組み立てていく必要があるのではないか。 ○ 西日本こども研修センターあかしでは、企画等を評価委員で丁寧に企画していて、1年間振り返ってどうだったとか、来年ど んなふうに活動をやっていくのかとか、評価委員として団体とか関係者とか地域の人とか入って評価をしていて、内容もすごく いい。障害児もそういうセンターみたいなのをこども家庭庁と連携してつくっていって、質を高めたり、データベースで把握しな がらやっていったらいいのではないか。 ○ 他分野の人たちが初任のところは受けれるように、例えば保育の方々も受けたら、地域のインクルーシブ、保育の質につな がったし、そういうことを考えてもいいのではないか。 ○ 研修内容については、マニュアル的なものではなくて、実際の事例を挙げて討論していくなどが有効ではないかと思う。1人 ではなく、事業所全体としてしっかりとした落とし込みができるような体制を取っていくことが必要ではないか。
○ それぞれの事業所が実施主体となって研修をやる場合には、内容を作り込んでおくことが必要。動画を作成する必要がある のではないかと思う。例えば1コマのうち、一部分が講義で、そこから、事例検討の仕方が分かるような事例検討まで入ってい て、その後、それぞれの施設の事例を取り上げて検討するみたいな、3段階くらいで1つのパッケージになっているようなものを 用意していると、各事業所でやりやすくなり、事業所自体の職員同士の会議としても使える。初任者だけを対象にするのではな くて、毎回同じ研修になるかもしれないが、そこにみんなが参加して、ディスカッションする時間も少し考えられるのではないか。 ○ 同じ地域の他の施設との関わりは、持ち回りにするのか、あるいはリーダーシップを発揮できるような施設があるとか、その辺は考えておかないと難しいのではないか。そこに参加できない施設ができてしまったとき、どうなるかということを考えた。 ○ 都道府県や指定都市が実施主体になるのはいいと思うし、適切な委託先に委託することもいいと思う。その上で、講師要件 を明確に定めておく必要があるのではないか。ある研修では、いろいろな研修事業者が担当する中で講師が1人しかいない。 講師が全ての科目を担当しているという事例があり、どんな専門性があればそんなことができるのかと感じることがある。 ○ 評価の方法。研修終了後に振り返りシートの提出だとか、それをチェックするだとか、その辺まで検討しておく必要があると思う。 ○ 指定による研修については、段階があるのではないか。まず、新しい研修をつくったときに、それがどういう内容で、どのよう な実施要綱で行われるかということが、浸透し、あるいは確定された上で、今度はそれができる事業者に広げていく。まずは、 都道府県が中心になって委託事業があって、それから、ある程度形ができたところで指定研修という形に広げていくのが望ま しいのではないか。 ○ 競争的になっている地域の方々とこどものウェルビーングを保障するというふうになっていくことでは、1年目から3年目の人 も地域で一緒にこどものときからの研修で学ぶとか、児童発達支援センターが中核になるなら、そこが責任取って、その地域 の人と1年目、3年目に学ぶ時間を取るとか、地域をいいものにしていく研修も、ディスカッションしながら一緒に学ぶということも大事なのかなと思う。研修が形骸化したものにならないように。
○ 研修の実施については、何らかの形で自治体がしっかり関わっていくということは必要ではないか。 ○ 放課後等デイサービス、児童発達支援事業所、共に非常に事業所数が増えて、実際どういう内容の支援を提供しているかと いうことを、こと細かに行政が把握していくということがなかなか難しくなってきている中で、研修、人材育成を切り口に、それぞ れの実情をしっかり行政が把握をし、その事業所とどういうふうに行政が連携・協働しながら地域の支援システムを充実するよ うな形で進めていくか。こういう観点は非常に重要。委託するにしても、しっかりそこには関わりながら、研修の場にいて何らか の役割を果たすとか、そういうところはしっかり考えていく必要があるのではないか。 ○ 事業者が行う場合には、テキストをこれで作っても、それに従っていればいいという話になってしまう懸念がある。例えば受講 した人がどんな感想を持ったのか。小さなクイズをやって、それに対する解答をオープンにするとか、そういった透明性が必要 ではないか。また、スーパーバイズ方式を入れ込むことも必要ではないか。 ○ 委託をするのはいいと思うが、テキストを公開する等、透明性を確保することは非常に大事。 ○ 講師について、その人がどんな経験があるのかといったことも中心に、ある程度把握することが必要ではないか。何らかの監 督、こども家庭庁として監督するとか、県としてするとか、行政が監督するのが必要ではないか。 ○ 地域の行政と絡むということを熱望する。たくさんの事業所の中には、地域という認識や、地域を一緒につくっていくという感 覚がまだない部分もあって、行政が一緒になって地域をつくっていくということを、この研修を通して、1年目からでも、その地域 の話だとか、地域とつながるというところは盛り込み、どんな職員もその地域で働いているということを意識できるように研修を 進めてほしい。 ○ 動画コンテンツは大賛成。団体でVRをつくった。こどもの視点、教師の視点、こどもだけではなく、仕事をしている人の視点、 上司とか同僚の視点からつくったもの。小学校とか中学校で使うと、それが非常に一般のこどもの理解に結びつく。
○ みんなで共通言語ができる研修にしたい。いろいろな事業所が、「あの研修で受けたあのことだよね」と言える関係性になる。 ○ 事業所の中で、新人だろうが、経験があろうが、その子にとって考えるという意味では一緒だとなるときに、コミュニケーション が取れる、意見を言い合える環境をつくる等、この研修自体が、事業所の中で循環することや、地域でそれぞれの事業所が同 じ研修内容をやって、それを合わせたらどうだったか。そんな地域がつながるツールにもなるといい。 ○ 構成員の御意見を反映した、実施主体向けガイドラインのようなものがあれば、実施主体にも伝わるのではないか。 ○ 多忙な中での受講を支援するためには、受講しやすい日時の配慮とか、事業所の人的な穴を埋める仕組みが何かあるとい いなと思う。 ○ モチベーションの面から、受講者にとっても、事業所にとっても受講によってインセンティブが生じるような仕組みも有効かもしれない。 ○ 研修の質の確保では、自治体ごとに質のばらつきが生じないように、標準カリキュラムを必要十分な内容にすること、研修の質が向上していくためのフィードバック機能として、終了直後の理解度アンケート、一定期間経過した後の何らかの効果判定があるといいのではないか。 ○ 基礎研修を受けた頃に職を離れていくという話を少なからず耳にする。研修で得たスキルの効果を実感できたら、その人たち は定着するのかなと考えるので、その辺の仕組みに工夫があるといいのではないか。 ○ グループワークのやり方等は、特に詳しいマニュアルがあったほうがいいのではないか。
○ 他分野の研修を見ますと、研修で使用するスライドごとに話す内容とか注意点などを詳細に指示しているものもあるので、そういう作り方も一つあるのではないか。 ○ 事業所が実施主体となること、自治体が実施主体になることには賛成。ただし、研修に使用する教材は、できるだけ国が作成したものに基づき実施することが望ましく、また、研修アンケートなど、効果測定に関する部分についても、できるだけ国が作成したものに基づき実施することが望ましい。 ○ 実際に研修を進めていく中で、課題や改善点等が見つかることも多いと思う。研修要件や効果測定に関する部分も国で定めておくと、課題の集約や検証が可能になり、質の確保につながるのではないか。 ○ 自治体の状況により、受託等を可能とすることはよいと考えるが、研修アンケートや効果測定に関する箇所は、採択の有無 を問わず、国として統一したものを用いることがよいのではないか。 ○ それぞれの段階に応じて事業所が主体でとか、自治体が主体でという、大きな方向性には賛成。事業所主体でやる場合は、 国で共通のオンラインのコンテンツがあるといいのではないか。知識を習得するだけでなく、ワークが何かしらあったり、その場 で同じ事業所内の児発管と話し合ったり、単に知識をインプットするだけでなく、自分で考えたり、話し合ったりというような内容、 研修の在り方も、検討できるといいのではないか。 ○ OJTをするにしても、中身も重要であり、やり方というところも、今後、議論を深めていく必要がある。 ○ 研修全体のいろいろなコンテンツで、実際にOJT的な形や見学等をすることで事業所の中を風通しよくするということもあるが、 文字では分からない。動画で見ているとイメージが湧くので、写真だけではなくて動画を使う。そうすると、オンラインでも、ある いはオンデマンドでもイメージしやすいので、そういう視覚的なものも研修の場でぜひやっていただきたい。

次回も続き「参考資料5 第2回研修カリキュラム等の検討に関する実務者作業チーム構成員からの主なご意見」からです。

第2回障害児支援における人材育成に関する検討会 [2025年06月26日(Thu)]
第2回障害児支援における人材育成に関する検討会(令和7年5月26日)
議事 (1) ヒアリング報告 (2) 中間整理(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/support-personnel/02
◎資料1 こども・若者ヒアリングの結果報告
○こども・若者ヒアリング結果

1.参加者→参加人数:14名。・利用(経験ある)事業:児童発達支援センター(2名)、放課後等デイサービス(9名)、障害児入所施設(2名) 相談支援事業(1名) ・居住エリア:東北、関東、中部・北陸、関西、中国・四国
2.実施日程→顔合わせ4月16日(水)・4月17日(木)13名の参加、その他 参照。
3.当日の流れ→顔合わせ(60分程度)、ヒアリング当日(60分程度) 参照。
備考:オンライン(Teams)で実施し、音声をリアルタイムでテキスト化(ライブキャプション機能)を行う。
○こども・若者ヒアリング結果のまとめ→・誰と何をしたことが楽しかった・嬉しかった
・どこで、どんなことをして楽しかった・嬉しかった ・職員にかけられて嬉しかった言葉、職員にしてもらって嬉しかったこと ・安心できる居場所になっているか
・信頼できる人はいるか


≪こども・若者ヒアリング参加者の主な発言( ヒアリング参加者の発言を事務局において整理してまとめたもの)≫
@ 誰と何をしたことが楽しかった・嬉しかった
A どこで、どんなことをして楽しかった・嬉しかった
B (事業所を)利用したことで成長したこと・得られたこと・達成したこと
C 職員にかけられて嬉しかった言葉、職員にしてもらって嬉しかったこと
D 安心できる居場所になっているか
E 信頼できる人はいるか
F 大人との関わりの中で苦手だと感じたこと


◎資料2 子育て当事者ヒアリングの結果報告
○子育て当事者ヒアリング結果

1.参加者 参加人数:15名。 こどもの年代:小学生(6名)、中学生(4名)、高校生(4名)、社会人(1名)。 居住エリア:関東、関西、中国・四国、九州
2.実施日程→個別事前説明3月31日(月)〜4月14日(月)16名参加。 こどもが障害児通所支援を利用している又は利用していた経験等から、主に障害児通所支援に従事する職員 や事業所に必要な姿勢・知識等についてヒアリングを実施。 参照。

○子育て当事者ヒアリング結果のまとめ→事業所や職員に持っていてほしい姿勢(8つあり)、事業所や職員に対して望むこと(8あり)。

≪子育て当事者ヒアリング参加者の主な発言 ( ヒアリング参加者の発言を事務局において整理してまとめたもの)≫
@事業所や職員に持っていてほしい姿勢→38あり。
○ 事業所の考え方に合わせることを求められることがあり、意見が食い違うと明らかに表情等に表し、迷惑そうな態度を示され たので残念に思った。「こどもにとって最優先は何だろう」と常に考えてほしいという気持ちであった。頼る事業所が限られると、 こどもは人質になっている気持ちで、事業所と親との関係が影響して、こどもに何かあったら嫌だなという思いが強かった。 ○ ことばを表出できず、表情やモニターの数値等でしか表出できないので、一人のこどもとしてではなく、物として扱われている と感じることがある。こどもが人として見られていないと感じることがある。 ○ 成長の過程で、障害の重複の可能性や特性や個性の範疇なのか悩んだ時に、明確なアドバイスがもらえたらとても助かった と思う。 ○ 自分の知識を押し付けてくるような職員だと、これ以上話したくないという気持ちになることがある。 ○ 相談したいと思っても、職員よりも自分の方が知識があることがよくある。
A事業所や職員に対して望むこと→33あり。○個別の支援をする場合、それに値する専門性を職員が持っていると良い。 ○障害児支援以外の制度や、自分の事業所以外の地域の取組等、他を知ることは必要だと思う。 ○いろいろなお子さんに当てはまると思うが、ことばだけでは全てを理解することはできないので、視覚支援を多く入れてもらえ ると助かると思う。 ○調べてくる知識量は保護者の方が多いこともよくある。事業所も積極的にスーパーバイザーを事業所に入れたり、相談員に 繋ぐことができると良いのではないか。


◎資料3 障害児支援における人材育成に関する検討会 中間整理(案)
第2回障害児支援における人材育成に関する検討会 令和7年5月26日
はじめに
→〇 平成24年の児童福祉法改正において、障害のあるこどもが身近な地域で適切な支援を受けられ るよう、従来の障害種別に分かれていた施設体系が一元化され、主に障害児通所支援については、 事業所数、利用者数が飛躍的に増加し、都市部を中心に身近な地域で障害児支援を受けられる環 境が大きく改善した。 〇 一方で、適切な運営や支援の質の確保が課題とされ、これまで障害児通所支援及び障害児入所 支援において、質の確保と向上等を図るための基本的事項を示した児童発達支援ガイドラインや 障害児入所施設運営指針等を策定してきたほか、「障害児入所支援の在り方に関する検討会」(平 成31年)や「障害児通所支援の在り方に関する検討会」(令和3年)等、複数の検討会等を開催 し、支援の方向性等について議論が重ねられてきた。 〇 こうした中、令和5年3月に取りまとめられた「障害児通所支援に関する検討会」の報告書に おいて、「障害児支援にあたる人材の育成を充実させることが急務である。障害児支援と子育て支 援両方の観点からの専門性を身につけるために、こどもの権利、発達支援、家族支援、地域支援、 虐待防止等の内容についての基礎、中堅、専門といった段階的な研修体系の構築(中略)が必要 である。」とされた。また、令和5年12月22 日に閣議決定された「こども未来戦略」において も 、「 全国どの地域でも、質の高い障害児支援の提供が図られるよう、研修体系の構築など支援人 材の育成を進める」とされているところ。 〇 こうしたことから、障害児支援における人材育成の体系構築に向けた検討が急務となっており、 全国どの地域でも質の高い障害児支援の提供が図られるよう、全国共通の枠組みとして、障害児 支援における研修体系の構築に向けた具体的な検討を行うため、今般、有識者、障害児支援事業 者団体、こども・若者当事者、子育て当事者、自治体職員で構成する「障害児支援における人材 育成に関する検討会」を開催した。

1. 障害児支援における研修の在り方について
(1)支援者としての大切な心構えの整理
→1.尊重し合いながら、ともに生きる 2.思いに寄り添い、ともに考える 3.支援をともにつくる 4.安心できる場をともに育てる 5.ともに学び合い、ともに育ち合う
(2)研修体系の構築における基本理念の整理→・ どのような状況にあるこどもでも、こども一人ひとりに尊厳があるということを前提に、こど もの権利を考えていくことが重要である。 ・ 障害のあるこどもである前に、こどもであるということを前提に、特別な支援が必要なニーズ があるから支援するのではなく、こどもの権利も踏まえ、人として当たり前に必要な基本的な ニーズとして支援をするという視点も重要である。一方、こどもの特性等を理解せず支援を行 うことは、こどもの権利を侵害することにつながるものであり、個々のこどもの特性等に応じ た権利を考えていくことも重要な視点である。 ・ 障害児支援においては、こどもの権利と障害者の権利の両方を理解していくことが必要である。 また、障害児者がこれまで社会的に置かれてきた歴史等、歴史的変遷から学ぶことも重要であ り、研修において、これらを伝えていくことが必要である。・ 障害の捉え方は、時代とともに、医学モデルから社会モデル1、さらに、社会モデルを基盤と して、障害のある人自身が人権の主体であり、差別なく平等に生きることが保障されるという、 いわゆる人権モデルと言われる考え方へと移り変わり、障害児支援において根底にあるべき考 え方は変化してきた。障害児支援に従事する全ての支援者は、これらの考え方の下で実践を行 っていくことが必要であるとともに、これらの考え方を他のこども施策をはじめ、地域社会に も広げていくことが重要である。 ・ こどもの権利等については、知識として理解をすれば、必ずしも実際の態度や実践に反映され るものではないため、講義による知識としての理解のみならず、実践において期待される具体 的行動等についても理解を促進していくことが重要である。そのため、理解と実践のギャップ を埋めるような研修内容や実施方法にしていくことが必要である。その際、具体的行動等につ いては、「やってはいけない」ことを伝えていくよりも、期待される行動・望ましい行動を伝え ていくことが重要である。 ・ こども家庭庁において策定され、閣議決定されている「幼児期までのこどもの育ちに係る基本 的なビジョン」(以下「基本的なビジョン」という。)及び「こどもの居場所づくりに関する指針」 (以下「居場所づくり指針」という。)では、こどもの権利等を考えていく上で重要な観点が示 されている。例えば、基本的なビジョンでは、ウェルビーイング向上において特に重要な「アタ ッチメント」と「遊びと体験」に着目し 、「 安心と挑戦の循環」という考え方が整理されている。 また、居場所づくり指針では、「その場を居場所と感じるかどうかは、こども本人が決めること である」こと等が示されている。これらについては、障害の有無に関わらず全てのこどもに共通 するものであり、障害児支援における研修においても、こども大綱や各指針の内容も踏まえる ことが重要である。 ・ こどもが、大切な大人との安定したつながりの中で、これからも続いていくと感じられる将来 への見通しをもち、自らが所属していると実感できる関係性や、いつでも戻れる安心できる場 所があると感じられることは、パーマネンシーの保障という観点から極めて重要である。この 考え方は、障害のあるこどもへの支援においても重要な観点である。 ・ インクルージョンの推進については、こどもの育ちと個々のニーズを共に保障した上で進めて いくことが重要であるとともに、障害児支援のみならず、こども施策全体にインクルージョン 推進の考え方を広げていく観点も重要である。 ・ 基本理念に基づく支援を、現場の実践の中で進めていく上では、チームアプローチの視点や地 域において行政 ・ 関係機関等との連携等、地域という視点が重要である。また、地域において、 こどもや家族を中心において包括的な支援を提供していく上では、障害児支援施策のみならず、 障害者総合支援法や、他のこども施策に関する複数の法令等を理解し、支援を進めていくとい う観点も重要である。
(3)障害児支援に従事する支援者における重要な共通要素の整理→@対人支援における倫理的姿勢 A自己理解と省察 【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 Bこどもの理解に基づく支援【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 C計画と評価に基づく支援の実践【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 D 家族支援【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 E 地域支援・地域連携【知識・技術】【実践】 Fチームアプローチ【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 G 虐待予防・対応【姿勢・態度】【知識・技術】【実践】 H 相互理解・相互支援(家族・他職種・他機関)【姿勢・態度】【実践】
(4)研修体系の構成要素の整理→@ 障害児支援に従事する支援者として A 本人支援
B 家族支援 C 地域支援・地域連携 D 制度理解 E 組織マネジメント

