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若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回) [2025年05月20日(Tue)]
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回)(令和7年4月21日)
議題 (1) 議論のまとめ(最終報告(案)) 2.あいさつ 内閣府特命担当大臣 (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 共生・共助) 三原 じゅん子
https://www.cfa.go.jp/councils/lifedesign-wg/6bd5258e
◎参考資料1.ワーキンググループの議論を踏まえたここまでの対応について
○地域少子化対策重点推進交付金(令和7年度)
令和7年度予算10億円/令和6年度補正予算83億円

・地域少子化対策重点推進事業(補助率:3/4、2/3、1/2 )→自治体が行う以下の事業を支援⇒「ライフデザイン・結婚支援 重点推進事業」「結婚支援 コンシェルジュ事業」「結婚、妊娠・出産、子育てに温かい 社会づくり・気運醸成事業」 参照のこと。
・結婚新生活支援事業(補助率:2/3、1/2 )→・自治体が行う結婚新生活支援事業(結婚に伴う新生活を経済的に支援(家賃、引越費用等を補助)する取組)を支援。 ・都道府県主導型市町村連携コース(補助率:2/3) 参照のこと。

○重点メニュー(補助率3/4) 〜若い世代の描くライフデザイン支援〜→将来の様々なライフイベントに対応できる知識・情報(結婚、子育て、ワーク・ライフ・バランス等)を習得するセミナーやワークショップを実施したり、乳幼児とふれあう体験や子育て世帯との意見交換などを通じて結婚・子育てに対する理解を深めたりすること等により、若い世代が希望を持ってライフデザインを描けるように支援する取組⇒取組例@ライフデザインセミナー、取組例A子育て家庭やこどもとのふれあい体験 参照のこと。

○重点メニュー(補助率3/4) 〜結婚支援事業者との官民連携型結婚支援〜→結婚支援の専門的な知見を持つ民間の結婚支援事業者(結婚相談所、仲人、マッチングアプリ等)と自治体が連携すること により、相互の利点を活かして結婚を希望する若い世代のニーズを踏まえた結婚支援を推進する取組⇒取組例@〜取組例C 参照のこと。

○若い世代のライフデザインの可能性の最大化(民間企業等と連携したライフデザイン支援)→・本経費は、「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)を踏まえ、こどもや子育て世帯に温かい社会づくりに向けた国民の理解促進、共働 き・共育てのベースとなる男性の家事・育児参画の促進、若い世代の結婚や子育てに対する漠然とした不安の解消と、結婚やこどもを生み、育てる ことを希望した場合に、その希望がかなえられるような、結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくりの気運醸成を図ることを目的としている。
・また、令和6年7月からは大臣の下での「若い世代の描くライフデザインや出会いに関するワーキンググループ」が開催されており、「企業等での 取組を通して、ライフデザイン支援の裾野を広げていくことが重要」「ライフデザイン支援は、社会人になってからも、若手の時期、転職の時、婚 活中、結婚前後、新婚期といったステータスを捉えて実施していくことが重要」であるなどの議論があったことを踏まえ、民間企業等と連携し、将 来に向けてライフデザインを行う機会が多い若い世代の社会人をターゲットとして、結婚やこどもを生み育てることも未来の選択肢の一つとしなが らそれぞれの価値観に基づき能動的に人生を選択できるようになることを目指す。⇒事業の概要 参照。

○若い世代のライフデザインの可能性の最大化 (若い世代によるライフデザインに関する情報発信等)→・本経費は、「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)を踏まえ、こどもや子育て世帯に温かい社会づくりに向けた国民の理解促進、共働き・共育てのベースとなる男性の家事・育児参画の促進、若い世代の結婚や子育てに対する漠然とした不安の解消と、結婚やこどもを生み、育てることを希望した場合に、その希望がかなえられるような、結婚、妊娠、子供・子育てに温かい社会づくりの気運醸成を図ることを目的としている。 ・また、令和6年7月からは大臣の下での「若い世代の描くライフデザインや出会いに関するワーキンググループ」が開催されており、若い世代の ニーズを踏まえ、若い世代が安心して、気軽に、自らのライフデザインに役立つ様々な情報を収集することができるよう、若い世代自身が考案・企 画し発信する、結婚や子育てなどライフデザインに関する様々な情報を、より同世代の共感を得やすい刺さる広報として推進していく必要がある。


◎参考資料2.令和6年度「若者のライフデザインや出会いに関する意識調査」_ウェブアンケート調査 最終報告サマリ  令和6年11月
○調査概要
→15〜39歳の未婚/既婚の男女一般生活者、全国でのWeb調査。参照のこと。
○1価値観・自己評価分析サマリ(2/2)↓
1.生活の満足度や自身について、既婚者は「自分には居場所があると思う」、「自分自身に満足している」と回答した割合が未婚者より高い。「自分自身に満足している」にあてはまると回答した未婚者は、あてはまらないと 回答した未婚者よりも結婚意向が高い。
2.「結婚・子どもを持つことは自然なことである」と回答している未婚者は約5割で、既婚者の約7割よりも低い。 未婚男女ともに、「結婚することは自然なこと」より「配偶者がいたら生活が楽しく豊かになる」と回答している 割合が高い。

○2 自身の恋愛傾向、恋愛や結婚の価値観分析サマリ(3/3)↓
1.未婚者の約6割が、「結婚することで精神的な安らぎを得ることができる」 、「恋愛や結婚は自分を高めてくれる」 といった点で、 恋愛や結婚に対する利点を感じている。
2.未婚者の約6割が、「婚活を通じての結婚でもよい」と思っている一方で、約5割は「自然に知り合う恋愛や結婚 でないと嫌だ」と回答している。
3.未婚者の約8割が、「結婚という形を取らないことも選択肢の一つだ」と回答しており、約5割は「結婚は幸せになるためのステップだ」とは捉えていない。

○3 理想の結婚像についてサマリ(4/4)↓
1.未婚者の約 6割が結婚したいと思っており、結婚意向のある未婚者は、約9割が子どもを希望している。 一方で、結婚意向のない未婚者の約3割が子どもを希望している。
2.どの程度の個人の年収があれば結婚を考えるかについて、年齢が若い層ほど「年収を気にしない」と回答する 割合が高くなる。
3.個人年収と結婚意向の関係性については、 結婚意向が高くなるほど、「年収を気にしない」と回答する割合が 低くなる。
4.結婚した場合の配偶者との関係について、「家事の負担はどちらも平等に負担するべき」「家計(生活費)の 負担はどちらも平等に負担すべき」と回答している未婚者の割合は、既婚者より高い。 また、「配偶者の年収は自分より高い方が望ましい」に対して、高校生・大学生では「そう思う」「ややそう思う」と 回答した割合よりも、「そう思わない」「あまりそう思わない」と回答する割合の方が多い。

○4 結婚したいと思う背景やきっかけサマリ(3/3)↓
1. 未婚者が結婚によって得られるメリットとして回答したのは「愛情を感じている人と暮らせる」が約3割で最も高く、 次いで、「寂しさを感じなくなる」 が挙げられる。結婚をしたくないと回答した人も、同様のメリットが上位に挙げら れる 。
2. 結婚意向のある未婚者の約6割が、結婚や出産に対する考え方や捉え方について周囲から影響を受けている。
3. 結婚意向のある未婚者が結婚・子どもに憧れを抱くのは「街中で家族連れを見たとき」が約3割で最も高い。

○5 結婚しない/できないと思う背景サマリ(5/5)↓
1. 結婚意向のない未婚者の、結婚したくない理由は「メリットを感じない」が約3割で最も多い。年齢が上がるに つれて「人と関わりたくない」という理由が高くなる傾向にある 。
2. 未婚者の約 3割が、結婚へのハードルとして「そもそも出会いの場所・機会がない」と回答。既婚者と比較して最も差が大きかったのは「恋愛の仕方がわからないこと」である 。
3. 未婚者が思う結婚によるデメリットは、「自分の時間が減る」が約5割と最も高い。
4. 未婚者の、出会いの場所・機会がなかった理由は、「自分に自信がないから」が約6割で最も高く、次いで、「積極的にアプローチすることが得意でない」、「人が集まる場が苦手」「積極的に人と会いたいと思わない」が挙げられる。
5. 未婚者の約3割が、結婚へのハードルとして「そもそも出会いの場所・機会がない」と回答。既婚者と比較して最も差が大きかったのは、「恋愛の仕方がわからないこと」である 。

○6 出会いについてサマリ(4/4) ↓
1.既婚者が配偶者と出会った場所・機会として回答している割合が最も高いのは「マッチングアプリ」で、約25% である。
2.結婚意向のある未婚者のうち、交際相手がいない人の約5割が、結婚も視野に入れた結婚相手を見つけるための行動を全くしていない。 中でも35-39歳未婚女性では、その割合は約6割に及ぶ。
3.結婚も視野に入れた相手を見つける行動をしていない理由は「婚活より優先したいことがあるから(仕事や推し活など )」が未婚者で約1割で最も高く、25歳以上の男性は「自分のスペックに自信がないから」、25歳以上 の女性は「婚活が面倒だから」が最も高い。
4.婚活に対して、未婚者の約7割が「具体的に何をすればいいかわからない」「自分に自信がなく、何か行動したところで結婚相手を見つけられると思えない」と回答しているほか、「結婚相手を見つけようと何か行動することはかっこ悪い・イメージが悪い」と回答した人は、未既婚ともに約3割。

○7 ライフデザインについてサマリ (5/5) ↓
1.未婚者の 約7割がライフデザインを学んだことがなく、年代が上がるにつれて学んでいない割合が高くなる。 高校生、大学生ともに 約4割が、学校の授業などでライフデザインを学んでいる。
2.未婚者のうちライフデザインで学んだことがある内容は、キャリアプランが約5割で最も高く、次いでマネープラン が高い。結婚生活に関わる情報や地域支援サービス、妊娠・出産や子育て情報は、それらに比べて低い。
3.学んだ結果、結婚・出産に前向きになったライフデザインの内容は既婚者では「マネープラン」が約3割で最も高く次いで「特にない」「キャリアプラン」が挙げられる。未婚者では「特にない」が約4割で最も高く次いで「キャリアプラン」が約2割となっている。
4.未婚の15〜24歳において、ライフデザインを学んだことのある人の方が、今後結婚したいと思う割合が高くなり、 理想の結婚年齢を「25歳から29歳」と回答する割合も高くなる傾向にある。
5.今後のライフプランを考える上で知りたい情報は、未既婚ともに「マネープラン」が最も高く、未婚者は「コミュニ ケーションの方法」、「結婚や結婚生活に関する情報」、「結婚の仕方」、「出会う方法」が既婚者に比べて高い。

○8 マッチングアプリの利用実態/評価サマリ(3/3) ↓
1.既婚者が 配偶者と出会った場所・機会で、最も高いのはマッチングアプリで25.1%、次いで、職場や仕事 関係・アルバイト先が20.5%と続く。既婚者の約6割がマッチングアプリを利用したことがあると回答している。
2.安心して利用できるマッチングアプリの利用条件は、未婚者では「身分証の登録」が約5割で最も高く、次いで、「独身証明書の提出」「有料であること」が挙げられる。一方、約4割が「あてはまるものはない」と回答している。
3.マッチングアプリを利用するきっかけになると思うものとして、未婚者では「相手の素性がきちんと把握できる」が最も高く 、次いで、「個人情報の管理がしっかりとされている」「希望する条件の人に出会える」が挙げられる。 一方で、 未婚者の約5割は「何があっても使いたくない」と回答している。

○9 自治体の結婚支援取り組み認知/評価サマリ(4/4)↓
1.未婚者のうち、結婚に関連する情報に高い興味関心を持っているのは、高校生や大学生であり、特に少子化 や婚姻率低下等の社会問題、結婚生活のリアルな情報について、社会人と比べて興味関心が高い。
2.自治体の結婚支援に関する取り組みへの認知度は、未婚者では約4割、既婚者では約5割であった。
3.都道府県の結婚支援への利用意向は約3割で、具体的に利用したいサービスとしては 「安心安全なマッチング アプリ」などが挙げられる。
4.未婚者のうち自治体の結婚支援 を利用したいと思う理由は「地元で会えるのがいい」が約4割で最も高く、次いで、「良心的な価格で利用できそう」「真面目な人が登録していそう」が挙げられる。

次回は新たに「第20回年金広報検討会」からです。

若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回) [2025年05月19日(Mon)]
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回)(令和7年4月21日)
議題 (1) 議論のまとめ(最終報告(案)) 2.あいさつ 内閣府特命担当大臣 (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 共生・共助) 三原 じゅん子
https://www.cfa.go.jp/councils/lifedesign-wg/6bd5258e
◎資料2.【概要案】 議論のまとめ(最終報告(案))
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ議論のまとめ(最終報告案)概要案↓
○若い世代が描くライフデザインや出会いについて、若者自身の認識や意見を把握し、希望の実現を阻む課題等を明らかにするため、大臣主宰の下、 若者と有識者からなるワーキンググループ(WG)を開催。[松田茂樹 中京大学教授等の有識者5名 + 大学生・社会人等の20代若者7名で構成。]
○令和6年7月以降8回に渡り、@結婚をめぐる現状や課題、AZ世代を始めとする若者の価値観、Bライフデザイン支援、C官民の出会い支援等につき 議論(特に第5回以降はライフデザイン支援の具体的な在り方について議論)し、最終報告として取りまとめ。※以下は第5回以降の議論の主な要点。↓


「こども未来戦略」等に基づく若い世代の所得を増やすための取組や共働き・共育ての推進等を着実に実行していくことは大前提とした上で、以下の意見等があった。↓
【ライフデザイン支援等の視点】
→・ライフデザイン支援に当たっては、結婚するかしないかは自由であり、選択肢として 前向きにとらえたり、希望を叶えたりするための取組であることを改めて確認したい。 ・多様性や個性を尊重しようという世の中において、多様性があるからこそ混乱し、 情報も多く、どう選択していけばよいか分からないという面もあるのではないか。周囲からの影響を受ける中で、自分で選択することは勇気がいるものであり、若者の選択に寄り添っていく工夫が必要。 ・親の時代とは異なる価値観等の中にあっても、どのようにキャリアを設計していくか、こどもを育てていくかがイメージしやすくなるとよい。様々な子育て支援、両立支援の制度が整備されているが、それらを前提に一人一人の生活実感に落としていくことが必要。 ・女性の家事・育児負担が大きく、働きにくさや生きにくさを感じていると考えられる 一方で、若い男性の生きにくさにも目を向けていく必要があるのではないか。女性 よりも男性の方が稼ぐべきだという考えはまだまだ薄まっていないと感じられる。 ・未婚の若者の6割が「自分自身に満足している」かどうかについて「(あまり)そう思わない」と回答している。ライフデザインを考えることは、単に自分の将来を考えるだけではなく、自己肯定感が生まれる、自分自身が大切にされている、意思決定が 尊重されるといった「こどもの権利」に気づき、考えることにもつながるのではないか。 ・企業や社会が多様性に取り組んでいる意図が分かりにくい。多様性によりどう発展したいのか、具体的な施策や経営、雇用等につなげていってほしい。・若い世代と人生の選択肢について話をしていくと、結婚に対してネガティブな方はあまり多くなく、できることならば結婚したいという思いは深層心理にあると感じられる。 信頼のおける人間関係の中で、将来について話し合う機会をつくることも重要。

【ライフデザイン支援、出会い支援等の取組の具体化に向けて】→・学校での取組拡大に向けて、地域の専門家等の協力を得たり、地域学校協働活動の中で取り組むなどし、先生方の理解を得つつ、地域との連携を進めることが重要。そのためにも若い世代のライフデザインを応援しようという気運の醸成が必要。 ・大学等への働きかけも重要。授業の中に取り込む、就職支援の一環で行うなど、自治体との連携を含め、上手に取り組んでいる事例を発信しているくことにより、取組を広げていく方法もあるのではないか。 ・企業等に向けて取組を拡大するためには、経営層や管理職にその重要性を理解してもらうことが重要。その際、セミナー等の参加者の意識変容、満足度やエンゲージメントの向上に関するメリット、他の企業等の取組例も伝えていくことが重要。 ・先行自治体の例も参考に、乳幼児触れ合い体験、キャリア形成、プレコンセプションケア、ワークライフバランスなどを各年代に応じて適切に採り入れることが重要。 ・ひとり親家庭で育つこどもや非正規雇用の方など、様々な立場の方がライフデザインを描けるよう、関係の制度等を含め、丁寧に情報を伝えていくことが重要。 ・自分が知りたい情報は自分で調べる。流れてくる情報に手を止めるかどうかは、発信者に共感できるかどうか、ショートドラマや漫画仕立てなど見やすい作り方の工夫がなされているか。そうした若者の視点をいかし、SNS等を活用した情報発信が重要。 ・出会いや交際に対して、自信がない、何をすればよいか分からないといった若者も、出会いの支援においては、若者が独身でいる理由や相手を見つける行動をしていない理由が様々であることを踏まえた対応が必要。 ・出会いの支援に当たっては、福利厚生等を通じて若い世代の出会い・結婚を応援する企業等と連携・協力を得ていくことも方法の一つ。 ・ライフデザイン支援は息の長い取組が必要。若い世代の多様な意見も聴きつつ、審議会等の場で効果検証等も行いながら取組の改善を継続していくことが重要。

○第1回から第4回までの議論の取りまとめ(中間報告)概要
【若い世代の現状認識や価値観に関する主な意見等】
→・社会的に正解とされる生き方が消失した中で、今の若い世代は、「他人や社会にとっての正解」よりも「自分自身が納得できているか(自分なりの 納得解)」を大切にする傾向がある。 ・自分たちが生きている今の時代は、親の世代が若い頃を過ごした時代 と、社会の価値観や選択肢の幅が全く異なっていると感じている。こうした中で、今の若い世代には、自分の親とは異なるバックグラウンドを持つ、近い世代の様々なロールモデルを知り、自身の将来についての「解像度」を 高めたいというニーズがある。 ・結婚やこどもをもつことは、「当たり前のこと」ではなく、自分にとっての幸せを実現する手段の1つに過ぎず、本人が希望する場合に選択するもの。 ・経済的に自立して生きていけると感じている女性も増えており、女性は経済的に男性を頼って結婚をするものという見方には共感しにくい。子育て期も夫婦ともに働き続けることを理想の夫婦像とする若者が増えている。 ・核家族化や地域コミュニティの希薄化の影響で、乳幼児の世話をしたり 触れ合ったりした機会がないまま大人になる人も少なくない。乳幼児の世話をした経験、妊孕力に関する知識を得たとき、ライフプランについて考える授業を受けたときなどは、こどもや妊娠・出産について考えるようになるきっかけとなりうる。 ・ 20代前半の新卒男女が就職を機に地方から都市部へ大量に流出する 現象など、地方における少子化の実態を捉え、効果ある取組につなげる 上で、地域間の人流を始め、各地域の特性を考慮することが重要。

【今後の取組に関する主な意見等】→「こども未来戦略」等に基づき取り組むこととしている、若い世代の所得を 増やすための取組や共働き・共育ての推進等を着実に実行していくことは 大前提とした上で、今後の取組について以下の意見等があった。↓
(1)ライフデザイン支援について
→・学校、地方自治体、企業での取組を促し、ライフデザイン支援の裾野 を広げていくことが重要。 ・ライフデザイン支援では、将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要。地域性も考慮することが必要。 ・全ての年代に共通の1つのコンテンツを提供するのではなく、年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要。
(2)マッチングアプリ・結婚相談所について→・マッチングアプリについては、利用者が安心して安全に利用できるよう、第三 者認証の仕組みや安全な利用方法等に関し、周知啓発を図ることが重要。
(3)行政が提供する出会い・結婚支援サービスについて→・行政が提供する出会い・結婚支援の課題は、その認知度の低さ。 ○地域の結婚支援の効果を高めるため、国が支援フェーズごと効果検証の枠組みを構築し、優良事例の横展開に取り組むことが必要。マッチングシステムの都道府県間の連携方策の検討を進めていくこと等も必要。 ・サービス向上のために官民の連携協力もさらに進めていくべき。
(4)若い世代による情報発信等について→・若い世代自身の意見・アイデアや協力を活かして、公的機関が発信する情報を敬遠しがちな若い世代にも伝わる情報発信の手法やコンテンツについて様々な工夫や仕掛けを講じることが必要。 ・特定のメディア媒体で一方的に発信するよりも、SNSでの発信や広告に加え、友達同士の口コミなど、様々な情報流通経路を通して多面的に情報が届くようにすることが効果的。


