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第4回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会 [2024年09月17日(Tue)]
第4回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会(令和6年7月30日)
議題 1.報告事項 2.ワーキンググループの設置について
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/hinkon_hitorioya/173f965f
◎参考資料1 こどもまんなか実行計画 2024
○目 次のみ↓

T はじめに
1 こども大綱の閣議決定、こどもまんなか実行計画の策定
2 こどもまんなか実行計画に記載する施策の範囲と改定頻度
3 こどもまんなか実行計画策定までの流れ
U こども施策に関する重要事項
1 ライフステージを通した重要事項
(1)こども・若者が権利の主体であることの社会全体での共有等
(2)多様な遊びや体験、活躍できる機会づくり
(3)こどもや若者への切れ目のない保健・医療の提供
(4)こどもの貧困対策
(5)障害児支援・医療的ケア児等への支援
(6)児童虐待防止対策と社会的養護の推進及びヤングケアラーへの支援
(7)こども・若者の自殺対策、犯罪などからこども・若者を守る取組
2 ライフステージ別の重要事項
(1)こどもの誕生前から幼児期まで
(妊娠前から妊娠期、出産、幼児期までの切れ目ない保健・医療の確保)
(こどもの誕生前から幼児期までのこどもの成長の保障と遊びの充実)
(2)学童期・思春期
(こどもが安心して過ごし学ぶことのできる質の高い公教育の再生等)
(居場所づくり)
(小児医療体制、心身の健康等についての情報提供やこころのケアの充実)
(成年年齢を迎える前に必要となる知識に関する情報提供や教育)
(いじめ防止)
(不登校のこどもへの支援)
(校則の見直し)
(体罰や不適切な指導の防止)
(高校中退の予防、高校中退後の支援)
(3)青年期
(高等教育の修学支援、高等教育の充実)
(就労支援、雇用と経済的基盤の安定のための取組)
(結婚を希望する方への支援、結婚に伴う新生活への支援)
(悩みや不安を抱える若者やその家族に対する相談体制の充実)
3 子育て当事者への支援に関する重要事項
(1)子育てや教育に関する経済的負担の軽減
(2)地域子育て支援、家庭教育支援
(3)共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの主体的な参画促進・拡大
(4)ひとり親家庭への支援
V こども施策を推進するために必要な事項
1 こども・若者の社会参画・意見反映
(1)国の政策決定過程へのこども・若者の参画促進
(2)地方公共団体等における取組促進
(3)社会参画や意見表明の機会の充実
(4)多様な声を施策に反映させる工夫
(5)社会参画・意見反映を支える人材の育成
(6)若者が主体となって活動する団体等の活動を促進する環境整備
(7)こども・若者の社会参画や意見反映に関する調査研究
2 こども施策の共通の基盤となる取組
(1)「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM
(2)こども・若者、子育て当事者に関わる人材の確保・育成・支援
(3)地域における包括的な支援体制の構築・強化
(4)子育てに係る手続き・事務負担の軽減、必要な支援を必要な人に届けるための情
報発信
(5)こども・若者、子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
3 施策の推進体制等
 (1)国における推進体制
(2)数値目標と指標の設定
(3)自治体こども計画の策定促進、地方公共団体との連携
(4)国際的な連携・協力
(5)安定的な財源の確保
(6)こども基本法附則第2条に基づく検討


◎参考資料2 経済財政運営と改革の基本方針 2024〜賃上げと投資がけん引する成長型経 済の実現〜        令和6年6月 21 日
○目次に加えて↓
第1章 成長型の新たな経済ステージへの移行 ↓
1.デフレ完全脱却の実現に向けて
→我が国経済は、現在、デフレから完全に脱却し、成長型の経済を実現させる千載一遇の 歴史的チャンスを迎えている。新たなステージへの移行のカギとなるのは、賃上げを起点とした所得と生産性の向上で ある。まずは、春季労使交渉における力強い賃上げの流れを中小企業・地方経済等春季労 使交渉以外の分野でも実現し、物価上昇を上回る賃金上昇を達成し、定着させる。安定的 な物価上昇の下で、賃上げに支えられた消費の増加及び投資の拡大が、企業収益を押し上 げ、その成果が家計に還元され、次の消費の増加につながる。企業はその収益を原資とし て成長分野に更に投資を行うことによって、企業の生産性と稼ぐ力が強化される。成長分 野への円滑な労働移動も可能となり、新たな成長を生み出す好循環が実現する。 あわせて、社会課題の解決と持続的な経済成長の実現に向け、官民が連携して投資を行 う。グリーン、デジタル、科学技術・イノベーション、フロンティアの開拓、経済・エネ ルギー安全保障等の分野において、長期的視点に立ち、戦略的な投資を速やかに実行して いく。こうして人材や資本等の資源を成長分野に集中投入することによって、経済全体の 生産性を高め、日本経済を「成長型の新たな経済ステージ」へと移行させていく。日本銀行は、本年3月19日、それまでのマイナス金利政策やイールドカーブ・コントロ ール等を変更し、金融政策は新しい段階に入った。安定的な物価上昇率の下での民需主導 の持続的な経済成長の実現に向け、政府は、引き続き、日本銀行と密接に連携し、経済・ 物価動向に応じた機動的なマクロ経済政策運営を行っていく。 政府は、競争力と成長力強化のための構造改革に取り組むとともに、持続可能な財政構 造を確立するための取組を着実に推進する。日本銀行には、経済・物価・金融情勢に応じ て適切な金融政策運営を行うことにより、賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価 安定目標を持続的・安定的に実現することを期待する。 こうした取組によって、長期にわたり染み付いた「デフレ心理」を払拭し、社会全体に、 賃金と物価が上がることは当たり前であるという意識を定着させ、デフレからの完全脱却、 そして、経済の新たなステージへの移行へとつなげていく。 経済財政諮問会議においては、今後とも、賃金、所得や物価動向を含む経済・財政の状 況、金融政策を含むマクロ経済政策運営の状況、経済構造改革の取組状況等について、定 期的に検証していく。

2.豊かさと幸せを実感できる持続可能な経済社会に向けて ↓
(社会課題解決をエンジンとした生産性向上と成長機会の拡大)
(誰もが活躍できるWell-being が高い社会の実現)
(経済・財政・社会保障の持続可能性の確保)
(地域ごとの特性・成長資源をいかした持続可能な地域社会の形成)
(海外の成長市場との連結性向上とエネルギー構造転換)
(ビジョン達成に向けた政策アプローチ)→これらのビジョンを達成するため、以下に掲げる5つの政策の方向性に沿って、デフレ 完全脱却の実現に向けた足元の政策対応から一気通貫で、包括的かつ分野横断的な政策ア プローチを集中的に講じることにより、速やかに新たなステージに引き上げ持続可能な経 済社会への軌道に乗せていくとともに、成長の恩恵を国民に着実に還元していく。⇒@人的投資、研究開発投資、企業の新陳代謝の向上等を通じて付加価値生産性を高める。 くわえて、社会課題と新技術をマッチングする機会の拡大や、政府調達や規制改革による一体的な支援を通じ、スタートアップによる新技術の社会実装を加速する。 A全世代 型リ・スキリングや若年期からの健康管理を促す全世代型健康診断等のプロアクティブケア、働き方に中立的な社会保障制度の構築を進める。また、構造的な賃上げの定着に加え、能力に応じた若年世代の待遇改善や、仕事と子育ての両立支援、女性活躍、 男女賃金格差の是正、ジェンダーギャップ解消等を推進し、若年世代の安心と結婚・ 出産・子育ての希望を高め、その希望がかなう結果として出生率が向上する社会を構築。B EBPMによるワイズスペンディングを徹底しつつ、歳出改革に取り組み、金利のある世界に備え財政の信認を確保する。社会保 障を持続可能なものとするため、応能負担の徹底を通じて現役世代・高齢世代などの 給付・負担構造を見直し、国民の安心につながる効率的で強靱な医療・介護の提供体制を実現するなど、全世代型社会保障制度の構築を進める。 C 地域における新技術の社会実装や、地域ごとの実情に応じた少子化対策を進めるため、 モデル地域を形成し、規制・制度改革や施策間・地域間連携等を通じて先駆的な取組 の実践と横展開を進める。また、広域での住民の意見集約の下での都市圏のコンパク ト化や、東京一極集中の是正等による強靱な国土構造の形成を推進するとともに、地 域経済の活性化や広域連携、自治体DX等により地方行財政基盤を強化する。 D 高い成長が見込まれる、いわゆるグローバル・サウス等の海外活力を取り込むため、 モノ、カネ、ヒトの観点からグローバル戦略を抜本的に強化する。また、脱炭素・低 コスト・安定供給を両立させるエネルギー需給構造を実現するため、我が国の強みを いかした革新的エネルギーの技術開発とその社会実装・海外展開を推進する。
(国民意識の変革と行動喚起)

第2章 社会課題への対応を通じた持続的な経済成長の実現
〜賃上げの定着と戦略的な投資による所得と生産性の向上〜
1.豊かさを実感できる「所得増加」及び「賃上げ定着」

(1)賃上げの促進
(2)三位一体の労働市場改革 (多様な人材が安心して働き続けられる環境の整備)
(3)価格転嫁対策
2.豊かさを支える中堅・中小企業の活性化
(1) 人手不足への対応
(2) 中堅・中小企業の稼ぐ力
(3) 輸出・海外展開
3.投資の拡大及び革新技術の社会実装による社会課題への対応
(1) DX→(AI・半導体)(デジタル・ガバメント)(医療・介護・こどもDX)(教育DX)(交通・物流DX)(防災DX)(観光DX)
(2) GX・エネルギー安全保障
(3) フロンティアの開拓 (宇宙) (海洋)
(4) 科学技術の振興・イノベーションの促進
(5) 資産運用立国
4.スタートアップのネットワーク形成や海外との連結性向上による社会課題への対応 (1)スタートアップの支援・ネットワークの形成
(2)海外活力の取り込み
(国際連携と対内・対外直接投資等の推進)
(コンテンツ産業の海外展開)(外国人材の受入れ)
(3)大阪・関西万博の推進
5.地方創生及び地域における社会課題への対応
(1)デジタル田園都市国家構想と地方創生の新展開
(2)デジタル行財政改革
(3)地方活性化及び交流の拡大
(持続可能で活力ある国土の形成と交通の「リ・デザイン」)
(個性をいかした地域づくりと関係人口の拡大)
(持続可能な観光立国の実現)
(4)農林水産業の持続可能な成長及び食料安全保障
6.幸せを実感できる包摂社会の実現
(1)共生・共助・女性活躍社会づくり (共生)(共助)(女性活躍)
(2)安全・安心で心豊かな国民生活の実現 (安全・安心)(文化芸術・スポーツ)
7. 持続的な経済成長の礎となる国際環境変化への対応
(1)外交・安全保障 (外交)(安全保障)(サイバーセキュリティ)
(2)経済安全保障
8.防災・減災及び国土強靱化の推進
(1)防災・減災及び国土強靱化
(2)東日本大震災、能登半島地震等からの復旧・復興
(東日本大震災からの復旧・復興)
(能登半島地震からの復旧・復興等)

第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現 〜「経済・財政新生計画」〜
1.新たなステージに向けた経済財政政策
(これまでの経済・財政一体改革の進捗)
(新たなステージに向けた経済財政政策の方向性)
2.中期的な経済財政の枠組み
(新たな枠組みと基本的考え方)→人口減少が本格化する2030年度までの6年間。
(財政健全化目標と予算編成の基本的考え方)
(税制改革)
(経済・財政一体改革の点検・評価)
3.主要分野ごとの基本方針と重要課題
(1)全世代型社会保障の構築
(医療・介護サービスの提供体制等) 
(医療・介護保険等の改革)
(予防・重症化予防・健康づくりの推進)
(創薬力の強化等ヘルスケアの推進)
(働き方に中立的な年金制度の構築等)
(社会保障・少子化をめぐる中長期課題への対応)
(2)少子化対策・こども政策
(加速化プランの着実な実施)
(こども大綱の推進)
(3)公教育の再生・研究活動の推進
(質の高い公教育の再生)
(研究の質を高める仕組みの構築)
(4)戦略的な社会資本整備
(まちづくりとインフラ維持管理の効率化・高度化)
(公共投資の効率化・重点化)
(PPP/PFIの推進)
(持続可能な土地及び水資源の利用・管理)
(5)地方行財政基盤の強化
(広域連携及び多様な主体との連携・協働によるサービスの提供)
(自治体DXによる行財政の効率化等)
4.改革推進のためのEBPM強化

第4章 当面の経済財政運営と令和7年度予算編成に向けた考え方
1.当面の経済財政運営について
→「デフレ完全脱却のための総合経済対策」及びそれを具体化する令和5年 度補正予算並びに令和6年度予算及び関連する施策を迅速かつ着実に執行する。 日本銀行には、経済・物価・金融情勢に応じて適切な金融政策運営を行うことにより、 賃金と物価の好循環を確認しつつ、2%の物価安定目標を持続的・安定的に実現すること を期待する。

2.令和7年度予算編成に向けた考え方→@ 前述の情勢認識を踏まえ、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日 本経済を新たなステージへと移行させていく。 A 令和7年度予算において、本方針に基づき、第3章で定める中期的な経済財政の枠組 みに沿った予算編成を行う。ただし、重要な政策の選択肢をせばめることがあってはならない。 B 持続的・構造的賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策 の抜本的強化を含めた新たなステージへの移行に向けた取組の加速、防衛力の抜本的 強化を始めとした我が国を取り巻く環境変化への対応など、重要政策課題に必要な予 算措置を講ずること等により、メリハリの効いた予算編成とする。 C EBPMやPDCAの取組を推進し、ワイズスペンディングを徹底する。単年度主義 の弊害是正、本方針における重点課題への対応など、中長期の視点に立った経済・財政・社会保障の持続可能性の確保に向けた取組を進める。


◎参考資料3 こども家庭審議会運営規則
令 和 5 年 4 月 21 日 こども家庭審議会決定
令和5年9月 25 日 一部改正 こども家庭審議会令(令和5年政令第 127 号)第 10 条の規定に基づき、この規 則を制定する。

(会議の招集) 第1条 こども家庭審議会(以下「審議会」という。)は、会長が招集する。 2 会長は、審議会を招集しようとするときは、あらかじめ、期日、場所及び議題 を委員に通知するものとする。 3 会長は、議長として審議会の議事を整理する。
(諮問の付議) 第2条 会長は、内閣総理大臣、関係各大臣又は長官の諮問を受けたときは、当該 諮問を分科会又は部会に付議することができる。
(分科会及び部会の議決) 第3条 分科会及び部会が、その所掌事務について議決をしたときは、当該議決 をもって審議会の議決とする。ただし、審議会が、あらかじめ当該議決に係る事 項に関して、審議会の議決を特に必要とすることを定めていたときは、この限 りでない。
(会議の公開等) 第4条 審議会の会議は公開とする。ただし、会長は、公開することにより公平か つ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な理 由があると認めるときは、会議を非公開とすることができる。 2 会長は、会議における秩序の維持のため、傍聴人の退場を命ずるなど必要な 措置をとることができる。
(議事録) 第5条 審議会における議事は、次の事項を含め、議事録に記載するものとする。 一 会議の日時及び場所 二 出席した委員、臨時委員及び専門委員の氏名 三 議事となった事項 2 議事録及び配布資料は公開とする。ただし、会長は、公開することにより公平 かつ中立な審議に著しい支障を及ぼすおそれがあると認めるときその他正当な 理由があると認めるときは、議事録及び配布資料の全部又は一部を非公開とす ることができる。 3 前項の規定により議事録の全部又は一部を非公開とする場合には、会長は、 非公開とした部分について議事要旨を作成し、これを公開するものとする。
(委員会の設置) 第6条 分科会長又は部会長は、必要があると認めるときは、それぞれ分科会又 は部会に諮って委員会を設置することができる。
(準用規定) 第7条 第1条、第4条及び第5条の規定は、分科会及び部会の運営について準用する。この場合において、「審議会」とあるのは、それぞれ、「分科会」「部会」 と、「会長」とあるのは、それぞれ、「分科会長」「部会長」と読み替えるものと する。
(雑則) 第8条 この規則に定めるもののほか、審議会、分科会又は部会の運営に必要な 事項は、それぞれ会長、分科会長又は部会長が定める。

次回は新たに「第17回社会保障審議会年金部会」からです。

第4回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会 [2024年09月14日(Sat)]
第4回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会(令和6年7月30日)
議題 1.報告事項 2.ワーキンググループの設置について
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/hinkon_hitorioya/173f965f
◎資料1 こどもまんなか実行計画 2024(抜粋) →U.こども施策に関する重要事項 1 ライフステージを通した重要事項 (4)こどもの貧困対策
(教育の支援)
→幼児教育・保育の無償化【後掲】、生活困窮者自立支援制度 子どもの学習・生活支援事業、子どもの進路選択支援事業、ひとり親家庭及び低所得子育て世帯のこどもの学習支援、義務教育段階の就学援助の実施、高校生等への修学支援による経済的負担の軽減、高等教育費の負担軽減【後掲】、 進学・就職準備給付金、大学進学の際に住宅扶助を減額しない措置(生活保護世帯の子どもの大学等への進学を支援)、高校中退者等への学習相談・学習支援等の提供・実施、国立青少年教育振興機構における「青少年の『自立する』力応援プロジェクト」を通じた体験や遊 びの機会の確保。
(生活の安定に資するための支援)→ 円滑な食品アクセスの確保の推進、こどもの生活支援の強化、ひとり親家庭に対する子育て・生活支援、生活困窮者自立支援制度、
(保護者に対する職業生活の安定と向上に資するための就労の支援)→被保護者に対する就労支援、生活保護受給者等就労自立促進事業、ひとり親家庭の就労支援、希望する非正規雇用労働者の正規化、マザーズハローワークにおける就労支援、生活が困難な状態にある保護者を含む保護者の就労支援に資する公的職業訓練の実施、男性の育児休業取得支援等を通じた「共働き・共育て」の推進【後掲】、育児期を通じたニーズに応じた柔軟な働き方の推進【後掲】、 長時間労働の是正【後掲】、
(経済的支援)→ ひとり親家庭への経済的支援、養育費確保支援(離婚協議開始前の父母等)、義務教育段階の就学援助の実施【再掲】、高校生等への修学支援による経済的負担の軽減【再掲】、高等教育費の負担軽減【後掲】
(必要な支援の利用を促す取組)→ 相談支援体制の強化、地域におけるこども・若者支援のための体制整備、虐待・貧困により孤立し様々な困難に直面する学生等へのアウトリーチ支援の充実、アウトリーチ支援・宅食事業による見守り体制の強化(市町村の要保護児童対策地域協議会が中核となって、こども宅食等の支援)、教育相談体制の充実。
(こどもの貧困に対する社会の理解促進)→ 官公民の連携プロジェクト・国民運動の展開

3 子育て当事者への支援に関する重要事項 (4)ひとり親家庭への支援 ↓
(ひとり親家庭が抱える様々な課題への支援)
→ひとり親家庭への経済的支援【再掲】、ひとり親家庭に対する子育て・生活支援【再掲】、 ひとり親家庭の就労支援【再掲】、ひとり親家庭及び低所得子育て世帯のこどもの学習支援【再掲】
(ひとり親家庭に対する相談支援の強化)→相談支援体制の強化【再掲】、ひとり親支援ポータルサイトの開設・充実、
(親子交流の推進と養育費に関する相談支援や取決めの促進)→親子交流支援・養育費確保支援、養育費や親子交流に関する周知・広報、調査研究の実施