(5)研修体系の階層と期待される人材像の整理
〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)→【対象者像】 障害児支援に従事し始めた段階から、主に3年目程度で、本人支援を中心とした役割を担う者が 受講することを想定している障害児支援基礎・実践研修(仮称)については、以下のとおり⇒「 障害児 支援基礎・実践研修(T )( 仮称)」と 「 障害児支援基礎・実践研修(U )( 仮 称 )」に分けて整理した。 @ 障害児支援基礎・実践研修(T )( 仮称) 主に障害児支援に従事しはじめた者 A 障害児支援基礎・実践研修(U )( 仮称) 主に1年目から3年目程度で、本人支援を中心とした役割を担う者
〇 障害児支援リーダー研修(仮称)→【対象者像】 事業所において、主にリーダー職や管理職等、中心的な役割を担う者
〇 障害児支援コア人材研修(仮称)→【対象者像】 主に地域において、スーパーバイズを担う等、地域の中心的や役割を担う者

2.研修の標準カリキュラム(案)と効果的な実施手法について
研修の標準カリキュラム(案)の整理 ↓

〇 障害児支援に従事する者が共通して習得すべき知識等について、 「障害児支援基礎・実践研修(仮 称 )」、「 障害児支援リーダー研修(仮称)」、「障害児支援コア人材研修(仮称)」の標準カリキュラ ム(案)を以下のとおり整理した。
標準カリキュラム(案)(※全体像は別紙5参照)
【障害児支援基礎・実践研修(T)(仮称)科目案】対象者 障害児支援に従事し始めた者 参照のこと。
【障害児支援基礎・実践研修(U)(仮称)科目案】対象者→本人支援を中心とした役割を担う者(従事してから1年〜3年目程度を想定) 参照のこと。
【障害児支援リーダー研修(仮称)科目案】対象者→事業所の中心的役割を担う者(事業所において、リーダー職や管理職を担う者)
【障害児支援コア人材研修(仮称)科目案】対象者→地域の中心的な役割を担う者(地域においてスーパーバイズを担う者)
○障害児支援基礎・実践研修(仮称)の効果的な実施について→・障害児支援基礎・実践研修(仮称)は、事業者の負担軽減の観点や学びの共通化を図る観点か ら、全ての科目において、動画の視聴により講義の実施が可能な体制の整備を進めていくことが 重要である。
○障害児支援基礎・実践研修(仮称)の実施時間数については、 「講義前の取組」、 「講義の受講」、 「講義後の取組」の一連の流れを通じて、約60分〜90分程度を目安にすることが適当であると 考えられる。これらを踏まえ、一科目60分での実施を想定すると、 ・ 障害児支援基礎・実践研修(T )( 仮称)の実施時間数の目安 合計 約7時間程度、 ・ 障害児支援基礎・実践研修(U)(仮称)の実施時間数の目安 合計 約22時間程度 を目安とすることが考えられる。

障害児支援基礎・実践研修(仮称)における地域交流の取組(地域での学び合い)について→〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)の実施に当たっては、標準カリキュラムに基づき事業所内に おいて研修を実施することのみならず、地域での学び合いの取組等を進めていくことが必要であ る。事業者や地域の実情等が異なる中、全国共通の枠組みとして取組を進めていくためには、障 害児支援基礎・実践研修(U)の科目として 「 地域交流」を位置づけ、 「 地域の事業所同士が合同 研修の実施」や「他の事業所への見学」等の取組を念頭に置きつつ、地域の実情に応じた取組を 通じて、地域の中での学び合い等により交流を深める等の取組が、効果的に取り組まれるよう進 めていくことが重要である。

障害児支援リーダー研修(仮称)・障害児支援コア人材研修(仮称)の効果的な実施について→〇 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修 (仮称)については、外部研修へ の参加が前提となることが考えられるが、職員体制や日々の支援や業務状況等、事業所の状況等 により、外部研修へ参加する機会が限られる場合も想定される。研修の受講を促進する観点から、 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修(仮称)においても、事業所にお いて動画の視聴により講義の実施が可能な体制の整備を進めていくことが重要である。〇 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修(仮称)の具体的な研修の進め方 として、例えば、標準カリキュラムに基づく講義については、事前に事業所において講義動画に より受講するとともに、講義内容を踏まえた事前課題等を設定し、対面研修において、事前課題 等も踏まえ、カテゴリー(「本人支援」、「家族支援」等)ごとに演習に取り組んでいくような運用 も検討していくことが重要である。 ○ 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修(仮称)の実施時間数について は、一科目当たりの講義時間数を約45分〜90分程度、演習時間数は約60分〜120分程度を目安 とすることが考えられる。 ○ また、障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修(仮称)における対面研修 の実施に当たっては、開催日の間隔を一定期間空け、間の期間に研修で学んだ内容について、現場で実践し、その成果を次の研修の機会に共有・振り返りを挟むなどの実施形式で進めていくことも効果的であると考えらえる。その上では、対面研修の実施後、一定期間を空け、フォローアップ等を目的とした対面研修を再度実施することも想定される。 ○ これらを踏まえ、一科目当たりの講義時間数を約60分 、各カテゴリーでのテーマ設定(例えば、「本人支援」、「家族支援」等の標準カリキュラムに基づく講義内容等を踏まえ、各カテゴリーでのテーマ設定の下、演習を行う想定)による演習時間数を約90分〜120分と想定すると、
・ 障害児支援リーダー研修(仮称)の実施時間数の目安 ↓
講義(動画):約19時間程度
演習時間(対面研修1回目):約9時間〜12時間程度(2日間研修を想定)
演習時間(対面研修2回 目 ): 約9時間〜12時間程度(2日間研修を想定)
合計 約37時間〜43時間程度

・ 障害児支援コア人材研修(仮称)の実施時間数の目安 ↓
講義(動画):約12時間程度
演習時間(対面研修1回目):約10時間〜14時間程度(2日間研修を想定)
演習時間(対面研修2回 目 ): 約10時間〜14時間程度(2日間研修を想定)
合計 約32時間〜40時間程度

3.研修の実施主体について
〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)については、
主に本人支援を中心に学んでいくことが想定される。この段階の研修を受講する支援者が、研修での学びを支援の質の向上につなげていくため には、座学で知識を学ぶだけでなく、OJT 等を組み合わせ、事業所の日々の実践の繰り返しの中で、具体的な支援方法等を身につけていくことが必要である。また、この段階は、障害児支援に従事する支援者として基礎となる段階であり、速やかに必要な研修を受講することが重要であるため、事業者が実施主体として研修の実施を進めることが必要。 〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)については、事業所内のみで研修を実施することに限らず、 国の標準カリキュラムに基づくテキスト教材等を活用しながら、事業者団体等が受講者を募り実 施することや、地域において児童発達支援センターや他の事業所との合同研修を実施すること等、 柔軟な運用を可能としていくことが必要である。
〇 障害児支援リーダー研修(仮称)を受講する支援者については、事業所において中心的な役割 を担うことが期待される支援者であることから、より地域の関係機関との連携等、地域とのつな がりを意識していくことが重要である。そのため、地域の中での学び合いが必要であると考えら れることから、都道府県 ・ 指定都市 (以下「都道府県等」という。) が実施主体として、研修の実 施を進めることが必要である。 〇 障害児支援コア人材研修(仮称)を受講する支援者については、地域の中心的な役割を担う存 在として、地域の支援体制においてもコアになる人材となることが期待される。そのため、より 地域の中での学び合いが必要であると考えられることから、都道府県等が実施主体として、研修 の実施を進めることが必要である。一方、当該研修を受講する者の人数等については、受講者が 少人数になる地域もあると思われる。そのため、障害児支援コア人材研修(仮称)の実施に当た っては、実施方法についてはさらに検討を深める必要がある。 〇 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修 (仮称)の実施に当たっては、都 道府県等が実施主体として主体的に取組を進めていくことが重要である。研修実施における事業 の全部又は一部を、適切に研修を実施できると認める機関等に委託すること、又は要件を満たし た研修事業者を都道府県等が「指定」することにより、指定を受けた研修事業者が実施主体とし て研修の実施を進めていくことが考えられる。〇 一方、新たに創設される研修であるため、特に本格実施当初は、国と自治体が連携し、丁寧に課 題や改善点等の把握を行いながら進めていくことが必要であり、安定的な実施が図られるまでに は、一定の期間が必要である。そのため、本格実施当初は、都道府県等を実施主体(委託も含む 。) として研修を進め、研修の実施状況等を踏まえて、 「指定」を導入するという段階的な運用により、 研修の実施を進めていくことが必要である。いずれの場合であっても、都道府県等は、委託先又 は指定先となる機関との連携を密にし、積極的に関与していくことが重要である。 〇 その上で、委託及び指定の運用に当たっては、研修の質の確保のため、講師に求める要件を明 確化する等、必要な要件等を定めていくことが考えられる。その際、自治体間により、指定の要 件が異ならないよう、国として基準となる要件を定めていくことが必要である。また、都道府県 等においては、委託先等となる機関が実施する研修内容や使用する教材等、研修の実施状況を把 握することが必要である。 ○ また、国においては、各都道府県の研修の実施状況を公表する等、透明性を確保していくため の仕組みを検討していくことが必要である。

4.研修の具体的運用に向けた方向性等について
研修の本格実施に向けて
→○ 国においては、令和9年度以降の本格実施を見据えて、・・。〇 障害児支援基礎・実践研修 (仮称)を進めていくに当たっては、事業所間により、実施状況等の 差が大きくならないよう、学びの共通化を図っていくことが重要。そのため、国においては、標準カリキュラムに基づくテキスト教材や動画コンテンツの作成、研修における具体的な取 組等を示した実施主体向けのガイドラインの作成等を進めていくことが必要。○都道府県等において、研修の質の確保及び安定的かつ継続的に研修の実施を進めていくために は、都道府県等で研修の企画・運営等 (講師やファシリテーター等を含む。)において中心的かつ 指導的な立場となる人材の育成を進めていくことが重要。〇 国や都道府県等において協議の場等を設置する際には、こども・若者、子育て当事者等が参画 することや、当事者の声を聴く機会を設けることにより、当事者の声を反映する形で、研修の充 実が図られていくことが重要。 〇 本研修の本格実施後も、これらの取組を進めながら、全国共通の枠組みとして研修の質の確保 や充実を図っていくため、国においては、全国共通の評価ツールを作成する等、評価の標準化をしていく必要がある。その際には、満足度による評価だけではなく、受講者自身の理解度という 視点で評価基準の整理をしていくこと。 〇 研修の運用を効率的に進めていくためには、ICTの活用等も重要であり、効率化を図っていくこ とも重要である。

実施主体が効率的かつ効果的に研修を進めるためのツールの作成等に関する事項について →〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)において、グループワークや事例検討等を効果的に実施して いくためには、事業所等の実情により、創意工夫を図りながら取組を進めていくことも重要。一方、全国共通の枠組みとして、一定程度共通の取組を担保することも必要であり、国は、これらの取組の基本的な実施方法等を動画で視聴できるような仕組みを整備していくことが必要。 〇 実施主体となる「事業者」及び「都道府県等」が、研修を効果的かつ円滑に進めていくためには、国は事業者向けのワークブックや都道府県等向けのガイドラインの作成を進めていくこと。 〇 障害児支援基礎・実践研修(仮称)を実施する事業者向けのワークブックについては、研修の目 的や意義、研修の実施における基本的事項・留意事項等に加え、以下の観点で記載内容を整理していくことが必要。
(事業者向けワークブックにおける記載内容の主な観点)→・事業所において、障害支援基礎・実践研修 (仮称)による学びを、日々の実践につなげていくために期待される取組である「受講者自身の振り返り」、「 上司や先輩職員との対話」、「事業所内 の他の職員との学び合い 」、「 地域の中での研修の実施」等について、各取組のポイント等を記載 していくことが必要。 ・ これらの取組については、取り組む内容により効果も変わってくるものと考えられることか ら、研修を受講する側の視点と、フィードバックをする管理職等側の視点、それぞれの視点で効果的に進めるためのポイント等について記載していくことが必要。 ・ また、これらの取組のポイントを記載する際には、支援者自身が経験を振り返り、学びに変え るためのサイクルの基本的な構造を示していくことも重要。これらの基本的な構造を示した上で、各取組の具体的方法やポイント等を示すことで、実施主体となる事業者の理解も深まり、研修を効果的に進められることが期待される。 ・ 障害児支援基礎・実践研修 (仮称)の実施に当たっては、事業所内での研修実施だけでなく、 地域の中での学び合いも重要であり、本研修を地域の中でどのように活用するのか等について、 想定される具体的な取組等について記載していくことが必要。 ・ 児童発達支援センターが、地域の人材育成に積極的に関与することが期待されるため、その重要性と期待される取組について記載していくことが必要。 ・ 人材育成を効果的に進めるに当たっては、研修の学びだけでなく、支援者のケアやフォローの取組を進めていくことも重要。多様な人材が従事することを念頭に、全ての支援者に 対するケアやフォローの体制の重要性と具体的な取組等について記載していくことが必要である。 〇 障害児支援リーダー研修(仮称)及び障害児支援コア人材研修(仮称)を実施する都道府県等向 けのガイドラインについては、研修の目的や意義、研修の実施における基本的事項・留意事項等 に加え、以下の観点で記載内容を整理していくことが必要である。

研修受講及び実施への動機づけとなる取組等に関する事項について→〇 研修効果を高め、より効果的に支援の質の向上につなげていくためには、研修の実施に対する 主体性を高めることが重要であり、研修受講及び実施への動機づけとなる取組等も進めていくことが重要。 〇 支援者自身の主体性を高め、効果的に研修を進めていくためには、支援者自身が学んできたことや自身の成長の過程について、いつでも振り返ることができるということも重要である。そのため、本研修の受講状況等について、障害児支援基礎・実践研修(仮称)の段階より、自分自身 や上司等との振り返りの内容等も含め、学びの履歴を残していけるような仕組みについて検討していくことが必要である。 〇 支援者自身の主体性を高めるため、障害児支援基礎・実践研修(仮称)については、標準カリキ ュラムに基づく研修の進め方について、支援者が自ら( 又は上司や先輩職員等と相談をしながら) 受講の順番等を考えることを可能とするような運用としていくことが必要である。 〇 事業者においても、主体的に研修の実施を進めていくことが重要である。事業者の主体性を高 めるためには、事業者側にも本研修の受講がインセンティブとなるような仕組みを検討していく ことが必要である。

研修の発展的運用に向けた事項について→〇 本研修は、障害児支援に従事する支援者を念頭においた研修体系ではあるが、障害児支援基礎・ 実践研修(仮称)の標準カリキュラムに基づくテキスト教材や動画コンテンツ等については、他のこども施策等でも活用が可能であるとも考えられる。そのため、本格実施に向けて、他のこども施策等での活用方法等を整理し、都道府県等向けのガイドライン等において活用方法等を示すとともに、他のこども施策の事業者等に対して広く周知していくことが重要。 〇 周知をする際には、一過性の周知ではなく、こども施策に従事する全ての支援者等が、本研修の情報にアクセスしやすい形で情報発信をすることが重要である。