◎資料3.第5回ワーキンググループでの委員からの御意見
〇民間事業者におけるライフデザインに関する取組について→8意見あり。
・(民間のライフデザインセミナー受講後のアンケート結果について)「ライフデザイ ンを会社にサポートしてほしいですか」という問いに対して、約7割の方が「サポー トしてほしい」と回答したことは、正しく広まってほしい。・今の若者は、親や先生のような生き方は難しく、ロールモデルになっていない。それ ぐらい多様性がある世の中で、自分自身で人生の解像度を上げていかなければいけな い。だから、「自分の人生を考えることが大事」というのは、とても理解できる。
〇学校でのライフデザイン関連の現状について→10意見あり。・先生自身がそもそもライフデザインを考えているのだろうか。まずは先生のライフデ ザイン講座を実施してもいいのではないか。・乳幼児に苦手意識を持っている児童・生徒の場合、泣きだした赤ちゃんを見て、さら に不安になり、苦手意識が増してしまい、かわいいというような肯定的な感情を抱け ず終わってしまう可能性もある。そのため、複数回実施することで成功体験を積み 重ねて、不安を解消することも重要。
〇自治体でのライフデザイン支援の現状について→8意見あり。・婚姻数や出生数が少なくなっているからライフデザイン支援が必要なのではなく、こ ども・若者が結婚に希望を持てなかったり、自己実現を叶えられないからこそ、ライフデザイン支援や教育が必要なのだと考える。・発表であったように、島根県では世帯年収550万で暮らせたとしても、男性側が主に 稼がなければいけないという価値観ならば、結局、今の若者は理想のライフデザイン からは遠く、「島根を出ていこうかな」となってしまうのではないか。雇用・産業の 関係課とも連携しながら、さらに取り組んでいっていただきたい。
〇ライフデザインの拡充方策について→16意見あり。・共通の認識として、ライフデザインは大事だよねというのはあるが、ずっと解が出て いないのはどうやって広めていくかということ。・結婚を希望する人もそうでない人も、それぞれが選択肢を持ち、セミナーを通じて他 者の意見を共有することで理解し合える環境をつくることが重要。・結婚意欲と職場環境は、一定程度、影響するという調査結果が出ている。結婚と職場 や、夫婦・パートナー関係と職場、子育てと職場は、すごく関係性が深いということ が分かっている。そこをうまく連動させながら企業理解を進めていくことも、とても 重要な観点。


◎資料4. 第6回ワーキンググループでの委員からの御意見
〇「結婚に対する意識や価値観等」を聴いて感じたこと→3意見。
・パートナーシップの形や夫婦の形が多様にあることを伝えていくことが重要。実際のライフデザイン講座では、独身の方も含め多様なロールモデルの映像を見てもらうと、学生からの反応がとてもよい。
〇若い世代が面白いと思う恋愛・結婚等のコンテンツとは→15意見。・祖父母と孫の動画は、祖父母への孫の接し方がうまいなと感じ、将来、祖父母や両親 の介護が必要になったときに、これぐらいの距離感で接することができれば同居して もいいな、こういう喋り方で対応すればいいんだな、と参考に見るようになってきた。・動画でかわいいなと思って見ていた子が、3か月後、5か月後に見ると、話す言葉が 増えたり、立ち上がったりしている。成長しているこどもの姿を見ると、今まで知ら なかった感情を覚えることがある。
〇SNSの情報が正しいかどうか判断するポイントとは→15意見。・恋愛や生き方について「正しい情報」というものはないと思う。自分が共感できるか、 自分と同じ価値観を持っている人がいるんだなと感じることが大事だと思う。 ・長く見続けている自分が好きな人の発信であれば、信頼して見る。結局、自分から掴 みにいく情報や周りの人に聞いた情報が、正しいと思える情報ではないかと思う。
〇若い世代に情報を届けるためには→7意見。・正しいか正しくないかというより、本人が納得するかどうかが大切。「納得」は、 色々なパターンが提示されて、自分ごと化しないとうまれにくいので、伝統的なパ ターンのほかにも多様な事例を提示していくことが重要だろう。


◎資料5.第7回ワーキンググループでの委員からの御意見
〇共働き・共育ての実現に向けた雇用環境の整備〜 育児・介護休業法改正を中心に 〜について→6意見。
・若者世代は、育児休業取得の関心は高く、取らせていない企業は若者から選ばれない 時代だと思う。若者が「就職する際にその企業の働き方を見ている」ということを発 信していけば、変わっていくのではないか。
〇ダイバーシティ経営と実践事例について→3意見。・多様な人材を活かし、イノベーションを生み出す「ダイバーシティ経営」が大切とい うのは理解したが、多様な人材が集まると、文化の違いなどで衝突が起き、集まった だけではイノベーションにはつながらないのではないか。例えば、文化が違う人同士 でもイノベーションを起こすまでにどのようなコミュニケーションを取ればよいのか。
〇女性活躍に向けた男女双方の意識改革・理解促進について→10意見。・多様性があるからこそ混乱してしまうし、情報がたくさんあることで、そこからどう 選択していけばいいのか分からないということもあると思う。たくさんの選択肢があ る中で、家族や社会の影響を受けながらも、自分でこの先どういうふうに生きていく か選択することはとても勇気が要ること。
〇働き方の観点から→10意見。・働くことの周辺の環境整備が必要ではないか。例えば、余暇の創出や、地域への参画 など。ふだんまちづくりや町のイベントに積極的に参加しているが、40代以上が中心 であり、20代、30代も働きながら町のことに関わったりする機会があるといい。・家事を外注するのは賛成だが、女性側に収入がないと、男性側から「俺より収入が低 いくせに、なんで家事をやらないんだ」といったことになりかねない。共家事がなけ れば、共育児はできない。

次回も続き「参考資料1.ワーキンググループの議論を踏まえたここまでの対応について」からです。

若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回) [2025年05月17日(Sat)]
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回)(令和7年4月21日)5/17
議題 (1) 議論のまとめ(最終報告(案)) 2.あいさつ 内閣府特命担当大臣 (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画 共生・共助) 三原 じゅん子
https://www.cfa.go.jp/councils/lifedesign-wg/6bd5258e
◎資料1.若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ 議論のまとめ(最終報告(案))
1.若い世代のライフデザインや出会いを考える背景→・婚姻件数の減少や未婚割合の上 昇といった、いわゆる「未婚化」の進行が我が国において深刻化する少子化の大きな要因。・現在は、かつてのような結婚することが当たり前の社会ではなくなっている。・若者の未婚化に対する対策を講じるに当たっては、若者の結婚意思は大きく変化 していないにもかかわらず、どうしてこれほど結婚の希望が実現していない社会になっているのかを考えることが必要である。

2.ワーキンググループ及び「議論のまとめ(最終報告)」の位置付け→・少子化対策は、若い世代の意見に真摯に耳を傾け、その視点に立って、若い世代が、自らの主体的な選択により、 結婚し、こどもを産み、育てたいと望んだ場合に、それぞれの希望に応じて社会全体で若い世代を支えていくことが基本。 ・雇用の安定と質の向上を通じた雇用不安の払 拭等に向け、若い世代の所得の持続的な向上につながる幅広い施策を展開するととも に、「こども・子育て支援加速化プラン」によるこども・子育て政策の抜本的な強化策などを早急に実現していくことは当然の前提である。・本「議論のまとめ(最終報告)」 は、令和6年9月の中間報告を基礎に、第5回以降における意見・示唆を加え、若い世代が抱く恋愛・出会い、結婚、妊娠・出産、子育 て等に関する考え方や課題認識、今後のライフデザイン支援等の取組の具体化につい てのワーキンググループの議論を取りまとめたものである。

3.若い世代のライフデザインや出会いをめぐる現状→・今回のアンケート調査においても、未婚の若者が挙げる「結婚へのハードルになっ ていること」として、「そもそも出会いの場所・機会がないこと」(29.3%)が最も多い。・結婚したいと思っているが交際相手がいない未婚者で、結婚も視野 に入れた相手を見つけるために「全く行動をしていない/あまり行動していない」 人の割合は、男女とも8割を超え、そのうちの約5割が 「( 行動)したほうがいいの はわかっているが、まだしていない」とし、約4割が 「(行動)する必要を感じてい ない」としている。・既婚者の約6割にマッチングアプリの利用経験があり、直近5年間で結 婚した人の4人に1人がマッチングアプリをきっかけに出会った相手と結婚している。

4.若い世代の現状認識や価値観に関する主な意見等→・結婚、妊娠・出産、子育てが当たり前のものと考えなくなっている現在の社会にお いて、そもそも結婚、妊娠・出産、子育てという言葉に対するイメージや価値観が今と昔で果たして同じなのかという点を考えることが重要である。 ・今の若い世代は 、「 他人や社会にとっての正解」よりも「自分自身が納得できているか(自分なりの納得解)」を大切にする傾向がある。・親の世代が若い頃を過ごした時代 と、自分たちが生きている今の時代とでは、社会で通用している価値観や選択の幅 が大きく異なっていると感じている人もおり、約4割が両親のような夫婦関係をうらやましく思わないと感じている。そうした中で、自分の親とは異なるバックグラ ウンドを持つ、近い世代の様々なロールモデルを知り、自身の将来についての「解像度」を高めたいと考えている人もいる。
(1)恋愛・出会いについて→・若いうちほど、いつでも出会える、まだ結婚を考えるには早いといった思いが働 き、恋愛や結婚よりも、別のやりたいことを優先しがちで、30代に差し掛かる辺り から、周囲の友人等の結婚などを契機に、出会いや結婚を意識し始める人が増える という傾向が見られる。 ・今の若い世代は、恋愛や結婚の理想像として、誰かに幸せにしてもらうとい う関係性よりも、一緒に幸せになるという関係性を好む傾向が見られ、互いが自立 し、結婚後も働く・家事は分担するといった物理的な面はもちろん、精神的にも支 え合える関係性を求める人も多いといった意見があった。
(2)結婚について→・「結婚して家庭を持つのが当たり前」といった考え方に縛られず、 結婚やこどもをもつことは、自分にとっての幸せを実現する手段の一つにすぎず、 本人が希望する場合に選択するものと考えている人も多い。だからこそ、行政の取組の基本姿勢としては、結婚、妊娠・出産、子育てに対する価値観や考え方に関わらず、あらゆる人にとって生きやすい社会の実現を目指していくことが重要。・若い世代と人生の選択肢について話をしていくと、結婚に対してネガティブな方は あまり多くなく、できることならば結婚したいという選択肢は深層心理にあるのだな と感じられる。一定程度、信頼のおける人間関係の中で、それぞれの将来について話 し合うような機会をつくることも重要ではないか。また、できることならば結婚した いといった心理が様々な外部要因によって阻害されていることが実態で、女性の家事・育児負担が大きいことや就業継続の課題の影響は大きいのではないかといった意見があった。
(3)妊娠・出産、子育てについて→・今の若い世代は、核家族化や地域コミュニティの希薄化の影響で、乳幼児の世話をしたり触れ合ったりした機会がないまま大人になった人も少なくない。、乳幼児の世話をした経験や、妊孕力に関する知識を得たとき、ライフプランについて考える授業を受けたときなどは、こどもに興味を持 ったり、妊娠・出産について自分事として考えたりするようになるきっかけとなりうる。
(4)経済的状況等について→・今の若い世代では、 子育て期も夫婦ともに仕事を辞めずに働き続けることを理想の夫婦像と考えている 人が増えてきている。 ・20代 前半の新卒男女が就職を機に地方から都市部へ大量に流出する現象が見られる。・、地方における少子化の実態を捉えるに当たっては、このような 就職期における20代前半の男女(とりわけ女性)を中心とした人流の状況について 考慮することも重要である。
(5)働き方等について→・女性の家事・育児の負担が大きく、働きにくさや生きにくさを感じていると考えられる一方で、若い男性の生きにくさにも目を向けていく必要があるのではないか。 ・今の企業や社会は、多様性や女性の参画等を通じてどうしたいのかということが 見えづらいと感じる。若者たちも「はいはい、そういうことね」といった具合に、ややあしらいながら自分の中で消化する傾向が強くなっている印象を受ける。多様性 の本質を捉えながら、どのように発展していくのか、具体的に施策や経営、雇用につなげていってほしいといった意見があった。

5.今後の取組に関する主な意見等↓
(1)ライフデザイン支援について
→・ライフデザイン支援(以下では、主として、進学や就職、結婚、妊娠・出産、子育てなど、その後の人生を大きく方向付ける可能性が高い分岐点(ライフイベント) に関して、自分自身の考えや見通しをあらかじめ整理するために必要な機会や知識 等を提供することを念頭に置いている。)は、自分自身の人生の選択肢として、学ぶことや働くことと併せて、結婚やこどもをもつことについて向き合う機会と、その 際に参考となる知識や多様なロールモデルを提供し、自分が人生に何を望んでいる かを俯瞰的に考え、この先どういったことがハードルになるのかということに気づ く機会をもたらすものである。また、結婚、妊娠・出産、子育てを望む方々の自己実現をサポートする社会を目指していく上でも、重要な取組である。 ・ライフデザイン支援に当たっては、結婚するかしないかは自由であり、選択肢として前向きに考えたり、結婚の希望を叶えたりするための取組であることを改めて前提に置きたい。・ライフデザインは、単に自分の将来を考えるだけではなく、自己肯定感が生 まれる、自分自身が大切にされている、意思決定が尊重されるといった「こどもの 権利」に気づき、考えることにつながるのではないか。多様性や個性を尊重しようという世の中だが、多様性があるからこそ混乱し、情報も多く、どう選択していけばよいか分からないという面もあるのではないか。そうした若い世代の選択にどのように寄り添って いくか工夫が必要。交流や体験を通して、自分の目で見たり、直接話を聞いたりすることで得られる一次情報が貴重であると感じており、そうした機会を必要として いる人もいる。ライフデ ザインを考える上では、将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要である。若い世代のライフデザイン支援に向け、近い世代の様々なロールモデルとの出会いを通じて、様々なケースを体験したり、学ぶことができ たりする機会を提供していくことが重要。 ・将来のことに関する知識としては、結婚年齢に関するデータ、プレコンセプションケア(男女ともに性や妊娠・出産に関する正しい知識を身に付け、健康管理を行うよう促すこと)に関すること、結婚や子育てに関する行政や民間のサービスの存在 などについても、価値観の押し付けにならないことに留意しながら、誤解に基づく ライフデザイン設計とならないように、伝えることが大切。・それぞれの年代で、考える際の目的意識や観点、知っておいた方が良い情報には違いがあり、工夫 が必要。全ての年代に共通の一つのコンテンツを提供するのではなく、それぞれの年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要。・地方公共団体等における各年代に応じたライフデザイン支援の取組に継続的に参 加した人と参加していない人では、自らの将来への意識の差が生まれてしまい、参加した人達がマイノリティになってしまっては全体としての取組の効果が上がらない。・乳幼児触れ合い体験等では、一度授業を受けて終わりではなく、複数回実施することも重要ではないか。・学校との連携については、結婚やこどもに関する人生の選択を自分事としてまだ感じていない人も、学校の授業を通して自然に参加できるという観点で重要で学校の授業だけではない、多様 な機会の提供も重要。・地域において、こどもや子育て世代 を支えてくれる存在、応援してくれる存在といったポジティブな働きかけをしてく れる存在を増やしていくことも重要で、ライフデザイン支援は、就学時や就職活動時、さらには社会人になってからも、若手の時期、転職の時、婚活中、結婚前後、新婚期といったステータスを捉えて切れ目なく実施していくことが重要である。 ・結婚やこどもに関する人生の選択を自分事としてまだ感じられていない人を始 め、いかに幅広い層に参加してもらうかという点で課題があり、ライフデザイン支 援の裾野を広げていく上では、学校、地方公共団体、企業での取組が重要。ライフデザイン支援の成果の捉え方や、それに見合う成果指標の在り方、取 組の有効性を示すデータについては、国から積極的に発信・提供することが重要。
・地方公共団体等におけるライフデザイン支援の取組においては、参加者の意見に ついて定性的なデータだけではなく、例えば、役に立ったかどうか、肯定的な意見 と否定的な意見との割合など定量的なデータも整理し、取組の実績として示してい くとよい。
・学校の先生への研修等において、こども家庭庁の取組によって若い世代のライフデザイン支援は大 切であるという気運が社会全体で醸成されていくことで、先生方の捉え方や教え方も変わってくるものと考えられる。専門家や地域の方の力を借りてライフデザインやライフプランニングに関する学 びの機会を提供することは重要。例えば、地域学校協働活動の中でそういった取組 を進めていくことも考えられる。
・ 大学への働きかけも重要ではないか。大学に対して、地方公共団体 との連携を含め、うまく取り組んでいるところの優良事例を発信していくことによ り、取組を広げていく方法もあるのではないか。  ・企業においては、従業員の満足度やエンゲージメントの向上に関するメリットや人材獲得上のメリットといった、ライフデザイン支援を導入する経営上のメリット をより明確な形で発信し、企業側の理解を促す取組が必要である。
・取組の裾野を広げるためには、セミナー等の前後で、自身が描くライフデザインや、各ライフイベントに関する意識がどう変わったか、アンケート等により把握し た上で、その成果を伝えていくことが重要
である。ライフデザイン支援の重要性の理解を得ていくためには、例えば、企業や経営者団 体向けには、結婚や子育てに係る福利厚生の取組を積極的に行っている他社の事例 や、地方公共団体向けには、他の地方公共団体の結婚支援・子育て支援の取組など を併せて伝えることも、企業や地方公共団体にライフデザイン支援を採り入れるこ とを検討してもらう際の参考になるのではないか。企業等にライフデザイン支援の理解や取組が浸透していくためには、経営層に訴 えていくことが重要。関係省庁におけるダイバーシティ経営の推進の取組は、 ライフデザイン支援の推進に当たっても参考になるのではないか。地方公共団体では、企業の管理職向けにライフデザイン支援に関するセミナーを 行っている例もあり、管理職が学ぶ機会を設けることも大切ではないか。例えば、育児休業を取得する際に、企業版両親学級にて、家庭内の役割分担について、どちらがどれくらいやっているかを書き出して考えるき っかけをつくる取組も行われており、そうしたきっかけづくりは重要。 ひとり親家庭で育つこどもや非正規雇用の方もライフデザインを考えられるよう、 情報を丁寧に伝えていくことが重要である。
・ライフデザインを考える際には、結婚することやこどもをもつことを当たり前と 考えたり、プレッシャーに感じたりしなくていいこと、正解はなく、特定の生き方 を押し付けられているものではないことや、結婚しないことやこどもをもたないことなど、一人一人が自分の幸せを実現する上で人によって色々な選択があって良いし、途中で何度でも変えても良いということをあらかじめ伝えることが重要である。
・ライフデザイン支援は、結婚やこどもをもつことを強要する機会ではないことが大前提であり、結婚やこどもを希望していない人にとっても、自分の生き方を 考える上でのヒントが得られる機会になることが望ましい。 また、ライフデザインを考える機会を通して、結婚やこどもをもつことに対する意 欲が高まったときに、利用できるサポートや支援策など、実現に向けてもう一歩踏 み出すのに役立つ情報をあわせて入手できること。ライフデザイン支援の取組による成果は、5年後、10 年後といった時間軸で捉え、一度ですぐに効果を発揮するというものではなく、長期的に継続して取り組むことが必要なものである。
その際、短期的な取組の評価だけでなく、取組の効果がどこまで持続できるのかなど、取組自体の継続性の確保とともに、一定の時間軸をもって評価する仕組みも必要ではないか。 ライフデザイン支援の更なる具体的な拡大手法については課題であり、引き続き 議論を深めていく必要がある。

(2)マッチングアプリ・結婚相談所について→・今の若い世代は、自分が求める理想的なパートナー像を漠然と 「いい人」としかイ メージできておらず、その「いい人」が具体的にどのようなタイプ・条件の人なのか を自覚できていない人も多いといった意見があった。AI等による性格診断や相性診 断といった機能・サービスは、今の若い世代にとって、出会いや結婚を考えている 際に相手に求めていることについて解像度を上げる一助となるものであるとともに、 その後のマッチングの効率化・最大化や、引き合わせ相手とのコミュニケーション での不安軽減につながるといった点でメリットがある。
・今回のアンケート調査でも、安心して利用できるマッチングアプリの条件として、 未婚の若者は約5割が「身分証の登録」を挙げている。マッチングアプリの安全面 について不安を感じている若者も多い中で、各社が連携して、ユーザの安心・安全 な利用に必要なサービス運用や啓発活動を強化している。例えば、第三者認証を取 得している会社のマッチングアプリは、アプリ内でのメッセージのやり取りをAI等 で常時監視し、不適切なやり取りがあった場合にはユーザへ注意を促すシステム等 を導入している。利用者が安心して安全に利用できるよう、第三者認証の仕組みや 安全な利用方法等に関して、引き続き周知啓発を図っていくことが重要である。・そうしたサポートスキルの向上に官民協力して取 り組んだり、AI等も活用しながら支援していったりすることができれば、仲人役の サポートスキルの向上、個人差の軽減等につながるのではないか。・利用者層向けに 成婚事例や安全面での対策をPRする取組と併せて、こうしたサービスを利用したこ とがない世代の方に対する情報発信・周知啓発を行い、恋愛や出会い、結婚に関し て特定の価値観を押し付けたり、プレッシャーを与えたりするものとならないよう最大限注意しながら、 「 今どきの出会いや結婚」の形について社会全体の理解を醸成 することも重要である。