◎資料2 子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の概要(児童扶養手当法関係)
・改正の趣旨
→こども未来戦略(令和5年12月22日閣議決定)の「加速化プラン」に盛り込まれた施策を着実に実行するため、ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化、全てのこど も・子育て世帯を対象とする支援の拡充、共働き・共育ての推進に資する施策の実施に必要な措置を講じるとともに、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるための 子ども・子育て支援特別会計を創設し、児童手当等に充てるための子ども・子育て支援金制度を創設する。
・改正の概要→1.「加速化プラン」において実施する具体的な施策 (2)全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充→E児童扶養手当の第3子以降の児童に係る加算額を第2子に係る加算額と同額に引き上げる。

○ひとり親の経済的支援(児童扶養手当)の拡充等→ひとり親の就労収入の上昇等を踏まえ、働き控えに対応し自立を下支えする観点から所得限度額を引き上 げるとともに、生活の安定のため特に支援を必要とする多子家庭に対し、第3子以降の加算額を拡充。↓
@所得限度額の引き上げ (対象見込み者数:約44万人 制度改正影響額(令和6年度分): 国費 29億円)→・全部支給の所得限度額(全部支給が一部支給になる額)160万円 → 190万円(年収ベース・こどもが1人の場合) ・一部支給の所得限度額(支給がすべて停止となる額) 365万円 → 385万円(年収ベース・こどもが1人の場合)
A多子加算の拡充 (対象見込み者数:約11万人 制度改正影響額(令和6年度分): 国費5億円)→・第3子以降の加算額(6,450円)を第2子の加算(10,750円)と同額まで引き上げる。*加算額は令和6年度の全部支給の場合の額。物価スライドにより変動 ※@Aとも、令和6年11月分(令和7年1月支給)からの実施を想定


◎資料3 児童扶養手当法施行令等の一部を改正する政令案要綱
児童扶養手当法施行令及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令の一部を改正する政令案要綱

第一児童扶養手当法施行令の一部改正 一子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴い、所要の規定の整備を行うこと。 (第二条の二関係)
二児童扶養手当の支給の制限に係る所得基準額を引き上げるとともに、所得税に係る扶養控除の見直し に伴い、当該所得基準額の算定において、三十歳以上七十歳未満の扶養親族のうち、所得税法に規定す る控除対象扶養親族に該当しない者については、当該所得基準額の加算の対象としないものとするこ と。(第二条の四関係)
第二特別児童扶養手当等の支給に関する法律施行令の一部改正
所得税に係る扶養控除の見直しに伴い、特別児童扶養手当等の支給の制限に係る所得基準額の算定にお いて、三十歳以上七十歳未満の扶養親族のうち、所得税法に規定する控除対象扶養親族に該当しない者に ついては、当該所得基準額の加算の対象としないものとすること。(第二条及び第七条関係)
第三施行期日等
一この政令は、令和六年十一月一日から施行すること。ただし、第二の事項は、同年八月一日から施行 すること。(附則第一項関係)
二この政令の施行に関し、必要な経過措置を定めること。(附則第二項及び第三項関係)


◎資料4 子どもの貧困対策の推進に関する法律の一部改正について
●法律の題名の変更→ ・こども大綱(令和5年 12 月 22 日)において、「こどもの貧困を解消し、貧困による困難を、こどもたちが強いられることがないような社会をつくる」ことが明記されたことを踏まえ、 法律の題名に「貧困の解消」を入れることとし、法律の題名を「こどもの貧困の解消に向 けた対策の推進に関する法律」とする。 ・題名の変更に伴い、「子どもの貧困対策」を「こどもの貧困の解消に向けた対策」に変更
●目的や基本理念の充実 第1条・第3条→・こども大綱の記述を踏まえて、「目的」及び「基本理念」において、解消すべき「こどもの 貧困」を具体化 ・「基本理念」に、こどもの貧困の解消に向けた対策は、「こどもの現在の貧困を解消すると ともにこどもの将来の貧困を防ぐことを旨として、推進されなければならない」こと及び 「貧困の状況にある者の妊娠から出産まで及びそのこどもがおとなになるまでの過程の各 段階における支援が切れ目なく行われるよう、推進されなければならない」ことを明記
●大綱において定める指標の追加 第9条第2項→政府において令和5年4月に「養育費受領率の達成目標」が定められたことを踏まえ、こども貧困大綱において定める指標に「ひとり親世帯の養育費受領率」を追加
●大綱への関係者の意見反映の規定の新設 第9条第3項→こども貧困大綱を定める際には、貧困の状況にあるこども及びその家族等関係者の意見反 映に必要な措置を講ずる規定を新設
●民間の団体の活動の支援の規定の新設 第 15 条→民間の団体が行う支援活動を支援するため、財政上の措置その他の必要な施策を講ずる規 定を新設
●調査研究の充実や成果の活用推進の追加 第 16 条→・「こどもの貧困の実態」「貧困の状況にあるこども及びその家族の支援の在り方」「地域の状 況に応じたこどもの貧困の解消に向けた対策の在り方」など調査研究の対象を明記 ・こどもの貧困の解消に向けた対策の実施状況の検証や成果の活用の推進を明記
●検討 附則第3条→本法施行後5年を目途として、新法の規定について検討し、所要の措置を講ずる規定を設 ける。 ※ 施行日:本法公布日から3月以内に政令で定める日


◎資料5 民法等の一部を改正する法律の概要  令和6年5月 法務省民事局
【背景・課題】→・ 父母の離婚が子の養育に与える深刻な影響、子の養育の在り方の多様化 ・ 現状では養育費・親子交流は取決率も履行率も低調 ・ 離婚後も、父母双方が適切な形で子を養育する責 任を果たすことが必要
【検討の経過】→令和3年2月 法務大臣から法制審議会へ諮問、 令和6年2月 法制審議会から法務大臣に答申、 令和6年3月 法律案閣議決定、 令和6年5月 成立・公布 右矢印1 公布から2年以内に施行予定↓

第1 親の責務等に関する規律を新設 →・婚姻関係の有無にかかわらず父母が子に対して負う責務を明確化(子の心身の健全な発達を図るため子の人格を尊重すること、父母が互いに人格を尊重し協力すること等)。・親権が子の利益のために行使されなければならないものであることを明確化。
第2 親権・監護等に関する規律の見直し ↓
1 離婚後の親権者に関する規律を見直し→・協議離婚の際は、父母の協議により父母双方又は一方を親権者と指定することができる。 ・ 協議が調わない場合、裁判所は、子の利益の観点から、父母双方又は一方を親権者と指定する。 右矢印1 父母双方を親権者とすることで子の利益を害する場合には単独親権としなければならない。 例:子への虐待のおそれがあるケース ※ 虐待やDVは身体的なものに限らない。 DVのおそれや協議が調わない理由その他の事情を考慮し、親権の共同行使が困難なケース
・ 親権者変更に当たって協議の経過を考慮することを明確化 ※ 不適正な合意がされたケースにも対応
2 婚姻中を含めた親権行使に関する規律を整備→・ 父母双方が親権者であるときは共同行使することとしつつ、親権の単独行使が可能な場合を明確化 ・ 子の利益のため急迫の事情があるとき(DV・虐待からの避難、緊急の場合の医療等) ・ 監護及び教育に関する日常の行為(子の身の回りの世話等)
・ 父母の意見対立を調整するための裁判手続を新設
第3 養育費の履行確保に向けた見直し→・養育費債権に優先権(先取特権)を付与(債務名義がなくても差押え可能に)。 ・ 法定養育費制度を導入(父母の協議等による取決めがない場合にも、養育費請求が可能に)。・執行手続の負担軽減策(ワンストップ化)や、収入情報の開示命令などの裁判手続の規律を整備。
第4 安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し →・審判・調停前等の親子交流の試行的実施に関する規律を整備。・ 婚姻中別居の場面における親子交流に関する規律を整備。
・父母以外の親族(祖父母等)と子との交流に関する規律を整備
第5 その他の見直し→・養子縁組後の親権者に関する規律の明確化、養子縁組の代諾等に関する規律を整備。 ・ 財産分与の請求期間を2年から5年に伸長、考慮要素を明確化 (婚姻中の財産取得・維持に対する寄与の割合を原則2分の1ずつに)。・夫婦間契約の取消権、裁判離婚の原因等の見直し


◎資料6 経済財政運営と改革の基本方針 2024〜賃上げと投資がけん引する成長型経済の 実現〜(抜粋) →第3章 中長期的に持続可能な経済社会の実現〜「経済・財政新生計画」〜 3.主要分野ごとの基本方針と重要課題 (2)少子化対策・こども政策 ↓
(こども大綱の推進)
→(略) 貧困と格差の解消を図り、困難な状況にあるこども・若者や家庭に対するきめ細かい支援を行う。このため、こども食堂・こども宅食・アウトリーチ支援等への支援や学習支援や体験機会の提供などこどもの貧困解消や見守り強化を図る。こども家庭センターの体制強化、家庭支援事業の充実や利用促進、里親やファミリーホームによる支援の充実等家庭養育優先原則の徹底、社会的養護経験者等に対する自立支援の充実、若年妊婦の支援、一時保護所の環境改善、 認定資格の取得促進など改正児童福祉法に基づく施策を推進する。こども・若者シェルターや 虐待等により困難に直面する若者支援の充実、児童福祉司等の児童相談所の質・量の体制強化、児童養護施設等における養育機能の向上及び環境改善を進めるとともに、ヤングケアラー 支援を進める。発達障害児・医療的ケア児を含む全ての障害のあるこどもと家族への支援体制 の整備やインクルージョンの推進等を図るとともに、こどもホスピスの全国普及に向けた取組を進める。就業支援や児童扶養手当、離婚前後親支援事業などによる養育費の支払確保や安全・安心な親子の交流の推進等、ひとり親支援を進めるとともに、改正民法の周知や、司法府と連携して環境整備に取り組む。こどもの自殺対策の強化を図るとともに、予防のためのこどもの死亡検証(CDR)を推進する。いじめ防止・不登校対策を強化する。質の高い公教育の再生の強力な推進を図る。教育振興基本計画に基づき、青少年の健全育成に取り組む。学校給食無償化の課題整理等を行う。


◎資料7 こどもの貧困対策推進ワーキンググループ及びひとり親家庭支援ワーキンググ ループの設置について(案)
1.趣旨
→当部会は、その発足(令和5年4月 21 日)以降、こどもの貧困対策・ひとり親家庭支 援の施策に関する事項について調査審議を重ねてきた。令和6年度以降は、こども未来戦略(令和5年 12 月 22 日閣議決定)におけるこども・子育て支援加速化プランで掲げられた各種施策に着実に取り組むこととされており、当部会も施策の実施に資する調査審議を深めていく必要がある。 また、令和6年6月 19 日には子どもの貧困対策の推進に関する法律(平成 25 年法律第 64 号)が改正されたところであり、改正法を踏まえ、こどもの貧困の解消に向けて一層の取組の推進が必要となる。 一方、ひとり親家庭支援については、母子及び父子並びに寡婦福祉法(昭和 39 年法律 第 129 号)第 11 条に基づく、現行の母子家庭等及び寡婦の生活の安定と向上のための措置に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)の対象期間が、令和6年度までとされており、基本方針について関係者等からの意見徴収が必要となる。 これらを踏まえ、こどもの貧困対策及びひとり親家庭支援施策に係る各種課題につい て、それぞれの課題に応じた調査審議を深めるため、こども家庭審議会こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の下に、「こどもの貧困対策推進ワーキンググループ」及び「ひとり親家庭支援ワーキンググループ」を設置する。

2.構成等→(1)ワーキンググループの構成員は、こども家庭審議会こどもの貧困対策・ひとり親家 庭支援部会の委員及び臨時委員から部会長が指名する。 (2)各ワーキンググループには、部会長又は部会長代理を座長として置くこととし、各 座長は、それぞれ他方のワーキンググループの構成員となる。 (3)ワーキンググループは、座長が、必要があると認めるときは、関係者の参加を求め ることができる。 (4)ワーキンググループの庶務は、こども家庭庁支援局家庭福祉課において処理する。

3.主な検討事項
→(1)こどもの貧困対策推進ワーキンググループは、こども基本法(令和4年法律第 77 号)第 11 条の規定を踏まえながら、貧困の状況にあるこども等のニーズを踏まえた 事業運営や必要な見直し等について検討を行う。 (2)ひとり親家庭支援ワーキンググループは、基本方針の評価及び改定その他ひとり親 家庭への支援施策の在り方について検討を行う。

4.その他→(1)ワーキンググループは原則公開とする。ただし、公開することにより、個人情報の保護に支障を及ぼすおそれがある場合、国民の誤解や憶測を招き、不当に国民の間に混乱を生じさせるおそれがある場合又は特定の者に不当な利益を与え又は不利益を及ぼすおそれがある場合には、座長は、会議を非公開とすることができる。 (2)その他、ワーキンググループの運営に必要な事項は、座長が定める。

次回も続き「参考資料1〜参考資料3まで」からです。

第2回地域共生社会の在り方検討会議 [2024年09月13日(Fri)]
第2回地域共生社会の在り方検討会議 資料(令和6年7月29日)
議事 ・地域共生社会の実現に向けた取組について(包括的な支援体制の整備の現状と今後の在り方について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41830.html
◎資料4 岐阜県飛騨市提出資料
≪市民のWellbeingな人生を支える包括的支援 〜飛騨市の世代・分野を区切らない支援体制〜≫        岐阜県飛騨市 市民福祉部 次長 兼 総合福祉課 課長 都竹 信也
市民福祉部 総合福祉課 地域生活安心支援センターふらっと センター長 青木 陽子
○飛騨市の概要
→人口:21,602人・高齢化率:40.5%(R6.7.1時点)
○飛騨市の人口規模→実年世代は 半分、 こども 1 割、 高齢者 4 割。

≪飛騨市の包括的相談支援体制が整備されていった経緯  〜市民のそれぞれのWellbeingへ導いていく支援〜≫
○(現体制の紹介) 市民福祉部の本庁機能がある「ハートピア古川」館内図
→ひとつの建物 に現場部署を 集約⇒8部門あり。
○(現体制の紹介)飛騨市の福祉支援の関係部署 組織構成→市民福祉部(4課あり) 総合福祉課⇒ 地域生活安心支援センターふらっと(包括的・重層的な支援の要、総合相談窓口)
○飛騨市の包括支援・重層的支援の要はこの部署(地域生活安心支援センターふらっと)→世代や分野で区切らず、困り事の相談をすべて受け止める市民のなんでも相談窓口⇒幼少期から老年期まで市民の成長、発達、人生のウェルビーイングすべての過程にかかわる おおよそどんな困り事も受け止めて、各専門機関との連携で支援を進める(全世代を貫くバイパス機能による人生支援)。 PR用パンフレットあり。  【職員体制】参照。

○地域生活安心支援センター「ふらっと」 はどのようにできたか→母体は発達支援センター(専門性のない)⇒現場対応する中で必要と感 じた専門家の 関わりを、順 次実際に配置 して拡充して いった。・R2 OTによる専門相談を核にした「総合相談窓口」を設置。
○発達支援センターの機能強化してきた中で見えてきたこと→それは子ども時代だけでなく人の成長、その人のウェルビーイングへの支援であり、 人生に関わる支援であり、人生の終焉まで発達だという認識を強く持つようになった。⇒飛騨市の障がいの定義 (R2年度〜飛騨市生涯安心計画)へとつながる。
・R2 この流れで、この発達支援センターを、 世代や分野を問わず、 生きづらさや生活のしづらさをもつ市民すべてを対象とし、 およそどんなお困りごとも断らずに一括で受け止め、 様々な要因が複合したケースも俯瞰的にみて紐解きしていく 総合相談支援機関に大幅拡充することとした。
・R3 地域生活安心支援センター「ふらっと」 とし障がい福祉課の中の係立てから単独の課の位置づけに格上げして設置。ふらっとを支えるバックにつく総括的専門家は、特に作業療法士(OT)とした。 他にも公認心理士、理学療法、言語聴覚士等各種専門職の連携体制を敷いた。
・R4 総合福祉課を新設しその課内室として「ふらっと」を再設置→アウトリーチを開始。
・R5 ふらっとの出先、アウトリーチ拠点として「ふらっと+」を設置→支援手法の開発の概念を立てて支援ラボ事業を開始。⇒飛騨市フィールドで有識の専門家が提唱する「新たな支援策」等を市とともに実証的に実践していく事業へ(4事業あり)。 参照。
○すべての困りごとを受けとめる相談支援機関「飛騨市地域生活安心支援センターふらっと」→専門家が支える ≪飛騨市の特徴的体制≫@〜➄まで市費の援助。
・こうした人をまるごと受け止める上でもっともフィットした専門家は作業療法士→人生のwellbeing視点で支援を捉えられる哲学的セラピスト。⇒その人が生きる上での価値観や目標を明確化し、その人の人生を意味あるものにするための作業(日々の営み)へ導いていく。
○見えてきた「包括的支援の視点」哲学的視点→・こどもから大人、高齢者までの区切りなく相談を受けていくことで、 その人の 「人生」という尺の視点で支援を考えられるようになってきた。 ・今の困り感だけにフォーカスして対処するのではなく、この先のWell Being な姿のイメージ をもって、長い時間軸で考えながら今の支援を考えられるようになってきた。 ・大人になってつまづき悩む方を支援している中で、こどもの時にどのような支援をされて いればつまづかずに済んだのかという逆算の視点が持てるようになってきており、この視点を応用して子ども支援や予防としての活動が合理的に考えられるようになってきた。⇒ OTと常にやり取りしていること自体がOJTとなり、ふらっとの相談員たちの視点が変わり、質が格段に向上! 支援者個人の価値観に基づく主観的な見立てにならなくなった

○(飛騨市の地域共生社会づくり)飛騨市まるごと作業療法室→「ふらっと」中心として街づくりに拡大している。
○第4期飛騨市地域福祉計画 ・ 地域福祉活動計画→飛騨市の地域福祉計画でもトップの最重点施策に位置付 けています

