こども若者シェルターに関する検討会(第2回) [2024年08月31日(Sat)]
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こども若者シェルターに関する検討会(第2回)(令和6年7月 19 日)
議事 構成員等からのヒアリング 第2回 こども若者シェルターに関する検討会|こども家庭庁 (cfa.go.jp) https://www.cfa.go.jp/councils/kodomo-shelter/02 ◎資料1田所構成員提出資料 ≪属性を問わないシェルターの取り組み 〜 増加する児童の受入れ 〜≫ 特定非営利活動法人 全国コミュニティライフサポートセンター(CLC) ↓ ・宮城県仙台市 ・1999年設立(2001年法人化) ・福祉系中間支援NPO(地域福祉を中心として福祉系全般) 1.貴団体のシェルターにおける取組の概要→シェルターの対象は、こども・若者を含む、課題を抱え行き場のないすべての人。↓ 〇入所定員 : 基本10人(個室) 性別・年齢限定なし。 〇延べ利用人数 : 687人 (2009〜2023年) ※令和5年 96人(うち、児童32人)。 〇シェルターの形態: 元学生下宿の建物を改装。3階建て建物(RC3)の1〜2階を使用 ★図面添付。 〇平均滞在期間(令和5年): 25.7日 (児童・38.6日) ★数表別紙 児童の最短1日(1泊)、最長152日。 〇入所者の主訴・傾向(児童について)→・基本、児童相談所からの一時保護委託 たまに、保護観察所、地域生活定着支援センター、発達障害支援センター、障害相談支援事業所。・一時保護所ではなく、当施設依頼の理由(一部推測)。 「一時保護所が一杯で、即時に保護の必要」 「学校に通う・通える」 「集団生活に馴染まない、個室でないと厳しい」「他施設(養護施設等)トラブル」 「障害(知的・精神)の対応経験?」。 ・最近増えているのは、親が養育困難として、養育を放棄(同居生活拒否)するケース 。 〇支援内容 : 相談、食事、ケアの提供、退所後のつながり維持、可能な範囲の生活支援。 〇ほかの事業 「法務省自立準備ホーム」(詳細は伏せさせていただきます)一部、福祉施設。仙台市委託事業。 ○シェルターの間取り→2階建てで1階は食堂。 ○受入れに占める児童の割合(R5実績)→平均受入日数150.2%。 ○受入れ実績の推移(支援分野別)→「障害」が一番多い。 2.未成年のこどもを受け入れる場合の入所時等の対応について 【本人との関係】 →〇入所に当たっての説明事項 基本的な生活ルール、他利用者について、共有スペースの利用等 。〇説明方法・タイミング 入所時冒頭に、児相職員同席で、スタッフが説明。 ただし、深夜受入れ時や児童が疲労している場合は、説明は翌日にまわすことも。 説明をしたあとは、本人のサインをもらう。 説明事項を書いた紙(A4・1枚)は本人にも写しを渡す。〇本人の利用意思・確認 児相の場合は、来る前に同意を得ているので、特に再確認はしない。 (児相ではない)障害相談支援事業所等経由の場合は、利用確認を行う。 〇行方不明時 児相に連絡。児相から行方不明者届など。 【親権者等との関係】 児相(又は保護観察所)等を経由してくるので、親権者と直接やりとりすることはない。 ※当施設は、支援機関からの要請・受入れが中心。 児童に関しては、100%児相をはじめとする支援機関からの要請(実績ベース)。 3.こども・若者の居住地自治体がシェルターの所在地の自治体と異なる場合の対応について 〇 前述のように、支援機関からの要請・受入れが中心であり、依頼元が仙台市外であっても対応する。 費用については、公的費用が出ない場合は本人負担となってしまうので、できるだけ避けるため 支援機関と相談。 〇 児童に関しては、児相の一時保護や保護観察所経由となっているので、自己負担が発生したことはない。 〇 仙台市児相以外に、宮城県児相(仙台市以外のケース)から受けたことあり。 当施設の対応は、基本変わらず。 4.入所するこども・若者の権利擁護、生活上のルールについて 〇 法人の考え方として、自分が課されたら嫌なルールはできる限り設けない。 (安全との兼ね合いが難しいが) 例えば、認知症でお散歩癖がある方でも、鍵を掛けたり拘束はしないなど。 それを理解したうえで、支援機関が当方に依頼をしてくる。 〇生活上のルール→・スマホの使用:施設としては許可。児相や支援機関の判断により、禁止の場合もある。 共用スペースでの使用は禁止(他に使えない人がいるため)大声通話など周囲に迷惑をかけ、注意しても直らない場合は禁止することあり。 ・所在地の秘匿: 約束してもらう。自分だけではなく、他の利用者のためにも。 ・私物の持ち込み:制限なし。危険物の持ち込みは禁止。児相さんに確認してもらう。 ・通学、通勤 :支援機関が認めれば問題なし。 お弁当などを当施設で作って持たせることも(本人の希望により) ・外出 :支援機関が認めれば問題なし。ただし、外出時はスタッフに声がけ。 ・門限 : 21:00 理由があれば、遅くなることも認めている。 ルールの説明、特に制限がある場合は、スタッフがその理由を丁寧に説明するようにしている。 〇利用者間トラブル時 ・本人達から話を聞き、対応。スタッフは必ず複数で面談・対応する。 → その後、児相に連絡・報告。必要であれば児相担当者からも注意いただく 5.シェルターにおける支援内容(入所中・退所後)、支援に当たって留意していること 〇 入所中支援 (ケースによる。支援者間で分担)→・役所、支援機関、通院等同行 ・買物同行(服、眼鏡ほか)。 ・服薬、金銭管理 ・お弁当づくり ★作業手伝わせ(調理、配膳、買物、清掃ほか) 〇 退所後支援 (ケースによる、支援者間で相談) ・生活相談 ・(退所者向け)公式LINE ・(退所者向け)食事会等ミニイベント ・立ち合い、同行等支援 ★退所後、遊びに来る子が多い(7〜8割?) 〇 シェルター以外の事業 ・「1.概要」参照。 ※ 児童・若者に限定せず支援を行っているので、(障害や生活困窮・保護など)様々な分野の 資源、支援者とつながっており、広い視野での支援を考えられる。 〇 支援にあたって留意していること→・24時間365日受入れ対応 ・原則、断らない (ただし、緊急であること → 児相経由の場合、緊急要件は除外) ・本人の意向・希望をよく聞く ★生活をともにして、初めてわかることもある → 本人の能力(コミュニケーション・生活スキル等) → 本人の本当の意向、希望 『つぶやき、グチ』 → 相談機関からのアセスメント情報の誤り ⇒⇒相談機関にフィードバックし、よりよい支援につなげる 〇 支援にあたっての課題 ・義務教育後、本人が勉学を望んでも、(資力等で)親に頼れないとき。 (〜22、23歳くらいまで) 専門学校、大学等学費負担の問題。現状の生活保護ではカバーできない。 ○スタッフ体制→日中 3〜4人、 夜間 1人。 ・職務内容・勤務形態・ 資格等あり。→A〜Sまでの人材紹介あり。 6.関係機関との連携について 〇 連携を行っている主な関係機関【児童・若者関連】→・仙台市児相 普段から受入れ依頼も多く、毎日のように連絡・相談・協議している。・保護観察所 若者に限らず受入れ依頼があるので、適宜、連絡できる関係。 ・地域生活定着支援センター(保護観察所と同様)。 ・仙台市→各区 障害高齢課、生活保護課、家庭健康課、自立相談支援窓口(ワンステップ) → 全区の各部署と関係があるので必要があれば連絡・相談できる関係。・医療機関 訪問診療や、精神科等を含めた医療機関。意欲的な訪問看護事業所。 MSW等を窓口に、適宜連携。 ・民間支援機関→NPO法人「ロージーベル(若者支援・自立援助ホーム、自立準備ホームほか)」が中心となり、 宮城県内子ども若者支援団体による『関係機関団体連絡協議会』定期開催 → 近況報告、情報交換、個別ケース相談を活発に実施 ※ 民間支援団体だけでなく、児相や少年院なども参加。 子ども支援団体のほか、生活困窮者支援団体や、障害支援事業所等とも連携。 ・地縁組織→施設所在地の町内会(連合町内会)、民生委員ほか地域組織とは、普段から相談したり・されたり。 ・弁護士→こども支援に熱心な弁護士さん(こどもの権利委員会他)達とは面識あり。具体的相談実績はない。 7.こども・若者や関係者等への周知のあり方 【 周知活動についての考え方 】↓ 〇 児童も含め、一般に向けて周知を積極的に行うことは考えていない。→・直接相談がきても、人員的に責任を持った丁寧な相談対応ができない。 (24時間365日の受入れ支援体制維持だけで、一杯) ・現状でも受入れ件数が増加しており、一般に告知したら、おそらくキャパを超える。 ⇒ 緊急対応できなくなる可能性が高い。 〇 周囲(特に仙台市内)の支援機関に対しては、適宜、周知活動を行っている。 ⇒ 宮城県内などは、どの程度まで周知活動を行うかは、悩ましいところ。 やはり、キャパとの兼ね合いがあるので。 ◎資料2野田構成員提出資料 NPO法人 チェンジングライフの取り組み (2024年7月19日) 児童福祉領域から、少年司法領域における、 行き場を失ったサポートを必要とする子ども・若者への自立支援。 @自立援助ホーム部門(児童自立生活援助事業) A自立準備ホーム部門(保護観察所受託事業) Bシェルター部門 (任意保護自主事業) ○団体略歴→・2000年4月 満期出所者の受入開始〜 ・2010年9月 自主シェルター受入開始〜 ・2011年6月 自立準備ホーム事業開始〜 ・2017年5月 任意団体チェンジングホームからNPO法人格取得。