(3)行政が提供する出会い・結婚支援について→行政が提供する出会い・結婚支援サービスの課題は、その認知度の低さである。・地方では20代を中心に女性が首都圏に流出して人口性比に偏りが生じるケ ースが見られる中で、地元に閉じた支援の枠組みでは、マッチングが難しい面がある。・優良事例を支援フェーズごとに評価・分析しながらその横展開に取り組むこと が必要、マッチングシステムの都道府県間の連携方策 の検討を進めていくこと等も必要。サービス向上のために官民の連携 協力も更に進めていくことが必要である。・結婚やこどもに関 する選択や価値観に関わらず等しく応援される社会を実現するという観点では、結 婚やこどもを望んでいる人への配慮という点で、周囲が適切な助言やケアを行うこ とに対して寛容な社会的気運を醸成していくことも重要である。・福利厚生として希望 する従業員を支援する企業など、若い世代の出会い・結婚を応援する企業等と連携・ 協力を得ながら推進していくことも一つの手法ではないか。

(4)若い世代による情報発信等について→・親とは異なる人生であっても、どのように自分のキャリアを設計していくか、こど もを育てていくかということが、イメージしやすくなるとよい。様々な子育て支援や 両立支援の制度が整備されているが、これらを一人一人の生活実感に落としていく。 例えば、こどもをもったら1日何時間ぐらい家事の時間が増えるのか、1か月で経済 的負担がどれだけ増えるのかなど、地域やこどもの年齢によっても変わってくるが、 そうしたことが実感をもって若者たちに伝わるように情報提供ができるとよい。 ・ 大量の情報提供をするだけではなく、ライフデザインを考える視点を提示すること も重要ではないか。

6.まとめ→・少子化対策は、若い世代の 意見に真摯に耳を傾け、その視点に立って、若い世代が、自らの主体的な選択により、 結婚し、こどもを産み、育てたいと望んだ場合に、それぞれの希望に応じて社会全体 で若い世代を支えていくことが基本である。
・その上で、これまでのワーキンググループでは、若い世代を取り巻くライフデザイ ンや出会いをめぐる現状認識等を踏まえ、若い世代の描く結婚、妊娠・出産、子育て に関する希望を実現する上で今後の取組の在り方に関して、主に以下の意見等があった。⇒・若い世代の所得を増やすための取組や共働き・共育ての推進等を着実に実行して いくことは大前提であること。↓
・今の若い世代は、価値観や選択肢が多様化し 「 正解がない」社会を生きていく上 で、一つ一つの人生の選択について 「 自分なりの納得解」を持つことを重視し、結 婚、妊娠・出産、子育てといった選択についても、自分事として考えるきっかけと 多様なロールモデルを必要としている中で、ライフデザイン支援の重要性が高まっ ており、学校、地方公共団体、企業での取組を通じて、ライフデザイン支援の裾野 を広げていくことが重要であること。 支援の裾野を広げていくためには、支援事業の前後での意識の変化等を把握し、 ライフデザイン支援の意義を伝えていくことが重要であること。 地域における専門家の活用、大学等への働きかけなどにより、学校や地域におけ る取組を浸透させていくことが重要であり、そのためにも若い世代のライフデザイン支援の大切だという社会的な気運を高めることも必要であること。 企業等に向けて取組を広げていくためには、経営層 ・経営者団体等にその重要性 の理解を得るとともに、管理職向けに学びの機会を提供していくことも重要である こと。・ライフデザイン支援では、将来の選択に関わる事実の知識と、実際に体験して得られる実感の両方が重要であること。また、地域性も考慮する必要があること。、全ての年代に共通の一つのコンテンツを提供するのではなく、それぞれの年代に応じて、必要な内容を適切な方法で提供することが重要で あること。 ・マッチングアプリや結婚相談所、行政の支援サービスといった出会いの手段が多 様化する中で、年代ごとの困りごとやニーズ等の違いを踏まえた上で、それぞれの 手段の持つ強みを生かしながら、安全に安心して利用できる、使い勝手の良いサー ビスや支援を届けることが重要であること。サービス向上のために官民の連携協力 も更に進めていくことが必要であること。 マッチングアプリについては、利用者が安心して安全に利用できるよう、第三者 認証の仕組みや安全な利用方法等に関して、周知啓発を図っていくことが重要であ ること。・行政による出会い・結婚支援は重要であること。一方で、その認知度の低さが課 題であり、若者の認知度が低く、20 代の利用者が少ない点を改善する必要がある こと。また、取組の意図や基本姿勢を丁寧に伝える努力を欠かしてはならないこと。
・地域の結婚支援の効果を高めるため、国が支援フェーズごとに効果検証の枠組み を構築し、優良事例の横展開に取り組む必要があること。また、マッチングシステ ムの都道府県間の連携方策の検討を進めていくこと等も必要であること。若い世代 の出会い・結婚を応援する企業 ・経営者団体等との連携・協力を得ることも一つの 方法であること。 結婚を希望する若者は、出会いや結婚を応援する社会的気運を重視しており、特 に、結婚やこどもを望んでいる人に対して周囲が適切な助言やケアを行うことに対 して寛容な社会的気運の醸成を必要としていること。 結婚、妊娠・出産や子育てに関する情報発信については、若い世代自身の意見・アイデアや協力を生かして、公的機関が発信する情報を敬遠しがちな若い世代にも 伝わる方法で取り組む必要があること。また、旧来型の特定のメディア媒体で一方 的に発信する形よりも、SNSでの発信や広告、友達同士の口コミなど、様々な情報 流通経路を用いた多面的な発信手法を講じることが重要であること。

・ワーキンググループは、若い世代の率直な意見を聴くことを主眼にメンバー が 集められ、運営が行われた。出会い、恋愛、結婚、こどもを持つこと等についての意識や ライフデザイン支援等の在り方について、一定の若い世代の声を寄せることができた。他方、当然ながら、ワーキンググループのメンバーとは異なる様々な立場・境遇 にある若者、 様々な考え方を有する若者がたくさんいる。そして、ライフデザイン支援等の推進は、息の長いサステナブルな取組が必要である。今後とも、若い世代の多様な意見も聴きつつ、 審議会等の場で、その効果の検証等も不断に行いながら、施策の議論・改善を継続してほしい。

○(別添)↓
(参考1)ワーキンググループ開催要綱 ↓
若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループの 開催について
(参考2)ワーキンググループ構成員→12名。(うち大学生4名)
(参考3)ワーキンググループ開催実績 ↓
第1回(令和6年7月19日15:30〜17:30)〜第8回(令和7年4月21日15:30〜17:30)
(参考4)グラフィックレコーディング ↓
第6回及び第7回のWGにおいては、議論の内容を視覚化し、より分かりやすく伝わ るようにグラフィックレコーディングも取り入れた。

次回も続き「資料2.【概要案】 議論のまとめ(最終報告(案))」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回) [2025年05月16日(Fri)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)(令和7年4月21日)
<議題>1.こども性暴力防止法施行準備検討会の設置 2.こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討スケジュール 3.こども性暴力防止法の制度対象 4. こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/232f6c26
◎参考資料2 関係制度概要等
○日本の学校系統図
 参照のこと。
○認定こども園制度の概要→教育・保育を一体的に行う施設で、幼稚園と保育所の両方の良さを併せ持っている施設。 以下の機能を備え、認可・認定の基準を満たす施設は、都道府県等から認可・認定を受けることができます。 @ 就学前の子どもを、保護者が働いている、いないにかかわらず受け入れて、教育と保育を一体的に行う機能 A 子育て相談や親子の集いの場の提供等 地域における子育ての支援を行う機能。
○児童相談所の概要→1〜6まで。参照のこと。
○一時保護施設の概要→一時保護施設は、児童福祉法第12条の4に基づき児童相談所に付設もしくは児童相談所と密接な連携が保てる範囲内に設置され、 虐待、置去り、非行などの理由により子どもを一時的に保護するための施設。⇒1〜5まで参照のこと。
○障害児入所支援→障害児入所施設は、障害のある児童を入所させて、保護、日常生活における基本的な動作及び独立自活に必要な知識技 能の習得のための支援を行う施設であり、「福祉型」と「医療型」の2つに分類されている。また、入所の形態としては、措置と 契約がある。⇒その他の参照。
○乳児院の概要→乳児院は、乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には、幼児を含む。)を入院させて、これを養育し、あわせて退院した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法第37条) <対象児の具体例> ・父母が死亡、行方不明となっている乳児 ・父母が養育を放棄している乳児 ・父母の疾病等により父母による養育が困難な乳児⇒1〜6まで参照のこと。
○母子生活支援施設の概要→配偶者のない女子又はこれに準ずる事情にある女子及びその者の監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護するとともに、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者に ついて相談その他の援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法第38条) <対象者の具体例> ・経済的に困窮している女子、配偶者からの暴力を受けている女⇒1〜5まで。参照。
○保育所について→保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設(児童福祉法第39条第1項)
○児童館の概要→・児童福祉法第40条に規定する児童厚生施設の一つで、すべてのこどもに健全な遊びを提供し、 その健康を増進し、又は情操をゆたかにすることを目的とする児童福祉施設。 ・ 遊びを通じての集団的・個別的な発達支援、健康の増進、地域組織活動(母親クラブ等)との協働、中・高校生世代への支援、子育て家庭への相談、放課後児童の育成支援等。⇒1〜6まで参照のこと。

○児童養護施設の概要→保護者のない児童(乳児を除く。ただし、安定した生活環境の確保その他の理由により特に 必要のある場合には、乳児を含む。)、虐待されている児童その他環境上養護を要する児童を入所させて、これを 養護し、あわせて退所した者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法 第41条) <対象児の具体例> ・父母が死亡、行方不明となっている児童 ・父母等から虐待を受けている児童 ・父母が養育を放棄している児童。⇒1〜6まで参照のこと。

○児童心理治療施設の概要→家庭環境、学校における交友関係その他の環境上の理由により社会生活への適応が困難と なった児童を、短期間入所させ、又は保護者の下から通わせて、社会生活に適応するために必要な心理に関する 治療及び生活指導を主として行い、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法第43条の2) ※平成28年の児童福祉法改正により「情緒障害児短期治療施設」から名称変更 <対象児の具体例> ・場面緘黙、チック、不登校、集団不適応、多動性障害や広汎性発達障害など。 <保護者を含めたケア> ・虐待を受けた児童、保護者及び家族全体を対象とした心理療法である家族療法を実施 ※ 家族療法事業とは、親子相談室、心理治療室、宿泊治療室等の設備を設け、児童とその家族に対し、面接治療、 宿泊治療、親子レクリエーション、家族訪問治療等を行うもの。⇒1〜6まで参照のこと。
○児童自立支援施設の概要→、不良行為をなし、又はなすおそれのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生 活指導等を要する児童を入所させ、又は保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、 その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする施設。(児童福祉法第44条) <対象児の具体例> ・窃盗を行った児童、浮浪・家出等の問題のある児童、性非行を行った児童⇒1〜6まで参照のこと。
○児童発達支援→集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる主に未就学の障害児。≪サービス内容≫ 日常生活の基本的な動作及び知識技能の習得のための支援、集団生活への適応のための支援、その他必要な支援(通所)。@児童発達支援センター(児童福祉法第43条)Aそれ以外の事業所あり。
○放課後等デイサービス→学校通学中の障害児に対して、放課後や夏休み等の長期休暇中において、生活能力向上の ための支援等を継続的に提供することにより、学校教育と相まって障害児の自立を促進するとと もに、放課後等における支援を推進。
○居宅訪問型児童発達支援→重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出すること が著しく困難な障害児に対し、障害児の居宅を訪問して発達支援を行う。
○保育所等訪問支援→保育所等を現在利用中の障害児、又は今後利用する予定の障害児が、保育所等における集 団生活の適応のための専門的な支援を必要とする場合に、訪問支援を実施することにより、保 育所等の安定した利用を促進。
○こども誰でも通園制度→・就労要件を問わない ・月一定時間までの利用可能枠 ・時間単位の柔軟な利用 ※0歳6か月から満3歳未満
○地域型保育事業について→子ども・子育て支援新制度では、教育・保育施設を対象とする施設型給付・委託費に加え、以下の保育を 市町村による認可事業(地域型保育事業)として、児童福祉法に位置付けた上で、地域型保育給付の対象とし、 多様な施設や事業の中から利用者が選択できる仕組み。⇒・小規模保育(利用定員6人以上19人以下) ・家庭的保育(利用定員5人以下) ・居宅訪問型保育 ◇事業所内保育(主として従業員の子どものほか、地域において保育を必要とする子どもにも保育を提供)
○児童自立生活援助事業の概要→次に掲げる者に対しこれらの者が共同生活を営むべき住居その他内閣府令で定める場所における相談その他の日常生活上の援助及び生活指導並びに就業の支援(以下「児童自立生活援助」)を行い、あわせて児童自立生活援助の実施を解除された者に対し相談その他の援助を行う事業。(児童福祉法第6条の3第1項)→・ 義務教育を終了した児童又は児童以外の満 20歳に満たない者であって、措置解除者等(第27条第1項第3号に規定する措置(政令で定めるものに限る。)を解除された者その他政令で定める者)であるもの。 ・ 満 20歳以上の措置解除者等であって内閣府令で定めるもののうち、学校教育法第50条に規定する高等学校の生徒であること、同法 第 83条に規定する大学の学生であることその他の内閣府定で定めるやむを得ない事情により児童自立生活援助の実施が必要であると 都道府県知事が認めたもの。⇒1〜7まで参照のこと。
○放課後児童クラブの概要→共働き家庭など留守家庭の小学校に就学している児童に対して、学校の余裕教室や児童館、公民館などで、放課後等に適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る。 ※平成9年の児童福祉法改正により法定化〈児童福祉法第6条の3第2項〉:平成10年4月施行。 ※平成24年の児童福祉法改正により、対象年齢を「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している」児童とした(平成27年4月施行)
○子育て短期支援事業→保護者の疾病その他の理由により家庭においてこどもを養育することが一時的に困難となった場合等に、児童養護施設等において一定期間、養育・保護を行うことにより、これらのこども及びその家庭の福祉の向上を図る。
○一時預かり事業→日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより、一時的に家庭での保育が困難となった場合や、保護者の心理的・身体的負担を軽減するために支援が必要な場合に、保育所等で乳幼児を一時的に預かり、安心して子育てができる環境を整備する。
○小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)の概要→小規模住居型児童養育事業は、養育者の家庭に児童を迎え入れて養育を行う家庭養護の一環として、要保護児童 (保護者のない児童又は保護者に監護させることが不適当であると認められる児童)に対し、この事業を行う住居 において、児童間の相互作用を活かしつつ、児童の自主性を尊重し、基本的な生活習慣を確立するとともに、豊かな人間性及び社会性を養い、児童の自立を支援する。⇒1〜9まで参照のこと。
○病児保育事業→こどもが病気の際に自宅での保育が困難な場合に、病院・保育所等において、病気の児童を一時的に保育することで、安心して子育てができる 環境整備を図る。⇒事業の内容等の参照。
○子どもの意見聴取等の仕組みの整備(4.関係)→都道府県等において、引き続き、子どもの権利擁護の取組みを推進するため、 @子どもの権利擁護の環境整備を行うことを都道府県等の業務として位置づけ、 A都道府県知事又は児童相談所長が行う措置等の決定時において、子どもの意見聴取等を行うこととし、 B子どもの意見表明等を支援するための事業を制度に位置づけ、その体制整備に努めることとする。
○妊産婦等生活援助事業→家庭生活に困難を抱える特定妊婦や出産後の母子等に対する支援の強化を図るため、一時的な住まいや食事の提供、その後の養育等に係る情報提供や、医療機関等の関係機関との連携を行う。⇒事業の概要等の参照。
○児童育成支援拠点事業→養育環境等に課題を抱える、家庭や学校に居場所のない児童等に対して、当該児童の居場所となる場を開設し、児童とその家庭が抱える多様な課題に応じて、生活習慣の形成や学習のサポート、進路等の相談支援、食事の提供等を行うとともに、児童及び家庭の状況をアセスメントし、関係機関への つなぎを行う等の個々の児童の状況に応じた支援を包括的に提供することにより、虐待を防止し、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図る。⇒事業の概要等の参照。
○認可外保育施設とは→保育を行うことを目的とした施設であつて認可を受けていない施設をいう。⇒・児童福祉法第59条の2第1項の規定に基づき、事業開始から1カ月以内に都道府県知事に届出を行わなければならない。 ※事業所内保育施設やいわゆるベビーシッターなど、少人数・家庭で1対1で預かるものや、幼児教育類似施設を含む。 ※ただし、親族間の預かりや親しい知人や友人による預かり等は届出対象外。(省令で除外) ※少なくとも1日4時間以上、週5日、年間39週以上施設で親と離れることを常態としている場合は保育されているものと考えられる。  ・届出された施設については、都道府県等が原則年1回以上立ち入ることとしており、児童福祉の観点から、以下を主な内容とする 指導監督基準を示している。(国の通知)⇒認可保育所と認可外保育施設の設置基準比較 参照。
○居宅介護→障害支援区分1以上の障害者等対象。⇒サービス内容、人員配置など参照。
○同行援護→視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等:同行援護アセスメント票の調査項目(視力障害、視野障害、夜盲、移動障害)において、移動障害以外で1点以上かつ移動障害で1点以上に 該当していること。⇒サービス内容、人員配置など参照。
○行動援護→知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を有する者 :障害支援区分3以上であって、障害支援区分の認定調査項目のうち行動関連項目等(12項目)の合計点数が10点以上である者⇒サービス内容、人員配置、報酬単価(令和6年4月〜)など参照。
○短期入所→居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設等への短期間の入所が必要な者:・福祉型(障害者支援施設等において実施可能)⇒障害支援区分1以上である障害者又は障害児の障害の程度に応じて厚生労働大臣が定める区分における区分1以上に該当する障害児。  ・福祉型強化(障害者支援施設等において実施可能)(※) ※看護職員を常勤で1人以上配置 ・厚生労働大臣が定める状態に該当する医療的ケアが必要な障害者及び障害児。  ・医療型(病院、診療所、介護老人保健施設、介護医療院において実施可能)(※) ※病院、診療所については、法人格を有さない医療機関を含む。また、宿泊を伴わない場合は無床診療所も実施可能 ・遷延性意識障害児・者、筋萎縮性側索硬化症等の運動ニューロン疾患の分類に属する疾患を有する者及び重症心身障害児・者等⇒サービス内容、人員配置、報酬単価(令和6年4月〜)など参照。
○重度障害者等包括支援→対象者の類型、状態像の参照のこと。サービス内容、人員配置、運営基準、報酬単価(令和6年4月〜)など参照。

○(独)海技教育機構の概要→・(独)海技教育機構は、全国8校の学校と5隻の大型練習船を擁し、学科教育と航海訓練の一貫教育 を実施する基幹的な船員養成機関。 ・海技士教育科海技課程に、中学校卒業者を対象とする修業期間3年の本科を設置し、船員教育と併 せて高等学校の課程に類する教育を実施しており、卒業者は大学入学に関し高等学校を卒業した者 と同等以上の学力があるものとして取り扱われている⇒海技士教育科海技課程 参照のこと。
○職業能力開発校が実施する普通課程の概要→主に新規学卒者を対象に、職業に必要な技能や知識を修得するための訓練(職業能力開発校(都道府県))を実施している。

○地域住民等の参画による放課後等の学習支援・体験活動 (放課後子供教室・地域未来塾)→全ての児童生徒を対象に、退職教員や大学生等の地域住民等の協力により実施する原則無料の学習支援・体験活動等


2)安全確保措置@ (早期把握、相談、調査、 保護・支援、研修)
○教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号)概要 ※令和3年6月4日公布
→・児童生徒等の尊厳を保持するため、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策を推進し、もって児童生徒等の権利利益の擁護に資することを目的。  ・「児童生徒性暴力等」などの定義のほか、教育職員等による児童生徒性暴力等の禁止 等)、文部科学大臣による基本的な指針の作成 免許状授与の特例等について規定。基本理念(学校の内外を問わず教育職員等による児童生徒性暴力等の根絶 、児童生徒性暴力等の防止・早期発見・対処に関する措置(データベースの整備 等)、特定免許状失効者等に対する免許状授与の特例等について規定。 ・ 施行日:データベース関係の規定以外は、令和4年4月1日 。データベース関係の規定は、 令和5年4月1日⇒定 義(ポイント)、法が定める各施策、 基本的な指針 などの参照のこと。
○教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針 主な内容→1.はじめに(抄)2.児童生徒性暴力等の事実があると思われるときの学校・教育委員会等の対応 関係 3.データベース 関係 4.特定免許状失効者等に対する免許状の再授与審査 関係  参照のこと。
○児童生徒性暴力等を行った保育士の資格管理の厳格化について→・令和4年6月に公布された「児童福祉法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第66号)により、児童生徒性暴力等を 行った保育士について、 登録取消しや再登録の制限などの資格管理の厳格化に関する規定を整備。 ・改正法を踏まえ、都道府県において資格管理の厳格化に関する運用が適切に実施されるよう 基本的な考え方等を示すと 保育士による児童生徒性暴力等の防止及び早期発見並びに児童生徒性暴力等への対処に関する施策を総合的か つ効果的に推進するために基本指針を策定。(令和5年3月27日付けで厚生労働省子ども家庭局長通知として発出)

