雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書を公表します [2024年09月30日(Mon)]
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雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会報告書を公表します(令和6年8月8日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_42133.html ○ 厚生労働省の「雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会」(座長:佐藤博樹東京大学名誉教授)において、報告書が取りまとめられましたので、公表します。 本検討会では、令和6年2月から11回にわたり、雇用の分野における女性活躍推進やハラスメントについて、現状の分析や論点整理を行い、今後の在り方を検討してきました。 厚生労働省では、この報告書を踏まえ、今後、労働政策審議会雇用環境・均等分科会において、引き続き検討を行ってまいります。 (別添1)雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会 報告書 〜女性をはじめとする全ての労働者が安心して活躍できる就業環境の整備に向けて〜 令和6年8月8日 ○はじめに→女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(平成 27 年法律第 64 号。以下 「女性活躍推進法」)は、女性の活躍推進の取組を着実に前進させるべく、民 間事業者及び国・地方公共団体といった各主体が女性の活躍推進に向けて果たすべき 役割を定める新たな法的枠組みを構築するため、令和7年度末までの時限法として、 平成 27 年に制定された。 法施行3年後の見直しに伴う令和元年の女性活躍推進法等一部改正法1においては、 女性をはじめとする多様な労働者が活躍できる就業環境を整備するため、一般事業主行動計画の策定義務の対象拡大、情報公表の強化、パワーハラスメント防止のための 事業主の雇用管理上の措置義務等の新等がなされた。また、その後、令和4年7月 に、常時雇用する労働者の数が 301 人以上の企業について男女間賃金差異の情報公表 が義務化されるという新しい動きがあった。 しかし、女性の正規雇用比率がいわゆる「L字カーブ」となっており、正規雇用労 働者としての就業継続に課題があるほか、男女の賃金の差異は依然として大きく、女性管理職の割合も国際的に見るとその水準は低いといった課題がある。また、月経、 不妊治療、更年期等の健康課題が女性の働き方に与える影響やそれに対する取組への 関心が高まっている。さらに、ハラスメント関係の相談件数は高止まり傾向にあり、 カスタマーハラスメント(顧客、取引先等からの著しい迷惑行為等)や就活等セクシュアルハラスメントなどが社会的関心を集めている状況にある。 こうした状況を踏まえ、本検討会においては、令和6年2月より 11 回にわたって、 女性活躍推進の方向性や、ハラスメントの現状と対応の方向性に関する検討を行い、 今般、その結果を取りまとめた。 なお、本検討会においては、女性活躍推進の議論に当たって、現行の女性活躍推進法の評価だけでなく、女性活躍と月経、不妊治療、更年期等の健康課題との関係を含めて議論を行ったほか、ハラスメントに関しては、とりわけ、女性が多く働く業種に おいて相談件数の多いカスタマーハラスメントについて具体的な議論を行ったとこ ろである。こうした課題への対応は、女性が安心して働くことのできる職場環境の整備を通じて女性の活躍推進に資するのみならず、全ての労働者が活躍することのでき る職場づくりにもつながるもの。 また、本検討会で議論した各課題については、いずれも制度的な対応のほか、個々の職場におけるマネジメントの改善を併せて実施していくことで解決が図られるものであるという視点も重要である。 今後、本報告書を受けて、労使をはじめとする関係者において充実した議論がなさ れ、適切な対応が講じられることを願うものである。 第1 現行の女性活躍推進法を巡る現状と対応の方向性 1 女性活躍推進法を巡る現状と効果→M字型から台形型に移行。 2 男女間賃金差異などの情報公表を巡る状況→女性活躍推進法による公表は、法制定当初から、@行動計画の公表と、A女性の 職業選択に資する情報公表の2種類があり、それぞれ以下のような趣旨とされて いる。 参照。 