実務経験等に応じた研修受講について→〇 障害児支援基礎・実践研修 (仮称)を、事業所においてより効果的に実施するに当たっては、研 修での学びを実践につなげるための取組をあわせて進めていくことが重要であり、振り返りや OJT 等を効果的に実施していくことが期待される。そのためには、受講する者以外の支援者も研 修の内容等を十分に理解していることが重要である。また、物事の考え方は時代とともに変化を することから、学び直しや知識・情報を更新していくことも重要である。これらを踏まえると、 職種や実務経験等を問わず、全ての支援者が障害児支援基礎・実践研修(仮称)を受講すること を基本とする方向が考えられる。その上で、支援者それぞれの役割等に応じて、段階的に各研修 の受講を進めていくことを基本としていくことが考えられる。 ○ 一方、既に他のこども施策や障害児支援分野等において実施されている研修も多くあることか ら、これらの研修の受講等により、本研修の標準カリキュラムに基づく科目等に関連する知識等 を習得している場合もあると考えられる。そのため、本研修の本格実施に向けて、これらの研修 等を既に受講している場合に本研修の受講を一部免除することの要否については、さらに検討を 深めていくことが必要である。また、受講免除の取扱いを実施する場合には、既存の研修等で実 施されている科目等と、本研修の標準カリキュラムに基づく科目との関連性を整理していくが必 要である。

○検討の経過
【主な検討事項】
【これまでの開催状況】
(検討会及び実務者作業チーム) 第1回〜第3回
(ヒアリング) こども・若者ヒアリング   子育て当事者ヒアリング
障害児支援関係団体ヒアリング


◎障害児支援における人材育成に関する検討会」中間整理(案)別紙1
障害のあるこどもとその家族とともに歩むための支援者の基本姿勢(案)↓
○尊重し合いながら、ともに生きる
→・障害の有無に関わらず、こどもを大切な存在として尊重し、一人ひとりの尊厳を大切にする。 ・障害を社会がつくる障壁と捉えるとともに、ともに生きる関係を築いていく。 ・支援者自身も自分を大切にしながら、ともに生きる一人としてこどもや家族に関わっていく。
○思いに寄り添い、ともに考える→・こどもや家族の表面的な行動や言葉だけでなく、その背景にある思いや状況に寄り添い丁寧に理解 を深め合う。 ・こどもや家族の気持ちを大切にしながら、ともに考え、支え合える関係を築く。 ・気持ちや願いに共感し、こどもや家族が内在的に持つ力を発揮できるような関わりを大切にしながら、ともに歩んでいく。
○支援をともにつくる→ ・みんなに同じ支援ではなく、その子に合った支援を、こどもや家族と一緒につくっていく。 ・こども自身の気持ちや選びたいことを大切にし、その子らしく育っていけるように関わっていく。 ・家族の思いや不安にも寄り添い、安心して子育てができるよう、信頼関係を育んでいく。
○安心できる場をともに育てる→・こどもが安心して過ごせる場や地域を、家族や地域で協力しながらともに育んでいく。 ・家族と地域、支援者、多職種のつながりを活かし、ともに支え合える場を育んでいく。 ・チームで取り組む姿勢を持ち、地域や社会とともに、こどもや家族が安心して暮らし・育つ地域を目指す。
○ともに学び合い、ともに育ち合う→ ・支援者自身の関わり方や考え方を振り返りながら、こどもや家族ととも一緒により良い形を模索する。 ・こどもの命と安全を守る責任を自覚し、ともに日々の実践を見つめ続ける。 ・こどもの権利と最善の利益を中心に置き、支援力を高めながら学び続ける。 ・乳幼児期から成人期まで、切れ目なくつながる支援を見据え、ともに歩む。 ・福祉制度への理解と法令の遵守を土台としながら、支援の中で知り得た情報を守り、信頼のもとに支 援を進めていく。

◎障害児支援における人材育成に関する検討会」中間整理(案)別紙2
障害児支援に従事する支援者における重要な共通要素↓
@対人支援における倫理的姿勢
→・人権の尊重 ・こどもの権利の遵守 ・障害者としての権利の遵守 ・こどもの最善の利益の優先考慮 ・こどもや家族への肯定的姿勢、態度 ・社会的公平性と誠実さ
A自己理解と省察→【姿勢・態度】⇒・自身の失敗や成功を振り返り分析する姿勢 ・チームの失敗や成功を振り返り分析する姿勢 ・こどもや家族の視点から振り返り分析する姿勢 ・柔軟的な考え方と自己研鑽を重ねる姿勢 ・視野を広げて学びを深める姿勢。 【知識・技術】⇒・省察に基づき課題を解決する力 ・自己理解と省察を踏まえ他者に相談する力 ・他者の実践や交流を通じて省察を深める力。【実践】⇒ ・省察を実践に活かす力。
Bこどもの理解に基づく支援→【姿勢・態度】⇒・「ひとりのこども」として捉える姿勢 ・こどもを主体者として尊重する姿勢 ・こどもの表面的な行動だけでなく、背景等も捉える姿勢。 【知識・技術】⇒・こどもの成長発達とその多様性の理解 ・包括的アセスメントに基づく育ちの理解 ・発達特性による困難さと社会的困難さの理解 ・逆境体験やトラウマの理解。 【実践】⇒・こどもの生活の連続性と未来を想像する力 ・こどもの遊びにおける環境を構成する力。
C計画と評価に基づく支援の実践→【姿勢・態度】⇒・自己研鑽を重ねる姿勢 ・他職種から学び自身の専門性に活かす姿勢。 【知識・技術】⇒・知識の広さ、深さ ・(こどもの発達や特性等を理解した上で)アセスメント・支援の 技術。 【実践】⇒・関係機関との連携。 ・適切なアセスメントに基づく支援提供。 ・PDCAサイクルによる支援提供。 ※これらの実践に基づく支援提供を丁寧にしていくことで、 行動障害の予防につながることが期待されることを理解する。
D家族支援→【姿勢・態度】⇒・家族のあり方の多様性の尊重 ・家族が有する文化、宗教、価値観の尊重。 【知識・技術】⇒・子育ての困難さ、子育てに伴う社会的困難さの理解。 ・子育ての困難さ等が孤立や虐待につながるおそれがあることへの理解。 ・家庭状況(生活)の理解。 【実践】⇒・家族を理解する力(家族の関係性の理解) ・相談、カウンセリングの力(傾聴、共感、分析、言語化)。
E地域支援・地域連携→【知識・技術】⇒・制度施策についての知識 ・地域の関係機関についての知識 ・事業所の特性や機能の理解 ・関係機関それぞれの特性や機能の理解。 【実践】⇒・インクルージョン推進に向けた支援・連携 ・役割分担、機能分担 ・縦横連携し協働する力 ・地域全体のマネジメント力。
Fチームアプローチ→【姿勢・態度】⇒・他の職種との対等性を尊重する姿勢。 【知識・技術】⇒・自身の専門性を伝える力 ・他の専門性を理解する力 ・他職種から学び自身の専門性に活かす力。 【実践】⇒ ・事業所内のチームアプローチのシステムづくり。
G虐待予防・対応→【姿勢・態度】⇒・自身の虐待等につながる言動に気づき修正する姿勢 ・事業所内の虐待等につながる課題に気づき修正する姿勢。 【知識・技術】⇒・虐待等についての知識。 【実践】⇒・保護者が困難を抱え、支援を必要としている状況等に気づく力 ・事業所内において、虐待につながる状況を把握する力 ・虐待につながる状況等に気づいた際に、解決に向けて行動 する力。
H相互理解・相互支援(家族・他職種・他機関)→【姿勢・態度】⇒・相互理解と合意形成に基づく相互支援の姿勢 ・リーダーシップ。 【実践】⇒・コミュニケーションスキル ・ファシリテーションスキル ・コンサルテーションスキル ・スーパーバイズ/スーパーバイジースキル ・マネジメント・コーディネートスキル。

◎障害児支援における人材育成に関する検討会」中間整理(案)別紙3
障害児支援の研修体系構築の構成要素↓

@ 障害児支援に従事する支援者として→・障害児支援に従事する支援者として身につける べき基本理念や倫理観、姿勢  ・こどもの心身の健康及びこどもの命と安全を守る ために、支援者としてもつべき観点  ・質の高い支援の計画・実践に資する考え方・観点 ・ 共生社会の実現に資する考え方・観点。
A 本人支援→・権利の主体者である「ひとりのこども」という観点 ・こどものライフステージを通じた発達特性、多様 性などを含めた発達そのものの理解  ・本人支援を行うための姿勢や知識 。
B 家族支援→・まとまりとして家族をとらえる視点と、家族のな かのひとりとしてとらえる視点  ・多様な家族のあり方や価値観、家庭環境を踏 まえた家族支援を行うための姿勢や知識  ・ライフステージに応じた家族への支援の観点。
C 地域支援・地域連携→・こどもや家族が、安心して地域で育ち・暮らすこと ができる地域づくりの観点 ・こどもや家族の支援に必要となる地域の関係機 関との連携 打ち上げ花火 教育と福祉の連携 打ち上げ花火 地域全体で支援の質の向上を図るための地域マ ネジメントの考え方 (日々の支援や業務の根拠となる)
D 制度理解→・日々の支援・業務の根拠となる障害児支援を取り巻くこども施策・障害児支援施策や各種制度 ・こどもの生活の連続性を踏まえた支援に必要な 関連制度 ・制度の背景にある基本理念を踏まえた制度と 支援の接続。
E 組織マネジメント→・障害児支援の現場における背景、事業所や地 域の実情を踏まえた組織マネジメントの観点  ・事業運営や安全管理・非常災害発生時の対応 等の必要性・重要性。

◎障害児支援における人材育成に関する検討会」中間整理(案)別紙4
研修の階層とそれぞれの階層で期待される人材像↓
○都道府県→C障害児支援コア人材研修(仮称)(地域の中心的な役割を担う者)

【期待される人材像】→・包括的なアセスメントに基づき、個々の状態等の理解やニーズに応じた支援の実践について、他の職員や他の事業所等へ助言等を行うとともに、事業所内の支援の質の向上に取り組むことができる。 ・地域の状況を把握した上で、関係機関との連携をマネジメントし、コンサルテーション等を行うことができるとともに、地域の障害 児支援体制の整備に主体的に関わることができる。 ・柔軟な考え方をもって、課題を解決することや省察を実践に活かすことができる。
○都道府県→B障害児支援リーダー研修(仮称)(事業所の中心的役割を担う者)
【期待される人材像】→・包括的なアセスメントに基づいて、個々のこどもと家族の状態像等について考察し理解するとともに、個々のニーズに応じた支 援が実践できる。 ・事業所内において、多職種連携をコーディネートするとともに、他の職員への助言を行うことができる等、チームアプローチにおける中心的役割を担うことができる。 ・こどもや家族の状況等に応じて、必要な関係機関と連携することができる。

○事業者(障害児支援基礎・実践研修(仮称))→A障害児支援基礎・実践研修(U)(仮称)(本人支援を中心とした役割を担う者(1年目〜3年目程度を目安))
【期待される人材像】→・対人支援における倫理的姿勢をもって、こどもを主体とした支援を行うことができる。 ・こどものライフステージを通じた発達と障害特性、発達の多様性を踏まえたアセスメントの基本的理解をし、「ひとりのこども」とし て、個々のニーズに応じた支援を行うことができる。 ・こどもを中心に支援を進めるうえで、家族支援、地域連携の重要性を理解する。
○事業者(障害児支援基礎・実践研修(仮称))→@障害児支援基礎・実践研修(T)(仮称)(障害児支援に従事し始めた者)
【期待される人材像】→・障害児支援の意義や対人支援における倫理的姿勢を理解し、こどもを主体とした支援を行う姿勢をもつことができる。

◎障害児支援における人材育成に関する検討会」中間整理(案)別紙5
障害児支援基礎・実践研修(仮称)の標準カリキュラム(案)の全体像↓
○実施主体想定
→事業者 ※ 標準カリキュラムに基づく研修を活用し、地域の児童発達支援センターや他の事業所との合同研修による実施等も想定
【障害児支援基礎・実践研修(仮称) の標準カリキュラム(案)】→研修(U)(T)毎に
テーマ1〜6あり。 参照のこと。

次回も続き「参考資料1 各研修の実施方法(案)について」からです。

こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム [2025年06月25日(Wed)]
こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム(令和7年5月23日)
https://www.cfa.go.jp/councils/nayami-uketomeruba
概要】
こども家庭庁は、全てのこどもが健やかに成長でき、将来にわたって幸せに生活できる「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。
こうした社会の実現のためには、不安や悩みに直面し、つらい思いをしているこどもたちが思いを打ち明けやすい環境を、こどもの目線に立って作り、そして、不安や悩みに寄り添い、それらを解消していくことが重要だと考えています。
このため、令和6年11月に、庁内の若手職員や自治体などの現場経験者等を中心とした「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」を発足し、全てのこどもが信頼できる大人に自分の思いや悩みを打ち明けることができる環境づくりに向けた取組を行っています。
◎こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム
【予算】
◎こどもの悩みを受け止める場の実態把握・広報事業   令和6年度補正予算 1億円
○事業の目的
→様々な悩みをもつ全てのこどもの学校外の相談を受けとめる場について、こどもが利用できる官民の相談窓口等の実態を把握・整理し、こども、保護者 等に対し広報活動を行うことにより、悩みの深刻化、重大化を防ぎ、こども誰一人取り残すことのない、こどもまんなか社会の実現を図る。
○事業の概要 ↓

1.こどもの悩みを受け止め利用しやすいサービスの検討及び官民の相談窓口等の実態整理 様々な悩みをもつこどもからの相談について、相談窓口が非常に多く、相談先が分かりにくいこと、相談の実態が十分に整理・共有されていないことが課題 とされている。このため、こどもの悩みを受け止め、こどもが利用できる官民の相談窓口等の実態を早急に把握・整理する。⇒【「相談」に関するこどもの悩み】から【方向性】へ。
2.こどもの悩みを受け止める諸活動の普及・広報事業→国や自治体並びに民間団体等による、こどもの悩みを受け止める諸活動について、こども・保護者等への普及・広報活動を行う。
○実施主体等  【委託先】民間団体等

中間報告】
◎こどもの悩みに寄り添える社会に向けて(中間報告)
令和7年5月  こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム
1.プロジェクトチームのこれまでの取組
→○こども家庭庁は、全てのこどもが健やかに成長でき、将来にわたって幸せに生活でき る「こどもまんなか社会」の実現を目指しています。 こうした社会の実現のためには、不安や悩みに直面し、つらい思いをしているこども たちが思いを打ち明けやすい環境を、こどもの目線に立って作り、そして、不安や悩み に寄り添い、それらを解消していくことが重要だと考えています。 ○ このため、令和6年11月に、庁内の若手職員や自治体などの現場経験者等を中心とし た「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」が発足し、全てのこど もが信頼できる大人に自分の思いや悩みを打ち明けることができる環境づくりに向けた 課題や、周囲の大人にとって必要なことは何か等を明らかにするため、これまでの間に、 当事者であるこどもや、こどもの相談・支援等に関わる団体、地方自治体など、のべ27 の団体等との意見交換等を行ってきました(プロジェクトチームの設立の趣旨等の詳細 については別紙1を、意見交換等の実績については別紙2を参照ください。)。 ○ 本中間報告では、令和7年3月までにプロジェクトチームが行った意見交換等の内容 をまとめるとともに、これからのプロジェクトチームの取組の方向性を整理しました。

2.意見交換等でお伺いしたこどもの悩み等に関する意見等
(1)こどもたちの声↓
@ 相談しやすい環境について
⇒これらの意見から、こどもが相談や気持ちの切り替えをしやすくするため には、相談受付のみを念頭に対応するのではなく、こどもがリラックスでき るような環境や仕掛けを作るなどの工夫が求められると考えられます。
A 相談相手について⇒これらの意見から、悩みの内容や深刻度等に応じて、関係性の強い人・そうで ない人のどちらに相談したいか(あるいは自分自身の中で気持ちを整理したい のか)、こどもによって希望は様々であることが考えられます。
B 相談相手に求める姿勢について⇒これらの意見から、こどもが相談相手に求める姿勢としては、相談者に向き 合い寄り添うことや、相談内容を秘密にすること等が挙げられると考えられ ます。また、悩みの内容や状況に応じ、まずは話を聴いて、共感してほしい 場合や、相談した内容に対し、解決に向けた助言が欲しい場合等があること が考えられます。
C 相談窓口について⇒これらの意見から、こどもが相談窓口に求めていることは、時間帯や場所を 気にせず相談できること、SNSやAIなど、気軽に相談できる手段であること など、こどもの置かれた状況に応じた使い勝手の良さであることが考えられ ます。
・このほかにも、こどもたちからは以下のような意見がありました。 参照。