次回は新たに「若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループ(第8回)」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回) [2025年05月15日(Thu)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)(令和7年4月21日)
<議題>1.こども性暴力防止法施行準備検討会の設置 2.こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討スケジュール 3.こども性暴力防止法の制度対象 4. こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/232f6c26
◎参考資料1−4 教育・保育等を提供する事業者による児童対象性暴力等の防止等の取組を横断的に促進するための指針
第1章 横断指針の趣旨等↓
1.背景
→児童に対して教育・保育等を行う事業は @被用者が児童を指導するなどし、支配的・優越的立場に立つこと(支配性) A被用者が児童に対して継続的に密接な人間関係を持つこと(継続性) B保護者の監視が届かない状況の下で預かり、教育・保育等をすること(閉鎖性) という特別な社会的接触の関係にある。令和6年6月「こども性暴力防止法」成立。
2.目的→本横断指針は、「教育・保育等を提供する場における従事者から児童に対する性暴力」を主たる対象
3.添付資料→ 現場において実践しやすいものとなるよう、本横断指針には、次のとおり参考資料編及び取組事例集を添付 ⇒・ 参考資料編(行動規範・誓約書の文面例、相談体制・窓口に関する資料、相談窓口の周知広報資料、児童への性暴力又は不適切な行為が疑われた場合の対応例、聴き取りの対応例、保護者対応資料、 こどもの権利に関する資料)  ・取組事例集 (事業者による取組事例)
4.性暴力、不適切な行為とは→「性暴力の例」「不適切な行為の例」「参考資料(https://www.z-hoikushikai.com/about/siryobox/book/seibouryokuboushi.pdf)」参照。
5.児童に対する性暴力の特性
(1)被害児童の観点→ @被害の深刻さ A被害の発見のしづらさ
B被害の相談・開示までのプロセス
(2)加害者の観点→@個人に起因する要因A環境に起因する要因
コラム:性的グルーミング(性的手なずけ)の概要、
若年層が被害者となった性暴力の加害者像(p11)
第2章 性暴力防止への対応の全体像↓
1.性暴力防止への対応に当たっての考え方→断じて許すことはできない、が前提。
(1)性暴力は生じ得るとの意識・理解
(2)未然防止・早期発見に向けた日頃からの取組
(3)疑い段階から重く受け止めた対応 (4)チームによる対応 
(5)被害児童ファースト
2.主な対応の流れの例(タイムライン)→児童への性暴力を防止し、被害の疑いが生じた場合に対応する際の大まかな流れや全体像を、次のとおり参考例としてタイムラインで示す。各取組の具体的内容や留意点は、各項目の中で示している。P16図 参照。

第3章 未然防止→教育・保育等を提供する場において、従事者による児童への性暴力を未然に防止するためには、事業者として児童への性暴力を決して許さないという姿勢を、内外に明確に示すことが有効と考えられる。 具体的には、全ての従事者(パートタイム、アルバイト、ボランティア等を含む)に、児童への性暴力につながり得る不適切な行為をさせないこと、また、そのような行為につながりやすい環境や組織体制等に潜むリスクを取り除くことが有効と考えられる。
1.服務規律等の整備・周知→服務規律等を記載した文書に定める事項の例⇒・未就学児への対応における取組の例、 ・障害のある児童への対応における取組の例、 ・身体接触を伴うスポーツ教室等における取組の例、 ・個人が1人のみで児童に教育・保育等を提供する事業(個人塾、家庭教師、ベビーシッター等)における取組例、 参照。
2.施設・事業所環境整備→・被害を未然に防止する観点から、他の児童や従事者等の目が行き届きにくい環境を、可能な限り減らしていくことや、 「性暴力を許さない」等の意識を啓発するような環境整備が重要。→過去に児童への性暴力が発生した場所(目が行き届きにくい、死角となりやすい場所)の例。 ・ 施設・事業所環境整備として行われている取組の例⇒・個人が1人のみで児童に教育・保育等を提供する事業(個人塾、家庭教師、ベビーシッター等)における取組の例、
コラム: 防犯カメラの設置について
3.教育・啓発(対児童・保護者)
(1)児童への教育・啓発→@ こどもの権利 
A 性に関するルール→性行動のルール、境界線のルール。「生命(いのち)の安全教育」(各段階におけるねらい(概要)と指導内容)、・未就学児への対応における留意事項の例、・知的障害、発達障害等のある児童への対応における留意事項の例、・小規模住居型児童養育事業者、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援 施設、指定発達支援医療機関、一時保護施設、母子生活支援施設、児童自立生活援助事業者の場合(権利ノート)。
(2)保護者への教育・啓発→・内閣府・こども家庭庁「こどもたちのためにできること〜性被害を受けたこどもの理解と支援〜」↓
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/seibouryoku/pdf/pamphlet_2023_02.pdf
・ 子どもの性の健康研究会リーフレット「子どもをささえるためにできること〜性暴力被害にあった子どもの回復のため に〜」 ↓
http://csh-lab.com/wp/wp-content/uploads/2017/02/sasaeru.pdf
・ こども家庭庁 こども基本法パンフレット「すべてのこども・おとなに知ってほしい こども基本法とは?」(こどもの権 利条約の概要を含む)↓
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/40f97dfb ff13-4434-9ffc-3f4af6ab31d5/2bdb80fa/20230401policies-kodomokihon-01.pdf
4.研修(対従事者)→ア.研修内容の例 イ.実施体制・頻度の例 ウ.実施方法の例↓
・ ワークショップで取り扱うテーマ例(ケーススタディ、ロールプレイングのテーマ例)⇒・未就学児への対応における留意事項の例、・障害のある児童への対応における留意事項の例、・小規模住居型児童養育事業者、乳児院、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、 児童自立支援施設、指定発達支援医療機関、一時保護施設等の対応の例、・居場所支援における留意事項の例。

第4章 早期発見→児童の発するサインを理解することや、日常生活の観察、児童との会話等により変化を察知することが有効。 また、相談体制の整備・周知や、定期的な面談・アンケート調査等により、児童が被害を訴えやすい仕組みを整えることや、性暴力や不適切な行為の情報を検知した場合に、事業者内外にいち早く報告するルールを設けて、従事者 に分かりやすく周知することも有効と考えられる。
1.児童の日常の観察・会話
→・ 日常的に気にかけてほしい児童の変化の例⇒・未就学児への対応における留意事項の例、・障害のある児童への対応における留意事項の例。
2.性暴力被害や不適切な行為を訴えやすい仕組み
(1)相談体制の整備・周知→ ア.事業者内の相談体制の整備・周知 イ.外部の相談窓口を含めた、複数の相談窓口の分かりやすい周知→・ 児童に対する性暴力に関する主な相談窓口 
(2)面談・アンケートの実施→・アンケート実施の際の検討事項の例
3.事業者内外の報告のルール化→ア.報告ルート イ.報告内容 ウ.報告者の保護
・ 既存のガイドライン等における、現場の従事者が性暴力を認識した場合の対応の記載内容(抜粋)

第5章 相談・報告等を踏まえた対応を行うチーム・体制の形成→児童や保護者、従事者からの相談や報告により、児童への性暴力や不適切な行為があったと疑われるときに対応 する者及び対応内容を、予め定めておくことは、速やかに安全確保、事実確認、注意指導等を行う上で有効と考えられる。
ア.チーム編成(チームメンバーの例あり)、 イ.役割分担、ウ.秘密保持

第6章 相談・報告等を踏まえた対応→いつでも 児童から性暴力の被害を相談されるかもしれない、性暴力の情報をキャッチするかもしれない、との認識を持つとともに、 発覚時の対応・留意点について、定期的な研修等を通じて理解を深めておくことが有効。
1.性暴力の疑いの発覚時の対応→・ 性暴力被害の疑いが発覚した際の対応として、従事者が理解しておくべき内容の例⇒・未就学児、知的障害のある児童等への対応における留意事項の例。・ 被害児童本人に「誰にも言わないで」と言われた場合の対応の例。 ・ 被害児童以外の児童に相談を受けたが、その児童が被害児童から「誰にも言わないで」と言われている 場合の対応の例。 ・ 児童から打ち明けられた際に配慮が必要な言葉の例
コラム:被害児童の 二次被害防止及び 適切な 司法手続の 実現に向けて、事業者・従事者等が行うべきこと
2.被害児童の保護者への連絡・説明→・ 保護者への第一報の際に、事業者が説明・お願いすべき事項の例
3.被害児童等の安全確保→・被害児童と加害が疑われる者との分離について 〜学校の場合〜、〜保育所等の場合〜
4.事実確認等↓
(1)事実確認の進め方(総論)→・ 被害児童への聴き取りを要しない又は控えることが望ましいケースの例、・ 第三者への聴き取りを検討するケースの例。
(2)事実確認を行う体制→・ 事案区分ごとの事実確認に関する対応例
@ 犯罪が疑われる場合→・ 留意点 参照。
A犯罪に該当するとは限らないが、性暴力が疑われる場合
B不適切な行為が疑われる場合→・障害のある児童への対応における留意事項の例、・ベビーシッター事業者の場合。  ・ 専門家との連携の考え方の例
(3)情報及び客観証拠の保全
コラム: 適切な措置を講ずることなく、 客観証拠を削除させた場合の判例
(4)聴き取り→❖ 聴き取りの目的と主な対象のイメージ、
ア.被害児童及び/又は保護者への聴き取り→聴き取り担当者・場所等の実施例・留意
点の例あり。  コラム: 性暴力被害によるトラウマ反応あり。
イ.加害が疑われる者への聴き取り→・ 加害が疑われる者への聴き取り事項の例
ウ.第三者への聴き取り→・第三者への聴き取り事項の例
(5)事実の有無の評価→・弁護士と連携して合理的に事実の有無を評価する場合の条件・事情の例
5.方針決定→ア.方針決定事項の例 イ.被害児童とその保護者への方針の説明
6.関係者への対応・支援↓
(1)被害児童とその保護者への支援→支援に関する情報提供など支援内容の例あり。⇒・保育所・学校等、児童と持続的に関わることが想定される事業の場合
(2)被害児童以外の児童等への対応→うわさが拡がらないようにする(二 次被害の防止)・深刻なストレスを 抱えている児童への心理的ケアなどの対応内容の例あり。
⇒・保護者会の開催について
(3)従事者への対応→経営者やチーム長は認識した上で、従事者への心理 的ケアを行うことが有効。  コラム:セルフケア
(4)不適切な行為を行った者への対応→不適切行為が繰り 返されないよう、指導と経過観察を行う。指導は、書面で行い、記録として残すことなど。
(5)性暴力を行った者への対応→❖ 不適切な行為を行った者、性暴力を行った者への対応内容の例。・ 児童へ性暴力を行った者の処分について(学校と保育所等の場合〜)。
コラム: 懲戒処分の有効性と弁明の機会の付与
(6)性暴力や不適切な行為の事実の有無を評価することが難しい場合の対応
   コラム:性暴力が発生した場合の事業者の対応例<事例紹介>
7.再発防止策の検討・実行
ア.再発防止策を検討する上での観点→@性暴力や不適切な行為があったと評価でき
た場合の検討事項例 A性暴力や不適切な行為があったと評価することが難しかった場合の検討事項例
イ.再発防止策の検討体制
8.関係機関との連携→児童への性暴力防止対策の推進や、被害児童の保護・支援に当たっては、より実効的な対応ができるよう、事業者の管轄機関である自治体や教育委員会、業界団体等のみならず、警察、性暴力被害者支援機関、医療機関な どの関係機関、専門機関等との適切な連携が有効と考えられる。⇒関係者など 連携内容の例あり。
・学校の場合:スクールカウンセラー/スクールソーシャルワーカーとの連携
コラム:児童間の性暴力 参照。

参照条文等(関係法令・指針)
◎参考資料1−5 参照条文等(関係法令・指針)
○教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第 57 号)
目次 
第一章 総則(第一条―第十一条) 第二章 基本指針(第十二条)
第三章 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止に関する措置(第十三条 第十六条) 第四章 教育職員等による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力 等への対処に関する措置等(第十七条―第二十一条) 第五章 特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例等(第二十二条・ 第二十三条) 第六章 雑則(第二十四条) 附則

○児童福祉法(昭和22年法律第164号)(抄)【令和七年十月一日施行時点】
第七節 被措置児童等虐待の防止等→第三十三条の十、第三十三条の十一、第三十三条の十二(→ 被措置児童等虐待を受けたと思われる児童を発見した者は、速やかに、これを都道府県知事又は市町村長に通告しなければならな い。)、第三十三条の十三、第三十三条の十四、第三十三条の十五、第三十三条の十六、第三十三条の十六の二、

○教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針(令和4年 3月18日文部科学大臣決定、令和5年7月13日改訂)
第2 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策の内容に関する事項
1 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止に関する施策
(1)教育職員等に対する啓発→特に、学校の設置者及びその設置する学校においては、全ての教育職員 等の共通理解を図るため、外部専門家や上述の動画を活用したり、ロール プレイ形式・ディベート形式を導入したりするなどの効果的な研修の工夫 を図りつつ、教育職員等による児童生徒性暴力等の問題に関する校内研修 を様々な機会を捉えて繰り返し、また、計画的に実施するよう、取組の充 実を図る。
2 教育職員等による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力等への対処に関する施策
(1)早期発見のための措置及び相談体制の整備↓
(早期発見のための措置)→児童生徒等や教育職員等に対する定期的なアンケ ート調査や教育相談の実施、電話相談窓口の周知等により、児童生徒等が被害を訴えやすい体制を整えるとともに、地域、家庭と連携して児童生徒 等を見守ることが必要。
(3)児童生徒等に対する啓発の取組と連動させることが望ましい。 ↓
(相談体制の整備)→複数の相談窓口が確保され、また、同性の相談員に相 談できるようにするなど相談者が安心して相談できる環境が整えられると ともに、被害児童生徒等に対する保護・支援や事案への対処など、必要な 措置に迅速につなげることが重要

(2)教育職員等による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときの措置
(学校における事実確認、学校の設置者との合同実施等)→事案の事実確認に関して公正・中立な調査が求められており、事実関係を客観的に確認し、公正かつ中立な調査が行われることを旨とする必要。調査の公正性・中立性を確保するよう努めることが求められる。
(事実確認等の実施)→事実関係の明確化に当たっては、被害児童生徒等や教育職員等から聴き 取りを行うことが考えられる。
(学校に在籍する児童生徒等の保護及び支援等)→保護及び支援等としては、事案に応じて、例えば、ワンストップ支援センターなどの機関を被害児童生徒等やその保護者等に紹介するとともに、 学級担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等が連携し、被害児童生徒等やその保護者等からの相談等に学校で継続的かつ適切に対応し、落ち着いて教育を受けられる環境の確保や学習支援、関係機関との連携等を行うことなどが考えられる。

○保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する基本的な指針について(令和 5年3月27日付け子発0327第5号厚生労働省こども家庭局長通知)(抜粋)
第2 保育士による児童生徒性暴力等の防止等に関する施策の内容に関する事項
1 児童生徒性暴力等の防止に関する施策
(1)保育士に対する啓発→都道府県、児童生徒性暴力等の防止等に係る専門家と連携し、保育士 に対し、児童の人権、特性等に関する理解及び児童生徒性暴力等の防止等 に関する理解を深めるための研修及び啓発の充実を図る。
(4)その他の施策
(児童生徒性暴力等を未然に防止するための取組の推進)
2保育士による児童生徒性暴力等の早期発見及び児童生徒性暴力等への対処に関する施策 (1)早期発見のための措置及び相談体制の整備
(早期発見のための措置) (相談体制の整備)
(2)保育士による児童生徒性暴力等の事実があると思われるときの措置
(基本的な考え方)→都道府県は、児童や保護者からの相談などにより、保育士による児童生 徒性暴力等の事実があると思われるときは、被害児童の負担に十分に留意しつつ、保育所等、市町村及び所轄警察署との間で情報共有を図り、迅速に事案に対処するとともに、被害児童やその保護者に対して、必要な保護・支援を行う必要がある。
(任命権者等による都道府県への報告)
(都道府県による事実確認のための調査)→都道府県は、任命権者等からの報告等により、保育士による児童生徒性 暴力等の事実があると思われるときは、当該事実の有無の確認を行うための調査(質問や報告徴求等)を行うこと が求められる。

○事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき 措置等についての指針(平成18年厚生労働省告示第615号)(抜粋)
4事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容
(3) 職場におけるセクシュアルハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)→ @ 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談を行った労働者(以下「相談者」)及び行為者の双方から事実関係を確認すること。その際、相談者の心身の状況や当該言動が行われ た際の受け止めなどその認識にも適切に配慮すること。 また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。 A 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合 などにおいて、法第18条に基づく調停の申請を行うことその他中立 な第三者機関に紛争処理を委ねること。

○事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用 管理上講ずべき措置等についての指針(平成 28 年厚生労働省告示第 312 号) (抜粋)
4 事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関し雇 用管理上講ずべき措置の内容 
⑶ 職場における妊娠、出産等に関するハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)→@ 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談を行っ た労働者(以下「相談者」という。)及び職場における妊娠、出産等 に関するハラスメントに係る言動の行為者とされる者(以下「行為者」)の双方から事実関係を確認すること。その際、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも 適切に配慮すること。 A 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合などにおいて、法第18条に基づく調停の申請を行うことその他中 立な第三者機関に紛争処理を委ねること。

○事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して 雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和2年厚生労働省告示第5号) (抜粋)
4 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関 し雇用管理上講ずべき措置の内容
⑶ 職場におけるパワーハラスメントに係る事後の迅速かつ適切な対応
(事案に係る事実関係を迅速かつ正確に確認していると認められる例)→@ 相談窓口の担当者、人事部門又は専門の委員会等が、相談者及び行為者の双方から事実関係を確認すること。その際、相談者の心身の状況や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮すること。また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一 致があり、事実の確認が十分にできないと認められる場合には、第三者からも事実関係を聴取する等の措置を講ずること。 A 事実関係を迅速かつ正確に確認しようとしたが、確認が困難な場合 などにおいて、法第 30 条の6に基づく調停の申請を行うことその他 中立な第三者機関に紛争処理を委ねること。