≪それでは、ふらっとでは総合相談から包括的な対 応として実際にどのような相談対応事例に対応しているか 実際に対応しているふらっとのセンター長より 紹介させていただきます。 相談から支援への事例≫
○ふらっとの年間相談対応実績
→R5新規相談件数 417件 (継続も合わせれば 1000件以上) 児童51% 成人47% その他2%。
・ふらっとで大事にしていること→・困りごとはきれいに分類できない ・相談者のニーズを一緒に整える(本人はどうなりたいか)。 ・個人的な困りごとでもその人をとりまく 環境調整が大事 ・相談に専門家の見立てを入れる ・できる、できないこと、枠を決める (次につながるために、自分たちでとめない)。
○事例@ 特性により就労で つまづいた Aさん→引きこもっていたA子さん(30代)のご両親から の就労相談。(本人も就労を望んでいる)⇒体験→パート雇用→正社員になった。父との関係も良好に。
○事例A 家族全体に支援が必要な B さん宅→「お金がない!母も心配!」キーパーソンが高齢化。 困窮も含め、生活に支援が必要なBさん(50代)宅。→・Bさんは軽度知的障がい者。 ・80代の母と10代の子どもとの3人暮らし。 ・80代の母が家事や育児など担っていたが、体調を崩し入院。 また高齢により認知機能が低下し、家族の生活が崩れてきた。 ・80代の母が退院しても、認知症傾向の症状に対してBさんが 対応することは難しい。祖母にはケアマネがついた。 ・Bさんと子どもには障がいの相談支援員がついている。 (Bさんは障がい年金受給者) ・Bさんは首や腰の痛みを訴え受診する。自分の病気を悲観して パニックになっている。仕事も辞めた。 ・このような家庭状況の中、子どもは食欲不振、情緒不安定に なっている。 ・通帳にお金がなく子どもの授業料等の支払いができない。 ・Bさんは特性が強く、攻撃的で不安症。よく福祉課に怒鳴りこ んでくるが「助けてくれ」の裏返し。⇒・Bさんの就労については、総合福祉課が、相談支援員と一 緒に支援し、B型事業所に通うことになった。 ・Bさん家の家計については「ふらっと」の家計相談を受け ながら、社会福祉協議会の家計支援に繋ぐ。 ・常に湧き上がる文句(不安)は「ふらっと」で聞く。 ・祖母は地域包括支援センターと連携して、養護老人ホーム に繋ぐ手続きを始める。(家事はヘルパーを入れる。) ・子どもの不安については学校と連携し、家庭に問題が起き てもその対応と先の見通しを学校から子どもに説明し、安心 して学校生活を送れるようにする。発達特性には学校作業療 法室にて対応する。

○事例B 困りごとは制度上の支援だけで解決しない?!みんなが辛いC さん宅→知的障害の弟、高齢の両親と同居している夫婦。 仕事と家事、介護で疲弊しているCさん(嫁)の相談。⇒・地域包括ケア課と連携:父母の思いを聞く。 ・障がい福祉課を連携:弟の状況を聞く。 ・弟が勤務していた会社と連携:「ふらっと」で経緯を聞く ・専門相談:弟の特性を理解する。 →特性を会社に伝える。「なぜ会社に来れないのか」→理屈でなく表情認知が全て →会社が理解し、対応してくれた。 →次の日からまた会社に行けるようになった! ・キーパーソンであるCさん(嫁)がすぐ相談でき、エネル ギーが低下しないことが大切。  Point:発達特性に対する専門家の見立ては 非常に大切。本人や家族のウェルビーイング に向けた支援に欠かせない。
○効果的な重層的支援のむずかしさ→Point:@困りごと等の整理する。 A支援の方向性を決める。(専門家) B役割分担の舵は誰がとるか。 C進捗管理・・・・「情報共有」で終わっていないか。管理の在り方考察。

≪現場実践を通じて作ってきた飛騨市なりの包括的相談支援体制を振り返ってのまとめ≫
○飛騨市が包括的相談支援をこのような流れで進めてきて感じる 総合相談員のあり方↓

●総合相談員は、専門資格をもった人がプライド高くやらない方がよい→・相談の入口から自身の専門分野の枠の中に収めた捉え方になる。広く捉えて問題の核心に迫れない。 ・相談員自身、わからないことをわからないと素直に言えることが大切(無知の知) ・知ったかぶりしない。知ったかぶりは解決策になっていない。(様子見と同じ結果) ・専門家に頼ろうとすることで多職種の連携も自然な形で進む。
●総合相談員は、とにかくじっくり話の聴ける人がよい。→・しっかり聴いてくれる人には相談者がしっかり話しをしてくれる。 ・困りごとの核心はさわりの話のところにはない。深く話していくうちにみえてくる。
●総合相談員は、かえって制度に精通していないくらいの方がよい。→ ・制度にとらわれながら話をきくと相談者にしっかり対峙して話がききにくくなる。 ・制度にとらわれないほうが、先入観なくその人全体をしっかり受け止められる。 ・困りごとの解決に制度の対応が必要ないことも結構多い。
●相談者、家族等取り巻く関係性のある人たちの特性や関係性の見立てが重要

○飛騨市の包括的相談支援における「こだわりポイント・考え方のポイント」↓
● 相談者の話をまるごと受け止め、じっくり話を伺う。
● 制度にはめようとして話を聞かない。目の前の人をしっかり見て聞く。
● 相談者本人及び取り巻く環境全体の関係性を整理する(環境調整)
● 相談者本人及び取り巻く関係者の特性を考えながら話を伺う(追って専門家の見立てを入れる)
● 相談者の強みを見つける。
● 相談者の人生、 Wellbeingの視点で解決策を広く捉える。
● 相談者の困りごとをそのまま受け取らず、困りごとの捉え方を変えてみる。(困りごとを困りごとにしない捉え方)
● 支援者は知ったかぶりで支援してしまわないよう、専門家としっかり連携する。(無知の知)
● 相談者にいろんな船頭がつかないように整理する、支援チームの対応を整理することを念頭におく。
● 体制づくりはモデル的な形の踏襲をしようとしない。現場の実践の試行錯誤から、支援者の思いを体制の形に 組み上げていく。あえて先進的なところの話は聞かない。まずは自分のまちの現場にしっかり対峙してみる。(形に引っ張られない。目の前の現場でおこっていることに引っ張られるようにする。)
● 自分らしく人生を送るためには、自分の特性や障がいを認知することが欠かせない(メタ認知に導く)。

○終わりに。。。→こうした経緯で現場実践から包括的支援、重層的支援の形に自然と行きついていったため、 本市では国の制度の建付けにとらわれずに自由に進めている形となっています。 本市では能力の高い作業療法士にまちで活躍いただけたことでふらっとの包括支援が成り立ちました。 その素晴らしさは実践の中で私たち行政が直に実感しています。 このような専門家が横にいなかったら今のような形にはなっていなかったと思っています。 作業療法士の間では、今、社会的作業療法といった分野も提唱され、実践者も表れています。 まさに行政の包括的支援に社会的作業療法士が関わっていくような形ができると 私たち基礎自治体での包括的な相談支援の体制も質の高いものになっていくと感じています。 こうした「専門家」と「自治体の重層的支援の総合相談窓口」がタッグを組んで取り組める仕組みが 全国に広がると質の高い住民支援の体制がより進化していくと感じています。


◎資料5 奈良県提出資料
包括的な支援体制の整備に向けた 奈良県の取組と課題について
令和6年7月29日 奈良県福祉医療部地域福祉課 竹本 由美
奈良県社会福祉協議会地域福祉課 岡本 晴子
○奈良県の概要(基礎情報)
→人口 1,288,981人(令和6年6月1日現在推計) ◇面積 3,690.94㎢ (うち可住地面積割合:23.1%)(※「100の指標から見た奈良県勢2023」より) ◇市町村数 39市町村 (12市、15町、12村) ◇福祉事務所数:15福祉事務所 (県(中和、吉野)、各市及び十津川村)
○奈良県の取組の基盤→「奈良県人と人及び人と社会がつながり支え合う地域福祉の推進に関する条例」「奈良県域地域福祉計画」に基づき、包括的な支援体制の構築に向け、社会福祉協議会をはじめとする 関係機関と連携し、県も主体的に取組を進めることとしています。 その具体的な取組の一つとして、県と県社協が協働し、「県内市町村の取組 実践への支援」を実施しています。⇒「奈良県域地域福祉計画(第4期)」(R4〜R8)
○具体的な取組→市町村の取組への支援⇒現場密着型支援(県と県社協との二人三脚で広域団体に求められているのは 高度な支援ではなく 一緒に考え、チャレンジを応援すること)
○課題↓
・「相談支援」・「地域づくりに向けた支援」・「参加支援」に、一体的に着手することの 難しさ
・中山間部など小規模自治体における体制整備の進め方と支援→ • 過疎化、人口減少による担い手の不足 • “自ずと包括化” の状況下での出口の見えにくさ(資源の少なさ) • 奈良県は郡部が多く、各町村に合った体制整備とそれに向けた支援が必要
・広域/県域における実践、取組展開→単独の市町村では「やりきれない」こと ⇔ 広域でできること(資源開発など)
・ 市町村の主体性の引き出し方、働きかけ方
・ 「包括的な支援体制の整備」の進捗状況の評価
・ 包括的な支援体制の整備に向けた県の取組の次のステップ→ • 県所管分野(相談支援機関)と市町村との連携体制。 • 県域のスケールメリットを活かした、福祉分野にとどまらない取組の模索(県庁内の横断含め)。 • 市町村への長期的な支援を見据えた県の体制の構築・維持 等。


◎原田構成員提出資料
○地域における住民主体の課題解決力強化・包括的な相談支援体制のイメージ
→住民が主体的に地域課題を把握して 解決を試みる体制づくり⇒それを支援する【1】〜【3】あり。

↑これを説明するものとして、↓
○社会福祉法に基づく市町村における包括的な支援体制の整備に関する指針 (平成29年厚生労働省告示第355号)の概要

大丸1 市町村は、社会福祉法第106条の3第1項各号に掲げる事業の実施を通じ、包括的な支援体制の整備を推進。本指針は、その適切かつ有効な実 施を図るため、事業内容、留意点等を示すもの。各事業については、「点」ではなく、「面」としてそれぞれを連携させて実施していくことが必要。
大丸1 第一から第三までの内容は、地域において必要となる機能・取組であり、同一の機関が担うこともあれば、別々の機関が担うこともあるなど、地域 の実情に応じて、様々な方法が考えられる。
大丸1 市町村における包括的な支援体制の整備について、地域の関係者が話し合い、共通認識を持ちながら計画的に推進していくことが求められるが、 市町村地域福祉計画の策定過程を活用することも有効な方策の一つ。
⇒⇒「住民に身近な圏域」「市町村域」「都道府県域」の体制づくり必要。

◎構成員名簿→17名。

次回は新たに「第4回こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」からです。

第2回地域共生社会の在り方検討会議 [2024年09月12日(Thu)]
第2回地域共生社会の在り方検討会議 資料(令和6年7月29日)
議事 ・地域共生社会の実現に向けた取組について(包括的な支援体制の整備の現状と今後の在り方について)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41830.html
◎資料1 地域共生社会の実現に向けた包括的な支援体制の整備等について
○「地域共生社会の実現」に向けた包括的な支援体制の整備の位置づけ(社会福祉法第4条第1項)(社会福祉法第 106 条 の 3 )
・地域共生社会の実現(第4条第1項)
→包括的な支援体制の整備 (第106条の3)必要。

○社会福祉法(昭和26年3月29日法律第45号)第106条の3第1項包括的な支援体制の整備
・市町村は、重層的支援体制整備事業をはじめとする地域の実情に応じた次に掲げる施策の積極的 な実施その他の各般の措置を通じ、地域住民等及び支援関係機関による、地域福祉の推進のため の相互の協力が円滑に行われ、地域生活課題の解決に資する支援が包括的に提供される体制を整備するよう努めるものとする。→包括的な支援体制の整備のために、市町村による実施が期待される施策⇒ @ 地域住民等が主体的に地域生活課題を把握して解決を試みることができる環境の整備。 ※ 地域福祉活動への住民参加を促す者への支援、住民の交流の場・活動拠点の整備、住民への研修。 A 地域住民等が地域生活課題に関する相談を包括的に受け止め、情報提供や助言を行うとともに、必要に応じて支援関係機関につなぐことのできる体制の整備。 ※ 相談を包括的に受け止める場の整備・周知とバックアップ体制の構築、民生委員・保護司等の地域の関係者との連携による地域生活課題の早期把握。 B 地域住民等が相談を包括的に受け止める場等では対応が難しい複合的で複雑な課題、制度の狭間にある課題等を受け止める相談体制の構築 ※ 支援関係機関によるチーム支援、支援に関する協議・検討の場、支援を必要とする者の早期把握、 地域住民等との連携

○市町村における包括的な支援体制整備にあたっての都道府県の役割
・社会福祉法 第6条第3項→国及び都道府県は、市町村(特別区を含む。以下同じ。)において第百六条の四第二項に規定する重層的支援体制整備事業その他地域生活課題 の解決に資する支援が包括的に提供される体制の整備が適正かつ円滑に行われるよう、必要な助言、情報の提供その他の援助を行わなければならない。
・市町村における包括的な支援体制の整備のために想定される都道府県の役割→想定される役割(3点) と、その項目に対する具体的な取組あり。


◎資料2 永田構成員提出資料  
≪地域共生社会の実現に向けた取組について 包括的な支援体制の整備の現状と今後の在り方≫  第2回 地域共生社会の在り方に関する検討会議  同志社大学 永田 祐
○包括的支援体制を何に例えるか
→・(縦割りに策定される)複数の施策を、その地域にある多様な取り組み(地域福祉・まちづくり)を、対話を通じて重ね合わせ、そのまちにあった体制として構築していくこと(で地域共生社会≒新しい社会の在り方を目指す)。
○社会福祉法上の位置づけ→社会福祉法上は、地域(における社会)福祉の推進のための体制整備が、包括的支援体制。「受け手と支え手」の関係を超える視点や従来の福祉の枠を超えた多様な参加の観点は弱い。
○市町村の課題→福祉全体を見渡して企画立案するような能力がないと、何も変わらない。これまでの枠を超え、対話を通じて、制度と制度、人と人を結びつけるプロセスが必要になること。
○個別事業とは異なる体制構築のプロセス→協働のプロセス(顔の見える関係・信頼関係の構築・関係者のコミットメント・相互理解)があってその成果あり⇒包括的な 支援体制へ。

○多機関協働の現状と課題→庁内および支援関係機関との対話により、地域生活課題の解決のため、既存の会議体等を活用し、「有機的に重ねる」ことで、必ずしも重層的支援体制整備事業を活用せずに体制整備を図っている自治体もある。支援関係機関以外との相互の連携・協働に、実情に応じて拡大している自治体もある(権利擁護、消費者、税、環境、教育、消防、観光、農林水産、商工…)。⇒都道府県域の支援関係機関との連携・協働に苦慮している自治体が多い。
○地域づくりの現状と課題→「地域住民が相互に人格と個性を尊 重し合いながら、参加し、共生する地域社会の実現」(法第 4 条 1項)⇒参加し、共生する場は、「制度」の重ね 合わせだけでは作れない。 「福祉」の枠を超えた広がりをどう作るか(主体=第 4 条 2項、第106条の 3 第 1 項 1号は福祉の枠にとどまる?) ⇒ 民の自由な発想(余白や遊び)を許容し、 活かす官民協働をどのように構築するか 。
○地域共生社会と包括的支援体制の論点→市町村地域福祉計画は、「意思決定支援の観点(当事者参加やエンパワメント)をどのように包括的な支援体制の整備に位置付けるか」「対話と協働に基づく包括的な支援体制づくりを、福祉行政改革にとどまらず、国と自治体、 自治体と住民の新しい関係づくりとして捉えた場合、自治体のマインドの転換をどう支えていくか。」そのほかにもあり。


◎資料3 福井県坂井市提出資料  坂井市における包括的支援体制について
坂井市健康福祉部福祉総合相談課  社会福祉士  斉藤 正晃
○坂井市の概要
→人 口 88,666人 高齢化率 29.5%
○坂井市 福祉部の組織について→健康福祉部(福祉事務所)⇒7課あり。
○令和6年度 坂井市 福祉分野相談体制→「高齢者福祉(地域包括支援センター)高齢福祉課」「障害者福祉(基幹相談支援センター等) 社会福祉課」「生活困窮者支援(自立相談支援機関)福祉総合相談課」「子ども・子育て家庭 (こども家庭センター)子ども福祉課」

○「地域共生社会」の実現に向けた地域づくりに関するこれまでの経緯→国の動き、坂井市の動き との比較経緯あり。
○包括的な相談支援体制と家計改善、日自、中核機関設置等に関するこれまでの経緯→H28からR5年まで「包括的な支援体制」、「 家計改善、日常生活自立支援、中核機関」の流れあり。
○モデル事業(包括的な支援体制整備)に取り組む きっかけ→平成28年に市民が相談しやすいワンストップ窓口として「福祉総合相談室(生活困窮所管課)」が誕生したが、所管課(福祉総合相 談室)は、たらいまわしではないか・連携不足を加速させるのではと問題意識を持っていた。⇒相談支援包括化推進員に任せがちになる? 相談機関同士が協力し合える といいのになぁ〜 みんなで(連携型)で協力し合 えないかな〜

○取組を始める準備(事務局設置(H29))→市民福祉部長を含めた関係者で先進地を視察しイメージ共有。 相談支援包括化推進会議の立ち上げに向けて、高齢・障害・生活困窮所管課による事務局を設置し、半年間ワーキング。 検討内容:相談支援包括化推進員の役割、既存の相談機関との関係、委員構成など⇒案3:案1と案2の折衷形
○相談支援包括化推進会議 多機関で事例検討→事例:805020+障害+困窮世帯(ねらい参照。3回のグル-プワ-クあり。)
・相談支援機関と行政担当課の分野別グループに分けて同一事例で事例検討を実施 →事例の「知りたいこと」や世帯構成員の誰に注目しているか差があった(初期相談のときに無意識に自分の制度の観点からでみてい る可能性)、一方「世帯の総合的な支援方針」に注目して検討をすすめていくと支援方針は似通ってきた。
・ 各制度の相談スキルが高まりつつあるはずが、それぞれが所管する制度の枠組みの中で支援を行っているため、既存の相 談支援機関だけで連携するには限界がある ・人によっては全体を把握し連携できる相談員もいるかもしれないが、組織的ではない(属人的)

○相談支援包括化推進会議中間とりまとめ(平成29年度末)→連携型の相談支援体制、相談支援包括化推進員の役割・配置、会議体の新設等の必要性を盛り込んだ相談 支援包括化推進会議の中間とりまとめを踏まえ、市民福祉部長のもと、高齢・障害・生活困窮の3課による 部全体の取り組みとした。→H30年度より試行⇒多機関で検討する会議のコーディネーターとして「相談支援包括化推進員」を位置づける(個別のケースワーカーではない)。
○坂井市 総合相談体制とさかまる会議(支援会議)→・どの窓口でも分野を問わず相談を受け止め、関係機関・団体の連携によって包括的に対応する総合相談「ここサポ」※体制を整備。・普段の連携で対応が困難な複雑・複合ケースの検討または分野をまたぐ課題共有が必要なときになどに、各課に配置されたマネージャー(相談支援 包括化推進員)が、各課・機関同士のコーディネーターとして調整し、さかまる会議(支援会議)を開催。
○利用支援会議(地域連携ネットワーク取り組み)→利用支援会議(利用促進機能) 権利擁護に関する課題がある事案について、一次相談窓口等で判断が難しい場合は、中核機関へ相談。 必要に応じて専門職(弁護士、司法書士、社会福祉士)を交えて検討する利用支援会議を開催
○さかまる会議の工夫→・会議が円滑・円満に実施されるよう、心得(グランドルール)を定め、会議の冒頭に参加者全員で確認。 (心得策定の背景・目的)⇒分野や世代が混合した会議体であるため、立ち上げ時は、意見を言いにくかったり、特定の機関に責任を問うようない わゆる「裁判会議」になってしまうことがあったため、その反省から心得の背景※を周知、徹底することで、参加者の心 理的安全性を確保する。※以下 心得と背景例示→「さかまる会議 心得」第1条〜第11条まで。
○さかまる会議の様子→心得 読み合わせ中の様子。