3 えるぼし認定、プラチナえるぼし認定の状況 4 女性活躍推進法の施行に当たっての課題 5 今後の対応の方向性 (1)女性活躍推進法の延長 (法の延長の必要性)(延長期間の考え方) (2)中小企業における取組促進 (中小企業における取組促進の方向性) (3)女性活躍推進法に基づくえるぼし認定 (えるぼし認定の意義)(えるぼし認定の見直し) (4)女性の活躍に関する情報公表 @ 男女間賃金差異の公表 (男女間賃金差異公表義務の対象拡大)(要因分析の重要性、説明欄の活用促進) A 女性管理職の登用促進 (女性管理職比率の公表)(女性管理職の定義) B 情報公表必須項目数 C 「女性活躍の見える化」の推進 (「女性活躍の見える化」の課題)(女性活躍データベースの活用強化) (5)男女雇用機会均等法等の履行確保、性別役割分担意識の是正等に向けた取組の推進→多様な人々の活躍を阻害するといった弊害を除去し、女性活躍を推進するための取組を進めていくに当たって、企業及び労働者がアンコンシャス・バイアスに向き合い対応するため の啓発等を強化すべきである。その際、中小企業に対する啓発に加えて、キャリア 形成等の観点から労働者自身に対するものも実施すべき。 (6)女性活躍と両立支援の一体的な取組 (女性活躍と両立支援の一体的取組の重要性) 第2 女性活躍と月経、不妊治療、更年期等の課題 1 月経、不妊治療、更年期等に係る制度利用の現状等 2 女性の就業との関係 3 今後の対応の方向性 (1)男女の性差に応じた健康支援 (健康支援の意義) (2)ヘルスリテラシー向上 (ヘルスリテラシーの重要性)(ヘルスリテラシー向上のた めの取組)(女性の健康ナショナルセンターなどとの連携の必要性) (3)月経、不妊治療、更年期等の健康課題への対応 (職場における女性の健康課題への対応の必要性)(生理休暇、不妊治療・更年期等の休暇)(健康課題と女性活躍推進法) (健康課題とえるぼし認定)→「職 場における女性特有の健康支援」を進めるインセンティブとなるように、えるぼし 認定制度の見直しをすることが適当である。 第3 ハラスメントの現状と対応の方向性 1 ハラスメントの現状↓ ○現行法上、ハラスメントは、「セクシュアルハラスメント」、「妊娠・出産等に関す るハラスメント」、「育児休業等に関するハラスメント」、「パワーハラスメント」の 4種類について、防止等に係る事業主の措置義務等が法制化されている。 〇 立法趣旨はそれぞれのハラスメントによって異なるが、法律上、「@ 事業主に 雇用管理上の措置義務を課す」、「A 国、事業主、労働者に責務を課す」構成となっている。 〇 厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和5年度)(以下「厚労 省令和5年度調査」という。)によると、調査対象企業のうち過去3年間に相談があった企業の割合は、パワーハラスメントが 64.2%、セクシュアルハラスメントが 39.5%、顧客等からの著しい迷惑行為が 27.9%となっている。また、ハラスメントの種類ごとに、相談があったもののうち、企業が「実際にハラスメントに該当する」と判断したものの割合は、顧客等からの著しい迷惑行為が 86.8%、セクシュアルハラスメントが 80.9%、パワーハラスメントが 73.0%となっている。 〇 しかし、厚労省令和5年度調査によると、ハラスメントの取組を進める上での課題を企業に尋ねたところ、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」とする企業は、厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査」(令和2年度)(以下「厚労省令和2年度調査」)の 65.5%から低下したものの、59.6%となっており、 企業実務においてハラスメントに該当するかどうかが大きな課題となっていることがうかがわれる。また、「管理職の意識が低い/理解不足」が 23.8%と2番目に高くなっている。 〇 厚労省令和5年度調査によると、ハラスメントの種類ごとに労働者が過去3年間 に受けた経験は、パワーハラスメントは 19.3%、顧客等からの著しい迷惑行為は 10.8%、セクシュアルハラスメントは 6.3%と、厚労省令和2年度調査から低下傾向にある。この背景には、パワーハラスメントの法制化や、カスタマーハラスメン ト(顧客、取引先等からの著しい迷惑行為)について企業対策マニュアルを策定す るなどの各種の取組の効果もあると考えられる。 〇 また、都道府県労働局におけるハラスメントの相談件数をみると、以下のような 状況がみられる。なお、この相談件数は、労働者からの相談のみならず、企業等からの制度に関する照会等も含むもの。 @ セクシュアルハラスメントは 7,000 件前後で推移。 A 平成 28 年に法制化した妊娠・出産等に関するハラスメントは施行当初は制度の問い合わせ等で増えたが、近年は減少傾向にあり、令和5年度は 1,756 件。 