次回も続き「参考資料2 関係制度概要等」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回) [2025年05月14日(Wed)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)(令和7年4月21日)
<議題>1.こども性暴力防止法施行準備検討会の設置 2.こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討スケジュール 3.こども性暴力防止法の制度対象 4. こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/232f6c26
◎資料4 こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・ 支援、
研修)について
≪論点@ 安全確保措置の内容・方法≫↓
2)安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)
○論点@ 安全確保措置の内容・方法
→・学校設置者等は、法第5条、第7条及び第8条に基づき、事業所における児童対象性暴力等の未然防止・発生時対応等を適切に行うため、次のアからオまでに掲げる安全確保措置を講じる必要がある。その具体的な措置の内容及び方法を順次示す。⇒ア 早期把握 イ 相談 ウ 調査 エ 保護・支援 オ 研修。 ・認定事業者等については、法第19条において「学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の総理大臣の認定を受ける」こととされていることを踏まえ、法第20条第1項第2号から第5号までに基づき、学校設置者等に求める措置と同等の安全確保措置に関す る基準を定めることとなる。 ・また、本年4月、令和6年度のこども家庭庁委託研究事業において、 教育・保育等を提供する場における従事者から児童への性暴力防止策等について、業界横断的に活用できる事項を「児童対象性暴力等の防止等の取組を横断的に促進するための指針」(以下「横断指針」)として取りまとめており、アからオまでの具体的な措置の検討に当たっては、横断指針の内容も踏まえることとする。
○論点@ 安全確保措置の内容・方法→ ア 早期把握
・対応案
→・法第5条第1項(学校設置者等)及び第20条第1項第2号(認定事業者等)の「早期に把握するための措置として内閣府令で定めるもの」につ いては、次のアからウまでのとおりとしてはどうか。⇒ ア 児童等に対する日常観察 イ 発達段階や特性に応じた児童等に対する定期的な面談・アンケート ウ (児童等に関する異変を把握した場合の)事業者内部での適切な報告。 ・また、これらの措置の留意点として、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。 ・ 担任だけではなく複数名での観察(児童等の心身等の変化の確認を含む。)等 ・ 発達段階や特性に応じた聴き取り方法等 ・ 報告者・報告内容に関する情報の適切な取扱い(秘密保持)等
○論点@ 安全確保措置の内容・方法→ イ 相談
・対応案
→・法第5条第2項(学校設置者等)及び第20条第1項第3号(認定事業者等)の「児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な 措置として内閣府令で定めるもの」については、次のア及びイのとおりとしてはどうか。⇒ア 事業者内における相談員の選任又は相談窓口の設置・周知 イ 性暴力等に係る外部相談窓口の周知。 ・ また、これらの措置の留意点として、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。⇒・ 事業者内において相談を受け得る従事者への研修の必要性、相談内容を性暴力等に限定しないこと、秘密保持等 ・ 外部相談窓口の一覧等
○論点@ 安全確保措置の内容・方法→ ウ 調査
・前提・考え方
→・ 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号。以下「教員性暴力等防止法」)においては、調査に 関連して、次のとおり規定している。⇒・ 専門的な知識を有する者の協力を得つつ、必要な調査を行う(第19条第1項) ・児童生徒等の人権及び特性に配慮する とともに、その名誉及び尊厳を害しないよう注意する ・ 犯罪があると認めるときは、所轄警察署に通報し、当該警察署と連携して対処する。 ・「教員性暴力等防止法基本指針」においては、調査方法として、次のとおり記載。⇒・ 被害児童生徒等や教育職員等から聴き取りを行う ・ 事実関係を客観的に確認し公正かつ中立な調査が行われること を旨とする(第19条第2項)(第18条第7項)。 ・ 厚生労働省の職場におけるハラスメントに関する指針(※)においては、相談の申出に応じた事実確認の在り方として、次のとおり記載。⇒・相談を行った労働者及び行為者の双方から事実関係を確認する ・相談者の心身の状況 や当該言動が行われた際の受け止めなどその認識にも適切に配慮する ・事実関係の確認が困難な場合などにおいて、中立な第三者機関 に紛争処理を委ねる。・ 横断指針では、事実確認の実施方法として、次のとおり記載。⇒・犯罪が疑われる場合には警察と早期に連携すること ・児童に過度な負担とならないように配慮すること ・専門家の協力を得つつ進めること。↓
・対応案→・法第7条第1項(学校設置者等)及び法第20条第1項第4号(認定事業者等)の「事実の有無及び内容」についての「調査」の方法について、次のアからウまでのとおり、内閣府令において定めることとしてはどうか。⇒ ア児童対象性暴力等を受けたと疑われる児童等の人権及び特性に配慮し、その名誉及び尊厳を害しないよう注意して行うこと イ事案の内容その他の事情に応じ、関係機関等との適切な連携の下で行うこと ウ 公正かつ中立に行うこと。 ・ また、調査方法に関する留意点として、次の事項について、事案の類型(例:犯罪に該当し得る場合か否か等)も踏まえつつ、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。⇒・ 事業者が事実確認を行う場合の手順(次ページにイメージを記載) ・ 聴き取り内容 ・ 事実の有無の評価方法 ・ 人権配慮の具体的内容 ・ 外部機関・専門家との連携方法 等
○調査プロセスについて(イメージ)→法第7条第1項に基づく調査のプロセスのイメージは、次のとおり。⇒事業者内での対応プロセス、各関係機関との連絡等 参照。
○論点@ 安全確保措置の内容・方法→ エ 保護・支援
・対応案
→・法第7条第2項(学校設置者等)及び法第20条第1項第4号(認定事業者等)の保護及び支援のための措置の目的及び方法について、次のア及 びイのとおり、内閣府令において定めることとしてはどうか。⇒ア 目的 被害児童等が日常を取り戻し、落ち着いて教育、保育等を受けることができるようにすること イ 方法 ・ 被害児童等と児童対象性暴力等を行ったと認める教員等との接触の回避  ・事案の内容その他の事情に応じた支援機関等の一覧及び保護・支援内容の被害児童等への情報提供 ・ 被害児童等及びその保護者からの相談への真摯な対応。
・また、これらの措置の留意点として、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。⇒・ 被害児童等と教員等の接触回避を行う場合の労働法制等の留意点(別途「防止措置」を議題とする回において検討予定) ・ 保護・支援機関等の一覧及び保護・支援内容 ・ 内閣府令で定める「真摯な対応」の解釈。
○論点@ 安全確保措置の内容・方法→ オ 研修
・前提・考え方
→横断指針においては、@研修内容、A実施体制・頻度、B実施方法の例について記載。⇒ @研修内容の例「未然防止・早期発見に向けて」「被害/被害の疑い発生時の対応」の参照。A実施体制・頻度の例→・事業者内に、児童への性暴力防止等に向けた研修の責任者を設置し、従事者の研修を行う。 ・専門的な知見を有する外部有識者等に対して、従業員の研修を依頼する。 ・研修は、1回限りではなく、一定期間ごとに行う。 ・任意ではなく、受講を必須とし、業務として受講させる。 B 実施方法の例(要約)→ ・ 研修の実施方法は、知識の習得が中心の研修項目(eラーニング形式、動画視聴形式)、研修参加者による議論や検討が中心の研修項目(ワークショップ形式等)等、学ぶ内容に適した方法を組み合わせることが効率的と考えられる。 ・ 研修においては、ワークショップ(ケーススタディ等)形式を用いることで、 性暴力の疑い等が生じた際に実際に取るべき行動をシミュレー ションすることができるようになるなど、「自分ごと」として、受講者1人1人が実践的に考える機会が得られ、研修効果が上がると考えられる。 ・ ワークショップは、対面形式が望ましいが、オンライン形式でも実施可能。 ・ 現場で悩む「接触」の在り方について、現場の従事者が悩みや認識を共有しながら、従事者から児童への性暴力が生じ得るという前提に基づいた適切な対応や支援の在り方を、個別具体的に考えていくことが有効な場合もある。
・対応案→・法第8条に定める学校設置者等が行う研修(認定事業者等にあっては内閣府令で定める研修)の内容は、次の@からDまでに掲げる科目を含むものとし、座学と演習を組み合わせて行うもの としてはどうか。⇒ @ 従事者による児童対象性暴力等の防止に関する基礎的事項(こどもの権利に関する事項を含む。) A 児童対象性暴力等が生じる要因 B 児童対象性暴力等及び不適切な行いの疑いの早期発見 C 相談、報告等を踏まえた対応 D 被害児童等の保護・支援。・ また、研修の留意点として、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。→・ 各カリキュラムの詳細 ・ 各カリキュラムの望ましい実施方法 ・ 受講のタイミング(1回限りではなく定期的に行うことが望ましいこと等) ・ 外部の専門家等の活用 等  ※ なお、あくまで現時点のイメージであり、今年度実施する調査研究の結果を踏まえて検討を行う。

≪論点A その他留意すべき点≫↓
○論点A その他留意すべき点
→論点@に掲げる安全確保措置に関する事項に加えて法の附帯決議に掲げられている次のアからオまでの事項について、考え方を順次示す。⇒ア 教員性暴力等防止法等との関係 イ 施設等で複数の目が行き届くような体制の整備 ウ 安全確保措置を事業者が負荷なく構築できるよう支援する仕組み エ こどもの安全・保護に関する責任者の任命 オ 研修、相談、調査等における第三者性の確保
・対応案→・教員性暴力等防止法等及びその指針との整合性に関しては、学校については、 ・ 教員性暴力等防止法で定められている早期把握、相談、調査、保護・支援、研修の措置 ・ 既に学校で行うこととされている措置 を講じていれば、基本的には法のガイドライン等で示す内容を満たすものと整理し、重複して同様の措置を講じる必要がないことを、ガイドライン等において示すこととしてはどうか。・また、学校、保育所等については、法で定める早期把握、相談、調査等の措置において、教員性暴力等防止法、児童福祉法等 で通報等の対象とな る事実を把握した場合には、これらの法律に基づく適切な対応が求められる 旨を、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。
○論点Aその他留意すべき点→ イ 施設等で複数の目が行き届くような体制の整備
・前提・考え方
→・法の附帯決議においては、「施設などにおいて複数の目が行き届くような体制が整備されるよう努めること 」 が求められている。 〇 横断指針においては、「多様な視点・観点から児童の行動をみるために、かつ担任など児童にとって最も身近な者が性加害を行っている可能性が あることを踏まえ、担任だけではなく、複数人で 性暴力被害の兆候の有無を観察することが有効」と記載されている。・また、横断指針においては、性暴力等の未然防止のため、@ハード面として、物理的環境の見直しによる密室状態の回避(死角を把握して可能な限りなくす、監視システム等を活用する 等)Aソフト面として、巡回の実施、複数の従事者での児童への対応 等 の予防的取組が、有効な対策として挙げられている
・対応案→・施設等で複数の目が行き届くような体制の整備に関しては、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。→・ 児童対象性暴力等の早期把握のためには、担任だけではなく複数人での見守りが有効であること ・ 児童対象性暴力等の未然防止のためには、施設・事業所の環境整備に当たり、死角をなくすこと、監視システム等を活用すること、巡回を実 施・強化すること等が有効であること。 ・併せて、学校設置者等の運営体制の充実についても、各施設・事業の所管省庁において、引き続き取り組むこととしてはどうか。
○論点Aその他留意すべき点→ ウ 安全確保措置を事業者が負荷なく構築できるよう支援する仕組み
・対応案→・安全確保措置を事業者が吹かなく構築できるよう支援する仕組みに関しては、こども家庭庁において、令和7年度中を目途として、 ・ 事業者にとって分かりやすいガイドライン等の策定 ・ 広く利用可能な研修教材の作成 等を行い、事業者が安全確保措置を行うに当たって負担を軽減できるよう努めることとしてはどうか。 ・また、こども性暴力防止に向けた総合的な対策(令和6年4月25日こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議・性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議取りまとめ)等に盛り込まれた予算も活用し、施行に向けて、関係府省庁において、事業者に対する支援を引き続き検 討・実施することとしてはどうか。
○論点Aその他留意すべき点→ エ こどもの安全・保護に関する責任者の任命
・前提・考え方
→・法の附帯決議においては、学校設置者等及び認定事業者が、「こどもの安全・保護に関する責任者を任命する仕組み等」を 検討することが求められている。・横断指針においては、児童等からの「相談・報告等を踏まえた対応を行うチーム・体制の形成」に関する章において、次の内容が記載されている。 ・児童への性暴力や不適切 な行為があったと疑われるときに対応する者及び対応内容を、予め定めておくことは、 速やかに安全確保、事実確認、注意指導等を行う上で有効と考えられている。・性暴力の疑いの段階から重く受け止めることが重要であり、 様子見などをすることなく、組織内外のサポートを得て、チームで対応することが有効と考えられる。
・対応案→・こどもの安全・保護に関する責任者の任命する仕組みに関しては、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。⇒ ・ 児童等、保護者、従事者等からの相談や報告により、児童対象性暴力等が行われた疑いがあるときに対応する者を、あらかじめ定めておくこと は、速やかに調査、保護・支援等を行う上で有効と考えられること ・ 児童対象性暴力等については、そのおそれがある段階から重く受け止めて対応することが重要であり、様子見などをすることなく、組織内外の サポートを得て、あらかじめ設けた担当チームで対応することが有効と考えられること。

○論点Aその他留意すべき点→ オ 研修、相談、調査等における第三者性の確保
・対応案
→研修、相談、調査等における第三者性の確保に関しては、次の事項について、ガイドラインにおいて示すこととしてはどうか。⇒・ 研修については、外部有識者の活用が有効であること ・ 相談については、事業者内で第三者性を確保するよう努めることに加え、外部の相談機関も周知すること ・ 調査については、事案に応じて外部機関(例:警察、地方自治体、教育委員会、児童相談所等)との連携が必要であること


◎参考資料1−1 こども性暴力防止法(条文)
○学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等の ための措置に関する法律(令和6年法律第69号)
目次→第一章 総則(第一条―第三条)、第二章 学校設置者等が講ずべき措置等(第四条―第十八条)、第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措置等 (第十九条―第三十二条)、第四章 犯罪事実確認書の交付等(第三十三条―第三十九条)、  第五章 雑則(第四十条―第四十二条) 第六章 罰則(第四十三条―第四十八条) 附則。↓


第一章 総則 ↓
(目的)第一条 (定義)第二条  
(学校設置者等及び民間教育保育等事業者の責務等) 第三条
第二章 学校設置者等が講ずべき措置等 ↓
(犯罪事実確認義務等)第四条 (児童対象性暴力等を把握するための措置)第五条
(犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置)第六条
(児童対象性暴力等が疑われる場合等に講ずべき措置)第七条 (研修の実施)第八条
(県費負担教職員の場合の特例)第九条  (施設等運営者がある場合の特例)第十条
(犯罪事実確認記録等の管理に関する措置)第十一条
(利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止)第十二条
(犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告) 第十三条
(犯罪事実確認記録等の適正な管理)第十四条 
(帳簿の備付け及び定期報告)第十五条  (報告徴収及び立入検査) 第十六条
(犯罪事実確認義務に違反した場合の公表) 第十七条
第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措 置等 ↓
(認定の申請) 第十九条 (認定の基準等)第二十条 (共同認定の申請)第二十一条
(認定等の公表)第二十二条(認定等の表示)第二十三条(変更の届出等)第二十四条
(児童対象性暴力等対処規程の遵守義務) 第二十五条
(犯罪事実確認義務等) 第二十六条 (犯罪事実確認記録等の適正な管理)第二十七条
(帳簿の備付け及び定期報告) 第二十八条  (報告徴収及び立入検査) 第二十九条
(適合命令及び是正命令)第三十条  (廃止の届出) 第三十一条
(認定等の取消し等) 第三十二条
第四章 犯罪事実確認書の交付等 ↓
(犯罪事実確認書の交付申請) 第三十三条 
(内閣総理大臣による犯罪事実の確認) 第三十四条
(犯罪事実確認書の交付) 第三十五条  (犯罪事実確認書管理簿) 第三十六条
(犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去) 第三十八条(5年間)
(職員等の秘密保持義務) 第三十九条
第五章 雑則↓
(手数料)第四十条  (関係大臣への協議)第四十一条
(こども家庭庁長官への内閣総理大臣に係る権限の委任第四十二条(こども家庭庁長官)
第六章 罰則↓
(情報不正目的提供罪)第四十三条  (犯罪事実確認書不正取得罪) 第四十四条
(虚偽表示罪及び情報漏示等罪) 第四十五条  (帳簿の不備等の罪)第四十六条
(国外犯) 第四十七条  (両罰規定) 第四十八条
附 則 抄
(施行期日)第一条 
(改正前の刑法に規定する罪についてのこの法律の適用関係)第二条
(懲役を言い渡す裁判についてのこの法律の適用関係)第三条 (準備行為)第四条
(政令への委任) 第五条
(検討) 第六条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況
等 を勘案しつつ、・・・・・・・。


◎参考資料1−2 学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防
止等のための措置に関する法律案に対する附帯決議
○(令和6年5月22日 衆議院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会)
→一〜十九まで。十九 以上の項目は、こどもが誰一人として性被害を受けることがないよう万全を期するという一貫した考えのもと取り組むこと。  右決議する。
○(令和6年6月18日 参議院内閣委員会)→一〜十九まで。十九 以上の項目は、こどもの権利の保障を最優先に捉え、こどもが誰一人として性被害を受けることがないよう万全を期するという一貫した考えの下 に取り組むこと。 右決議する。