○坂井市におけるひきこもり支援の全体像(イメージ)→@ 各相談機関の通常相談業務におけるこれまでのアウトリーチ(※1)、自制度や既存資源で対応。 (「第3次坂井市福祉保健総合計画基本理念2.包括的な相談支援体制の充実・強化 各分野の相談支援機関等の連携による多機関協働」を踏まえた対応) A @ではない場合、自立相談支援機関へ協議し、アウトリーチ(※2)で対応。 B 本人の状態に合わせて(息の長い丁寧な関わり)、ひきこもりサポート事業→就労準備支援事業で回復、ステップアップを目指す。その際、本人の状 態にあわせて、県機関や障害や子どもなどの関係機関と円滑に連携を図る。

○第3次坂井市福祉保健総合計画概要(2021〜2026)→坂井市の福祉保健に関わる基本方針を示すとともに、関連する個別計画を 横断・包括する計画です。 制度や分野ごとの「縦割り」や、「支え手・受け手」という関係性を超えて、 あらゆる世代の住民や多様な主体が参画し、一人一人の暮らしと生きがい、 地域をともに創っていく「地域共生社会」の実現を目指します。⇒「基本 理念」「5つの基本方針」「15の施策の方向性」あり。
・進捗の報告→坂井市地域共生社会推進会議(各分野の代表者会議)⇒ ❶福祉保健総合計画の進捗確認 ❷重点事業である重層的支援体制整備事業の進捗確認 ❸その他福祉政策に関すること
○第3次坂井市地域福祉計画・地域福祉活動計画(かたいけのプラン)→つながり、安心して暮らせる「地域共生社会の実現」を目指し、行政計画である「地域福祉計画」と民間計画である「地域福祉活動計画」を一体的に策定、両輪として一体的に推進する計画。(地域福祉計画は、市域における施策等を中心に推進方針を示すのに対して、 地域福祉活動計画は、身近な圏域において、地域住民等が地域で福祉推進を行うための活動等を中心に示すもの)⇒「坂井市地域福祉計画」「 坂井市地域福祉活動計画」 参照。
○包括的な支援体制の整備過程における変化(組織文化)→重層を実施するうえでは、必然的(4分野混合の交付金もあって)に各課が意思疎通をとることが増えるため、分野をまたぐニーズや課題があった場合に検討しやすくなった感触があります。⇒参考資料@〜➅参照。
○坂井市における包括的な支援体制と重層事業等との関係性イメージ→包括的支援体制の整備に取り組む過程において、福祉分野外の事業や関係者等にも広がりも見られる。一方で点で展開されていたり、つながりが不十分といった課題も浮き彫り⇒本取組を整備する過程で、潜在化していたものが顕在化するといった新たな気づきにつながることも。
○魅力あふれる北陸育ちの特産品→「越前がに」ほか、越前そば、メロン、油揚げ、焼き鯖寿司、 越前織などなど・・・。

≪以下、参考資料≫↓
○坂井市の相談支援体制における想い社協職員(市出向の主任相談支援員)の声)参考資料@→
○坂井市生活再建型滞納整理事業参考資料➁→
○R4年度〜 相談支援包括化推進員が各課重層担当とともにアウトリーチ参考資料B→
○お困りごと相談窓口 『ここサポ』開設参考資料➃→
○「地域共生社会」の実現に向けた社会関係資本の実証的研究参考資料➄→
○住まい相談にも対応する「ここサポ」体制の強化参考資料➅→
○【地域福祉計画 基本方針1に関する見直し論点】 推進項目(2)多機関協働による包括的な相談支援体制の充実 4)相談支援に携わる福祉専門職、行政職員等の質的向上→コロナ禍以来、原状復帰のため「令和5年度の取組み」「令和6年度の取組み」あり。

次回も続き「資料4 岐阜県飛騨市提出資料」からです。

令和6年第11回経済財政諮問会議 [2024年09月11日(Wed)]
令和6年第11回経済財政諮問会議(令和6年7月29日)
議事(1)中長期の経済財政に関する試算 (2)予算の全体像 (3)令和7年度予算の概算要求基準
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0729/agenda.html
◎配付資料1 経済・財政・社会保障に関する長期推計(内閣府)
1.はじめに
→「経済財政運営と改革の基本方針2023」(2023年6月16日閣議決定)に、中期的な経財政の枠組みの検討に関する規定が盛り込まれたことを受け、2023年秋以降の経済財政諮問会議では、中長期の重点課題に関する集中的な議論が行われた。その際の主 たる問題意識は、人口減少が2030年代以降に本格化するという見通しを前提に、それ以前の2020年代後半のうちに、将来の持続性確保につながる経済社会システムをいか にして構築するか、というものであった。 こうした中期的な枠組みの検討に当たり、2024年1月22日の経済財政諮問会議では、有識者議員より、「少子高齢化が加速する日本経済において、20〜30年後を見据えた、より長期の試算を示した上で、中長期的に取り組むべき課題についてバックキャストすべき」との提案がなされた。 定量的な将来展望については、内閣府はこれまでも、向こう10年間程度を試算期間 とする「中長期の経済財政に関する試算」を公表してきているが、20〜30年後を見据えるには、それとは別に、より長期の経済・財政・社会保障の展望を示す必要が生じた。折しも2023年7月に国立社会保障・人口問題研究所より新しい「将来推計人口」が公表されたタイミングであり、年金については次期財政検証の公表が予定されていた中で、医療・介護等の社会保障や財政の姿についても、経済と一体的に長期の姿を展望することが求められた。
これを受け、同年2月29日の経済財政諮問会議において、まず2060年度までを対象 期間とする長期の経済の姿を示したところ、有識者議員に加え、岸田総理より「人口減少が本格化する2030年までに、必要となる制度改革の実施を目指して、(中略)今後 3年程度の政策パッケージを骨太方針に盛り込んでまいる。その際には、経済・財政・ 社会保障の持続可能性を確保するための条件を明らかにした上で議論を進めることが 重要」との方針が示された。 その上で、同年4月2日の経済財政諮問会議に、2月の経済前提に基づく、2060年 度までの財政と社会保障の姿を示した「経済・財政・社会保障に関する長期推計」を提出するに至った。 本稿は、長期推計に用いたモデルや試算の前提の詳細、長期推計で示された結果の詳細を解説するもの。第2章では長期推計モデルの概要について、第3章では経済の前提と試算結果について、第4章では社 会保障・財政の想定について、その詳細を説明。第5章では社会保障・財政の姿 、第6章では長期金利の想定に係る感応度分析の詳細を解説する。最後に、 第7章において、長期推計を用いた政策的なインプリケーションと、今後の課題及び改善点等について考察する。なお、個々の計数については、一定の想定を置いて機械 的に試算したものであるため、相当の幅をもって理解する必要がある。

2.長期推計モデルの構造と推計の概要 →中長期試算において用いられている「経済財政モデル」は、経済・財政・社会保障が相互作用する構造となっているが、長期推計モデルについては、向こう 20〜30 年後の長期にわたって経済・財政・社会保障が安定的に推移する条件を検討するという使用目的に照らし、供給面から経済の姿を規定し、そこから求められる社会保障・ 財政の姿を計算する構造を有している。その基本的な考え方は、OECDの対日経済審査報告書(2021 年、2024 年)の長期推計で用いられているモデルと同様のものであり、また、米国CBOやEUなどにおける長期推計についても、同様に供給面から経済等が決まるモデルとなっている。 本長期推計は、2060 年度までを推計期間としている。これは、人口想定の違いが 労働市場に影響を強く及ぼすのが 2040 年代後半以降であることや、いわゆる団塊ジュニア(1971〜1974 年生まれ)の全てが 85 歳(介護費への影響が大きいとされる年齢)に到達すること等を踏まえたもの。 長期推計では、中長期試算における3つのケースを延伸する形で、以下の3つのシ ナリオを設定した。 @ 過去投影シナリオ:中長期試算のベースラインケースを延伸(以下「@」)。 A 成長移行シナリオ:中長期試算の参考ケースを延伸(以下「A」)。 B 高成長実現シナリオ:中長期試算の成長実現ケースを延伸(以下「B」)。 中長期試算期間(2033 年度まで、以下同様)においては、各種の数値は中長期試算のものと合致し、中長期試算期間以降(2034 年度以降、以下同様)は、全要素生産性(TFP)、人口、労働参加率等の想定をもとに、潜在成長率等を計算している。 社会保障については、加速する少子高齢化・人口減少の中で、給付と負担のバラ ンスの確保が引き続き課題となる「医療・介護」に焦点を当てている。物価・賃金動向及び人口要因等に応じて、医療・介護の給付額を推計した上で、現行制度に照らして公費負担を求め、給付額に対する残差として保険料負担を計算。なお、年金については、保険料負担率の上限が決められている点、収支のバランスはマクロスライド調整のように負担から給付を調節する機能がビルドインされており、また 100 年単位の制度の持続可能性が財政検証によって別途確認される点から、長期推計では 給付と負担のバランスは扱わず、公費負担分のみを計算している。 財政については、経済の姿と整合的な形で、上記の年金・医療・介護の公費負担に加え、その他の歳出及び歳入についても同様に一定の前提の下で延伸させ、財政健全化目標として掲げられている国・地方の基礎的財政収支(以下、「PB」という)および公債等残高の姿を計算している。その際、金利については、名目GDP成長率を 一定幅で上回るとする外生的な設定を置いている。なお、ここでの経済の前提や、社会保障給付費の伸びの想定などを変化させることで、PBや公債等残高に与える影響 についての分析が可能である。

3.経済の姿
(1)全要素生産性(TFP)
→TFP上昇率は、中長期試算のそれぞれのケースにおける値で延伸している。なお、 中長期試算で取りまとめられている先行研究によれば、@からAのTFP上昇率への 引き上げ(+0.6%pt)を実現するためには、雇用の正規化、教育訓練投資、研究開発投資、企業の新陳代謝の向上などの取組が必要になると考えられる。⇒ 図表1: TFP上昇率の想定

(2)人口 →国立社会保障・人口問題研究所による「日本の将来推計人口(令和 5年推計)」を用いている。各シナリオの人口想定はそれぞれ、@では「出生中位(死亡中位)推計」、Aでは「出生高位(死亡中位)推計」、Bでは「合計特殊出生率 1.80(2070 年),外国人入国超過数本推計仮定(死亡中位)」による(図表2)

(3)労働参加率・労働時間・失業率 →性別・年齢階層別の労働参加率については、中長期試算期間中は、それぞれのケー スの労働参加率の想定に依拠している。すなわち、@では「平成30年度雇用政策研究 会(2019年度)」において示された「経済成長と労働参加が一定程度進むケース」の労働力需給推計を、A及びBでは「経済成長と労働参加が進むケース」の労働力需給推 計を踏まえた推移となっている。 中長期試算期間以降、@では、引き続き、「経済成長と労働参加が一定程度進むケー ス」ケースの推移に準拠したうえで、2040年以降は一定になると想定している。A及びBでは、2045年度にかけて、60歳以上74歳未満の5歳ごとの各年齢階級における労 働参加率が、2025年度時点の5歳若い年齢階級の労働参加率と等しくなるものとし、 2045年度以降は一定になると想定している。この想定は、2023年の60歳以上の各年齢階級における労働参加率が、2003年時点の、それぞれ5歳若い年齢階級のそれと概ね等しいという実績を踏まえている。(図表3)。 性別・年齢階層別の労働時間は、中長期試算期間及びそれ以降について、いずれの シナリオにおいても、2022年度時点の実績値(労働力調査年報による年平均)から一 定としている。年齢階層別の人口比率が変化し、労働時間の短い高齢者層の割合が高くなることで、全体での平均的な労働時間は低下する傾向がある。 マクロの失業率については、中長期試算期間は試算値とし、総失業者数に対する性 別・年齢階層別の失業者数の比率が一定として、性別・年齢階層別の就業者数を計算 している。またAの失業率はBと同等としている。中長期試算期間以降は、マクロの 失業率が2033年度値で一定として、同等の想定をおいて、性別・年齢階層別の就業者数を計算している。

(4)潜在成長率 →潜在成長率については、中長期試算と同様に、コブ=ダグラス型の生産関数に基づいている。中長期試算期間以降については、上記の前提から、各シナリオでの潜在成長率を計算して求めている。なお、資本による潜在成長力への寄与については、均衡資本ストックが生産性及び労働力人口に依存するとの考え方に基づき、過去投影シナリオを基準として、TFP上昇率の寄与及び労働寄与の規模の増分に応じて高まるよう に機械的に計算している。 各シナリオにおける労働参加率の想定の違いや、人口(出生率)の想定の違いによ る潜在成長率の影響は図表4の通りである。労働参加率については2020年代から2040 年代まで年率0.1〜0.2%pt近くの押上げ効果が見られるが、2045年度以降は横ばいとなる想定を置いているため、2050年代での影響はなくなる。一方で、出生率の変化は、 2040年代以降で強い押上げ効果をもたらすことが分かる。 これらの結果から、各年代における潜在成長率は、図表5のように求まる。2030年 代以降において、生産年齢人口の減少による押下げが大きくなり、@ではゼロ近傍の 成長率となる。一方で、労働参加率の向上に加え、出生率も高まることで、A及びB で見られるような、長期にわたり1%を上回る潜在成長率が維持される姿が描かれる。⇒図表4: 労働参加率、出生率の想定の違いによる潜在成長率への影響(年度平均)  図表5:潜在成長率(年度平均)

(5)物価上昇率・GDPデフレータ変化率 →物価上昇率(消費者物価(CPI)上昇率)については、中長期試算期間以降、中 長期試算における各シナリオのCPI上昇率を延伸している。すなわち、@では0.8% (2013年〜2019年の平均)、A及びBでは2%(物価安定目標の達成・維持が実現)となると想定。 CPI上昇率とGDPデフレータ変化率の差については、短中期的には各需要項目 の比重及び各項目のデフレータによる部分があるものの、長期的には統計手法の違い等による構造的な違いのみが残ると仮定し、中長期試算期間以後は、CPI上昇率と民間 最終消費デフレータ変化率の平均的な差である0.3%pt程度で一定になると想定。これは、年金財政検証の経済前提における考え方や規模と同様である。中長期 試算期間以降、5年程度かけて、上記の関係に収束するものとして計算している。

(6)実質・名目GDPの姿 →以上に述べた前提の下、実質・名目GDP成長率の推移を図示したものが図表6。2025〜2060年度での平均の実質GDP成長率、一人当たり実質GDP成長率及 び名目GDP成長率は図表7で示す。AないしはBの名目GDP成長率が実現すれば、 2040年頃に1000兆円規模の経済となる(図表8)。また、一人当たり実質GDPの水準について、OECDによる長期推計10におけるベースラインでの推計値と比較したところ、 Aではドイツ並み、Bでは米国やノルウェーと並ぶ水準となる(図表9)。⇒図表6: 実質GDP成長率、名目GDP成長率の姿  図表7: 2025〜2060 年度の平均成長率(年率)  図表8: 名目GDPの推移  図表9:一人当たり実質GDP水準(万ドル、購買力 2015 年 US ドルベース)

(7)賃金上昇率 →賃金上昇率(雇用者一人当たりの賃金・俸給総額の変化率)については、中長期試算期間中は同試算値を援用する。Aについては、@及びBの賃金上昇率の差を就業者 一人当たりの名目GDP成長率で按分して求めているが、結果として、AとBの賃金 上昇率の差はこれらの名目GDP成長率の差にほぼ相当する。中長期試算期間以降は、 賃金上昇率は就業者一人当たり名目GDPの変化率と同程度として計算している。

(8)長期金利 →長期金利(10年物国債利回り)については、中長期試算期間中、中長期試算の値を援用するが、Aについては、賃金上昇率と同様の考え方で、@とBの長期金利の差と 名目GDP成長率の差の関係から按分して求めている。中長期試算期間以降、3年程 度をかけて、名目GDP成長率より+0.6%pt上回って推移する姿となると想定。なお、0.6%ptという幅は、中長期試算のベースラインケースにおける最終年度での長期金利と名目GDP成長率の差である。同試算の成長実現ケースでは、リスクプレミアムの低下が作用し、この差は0.3%pt程度まで小さくなるが、財政の健全性を検討する長期推計では、A及びBにおいても、ベースラインと同程度の差となるとの想定。なお、1995年1-3月期から2023年10-12月期までの四半期ごとの名目 GDP成長率と長期金利の差の平均が0.6%pt程度である。 後に確認するように、長期金利と名目GDP成長率の差は、いわゆる「ドーマー条件」に見られるように、債務残高対GDP比の動向を決定する重要な要素であるため、 第6章において、長期金利と名目GDP成長率の差を変化させた場合の感応度分析を 行うこととした。

4.社会保障・財政の想定 →第3章で求めた経済シナリオを元に、社会保障(医療・介護)に係る費用・給付費 及び保険料や公費負担を求めるとともに、財政健全化目標に係る国・地方の基礎的財 政収支(PB)および公債等残高を求める。PB及び公債等残高の定義及び数値については、中長期試算の「復旧・復興対策及びGX対策の経費及び財源の金額を除いたベース」に準拠する。また、年金・医療・介護の給付費や保険制度間の移転等の詳細 については、「経済財政モデル(2018年度版)」の方程式群に基づき計算しているので、 中長期試算と整合的なものとなっている。

(1)医療 →医療保険に関する給付費等については、厚生労働省「医療保険に関する基礎資料」の実績値を基に、各保険制度における年齢階層毎の被保険者数、医療費及び医療給付費に加え、各保険制度毎の後期高齢者支援金、保険料負担及び公費(中央・地方)負担をもとに、公費負担率や支援金の算定方法等の現行の制度が維持されるものとし、 保険料負担(雇主負担を含む)については、給付費と公費負担の残差から計算。なお、本推計における給付費については、保険制度に基づくものに限定しており、 医療扶助や地方単独事業等による公的給付等は含んでいない。また、介護保険への移転分については、介護給付費の保険負担に含まれている。 医療給付費総額については、各保険制度の年齢階層毎の被保険者数に一人当たりの 医療給付費を乗じて求める。各保険制度における被保険者数は、年齢階層ごとの人口 に対する比率を一定として延伸する。各保険制度の年齢階層毎の一人当たり医療給付 費については、2021年度までは実績値を用い、国費の決算・予算が明確になっている 2022年度から2024年度については、2021年度値を基準として、決算・予算の伸びと整 合的となるように調整している。2025年度以降については、「単価要因」と「その他要因」から計算する。「単価要因」は、消費者物価上昇率及び賃金上昇率の加重平均とし て、費用構造に鑑み比重をそれぞれ0.5として計算している。「その他要因」は、医療 の高度化等を含むものであり、基本ケースでは年率1%としている。これは、一人当 たりの医療費の伸びと賃金・物価上昇率の差分の長期平均と同程度である。なお、高額医療へのシフトが近年進んでいること等に鑑み、中長期試算期間以降で、「その他要因」を2%とするケースを推計。一方、「その他要因」による増加を相殺する給付 と負担の改革効果に相当するものとして、「その他要因」を0%としたケースの推計も 併せて行う。これは、社会保障関係費の歳出について、経済・物価動向等を踏まえ、「実質的な増加を高齢化による増加分に相当する伸びにおさめる」としていたこれまでの歳出の目安に類似するものであり、この改革を給付抑制で対応するものと仮定して計算することに相当する。なお、これは推計上の便宜であり、医療が高度化していくこと自体を抑えることや、医療のみを改革の対象とすること等を意味しない。 以上の想定を元に、医療給付費の伸びを推計したものが図表10。単価要因(物価・賃金上昇率の加重平均)については、A・Bで大きくなるが、その一方で、名目 GDP成長率との関係で見ると、物価上昇率の寄与が相対的に小さくなるため、Bで は名目GDP成長率よりも小さくなる。逆に、@については、単価要因が名目GDP 成長率を上回る。人口・高齢化要因は、2030年代でマイナス寄与になるが、これは、 人口全体が縮小する寄与が大きくなるためである。なお、2030年代以降、それぞれの シナリオで人口・高齢化要因による寄与が違うのは、人口想定がそれぞれ異なり、更 に、乳幼児期の一人当たり医療給付費が比較的大きいことによる。いずれのケースも、「その他要因」による寄与もあり、名目GDP成長率よりも高い伸びとなる。⇒ 図表10:医療給付費の伸び率と要因分解 (「その他要因」1%のケース)