B 平成 28 年に法制化した育児休業等に関するハラスメントは施行当初は制度の問い合わせ等で増えたが、近年は減少傾向にあり、令和5年度は育児休業等に関 するハラスメントは 1,475 件、介護休業等に関するハラスメントは 623 件。 C 令和元年に法制化したパワーハラスメントは令和4年度に増加しているが、これは令和4年4月に中小企業においても施行したことを受けたものであること(令和3年度 23,366 件→令和4年度 50,840 件)。 〇 都道府県労働局への相談件数は増加しているが、是正指導件数は令和元年以前と 比較して、令和2年度以降は減少している。これは新型コロナ対応のため、報告徴 収件数が減少したことによるものと考えられる。 〇 都道府県労働局長への紛争解決援助申立件数、調停申請受理件数はパワーハラス メントが圧倒的に多く、増加傾向にあるが、セクシュアルハラスメント、妊娠・出 産等に関するハラスメント、育児休業等に関するハラスメントは同程度の件数で推 移している。 〇 また、ハラスメント周辺の事象についても社会的に関心を集めている。例えば、 いわゆる「自爆営業」(使用者が、労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して 当該使用者の商品・サービスを購入させること)への対応といったことも求めら れている。 2 先進国におけるハラスメント法制→G7国の中からイギリス、フランス、ドイツ、カナダにつ いて、情報収集や文献調査を行った。 参照のこと。 3 カスタマーハラスメント(顧客、取引先等からの著しい迷惑行為等) 〇 カスタマーハラスメント(顧客、取引先等からの著しい迷惑行為等)→令和2年に、「事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問 題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針」(令和2年厚生労働省告示 第5号。以下「パワハラ防止指針」)に事業主が取り組むことが望ましい事 項として明記された。令和3年に「顧客等からの著しい迷惑行為の防止対策の推進 に係る関係省庁連携会議」を開催し、令和4年に「カスタマーハラスメント対策企 業マニュアル」(以下、「対策企業マニュアル」)が作成された。この対策企 業マニュアルを参考にしつつ、現在、業界団体や事業者において対応マニュアルを 策定するなどの動きがみられる。 〇 厚労省令和5年度調査によると、過去3年間にカスタマーハラスメントを受けた 労働者は全労働者のうち10.8%となっており、パワーハラスメントよりは少ないが、セクシュアルハラスメントよりは多い状況にある。また、カスタマーハラスメ ントを受けた経験を接客頻度別にみると、ほとんど顧客等と接することがない者は 5.3%であるのに対 して、勤務日はほぼ毎日顧客等に接している者は 17.4%という状況。接客頻度が高くなるとカスタマーハラスメントを経験する割合が高く なっている。 ○ 厚労省令和5年度調査→カスタマーハラスメントの行為者は、「顧客等(患者またはその家族等を含む)」が 82.3%、「取引先等の他社の従業員・役員」が 22.6%。 〇 厚労省令和5年度調査によると、過去3年間に受けたカスタマーハラスメントの内容としては、「継続的な(繰り返される)、執拗な(しつこい)言動(頻繁なクレーム、同じ質問を繰り返す等)」が 57.3%、「威圧的な言動(大声で責める、反社会的な者とのつながりをほのめかす等)」が 50.2%等である。また、カスタマーハラスメントを受けた労働者の大半が、「怒りや不満、不安などを感じた」り、「仕事に対する意欲が減退し」ており、被害労働者の心身への影響がみられる。 〇 「顧客や取引先から無理な注文を受けた」、「顧客や取引先からのクレームを受けた」ことによる労災認定もある。この中には、被災労働者が自殺(未遂を含む。)した事案もある。また、令和5年9月に心理的負荷による精神障害の労災認定基準が改正され、業務による心理的負荷評価表の具体的出来事に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」が明記された。 〇 一方で、厚労省令和5年度調査によると、企業側の対応として、相談体制の整備、 被害労働者へのメンタルヘルス不調への対応等に取り組む企業は一定数みられるが、「特にない」としている企業は従業員規模 1000 人以上の企業においても 37.2%、 企業規模が小さくなるとその割合は高い状況(300〜999 人規模企業:48.9%、100 〜299 人規模企業:62.0%、99 人以下規模企業:73.8%)にある。 〇 厚労省令和5年度調査によると、カスタマーハラスメント対策に積極的に取り組んでいる企業は、取り組んでいない企業と比べると、カスタマーハラスメント被害 は少ない状況にある(「積極的に取り組んでいる企業」における過去3年間にカス タマーハラスメントを受けた経験は 12.8%であるのに対して、「あまり取り組んで いない企業」における過去3年間にカスタマーハラスメントを受けた経験は 23.1%)。 