◎参考資料1−3 こども性暴力防止法用語一覧
・19の用語とその説明・備考あり。

次回も続き「参考資料1−4 教育・保育等を提供する事業者による児童対象性暴力等の防止等の取組を横断的に促進するための指針」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回) [2025年05月13日(Tue)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)(令和7年4月21日)
<議題>1.こども性暴力防止法施行準備検討会の設置 2.こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討スケジュール 3.こども性暴力防止法の制度対象 4. こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/232f6c26
◎資料3 こども性暴力防止法の制度対象について
≪論点@ 対象事業の範囲≫↓
○1)制度対象 対象事業(学校設置者等・民間教育保育等事業者)について
→・学校設置者等及び民間保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律(令和6年法律第69号。以下「法」) 第2条第3項各号においては、学校設置者等について、次に掲げる施設・事業のとおり定めている。 ・同条第5項各号においては、民間教育保育等事業者について、次に掲げる事業のとおり定めている。⇒学校設置者等【義務】・民間教育保育等事業者【認定】 参照。
○論点@ 対象事業の範囲→・法の対象事業に関しては、学校設置者等の範囲は対象が明確に規定されている。 ・他方、民間教育保育等事業者の範囲は、次のアからカまでに掲げるものについて、政令・内閣府令やガイドラインにおいて、その定義を明確化する必要。⇒ア 専修学校(一般課程)・各種学校における児童等を専ら対象とする学校教育に類する教育を行う事業(法第2条第5項第1号) イ 高等課程類似教育事業(法第2条第5項第2号) ウ 民間教育事業(法第2条第5項第3号) エ 放課後児童健全育成事業に類する事業(法第2条第5項第9号) オ 認可外保育事業(法第2条第5項第17号)に該当するベビーシッターマッチングサイト カ 障害児に対する指定障害福祉サービス(法第2条第5項第18号)
○論点@ 対象事業の範囲(1)→ア専修学校(一般課程)・各種学校における児童等を専ら対象とする学校教育に類する教育を行う事業(法第2条第5項第1号)
・対応案→本号の対象事業は、専修学校(一般課程)・各種学校のうち、幼稚園、小学校、中学校及び高等学校相当の課程(例:外国人学校の高等学校相当 学年まで等)の教育を行う事業と整理した上で、以下のとおり、ガイドラインにおいて示してはどうか。⇒<ガイドライン記載イメージ>あり。 参照。
○論点@ 対象事業の範囲(2)→イ 高等課程類似教育事業(法第2条第5項第2号)
・対応案→各府省庁への照会結果を踏まえ、法第2条第5項第2号に定める高等課程類似事業(※)については、次の@からBまでに掲げる課程の教育を 行う事業を、内閣府令で定めてはどうか。⇒@〜B 参照。
○論点@ 対象事業の範囲(3)
→ウ 民間教育事業(法第2条第5項第3号)
・前提・考え方(全体)→法の対象事業は、基本的には学校教育法、児童福祉法等の法律上定義のある事業を列挙しているが、法第2条第5項第3号においては、法律上明確な定義のない事業(学習塾、スポーツクラブ、ダンススクール等)についても、一定の要件を満たすものを民間教育事業として認定対象とすることができる規定となっている。 ・具体的には、法の対象事業の基準としての支配性・継続性・閉鎖性の観点も踏まえ、 次の要件を満たすものを民間教育事業と定義。⇒要件@ 児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であること(法第2条第5項第3号柱書) 要件A 当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が、6月以上であること(同号イ) 要件B 児童等に対して対面による指導を行うものであること(同号ロ) 要件C 当該事業を営む者が当該事業を行うために用意する場所(事業所等)において指導を行うものであること(同号ハ) 要件D 当該技芸又は知識の教授を行う者の人数が、政令で定める人数以上であること(同号ニ)
・対応案(要件@:児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であること)→要件@の具体的内容は、以下のとおり、ガイドラインにおいて示してはどうか。⇒「児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業」とは、次の要件を満たす事業とする。→ ア:児童等に対して技芸又は知識の教授(内容は問わない)を行うことを目的としていること イ:実際に児童等に対して技芸又は知識の教授を行っている(又は行う予定である)こと。 ・アについては、少なくとも 児童等に対して行うことを目的としていることが明示されている必要がある(大人及び児童等の両方を対象とした事業 は認定対象として認めるが、大人のみに対して行うことを目的とした事業に児童等が例外的に参加している事業については、認定対象としない)。 また、「児童等に対する技芸又は知識の教授」が、事業の 「主たる」目的であることまでは求めず、 事業の中で「児童等に対する技芸又は知識の教授」を行っている場合(例:こども食堂における学習支援、芸能事務所におけるダンス指導等)には、認定対象として認めるものとする。 ・イについては、実態として児童等がおらず、受入れ予定もない事業については、認定対象としない。
○前提・考え方(要件A:当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が、6月以上であること) ・ 要件Aは、本法が、一定の支配性・継続性・閉鎖性を有する事業を対象としている下での、継続性の観点から設けられた要件である。 ・ 当該事業が6か月以上にわたって提供されている状況 をどのように定義するか、また児童等の参加頻度をどのように捉えるかについて、明確化する必要がある。
・対応案(要件A:当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が、6月以上であること)→要件Aの具体的内容については、以下のとおり、ガイドラインにおいて示してはどうか。⇒「標準的な修業期間が6月以上である」とは、次の要件を全て満たすものをいうものとする。→・ 6か月以上の期間にわたって事業を実施していること ・ 当該期間に複数回、児童等に対して技芸又は知識の教授を行っていること(間隔は問わない) ・ 当該期間に行われる技芸又は知識の教授の機会に、同一の児童等が複数回参加することが可能であること。 <対象となる例>→・ 月1回、週2回など定期的に事業を実施し、同一の児童等が継続的に技芸又は知識の教授を受けることを想定している場合 ・ 1〜2か月に1回、体験学習プログラムを開催し、かつ同一の児童等が複数回参加することが可能である場合 ・ 夏休みに1泊2日のキャンプを行い、冬休みにスキー合宿を実施する等、一連のプログラムとして年内に複数回事業を実施し、かつ同一の児 童等が複数回参加することが可能である場合 ・ 小学校4年生から6年生までの3年間のプログラムで、毎年1回、1泊2日のキャンプを定期的に開催し、かつ同一の児童等が複数回参加す ることが可能である場合。  <対象とならない例> ・7月に1回2時間、12月に1回2時間のみ、それぞれ独立した別の学習プログラムを実施している場合
○前提・考え方(要件C:事業者が用意する場所(事業所等)において指導を行うものであること)→・要件Cは、本法が、一定の支配性・継続性・閉鎖性を有する事業を対象としている下での、支配性及び閉鎖性の観点から設けられた要件である。 ・この観点からは、事業者が主体的に場所や区画を選択 した場合には 、性暴力等が露見しづらい環境(支配性又は閉鎖性が生じやすい環境)を生み出しやすい と考えられる。 ・ 一方で、児童等の自宅については、仮に事業者が指定をした場合であっても、 保護者等による一定の関与・介入が可能であり、事業者が必ずしも 性暴力等を行いやすい環境を生み出せるとは言いがたいと考えられる。
・対応案(要件C :事業者が用意する場所(事業所等)において指導を行うものであること) 要件Cの具体的内容については、以下のとおり、ガイドラインにおいて示してはどうか。→「当該事業を営む者が、当該事業を行うために用意する場所」とは、保護者等ではなく、事業者が指定した場所(児童等の自宅を除く。)とする。
<対象となる例> 事業者のオフィス、従事者の自宅、カフェ、公民館等の個室、公園、山・海等。 <対象とならない例> 児童等の自宅、保護者が指定した場所・区画 ※ 家庭教師事業については、児童等の自宅以外の場所(教室やシェアオフィス等)でも教える場合があれば、認定対象とする。
○前提・考え方(要件D:技芸又は知識の教授を行う者の人数が、政令で定める人数以上であること)→要件Dは、法律上明確な定義のない事業(学習塾、スポーツクラブ、ダンススクール等)を対象とするに当たり、学校、児童福祉施設等と類似の環境であり、かつ、この法律に基づく措置を講ずるに当たり最低限の組織体制を求める観点から設けられた要件である。→民間教育事業と同じく認定対象とされている 各種学校については、各種学校規程において、「各種学校の教員組織の充実を図り、各種学校におけ る教育内容の一定水準を保障するため、組織的、継続的な教育活動を行う上で最低限度必要な教員数」との解釈の下、校長及び3人以上の教員を置かなければならないこととされている。 ※ なお、運用上、校長と教員は兼ねることができるとされている。
・対応案(要件D:技芸又は知識の教授を行う者の人数が、政令で定める人数以上であること)→要件Dの人数については、3人以上 として、政令で定めてはどうか。 ・ また、当該人数には、派遣労働者、ボランティア等、雇用の有無・形態を問わず、実体として技芸又は知識の教授に従事している者を含むことを、 ガイドラインにおいて明確化してはどうか。
○論点@ 対象事業の範囲(4)→エ 放課後児童健全育成事業に類する事業(法第2条第5項第9号)
・対応案→法第2条第5項第9号に定める「これに類する事業」は、社会教育法第5条第2項に規定する地域学校協働活動のうち、 @学校の始業前や就業 後に、A学校や公民館等の施設を活用して、B学習・遊びの機会や生活支援の提供を行う事業(例:放課後子供教室、地域未来塾等)を実施するものとしてガイドラインにおいて示してはどうか。 ・ その上で、法第2条第5項第9号における「内閣府令で定める施設」は、地域学校協働活動が実施されうる施設を広く想定し、 @ 学校施設 A 社会教育施設 B 児童厚生施設 C @からBまでに掲げる施設のほか、地方公共団体が設置する公共施設(例:文化ホール、コミュニティセンター、公園、廃校施設等) D その他地域学校協働活動を実施する施設として、@〜Cに類するもの(例:私立大学施設、寺院、民家等) として内閣府令で定めてはどうか。
○論点@ 対象事業の範囲(5)→オ 認可外保育事業(法第2条第5項第17号)に該当するベビーシッターマッチングサイト等
・対応案
→個人のベビーシッターとの間で委託契約を結び、児童福祉法上の認可外保育施設として届出を行ったベビーシッターマッチングサイトの運営者については、「認可外保育事業」として認定の対象とすることを、ガイドラインにおいて示してはどうか。 ・ 同様に、家庭教師の派遣事業を行う事業者が、個人の家庭教師との間で委託契約を結び、法第2条第5項第3号の「民間教育事業」の要件を満たす場合には、認定の対象とすることを、ガイドラインにおいて示してはどうか。
○論点@ 対象事業の範囲(6)→ カ 障害児に対する指定障害福祉サービス(法第2条第5項第18号)
・対応→障害者総合支援法に規定する居宅介護、同行援護、行動援護、短期入所又は重度障害者等包括支援について、障害児に対して行われる事業である と制度上特定されたものについては、認定の対象となる旨をガイドラインにおいて示しては どうか。

≪論点A 対象業務の範囲≫↓
○対象業務(教員等)について
→法第2条第4項各号においては、教員等(学校設置者等において法の対象となる業務を行う者)について、次のとおり定めている。⇒【教育関係】@〜➁、【認定こども園関係】@〜➁、【児童福祉関係】@〜Lまで。 参照。
○対象業務(教育保育等従事者)について→法第2条第6項各号においては、教育保育等従事者(民間教育保育等事業者において法の対象となる業務を行う者)について、次のとおり定めて いる。⇒教育保育等従事者【認定】→【教育関係】@〜B、【児童福祉関係】@〜M、【障害児関係】@ 指定障害福祉サービス事業(5部門)
○論点A 対象業務の範囲→法の対象業務に関しては、次のアからエまでに掲げるものについて、内閣府令やガイドラインにおいて、その定義や考え方を明確化する必要。⇒ア「教員等」の範囲(法第2条第4項) イ 「教育保育等従事者」の範囲(法第2条第6項) ウ 同一事業者内の「教員等」及び「教育保育等従事者」の整理  エ 従事期間の短い「教員等」及び「教育保育等従事者」の取扱い
○論点A 対象業務の範囲(1)→ ア 「教員等」の範囲(法第2条第4項)
・前提・考え方→法第2条第4項においては、学校設置者等において教育、保育等の業務を行う従事者(犯罪事実確認等の措置の対象となる従事者)として「教員等」という定義を置いており、学校設置者等の類型(例:学校、幼保連携型認定こども園、児童福祉施設)ごとに、その対象となる従事者を定めている。 ・ 「教員等」の範囲については、内閣府令及びガイドラインにおいて、具体的な職種を含め、明確化する必要がある。・ 特に、学校設置者等ごとに、児童等に日常的に接する者と接しない者が異なる職種(例:学校の事務職員、送迎バスの運転手)については、その 業務の実態が支配性・継続性・閉鎖性を満たすもの であれば、対象にすることが適当と考えられる。
・対応案 ↓
(1)内閣府令で定めることとされている職種↓
ア 法第2条第4項第1号ハ及び同項第2号に定める学校及び高等専修学校の「教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの」→ 法第2条第4項第1号ハ及び同項第2号に定める学校及び高等専修学校の「教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの」 については、文部科学省への照会結果を踏まえ、次の(ア)から(ウ)までに掲げる職種を内閣府令に定めることとしてはどうか。 (ア)学校教育法施行規則(昭和22年文部省令第11号)等に規定されている教職員の業務に類する業務を行う職(例:スクールカウンセラー) (イ)教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号。以下「教員性暴力等防止法」)第21条に規定する 「教育職員等以外の学校において児童生徒等と接する業務(当該学校の管理下におけるものに限る。)に従事する者」のうち、支配性、継続性及び 閉鎖性のある環境の下で児童生徒に接するもの (ウ)高等専門学校又は高等専修学校において(ア)及び(イ)に類する業務に従事する者
イ 法第2条第4項第3号ハに定める幼保連携型認定こども園の「教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの」→ 法第2条第4項第3号ハに定める幼保連携型認定こども園の「教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの」については、 幼保連携型認定こども園の学級の編制、職員、設備及び運営に関する基準(平成26年内閣府・文部科学省・厚生労働省令第1号) に関し、職員のうち児童と日常的に接する業務に従事する者を「児童対象業務従事者(仮称)」と規定する旨の改正を行った上で、この 「児童対象業務従事者(仮称)」を内閣府令に定める こととしてはどうか。
※ 同様に、法第2条第4項第4号から第17号までに定める、児童福祉施設、児童福祉事業等についても、児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 (昭和 23年厚生省令第63号)をはじめ、関係施設・事業の 設備、運営等に係る基準を定めた府省令において、職員のうち児童と日常的に接する 業務に従事する者を「児童対象業務従事者(仮称)」と規定する旨改正。
(2)具体的な対象業務の明確化→・「教員等」の対象範囲を明確化するため、学校設置者等の各施設・事業に従事する職種を「 @ 職種全体が対象になる」「A 職種の一部が対象に なり得る」「B 対象にならない」職種にそれぞれ分類し、ガイドラインにおいて示してはどうか。具体的には、各府省庁への照会結果を踏まえ、 P.25〜P.28のとおりとしてはどうか。 ・ また、「A職の一部が対象になり得る」の類型については、対象となる例等について、次のとおり、具体的にガイドラインにおいて示してはどうか⇒P24の<ガイドライン記載イメージ> 参照。
(3)各事業者における対象者の特定→・学校設置者等においては、特に 「A 職種の一部が対象になりうる」職種について、 (2)の例示を踏まえつつ、いずれの職種の者が「教員等」 に該当するかについて、各学校設置者等の実態に応じて、判断・特定することとしてはどうか。 。 ・また、当該職種に就く(予定の)従事者自らが、犯罪事実確認等の対象となるか否かについて事前に把握することができるよう、 学校設置者等は、 新規採用者に対しては募集段階で、現職者に対しては施行日までに、書面等によって、対象職種となり得る旨を従事者本人に通知することとしては どうか。
⇒対象業務の範囲(教員等)→【学校教育法関係】【児童福祉法関係】【認定こども園関係】※法令に定めのない職種に下線、参照。

○論点A 対象業務の範囲(2)→ イ 「教育保育等従事者」の範囲(法第2条第6項)
・対応案 ↓
(1)具体的な対象業務の明確化→・「教員等」と同様、「教育保育等従事者」の対象範囲を明確化するため、民間教育保育等事業者の各施設・事業に従事する職種を「 @ 職種全体が対象になる」「A 職種の一部が対象になり得る」「B 対象にならない」職種にそれぞれ分類し、ガイドラインにおいて示してはどうか。具体的には、各府省庁への照会結果を踏まえ、P.30・31のとおりとしてはどうか。 ・また、「A職の一部が対象になり得る」の類型については、対象となる例、ならない例について、具体的にガイドラインで示してはどうか。(示 し方の一例はP.24のとおり。)
(2)各事業者における対象者の特定→・「教員等」と同様、認定事業者等においては、特に 「A 職種の一部が対象になり得る」職種について、(1)の例示を踏まえつつ、いずれの 職種の者が「教育保育等従事者」に該当するかについて、各認定事業者等の実態に応じて、判断・特定することとしてはどうか。 ・また、 認定事業者等は、新規採用者に対しては募集段階で、現職者に対しては施行日までに、書面等によって、当該職種となり得る旨を従事者 本人に通知することとしてはどうか。
⇒対象業務の範囲(教育保育等従事者)【法に定めのある事業】【民間教育事業】 参照。
○論点A 対象業務の範囲(3)→ウ 同一事業者内の「教員等」及び「教育保育等従事者」の整理
・対応案→・学校設置者等が、 学校等又は児童福祉事業の事業所において、その義務対象事業に付随して特定の認定対象事業を一体的に行っている場合、当該 認定対象事業に従事する従事者についても「教員等」として整理し、ガイドラインで示すこととしてはどうか。具体的には、各省庁への照会結果を踏まえ、対象となる義務対象施設・事業ごとに「教員等」と整理する「教育保育等従事者」の範囲を、P.33〜36のとおりとしてはどうか。・他方、例えば認可保育所Aにおいて事業者Bが一時預かり事業を行う場合には、運営主体が異なるため、当該一時預かり事業の従事者を認可保育 Aの「教員等」として整理することはできず、当該従事者に対して犯罪事実確認を行う場合は、事業者Bが別途認定を受けることが必要となることとしてはどうか。⇒ (参考例)認可保育所で行われる一時預かり事業等の従事者の考え方 図表の参照。

○同一施設又は事業所内における「教員等」及び「教育保育等従事者」の整理の例→【学校教育法関係】【認定こども園法関係】【児童福祉法関係(13施設)】
○論点A 対象業務の範囲(4) エ 従事期間の短い「教員等」及び「教育保育等従事者」の取扱い
・対応案→・対象業務に従事する者である限り、従事期間による例外は設けない こととしてはどうか。 ・ただし、支配性・継続性・閉鎖性の観点から、教員等又は教育保育等従事者に明らかに該当しない職種(例:1日だけ講演に来るゲストスピーカー等)については、ガイドラインにおいて「対象とならない例」として明示する。

≪論点B 対象条例の範囲≫↓
○対象となる罪について→法第2条第7項においては、特定性犯罪(犯罪事実確認の対象となる罪)を、次のとおり定めている。↓
〇 刑法→ ・不同意わいせつ(176条) ・不同意性交等(177条) ・監護者わいせつ及び監護者性交等(179条) ・不同意わいせつ等致死傷(181条) ・16歳未満の者に対する面会要求等(182条) ・強盗・不同意性交等及び同致死(241条1項・3項)
〇 盗犯等の防止及処分に関する法律→・常習特殊強盗致傷(4条)
〇 児童福祉法→・淫行をさせる罪(60条1項)
〇 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律→・児童買春(4条) ・児童買春周旋(5条) ・児童買春勧誘(6条) ・児童ポルノ所 持、提供等(7条) ・児童買春等目的人身売買等(8条)
〇 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された 性的な姿態の影像に係
る電磁的記録の消去等に関する法律
・性的姿態等撮影(2条) ・性的影像記録提供等(3条) ・性的影像記録保管(4条) ・性的姿態等影像送信(5条) ・性的姿態等影像記録(6条)
〇 都道府県の条例で定める罪であって、次に掲げる行為のいず れかを罰するものとして政令で定めるもの→・みだりに人の身体の一部に接触する行為 ・正当な理由がなく、人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体 をのぞき見し、写真機等を用いて撮影し、又は当該下着若しくは身 体を撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置する行為 ・みだりに卑わいな言動をする行為 ・児童と性交し、又は児童に対しわいせつな行為をする行為   ※一部これらの未遂罪を含む。
○論点B 対象条例の範囲→ 法の対象とする罪に関しては、刑法等の法律に定める罪の範囲は対象が明確に規定されているが、都道府県の条例で定める罪については、その対象を政令で定める必要がある
○論点B 対象条例の範囲→ 法第2条第7項に規定する特定性犯罪に含まれる、都道府県の条例で定める罪について、その対象を政令で定める必要がある。
・前提・考え方→法第2条第7項においては、 犯罪事実確認の対象となる「特定性犯罪」には、刑法(明治40年法律第45号)等の法律で定められるものだけでなく、都道府県の条例で定める罪であって、 次の@からCまでに掲げる行為のいずれかを罰するものとして政令で定めるもの(法第2条第7項 第6号)が含まれることとされている。@ みだりに人の身体の一部に接触する行為 A 正当な理由がなくて、人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体をのぞき見し、若しくは写真機その他の機器(以下「写真機等」)を用いて撮影し、又は当該下着若しくは身体を撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置する行為 B みだりに卑わいな言動をする行為(@又はAに掲げるものを除く。) C 児童と性交し、又は児童に対しわいせつな行為をする行為
・都道府県条例のうち、@〜Cの行為を罰する罪を定めたものは、→・ 迷惑防止条例 (痴漢、盗撮、のぞき見、卑わいな言動等(@〜Bに掲げる行為)に関する罰則を規定) ・ 青少年健全育成条例 (淫行及びわいせつ行為等(Cに掲げる行為)に関する罰則を規定) であると考えられる。
○対応案 ↓
・法第 2 条第7項第6号の都道府県の条例で定める罪であって政令で定めるものは、
→ ・ 各都道府県の迷惑防止条例における@〜Bに関する行為を罰する罪(例:北海道迷惑行為防止条例(昭和40年北海道条例第34号)第11条に規定する罪) ・ 各都道府県の青少年健全育成条例におけるCに関する行為を罰する罪(例:北海道青少年健全育成条例(昭和30年北海道条例第17号)第57条、第58条、第59条第3項及び第61条に規定する罪) としてはどうか。
・ 該当する条例及び罪については、施行日が近づいた段階で、こども家庭庁及び警察庁において、都道府県の各担当部局及び都道府県警察に調査を 行うこととしてはどうか。また、該当する条例の改廃については、都道府県の各担当部局及び都道府県警察に定期的に報告を求めることとしてはどうか。

次回も続き「資料4 こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・ 支援、研修)について」からです。

こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回) [2025年05月12日(Mon)]
こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)(令和7年4月21日)
<議題>1.こども性暴力防止法施行準備検討会の設置 2.こども性暴力防止法の施行に向けた主な論点及び検討スケジュール 3.こども性暴力防止法の制度対象 4. こども性暴力防止法の安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)について
https://www.cfa.go.jp/councils/koseibo-jumbi/232f6c26
◎資料1 こども性暴力防止法施行準備検討会開催要綱
1.趣旨
→ 令和6年6月19日に「学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律」(こども性暴力防止法)が成立し、公布日(令和6年6月26日)から2年6か月を超えない範囲において政令で定める日に施行することとされている。 その円滑な施行に向け、必要となる下位法令、ガイドライン等の検討を進めるため、有識者の参集を得て「こども性暴力防止法施行準備検討会」を開催する。

2.検討事項 (1)こども性暴力防止法の施行のために検討が必要な論点(制度対象、認定等、安全確保措置(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修、犯罪事 実確認、防止措置)、情報管理措置、監督等) (2)その他
3.運営等 (1)本検討会の構成員は、別紙のとおりとする。 (2)本検討会には、座長を置く。座長は、こども家庭庁成育局長があらかじめ 指名するものとする。 (3)本検討会においては、座長が必要があると認めるときは、関係府省庁及び 構成員以外の学識経験者等の参加を求めることができる。 (4)本検討会は原則として公開するとともに、議事録を作成し、公表する。 ただし、座長が特に必要と認めるときは、会議資料及び議事録の全部又 は一部を公表しないものとすることができる。 (5)本検討会の庶務は、こども家庭庁成育局安全対策課こども性暴力防止法施行準備室が行う。 (6)この要綱に定めるもののほか、本検討会の運営に関して必要な事項は、 座長が定める。

○別紙 こども性暴力防止法施行準備検討会 構成員名簿→16名。
※オブザーバー省庁:内閣人事局、人事院、内閣府、警察庁、個人情報保護委 員会、
デジタル庁、総務省、法務省、外務省、文部科学 省、厚生労働省、経済産業省


◎資料2−1 こども性暴力防止法の概要↓
・趣旨→児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にある学校設置者等及び認定を受けた民間教育保育等事業者が教員等 及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止等の措置を講じることを義務付けるなどする。
・対象事業者→学校設置者等(第2条第3項):学校、児童福祉施設等この法律で義務対象となる事業者。 民間教育保育等事業者(第2条第5項):学習塾、放課後児童クラブ、認可外保育施設等この法律で認定対象となる事業者。
・対象事業者の責務等→・学校設置者等及び民間教育保育等事業者(第3条第1項)⇒・教員等及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止に努める ・児童対象性暴力等の被害児童等を適切に保護する。 ・国(第3条第2項)⇒・学校設置者等及び民間教育保育等事業者がその責務を確実に果たすことができるようにするため、必要な情報の提供、制度の整備等の施策を実施。
・対象事業者に求められる措置等→・安全確保 措置⇒初犯対策(1)〜(3)、再犯対策(4)、特定性犯罪前科の確認対象 ㋐拘禁刑(服役):刑の執行終了等から20年、㋑拘禁刑(執行猶予判決を受け、猶予期間満了):裁判確定日から10年 ㋒罰金:刑の執行終了等から10年。⇒⇒⇒防止措置の義務(児童対象性暴力等が行われるおそれありと認められる場合、児童対象性暴力等の防止のための措置(教育、保育等の業務に従事させないなど)を講じなければならない。(第6条等))。※特定性犯罪前科有りのときは、児童対象性暴力等が行われるおそれありとして、防止措置は必須。詳細は、ガイドラインで示す予定。  ・情報管理 措置等→〇犯罪事実確認書等の適切な管理(第11条、第14条等) 〇利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止(第12条等) 〇犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告(第13条等)〇犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去(第38条) 〇情報の秘密保持義務(第39条)
・指導・監督→・安全確保措置の指導・監督⇒・学校設置者等:各所管法令に基づき、所管庁が監督 ・認定事業者:国(こども家庭庁)が直接監督 (定期報告、報告徴収及び立入検査、命令、認定等の取消、公表、等)   ・情報管理措置等の実施状況の指導・監督⇒・国(こども家庭庁)が直接監督 (定期報告、報告徴収及び立入検査、公表、命令、等)
施行期日:公布の日(令和6年6月26日)から起算して2年6月を超えない範囲において政令で定める日