(2)相談・支援団体等からの意見↓
@ 相談相手に求める姿勢について
⇒これらの意見から、こどもたちは、悩みの内容や状況等に応じ、まずは話 を聴いて共感してほしい場合や、相談した内容に対し、解決に向けた助言が欲しい場合等があることが考えられます。また、相談内容がうまく伝えられない場合や、相談することに恥ずかしさを感じる場合もあると考えられます。
A 大人への相談について⇒これらの意見から、こどもたちは周囲の大人に悩みを受け止めてもらえな かった過去の経験等から、大人に相談することにハードルを感じていること があると考えられます。
B 居場所について⇒これらの意見から、不安や悩みに直面するこども・若者にとっては、相談 受付だけでなく、安心できる居場所も必要であることが考えられます。
○相談・支援団体等からお伺いした意見のうち、こどもの悩みを受け止める際の留 意点に関するもの↓
@ こどもと接する際の姿勢について⇒これらの意見から、日頃からこどもを一人の人間として尊重し、こどもの ペースを大切にしながら接することが求められると考えられます。 A 相談を受け止める姿勢について⇒これらの意見から、相談を受け止める際の姿勢としては、こどもの状況等 に応じた柔軟な対応を前提に、秘匿性の確保や、まずは相談したこと自体を ねぎらうなど、こどもの気持ちに寄り添うことが求められると考えられます。
B こどもと大人の関係について⇒これらの意見から、こどもの悩みを受け止める体制を構築するためには、 家や学校以外にも様々な大人が日頃からこどもと関わり、見守る体制を作る ことで、こどもが頼れる相手の選択肢をつくることが求められると考えられ ます。

(3)こども・大人・社会に伝えたいこと
@ こどもに伝えたいこと⇒・相談することは悪いことでも、恥ずかしいことでもない。
・味方になってくれる大人はきっといる、相談できる相手は、親や先生だけではない。・友達から相談されたときは秘密を守る・相手のことを考える、受け止めきれないときは周囲の大人に相談を。
A 大人に伝えたいこと⇒・まず耳を傾ける、こどものサインにアンテナを張る。・こどもを一人の人間として尊重する。・こどもの希望を確認し、こどものタイミングを大切に。
・秘密は守る。
B 社会に伝えたいこと⇒・身近な大人一人一人の行動で、善意の輪を地域に広げる。・地域に信頼できる大人を増やし、安心できる居場所をつくる。

3.今後の取組
(1)アクション1:こどもや周囲の大人等への働きかけ
→以下のような方法により、こどもが悩みを打ち明けられる環境づくりに向けて、民 間団体等と連携しながら、こどもや周囲の大人等に対する積極的・効果的な広報 ・ 働きかけを実施します。実施内容についてはこども・若者の意見や有識者からの助 言等を踏まえて決定していきます。 こどもの悩みに関するイベントの開催や、SNS等を活用したデジタル広告の実施、 こどもから相談を受けた際の寄り添い方や適切な支援機関につなげるなどの具体的な対応方法に関する大人の理解が深まるよう、座談会やシンポジウムの開催 等。 また、この中間報告でまとめた成果については、上記を待たず、令和7年夏を目途 に、こどもの周りにいる大人に伝えたいことなどを一定の成果として発出する予定 です。
(2)アクション2:実態把握の推進→ 官民の相談窓口の実態と傾向を把握するため、地方公共団体や民間団体を対象とした全国的なアンケート調査を実施します。 全国をブロック別に分けて、6〜22歳のこども(悩みを相談する側)と、こどもに 関わる大人(悩みを受け止める側)を対象としたアンケート調査及びヒアリング調 査を実施します。調査の内容については、これまでの意見交換等の結果も参考にし つつ、悩み相談に関するこどもと大人の認識のギャップを埋めていく観点から、先 行研究の整理結果や、有識者からの助言を踏まえて決定していきます。 これらの実態把握の結果を、こどもの悩みの受け止め方に関する理解増進につなげ ていきます。 (了)


◎こどもの悩みに寄り添える社会に向けて(中間報告)【概要】
○ 「こどもまんなか社会」の実現のためには、不安や悩みがあり、つらい思いをしているこどもたちが思いを打ち明け やすい環境を、こどもの目線に立って作り、そして、不安や悩みに寄り添い、それらを解消していくことが重要。 ○ このため、令和6年11月に庁内の若手職員や自治体などの現場経験者等を中心とした「こどもの悩みを受け止める場 に関するプロジェクトチーム」が発足。こどもが安心して悩みを打ち明けられる環境づくりの課題や、大人に求めら れる対応を明らかにするため、こどもや相談・支援団体、自治体など、のべ27の団体等と意見交換等を行った。 ○ 本中間報告では、令和7年3月までにプロジェクトチームが行った意見交換等の内容をまとめるとともに、これから のプロジェクトチームの取組の方向性を整理。


○こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチームにおける意見交換等実績一覧 (プロジェクトチーム発足後〜令和7年3月末)→令和6年 11月〜令和7年3月まで。

○意見交換でお伺いしたこどもの悩み等に関する意見等@  こどもたちの声
・相談しやすい環境→こどもがリラックス できるような環境や仕掛けをつ くるなどの工夫が求められる。
・相談相手→悩みの内容や深刻度等に応じて、 関係性の強い人・そうでない人 のどちらに相談したいか(ある いは自分自身の中で気持ちを整 理したいのか)、こどもによっ て希望は様々である。
・相談相手に求める姿勢→相談者に向き合い寄り添 こと、相談内容を秘密にすること、 等。また、悩みの内容や状況に応じ、 まずは話を聴いて、共感し てほしい場合や、 相談した内容に対し、解決 に向けた助言がほしい場合 等がある。
・相談窓口→こどもが相談窓口に求めてい ることは、時間帯や場所を気にせず相 談できること SNSやAIなど、気軽に相談 できる手段であること など、こどもの置かれた状況に 応じた使い勝手の良さである。

○意見交換でお伺いしたこどもの悩み等に関する意見等A  相談・支援団体等からの意見
・相談相手に求める姿勢→悩みの内容や状況に応じ、 まずは話を聴いて、共感して ほしい場合や、 相談した内容に対し、解決に 向けた助言がほしい場合 等がある。 また、相談内容がうまく伝えら れない場合や、相談することに 恥ずかしさを感じる場合もある。
・大人への相談→周囲の大人に悩みを受け止めて もらえなかった過去の経験等か ら、大人に相談することにハー ドルを感じている場合がある。
・居場所→不安や悩みに直面するこども・ 若者にとっては、相談受付だけ でなく、安心できる居場所も必 要である。
・こどもと接する際の姿勢→日頃からこどもを 一人の人間として 尊重し、こどもの ペースを大切にし ながら接すること が求められる。
・相談を受け止める姿勢→相談を受け止める際の姿勢とし ては、こどもの状況等に応じた 柔軟な対応を前提に、 秘匿性の確保 まずは相談したこと自体を ねぎらうなど、こどもの気 持ちに寄り添うこと等が求められる。
・こどもと大人の関係→こどもの悩みを受け止める体制 を構築するためには、 家や学校以外にも様々な大 人が日頃からこどもと関わり、見守る体制をつくることで、こどもが頼れる相手の選択肢をつくること が求められる。

○こどもの皆さん、大人の皆さん、社会に伝えたいこと
・こどもの皆さんへ→ 相談することは悪いことでも、恥ずかしいことでもない 味方になってくれる大人はきっといる、相談できる相手は親や先生だけで はない 友達から相談されたときは秘密を守る・相手のことを考える 受け止めきれないときは周囲の大人に相談を ・大人の皆さんへ→ まず耳を傾ける、こどものサインにアンテナを張る こどもを一人の人間として尊重する こどもの希望を確認し、こどものタイミングを大切に 秘密は守る。
・社会へ→ 身近な大人一人一人の行動で、善意の輪を地域に広げる 地域に信頼できる大人を増やし、安心できる居場所をつくる。

○今後の取組→・令和6年11月のプロジェクトチーム発足以降、令和7年3月までにこどもや、こどもの相談・支援団体等と意見交換等 を重ね、こども自身の思いや、相談・支援者団体等がこどもと接する際に留意している点等の知見を得ることができた。 ・令和7年度以降も、こどもの悩み相談に関する国内外の先行研究(文献・調査)を収集し、効果や課題等を整理するな ど更に幅広く実態の把握等を行うとともに、こどもや周囲の大人等に対して積極的・効果的な広報を行っていく。 ・特にいじめ・不登校・小中高生の自殺の件数が過去最多、児童虐待相談対応件数も依然として多くなっており、早急な対策が求められる中、明らかになった成果については速やかに発信していく。

アクション1:こどもや周囲の大人等への働きかけ→・こどもが悩みを打ち明けられる環境づくりに向けて、民間団体等と連携しながら、こどもや周囲の大人等に対す る積極的・効果的な広報・働きかけを実施。実施内容については、こども・若者の意見や有識者からの助言等を 踏まえて決定していく。 • こどもの悩みに関するイベントの開催や、SNS等を活用したデジタル広告の実施 • こどもから相談を受けた際の寄り添い方や適切な支援機関につなげるなどの具体的な対 応方法に関する大人の理解が深まるよう、座談会やシンポジウムの開催 等 中間報告でまとめた成果は、上記を待たず、本年夏を目途に、こどもの周りにいる 大人に伝えたいことなどを一定の成果として発出する予定。

アクション2:実態把握の推進→官民の相談窓口の実態と傾向を把握するため、地方公共団体や民間団体を対象とした全国的なア ンケート調査を実施 全国をブロック別に分けて、6〜22歳のこども(悩みを相談する側)と、こどもに関わる大人(悩 みを受け止める側)を対象としたアンケート調査及びヒアリング調査を実施。調査の内容について は、これまでの意見交換等の結果も参考にしつつ、悩み相談に関するこどもと大人の認識のギャップを埋めていく観点から、先行研究の整理結果や有識者からの助言を踏まえて決定していく。
⇒これらの実態把握の結果をこどもの悩みの受け止め方に関する理解増進につなげていく。

次回は新たに「第2回障害児支援における人材育成に関する検討会」からです。

第198回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2025年06月24日(Tue)]
第198回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和7年5月23日)
議題 労働基準関係法制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58138.html
◎参考資料No.1 労働時間制度等に関する実態調査結果について(概要)
○労働時間制度等に関する実態調査概要→働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(平成30年法律第71号)の附則及び附帯決議 に基づき、労働時間制度等の見直し及び労働基準法等の改正を検討する際の基礎資料を得るため、労働時 間制度等の実態を把握すること。
⇒対象者(令和6年9月21日〜令和6年10月21日調査)、実施主体、調査手法、その他あり。 参照。
○調査項目一覧(事業所調査)→11のカテゴリー、その調査項目。
○調査項目一覧(個人調査)→7のカテゴリー、その調査項目。

1. 事業所調査 ↓
01 基本属性
○基本属性@→企業規模(常用労働者数)、事業所規模(常用労働者数)
○基本属性A→産業ごと
○基本属性B→雇用契約期間の有無、雇用形態別常用労働者割合、行っている業務が適用猶予業種に当てはまるか
○労働組合の有無→企業規模、事業所規模

02 労働時間
○所定労働時間→所定労働時間(1週)、
○36協定の締結状況→事業所 規模、労働組合の有無
○時間外労働時間、法定休日労働時間、時間外労働時間と法定休日労働時間の合計→時間外労働時間、法定休日労働時間、時間外労働時間と法定休日労働時間の合計
○時間外労働時間(平均)→時間外労働時間(1か月)の平均⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間(最長)→時間外労働時間(1か月)の最長⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○法定休日労働時間(平均)→法定休日労働時間(1か月)の平均⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○法定休日労働時間(最長)→法定休日労働時間(1か月)の最長⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間と法定休日労働時間の合計(平均)→時間外労働時間と法定休日労働時間の合計(1か月)の平均⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間と法定休日労働時間の合計(最長)→(1か月)の最長⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間別常用労働者数の割合→時間外労働時間*1数の区分別常用労働者数の割合⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間と法定休日労働時間の合計時間別常用労働者数の割合→時間外労働時間と法定休日労働時間の合計時間数の区分別常用労働者数の割合⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○法定休日労働回数→法定休日に労働した回数(全常用労働者の平均)⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外労働時間が45時間を超えた回数別常用労働者数の割合→3か月間で1か月の時間外労働時間が45時間を超えた回数別常用労働者数の割合⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○時間外・法定休日労働時間が80時間を超えた回数別常用労働者数の割合→3か月間で1か月の時間外・法定休日労働時間の合計が80時間を超えた回数別常用労働者数の割合⇒事業所規模、労働組合の有無、適用猶予業種の有無
○所定労働時間→所定労働時間(1週)⇒常用労働者数が10人未満の事業所、特例措置対象事業所計
○所定労働時間を超えた時間外労働に対する割増賃金→所定労働時間を超えた時間外労働に対する残業代(割増賃金)を支払っている週労働時間数⇒常用労働者数が10人未満の事業所、特例措置対象事業所計
○1か月の時間外労働時間の平均・最長→1か月の時間外労働時間の平均・最長の者⇒常用労働者数が10人未満の事業所、特例措置対象事業所計
○1か月の時間外労働時間と法定休日労働の合計の平均・最長→1か月の時間外・法定休日労働時間の平均・最長の者⇒常用労働者数が10人未満の事業所計
○新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務に従事する者→労働基準法第36条第11項の「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務」に従事する常用労働者の人数、労働基準法第36条第11項の「新たな技術、商品又は役務の研究開発に係る業務」 に従事する常用労働者のうち、実労働時間が最長の者の時間
○管理監督者及び機密の事務を取り扱う者→管理監督者*1及び機密の事務を取り扱う者の有無⇒事業所規模
○管理監督者及び機密の事務を取り扱う者の労働時間管理のルール→事業所規模別

03 フレックスタイム制
○フレックスタイム制の制度導入状況→導入していない89%。

04 勤務間インターバル
○勤務間インターバル→勤務間インターバルを制度として導入しているか9%。
○勤務間インターバルの制度導入状況→全産業で制度を導入していない85%位。
○勤務間インターバル制度を適用しなくてよい場合→産業種別ごと、企業規模、事業所規模、労働組合の 有無  参照のこと。→
○勤務間インターバルの制度導入状況×1か月の時間外労働時間
○勤務間インターバルの制度導入状況 ×1か月の時間外労働時間と法定休日労働時間の合計

05 年次有給休暇
○時季指定義務の運用方法→年次有給休暇のうち年5日の時季指定義務の運用方法として最も多いもの⇒労働者の取得に委ね て年5日取得できている52%。
○労働者が取り残している年次有給休暇の平均日数→前年からの繰り越し分を含めて労働者が取り残している年次有給休暇の平均日数⇒5日以下41.4%。21日以上10.5%。

○年次有給休暇 (時季指定義務の運用方法×取り残している平均日数)→年次有給休暇5日の時季指定義務の運用方法として最も多いもの ×前年からの繰り越し分を含めて労働者が取り残している年次有給休暇の平均日数
○年次有給休暇 (取り残している平均日数×時間外労働時間、法定休日労働時間)→前年からの繰り越し分を含めて労働者が取り残している年次有給休暇の平均日数 ×1か月の時間外労働(平均)⇒0時間超 20時間以下59.4%。
○年次有給休暇(取り残している平均日数×時間外労働時間と法定休日労働時間の合計)→0時間超 20時間以下54.1%。
○時効を経過した年次有給休暇の取扱い→そのまま消滅としている60%。 年次有給休暇と同じ条件で次期に繰り越している21.3%。

06 割増賃金
○所定労働時間を超えた時間外労働に対する割増賃金→週40時間未満で特定の時間数から31.4%。 週40時間から32.3%。その他(支払っていない)23.5%。


07 事業場外みなし労働時間制
○事業場外みなし労働時間制→営業等外勤の労働者22.3%、営業等外勤の労働者26.4%。
営業等外勤の労働者、出張時の労働者について 労働時間を算定しがたいとき、事業場外みなし労働時間制の対象としている労働者別の 実際の労働時間の管理方法 参照のこと

08 テレワーク
○テレワークを行う労働者に適用している労働時間制度→テレワークを行っている労働者がいる10.1%。テレワークを行っている労働者はいない84.4%。⇒企業 規模 参照。
○テレワークを行う労働者について労働時間を算定しがたいとき→始業・終業が自由であり、実際の労働時間を把握・管理できないとき29.9%  外回り等で業務の具体的な遂行方法を本人に委ねているとき17.4% その他あり。
○テレワークにおける始業・終業時間、中抜け時間の管理方法→なんらかの自己申告多し。

09 つながらない権利
○つながらない権利→明文化はされていないが、ルー ルが存在する9.8%。就業規則でルー ルを定めている8.2%。ルールはなく、 勤務時間外には連絡しない34%。ルールはないが、 勤務時間外に連絡することがある44.4%。⇒事業所規模、労働組合の有無  参照。

10 副業・兼業
○副業・兼業の取扱い→労働者に、雇用での副業・兼業を認めている24.7%。その他参照。
○副業・兼業の場合における割増賃金の支払状況→「自社の労働時間制度において発生した割増賃金のみを支払っている」が多い。