4 就活等セクシュアルハラスメント 〇 厚労省令和5年度調査によると、就活等セクシュアルハラスメントについて過去 3年間に相談があった企業は 0.7%に過ぎないが、2020〜2022 年度卒業でインター ンシップ中にセクシュアルハラスメントを経験した者は 30.1%、2020〜2022 年度 卒業で就職活動中にセクシュアルハラスメントを経験した者は 31.9%という状況。勤務先で労働者がセクシュアルハラスメントを受けた経験が 6.3%に対して、就職活動等においてセクシュアルハラスメントを受けたとする学生等 は多くいる。 〇 就活等セクシュアルハラスメントを受けた学生等には「就職活動に対する意欲が減退した」「眠れなくなった」「怒りや不満、不安などを感じた」といった心身の影響があり。 〇 また、厚労省令和5年度調査によると、企業側の対応として、就活生等からの相談への適切な対応等に取り組む企業は一定数みられるが、「特にない」としている企業は従業員規模 1000 人以上の企業においても 42.1%、企業規模が小さくなると その割合は高い状況(300〜999 人規模企業:48.0%、100〜299 人規模企業:55.7%、 99 人以下規模企業:65.6%)にある。 5 今後の対応の方向性 (1)総論 (国の施策としてのハラスメント対策)(国・事業主及び労働者の責務規定) (ハラスメントに関する法律関係)(職場のハラスメント対策の意義) (企業におけるハラスメント防止対策の推進)→「ハラスメントかどうかの判断が難しい」 とする企業割合は、低下しているもの の約6割存在しており、また、都道府県労働局への相談件数は高止まりしている。 こうした状況を踏まえ、企業のハラスメント防止対策の取組に資するため、国が効 果的な支援策に取り組む必要がある。具体的には、ハラスメント防止対策の支援を 希望する企業に対して、伴走型でコンサルティングを実施することや、研修動画の 充実等が考えられる。 (2)カスタマーハラスメント @ 対策強化の必要性 (防止対策の意義)(企業における取組の必要性) A 対策強化の方向性 (労働者保護の観点からの法制化)(事業主の措置義務の在り方) (消費者法制や各業法等との関係) B カスタマーハラスメントの定義 (定義の考え方)(カスタマーハラスメントの定義) 【カスタマーハラスメントの3要素】T 顧客、取引先、施設利用者その他の利害関係者が行うこと U 社会通念上相当な範囲を超えた言動であること V 労働者の就業環境が害されること。 (カスタマーハラスメントの3要素の具体的な内容)T〜Vの内 容説明。 C 総合的な対策の必要性 (企業における総合的な対策の必要性)(業界団体等を通じた取組の強化と業所管官庁との連携)(関係省庁の連携強化) (3)就活等セクシュアルハラスメント @ 対策強化の必要性 (対策強化の必要性)(事業主の措置の在り方) A セクシュアルハラスメント以外のハラスメントとの関係 (セクシュアルハラスメントを対象とする妥当性) (4)ILO第 190 号条約 (批准検討の視点)(禁止規定)(禁止規定) (今後の検討の方向性)→ 本検討会では限られた時間の中で検討を行ったが、本報告書で提示した職場のハラスメントは許されるものではないという趣旨を法律で明確にするなどの法整備についても、ILO第190号条約批准に向けた環境整備に資するものと考えられ る。 引き続き、条約全般について、さらなる検討を進めることが適切である。 (5)その他 (自爆営業)→いわゆる「自爆営業」についての法令上の定義はないが、一般的に「使用者が、労働者に対し、当該労働者の自由な意思に反して当該使用者の商品・サービスを購 入させること」とされており、職場におけるパワーハラスメントが「自爆営業」の背景として指摘されている。「自爆営業」そのものが直ちにパワーハラスメントに 該当するというものではなく、職場におけるパワーハラスメントの3要件を満たす場合にパワーハラスメントに該当するものであり、その場合には、都道府県労働局 で助言・指導等を行っている。「自爆営業」が社会的に関心を集めていることに鑑み、このような趣旨を、パワハラ防止指針に明記することが考えられる。 ○雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会開催要綱 ○(別紙) 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会 参集者名簿 次回も続き「(別添2) 雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会 報告書 参考資料」からです。 |