◎資料2−2 こども性暴力防止法の施行に当たり整理すべき論点
1 制度対象↓

⑴ 対象事業の範囲→ 法の対象事業のうち、次のアからカまでに掲げるものについては、下位法令・ガイドラ インにおいて、その定義を明確化する必要がある。⇒ ア 専修学校(一般課程)・各種学校における児童等を専ら対象とする学校教育に類する教育を行う事業(法第2条第5項第1号) イ 高等課程類似教育事業(同項第2号) ウ 民間教育事業(同項第3号) エ 放課後児童健全育成事業に類する事業(同項第9号) オ 認可外保育事業(同項第17号)に該当するベビーシッターマッチングサイト カ 障害児に対する指定障害福祉サービス(同項第18号)
⑵ 対象業務の範囲→ 法の対象業務のうち、次のアからエまでに掲げるものについては、内閣府令 ・ガイドラ インにおいて、その定義や考え方を明確化する必要。⇒ ア 「教員等」の範囲(法第2条第4項) イ 「教育保育等従事者」の範囲(同条第6項) ウ 同一事業者内の「教員等」及び「教育保育等従事者」の整理 エ 従事期間の短い「教員等」及び「教育保育等従事者」の取扱い
⑶ 対象条例の範囲→法第2条第7項に定める特定性犯罪は、同項第6号柱書に定める都道
府県の条例で定める罪も対象としており、具体的な対象条例の範囲について政令で定める必要がある。

2 認定 ↓
⑴ 認定等の基準→民間教育保育等事業者が認定等を受けるために満たす必要がある法第20条第1項各号 に定める次のアからカまでの要件について、下位法令・ガイドラインにおいて、その具体的内容を明確化する必要。⇒ア 犯罪事実確認を適切に実施するための体制整備 イ児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置の実施 ウ 児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置の実施 エ児童対象性暴力等対処規程 オ 教育保育等従事者への研修受講 カ 情報管理措置
⑵ 共同認定→法第21条第1項に定める共同認定については、次のアからウまでに掲げる事項の具体的内容を、ガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ ア 共同認定の対象 イ 共同認定の仕組み ウ 共同認定事業者間の役割分担
⑶ 認定等の手続 認定等の手続については、次のアからオまでに掲げる事項の具体的内容を、下位法令・ ガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ア 手続の具体的な手順 イ 申請書記載事項・添付書類 ウ 標準処理期間 エ 手数料 オ その他手続事項等

3 安全確保措置@(早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)↓
⑴ 安全確保措置の内容・方法→学校設置者等が、法第5条、第7条及び第8条に基づき講
じる必要があるアからオまでの安全確保措置(※)では、その具体的内容を下位法令・ガイドラインにおいて明確化する必要。※認定事業者等については法第20条の認定基準として同様の内容を規定。⇒ア 早期把握 イ 相談 ウ 調査 エ 保護・支援 オ 研修
⑵ その他留意すべき点→⑴に掲げる安全確保措置に関する事項に加えて、法の附帯決議に掲げられている次のアからオまでの事項について、考え方をガイドラインにおいて明確化する必要。→ア 教員性暴力等防止法等との関係 イ 施設等で複数の目が行き届くような体制の整備 ウ 安全確保措置を事業者が負荷なく構築できるよう支援する仕組み エ こどもの安全・保護に関する責任者の任命 オ 研修、相談、調査等における第三者性の確保

4 安全確保措置A(犯罪事実確認)↓
⑴ 犯罪事実確認の期限等→犯罪事実確認の期限等については、次のアからオまでに掲げる事項の具体的内容を下位 法令・ガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ア 犯罪事実確認の期限(法第4条第1項及び第3項並びに第26条第3項) イ いとま特例が適用されるやむを得ない事情の内容(法第4条第2項及び第26条第2 項) ウ いとま特例が適用される場合の確認期限(法第4条第2項及び第26条第2項) エ いとま特例が適用される場合に講じる必要な措置(法第4条第2項及び第26条第2 項) オ 離職の解釈(法第38条第2項第1号)
⑵ 犯罪事実確認の手続→犯罪事実確認の手続については、次のアからカまでに掲げる事項の具体的内容を下位法 令・ガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ア 手続の具体的な手順 イ 対象事業者からの申請書記載事項・添付書類 ウ 申請従事者からの申請書記載事項・添付書類 エ 犯罪事実確認書の様式 オ 標準処理期間 カ その他手続事項
⑶ その他→次のアからカまでに掲げる事項について、内閣府令、ガイドライン等において、 その具体的内容を明確化する必要。⇒ア現職者確認の方法 イ学校設置者等のこども性暴力防止法関連システムへの登録方法 ウ申請従事者が都道府県採用のSC・SSW等の場合の留意点 エ事業者における犯罪事実確認の実施状況等の情報開示 オ犯罪事実確認管理簿の様式等 カ教員性暴力等防止法及び児童福祉法のデータベースの利用手続上の工夫

5 安全確保措置B(防止措置)↓
⑴ 防止措置等の内容→法第6条及び第20条第1項第4号イに定める児童対象性暴力等を防止するために必要な措置(以下「防止措置」)については、次のアからウまでに掲げる事項の具体的内容をガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ア児童対象性暴力等が行われる「おそれ」の判断プロセス  イ児童対象性暴力等が行われる「おそれがあると認めるとき」の解釈  ウ児童対象性暴力等が行われる「おそれ」に応じた防止措置の内容等(労働法制等を踏 まえた留意点を含む。)
⑵ その他の留意点→法の附帯決議等も踏まえ、次のアからエまでに掲げる事項の考え方をガイドラインにおいて明確化する必要。⇒ア法定の期限内に従事者から戸籍等の提出がなく犯罪事実確認ができなかった者への対応  イ対象業務従事者が派遣労働者等である場合の対応  ウ対象業務従事者が公務員である場合の対応  エ内定辞退者への偏見防止

6 情報管理措置↓
⑴ 情報管理措置の内容・方法→法第11条及び第20条第1項第6号に基づき、対象事業者が講じる必要がある情報管理措置について、その具体的内を下位法令・ガイドラインにおいて明確化する必要。
⑵ こども家庭庁への報告を要する重大事態の内容及び報告方法→法第13条に定める「犯罪事実確認書に記載された情報の漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われていないと認められる事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして内閣府令で定めるもの」の内容及びこども家庭庁への報 告方法について、下位法令・ガイドラインにおいて明確化する必要がある。
⑶ 廃棄及び消去の具体的な方法→犯罪事実確認書受領者等は、法第38条に定める期日までに犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。その際の具体的な方法について、ガイドラインにおいて明確化する必要がある。
⑷ その他→次のアからオまでに掲げる事項について、その具体的内容を下位法令・ガイドライン等において明確化する必要。⇒ア 国への定期報告 イ 国への情報管理措置変更の届出 ウ 是正命令 エ 民間教育保育等事業者の認定要件 オ 対象業務従事者が派遣労働者等である場合の対応

7 監督→法に基づき事業者が講じる措置の監督については、国及び所轄庁の役割分担(所轄庁の考え方を含む。)、監督の観点及びこれらを踏まえた事業者の定期報告事項、帳簿記載事項等について、下位法令・ガイドラインにおいて明確化する必要がある。
⑴ 国及び所轄庁の役割分担⇒ ア 国及び所轄庁の役割分担 イ 具体的な監督手順 ウ 国及び所轄庁の連携について
⑵ 監督の観点 ア こども家庭庁の監督の観点 イ 所轄庁の監督の観点
⑶ 事業者からの定期報告事項等 ア 事業者の国への定期報告事項 イ 事業者の所轄庁への定期報告事項 ウ 定期報告の頻度・時期
⑷ 事業者の帳簿記載事項
⑸ 犯罪事実確認義務違反時の公表事項

8 その他→ ⑴ 事業者間の役割分担 法に基づく義務について、ガイドラインにおいて、事業者の類型に応じて役割分担の考 え方を明確化する必要。 ⑵ その他 施行期日、経過措置及びこども家庭庁長官への事務委任事項について、政令で定める必要がある。


◎資料2−3 こども性暴力防止法の施行に向けたスケジュール
【4月】 21日(月)第1回 検討会→・ 制度対象 ・ 安全確保措置@ (早期把握、相談、調査、保護・支援、研修)
【5月】第2回 検討会→・ 安全確保措置A(犯罪事実確認) ・ 安全確保措置B(防止措置) ・ 情報管理措置
【6月】第3回 検討会→ ・ 認定 ・ 監督 ・ その他
【それ以降】 夏〜秋 こどもの意見聴取  団体ヒアリング 中間とりまとめ
年内目途  ガイドライン等の検討・策定  ※ 施行期限︓令和8年12月25日
○(別紙) こども性暴力防止法の施行に向けたスケジュール(イメージ)
→上記一覧表あり。

次回も続き「資料3 こども性暴力防止法の制度対象について」からです。

第10回 子ども・子育て支援等分科会 [2025年05月10日(Sat)]
第10回 子ども・子育て支援等分科会(令和7年4月18日)
議事 子ども・子育て支援金制度管理部会(仮称)の設置について(案)
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kodomo_kosodate/2053fa3b
◎子ども・子育て支援金制度管理部会(仮称)の設置について(案)
令和7年〇月〇日 こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会決定
〇 設置の趣旨

子ども・子育て支援法(平成24年法律第65号)第71条の30において、内閣総理大臣は、子ども・子育て支援納付金に係る内閣府令や子ども・子育て支援納付金に関する重要事項を定めようとするときは、こど も家庭審議会の意見を聴かなければならないとされている。 こうしたことから、今般、こども家庭審議会令(令和5年政令第 127 号)第6条第1項に基づき、こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会の下に、子ども・子育て支援金制度の実施に関して意見を聴取する ことを目的として、部会を設置するもの。
〇 名称 「子ども・子育て支援金制度管理部会」
〇 所掌事務→子ども・子育て支援金制度の実施に関する重要事項に対する助言⇒・ 子ども・子育て支援納付金に係る内閣府令 ・ 子ども・子育て支援金制度についての周知・広報 ・ 子ども・子育て支援金制度の実施状況の確認・評価 等
〇 当面のスケジュール→ 令和8年4月の制度開始に向け、子ども・子育て支援納付金に係る内 閣府令等、子ども・子育て支援納付金充当対象事業の実施状況、子ども・ 子育て支援金制度についての周知・広報など、必要な事項について順次 議論。

◎参考資料1こども家庭審議会令(令和五年政令第百二十七号)(抄)
(部会)
第六条 審議会及び分科会は、その定めるところにより、部会を置くことができ る。 2 部会に属すべき委員、臨時委員及び専門委員は、会長(分科会に置かれる部 会にあっては、分科会長)が指名する。 3 部会に、部会長を置き、当該部会に属する委員の互選により選任する。 4 部会長は、当該部会の事務を掌理する。 5 部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員又は臨時委員のうちか ら部会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理する。 6 審議会(分科会に置かれる部会にあっては、分科会。以下この項において同じ。)は、その定めるところにより、部会の議決をもって審議会の議決とする ことができる。

◎参考資料2子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)(抄)
(こども家庭審議会への意見聴取)
第七十一条の三十 内閣総理大臣は、第七十一条の四第二項、第七十一条の五第 一項各号、第二項、第四項各号及び第五項並びに第七十一条の六第一項各号及 び第三項各号の内閣府令を定めようとするときその他子ども・子育て支援納付金に関する重要事項を定めようとするときは、こども家庭審議会の意見を 聴かなければならない。
=====
(子ども・子育て支援納付金の額)
第七十一条の四 前条第一項の規定により各健康保険者等から毎年度徴収する 子ども・子育て支援納付金の額は、当該年度(以下この条において「徴収年度」 という。)の当該健康保険者等に係る概算支援納付金の額とする。ただし、徴 収年度の前々年度の概算支援納付金の額が当該年度の確定支援納付金の額を 超えるときは、徴収年度の概算支援納付金の額からその超える額とその超え る額に係る調整金額との合計額を控除して得た額とするものとし、徴収年度の前々年度の概算支援納付金の額が当該年度の確定支援納付金の額に満たないときは、徴収年度の概算支援納付金の額にその満たない額とその満たない 額に係る調整金額との合計額を加算して得た額とする。
2 前項ただし書の調整金額は、徴収年度の前々年度における全ての健康保険者等に係る概算支援納付金の額と確定支援納付金の額との過不足額につき生ずる利子その他の事情を勘案して内閣府令で定めるところにより健康保険者 等ごとに算定される額とする。

(概算支援納付金)
第七十一条の五 各年度における前条の概算支援納付金の額は、次の各号に掲 げる健康保険者等の区分に応じ、当該各号に定める額とする。
一 被用者保険等保険者 当該年度における支援納付金対象費用の予定額(以下この項において「支援納付金算定対象予定額」という。)から全ての後期 高齢者医療広域連合について第四号に定めるところにより算定した額の総 額を控除して得た額に、当該年度におけるイ及びロに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 内閣府令で定めるところにより算定した全ての被用者保険等保険者に 係る加入者等の見込数の総数を内閣府令で定めるところにより算定した 全ての健康保険者に係る加入者等の見込数の総数で除して得た数
ロ 当該被用者保険等保険者に係る標準報酬総額の見込額(当該年度の標準 報酬総額と見込まれる額として内閣府令で定めるところにより算定される額をいう。以下このロにおいて同じ。)を全ての被用者保険等保険者に 係る標準報酬総額の見込額の合計額で除して得た数
二 地域保険等保険者(日雇保険者としての全国健康保険協会を除く。) 当 該年度における支援納付金算定対象予定額から全ての後期高齢者医療広域 連合について第四号に定めるところにより算定した額の総額を控除して得た額に、当該年度におけるイ及びロに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 内閣府令で定めるところにより算定した全ての地域保険等保険者(日雇 保険者とし
ての全国健康保険協会を除く。)に係る加入者等の見込数の総 数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての健康保険者に係る加 入者等の見込数の総数で除して得た数
ロ 内閣府令で定めるところにより算定した当該地域保険等保険者に係る 加入者等(十八歳に達する日以後の最初の三月三十一日までの間にある加 入者等(以下このロ及び次条第一項第二号ロにおいて「十八歳未満加入者 等」という。)を除く。)の見込数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての地域保険等保険者(日雇保険者としての全国健康保険協会を除く。)に係る加入者等(十八歳未満加入者等を除く。)の見込数の総数で除して得た数
三 日雇保険者としての全国健康保険協会 当該年度における支援納付金算 定対象予定額から全ての後期高齢者医療広域連合について次号に定めると ころにより算定した額の総額を控除して得た額に、当該年度における内閣府令で定めるところにより算定した日雇保険者としての全国健康保険協会に 係る加入者等の見込数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての健 康保険者に係る加入者等の見込数の総数で除して得た数を乗じて得た額
四 後期高齢者医療広域連合 当該年度における支援納付金算定対象予定額 に、当該年度におけるイ、ロ及びハに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 概算後期高齢者支援納付金率
ロ 内閣府令で定めるところにより算定した当該後期高齢者医療広域連合 に係る被保険者の見込数を内閣府令で定めるところにより算定した全て の後期高齢者医療広域連合に係る被保険者の見込数の総数で除して得た 数
ハ 当該後期高齢者医療広域連合に係る所得係数
2 前項第一号ロの被用者保険等保険者に係る標準報酬総額は、次の各号に掲 げる被用者保険等保険者の区分に応じ各年度の当該各号に定める額を当該被 用者保険等保険者の全ての加入者等について合算した額を、それぞれ内閣府令で定めるところにより補正して得た額とする。
一 全国健康保険協会及び健康保険組合 被保険者ごとの健康保険法又は船 員保険法に規定する標準報酬月額及び標準賞与額の総額
二 共済組合 組合員ごとの国家公務員共済組合法又は地方公務員等共済組 合法に規定する標準報酬の月額及び標準期末手当等の額の総額
三 日本私立学校振興・共済事業団 加入者ごとの私立学校教職員共済法に規 定する標準報酬月額及び標準賞与額の総額 四 国民健康保険組合 組合員ごとの前三号に定める額に相当するものとし て内閣府令で定める額
3 (略)
4 前項第二号の内閣総理大臣が告示する率は、第一号に掲げる数を第二号に 掲げる数で除して得た数(その数に小数点以下四位未満の端数があるときは、 これを四捨五入する。)とする。
一 内閣府令で定めるところにより算定した当該告示を行う年度における全 ての後期高齢者医療広域連合に係る被保険者の見込数の総数を内閣府令で 定めるところにより算定した令和八年度における全ての後期高齢者医療広 域連合に係る被保険者の総数で除して得た数に百分の八を乗じて得た数
二 前号に掲げる数に、内閣府令で定めるところにより算定した当該告示を行 う年度における全ての健康保険者に係る加入者等の見込数の総数を内閣府 令で定めるところにより算定した令和八年度における全ての健康保険者に 係る加入者等の総数で除して得た数に百分の九十二を乗じて得た数を加え て得た数
5 各年度における第一項第四号ハの所得係数は、内閣府令で定めるところに より算定した当該後期高齢者医療広域連合に係る被保険者の所得の平均額を 内閣府令で定めるところにより算定した全ての後期高齢者医療広域連合に係 る被保険者の所得の平均額で除して得た数とする。

(確定支援納付金)
第七十一条の六 各年度における第七十一条の四第一項ただし書の確定支援納 付金の額は、次の各号に掲げる健康保険者等の区分に応じ、当該各号に定める 額とする。
一 被用者保険等保険者 当該年度における支援納付金対象費用の額(以下この項において「支援納付金算定対象額」という。)から全ての後期高齢者医 療広域連合について第四号に定めるところにより算定した額の総額を控除 して得た額に、当該年度におけるイ及びロに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 内閣府令で定めるところにより算定した全ての被用者保険等保険者に係る加入者等の総数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての健 康保険者に係る加入者等の総数で除して得た数
ロ 当該被用者保険等保険者に係る標準報酬総額(前条第二項に規定する被 用者保険等保険者に係る標準報酬総額をいう。以下このロにおいて同じ。) を全ての被用者保険等保険者に係る標準報酬総額の合計額で除して得た 数
二 地域保険等保険者(日雇保険者としての全国健康保険協会を除く。) 当 該年度における支援納付金算定対象額から全ての後期高齢者医療広域連合 について第四号に定めるところにより算定した額の総額を控除して得た額 に、当該年度におけるイ及びロに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 内閣府令で定めるところにより算定した全ての地域保険等保険者(日雇 保険者としての全国健康保険協会を除く。)に係る加入者等の総数を内閣 府令で定めるところにより算定した全ての健康保険者に係る加入者等の 総数で除して得た数
ロ 内閣府令で定めるところにより算定した当該地域保険等保険者に係る 加入者等(十八歳未満加入者等を除く。)の数を内閣府令で定めるところ により算定した全ての地域保険等保険者(日雇保険者としての全国健康保 険協会を除く。)に係る加入者等(十八歳未満加入者等を除く。)の総数で 除して得た数
三 日雇保険者としての全国健康保険協会 当該年度における支援納付金算 定対象額から全ての後期高齢者医療広域連合について次号に定めるところ により算定した額の総額を控除して得た額に、当該年度における内閣府令で 定めるところにより算定した日雇保険者としての全国健康保険協会に係る 加入者等の数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての健康保険者 に係る加入者等の総数で除して得た数を乗じて得た額
四 後期高齢者医療広域連合 当該年度における支援納付金算定対象額に、当 該年度におけるイ、ロ及びハに掲げる数を順次乗じて得た額
イ 確定後期高齢者支援納付金率
ロ 内閣府令で定めるところにより算定した当該後期高齢者医療広域連合 に係る被保険者の数を内閣府令で定めるところにより算定した全ての後 期高齢者医療広域連合に係る被保険者の総数で除して得た数
ハ 当該後期高齢者医療広域連合に係る前条第五項に規定する所得係数
2 (略)
3 前項第二号の内閣総理大臣が告示する率は、第一号に掲げる数を第二号に 掲げる数で除して得た数(その数に小数点以下四位未満の端数があるときは、 これを四捨五入する。)とする。
一 内閣府令で定めるところにより算定した当該告示を行う年度の前々年度 における全ての後期高齢者医療広域連合に係る被保険者の総数を内閣府令 で定めるところにより算定した令和八年度における全ての後期高齢者医療 広域連合に係る被保険者の総数で除して得た数に百分の八を乗じて得た数
二 前号に掲げる数に、内閣府令で定めるところにより算定した当該告示を行 う年度の前々年度における全ての健康保険者に係る加入者等の総数を内閣 府令で定めるところにより算定した令和八年度における全ての健康保険者 に係る加入者等の総数で除して得た数に百分の九十二を乗じて得た数を加 えて得た数