11 人事労務関係書類の保存
○書類保存期間→「10年超」が多い。⇒企業規模、事業所規模  参照のこと。
○紙で保存している人事労務管理関係書類を電子保存しない理由→これまで紙で保存 してきたから53.6%。紙と電子の両方で 保存をしている26.5%。その他の参照。


2. 個人調査
01 基本属性

○基本属性@→年齢、性別、就業形態、就業形態
○基本属性A→雇用契約期間
○基本属性B→企業規模、事業所規模(常用労働者数*2)
○基本属性C→ 産業種別
○現在の職業、適用されている労働時間制度→現在の職業、適用されている労働時間制度
○適用されている労働時間制度→通常の労働時間制度66.7%。その他あり⇒事業規模、就業形態 参照。

02 労働時間制度等
○所定労働時間→所定労働時間(1日)、所定労働時間(1週) 参照。
○残業時間(1か月あたりの平均残業時間)→45時間以下91.7%。⇒事業所規模、性別、年齢。就業形態、従事する業務 が適用猶予業種であるか  参照。
○残業時間(1か月の時間外労働時間が45時間を超えた回数)→0回87.4%。⇒事業所規模、性別、年齢。就業形態、従事する業務 が適用猶予業種であるか  参照。
○休日出勤→0回72.5%。⇒事業所規模、性別、年齢。就業形態、従事する業務 が適用猶予業種であるか  参照。
○連続勤務日数→5日以下63.7%。その他あり。⇒産業、事業所規模、性別、年齢。就業形態、従事する業務 が適用猶予業種であるか  参照。
○休日出勤回数×残業時間→・休日出勤回数(3か月)×1か月あたりの平均残業時間⇒45時間以下91.7%。・休日出勤回数(3か月)×1年間で1か月の時間外労働時間が45時間を超えた回数⇒0回87.4%。
○所定労働時間→常用労働者数が10人未満の事業所の労働者計⇒週30時間以下24.7%。その他あり。
○残業時間(1か月あたりの平均残業時間)→常用労働者数が10人未満の事業所の労働者計⇒45時間以内90.7%。その他あり。

03 年次有給休暇
○年次有給休暇(時間単位年休)→今のままがよい32.3%。⇒性別、年齢、就業形態。
・時間単位年休の上限日数を増やすべきと考える理由→今より年休を取得でき る機会が増えるから48.1%。その他あり。⇒性別、年齢、雇用形態。
・時間単位年休の上限日数を減らすべき/廃止すべきと考える理由→必要性を感じない から54.8%。その他あり。⇒性別、年齢、雇用形態。
○時季指定義務5日分の取得方法→指定されずとも5日自分の希望どおりに取得できる58.9%。⇒企業規模、事業所規模、就業形態。現在の職業、労働時間制度、参照のこと。
○年次有給休暇取得日数→6〜10日29.6%。その他あり。⇒企業規模、事業所規模、就業形態。現在の職業、労働時間制度、参照のこと。
○年次有給休暇を取り残す理由→病気や休養のために残しておきたい42.9%。その他あり。⇒企業規模、事業所規模、就業形態。
○残業時間×年次有給休暇の時季指定義務5日分の取得方法 残業時間×年次有給休暇の取得日数→1か月あたりの平均残業時間×年次有給休暇の時季指定義務5日分の取得方法、1か月あたりの平均残業時間×年次有給休暇を取得した日数(1年) 参照。
○年次有給休暇の時季指定義務5日分の取得方法×年休取得日数→6〜10日29.6%。その他あり。

04 勤務間インターバル
○勤務間インターバル時間→2日以上連続で勤務する場合、前日の勤務終了から翌日 の勤務開始までの時間は、平均的に何時間空いているか。勤務間インターバル時間を11時間以上取得する義務を課した場合に 生じる支障  参照のこと。
・2日以上連続で勤務する場合、前日の勤務終了から翌日の勤務開始までの時間は、平均的に何時間空いているか→11時間以上77.4%。その他あり。⇒産業、企業規模、事業所規模、就業形態。現在の職業、労働時間制度  参照。
○勤務間インターバル時間を11時間以上取得する義務を課した場合の支障→業務の性質上、 始業・終業時 刻を柔軟に調 整できない24.7%。その他あり。⇒産業、企業規模、事業所規模、就業形態。現在の職業、労働時間制度  参照。
○勤務間インターバル時間→
○1か月あたりの平均残業時間×勤務間インターバル時間数 参照。

05 健康管理
○健康管理→これまでに利用したことのある健康管理の取組⇒事業所規模、就業形態

06 テレワーク
○テレワーク→テレワークを行う頻度、テレワーク中の中抜け時間(1日)、テレワーク中の中抜け時間の取扱い
○テレワークを行う頻度→産業、事業所規模、就業形態。現在の職業、適用されている 労働時間制度   テレワークを 実施することはない88.5%。
○07 副業・兼業
○副業・兼業→副業・兼業の有無・副業先、本業の関連会社で副業・兼業をすることとした理由、副業・兼業に従事している時間(1か月)  参照のこと。
○副業・兼業の有無・副業先→事業所規模、就業形態
○副業・兼業の有無×所定労働時間  副業・兼業の有無×残業時間

次回は新たに「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」からです。

第198回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2025年06月23日(Mon)]
第198回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和7年5月23日)
議題 労働基準関係法制について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58138.html
◎資料No.1 集団的労使コミュニケーションの在り方(過半数労働組合・過半数代表 者等)について
○労働基準法における過半数代表の概要
→過半数代表の役割・要件、過半数代表者に対する配慮・不利益取扱いの禁止 参照のこと。
○過半数代表者の選出・使用者の配慮等(通達)→【過半数代表者の選出手続】【過半数代表者の不利益取扱い】【「必要な配慮」の内容】 参照。
○過半数代表者の選出・使用者の配慮等に関する労働政策審議会建議→・今後の労働時間法制等の在り方について(建議)(平成27年2月13日労審発第777号)(抄)(2) 過半数代表者。・時間外労働の上限規制等について(建議)(平成29年6月5日労審発第921号)(抄)@過半数代表者
○労働組合の組織率→単一・労働組合の労働組合数は2万2,513組合、労働組合員数は991万2,000人、推定組織率(雇用者数に占める労働 組合員数の割合)は16.1%。労働組合員数については、最も多かった平成6年から緩やかな減少傾向。(令和6年6月30日時点)
○労使関係についての認識等→・労使関係について、「安定的に維持されている」と回答した事業所の割合は労働組合のある企業(47.5%)の方が労働組合のな い企業(22.0%)よりも高い。(図1) 労使コミュニケーションを重視する内容別の事業所割合は、労働組合がある事業所は労働組合がない事業所に比べ、「賃金、労 働時間等労働条件」「福利厚生、文化・体育・レジャー活動」「経営に関する事項」の割合が高い。(図2) 事業所での労使コミュニケーションがどの程度良好であるかについて労働者の認識をみると、労働組合がある労働者の方が労働 組合がない労働者と比べ「良い」と回答した割合が高く、「悪い」と回答した割合が低い。(図3)(令和元年6月30日時点)
○労働組合の組織率(企業規模別、産業別)→企業規模(従業員数)別の労働組合の割合は、「1,000人以上」が最も高く(52.8%)、「4人以下」が最も低く (0.9%)、企業規模が大きくなるにつれて労働組合がある割合が高い。(図1) (平成29年10月1日時点)
○労働者が労使コミュニケーションを重視する場面→回答数が多いものから順に「職場の人間関係」(66.2%)、 「日常業務改善」(57.7%)、「賃金、労働時間等労働条件」(53.0%)となっている。企業規模、勤続年数を問わず、概 ね同様の傾向が見受けられる。(令和元年6月30日時点)
○企業内労組への加入状況→企業内に労働組合があるが加入していない労働者は33.8%。(図1) ・加入していない理由は、「労働組合や組合活動に興味がないから(37.8%)」が最も高く、次いで「加入するメリットが見 出せないから(37.0%)」となっている。(図2)
○労使関係についての事業所の認識、事業所が労使コミュニケーションを重視する場面→・労使関係について、「安定的」と回答した事業所の割合は81.9%。企業規模が大きくなるほどその傾向が強い。(図1) ・事業所が労使コミュニケーションを重視する内容について、 「日常業務改善」の割合が最も高く(75.3%)、企業規模に よって傾向は変わらない。労働組合がある事業所は、「賃金、労働時間等労働条件」の割合が最も高い(75.2%)。(図2) (令和元年6月30日時点)
○過半数労働組合→過半数労働組合がある事業所の割合は、全体のうち1割に満たない(8.3%)。(平成29年10月1日時点)
○過半数代表者の選出方法→過半数代表者について、使用者が指名した場合や社員親睦会の幹事を自動的に選任する等、過半数代表者の選任が 適正に行われていない割合は、2007年は39.4%、2018年は27.6%となっている。
○過半数代表者の選出方法(信任候補者の定め方)→過半数代表者を「信任」により選出した事業所における信任の候補者の定め方は、「使用者(事業主や会社)が候 補者を決める」(54.0%)が最も多い。(図1)その割合は事業所の規模が小さいほど高くなっている。(図2) (平成29年10月1日時点)
○過半数代表者の職位別の選出状況→・過半数代表者の職位について、「一般の従業員」(49.4%)が最も多い。一方、「工場長、支店長クラス」(4.6%)など、 36協定締結当事者の要件を満たさない者(管理監督者等)が選出されている。(図1) ・また、過半数代表者の職位別選出方法において、「一般の従業員」(37.2%)、「非正社員」(34.1%)から選ばれた者 は「投票や挙手」、「係長、主任、職長、班長クラス」 (29.9%)から選ばれた者は「信任」が最も多いが、「課長クラ ス」(29.7%) 、「部長クラス」(51.3%)、「工場長、支店長クラス」(33.1%)から選ばれた者は「使用者が指名」の 割合が最も高く、職位の高い者について、選出手続きが適正に行われていないことが見受けられる。(図2) (平成29年10月1日時点)
○過半数代表者の有無と、過半数代表者を選出しなかった理由→・「過半数代表(事業場における過半数労働組合または過半数代表者)」が「いない」事業所は36.0%。(図1) ・過半数代表者を選出しなかった理由は、「労使協定(36協定を含む)や就業規則に関する手続が発生しなかったか ら」が56.6%と最も多い。(図2) (平成29年10月1日時点)
○過半数代表者の選出の頻度→過半数代表者について、任期を決めて選出している事業所は全体の18.9%。(図1)その割合は事業所の規模が大 きくなるほど高くなっている。(図2)(平成29年10月1日時点)
○過半数代表者の選出開始の周知の範囲→過半数代表の選出の開始について、従業員への周知状況は「労使協定等が適用される事業場のうち、一部の事業所(本社や 支社など)の従業員に周知している」(以下「一部の事業所に周知」)が 10.4%、「周知していない」が 11.7%となって おり、過半数代表者の選出自体を知らされない事業所が一定数存在することが窺える。(平成29年10月1日時点)
○過半数代表制度の運用状況→過半数代表を利用した手続きを行ったことがある事業所は全体の54.1%となっており、事業所規模が大きくなるほ ど高い。手続きの内容は、「時間外および休日労働(いわゆる36協定)」が44.1%と最も多く、次いで、「就業規 則の作成または変更」が33.2%となっている。(平成29年10月1日時点)
○過半数代表制度の運用状況(過半数代表者とのやりとり)→過半数代表を利用した手続きを行ったことがある事業所における、労使協定の締結や意見聴取を行うにあたっての 過半数代表とのやりとりの方法は「対面」が最も高い(63.0%)。(図1)その際の話し合いの平均回数は「1 回」が最も多く(58.8%)、事業所の規模が小さいほど話し合いの回数が少ない傾向にある。(図2) (平成29年10月1日時点)
○過半数代表者(複数代表者)→、複数代表者を選出している事業所は全体の2.9%。(図1)複数代表者を選出した理由は、 「その他」を除く選択肢のうち、「従業員が多く1人では従業員の意見集約の負担が大きいから」が最も多い (32.7%)。(図2) (平成29年10月1日時点)
○過半数代表者についての認識、活動の状況→厚生労働行政モニター(※)アンケート結果をみると、過半数代表者を経験したことがない者が89.4%。そのうち、過半数代表者が どのようなものかを知らなかった者が48.6%。 ・過半数代表者としての職務のために、従業員の意見を集めた割合は47.4%。一方、特に何もしなかったとの回答も20.4%。 ・使用者側との協議・意見交換は、行ったという回答は58.4%。一方、全く行わなかったとの回答は41.6%。
○過半数代表者としての職務を行うに当たっての負担→・過半数代表者としての職務や職務のために行った準備・活動のうち、負担だった(負担だったと聞いた)ものが「ある」は 46.0%、「ない」は40.9%。 ・負担だった(負担だったと聞いた)点・理由(自由記述)として、意見集約、経験・情報の不足、通常業務との兼ね合い、使 用者側との交渉等が挙げられた。

○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例@→労使コミュニケーションに「安全衛生委員会」(※)を活用し、労働時間等に関する情報開示や、同委員会の出席者ではな い者も含めた従業員からの意見集約を図っている事例。 (※)当該企業(事業場)の労働者数は安全衛生委員会の設置義務がある50名には達していないが、従業員が働きやすい環境を構築するため任 意に設置されたもの。⇒山梨ユニフォーム株式会社(企業規模:41名(2023年10月時点)) 参照。
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例A→労使コミュニケーションに全従業員が参加する「グループ討論」等を活用し、労働時間等の情報を公開するとともに、過半数代表者 に限らず全従業員の意見を集約している事例。⇒ 株式会社サンプラン(企業規模:9名(2023年10月時点) ) 参照。
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例B→労使コミュニケーションに、労働時間情報の社内情報の公開を活用するとともに、過半数代表者に対し、協定締結に関する説明を 行っている事例。⇒ 株式会社現場サポート(企業規模:83名(2023年9月時点))
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例C→労使コミュニケーションに様々な会議体を活用し、社内の意見集約を図るとともに、過半数代表者の役割の説明などを行っている事 例。⇒ 株式会社ヒューマンライフ(企業規模:106名(2023年4月時点))
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例D→労使コミュニケーションに多様な形態での従業員の意見集約を活用し、過半数代表者が労働時間等に関する情報を把握する ことができる体制が構築されている例⇒ 株式会社レイジックス(従業員数46名(2023年11月時点))
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例E→従業員代表(過半数代表者)が従業員の意見集約に関与するとともに、会社から従業員代表に対して役割等に関する説明や、意見が反 映されなかった理由の説明を行っている事例。⇒ エイベックス株式会社(企業規模:492名(2023年5月時点))
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例F→従業員の意見を反映して働き方改革に関する取組を進めてきた事例。意見が反映されなかった理由の説明も行っている。⇒ 株式会社オーザック(企業規模42名(2023年11月時点))
○労働組合のない企業における労使コミュニケーションに関する事例G→過半数代表者(労働者代表)の選出に際し、その目的や役割を明示して立候補者を募集し、立候補を促す工夫をしている事例⇒ 合同経営グループ(社労士法人等の3法人と2株式会社からなるグループ組織)
○諸外国における関係法令(従業員代表の活動保障・身分保障など)→アメリカ・フランス・ドイツ・イギリス・日本における労働組合・従業員代表の一覧。
○労使協定・労使委員会等の複数事業場での一括手続について 参照のこと。
○(参考)過半数代表制等に関する主な調査 参照のこと。
○【参考】労働組合法における不当労働行為等に関する規定(法律)→労働組合法(昭和24年法律第174号)(抄) 参照のこと。
○【参考】労働組合法における不当労働行為等に関する規定(通達)→<不当労働行為に該当しない例> 参照のこと。
○【参考】労働組合法における不当労働行為等に関する規定(通達)→<不当労働行為に該当する例>参照のこと。
○労働基準法における労働組合または労働者の代表が関わる手続について→労働基準法における労使が関わる手続は、労働協約、過半数労働組合、過半数代表者、労使委員会の区分でそれぞれ設けられて おり、労働協約方式が採用されているのは賃金の通貨払部分のみである。 参照。
○過半数代表が関与する制度(個別的労働関係法@〜B)→「制度の概要」「根拠条文」「関与の態様」「適用単位」「機能による分類」について1〜38番まで。
○過半数代表が関与する制度(労働市場法)→「制度の概要」「根拠条文」「関与の態様」「適用単位」「機能による分類」について1〜9番まで。
○過半数代表が関与する制度(その他)→「制度の概要」「根拠条文」「関与の態様」「適用単位」「機能による分類」について1〜10番まで。
○労働者・事業主に対する通知等を規定している主な例→「名称」「概要」「根拠条文」「明示・通知等の方法」「について1〜8番まで。