(2)介護 →介護給付費や負担の計算には、まず、「介護給付費等実態調査(統計)」の年齢階層毎の介護給付費を年齢階層毎の人口で除して人口一人当たり介護給付費を求め、将来 の年齢階層別の人口と一人当たり介護給付費とを乗じて、各年度の年齢階層別の給付費を求める。次に、年齢階層別の給付費の総和の伸び率を、以下で示すの給付費総額に用いて、各年度の介護給付費総額を求める。介護給付費総額、保険料負担、中央政府負担及び他制度からの移転(第2号被保険者に係る介護納付金)については、国立 社会保障・人口問題研究所「社会保障費用統計」における介護保険の給付費を用い、 地方政府による負担はこれらの残差として求め、給付費に対する公費(中央・地方) 負担率及び保険料負担率が以後も一定として計算している。 年齢階層毎の人口一人当たり介護給付費の伸び率については、2021年度までは実績 値を用い、国費の決算・予算が明確になっている2022年度から2024年度までは、2021 年度値を基準として、決算・予算の伸びと整合的となるように調整している。2025年 度以降については、「単価要因」のみ考慮し、費用構造に鑑み、消費者物価指数×0.35 +賃金上昇率×0.65として計算している。
以上の想定を元に、介護給付費の伸びを推計したものが図表11。単価要因に ついては、医療給付費における単価要因の傾向と同様である。人口・高齢化要因は2040 年代まで徐々に小さくなるが、いわゆる団塊ジュニア世代(1971〜1974年生まれ)が 80歳以上となる2050年代で再び大きくなる。結果、一貫して高齢者人口の伸びが押上 げ効果となり、いずれのケースでも介護給付費の伸びは名目GDP成長率よりも高く なるが、成長率が高いほど両者の差は小さくなる。⇒ 図表11:介護給付費の伸び率と要因分解

(3)年金 →年金給付費については、「2019(令和元)財政検証」のケースI (A、B)及びX(@) に基づき、物価・賃金上昇率を置き換えて計算している。なお、各シナリオでの人口 想定等の違いについては、2060年度までで高齢者層の人口が変化しない点、また給付 水準の自動調整(マクロ経済スライド)が2040年代前半から中頃には終了する点から、 年金受給者数及び給付調整率への影響は捨象している。 年金の公費負担(中央政府)については、基礎年金給付費の2分の1が中央政府による負担として、上記で求めた基礎年金給付額の伸び率を2024年度までの年金の決算 額・予算額に接続して計算している。

(4)その他の歳出 →上記の年金・医療・介護給付費に係るもの以外の中央政府・地方政府における基礎 的財政収支に係る歳出(PB歳出)については、中長期試算期間において、基本的に は物価上昇率に基づいて増加すると設定されてため、AはBと基本的には合致する13 こととなる。中長期試算期間以降は、2033年度値を名目GDP成長率で延伸している。

(5)歳入 →中央政府・地方政府における基礎的財政収支に係る歳入(PB歳入)については、 中長期試算期間においてはPBとPB歳出の差で求め、中長期試算期間以降は、2033 年度値を名目GDP成長率で延伸している。

(6)公債等残高 →公債等残高については、中長期試算期間中は、中長期試算の値を援用している。中 長期試算期間以降、t 年度の公債等残高については、 公債等残高(t)=公債等残高(t-1)-PB(t)+ 公債等残高(t-1)×実効金利(t) という式により計算している。ここで、実効金利は、長期金利の前方 9 か年移動平均 値として計算している。これは、財務省「普通国債残高の残存期間別構成の推移」等 により、国債の平均残存期間が概ね9年程度であることから想定を置いている14。

5.社会保障・財政の姿
(1)社会保障(医療・介護)の姿
→第3章の経済前提及び第4章の想定から、3つの経済シナリオにおいて、3つの医 療給付費の伸び方のケースについて、医療・介護の給付と負担の推計をしたものが図表 12。 医療の「その他要因」が1%(灰実線)ないしは2%(赤点線)の給付と負担の 改革を織り込まないケースでは、いずれのシナリオにおいても、給付費対GDP比が 上昇する姿となっている。なお、高成長のシナリオほど、給付費対GDP比での増加 は緩やかとなる。 一方で、医療給付費の「その他要因」による増加分を相殺する給付と負担の改革を行 うケース(青点線)を見ると、給付費対GDP比は、Aでは 2033 年度以降横ばいと なり、Bでは低下し、いずれのシナリオでも保険料負担対GDP比が低下していく姿 となり、社会保障制度の長期的な安定性が確保されることとなる。⇒ 図表12:医療・介護の給付と負担(対GDP比)

(2)財政の姿 →同様に、3つの経済シナリオにおいて、3つの医療給付費の伸び方のケースについてPB対GDP比及び公債等残高対GDP比を推計したものが、図表 13 及び 14 である。 PB対GDP比については、給付と負担の改革をしなければ、いずれのケースでもPB対GDP比は長期的に悪化していくことになる。Aにおいて、その他要因が 1%ではPB黒字を維持しているが、その他要因が 2%となると、2050 年代中頃にPB赤字に再度転じる。給付と負担の改革を中長期試算期間以降に行う場合、A及びB では、PB対GDP比の黒字幅を維持・拡大する姿となる。 公債等残高対GDP比については、@ではいずれのケースも発散に向かい、Bについては、いずれのケースでも一定規模のPB黒字幅があることから、安定的に低下する 姿となる。Aでは、給付と負担の改革を継続することで、PBの黒字幅が維持され、 安定的に公債等残高対GDPが低下する姿となる。「その他要因」が2%の場合、P Bが赤字になるのが 2050 年代中頃であるが、公債等残高対GDP比が上昇に転じる のは 2040 年代前半である。また、「その他要因」が1%のケースでは、黒字を維持しているにも関わらず、2040 年代中頃に公債等残高対GDP比が増加に転じる。これは、いわゆる「ドーマー条件」からも示されるとおり、実効金利が名目GDP成長 率よりも高いことから、一定のPB対GDP比の黒字幅がないと利払い費分をまかなえず、公債等残高対GDP比が上昇するためである。例えば、公債等残高対GDP比 及び実効金利と名目GDP成長率の差がそれぞれ 170%、0.6%pt(Aの各ケースで の 2030−50 年代における平均値に概ね該当)であるとすれば、公債等残高対GDP 比の上昇・低下の閾値となるPB対GDP比は、0.6%×170%≒1%程度となり、 先述の反転時期と整合的な姿となる。⇒ 図表13:PB対GDP比の推移  図表14:公債等残高対GDP比の推移

6.感応度分析 (長期金利の変化) →第5章で確認したように、長期金利と名目GDP成長率の関係の想定は、公債等残 高対GDPの挙動に影響を与える。そこで、本章では、3つの経済シナリオにて、社 会保障の改革効果を含むケースをベースとして、長期金利と名目GDP成長率の差を変化させて、その影響を分析する(図表 15)。長期金利について、基本ケースとして 名目GDP成長率+0.6%pt(灰実線)と置いているところを、名目GDP成長率+ 1.0%pt(赤点線)、名目GDP成長率±0%pt(黄点線)、名目GDP成長率−0.5% pt(青点線)として計算。 まず@では、社会保障の改革を継続し、かつ金利が成長率を下回る想定にもかかわらず、公債等残高対GDP比は増加し続ける姿となる。なお、@の名目GDP成長 率は 0%台半ばであるため、この場合の長期金利は 0%近傍の値である。 また、Aでは、第5章で確認したように、社会保障の改革を継続した場合、基本 ケースでは安定的に公債等残高対GDP比が下がるが、金利が更に上がる場合では、 上昇に転ずることとなる。金利のショックに対する財政の強靭性を更に高めるために は、Bで示されるような更なる高成長と、PBの黒字幅が重要となる。⇒ 図表15:長期金利の想定の違いによる公債等残高対GDP比の変化

7.政策的なインプリケーション及び今後の課題等について→本長期推計より、長期的に経済成長を遂げるには、生産性の向上、労働参加の拡大、出生率の上昇等による供給力の強化と、成長と分配の好循環の実現が必要、その際、財政や社会保障(医療・介護)の長期安定性を確保するには、現状のまま では長期的に 0%程度と見込まれる実質GDP成長率を1%以上に引き上げていくこ とが必要であることが示された。 医療・介護給付費の伸びは、高齢化や医療の高度化等により自然体では長期的に経 済の伸びを上回る見込みであるが、これに対し、実質1%超の成長の下、毎年の医療の高度化等のその他要因による増加を相殺する給付と負担の改革効果を実現できれば、制度の長期的安定性の確保が見通せる結果となった。なお、本推計では、給付と 負担に係る改革は、中長期試算期間以降に行われるものと想定しているが、中長期試 算期間中はGDP比が増加している姿となっており、医療・介護の更なる持続可能性 を確保するためには、給付費対GDP比の上昇基調に対する改革に取り組んでいくことが重要であり、中長期試算期間中においても、「全世代型社会保障構築を目指す改 革の道筋(改革工程)」に掲げられた改革を着実に実現していくなどの対応が必要。 財政について、高い成長の下でも、長期的には社会保障費の増加によりPBの黒字幅は縮小し、赤字となる可能性もある。更に、金利が成長率よりも高い場合、PBの 黒字幅が一定水準を切ると、公債等残高対GDP比は上昇する。今後の経済財政政策 は、官民連携による投資拡大やEBPMによるワイズスペンディングの徹底、社会保 障の給付と負担の改革等により、成長力強化を図りつつ、持続可能な財政構造を確保 していくことが重要である。 以上が、本長期推計によるインプリケーションである。供給側から決まるモデルで あるため、人口想定や全要素生産性の想定、歳出の伸び方の想定等を変更すること で、様々なシナリオを容易に確認することが出来るが、その一方で、需要項目ごとの 状況、家計の姿など、セミマクロ、ミクロの観点に対しての推計・分析は困難である ため、他のモデルなども併用して更にきめ細かい分析につなげていくことが重要であ る。

次回は新たに「第2回地域共生社会の在り方検討会議 資料」からです。

令和6年第11回経済財政諮問会議 [2024年09月10日(Tue)]
令和6年第11回経済財政諮問会議(令和6年7月29日)
議事(1)中長期の経済財政に関する試算 (2)予算の全体像 (3)令和7年度予算の概算要求基準
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0729/agenda.html
◎資料2 参考資料(中長期の経済財政に関する試算を踏まえて)(内閣府)
○経済再生と財政健全化の両立に向けた取組
→• 民需主導の堅調な成長の下、2025年度のPBは黒字化する姿となる。 • 2020年度以降のPB悪化は、経済下支えのための移転支出等による部分も多い。経済社会活動の正常化に伴い、それらの支出を要しない経済財政運営が可能に。 • 今後、成長移行ケースでは、企業は投資主体、家計と政府は貯蓄主体となっていくことが見込まれる。
○予算の見積もり・執行について→• 近年、多額の不用額が発生しており、予備費や過年度の大型補正予算が主たる要因。 • 近年の税収については、コロナ禍により経済状況の見通しが不透明な中、企業収益の増加、配当を含 む所得の増加、コロナ禍からの正常化の進展による消費の増加に加え、為替・資源価格といった外部 経済要因が大きく変動したこと等により、決算時点で上振れが発生。
○閣議決定に基づく中長期の計画的な投資について→・国土強靭化に係る計画的な投資は、着実に進行。 • 科学技術関係予算は、近年は大規模な追加もあり基本計画の想定を上回る。


◎資料3 中長期の経済財政に関する試算を踏まえて(有識者議員提出資料)
今回の中長期試算では、年央試算で示される民需主導の堅調な成長の下、2025年度のPBは 黒字化する姿となった。また、骨太方針2024を踏まえ、財政の持続可能性のきめ細かい検証の観点から、「成長移行ケース」の追加や過去の試算の検証等の拡充が図られた。こうした試算を踏ま え、経済再生と財政健全化の両立に向けて、以下提言する。
○2025年度PB黒字化に向けて
→ 経済あっての財政の考え方の下、官民連携による投資の促進等を通じた社会課題解決をエンジンとする経済成長を確実なものとしながら、財政健全化の取組を継続し、2025年度のPB黒字化を目指した経済財政運営を行うべき。秋に策定を目指すとされている経済対策については、執行が翌年度にずれ込む財政措置は、2025年度のPBを悪化させることも踏まえ、以下に取り組むべき。⇒・新たなステージへの移行を確実にするための機動的な政策対応は重要であり、財政健全化と 矛盾するものではないが、真に必要なものに集約していくべき。 ・ 近年多額の不用が発生していることも踏まえ、その理由を検証するとともに、適切な執行見込 みがないままに規模ありきで予算を計上することなく、着実な執行を見据えた効果的・効率的 な政策を計上すべき。また、税収については、予算編成時点では想定しがたい要因等もあって、決算時点での上振れが近年発生しており、経済情勢等を踏まえた適切な見積もりに引き 続き努めていくべき。
○金利ある世界での経済財政運営→ 今後は、金利上昇が債務に与える影響や、国債発行が市場金利に与える影響等について、これまで以上に注意を払っていく必要がある。⇒金利上昇下で債務の持続可能性を確保するためにも経済成長が重要。骨太方針の取組を着実に実施し、DXや人材の流動化等による生産性の向上や投資・労働参加の拡大を図り、中長期的に実質1%を上回る成長、さらにそれよりも高い成長を目指すべき。 ・ 金融政策や国債管理政策に関しマーケットと緊密に対話するとともに、金融資本市場への影 響(イールドカーブの変化を含む)及びその実体経済への影響に十分留意すべき。
○中長期試算の充実・活用→中長期試算については、今回では過去の検証など、これまで経済財政の予測・分析を充実させ てきた。これらを継続するとともに、4月に新たに作成した長期推計も併せて、経済社会情勢に応 じて、不断の見直しを行うべき。⇒・済成長については、成長移行ケース、更には高成長実現ケースを目指す一方で、財政の持続可能性を検証する際には、成長移行ケース1 との関係で評価を行っていくべき。 ・生産性の向上に資する投資への重点化を図りつつ、投資率(民間設備投資対GDP比)を上 昇させ、骨太方針で目指す企業部門の投資超過への転換につなげるべき。そのため、官民 連携の下で民間の予見可能性を高める中長期の計画的な投資を推進すべき。その際、国土 強靱化や科学技術等の閣議決定された中長期計画を中長期試算に織り込むことを検討すべ き。


◎資料4 令和7年度予算の全体像(案)
1.当面のマクロ経済運営
→ 日本経済は成長型の新たな経済ステージに移行する千載一遇のチャンスを迎えており、移行できるかどうかに日本経済の将来が掛かっている。必ずや、デフレから完全に脱却し、賃上げと投資がけん引する成長型の経済を作り出す、という強い覚悟をもってマクロ経済運営にあたる。 実質消費は4四半期連続で減少。円安・物価高による家計の購買力への影響は看過できず、 家計が防衛的な行動に迫られないようにする必要がある。政府・日銀は最近の円安の動きを十分注視した政策運営を行うことが重要。当面のマクロ経済運営の最大のポイントである消費の回復に向けた所得・賃金の拡大、依然として強い企業の設備投資計画を実行に移すための後押しに より、年央試算で示された民需主導の経済成長を実現させる。
(物価高の抑制と所得・賃金の拡大)↓
・日本銀行において2%の物価安定目標の持続的・安定的な実現に取り組んだ上で、政府が 掲げる「今年の物価上昇を上回る所得増、来年以降の物価上昇を上回る賃上げの定着」を 確実に実現させることが重要。政府は、物価高の影響を強く受ける低所得者、中小企業など に焦点をあてた時限的な支援(電気、ガス、ガソリン等の物価抑制、低所得者への給付、地域の実情 に応じた支援等)を講じつつ、賃上げ・可処分所得増に向けた政策を総動員する。
例えば、
−最低賃金について、過去最高の50円の目安額が示された本年の引上げや、政府目標(全 国加重平均1,500円)の早期達成に向けて、生産性向上等の環境整備
−年収の壁・支援強化パッケージが現場で十分に活用されるよう、取組を強化・工夫 −中小企業への適正な価格転嫁、公共調達における賃上げへの配慮 −医療・介護、建設、物流等の分野別の賃上げ取組のフォローアップ強化 (投資拡大、競争力強化)
・資材価格の高騰や人手不足等が投資の抑制要因となっている中で、企業の設備投資計画 の実現に向け、投資促進策と規制・制度改革をパッケージとして、骨太方針2024に盛り込んだ取組を加速することで、競争力を強化し、生産性を向上させる。
例えば、
人手不足に対応した省力化投資などの拡大、全世代型リ・スキリングの推進  
−新技術の社会実装の加速、半導体等の経済安全保障に関する投資拡大
−エネルギー安全保障・安定供給と脱炭素を一体的に推進する中で、革新的エネルギーの 技術開発とエネルギー産業の競争力の強化
−2030年までに対日直接投資残高100兆円という目標の早期実現
・こうした取組に当たり、投資促進に向けた既存基金の執行に遅れが生じないよう、成果目標 を踏まえた、円滑かつ着実な執行、フォローアップの強化が求められる。 (金利のある世界における政策運営)
・ 日本銀行は本年3月に大規模な金融緩和の見直しを決定した。今後は長期金利がより自由 な形で形成されるよう、長期国債の買入れを減額する方針を示している。また、政府の国債 管理政策では、国債の発行年限の構成等に係る市場ニーズも踏まえた国債発行計画の策定を検討している。金融政策や国債管理政策に関して、マーケットと緊密に対話するとともに、 金融資本市場への影響(イールドカーブの変化を含む)及びその実体経済への影響に十分留意 する。