◎参考資料3子ども・子育て支援金制度↓
「加速化プラン」における少子化対策の抜本的強化に当たり、子育て世帯を支える新しい分かち合い・連帯の仕組み 少子化対策に受益を有する全世代・全経済主体に、医療保険の保険料とあわせて、令和 8年度から拠出いただく。

1.子ども・子育て支援法→政府は、支援納付金対象費用に充てるため、令和8年度から毎年度、医療保 険者から支援納付金を徴収する。
2.医療保険各法等
3.改正法附則(経過措置・留意事項)

次回は新たに「こども性暴力防止法施行準備検討会(第1回)」からです。

第4回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会資料 [2025年05月09日(Fri)]
第4回今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会資料(令和7年4月11日)
1.ヒアリング等を踏まえた意見交換 2.その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_56959.html
≪イギリスの制度概要≫
○イギリスの制度概要│雇用施策対象の障害者定義、雇用率制度
1.雇用施策対象の障害者定義
→・ 2010年平等法(Equality Act 2010)第6条第1項 「身体的又は精神的な障害、または長期的な健康不調状態のために、通常の日常生活を送る能力に実質的かつ長期的 (12ヶ月以上)に悪影響を及ぼしている者」。  ・ 特に具体的な障害種類の例や基準はなく、障害の定義による自己申告による。 自己申告された障害は、重度の知的障害(学習障害)、自閉症、精神疾患またはその他の神経障害、進行性疾患、てんか ん、目が見えにくい、心臓の血圧や血液循環に問題がある、うつ病、神経症または不安、背中や首に関する問題や障害、足または脚に関する問題または障害、腕または手に関する問題または障害、胸または呼吸の問題喘息気管支炎、糖尿病、聴覚障 害、胃、肝臓、腎臓、消化不良、重度の醜状皮膚疾患アレルギー等が挙げられる。
2.雇用率制度→・ 雇用率制度は1995年に廃止(納付金等の経済的インセンティブや罰則がなく、実効性がなかったことが理由)。 ・ ただし、政府は、2017年から2027年までに障害者の就業数を100万人増やすと公約。 2022年に既に達成されたため、2030年までにさらに100万人の障害者雇用を増やす目標を設定。 ・ また政府が主導する企業の取組み促進のための「障害者コンフィデント制度(Disability Confident employer scheme)」に おいて、認定レベル3の企業では、障害者雇用状況の自主的な報告が求められている。義務化はされていない。

○イギリスの制度概要│助成金等支給金・税制優遇、支援機関、 一般就労における職場適応援助者等の仕組み
3.助成金等支給金・税制優遇→施設・機器に対する 助成金など一覧あり。
4.支援機関→・ジョブセンタープラス(Jobcentre Plus) ⇒納付金申請管理、職業紹介、ワークコーチや障害者雇用アドバイザーによる就労支援。 ・専門プログラム提供事業者 ⇒労働年金省等から委託を受け、ジョブコーチや訓練等のサービスを提供
5.一般就労における職場適応援助者(ジョブコーチ)等の仕組み→・自治体単位でジョブコーチの派遣を実施。 ・障害者のうち最も就労可能性の低い自閉症者や重度学習障害者へのジョブコーチ支援の可能性を自治体レベルでテストをして おり、2025年3月まで資金提供を行っている。

○イギリスの制度概要│福祉的就労等の選択肢、重点的な雇用支援を必要とする者への対応
6.福祉的就労等の選択肢
→・労働契約のない福祉目的での就労や、社会的企業は現在存在しない。 1989年以降、施策の重点は戦後の「保護雇用」から一般就労への援助付き就業プログラムに段階的に移行している。また半 国営レンプロイ保護工場は2013年に閉鎖。 ・ 政府は一般労働市場への参入支援を目的としたさまざまな援助付き雇用及び訓練プログラムを提供。プログラム継続期間中は さまざまな仕事(例:農場実習(ケア・ファーム))準備に従事し、プログラムにより一定の収入を伴う場合もある。
7.重点的な雇用支援を必要とする者への対応→・ 労働保険省(DWP)のプログラム ⇒・ (例)集中的個別雇用支援プログラム(IPES)→ • 特に就労困難性が高い障害者に、1対1のサポートや就業後の支援を実施。 • 平等法上の障害者であり、就労を阻む複雑な障壁がある者(具体的な対象者はプログラム毎に規定)が対象。 • 参加者は15か月間の集中個別支援を受け、雇用が決まればさらに6か月間のOJTサポートが受けられる。 ・ 個人配置及びサポート(IPS)プログラム⇒ ・保健社会福祉省(DHSC) 、NHSイングランドおよび改善局(NHSE/I)、労働年金省(DWP)、健康改善および 格差局(OHID)が資金を提供する共同プログラム。 ・多くは重度の精神疾患のある人、他に薬物・アルコールアディクション等の健康問題を抱える人が対象。 ・ IPS8原則に基づいた、リハビリテーションと精神保健チームが統合した個別支援を提供

○イギリスの制度概要│雇用の場における差別禁止
8.雇用の場における差別禁止
・差別禁止の定義(2010年平等法)
→・保護特性(年齢、障害、性転換、婚姻及び市民的パートナーシップ、人種、宗教・信条、性別、性的指向)を理由とする差別を禁止する包括的な差別禁止法(平等法)の中で定義⇒・ 採用時:(a)採用者を決定するために使用者が作成した措置、(b)採用における雇用条件、(c)採用拒否についての差別を禁止(平等法39 条1 項)。 ・ 雇用契約締結後:(a)雇用条件、(b)昇進や配転、教育訓練、その他の利益、施設、サービスを受けるための機会へのアクセスを認める、また認めないこと、(c)解雇、(d)その他の不利益を与えること(同条2 項)についての差別を禁止。 ・ 対象事業主: 国家安全保障の要件に準拠する必要がある場合を除く、すべての事業主。 ・ 対象障害者: 2010年平等法上の障害者。  ・確認方法・違反時の対応→ ・ 諮問・調停・仲裁サービス(Acas) ⇒あっせんや仲裁、労使関係改善のための助言、オンラインでの情報提供。 ・ 平等人権委員会(EHRC) ⇒平等法等の遵守状況について事業主等に調査、質問、勧告の実施、平等法の内容を具体化する行為準則の制定、 政府委託のホットライン「平等助言支援サービス(EASS)。 ・ 雇用審判所/裁判所 ⇒申立、救済。

○イギリスの制度概要│雇用の場における合理的配慮
9.雇用の場における合理的配慮
・合理的配慮の定義(2010年平等法)
→・ 使用者は、以下の3つの場面において、合理的な調整措置(reasonable adjustment)を講じる義務(調整義務)を負い(平等法39条5項)、この義務を履行しなかったときに、調整義務の不履行を理由とする差別が成立する(同法21条2項)。 @ 規定、基準又は慣行が、障害者を、障害者でない者と比較して当該事項に関して実質的に不利な立場に置く場合、その不利な立場を回避するために講じる必要があると合理的に考えられる措置を講じること(同法20条3 条) A 物理的特徴が、障害者を、障害者でない者と比較して当該事項に関して実質的に不利な立場に置く場合、その不利な立場を回避するために講じる必要があると合理的に考えられる措置を講じること(同条4項) B 障害者が、補助的支援の提供がなければ、障害者でない者と比較して当該事項に関して実質的に不利な立場に置かれる場合、補助的支援を提供するために必要と合理的に考えられる措置を講じること(同法5項)
・ 対象事業主・障害者:「8.雇用の場における差別禁止」と同一
・ 確認方法・違反時の対応:「8.雇用の場における差別禁止」と同一

○イギリスの制度概要│雇用の質向上の施策
10.雇用の質向上の施策→ 「障害コンフィデント」制度 ↓
・概要
⇒様々な産業分野の事業主と障害者の代表者で形成される会員制度。2016年から開始。 事業主会員は3段階のレベルがあり、3年で更新。障害者の雇用状況や改善活動を評価するとともに、会員に継続的なサポートとガイダンスを提供する。 ・ 会員のメリット ⇒事業主会員は障害者雇用におけるリーダーとして評判を高め、包摂的な事業主として認知される。 登録した事業主は、ロゴマークをウェブサイトや求人広告に使用可能。
・実績 ⇒ 2025年2月現在、約2万事業主が登録(レベル1が74%、レベル2が22%、レベル3が3%)

○(参考)障害コンフィデント制度のレベル別基準→レベル1(Committed)、レベル2 (Employer)、レベル3(Leader)の各レベルの概要、基準の例・一覧表あり。

○イギリスの制度概要│障害福祉分野における対象障害者
11.(参考)障害福祉分野における対象障害者※
・ 法律上の定義は、「1.雇用施策対象の障害者定義」と同様。
・ 対象者の認定は、個々の給付に紐づいて行われ、その方法は給付によって異なるが、概ね以下。
→ • 医学的診断(医師の診断による数値化) ⇒保健省への視覚障害の登録、労働年金省による障害年金の給付の認定等、 • 就労に関連する能力の評価 ⇒労働年金省による障害年金給付にあたっての労働能力評価(Work Capability Assessment:WCA)、個人自立 給付(Personal Independence Payment:PIP)の認定 等、 • 支援の必要性の評価 ⇒地方自治体による各種現金・現物給付の認定、教育における特別な支援のニーズや障害(Special Educational Needs and Disabilities:SEND)がある青少年の認定、労働年金省の就労支援機関であるジョブセンター・プラスによる就職支援(Access to Work)の給付の認定 等。


≪日本の制度概要≫
○日本の制度概要│雇用施策対象の障害者定義、雇用率制度
1.雇用施策対象の障害者定義
→・障害者の雇用の促進等に関する法律(促進法)第2条第1号 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害があるため、長期にわたり、職業生活に 相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者。
2.雇用率制度→ ・法定雇用率 2.5%(2024年度)、 2.3%(2023年度)。 ・ 実雇用率 2.41%(2024年6月1日時点)、2.33%(2023年6月1日時点)。 ・ 達成企業割合 46.0%(2024年6月1日時点)、50.1%(2023年6月1日時点) ・対象事業主 ⇒常用雇用労働者数40人以上の事業主(2024年度) ・ 対象障害者 ⇒身体障害者※1、知的障害者※2、精神障害者※3(精神者保健福祉手帳を所持するの交付を受けているものに限る。) ※1 促進法第2条第2号の身体障害者(促進法別表に掲げる障害の範囲に該当する者。原則として身体障害者手帳所持者に同じ。) ※2 同条第4号の知的障害者(児童相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医又は障害者地域職業センターにより知的障害があると判定された者。 原則として療育手帳所持者に同じ。) ※3 同条第6号の精神障害者。 ・達成方法 ⇒直接雇用のみが対象。週所定労働時間、重度障害者区分に応じたカウント制度や、特例子会社、関係子会社、事業協同 組合等の特定事業主に雇用される労働者の算定特例の制度もあり。 ・ 達成状況の確認方法 ⇒毎年6月1日時点の雇用状況をハローワークに報告。

○日本の制度概要│納付金等の徴収金、助成金等支給金・税制優遇、 支援機関
3.納付金等の徴収金
→ ・障害者雇用納付金制度:雇用義務不足1人当たり月5万円
4.助成金等支給金・税制優遇→施設・機器に対する助成金等6種別あり。
5.支援機関 →・ハローワーク ⇒職業相談・紹介、求人の開拓、求人条件の指導、職業指導、障害者職業センターとの連携、適応訓練のあっせん、事業主 に対する助言・指導。 ・地域障害者職業センター ⇒職業評価、職業指導、職業準備訓練、職場適応援助、事業主への助言、関係機関への助言。 ・障害者就業・生活支援センター ⇒雇用、保健福祉、教育等の関係機関の連携拠点、就業・生活面の一体的な相談・支援。

○日本の制度概要│一般就労における職場適応援助者等の仕組み、 福祉的な就労等の選択肢
6.一般就労における職場適応援助者(ジョブコーチ)等の仕組み
→・平成14年(2002年)の法改正にて、職場適応援助者事業を創設。現在は、配置型ジョブコーチ、訪問型ジョブコーチ、企業 在籍型ジョブコーチの3種類。
7.福祉的就労等の選択肢→・ 福祉的就労⇒・ 就労継続支援A型 通常の事業所での雇用が困難であって、適切な支援により雇用契約に基づく就労が可能な障害者企業等の雇用に結び つかなかった者が対象。利用期間制限はなし。利用者は法定雇用率上算定される。 ・ 就労継続支援B型 就労移行支援事業等を利用したが一般企業等の雇用に結びつかない者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識・能力の向上・維持が期待される障害者が対象。 利用期間の制限なし。雇用契約はなく、利用者は法定雇用率上算定されない。 ・ 企業の特例制度⇒・特例子会社: 事業主が障害者の雇用に特別の配慮をすることとして設立する子会社。特例としてその子会社に雇用されている労働者を、 親会社に雇用されているものとみなして、実雇用率算定可。

○日本の制度概要│重点的な雇用支援を必要とする者への対応、 雇用の場における差別禁止、合理的配慮
8.重点的な雇用支援を必要とする者への対応→・雇用率の複数カウント ⇒身体障害者及び知的障害者のみ「重度」の定義があり、雇用率上のダブルカウントが可能。 ・ 重度障害者等を対象とした助成金 ⇒重度障害者等の雇用を対象とした助成金制度(施設設置、通勤対策)あり。
9.雇用の場における差別禁止 ・ 定義→・労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならず、また、賃金の決 定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、労働者が障害者であることを理由として、障害者で ない者と不当な差別的取扱いをしてはならない。 ・ 対象事業主:すべての事業主。 ・ 対象障害者:促進法上の障害者(手帳所持者に限定されない)。 ・確認方法・違反時の対応 ⇒ハローワークにて助言・指導・勧告を実施。紛争に発展した場合、都道府県労働局が助言・指導・勧告を実施。

○日本の制度概要│雇用の場における差別禁止、雇用の質向上の施策
10.雇用の場における合理的配
慮→・定義⇒ ・労働者の募集及び採用について、障害者と障害者でない者との均等な機会の確保の支障となっている事情を改善するた め、労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならず、また、障害者である労働者について、障害者でない労働者との均等な待遇の確保又は障害者である労働 者の有する能力の有効な発揮の支障となっている事情を改善するため、その雇用する障害者である労働者の障害の特性に配慮した円滑な遂行に必要な施設の整備、援助を行う者の配置その他の必要な措置を講じなければならない。ただし、 事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなるときはこの限りではない。 ・対象事業主・障害者:「9.雇用の場における差別禁止」と同一
・確認方法・違反時の対応:「9.雇用の場における差別禁止」と同一
11.雇用の質向上の施策
・障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす認定)
⇒障害者雇用の促進及び雇用の安定に関する取組の実施状況などが優良な中小事業主に対する認定制度。
・責務規定の見直し ⇒事業主の責務に「職業能力の開発及び向上に関する措置」が含まれることを明確化。

○(参考)障害者手帳種別の雇用されている者の割合推移→•平成23年・平成28年・令和4年の生活のしづらさなどに関する調査(厚生労働省)における手帳保有者別の雇用されている者の割合※1を見ると、各年度で一部設問が異なるため厳密な比較はできないが、10年間で身体障害者は+14.7pt、知的障害者は+6.1pt、精神障害 者は+12.9pt上昇。


≪我が国と諸外国の統計情報の比較≫
○我が国と諸外国の統計情報の比較│ 日本における国際的な「障害者」を捉える設問の導入
→• 我が国の障害者統計について、「公的統計の整備に関する基本的な計画」(第V期。平成30年3月6日閣議決定)等を受けて内閣府が 行った「令和元年度障害者統計の充実に係る調査研究」を踏まえ、国際的動向との整合性や障害種別・程度に応じた把握・分析が一定程 度可能な設問(「ワシントングループ」・「欧州統計局」の設問)を、国民生活基礎調査・社会生活基本調査に導入している。
○(参考)ワシントングループ・欧州統計局の設問
・ワシントングループ
→日常生活における6つの機能(視覚、聴覚、歩行、認知、セルフケア、コミュニケーション))それぞれについて、 苦労の程度を4段階(「苦労はありません」、「多少苦労します」、「とても苦労します」、「全くできません」)で尋ねる形式。1つでも「とても苦労します」「全く出来ません」のいずれかの選 択肢を選んだ者』を障害者と定義することが推奨されている。
・欧州統計局の設問→MEHMは健康を次の3つの異なる概念から特徴付ける設問のセット。⇒ •自身が認識している健康状態 •慢性的な健康問題、慢性疾患 •活動における制限 •これらの設問からなるMEHMは欧州統一生活時間調査や欧州健康面接調査、欧州連合・所得と生活状況に関する調査等の複数の個別の統計調査の欧州 統計局におけるガイドラインにおいて使用。
○我が国と諸外国の統計情報の比較│ ワシントングループ障害設問における障害者率、就業率→•ワシントングループ障害設問を設置している国民生活基礎調査及びアメリカ地域社会調査において、調査手法が異なるため単純な比較は困 難であるが、生産年齢人口において、いずれか1つ以上の障害があると回答した者は日本で416万人で、同じ年齢の人口の6.8%、アメリカ は2,201万人で、同じ年齢の人口の11.0%にあたる。 •就業率を比較すると日本は67.3%(障害がない者の就業率-10.5%pt)に対し、アメリカは44.5%(同-34.4%pt)。
○(参考)国民生活基礎調査及びアメリカ地域社会調査において該当する設問→障害を捉える設問、仕事をしている者を捉える設問あり。 参照。
○我が国と諸外国の統計情報の比較│ 欧州統計局の障害設問における日常生活に支障がある者の割合・就業率→•欧州統計局の設問のあるEU-SILC調査は、所得、貧困、社会的排除、生活条件に関するデータ収集を目的とした調査であり、2018年の 調査結果において、ドイツ・フランス・イギリスの、16~64歳で日常生活に支障がある者の割合は18~24%。 •同対象者の3か国の就業率は、50~58%で、日常生活に支障がない者の就業率と比較すると、ドイツが-31.4%pt、フランスが-18.2%pt、 イギリスが-26.9%pt低い。

≪諸外国の制度特徴・日本との比較≫
○諸外国の制度特徴│ドイツ・フランス
→ • ドイツ・フランスは、雇用率制度があり日本よりも高い雇用率を設定。雇用率制度の対象外でも個別認定により対象者となることも可能。また 納付金額は、達成率が低い企業や複数年未達成の企業に特に厳しい仕組みであり、金額もドイツでは不足一人当たり月最大約11.5万円 や、フランスでは3年以上雇用義務違反時に不足数×最低賃金時給×1,500倍(年額)など日本よりも高い。包摂事業所や適合企業な ど社会的雇用の位置づけられる雇用の場もあり、一定労働市場に介入しながら雇用を推進していると言える。

○諸外国の制度特徴│アメリカ・イギリス→ • 一方、アメリカ・イギリスは、雇用率制度はなく(アメリカでは一部雇用目標のみあり)、差別禁止と合理的配慮を適用のもと、助成金や支援 機関によって一定の就労支援を行った上で、原則雇用は市場に任せていると言える。 • 福祉的就労等の選択肢も限定的で、福祉的就労等から援助付き就業モデルによる一般企業の包摂性の向上に一本化していく方向性である。

○日本と諸外国との比較→•日本は、前述の2パターンの間のような形をとっていると言え、労働市場の状況を踏まえた雇用率制度の中で事業主に一定の雇用義務を課し つつ、障害者が「労働者」として職業的に自立する存在とすることを目指している。また、一定の超過コストに対しては調整金等や助成金によっ て調整している。企業の意識も高まりを見せ、雇用率に近い実雇用率や、雇用率制度以外も含めた高い就業率、早期のジョブコーチ制度導 入などによる障害者雇用の推進などの成果を上げている。

○(参考)諸外国の制度の特徴一覧表→今までの各国制度の特徴をまとめたもの。


◎参考資料1:今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会参集者→14名。

次回は新たに「第10回 子ども・子育て支援等分科会」からです。