○労働基準関係法制研究会報告書 概要↓
3 労使コミュニケーションの在り方について↓
○ 労使コミュニケーションの意義と課題
→労働基準関係法制については、守るべき原則をしっかりと堅持した上で、法令において定められた最低労働基準としての規制の 原則的な水準を守りつつ、多様な働き方を支える仕組みとすることが必要である。 そのためには、それぞれの規制において適切な水準が担保されることを前提に、労使の合意等の一定の手続の下に個別の企業、 事業場、労働者の実情に合わせて法定基準の調整・代替を法所定要件の下で可能とする仕組みとなっていることも必要となる。 こうした仕組みが有効に弊害なく機能するためには、それを支える基盤として、労働者が意見を集約して使用者と実効的なコ ミュニケーションを行い得る環境が整備されていることも必要となる。
○ 労働組合による労使コミュニケーションについて→労働基準法における労使協定や就業規則の手続において、過半数代表として優先されるのは過半数労働組合であることも踏まえ ると、労働組合が実質的で効果的な労使コミュニケーションを実現する中核となる。労働組合を一方の担い手とする労使コミュニ ケーションを活性化していくことが望ましい。 例えば、労働組合が過半数代表として活動する場合の活動時間の確保や、使用者からの必要な情報の提供、意見集約のための労 働者へのアクセス保障などの支援は、過半数労働組合、過半数代表者のいずれが過半数代表の役割を果たす場合においても共通して必要と考えられるため、労働組合が過半数代表として活動する場合に、当該労働組合に対しても行うことができる支援として明 確化していくことが必要と考えられる。 また、これも過半数労働組合と過半数代表者に共通しているが、労働基準法等に基づく労使協定を締結する際等には、過半数代 表は、事業場の全労働者の代表として意見集約していくべきということも明確化すべきである。

○ 「過半数代表者」の適正選出と基盤強化について
(1) 過半数代表者の選出手続について
→ 労使協定の締結のために、過半数代表者の選出を労働者側に求める際には、使用者は、当該事業場でこれまでにどのような労使協定が締結されており、今回選出する過半数代表者に対してはどの労使協定に関する手続を求めるのか、その労使協定にどのよう な内容を盛り込みたいのか等を明らかにすることが求められる。 労働者が過半数代表者を選出するに当たっては、候補者となる労働者の意思を確認し、事業場内で周知し、労働者が選挙、信任 投票等を行うべきことを明らかにする必要がある。その上で、使用者は、プラットフォーム(事業場内での選挙設備や社内イントラネットなど)を用意するなど、選出事務に配慮することが求められる。その際、具体的にどの程度の配慮まで認められるのかに ついて明らかにする必要がある。 過半数代表の意義や役割、選出手続、適正な選出の必要性、労働者の意見集約の手法等について知識を得る教育・研修の機会が あることが求められる。行政において一定の教育・研修資料等を作成し、それを提供するという形が望ましいと考えられる。
(2) 過半数代表者が担う役割及び過半数代表者となった労働者に対する使用者による情報提供や便宜供与→ 過半数代表者が役割を全うするためには、法定基準の趣旨等を理解した上で、事業場の働き方の実態に関する情報を得ることが必要になる。例えば、36協定を締結するためには、過半数代表者が事業場の平均時間外労働時間数、最長時間外労働時間数、時間 外労働が必要となる業務内容等についての情報を得て、具体的に協定内容の是非を判断できることが必要である。また、事業場の 労働者の意見を集約するために、従業員名簿や、当該協定の影響を受ける労働者が誰であるかといった情報も必要。こうした情報は使用者側が保有しているものであるため、過半数代表者に対するこうした情報の提供を使用者の責務として位置付けるこ とが必要ではないかと考えられる。 また、過半数代表者としての活動には相応の時間を要することから、労働時間の中で活動することへの一定の保障を検討することが考えられる。また、意見集約のための社内イントラネットや通信機器、コピー機等の社内設備の使用等についての便宜供与が 必要となることが考えられる。使用者がどのような便宜供与を行うことが望ましいか、どのようなものが許容されるのかを明確に することが求められる。 過半数代表者であること等を理由とした解雇・異動等の不利益取扱いをしてはならない旨を明確化することが求められる。
(3) 過半数代表者への相談支援→ 過半数代表者や労使委員会の労働者側委員が活動するに当たり、行政機関や外部専門家、労働組合等の相談支援を受けたいと考 える場合も想定される。行政機関(労働委員会を含む。)においては、相談体制の整備や、相談窓口の周知等も行うことが求めら れる。
(4) 過半数代表者の人数→現行法でも複数人の過半数代表者を選出することは適法に可能であることから、複数人選出の選択肢もあることを明らかにして いくことが考えられる。 (5) 過半数代表者の任期→任期を定めて過半数代表者を選出する選択肢もあることを明らかにしていくことが考えられる。任期を定めて選出することで、 過半数代表者として役割を担う期間が明確化され、また、前述した過半数代表者の複数人選出と併せ、各過半数代表者の任期をず らすことで継続的な労使コミュニケーションを行うことが可能となることも考えられる。
(6) 労働基準法における規定の整備→過半数代表者の適正選出を確保し、基盤の強化を行うに当たり、まずは労働基準法において、「過半数代表」、「過半数労働組 合」、「過半数代表者」の法律上の位置付け、役割、過半数代表者に対する使用者からの関与や支援等を明確に定める規定を設け る法改正を行うことが必要と考える。
【法制度のイメージの例】→ ○ 法律(その委任命令を含む。)に規定することが考えられる事項 ○ ガイドライン等に規定することが考えられる事項  参照。

○ 労使協定・労使委員会等の複数事業場での一括手続について→ 次の図に示すように、事業場単位の労使合意を前提としつつ、手続をある程度まとめて行うことは現行法上許容されており、そ の点を明らかにすることが考えられる。 一方で、複数事業場をまとめて手続を行うことについての提案を使用者が行うことは許容されるとしても、事業場の過半数代表 がこれを拒否する場合には、原則どおり事業場単位で労使協議を行うこととなる。その際、過半数代表の持つ機能と権限を、過半 数代表が正しく認識できるよう、個別事業場単位で労使協議を行うことができる旨の明確化と周知徹底が必要であると考えられる。

○ 労働者個人の意思確認について→ 働き方の多様化に対応して個別の制度を検討する場合に、事項によっては、各制度における個人の意思確認の必要性の度合いや、 現場の働き方の実態を踏まえて、集団的合意に重ねて本人同意を求める制度をそれぞれに検討することが適当と考えられる。
○ 労働基準関係法制における労使コミュニケーションの目指すべき姿→ 労働基準法における労使協定は、法律で定められた規制の原則的な水準を個別の企業、事業場、労働者の実情に合わせて法所定要 件の下で調整・代替することについて、免罰効を与えるとともに、当該事項に係る法定基準の強行性を解除する効果を持つ。 現行法においては、その時々に選出された過半数代表者によってこの労使協定が締結されるが、締結後にそれが締結当初の趣旨ど おりに実施されているかについてモニタリングを行う制度はない。将来を見据えれば、モニタリングを含めた労使コミュニケーションを恒常的かつ実質的な形で行うことができる体制が確保されることが求められる。 この点について、労働組合の機能が優先されることを前提としつつ、現に労働組合がない事業場等におけるコミュニケーションの 在り方を考えてみると、諸外国においては、労働者のみで構成される労働者の集団全体を適切に代表する組織を設ける仕組みや、労使双方で構成する委員会を設け意思決定を行う仕組み等が制度化されており、将来的には、これらも視野に、我が国における労使コミュニケーションの在り方を検討していくことが期待される。 本節でこれまで論じてきた事項は、こうした将来の検討にもつながるものである。まずは、労働組合の活性化が望まれるとともに、 過半数代表者の改善策を実施し、その状況を把握しながら、労使コミュニケーションの在り方について更に議論を深めていくべきである。

次回も続き「参考資料No.1 労働時間制度等に関する実態調査結果について(概要)」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第2回) [2025年06月21日(Sat)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第2回)(令和7年5月26日)
<議題>1.こども性暴力防止法の安全確保措置A(犯罪事実確認) 2.こども性暴力防止法の安全確保措置B(防止措置) 3.こども性暴力防止法の情報管理措置について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/d4cfb3a5
◎参考資料1−1 こども性暴力防止法(条文)
学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等の ための措置に関する法律(令和6年法律第69号)
第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、児童対象性暴力等が児童等の権利を著しく侵害し、児童等 の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであることに鑑 み、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にある学校 設置者等及び民間教育保育等事業者が教員等及び教育保育等従事者による児 童対象性暴力等の防止等をする責務を有することを明らかにし、学校設置者 等が講ずべき措置並びにこれと同等の措置を実施する体制が確保されている 民間教育保育等事業者を認定する仕組み及び当該認定を受けた民間教育保育 等事業者が講ずべき措置について定めるとともに、教員等及び教育保育等従 事者が特定性犯罪事実該当者に該当するか否かに関する情報を国が学校設置 者等及び当該認定を受けた民間教育保育等事業者に対して提供する仕組みを 設けることとし、もって児童等の心身の健全な発達に寄与することを目的
とする。
(定義) 第二条
(学校設置者等及び民間教育保育等事業者の責務等) 第三条

第二章 学校設置者等が講ずべき措置等
(犯罪事実確認義務等) 第四条
(児童対象性暴力等を把握するための措置) 第五条
(犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置) 第六条
(児童対象性暴力等が疑われる場合等に講ずべき措置) 第七条
(研修の実施) 第八条
(県費負担教職員の場合の特例) 第九条
(施設等運営者がある場合の特例) 第十条
(犯罪事実確認記録等の管理に関する措置) 第十一条
(利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止) 第十二条
(犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告) 第十三条
(犯罪事実確認記録等の適正な管理) 第十四条
(帳簿の備付け及び定期報告) 第十五条
(報告徴収及び立入検査) 第十六条
(犯罪事実確認義務に違反した場合の公表) 第十七条
(是正命令) 第十八条

第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措 置等
(認定の申請) 第十九条 (認定の基準等) 第二十条 (共同認定の申請) 第二十一条
(認定等の表示) 第二十三条  (変更の届出等) 第二十四条
(児童対象性暴力等対処規程の遵守義務) 第二十五条
(犯罪事実確認義務等) 第二十六条
(犯罪事実確認記録等の適正な管理) 第二十七条
(帳簿の備付け及び定期報告) 第二十八条 (報告徴収及び立入検査) 第二十九条
(適合命令及び是正命令) 第三十条  (廃止の届出) 第三十一条
(認定等の取消し等) 第三十二条

第四章 犯罪事実確認書の交付等
(犯罪事実確認書の交付申請) 第三十三条 
(内閣総理大臣による犯罪事実の確認) 第三十四条
(犯罪事実確認書の交付) 第三十五条
(犯罪事実確認書管理簿) 第三十六条
(犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去) 第三十八条

第五章 雑則
(手数料) 第四十条  (関係大臣への協議) 第四十一条
(こども家庭庁長官への内閣総理大臣に係る権限の委任) 第四十二条

第六章 罰則

(情報不正目的提供罪) 第四十三条
(犯罪事実確認書不正取得罪) 第四十四条
(虚偽表示罪及び情報漏示等罪) 第四十五条
(帳簿の不備等の罪) 第四十六条  (国外犯) 第四十七条
(両罰規定) 第四十八条

附 則 抄
(施行期日) 第一条
(改正前の刑法に規定する罪についてのこの法律の適用関係) 第二条
(懲役を言い渡す裁判についてのこの法律の適用関係) 第三条
(準備行為) 第四条 (政令への委任) 第五条 (検討) 第六条


◎参考資料1−2 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性 暴力等の防
止等のための措置に関する法律案に対する附帯決議
(令和6年5月22日 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)
→19項目あり。
(令和6年6月18日 参議院内閣委員会)→19項目あり。


◎参考資料1−3 こども性暴力防止法用語一覧
・用語(19用語)、それへの説明、備考あり。

◎参考資料1−4 参照条文等(関係法令・指針・ガイドライン)
○目次 のみ

●教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57 号)(抄)
●教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針(令和4年 3月18日文部科学大臣決定、令和5年7月13日改訂)(抜粋)
●保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針について(令和5 年3月27日付け子発0327第5号厚生労働省こども家庭局長通知)(抜粋)
●事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき 措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)(抜粋)
●私立学校法(昭和24年法律第270号)(抄)
●社会福祉法(昭和26年法律第45号)(抄)
●会社法(平成17年法律第86号)(抄)
●行政手続法(平成5年法律第88号)(抄
●戸籍法(昭和22年法律第224号)(抄)
●地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)(抄)
●国家公務員法(昭和22年法律第120号)(抄)
●地方公務員法(昭和25年法律第261号)(抄)


◎参考資料2 関係制度概要等
1)安全確保措置A (犯罪事実確認)
○スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置形態について 参照のこと。
○パワハラ防止指針における「顧客等からの著しい迷惑行為」
→「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置 等についての指針」(令和2年厚生労働省告示第5号)において、顧客等からの著しい迷惑行為に関し、事 業主が行うことが望ましい取組の内容が規定されている。⇒「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(抄) 参照のこと。
○カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(2022年2月作成)→<マニュアルが対象とする「カスタマーハラスメント」のイメージ>⇒顧客等からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要 求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの。
○道路運送法施行規則等の改正→SNS の普及をはじめとした時代の変化に伴い、乗務員等のプライバシーを守り安心して働くための環境を整備しつつ、旅 客に対する適切な情報提供を行う観点から車内の掲示規定の見直しを行い、令和5年8月1日付で道路運送法施行規則等が 改正された。⇒R5.8.1改正後 参照のこと。
○医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律 施行通知及びQ&Aの改正 ○薬剤師等の名札への氏名記載について、ストーカー被害やカスタマーハラスメントの防止等の観点から見直しを行い、令和4年6月 27日付で施行通知およびQ&Aが改正された。

2)安全確保措置B (防止措置)
○労働者派遣とは   参照のこと。
○総合労働相談コーナーについて
→・各都道府県労働局や全国の労働基準監督署等に設置(全国379か所)し、専門の相談員を配置 ➢解雇、雇止め、配置転換、賃金の引下げなどの労働条件のほか、募集・採用、いじめ・嫌がらせなどのあらゆる 労働問題について、労働者、事業主等からの相談に応じ、問題点、解決方法、処理機関等についての情報を提供 するワンストップサービスを実施


◎参考資料3 こども性暴力防止法における情報管理措置の「基本的考え方」 (抜粋)
○目次のみ↓
1. 総論

1.1 目的
1.2制度概要(情報管理措置関連)
1.2.1対象事業者
1.3犯罪事実確認記録等
1.3.1犯罪事実確認
1.3.2犯罪事実確認記録等の取扱い
1.3.3情報漏えい等の報告
1.3.4帳簿の備付け及び定期報告
1.3.5犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去
2 法における情報管理措置の基本的考え方
2.1 情報管理措置の基本原則
2.2 情報管理措置の具体的内容
2.3 基本方針の策定
2.4 組織的情報管理措置
2.5 人的情報管理措置
2.6 物理的情報管理措置
2.7 技術的情報管理措置
3. 留意事項
3.1 派遣・請負等について
3.2 人事情報における取扱い
3.3 民間教育保育等事業者の認定に際しての人数要件
4.参考資料
参考資料1 こども性暴力防止法における犯罪事実確認記録等の第三者提供の例外措置参考資料2 略
参考資料3 略
参考資料4 情報管理規程(ひな型)
以下略

次回は新たに「第198回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第2回) [2025年06月20日(Fri)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第2回)(令和7年5月26日)
<議題>1.こども性暴力防止法の安全確保措置A(犯罪事実確認) 2.こども性暴力防止法の安全確保措置B(防止措置) 3.こども性暴力防止法の情報管理措置について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/d4cfb3a5
◎資料1 こども性暴力防止法の安全確保措置A(犯罪事実確認)について
≺論点@ 犯罪事実確認の期限等 ≻↓
3)犯罪事実確認
○論点@ 犯罪事実確認の期限等
【確認期限】→法においては、学校設置者等(@〜B)又は認定事業者等(C〜E)に、犯罪事実確認を行わなければならないこととされている。
(学校設置者等)
@ 教員等 (施行時現職者を除く。)としてその本来の業務に従事させようとする者については、当該業務を行わせるまで (法第4条第1項) A 施行時現職者 については、施行日から起算して3年以内で政令で定める期間 を経過するまで(法第4条第3項)B 犯罪事実確認を行った者については、確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度の末日まで(法第4条第4項)
(認定事業者等)C 教育保育等従事者(認定時現職者を除く。)としてその本来の業務に従事させようとする者については、当該業務を行わせるまで(法第26条第1項)
D 認定時現職者については、認定等の日から起算して1年以内で政令で定める期間 を経過するまで(法第26条第3項)E 犯罪事実確認を行った者については、確認日の翌日から起算して5年を経過する日の属する年度の末日まで(法第26条第6項)
【いとま特例】また、法第4条第2項又は法第26条第2項においては、学校設置者等又は認定事業者等は、 ・ 急な欠員を生じた場合その他のやむを得ない事情として 内閣府令で定めるもの ・ 教員等又は教育保育等従事者について対象業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行ういとまがない場合であって、直ちにその者に当該業務を 行わせなければその事業等の運営に著しい支障が生ずるとき は、・ 当該教員等又は教育保育等従事者の犯罪事実確認を、当該業務に従事させた日から6月以内で政令で定める期間内 行うことができることとされている。 ただし、学校設置者等又は認定事業者等は、犯罪事実確認を行うまでの間は、その者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な措置を講じなければならないこととされている。