2.令和7年度予算編成に向けて→上記に沿って機動的な政策運営を行うとともに、経済・財政新生計画下で最初の予算である令和7年度予算においては、潜在成長率の引上げに軸足を置いた、すなわち乗数効果が高く、社会変革という投資のリターンが得られるような資源配分へと財政の質を変化させていく必要がある。 こうした考え方の下、来年度予算は、中長期の視点を踏まえつつ骨太方針2024に従って編成を進め、効果的・効率的に政策を実行する。その際以下の点に留意する。
(メリハリある予算編成に向けた重点課題)↓
・人への投資、DX、GX、フロンティアの開拓、科学技術・イノベーション等について、官民連 携の下で、民間の予見可能性を高める中長期の計画的な投資を推進し、積極果敢な民間投 資を喚起する。必要な財源の確保・検討も進め、歳出と歳入を多年度でバランスさせる。
・ 2025年度PB黒字化に向けて、これまでの歳出改革努力を継続する。年末に向けて、経済・ 財政新生計画に盛り込まれた主要分野の基本方針について今後3年間(2025〜2027年度)の工程化を図り、着実に制度改革を進めるとともに、その成果を来年度予算に反映させる。
・ 物価上昇率について、今年度の見通しが高まるとともに、来年度も引き続き高い伸びが見込 まれている。政府が掲げる来年以降の物価上昇を上回る賃上げの定着に向けて、各種の物 価高騰対策の動向等を含め経済・物価動向等に配慮し、骨太方針2024に盛り込まれた賃上 げや処遇改善の取組2 が実行できるよう、ワイズスペンディングを徹底の上、予算編成を行う。
(政策の実効性の向上)↓
・上記のメリハリある予算編成を通じて、新たなステージへの移行を必ず実現させるため、経済財政諮問会議は、骨太方針2024の政策の進捗を確認の上、省庁間・政策間の横断的な連携、政策対象のニーズに最適な手法の実践等について審議し、PDCAによるプロセス管理を徹底する。
・国民意識の変革も重要であり、骨太方針2024で示された「豊かさと幸せを実感できる持続可 能な経済社会」に向けた考え方や政策アプローチについて、関係省庁と連携しながら積極的に発信し、国民、民間企業、自治体等の具体的な行動へとつながる効果的な展開を図る。
・ 政府の推進体制を強化するため、重要政策分野における人員配置は中期的な計画の下で 重点化するなど、メリハリある機構・定員管理に取り組む。
(EBPMの強化によるワイズスペンディングの徹底)↓
・経済財政諮問会議は、別紙の多年度にわたる重要政策及び計画について、エビデンスに基 づくロジックモデルの検証やKPIの進捗確認等により必要となる政策対応等に結び付けられるよう、来年度の概算要求と合わせて、担当省庁からエビデンス整備方針の提出を求める。 バツ1 また、EBPMの実効性を高めるため、DXにより生成されるデータを蓄積し 、研究機関・大学 における先進的な分析手法を活用しつつ、関係府省庁と連携して分析・評価体制を構築する。また、成果連動型契約によるワイズスペンディングを含め、EBPMの取組や定量的に把 握された政策効果等の成果について、翌年度以降の予算編成で反映する方策を検討する。
・ さらに、重要政策・計画ごとに収集データや検証方法、実効性あるEBPMの体制等を定める 「EBPMアクションプラン」を本年末に策定する。策定後は、同プランに沿って、重要政策・計 画等の推進、そしてアジャイルな見直しを行い、効果的・効率的に政策を実行する。


◎資料5 令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(案)(鈴木議員提出資料)
○令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について(案)

・予算編成過程における検討事項→ ・要求・要望は賃金や調達価格の上昇を踏まえて行い、予算編成過程において適切に反映。 ・物価高騰対策、賃上げ促進環境整備対応等を含めた重要政策については、必要に応じて、「重要政策推進枠」や事項のみの要求も含め、適切に要求・要望 を行い、予算編成過程において検討。

○「令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について」(令和6年7月●日閣議了解)の骨子(案)
○令和7年度予算の概算要求に当たっての基本的な方針について (案) 令和6年7月〇日閣議了解

次回も続き「配付資料1 経済・財政・社会保障に関する長期推計(内閣府)」からです。

令和6年第11回経済財政諮問会議 [2024年09月09日(Mon)]
令和6年第11回経済財政諮問会議(令和6年7月29日)
議事(1)中長期の経済財政に関する試算 (2)予算の全体像 (3)令和7年度予算の概算要求基準
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2024/0729/agenda.html

◎資料1−1 中長期の経済財政に関する試算(2024 年7月)のポイント(内閣府)
○経済の中長期的な展望↓
【成長移行ケース】 全要素生産性(TFP)上昇率が過去40年平均の1.1%程度まで高まるシナリオ。 2030年代以降も実質1%を安定的に上回る成長が確保(名目成長は中長期的に2%台後半)。
【高成長実現ケース】 TFP上昇率がデフレ状況に入る前の期間の平均1.4%程度まで高まるシナリオ。 中長期的に実質2%程度、名目3%程度の成長。
【過去投影ケース】 TFP上昇率が直近の景気循環の平均並み(0.5%程度)で将来にわたって推移するシナリオ。 中長期的に実質0%台半ば、名目0%台後半の成長。


○財政の中長期的な展望↓
【国・地方のPB対GDP比】
→ • 2023年度決算概要における不用、繰越、税収増等を反映。 • 累次の経済対策にかかる歳出の大宗は2024年度までに執行されるため、2024〜25年度にかけてPBが大幅に改善。 • 民需主導の堅調な成長が続く中、一定の前提(※)の下で、2025年度のPBは黒字化する姿となる。その後、成長移行ケースでは黒字幅が拡大する一方、過去投影ケースでは次第に縮小する。(※)1.「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」(〜2025年度)及び「防衛力整備計画」、「こども未来戦略」は試算に反映している。 2.2024年秋に策定を目指す経済対策は試算に織り込まれていない。 3.2025年度のPB対GDP比には、歳出効率化努力の効果について半分程度(0.7兆円程度)を織り込んでいる(これまでの歳出効率化努力とそれによる 経済への影響を加味した場合のPB改善効果(1.3兆円程度)については、経済財政諮問会議(4月2日)経済財政一体改革推進委員会提出資料参照)。
【国・地方の公債等残高対GDP比】→成長移行ケースではPBが黒字化する中で徐々に低下するが、過去投影ケースでは試算期間後半に上昇に転じる。

○(参考)高成長実現ケースにおける財政の姿→成長移行ケースよりも更に高い成長となる高成長実現ケースでは、PB対GDP比や公債等残高対GDP比が、 成長移行ケースに比べて、更に改善する姿となる。


◎資料1−2 中長期の経済財政に関する試算(2024 年7月)(内閣府)
○本文↓
1.はじめに
→ 本試算は、今後10年間程度の経済財政の展望を提示するものであり、経済再生と財 政健全化の進捗状況の評価や中長期的な経済財政政策の検討のための基礎情報として、 その審議を行う経済財政諮問会議に提出するもの。この経済財政の展望は、試 算時点で利用可能なデータや政策方針を反映し、経済・財政・社会保障を一体的に示す「経済財政モデル」を用いて試算を行っている。 我が国経済は、現在、デフレから完全に脱却し、成長型の経済を実現させる千載一遇の歴史的チャンスを迎えている。今回の試算では、こうした経済状況も踏まえ、日 本経済が「成長型の新たな経済ステージ」へと移行していき、実質で1%を安定的に 上回る成長が確保される「成長移行ケース」をシナリオに追加し、財政の持続可能性をきめ細かく検証することとした。また、「成長移行ケース」と対比する観点から、 従来のシナリオである「ベースラインケース」を「過去投影ケース」(ゼロ近傍の成長を過去数値より投影しているケース)、「成長実現ケース」を「高成長実現ケース」(「成長移行ケース」より更に高い成長が実現するケース)に改めた。

2.経済の中長期的な展望→本試算は、各種経済統計の実績値を反映、2025年度までの経済動向については内閣府年央試算等を織り込んで推計。2026年度以降については、G DPや物価動向等の経済の中長期的な展望を比較考量できるよう、TFP(全要素生産性 )上昇率が直近の景気循環の平均並みで将来にわたって推移する想定の「過去投影ケース」とTFP上昇率が過去40年平均程度まで高まる想定の「成長移行ケース」、TFP上昇率がデフレ状況に入る前の期間の平均程度まで高まる想定の「高成長実現ケース」を示している。各シナリオの主要な前提 は以下のとおり。⇒各シナリオの主要な前提 参照。

(1)潜在成長率→我が国の潜在成長率は1980年代に4.2%、1990年代に1.6%となった後、2000年代に 入ってからは1%以下で推移している。今後、少子高齢化の影響により、生産年齢人口の減少が加速していく中で、経済構造の変化やこれまで以上の生産性上昇がなければ、経済成長は低下していくことが見込まれる。 直近の景気循環並みのTFP上昇率(0.5%程度)で推移する過去投影ケースでは、 内生的に計算される資本投入量の潜在成長率への寄与については、小幅ながらプラス となるが、労働投入量については、労働参加は一定程度進むという想定を置いているものの、生産年齢人口の減少が大きく影響し、マイナスの寄与が拡大していく。総じて、潜在成長率は中長期的に0%台半ばにとどまる姿となっている。 これに対し、成長移行ケース及び高成長実現ケースでは、官民連携の下、人への投資、GX、DX、フロンティアの開拓、科学技術・イノベーション等の重点課題における中長期の計画的な投資の推進等により、イノベーションの活性化や生産の効率化 等を通じて、TFP上昇率が今後3年程度を経て1.1%程度(成長移行ケース:過去40 年間のTFP上昇率の平均)、更には1.4%程度(高成長実現ケース:デフレ状況に入る前のTFP上昇率の平均)に到達すると想定。この想定の下、TFP上昇 率の高まりや企業の収益環境の改善によって、設備投資が促進され、内生的に計算される資本投入量の寄与が高まる結果となっている。これは、各種投資促進により、民間の資本形成の増加が期待されることとも整合的な結果となっている。労働投入量に ついては、経済成長に伴って労働需要が高まるとともに、多様な働き方が広がること 等により、女性と高齢者を中心に過去投影ケースよりも労働参加が進むと想定している。それでもなお、人口減少の影響を相殺することはできず、労働投入量の寄与は小 幅のマイナスとなる。総じて、潜在成長率は、中長期的に1%台半ば〜2%程度で推 移する姿となっている。⇒図1:潜在成長率の内訳。

(2)経済成長率、賃金上昇率→ 実質GDP成長率は、2013年度以降、新型コロナウイルス感染症が拡大する前の 2019年度までは、振れを伴いながらも平均0.9%程度で推移した。同感染症が拡大した 2020年度は大幅なマイナス成長(▲3.9%)、2021年度にはその反動でプラス成長(3.0%) となるなど、人為的な経済活動の抑制と緩和の影響を強く受けた後、2022年度は1.7%、 2023年度は1.0%となった。名目GDP成長率については、2013年度以降、実質と同様、 振れを伴いながらも平均1%台で推移した後、2022年度以降、物価上昇の影響を受けて上昇した。2023年度は5.0%と1991年度以来の高い伸びとなった。 内閣府年央試算によれば、2024年度のGDP成長率は、足下では一部自動車メーカ ーの生産・出荷停止等に伴う影響はあるものの、今後は賃上げを始めとする所得の増 加や堅調な設備投資を背景として回復し、実質で0.9%程度、名目で3.0%程度と見込 まれる。2025年度は、実質で1.2%程度、名目で2.8%程度と、引き続き、民間需要主 導の緩やかな成長が見込まれる。 その後、マクロの需給がほぼ均衡する中で、実質GDP成長率は潜在成長率並みで推移する姿となっている(過去投影ケースでは0%台半ば、成長移行ケースでは1% 台半ば、高成長実現ケースでは2%程度)。名目GDP成長率も同様に中長期的な推移 をみると、過去投影ケースでは0%台後半、成長移行ケースでは2%台後半、高成長
実現ケースでは3%程度で推移する姿。 こうした成長率の下、試算最終年度(2033年度)の名目GDPは、過去投影ケース では680兆円程度、成長移行ケースでは790兆円程度、高成長実現ケースでは810兆円程 度に達する姿となっている。⇒図2:実質GDP成長率
図3:名目GDP成長率   参照。
また、今後人口減少が本格化していくことを踏まえると、マクロ(一国全体)の経 済成長に加えて、国民の生活水準や生産性といった観点から、1人当たり成長の姿を みていくことも重要。1人当たり実質GDP成長率は、人口減少の影響を受け、 マクロでみた実質GDP成長率よりも高くなり、過去投影ケースでは1%程度、成長 移行ケースでは2%程度、高成長実現ケースでは2%強で推移する姿となっている。⇒図4:1人当たり実質GDP成長率
次に、成長に応じた賃金の上昇が達成されているかといった分配面を確認するため、 賃金上昇率は、2013年度以降、女性や高齢者の労働参加が進む中 で非正規雇用者比率が上昇したことから下押しされてきたが、近年、労働需給のタイト化等の押上げ要因もあり、2013〜2022年度の10年間で平均0.6%程度で推移。2024年度には、33年ぶりの高水準となった春季労使交渉の賃上げ率を受け、 2.8%程度の上昇が見込まれ、2025年度には2.8%程度と見込まれる。 その後、過去投影ケースでは、労働生産性や物価の上昇率が小幅なものにとどまり、 中長期的に1%程度で推移する姿となっている。成長移行ケース及び高成長実現ケー スでは、過去投影ケースよりも資本形成が進み、労働生産性が高まるほか、相対的に 高い成長率の下、需要の増大等に伴い物価が上昇していくことから、これが賃金の上 昇に反映され、中長期的に3%程度で推移する姿となっている。 なお、賃金上昇率から、後述する消費者物価上昇率を差し引いた実質的な賃金上昇 については、過去投影ケースでは中長期的に0%程度、成長移行ケース及び高成長実 現ケースは賃金上昇率が物価上昇率を大きく上回ることから1%程度となる。⇒図5:賃金上昇率
(3)消費者物価、長期金利→ 成長移行ケース及び高成長実現ケースでは、消費者物価上昇率は、潜在成長率が高 まる中で、2026年度以降も安定的な賃金上昇が見込まれ、中長期的に2%程度で推移 する姿となっている。また、名目長期金利は、経済成長に伴って中長期的に3%台ま で上昇する姿となっている。
⇒図6:消費者物価上昇率  図7:名目長期金利

3.財政の中長期的な展望→財政については、2024年度予算等を反映した上で、経済シナリオと整合的な姿を示している。本節では、財政の持続可能性に注目する観点から、過去投影ケースと成長移行ケースに関して記述を行う。歳出については、多年度の計画により具体的な規模 が想定されている防衛力強化や国土強靱化等を織り込みつつ、社会保障歳出は高齢化要因や物価・賃金上昇率等を反映して増加し、それ以外の一般歳出は物価上昇率並 みに増加すると想定。歳入については、税収等はマクロ経済の姿と整合的な 形で推移すると想定している。
(1)国・地方の基礎的財政収支及び財政収支 →2025年度は0.1%程度と黒字化する姿となる。 その後、一部の歳出想定がはく落することもあり、過去投影ケースでは、2026年度 に0.5%程度の黒字が続く後、緩やかに低下していく姿となる。これは、名目GDP成 長率並みに伸びていく歳入の増加が、高齢化や物価・賃金要因等で伸びていく歳出の 増加を下回るためで、国・地方の財政収支対GDP比については、金利上 昇を受けて利払費が徐々に増加し、試算期間内を通じて赤字が続く姿となる。
成長移行ケースでは、国・地方のPB対GDP比は2026年度以降、試算期間内にお いて黒字幅が拡大する姿となっている。これは、名目GDP成長率並みに伸びていく 歳入の増加が、高齢化や物価・賃金要因等で伸びていく歳出の増加を上回るためである。なお、国・地方の財政収支対GDP比は、金利上昇を受けて利払費が拡大し、2026 年度以降、試算期間内においてゼロ近傍で推移する姿となる。⇒図8:国・地方のPB対GDP比

(2)国・地方の公債等残高 →国・地方の公債等残高対GDP比は、当面は、名目GDPの拡大等により、2023年度は204.6%程度、2024年度は202.5% 程度、2025年度は198.3%程度と低下に転じることが見込まれる。 その後、過去投影ケースでは、分母となる名目GDPの伸びが小幅にとどまる中で、 国・地方のPB悪化等の影響を受けて、分子となる国・地方の公債等残高の増加から、試算期間後半に上昇に転じる姿となっている。 成長移行ケースでは、分母となる名目GDPが拡大するとともに、国・地方のPB が改善していく中、分子となる国・地方の公債等残高の増加幅が抑制されることで、 試算期間内で安定的に低下する姿となっている。 なお、長期金利の上昇に伴い、低金利で発行した既発債についてより高い金利によ る借換えが進むことに留意が必要。⇒図9:国・地方の公債等残高対GDP比

4.リスク・不確実性→これまで述べてきた中長期の経済財政の姿には、種々のリスク・不確実性が伴う。 短期的には、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継 続に伴う影響など、海外景気の下振れが我が国経済を下押しするリスクとなっている。 また、物価上昇、中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある。さらに、中長期の時間軸を見据えると、例えば、以下(@)〜(B) のようなリスク・不確実性が含まれる。 リスク・不確実性のうち、外的なインパクトが我が国の経済と財政に及ぼす経路や 定量的な影響を把握するため、成長率の低下及び長期金利の上昇が生じた場合等の影響について、機械的な試算による感応度分析を実施した。なお、本感応度分析は、機 械的な設定値を置いて実施したものであり、具体的なシナリオや特定の政策変更を念 頭に置いたものではない。
(@)中長期的な経済成長の変化→IMF「世界経済見通し」(2024年4月)では、今後の世界経済の成長について、地域紛争による商品価格の上昇、物価高騰の継続と金融市場の不安定化、中国の回復不調、急激な財政引締め、政府の信頼性低下による改革モメンタムの減退、地経学的分断の増大等による下振れリスクが挙げられている。こうした世界経済の下振れは、輸出の減少等を通じて生産と企業業績を下押しするが、この影響が長期化した場合には、 投資の低迷等を通じ、我が国の中長期的な経済成長にマイナスの影響を与える。 国内経済においては、足下で見られているように、賃上げの動きや高い投資意欲が 継続する場合など、中長期の成長パスを上振れさせる要因もみられる一方で、経済の 変動が大きくなるほか、少子化や労働参加意欲の低下などにより中長期の期待成長率 が低下する場合など、下振れさせる要因も考えられる。 以下では、潜在成長率が低下した場合の影響について、機械的な試算による感応度分析を実施した。ここではTFP上昇率について、過去投影ケース対比で継続的に 0.5%pt程度引き下がったと設定。結果、資本投入量の減少も加わり、潜在成長率 は試算期間の最終年度(2033年度)で0.8%pt程度低下する。この成長率低下による歳 入減から、試算期間の最終年度において、国・地方のPB対GDP比は0.8%pt程度悪 化し、国・地方の公債等残高対GDP比は8.3%pt程度上昇する。⇒図10:潜在成長率が低下した場合
(A)金利の上昇→2021年末以降、欧米による金融引締めが行われ、海外の金利が上昇する下で、我が国の金利に上昇圧力がかかる局面もみられた。名目長期金利は、2023年10月末に1% 近くまで一時上昇した後、0.7%程度で推移したが、2024年3月の日本銀行の政策変更以降上昇基調となり、6月平均で1%程度となった。 長期金利の上昇は、様々な経路を通じた経済財政への影響が考えられるが、例えば、投資抑制等を通じて実体経済にマイナスの影響を及ぼすことや、名目GDP成長率に比して名目長期金利が上振れる場合には、財政収支の悪化や公債等残高対GDP 比の高まりを招くなど財政の健全性に悪影響を与えること等が考えられる。 以下では、長期金利が上昇した場合の影響について、機械的な試算による感応度分 析を実施した。具体的には、長期金利が各ケース対比で継続的に0.5%pt程度上振れた と設定した。新発債・借換債の金利上昇により利払費が増加するため、両ケースにおいて国・地方の公債等残高対GDP比は試算期間の最終年度で2.8%pt程度上昇する。⇒図11:名目長期金利が上昇した場合