○犯罪事実確認の期限等に関する次のアからオまでに掲げる事項については、政令、内閣府令及びガイドラインにおいて、その具体的内容等を規定・ 明確化する必要がある。
ア 犯罪事実確認の期限(法第4条第1項及び第3項並びに第26条第1項及び第3項)
イ いとま特例が適用される「やむを得ない事情」の内容(法第4条第2項及び第26条第2項)
ウ いとま特例が適用される場合の確認期限(法第4条第2項及び第26条第2項)
エ いとま特例が適用される場合に講じる必要な措置(法第4条第2項及び第26条第2項) オ 離職の解釈(法第38条第2項第1号)

○上記のア〜オについて、論点@ 犯罪事実確認の期限等では「前提・考え方」「対応案」として検討されています。

≺論点A 犯罪事実確認の手続 ≻↓

○ 犯罪事実確認については、法に基づいて、次の順序で実施される。↓
@ 対象事業者は、内閣総理大臣(こども家庭庁)に犯罪事実確認書の交付を申請する(法第33条第1項) A 対象事業者は、申請書提出時に、申請従事者に、申請対象者情報(当該申請従事者の氏名、住所又は居所、生年月日及び性別等)を記載した書 面その他必要書類を内閣総理大臣(こども家庭庁)に提出させる(法第33条第5項) B 内閣総理大臣(こども家庭庁)が法務大臣(法務省)に対し、本人特定情報を提供し、当該申請従事者の特定性犯罪の有無等を照会する(法第 34条第1項) C 法務大臣(法務省)より内閣総理大臣(こども家庭庁)へ確認を行った日及び当該申請従事者の特定性犯罪の有無等を通知する(法第34条第2項)
(犯歴無しの場合)→D−1 当該申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められない場合には、内閣総理大臣(こども家庭庁)は、交付申請をした対象事業者に 対し、犯罪事実確認書を交付する(法第35条第1項)
(犯歴有りの場合)→D−2 当該申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められる場合には、内閣総理大臣(こども家庭庁)は、あらかじめ、当該申請従事者に 犯罪事実確認書に記載する内容を通知する(法第35条第5項) E−1 当該申請従事者が通知を受けた日から2週間以内に訂正請求を行わない場合は、内閣総理大臣(こども家庭庁)は、交付申請をした対象事業者に対し、犯罪事実確認書を交付する(法第35条第5項) E−2ー1 当該申請従事者は、通知内容が事実でないと思料するときは、内閣総理大臣(こども家庭庁)に対して、訂正請求を行う(法第37条第 1項) E−2ー2 内閣総理大臣(こども家庭庁)は、必要があるときは、法務大臣(法務省)に対し、通知内容の確認を求める(法第37条第4項) E−2−3 法務大臣(法務省)は、通知内容に誤りを発見したときは、内閣総理大臣(こども家庭庁)に対して、内容を訂正して通知する(法第 37条第5項) E−2−4 内閣総理大臣(こども家庭庁)は、訂正請求に理由があると認めるときは、通知内容を訂正する旨の決定をし、当該申請従事者にその 旨を書面により通知するとともに、対象事業者に対して訂正した内容を記載した犯罪事実確認書を交付する(法第37条第6項)
○犯罪事実確認事務フロー(イメージ)
・犯罪事実確認書交付フロー(犯歴なしの場合)→@〜D
・犯罪事実確認書交付フロー(犯歴ありの場合)→@〜❻−2

○犯罪事実確認の手続については、次のアからオまでに掲げる事項を、内閣府令、ガイドライン及びマニュアルにおいて規定・明確化する必要がある。 ↓
ア 手続の具体的な手順 イ 対象事業者からの申請書記載事項・添付書類 ウ 申請従事者の書面記載事項・添付書類 エ 犯罪事実確認書の様式 オ 標準処理期間 カ その他手続き事項
○上記のア〜カについて、論点A 犯罪事実確認の手続では「前提・考え方」「対応案」として検討されています。

≺論点B その他留意すべき点 ≻↓
○論点@・Aに掲げる犯罪事実確認に関する事項に加えて、次のアからカまでの事項について、内閣府令及びガイドラインにおいて規定・明確化する 必要がある。
ア 現職者確認の方法(※ 第3回検討会において議論) イ 学校設置者等のこども性暴力防止法関連システムへの登録方法(※ ウ 申請従事者が都道府県採用のSC・SSW等の場合の留意点 エ 事業者における犯罪事実確認の実施状況等の情報開示 オ 犯罪事実確認管理簿の様式等 第3回検討会において議論) カ 教員性暴力等防止法及び児童福祉法のデータベースの利用手続の工夫
○上記のウ〜カについて、論点A 犯罪事実確認の手続では「前提・考え方」「対応案」として検討されています。


◎資料2 こども性暴力防止法の安全確保措置B(防止措置)について
4)安全確保措置B(防止措置) ↓
≺論点@ 防止措置等の内容≻↓
○ こども性暴力防止法(以下「法」という。)第6条においては、
学校設置者等は、「犯罪事実確認に係る者について、その犯罪事実確認の結果、 前条第一項の措置により把握した状況、同条第二項の児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえ、その者による児童対象性暴力等が行われる おそれがあると認めるときは、その者を教員等としてその本来の業務に従事させないことその他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置 を講じなければならない。 」と規定している。 ※ 認定事業者等については、法第20条第1項第4号イ及び第25条により、同等の措置が課せられている。
○ 児童対象性暴力等を防止するために必要な措置(以下「防止措置」という。)については、ガイドラインにおいて、次のアからオまでに掲げる事 項の考え方を示す必要がある。
ア 児童対象性暴力等が行われる「おそれがあると認めるとき」の解釈
イ 児童対象性暴力等が行われる「おそれ」の判断プロセス
ウ 児童対象性暴力等が行われる「おそれ」に応じた防止措置の内容
エ 労働法制等を踏まえた留意点
○「防止措置」について(労働法制等の前提)(参考)→「おそれ」の内容に応じた防止措置として、雇用管理上の措置として主に想定されるもの及びその場合の留意点は以下のとおり。⇒配置転換、内定取消し、懲戒解雇 留意点等参照のこと。
○労働法制上の観点から事業者があらかじめ行うべきと考えられる主な事項→事業者があらかじめ定めておくべき事項、事業者が、求職者・現職者(※1)等に対し、あらかじめ確認・伝達を行っておくべき事項  参照のこと。

○上記のア〜エについて、論点@ 防止措置等の内容では「前提・考え方」「対応案」として検討されています。

≺論点Aその他の労働法制等に係る 留意点 ≻↓
4)安全確保措置B(防止措置)
論点A その他の労働法制等に係る留意点↓
○論点@に掲げる防止措置に関する事項に加えて、法の附帯決議も踏まえ、次のアからウまでに掲げる労働法制等に関連する事項の考え方について、 ガイドラインにおいて、示す必要がある。

ア 法定の期限内に従事者から戸籍等の提出がなく犯罪事実確認ができなかった者への対応
イ 対象業務従事者が派遣労働者等である場合の対応
ウ 事実認定や措置の判断に誤りがあった場合の対応
エ 内定辞退者への偏見防止
○上記のア〜エについて、論点A その他の労働法制等に係る留意点では「前提・考え方」「対応案」として検討されています。


◎資料3 こども性暴力防止法の情報管理措置について
5)情報管理措置
情報管理措置の全体像
○法においては、対象事業者に求める情報管理措置について、次の@からDまでに掲げる定めを置いている。

@犯罪事実確認記録等の適正な管理
A目的外利用・第三者提供の禁止
B漏えい等の重大事態のこども家庭庁への報告
C犯罪事実確認記録等の廃棄・消去
D監督等

情報管理措置を検討するに当たっての前提↓
(1) 個人情報保護法との関係
→○ 個人情報の保護に関する一般法である個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号。以下「個人情報保護法」という。)においては、民 間部門(個人情報取扱事業者)及び公的部門(行政機関等)の事業者に対する情報保護に係る規律がそれぞれ定められており、法に基づく対象事業 者が犯罪事実確認記録等を取り扱う場合も、当該規律は適用される。○ 一方、犯罪事実確認記録等は、個人情報の中でも特に配慮が必要な機微性の高い個人情報であり、漏えい等した場合の権利利益の侵害や制度に対する信頼の喪失のおそれが大きいため、法においては、個人情報保護法上の規律に加えて、より 厳格な規制を課すことが必要 であるとの考えの下、前述の@からDまでの規定が置かれている。○ 法に基づく情報管理措置の具体的内容を検討するに当たっても、このような考え方を踏まえるとともに、個人情報保護法における規律との整合性 を図る必要がある。
(2) 「こども性暴力防止法における情報管理措置の基本的考え方」→○ 本年3月、令和6年度のこども家庭庁委託研究事業において、法に定める情報管理措置の内閣府令委任事項、ガイドライン事項等の検討に資する ものとして「こども性暴力防止法における情報管理措置の基本的考え方 」(以下単に「基本的考え方」という。)を取りまとめた。 ○ 法に基づく情報管理措置の具体的内容の検討に当たっては、この「基本的考え方」の内容も踏まえることとする

≺論点@ 犯罪事実確認記録等の 適正な管理≻↓
○ 法第14条においては、
犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならないこととされている。 また、法第11条において、犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認記録等の管理責任者の設置その他の犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置として内閣府令で定めるものを講じなければならないこととされている。 ※ 認定事業者等についても、法第20条第1項第6号及び第27条第1項において、同等の措置が求められている。
○ 犯罪事実確認記録等の適正管理のための必要な措置については、内閣府令において具体的に定めるとともに、ガイドラインにおいてその詳細、留 意点等を示す必要がある。
・犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置の具体的内容(全体構成)→(個人情報保護法との関係)(「基本的考え方」との関係)⇒対応案 参照のこと。
・「情報管理規程」に盛り込むべき内容:@基本的事項→(法の特性)(基本原則)⇒対応案 参照のこと。
・「情報管理規程」に盛り込むべき内容:A組織的情報管理措置、B人的情報管理措置、C物理的情報管理措置、D技術的情報管理措置⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。

≺論点A 目的外利用・第三者提供の禁止 ≻
5)情報管理措置
論点A 目的外利用・第三者提供の禁止
○ 法第12条においては、
犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは法第6条の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない こととされている。⇒・ 都道府県教育委員会と市町村教育委員会との間(県費負担教職員の場合)及び学校設置者等と施設等運営者との間で、防止措置の実施に必要な限度において提供する場合(同条第1号) ・ 訴訟等の裁判所手続又は刑事事件の捜査のために提供する場合(同条第2号) ・ 情報公開・個人情報保護審査会の求めに応じて提示する場合(同条第3号) ・ 法、児童福祉法等の規定に基づき、報告徴収・立入検査等に応じる場合(同条第4号) ※ 認定事業者等についても、法第27条第2項等において、同等の措置が求められている(違反は認定取消事由)。
○ 法第39条においては、犯罪事実確認書受領者等又はその役員、従事者等は、犯罪事実確認書に記載された犯歴情報 をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならないこととされている(違反は罰則あり)。
○ 法第43条においては、これらの者が、犯罪事実確認書に記載された情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供したときは、 刑罰が科される こととなっている。
○ これらの規定に関する次のア及びイに掲げる具体的な考え方、留意点等について、ガイドラインにおいて明確化する必要がある。 ア 目的内利用に該当する場合の明確化 イ 第三者提供の禁止に該当する場合の明確化等
ア 目的内利用に該当する場合の明確化⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
イ 第三者提供の禁止に該当する場合の明確化⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。

≺論点B 漏えい等の重大事態の こども家庭庁への報告 ≻↓
5)情報管理措置
論点B 漏えい等の重大事態のこども家庭庁への報告↓
〇 法第13条においては、
犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認書に記載された情報の漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われて いないと認められる事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして内閣府令で定めるものが生じたときは、 内閣府令で定めるところにより 、直ちにその旨を内閣総理大臣に報告しなければならない こととされている。 ※ 認定事業者等についても、法第27条第2項において、同等の措置が求められている(違反は認定取消事由)。
〇 本規定における「犯罪事実確認書に記載された情報の漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われていないと認める事態であって個 人の権利利益を害するおそれが大きいもの」及び報告の内容・方法については、次のアからウまでに掲げる事項について、内閣府令において定める とともに、ガイドラインにおいてその具体的内容、留意点等を示す必要がある。
ア こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態
イ こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態の報告内容
ウ こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態の報告方法


ア こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態 ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
イ こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態の報告内容 ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
ウ こども家庭庁への報告を要する漏えい等の重大事態の報告方法⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。

○犯罪事実確認記録等の漏えい等の重大事態が生じた際の事務フロー(イメージ)→【報告対象となる重大事態】 @犯罪事実確認記録等の漏えい、滅失若しくは毀損が発生し、又は発生したおそれがある事態 A犯罪事実確認記録等が法第12条に違反して第三者に提供される事態 B特定性犯罪事実関連情報(防止措置を実施するために、特定性犯罪前科が確認された従事者から直接聴取した具体的な性犯罪前科の情 報)の漏えい等が発生し、又は発生したおそれがある事態

≺論点C 犯罪事実確認記録等の廃棄・消去 ≻↓
5)情報管理措置
論点C 犯罪事実確認記録等の廃棄・消去↓
〇 法第38条においては、
犯罪事実確認書受領者等は、犯罪事実確認記録等について、
・ 犯罪事実確認の確認日から5年後の属する年度の末日 から起算して30日
・ 離職等の日 から起算して 30日
・ 対象事業者に該当しなくなった日 から起算して 30日
を経過する日までに廃棄・消去しなければならないこととされている(違反に対する罰則有り(法第46条第1項第3号))。
〇 犯罪事実確認記録等の廃棄・消去について、ガイドラインにおいてその具体的な方法、留意点等を示す必要がある。
・犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去 ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。

≺論点D 監督等 ≻↓
5)情報管理措置
論点D 監督等↓
○ 法第15条においては、
犯罪事実確認実施者等は、内閣府令で定めるところにより、帳簿に犯罪事実確認の実施状況を記載し、保存しなければなら こととされている。 また、犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認の実施状況及び 犯罪事実確認記録等の管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期 的に内閣総理大臣に報告しなければならないこととされている(帳簿不備、虚偽報告等は罰則有り)。 ※ 認定事業者等についても、法第28条において、同等の措置が求められている(違反は認定取消事由)
○ 法第16条においては、内閣総理大臣は、 犯罪事実確認実施者等に対し、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し必要な報告徴収・立入検査を行うことができることとされている (違反報告等は罰則有り)。 ※ 認定事業者等についても、法第28条において、同等の措置が求められている(違反は認定取消事由)。
○ 法第18条においては、内閣総理大臣は、犯罪事実確認実施者等が法第11条又は第14条の規定(犯罪事実確認記録等の適正管理)に違反していると認めるとき(漏えい等が生じた場合に限る。) は、是正命令を行うことができる こととされている。また、法第35条第3項により、措置が講じられるまでの間は、犯罪事実確認書の交付は行われないこととされている。 ※ 認定事業者等についても、法第30条に基づく適合命令・是正命令があり、法第35条第3項が適用される(命令への違反は認定取消事由) 。
○ 法第24条第3項においては、認定事業者等は、児童対象性暴力等対処規程又は情報管理措置を変更するとき(軽微な変更として内閣府令で定める ものを除く。)は、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない こととされている(違反は認定取消事由) 。
○ これらの情報管理措置に関する監督等について、次のアからウまでに掲げる具体的内容について、内閣府令・ガイドラインにおいて規定・明確化 する必要がある。
ア 定期報告  イ 是正命令  ウ 情報管理措置の変更の届出


ア 定期報告  ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
イ 是正命令  ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
ウ 情報管理措置の変更の届出⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。

≺論点E その他留意すべき点 ≻
5)情報管理措置 論点Eその他留意すべき点

○論点@からDまでに掲げる情報管理措置に関する事項に加えて、次のアからウまでの事項について、内閣府令及びガイドラインにおいて規定・明 確化するとともに、こども性暴力防止法関連システムの仕様に盛り込む必要がある。 ア 民間教育保育等事業者の認定要件 イ 法に基づき収集した機微性の高い情報の取扱いの留意事項 ウ こども性暴力防止法関連システムにおける情報管理措置の対応事項

ア 民間教育保育等事業者の認定要件 ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
イ 法に基づき収集した機微性の高い情報の取扱いの留意事項 ⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
ウ こども性暴力防止法関連システムにおける情報管理措置の対応事項⇒前提・考え方、対応案 参照のこと。
○犯罪事実確認記録等の取扱いの手順に応じた必要な対応(イメージ)→手順(@〜I)、情報管理措置の主な留意点あり。 参照。

次回も続き「参考資料1−1 こども性暴力防止法(条文)」からです。

プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 〜性と健康に関する正しい知識の普及に向けて〜(第5回) [2025年06月19日(Thu)]
プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 〜性と健康に関する正しい知識の普及に向けて〜(第5回)(令和7年5月21日)
議事(1) ワーキンググループからの報告(2)プレコンセプションケア推進5か年計画(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/preconception-care/e1d82425
◎資料1 小宮構成員提出資料 「プレコンサポーターTEXTBOOK」について
○概要
→「プレコンセプションケア・アドバイザー(仮称)養成 のためのマニュアル作成WG」において、「成育医療等 の提供に関するデータ分析・支援等推進事業」(女性の健康ナショナルセンター)と連携し、プレコンサポーターTEXTBOOK(以下「TEXTBOOK」という。)を作成。
○プレコンサポーターについて→・プレコンサポーターは、「プレコンセプションケアを推進することを目的とし、自治体・企業・教育機関等において、性別を問わず、性や健康に関する正しい知識の普及を図り、健康管理を行うよう促す人材」と定義。 ・プレコンサポーターは専門職が中心となって活動する場合もあるが、職種に限定されず、研修を修了すれば、 希望する方は、誰でもプレコンサポーターになるものとして想定。 ・プレコンサポーターは、各自がプレコンセプションケアに 関する情報の発信や企画、多職種・多機関との連携 促進等の活動を行う
○プレコンサポーターTEXTBOOKの構成→・TEXTBOOKは、プレコンサポーターがプレコンセプションケアに関する取組を行うに当たって必要となる知識・情報を取りまとめたもので、総論・各論から構成。 ・総論では、全てのプレコンサポーターの方に理解しておいていただきたい内容として、プレコンセプションケアの概念や取 組の必要性、対象、主な内容、支援に関する事項等について記載。 ・各論では、プレコンセプションケアに関して想定される相談内容をQA方式で記載。特に、プレコンサポーターが行う情報発信においては、生活習慣や健康管理に関する知識や、妊娠と出産に向けて特に重要となる知識等、幅広い内容を取り扱い、企画や情報発信を検討する際の参考として活用できる。主な内容としては、小児・思春期における心身の状況や 健康に関わる知識の習得状況等、性成熟期における健康課題等及び想定される相談内容等について記載。
○プレコンサポーターによる相談支援→・プレコンサポーター自身が専門職である場合は、専門的な個別相談の対応が行われることが想定される。TEXTBOOKの 内容を参考にしながら、必要に応じて、医療機関への受診や適切な支援につなげられるように対応。 ・また、専門職以外の場合でも、相談を受けることも想定されるが、専門的な質問については、こども家庭庁のホームページ やTEXTBOOKに記載されている信頼できる情報を紹介したり、適切な専門の相談窓口等へ相談することを勧める。


◎資料2 荒田参考人提出資料 「プレコンセプションケア医療者用マニュアル」について
・概要
→「医療機関等におけるプレコンセプションケア相談対応マニュアル作成WG」においては、「基礎疾患を持つ方に対するプレコンセプションケアの情報 提供の充実のための研究」(令和6年度こども家庭科学研究研究代表者:荒田尚子)と連携し、「プレコンセプションケア医療者用マニュア ル」を作成。
・マニュアルの位置づけについて→・医療機関におけるプレコンセプションケアに関する相談対応等を進める手引書として作成し、医療機関におけるプレコンセプションケアに関する 相談外来において、産科・婦人科・小児科・内科等の外来の医師、助産師、看護師、保健師又は管理栄養士等が使用することを想定。 ・対象者(対象患者)としては、性別を問わず「思春期前後〜性成熟期」の年代で、基礎疾患をもっているまたはその既往がある、月経など性や 生殖に関する悩みを抱えている、以前の妊娠で問題があったまたは不安がある、現在の健康に不安がある人を想定。
・マニュアルの方向性について→・プレコンセプションケアに精通していない医療者でも、問診票等を用いて、決まった方式でチェックし、スクリーニング検査と、対象者に対して長期的な視点を持ってコーチングを進めることができるような内容とした。 ・なお、妊娠や出産などに関して感情的な問題や、それに伴う過去のトラウマを扱う必要がある場合は、心理的なサポートを重視するカウンセリングが必要となることから、専門外来へ紹介する。 ・令和5年度に行った基礎疾患を持つ女性を対象としたフォーカスグループインタビューの結果や、関連学会へのアンケート結果などを踏まえ、4つの対象疾患に絞ってマニュアルを作成した。今後、基礎疾患に対する記載を順次増やしていく予定。 ・基礎疾患のない方に対しては、令和2〜4年度厚生労働科学研究費で作成された「プレコンノート」を相談外来で用いることを想定。 ・「プレコンセプションケアー基礎・共通ー」及び「プレコンセプションケアー疾患別ー」では、プレコンセプションケアに関する相談対応等の実施に当たって、 事前に理解しておくべき基本事項を概説。基礎疾患の有無にかかわらず全ての女性に共通する一般的なチェックポイントについて説明し、基礎疾 患やリスクを有する女性に対しては、より具体的なチェック項目や必要となるスクリーニング検査を提示し、実際の診療に活用できるよう構成。
・マニュアルの具体的な内容→1.はじめに 2.プレコンセプションケアとは 3.プレコンセプションケア医療者用マニュアルの使い方 4.プレコンセプションケア–基礎・共通⇒リプロダクティブヘルス、感染症・ワクチン、ライフスタイル、体重・運動、メンタルヘルス、婦人科のかかりつけ医、子宮頚がん・乳がん 5.プレコンセプションケア–疾患別⇒ 糖尿病・高血圧・バセドウ病・関節リウマチに関するマニュアルを、WGとの連携の下、研究班において作成 6.参考資料⇒問診票、疾患別問診票、プレコンケアプラン及び疾患別プレコンケアプランを、WGとの連携の下、研究班において作成


◎資料3−1 プレコンセプションケア推進5か年計画(案)
目 次 ↓
T.背景と経緯
→〇 女性の健診機会等を通じた妊娠前スクリーニング、アセスメント、ヘルスプロモーションの 重要性が提唱されたのは 1980 年代にさかのぼる。妊娠前の肥満や糖尿病等の健康問題 を抱えた妊娠が、周産期死亡率や母体死亡率等の増加要因として指摘されたことも踏まえ、 2006 年に米国疾病管理予防センター(CDC)が、「女性の健康や妊娠転帰に対する医学 的・行動的・社会的リスクを、予防と管理を通じて特定・修正することを目的とした一連の介入」を、プレコンセプションケアとして提唱した。 〇 2012 年には世界保健機関(WHO)が、プレコンセプションケアを「妊娠前の女性とカップルに医学的・行動学的・社会的な保健介入を行うこと」と定義し、対象者の健康状態を改善し、 母子健康アウトカムに影響しうる行動や個人的・環境要因を減らすことを目的とした。 〇 2012 年以降、英、豪等では、プレコンセプションケアを国家戦略や国家的目標に取り入れ、 サーベイランス指標を設定している。また、プレコンセプションケアに関する保健医療関係 者向けガイドラインを策定している国もある。 〇 プレコンセプションケアに関連する国内の課題は多い。1970年頃から2000年代にかけて 出生数における低出生体重児の割合が増加し、その後 9.5%前後で推移している。低出生体重児の原因のひとつに妊婦のやせの問題があるが、現在、20 歳代から 30 歳代の女性のやせは約 20%で中長期的には増加傾向にある。また、基礎疾患がある場合や出産年齢が高くなること等による周産期リスクの高い妊娠の増加や、予期せぬ妊娠の場合に妊産婦の自殺や児童虐待に至る可能性があることなど、妊娠に関係する様々な問題がある。 〇 このような状況も踏まえ、2018 年以降、プレコンセプションケアが政府の方針にも組み込まれた。「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(平成30年12月14日公布)に基づく「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」(令和3年2月9日閣議決定)において、「安心・安全で健やかな妊娠・出産、産後の健康管理を支 援するため、プレコンセプションケアの実施などの支援を求める者や、支援が必要と認められる成育過程にある者等に対して適切に支援を実施するなど、需要に適確に対応した切れ目のない支援体制を構築する」ことや、「リプロダクティブ・ヘルス・ライツ(性と生殖に関する 健康と権利)の視点に基づく、成育医療等の提供が求められている」とされている。 〇 同基本方針は、令和5年3月 22 日の閣議決定で改定され、「男女を問わず、性や妊娠に関する正しい知識の普及を図り、健康管理を促すプレコンセプションケアを推進する」こととされた。
〇 現在、こども家庭庁においては、 ・ 健康相談支援サイト「スマート保健相談室」や「妊
娠前からはじめる妊産婦のための食 生活指針」普及啓発リーフレットの作成・配布、成育
医療等の提供に関するデータ分析・ 支援等推進事業により正しい知識の普及を図るととも
に、 ・ 性と健康の相談センター事業において、相談支援体制の整備を進め、 ・ 基礎疾
患のある妊産婦等への妊娠と薬に関する相談支援事業や、基礎疾患を持つ方に 対するプレ
コンセプションケアの情報提供の充実のための研究において、専門的な相談 支援体制の整
備を進めている。 〇 一方、特に若い世代が自分の将来を展望する際に、性や健康・妊娠
に関する様々な疑問 を持ちつつも、その正しい知識の取得方法や、相談する場所・手段に
ついては、必ずしも広く知られていない。また、中高生、大学生、キャリアとのバランス
を検討している20代・30代、 具体的に妊娠を考えている方等、対象により必要とする情
報が異なる現状・課題がある。 〇 こうした状況や、背景も踏まえ、プレコンセプション
ケアに係る課題と対応について整理を 行い、今後5年間の取組の基盤となる計画の策定等
を行うことを目的として、「プレコンセプ ションケアの提供のあり方に関する検討会〜性
健康に関する正しい知識の普及に向けて〜」を設置した。 〇 検討会においては、若い世
代のニーズを踏まえ、有識者の知見を得ながら、プレコンセプションケアに関係する以下
の点を中心に議論を進めることとした。 ・ 性や妊娠に関する正しい知識の普及と情報提
供のあり方 ・ 妊娠を考える方や若い世代の健康管理に関する相談支援のあり方 〇 あわ
せて、二つのワーキンググループを設置し、医療機関等における専門的な相談及び自治
体・企業・教育機関等における一般相談や正しい知識の普及と情報提供のあり方に対 応
するためのマニュアルの作成を行うこととした。

U.プレコンセプションケアの概念及び現状・課題とその対応にあたっての基本的な考え方
1.プレコンセプションケアに関する概念の普及
(プレコンセプションケアに関する概念の普及の重要性)
(ライフステージに応じた概念の普及)
2.プレコンセプションケアに関する相談支援体制の充実
3.専門的な相談支援体制の強化
V.今後5年間の集中的な取組
1.性や健康に関する正しい知識の積極的な普及と情報提供
(1) プレコンセプションケアに関する知識の深化
(2) プレコンセプションケアの具体的な内容とその対象について
@ 若い世代の健康管理や性についての知識の深化
A 健康な妊娠と出産についての知識の深化
(3)自治体・企業・教育機関等でのプレコンセプションケアについての取組のサポー

(4) プレコンセプションケアの普及に係る人材育成
(プレコンサポーターとは)
(プレコンサポーターに期待される具体的な取組と具体的な人材の例)
<自治体><企業><教育機関>
<自治体の目標>・ 今後5年間で性と健康の相談センター事業※の取組を行う自治体を100%とする。 ※ 実施主体:都道府県、指定都市、中核市(連携して行う場合も含む) ・ 自治体職員のプレコンサポーターの研修受講やプレコンセプションケアの普及啓 発等も含め、全ての自治体でプレコンセプションケアに関する取組を実施する。
<企業の目標>・ 今後5年間で、プレコンセプションケアの取組を行う国内の企業を増やす。具体的 には、普及に向けた第一歩として、健康経営度調査等に回答する企業の80%※が プレコンセプションケアに関する何らかの取組を実施していることを目指す。
<教育機関の目標>・ 今後5年間で、支援を必要とするすべての教育機関等が、プレコンサポーターによる 支援を受けられることを目指す。
2.プレコンセプションケアに関する相談支援の充実 【一般相談】
3.プレコンセプションケアに関する医療機関等における相談支援の充実 【専門相談】

W.おわりに→〇 本計画を踏まえ、国、地方公共団体、国立成育医療研究センター等の専門機関が、それぞれの役割に応じて、着実にプレコンセプションケアを推進していくことが期待される。 〇 国は、こども家庭庁が主体となって、関係省庁や関係機関と連携し、プレコンセプションケアに関する取組を進めるとともに、取組の進捗状況や施策の効果等を評価するため、 プレコンセプションケアに関する政策の効果を定期的に評価し、改善点を見つけるための PDCAサイクルを導入することが求められる。具体的には、国はプレコンセプションケアに関する研究の中で、科学的なエビデンスを踏まえ、施策の効果等に関する指標を開発す る。 〇 さらに、プレコンセプションケアに関する具体的な取組の実施にあたっては、特に若い 世代との意見交換の機会を継続的に設け、当事者のニーズに沿った取組や支援が実施できるよう努めていく。 〇 また、地方自治体の提言※1を踏まえ、国は、地方自治体でのプレコンセプションケアの 推進に向けた取組に対して、国立成育医療研究センター等と連携した技術的助言等の支 援を行っていくことが重要である。 〇 そうした支援を活用して、希望する都道府県や市町村が、国のプレコンセプションケア 推進5か年計画も参考に、地域の実情に応じた「地方版推進計画」を策定し※2、計画的に 取組を進めることが期待される。
〇 プレコンセプションケアは、性別を問わず全ての世代にとって重要な取組であり、社会 全体での認知度向上と支援体制の整備が求められる。すべての人がプレコンセプション ケアについての知識を持ち、実践することができる社会となるよう、今後も引き続き、関係 機関と連携し、プレコンセプションケアの普及に努めることが重要である。
※1「子ども・子育て政策を強力に推進するための提言(令和6年11月12日全国 知事会)(抜粋)」 ・ 価値観やライフスタイルが多様化する中で、子ども・若者が主体的に将来を選 択できるよう、家庭生活や家族の大切さについて考える機会をつくるととも に、妊娠・出産や性に関する正しい知識を習得し、自ら主体的に適切な判断が できるよう、発達段階に合わせたライフデザイン教育やライフプランニング教 育、キャリア教育、プレコンセプションケア(若い世代が将来のライフプラン を考えて 日々の生活や健康に向き合うこと)、セクシュアル・リプロダクティ ブ・ヘルス/ ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に対する理解促進を全 国的に進めること。
※2 こどもに関する計画等の既存の計画にプレコンセプションケアに関する章を 設けるなど、地域の実情に応じて策定することも可能。

○(別紙1) プレコンサポーターについて
○(別紙2) プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 〜性と健康に関する正しい知識の普及に向けて〜 構成員名簿→19名。
○(別紙3) プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 〜性と健康に関する正しい知識の普及に向けて〜 開催経過→5回の会合。
○(別紙4) プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会 〜性と健康に関する正しい知識の普及に向けて〜 ヒアリング実施状況→(第3回検討会)まで。


◎資料3−2 プレコンセプションケア推進5か年計画を踏まえた支援体制
○「プレコンセプションケア推進5か年計画」を踏まえた今後5か年の集中的な取り組みとして、国、地方公共団体、企業、教育機関、国立成育医 療研究センター等の専門機関及び関係団体が、それぞれの役割に応じて、以下の取組を中心に、着実にプレコンセプションケアを推進していくことが 期待される。→・性や健康・妊娠に関する正しい知識の積極的な普及と情報提供  ・プレコンセプションケアに関する相談支援の充実(一般相談)
・プレコンセプションケアに関する医療機関等における相談支援の充実(専門相談)
⇒⇒性別を問わず全ての世代の人が、プレコンセプションケアについての知識を持ち、実践することができる社会へ


◎資料3−3 プレコンセプションケア推進5か年計画(案)指標一覧
(国が実施する今 後5年間の集中的な取組)↓

III.1.性や健康・妊娠に関する正しい知識の積極的な普及と情報提供
→3項目5年後の目標
III.2.プレコンセプションケアに関する相談支援の充実(一般相談)→5年後:100%。
III.3.プレコンセプションケアに関する医療機関等における相談支援の充実(専門相談)
    →現在の約60機関から5年後の目標は200以上


◎参考資料 ワーキンググループの設置について→〇 パッケージ策定に向けた会議での検討と並行して、令和7年度以降の施策推進に資するよう、こども家庭科学 研究班や国立成育医療研究センターシンクタンク事業と連携し、ワーキンググループを設置する。 〇 ワーキンググループにおいて、医療機関等における相談対応 したアドバイザー養成 と、 に係るマニュアル作成を行う。
・医療機関等におけるプレコンセプションケア相談対応マニュアル作成WG(令和5年度こども家庭科学研究)
・プレコンセプションケア・アドバイザー(仮称)養成のためのマニュアル作成WG(成育医療等の提供に関するデータ分析・ 支援等推進事業)

次回は新たに「こども性暴力防止法施行準備検討会(第2回)」からです。

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