(B)景気変動等への対応→様々な経済の下振れ要因となるショックが発生した場合、発生した危機に対処するための追加的な財政支出が行われることが多い。国・地方の公債等残高対GDP比は、 過去20年の間(2002〜2022年度)に100%pt程度上昇したが、特にリーマンショックと 新型コロナウイルス感染症への対応を行った期間で40%pt程度上昇した。 経済ショックに対し財政による調整機能が働き、早期に経済が安定することは望ま しいが、これまでリーマンショック、同感染症ほどの大きなショックではない場合にも、時々の経済情勢等に対する機動的な対応として、補正予算が編成されてきた。過去の国の一般会計における基礎的財政収支対象経費をみると、当初予算から決算にかけて上振れる傾向にあり、2013〜2019年度の平均で3兆円程度、決算の方が大きい結果となっている。 一般会計における補正予算は、財政法上、特に緊要となった場合に編成されるものであり、本試算では、そうした現時点で具体的に想定されない支出は織り込まない姿を示している。政府は、緊急時の財政支出を必要以上に長期化・恒常化させないよう に取り組むこととしているが、それとともに、経済の安定的成長に高い効果をもたらすようワイズスペンディングを実現していくことが必要。 以下では、政府支出が本試算で想定するよりも増加した場合の影響について、機械 的な試算による感応度分析を実施した。具体的には、政府支出が各ケース対比で毎年 名目GDPの0.5%程度増加するものと設定した。これにより両ケースともにPBは 下振れ、過去投影ケースでは赤字となっていく。
⇒図12:政府支出が増加した場合
上記(@)〜(B)に加え、賃金交渉が賃金動向に与える影響、価格転嫁の状況が 物価・賃金に与える影響、税収のトレンドの変化や決算等を受けた財政収支の変動など、種々の不確実性が伴うため、試算結果については、相当な幅をもって理解される必要がある。 中長期の経済財政政策の検討においては、こうしたリスク・不確実性について留意 して議論がなされることが重要であり、これらの議論に貢献するため、中長期的な経 済財政の展望では、リスク・不確実性にかかる影響を示すことが有用である。

○計数票
1.主要計数表→「過去投影ケース」「成長移行ケース」「高成長実現ケース」
2.財政の詳細計数表→「過去投影ケース」「成長移行ケース」

○付録
(付録1)詳細な前提→(1)〜(7)参照。
(付録2)前回試算との比較→潜在成長率、実質GDP成長率など。
(付録3)民間予測との比較→実質GDP成長率では、2026 年度以降、過去投影ケースは総平均と同程度かそれをやや下回る姿、成長移行ケース、 高成長実現ケースは高位平均を上回る姿。 また、消費者物価上昇率では、2026 年度以降、過去投影ケースは低位平均と同程度の姿、成長 移行ケース、高成長実現ケースは高位平均と同程度の姿。
(付録4)成長と分配の好循環→成 長移行ケース、高成長実現ケースでは3%程度とアメリカやドイツ等の過去実績と遜色ない姿となる。

次回も続き「資料2 参考資料(中長期の経済財政に関する試算を踏まえて)(内閣府)」からです。

科学技術部会(第7回) [2024年09月07日(Sat)]
科学技術部会(第7回)(令和6年7月24日)
【議題】1.令和7年度AMED研究事業実施方針(案) 2.令和5年度こども家庭科学研究の成果の評価(案)及び令和7年度こども家庭科学研究に関する評価(概算要求前の評価)(案)について
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kagaku_gijutsu/2982967e
◎資料2‐1 こども家庭科学研究の実施状況及び成果のまとめ(令和5年度)
T.実施状況 ↓

1.こども家庭科学研究費の概要→1)研究費の目的 2)研究の課題設定と公募
3)各研究課題の研究費
2.申請課題の評価 →1)公募課題の決定 2)研究課題の評価 3)評価の観点
3.その他の取組事項→ 1)倫理指針等の遵守、利益相反の管理 2)研究課題の申請者
への評価結果の通知 3)若手研究者への配慮 4)間接経費の計上 
5)大学院博士課程学生への支援
4.申請と採択の状況
5.公表に関する取組 →1)研究事業に関連する情報の公表 2)研究成果の公表(:https://mhlw-grants.niph.go.jp/)

U.成果の概要 令和5年度 成果の概要↓
1.研究事業の基本情報
2.研究事業の予算、課題採択の状況
3.研究事業の目的
4.研究成果及び政策等への活用状況
(1)概要
@ 目的とする成果が十分に得られた事例
A 目的とする成果が不十分であった事例/目的とする成果が得られなかった事例
(2)論文数などの業績(令和5年度終了課題について)
5.研究成果の評価
6.改善すべき点及び今後の課題→研究事業は概ね順調に進行している。引き続き、全てのこどもの健やかな発 達・成長、及び Well-being の向上に向けて、妊娠前から、妊娠・出産、新生児 期、乳幼児期、学童期、思春期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連 の成長過程において、良質かつ適切な保健、医療、福祉等を提供するための調査 及び研究を実施し、こども基本法や こども政策の新たな推進体制に関する基本方 針で示された基本理念を推進することが課題である。


◎資料2‐2 こども家庭科学研究の成果に関する評価(令和5年度報告書)(案)
1.はじめに
→こども家庭科学研究は、「こども家庭科学研究の振興を促し、もって、こども、 こどものある家庭及び妊産婦その他母性に関する保健医療、福祉、生活衛生等に関し、行政施策の科学的な推進を確保し、技術水準の向上を図ること」を目的とし、実施されている。 研究の評価に関しては、「国の研究開発評価に関する大綱的指針」(平成 28 年 12 月 21 日内閣総理大臣決定)において、研究開発を実施又は推進する各府 省庁で、その特性や研究開発の性格に応じて、大綱的指針に沿った評価を実施 することが求められており、こども家庭庁では、「こども家庭庁の科学研究開発 評価に関する指針」(令和5年6月2日)を策定し、研究開発評価の効果的な実 施に努めることとしている。 本評価は、「こども家庭庁の科学研究開発評価に関する指針」に基づき、こど も家庭庁の所掌事務に関する科学技術研究に関する調査審議することとされて いるこども家庭審議会科学技術部会において、令和5年度のこども家庭科学研 究の成果の評価を行うものである。

2.評価目的→≪参考1≫≪参考2≫参照。
3.評価方法→1)評価の対象と実施方法 2)成果の記述的評価 
3)成果の定量的評価(終了課題)4)評価作業の手順
4.評価結果
1)成果の記述的評価
令和5年度 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「成果に関する評価」(371,000 千円)
→1.研究事業の概要 2.研究事業の成果 3.成果の評価 4.改善すべき点及
び今後の課題 5.総合評価
2)成果の定量的評価(終了課題)
5.総括→令和5年度の成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業について、評価を行った。 こども家庭庁をはじめとする行政施策の目標と整合性をもつ研究課題が設定され、評価委員会による外部評価として事前評価・中間評価・事後評価が行われる体制の下、学術的な成果や施策への貢献が認められた。 上記より、必要性(行政的意義、専門的・学術的意義及び目的の妥当性 等)、効率性(計画・実施体制の妥当性等)及び有効性(目標の達成度、新 しい知の創出への貢献、社会・経済への貢献及び人材の養成等の観点等)等 はいずれも十分であると判断できる。 今後、積極的に取り組むべき事項を着実に推進しながら、一層優れた研究 開発成果を国民、社会へ還元することが期待される。


◎資料2‐3 令和7年度こども家庭科学研究に関する評価【概算要求前の評価】(案)
1.目的
→こども家庭庁が実施する研究事業について、予算の概算要求に先立ち、行政施策との連携を保 ちながら、研究開発の一層効果的な実施を図り、優れた研究開発成果を国民、社会へ還元するこ とを目的とし、こども家庭審議会科学技術部会において概算要求前の評価を行うものである。
2.評価方法→(1)〜(4)まで。
3.研究事業の評価
研究事業名  成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
主管部局・課室名  こども家庭庁成育局母子保健課 庁内関係部局・課室名 成育局成育基盤企画課、支援局虐待防止対策課、支援局家庭福祉課、 支援局障害児支援課
当初予算額(千円) 令和4年度(318,545) 令和5年度(371,000) 令和6年度(371,000)
T 実施方針の骨子
1 研究事業の概要 ↓

(1)研究事業の目的・目標 →【背景】【事業目標】【研究のスコープ】【期待されるアウトプット】【期待されるアウトカム】
(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組 ↓
【課題名】成育基本法を地域格差なく継続的に社会実装するための研究(令和5年度終了)
【概要】【成果の活用】 参照。
【課題名】身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための社会実装化研究(令和5年度終了) 【概要】【成果の活用】 参照。
【課題名】乳幼児の発育・発達、栄養状態の簡易な評価手法の検討に関する研究(令和 5年度終了)  【概要】【成果の活用】 参照。

2 令和7年度に推進する研究課題
 (1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案)

 【課題名】身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究
【課題名】先天性代謝異常等検査の体制整備のための研究
【課題名】科学的根拠に基づく身体的・心理的な産後のケアの効果的な実施を推進する ための研究
【課題名】母子保健情報のデジタル化とデータの利活用を推進するための研究

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案)
 【課題名】保育所等における感染症対策の推進のための研究
【課題名】知的障害・発達障害児の強度行動障害の予防や出現時の早期対応の支援の促
進に関する研究
【課題名】母子を取り巻く環境の変化等を踏まえた授乳・離乳の支援に関する研究
【課題名】こども家庭センター(母子保健機能)が母子保健事業を行う際に活用できる
資材等を充実するための研究

U 参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアッ
プ、 成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係
2 他の研究事業(AMED 研究、他省庁研究事業)との関係
V 研究事業の評価
(1)必要性の 観点から
(2)効率性の 観点から
(3)有効性の 観点から
(4)総合評価

4.研究事業全体の評価→こども家庭科学研究においては、各種政策立案、基準策定等のための基礎資料や科学的根拠を 得るための調査研究及び各種政策の推進、評価に関する研究を推進するとともに他の研究事業 とも連携しており、引き続き推進する必要がある。 また、政策課題に関連して資源を効果的・効率的に活用する必要があるため、評価委員会にお ける研究者への指摘事項のフィードバックや進捗確認、漫然と従前の研究班を採択しないなど の取組を継続するとともに、現在の政策課題に対する取組において、何が不足しており、課題解 決のためには何を重点的にしなければならないのか、引き続き、推進すべき研究課題の具体的な 設定がなされる必要がある。 これらを踏まえると、研究事業全体の評価としては、各研究事業の推進すべき研究として具体 的に設定された内容が、こども家庭庁としての方向性に照らし、現在不足している取組を明らか にした上で課題を特定し、現在の取組の拡充又は新たな取組の開始として提案されており、また、 それによって期待される成果も可能な限り具体的に設定されていることから、概ね適当である。


◎参考資料1 こども家庭審議会科学技術部会 委員名簿 →17名。
◎参考資料2 令和7年度研究費に関するスケジュール(令和6年7月24日)→こども家庭科学研究、AMED研究の審議に当たっては、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会と連携を図っていく。

◎参考資料3 令和5年度こども家庭科学研究費補助金 採択課題一覧 →1〜31まで。
◎参考資料4 令和5年度終了課題の成果一覧→1〜4まで。  参照。

次回は新たに「令和6年第11回経済財政諮問会議」からです。

科学技術部会(第7回) [2024年09月06日(Fri)]
科学技術部会(第7回)(令和6年7月24日)
【議題】1.令和7年度AMED研究事業実施方針(案) 2.令和5年度こども家庭科学研究の成果の評価(案)及び令和7年度こども家庭科学研究に関する評価(概算要求前の評価)(案)について
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kagaku_gijutsu/2982967e
◎資料1‐1 令和7年度研究事業実施方針(案)【AMED研究】
こども家庭審議会 科学技術部会 令和6年7月 24 日
○プロジェクト名:医薬品プロジェクト、ゲノム・データ基盤プロジェクト
研究事業名:成育疾患克服等総合研究事業
主管部局・課室名:こども家庭庁成育局母子保健課
AMED担当部・課名:創薬事業部医薬品研究開発課、ゲノム・データ基盤事業部医療技術 研究開発課
当初予算額(千円):令和4年度(480,196) 令和5年度(576,235) 令和6年度(576,235)


○T 実施方針の骨子
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標
【背景】
→平成 30 年 12 月に、「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(成育基本法)が成立し、成育基本法に基づく「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」(成育医療等基本方針)(令和5年3月 22 日閣議決定)では、社会的要因が子どもの健康に及ぼす影響も含め、妊娠・出産・育児に関する問題や成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題に対する調査研究を通じて、成育医療等の状況、施策の実施状況やその根拠となるエビデンス、科学的知見等を収集し、その結果を公表・情報発信することにより、政策的対応に向けた検討を行うこととされている。
さらに、令和5年4月1日に施行された「こども基本法」では、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進することとされている。 以上のような各種政策を推進するにあたり、本研究事業は、各種政策に関係する医療分野の技術開発に関する研究を担うことが求められている。
【事業目標】→受精・妊娠から胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、性成熟期、生殖期それぞれのライフステージと、次の世代を創出し育成する一連のサイクルである「成育サイク ル」の観点から、健康課題克服に向け、病態の解明と予防および治療のための研究開発と その実用化を推進する。
【研究のスコープ】↓
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期等の臨床研究開発等の推進
→妊娠・分娩・産褥までの健康リスクや疾患は、適切なモニタリングに基づく管理と早期の介入により、将来的な母子の疾病負荷の軽減につながり、また、小児期の中でも特に早期に発症する疾患の中には、早期の介入が病気の発症を防ぎ、こどもの生涯にわたる生活の質の向上が期待できるものも多い。また、小児疾患の成人期にかけた管理も重要である。 本事業においては、周産期や小児に特有の健康リスクや疾患に対して予防・早期診断や 治療に資する研究開発を推進。具体的には、採算等の課題から企業主導で進みづらい 医薬品の開発や臨床研究等の支援や、モニタリング機器や診断薬・診断キット、スクリーニング技術等、治療・予防可能な疾患に対する診断技術の開発を行う。
A 乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・ 早期介入に向けた評価・診断法の開発→身体的・心理的・社会的な観点 における健康課題への対応は、具体的には、困難な状況へ対応する能力を指すレジリエンスの強化、日常におけるストレス評価、発達障害の早期発見、運動・栄養・睡眠や ゲーム使用等も含む生活習慣への介入、事故予防等、多岐にわたる事項が想定される。これらの健康課題の予防や支援のため、早期介入ポイントの明確化に寄与する評価・診断法 の技術開発を推進する。
B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発→近年、不妊症に悩むカップルは多く、本邦の生殖補助医療(ART)出生児数は令和元年度には 6.1 万人。令和4年度には不妊治療が保険適用された。本事業では、 このような状況で求められる不妊症・不育症のメカニズムの全容の解明及び質の高い生殖 補助医療の開発を目指す。生殖を人工的に行う特殊な医療行為である生殖補助医療について、安全性を維持しながら有効性を改善するためのエビデンスを創出し、不妊治療の検査・治療法の確立および不育症に関する診断・治療法の開発を行う。
C ライフコースデータに基づくエビデンス創出→多くの疾患や健康課題は、時間経過によって次第に表面化してくるという視点から、ライフステージごとや実施主体ごとに蓄積される健康関連データを連携し、胎児期から乳幼 児期の環境と母児の予後に関する研究や生殖補助医療を含む周産期医療と児の成長発達 に関する研究等、発展的な新規課題の抽出と科学的エビデンスの創出を行う。

【期待されるアウトプット】→成育疾患におけるゲノム情報や研究開発に必要なバイオリソースの収集・提供基盤と連携し、ライフステージを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、診断、治療等に資する研究開発を推進するために必要なデータ収集およびエビデンス創出に向けた研究を重点的に取り組む。 ↓
<ゲノム・データ基盤 PJ>→ ・研究成果の科学誌(IF5以上)への論文掲載件数 84 件。 ・研究成果の科学誌(IF5未満等の他の科学誌)への論文掲載状況(管理指標)。

【期待されるアウトカム】→周産期臨床研究やデータベースの連携を基盤とした妊娠、出産、育児に関する問題、成育過程の各段階において生ずる身体的・心理的・社会的健康に関する問題等に関する研究開発を網羅的に推進することによって、エビデンスの蓄積、新たな予防・診断・治療方法の開発が進展し、成育過程にある者等の QOL の改善につながる。 <医薬品 PJ>・研究成果を活用した臨床試験・治験への移行状況(管理指標)
<ゲノム・データ基盤 PJ> ・臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数 1件

(2)これまでの主な研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進
【課題名】症候性先天性サイトメガロウイルス感染症を対象としたバルガンシクロビル治療の開発研究(令和元〜5年度)

【概要】症候性先天性サイトメガロウイルス感染症は、聴覚障害、発達遅延等の重い後遺
症を残す可能性がある先天性感染症であるが、国内外で適応を持つ治療薬は無かった。本
課題ではバルガンシクロビルの有効性及び安全性を検証する医師主導治験を実施し、良好
な成績を得た。
【成果の活用】治験成績に基づき PMDA へ承認申請を行い、バルガンシクロビルの症候性 先天性サイトメガロウイルス感染症への適応拡大承認を得た。今後、発見された症候性先 天性サイトメガロウイルス感染症児へバルガンシクロビルが適正使用されることにより、 後遺症が予防されて疾病負荷が軽減し、児と介護する家族の QOL の改善に繋がる。

【課題名】新生児マススクリーニング対象拡充のための疾患選定基準の確立(令和2〜4 年度)
【概要】近年、関係学会等から新生児マススクリーニングの対象疾患追加の必要性が指摘 されている。本課題では対象疾患を選定する基準について検討を行い、米国の対象疾患 (RUSP)選定用スコアリング法を、システマティックレビュー及び階層分析法「一対比較」 を用いて日本の実状に適するよう改善し、「日本版 RUSP スコア」を開発した。
【成果の活用】今後、こども家庭庁において、新生児マススクリーニングの対象疾患につ いて議論を行う際に、客観的な評価を行う観点から、「日本版 RUSP スコア」が活用される ことが想定される。新生児マススクリーニングが充実することで、治療可能な重症疾患の 早期の診断・治療につながり、生涯にわたって症状等の発生を予防できることが期待され る。

A 乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・ 早期介入に向けた評価・診断法の開発
【課題名】ICT と医療・健康・生活情報を活用した「次世代型子ども医療支援システム」 の構築に関する研究(令和3〜5年度)

【概要】思春期メンタルヘルス疾患の早期発見・早期介入を目的として、医療・健康・生 活情報とセルフモニタリングアプリ、アラートシステムを活用した「次世代型子ども医療 支援システム」を開発した。
【成果の活用】当システムに搭載されている、入力内容から対象者の希死念慮リスク危険 アラートを管理者に自動通達するシステムを活用することで、希死念慮を抱く生徒を早期 に発見し、医療機関で適切な支援に結びつけることが可能となる。これにより学童期・思春期における心身の健康や疾病予防に貢献することが期待される。

B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発
【課題名】卵子活性化・タイムラプス・ERA の有効性・安全性検証による生殖補助医療の エビデンス創出(令和3〜5年度)

【概要】生殖補助医療の検査・治療のなかで、卵子活性化、タイムラプス、ERA(Endometrial Receptivity Analysis)の 3 つの有効性・安全性を検証した。卵子活性化については臨床妊娠率と出生率が高く、流産率、早産率、胎児の先天形態異常率に差がな かったことから有効性・安全性が示唆された。先進医療であるタイムラプスについては、 治療における有効性が後方視的コホート研究、前方視的コホート研究より示された。
【成果の活用】有効性の示された生殖補助医療が保険収載されることで、有効性・安全性 の高い生殖補助医療の提供が可能となり、不妊症など身体的な要因をもつ夫婦等に対する 助けとなり、希望する誰もがこどもを持てる社会の実現に寄与することが期待される。

Cライフコースデータに基づくエビデンス創出
【課題名】出生コホート連携に基づく胎児期から乳幼児期の環境と母児の予後との関連に 関する研究(令和元〜5年度)

【概要】全国出生コホートコンソーシアムを立ち上げ、日本の主立った出生コホートの連 携基盤を構築した。連携基盤を元にメタ解析を行い、不妊治療や喫煙等と妊娠高血圧(HDP) との関連を明らかにした。メタ解析結果に基づき、各医療機関でリスク予測のために利用 可能な、HDP 発症予測アプリを開発した。
【成果の活用】出生コホートの連携基盤を構築したことで、今後も個別解析やメタ解析を 行い、胎児期から幼少期の環境が慢性疾患等のリスクと関連するエビデンスを創出できる。これにより、ライフステージを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、診断、治療等に関 する研究開発及び社会実装を推進することが期待できる。全国出生コホートコンソーシア ムは公開されており(https://www.ncchd.go.jp/center/activity/jbicc/)、新たなコホ ートの参加を求めているほか、ゲノム情報の充実による全国出生ゲノムコホートとして拡 大することが、今後の発展として考えられる。

2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進
【課題名】周産期臨床研究コンソーシアムを中心とする周産期・小児期の臨床研究推進の ための多機関共同連携体制基盤の強化

【概要】本邦における妊婦や小児に関する臨床研究は、1 施設あたりの分娩数や小児患者 数が少なく、施設単位での臨床研究には限りがあること、利益やリスクの問題から民間企 業が参入しにくいこと等から、諸外国と比べて多くのエビデンスを創出しているとは言い 難い状況にある。本課題では周産期・小児臨床研究コンソーシアムが持つ ARO 機能を基盤 として、新たな教育コンテンツの充実化や国際共同臨床研究基盤の検討を行っている。今 後さらに、周産期・小児期のリンケージデータベースの構築と運用を行えるよう、増額要求し、臨床研究にあたり重要な臨床課題抽出を行えるよう課題を発展させる。
【成果の活用】既存データに基づく臨床課題抽出とデータベース活用人材育成を臨床研究 支援・臨床研究人材育成と合わせて行えるようになることで、日本で周産期・小児期の臨 床研究を行える基盤をさらに強化できる。

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期等の臨床研究開発等の推進
【課題名】周産期・小児期の医薬品開発に係る医師主導治験、特定臨床研究等の研究

【概要】妊婦や小児に関する臨床試験は、利益やリスクの問題から民間企業が参入しにく い状況である。そのため周産期・小児期に特有の疾患に対する医薬品の開発や、妊婦や小児への使用にあたり特段の配慮を要する医薬品の使用法の開発を推進する必要がある。特 に国内未承認の有効成分を含有する医薬品又は国内既承認の医薬品の新たな効能・効果等 での薬事承認を目指した研究を推進する。
【成果の活用】母子の将来の疾病負荷を軽減するための医薬品の開発により、母子感染症、 乳幼児期の障害、学童期・思春期における疾病が早期に治療・予防可能となることが期待される。
【課題名】周産期・新生児・乳幼児期の疾患等に対する臨床研究開発 【概要】周産期・小児期の疾患や、疾患に類する妊婦・新生児・乳幼児の健康リスク(早 産、分娩困難、低出生体重児、発育発達遅延等)は、適切なモニタリングに基づく管理と 早期の介入によって発症・悪化を防ぎ、母子の生涯にわたる生活の質の向上が期待できる ものも多い。また、母子保健を含む医療・健康施策のデジタル化が進む中で、こうした新 たな環境に対応可能な技術開発の重要性も増してきている。本課題では先制医療実現を目 指し、胎児モニタリング技術、分娩管理技術、新生児マススクリーニング法、精密医療に 資する診断技術等の臨床研究を推進する。
【成果の活用】周産期・小児期の疾患等を治療・予防可能とする医薬品以外の技術開発に より、先制医療を実現し、母子の生涯にわたる QOL の向上が期待される。

A 乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な早期介 入に向けた評価・診断法の開発
【課題名】身体的・心理的・社会的な発達に向けた診断・評価技術開発

【概要】学童期・思春期における身体的・心理的・社会的な面での健康や疾病予防に向け、 健康課題を早期に発見し、適切な支援につなげることは、こどもの健やかな発達のために 重要である。学童・思春期は、健康に関する様々な情報に自ら触れ、行動を選択しはじめる、生涯を通じた健康づくりのスタートとなる重要な時期であり、この時期までに科学的 根拠に基づいた健康に関する正しい知識を身に付けること、自身の健康に関心を持つこと が予防につながる可能性がある。本課題では、バイオサイコソーシャルアプローチを要す る学童・思春期の健康課題について、適切な疾病評価やバイオマーカーの開発、負担の少ない早期介入方法や予防的支援手法を開発する研究を推進する。
【成果の活用】学童・思春期に発症する疾病や顕在化する健康課題の早期発見により早期 の療育等に繋げることで、もしくは早期介入法・予防的支援方法を普及することで、こど もの生涯の QOL を改善することが期待される。

B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発
【課題名】生殖補助医療の質向上に資する検査・治療法の研究開発

【概要】本邦の生殖補助医療(ART)出生児数は令和元年度には 6.1 万人となっている。 ART の治療方法は多様であり、また生殖を人工的に行う特殊な医療行為であることから、 安全性を維持・改善することが重要である。また、不妊症、不育症のメカニズムや要因に 関する研究が前進する中、これらを効果的な診断・治療に繋げていく必要がある。本課題では、生殖補助医療技術の有効性・安全性に関するエビデンスを創出し、不妊治療の検査・ 治療法の確立および不育症に関する診断・治療法の開発を行う。
【成果の活用】生殖補助医療および不育症に関する研究開発により、不妊症、不育症のメ カニズムや要因を明らかにし、効果的な診断・治療に繋がる。これらの成果は、不妊症な ど身体的な要因をもつ夫婦等に対する助けとなり、希望する誰もがこどもを持てる社会の 実現に寄与することが期待される。

C ライフコースデータに基づくエビデンス創出
【課題名】周産期・小児期の既存コホートデータを活かしたエビデンス創出

【概要】周産期および小児期のライフステージを通じた疾病・健康課題に関するエビデン スを得るには、親の情報とこどもの情報をいずれも備えた出生コホートのような長期追跡 データが必要となる。観察研究は一般に、無作為化比較試験およびそのメタ・アナリシス といった研究に比してエビデンスレベルが低いなどと言われるが、曝露を操作できない場 合やアウトカム発生までの時間が長期にわたる場合等、観察研究でなければ明らかにでき ないエビデンスは多く、未測定交絡因子への対処のような観察研究の限界に対応可能な解 析法も開発されているところである。本課題は、既存のコホートデータを用いて、長期観 察研究の特長を活かしたエビデンスを創出する。
【成果の活用】周産期領域から始まるライフコースにおける自然歴や問題点、介入ポイン トを把握することができ、周産期・小児期における対策の基礎資料として活用できる。また、エビデンス創出過程で得られる、コホートデータから必要なデータを抽出して解析す るプログラム等のノウハウを共有することで、コホートデータからのさらなるエビデンス 創出を加速することが期待できる。

U 参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、 成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係

【経済財政運営と改革の基本方針 2024 〜賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現 〜(令和6年6月 21 日閣議決定)】→こども未来戦略、こども大綱やこどもまんなか実行計画 2024 に基づき、全てのこども・ 若者が将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができる「こどもまんなか社会」を実現する、とされた。具体的には、プレコンセプションケア、こどもの安全対策、産後ケア 事業、新生児マススクリーニング、新生児聴覚検査、乳幼児健診等の推進や、不妊症や不育症に関する相談支援、流産や死産を経験された方への相談支援、予防のためのこどもの 死亡検証(CDR)、こどもの自殺対策の強化、いじめ防止対策の推進、若年妊婦の支援 等に取り組むとされている。
【健康医療戦略(令和2年3月 27 日閣議決定)】→2040 年の人口動態を見据え、現在及び将来の我が国において社会課題となる疾患分野に係る研究開発を戦略的・体系的に推進する観点から、成育領域等については、具体的な 疾患に関して統合プロジェクトにまたがる研究課題間の連携が常時十分に確保されるよ う運用するとともに、統合プロジェクトとは別に、予算規模や研究開発の状況等を把握・ 検証し、対外的に明らかにするほか、関係府省において事業の検討等の参考にすることとされた。
【こども未来戦略 〜 次元の異なる少子化対策の実現に向けて 〜(令和5年 12 月 22 日閣議決定)】→女性が、妊娠前から妊娠・出産後まで、健康で活躍できるよう、国立成育医療研究セン ターに、「女性の健康」に関するナショナルセンター機能を持たせ、女性の健康や疾患に 特化した研究や、プレコンセプションケアや産後ケア事業を含む成育医療等の提供に関す る研究等を進めるとともに、基礎疾患のある妊産婦や妊娠を希望する女性等に対する妊娠と薬に関する相談支援を進める。また、2022 年度から保険適用された不妊治療について、 推進に向けた課題を整理、検討することとされている。
【こども大綱(令和5年 12 月 22 日閣議決定)】→国立成育医療研究センターに、「女性の健康」に関するナショナルセンター機能を持たせ、女性の健康や疾患に特化した研究やプレコンセプションケアを含む成育医療等に関す る研究、相談支援、人材育成等を進めることとされている。

2 他の研究事業(こども家庭科学研究、AMED内、他省庁研究事業)との関係→・AMED 研究事業である成育疾患克服等総合研究事業においては、特に臨床的な成育疾患の予防方法・治療方法開発についての研究を推進している。一方、こども家庭科学研究費補助金で実施する成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業では成育疾患克服のための体制作りや倫理的な課題など保健・行政的アプローチを主としており、相補的な連携関係にある。 ・AMED が実施する女性の健康の包括的支援実用化研究事業では性成熟期、更年期または 老年期など生涯を通じた女性の健康課題についての病態の解明と予防及び治療開発とその実用化を目的としている。一方、成育疾患克服等総合研究事業においては、受精・妊娠に始まり、胎児期、新生児期、乳児期、学童期、思春期までのライフステージに応じた健康課題克服、また、生殖補助医療・母胎疾患・分娩等に関する病態解明、診断・治療技術 の開発、実用化にフォーカスをおいている。 ・AMED 成育疾患克服等総合研究事業で打ち出された「ライフステージに応じた健康課題 の克服」という構想に基づいて立案された、文科省所掌の革新的先端研究開発事業の新規 研究開発目標「健康・医療の質の向上に向けた早期ライフステージにおける分子生命現象の解明」(早期ライフステージ)が平成 31 年度に設定されることとなった。本戦略目標に 基づき運営される AMED-CREST、PRIME と適切に連携することにより、各事業から創出される成果の最大化を目指すことになった。


◎資料1‐2 令和7年度研究事業実施方針(案)の概要【AMED研究】
≪成育疾患克服等総合研究事業≫
○事業概要(背景・目的)
→「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」(令和5年3月22日閣議 決定)⇒社会的要因が子どもの健康に及ぼす影響も含め、妊娠・出産・育児に関する問題や 成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題に対する調査研究を通じて、成育医療等 の状況、施策の実施状況やその根拠となるエビデンス、科学的知見等を収集し、その結果を公表・情報 発信することにより、政策的対応に向けた検討を行うこととされている。 本事業では、受精・妊娠から胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、性成熟期、生殖期それ ぞれのライフステージと、次の世代を創出し育成する一連のサイクルである「成育サイクル」の観点から 健康課題克服に向け、病態の解明と予防および治療のための研究開発とその実用化を推進する。

○令和7年度概算要求のポイント→令和7年度は、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するため、母児の健康課題や成育疾患 についての問題を、心身における性差も加味し、かつライフステージの軸で多面的な支援を充実する。 @先制医療実現に向けた周産期・小児期等の臨床研究開発の推進 A乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・早期介入に向けた評価・診断法の開発 B不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発 Cライフコースデータに基づくエビデンス創出
○これまでの成果概要等→・先天性症候性サイトメガロウイルス感染症に対するバルガンシクロビルの有効性及び安全性を検証する医師主導治験を実施し、治験成績に基づ きPMDAへ承認申請を行い、バルガンシクロビルの症候性先天性サイトメガロウイルス感染症への適応拡大承認を得た。 ・ 新生児マススクリーニングの対象疾患を選定する基準について検討を行い、米国の対象疾患(RUSP)選定用スコアリング法を、システマティック レビュー及び階層分析法「一対比較」を用いて日本の実状に適するよう改善し、「日本版RUSPスコア」を開発した。
<アウトプット> →・研究成果の科学誌(インパクトファクター5以上)への論文掲載件数 (令和2〜5年度) 93件 ・研究成果の科学誌(インパクトファクター5未満等の他の科学誌)への論文掲載状況 (令和2〜5年度) 234件
<アウトカム>→・研究成果を活用した臨床試験・治験への移行状況 (令和2〜5年度) 0件 ※医師主導治験から薬事承認(医薬品適応拡大)につながったものは1件 ・臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数 (令和2〜5年度) 6件

○具体的な研究内容等→受精・妊娠から胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、性成熟期、生殖期それぞれのライフステージと、次の世代 を創出し育成する一連のサイクルである「成育サイクル」の観点から、健康課題克服に向け、病態の解明と予防および治療のための研究開発とその実用化を推進。⇒1.先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進 2.乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・ 早期介入に向けた評価・診断法の開発 3.不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発 4.ライフコースデータに基づくエビデンス創出。 参照。 

○期待されるアウトプット、アウトカム→期待されるアウトプット⇒・成育疾患におけるゲノム情報や研究開発に必要なバイオリソースの収集・提供基盤と 連携し、ライフステージを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、診断、治療等に資する研究 開発を推進するために必要なデータ収集およびエビデンス創出に向けた研究を重点的 に取り組む。
・期待されるアウトカム⇒ 周産期臨床研究やデータベースの連携を基盤とした妊娠、出産、育児に関する問題、 成育過程の各段階において生ずる身体的・心理的・社会的健康に関する問題等に関す る研究開発を網羅的に推進することによって、エビデンスの蓄積、新たな予防・診断・治療方法の開発が進展し、成育過程にある者等のQOLの改善につながる。

次回も続き「資料2‐1 こども家庭科学研究の実施状況及び成果のまとめ(令和5年度)」からです。

令和6年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回) [2024年09月05日(Thu)]
令和6年度中央最低賃金審議会目安に関する小委員会(第4回)資料(令和6年7月23日)
<議事次第> 令和6年度地域別最低賃金額改定の目安について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41603.html
◎参考資料 No.1 委員からの追加要望資料
○消費者物価指数(「頻繁に購入する品目」)の対前年上昇率の推移(資料出所)総務省「消費者物価指数」
→消費者物価指数は、指数品目を家計調査から得られる1世帯当たり年間購入頻度によって区分し、購入頻度の階級区分別に指数を作成。 購入頻度階級のうち、「頻繁に購入する品目」については、年間購入頻度15.0回以上の品目である。

○消費者物価指数に対する「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による押し下げ効果の推移→ 消費者物価指数「総合」に対する「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による押し下げ効果は、2024年6月では、−0.25となっ ている。2023年2月〜9月は−1.01 〜−0.98 、2023年10月〜2024年5月は−0.49 〜−0.48で推移していた。
⇒消費者物価指数「総合」に対する「電気・ガス価格激変緩和対策事業」による押し下げ効果(寄与度)試算値あり。  参照。


◎参考資料 No.2 足下の経済状況等に関する補足資料(更新部分のみ抜粋)
○消費者物価指数の推移(対前年同月比)
→2024年6月の消費者物価指数の「総合」は+2.8%、「生鮮食品を除く総合」は+2.6%、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は+2.2%、「持家の帰属家賃を除く総合」は+3.3%となっている(いずれも対前年同月比)。 物価の上昇は2023年以降、減少の傾向にあるものの、足下はプラスで推移している。

○消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」の主な項目別寄与度の推移→ 消費者物価指数の「持家の帰属家賃を除く総合」(前年同月比)は、2024年6月に+3.3%となっているが、主な項目別の寄与度をみると、生鮮食品を除く食料やエネルギーの寄与度が大きい。またエネルギーは、2023年2月以降マイナスの寄与度が 大きかったが、2024年2月以降マイナスの寄与度は小さくなり、2024年5月以降はプラスに寄与している。
○消費者物価指数の「基礎的・選択的支出項目別指数」の推移(資料出所)総務省「消費者物価指数」。 (注)1.基礎的支出項目(必需品的なもの)とは、支出弾力性が1.00未満の支出項目であり、食料、家賃、光熱費、保健医療サービスなどが該当。 選択的支出項目(贅沢品的なもの)とは、支出弾力性が1.00以上の支出項目であり、教育費、教養娯楽用耐久財、月謝などが該当。 2.支出弾力性とは、消費支出総額が1%変化する時に各財・サービス(支出項目)が何%変化するかを示した指標。 3.基礎的支出項目・ 選択的支出項目別指数は、持家の帰属家賃を除く総合から作成されている。
→消費者物価指数の「基礎的・選択的支出項目別指数を見ると、「基礎的支出項目」は2021年以降、「選択的支出項目」は 2022年以降上昇を継続している。

○消費者物価指数の「購入頻度階級別指数」の推移→消費者物価指数の「購入頻度階級別指数」 (対前年同月比)を見ると、 2024年6月では、「1か月に1回程度以上の購入」は +4.8%、「1か月に1回程度未満の購入」は+2.8%となっている。

○2023 (R5) 年10月以降の消費者物価指数の対前年上昇率の推移→消費者物価指数の対前年上昇率について、2023年10月以降、全国では2.5%〜3.9%で推移し、2023年10月〜2024年6月平 均の対前年同期の上昇率は3.2%となっている。

○消費者物価指数の推移→2024年6月の消費者物価指数の「総合」は108.2、「生鮮食品を除く総合」は107.8、「生鮮食品及びエネルギーを除く総合」は 106.6、「持家の帰属家賃を除く総合」は109.6となっている。


◎参考資料 No.3 主要統計資料(更新部分のみ抜粋)
1 主要指標の推移
(2) 求人倍率、消費者物価指数、国内企業物価指数、賃金(現金給与総額)指数→令和6年6月⇒消費者物価指数 109.6(前年比0.1)、国内企業物価指数 122.7(前年比 0.2)
6 消費者物価指数の対前年上昇率の推移(全国・ランク別)→令和6年6月全国平均3.3%。
5 消費者物価指数等の推移
(1)消費者物価対前年上昇率の推移

◆中央最低賃金審議会 (目安に関する小委員会)↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127941_00013.html

次回は新たに「科学技術部会(第7回)」からです。