・2018年3月 自立援助ホーム事業開始〜 ○法人の支援方針 〜安心して駆け込み、自立を目指すことが出来る「居場所」〜 ・私たちは、居場所と出番と居心地のよさの提供を目指し、 基本的信頼感・安心感の土台形成の足掛かりを創出し、 子ども・若者が持つ潜在可能性を引き出すサポートをします 1.貴団体のシェルターにおける取組の概要→・シェルターの開始時期:2010年9月(開設当初定員1名から開始〜) ・入所定員:7名(主に男子)・ 現在の入所者数:5名 ・これまでの延べ利用人数:51名(制度外シェルターでの受入) ・シェルターの形態:1Rハイツ等(個別処遇型及び中長期型) ・平均的な滞在期間:6か月 最短の利用期間:2日(1泊) 最長の利用期間:3年11か月。 ・入所者の主訴:虐待、社会的養護経験者で少年院からの出口がない少年 ・入所者の傾向:性別:ほぼ男性(内女性は5名) 入所時年齢:主に10代〜20代 ・主な支援内容: @ 1Rハイツにおいての個別処遇。 一日一回以上訪問、面談。 A 自炊指導。自立生活に向けた実践的な「一人暮らしの練習」の機会を提供。 B 食事の提供、食材提供、「お茶のみケーション」と題した軽食を伴う心の居場所づくり。 C 診察同行、市役所同行、ハローワーク同行等、各種同行支援。 D 資格取得支援。(運転免許、介護初任者研修・実務者研修、一部学費支援) E その他、携帯電話の貸与。自立に向けた賃貸物件探し、緊急連絡先の確保等。(近所での自立を希望する場合、スムーズな地域生活移行、定着支援を実施。) ・他に実施している事業:児童自立生活援助事業、自立準備ホーム、居住支援法人, 在宅支援活動(インフォーマル支援:少年院出院者の心の居場所づくり等) 2.未成年のこどもを受け入れる場合の入所時等の対応について 〇 本人との関係→・入所前にルールを丁寧に説明。 ・本人の利用の意思・同意を得て、同意書に記入の上、入所してもらう。 ・緊急性が高い場合は、空室に応じて、まず、受入を優先。 ○ 親権者等との関係→・当ホームに入所に至る、子ども・若者の特徴として、過去に児相が介入しているケースがほとんど。 実質、親との没交渉が長期化している。 (長期化している理由)*1養育の意志がそもそもなく、子どもが問題行動等で措置解除後、友人宅の泊まり歩きや住み込み就労先から短期離職等、トライアンドエラーの経過の中で入所に至るも、本人から親や 祖母等に民間シェルターでお世話になっていると伝えても特に親からの連絡がない。 ・養父と折り合いが悪く、養父との関係が険悪な場合でも、本人が実母との連絡を希望した場合は、制限せず、必要があれば、法人としても実母と連絡を取って近況を報告したケースもある。 ・今まで親権者とのトラブルになったことが一度もない。 *1 乳児期・幼少期からのネグレクト、親の精神疾患、異父弟・妹等の面倒で当該児童に気が回らない等。 ○ 児童相談所との関係→・当法人運営の自立援助ホームに委託入所の児童に関してのみ連携。 ・当法人借上げの1Rシェルターに一時保護委託があったのは過去2例のみ。 3.こども・若者の居住地自治体がシェルターの所在地の自治体と異なる場合の対応について→・自治体と連携したケースがほとんどない。 当ホーム入所の子ども・若者が生活保護等の福祉的支援を申請に行かなかった理由として、一般就 労等の可動性が閉ざされるため。 精神または療育などの手帳を所持している子ども・若者に関しては、同行し、申請したケースもあ り。(3件ほど) また、住宅扶助や医療扶助の単給の申請に至らなかった等の理由としては、自治体との連携不足。 実際のケースとして、 ・シェルターにて受入れの24歳の女性(所持金4万円、2歳の子を持つ母親)が生活保護申請に行った際、受理もせず帰らされた。後日、同行し、受理してもらったが、積極的に使いたい制度と思えず、 同行にも心的負担を感じる。 ・当シェルターの運営費を寄付や助成金等から捻出してきたため、気を使ってまで、福祉的支援を受 けることに消極的になる傾向がある。 4.入所するこども・若者の権利擁護、生活上のルールについて 〇 生活上のルール設定についての考え方→・利用者の安全と権利擁護の両立に難しさを覚えつつ、管理面だけでなく、利用者が前向きに安心して、自立を目指せる環境を意識して、ルール設定している。 〇 生活上の基本的なルール: @スタッフとスタッフが許可した関係機関の支援者以外、入室禁止。(シェルターの場所を他言しない。) A門限原則22時30分 Bバイト代の半分を自立資金として預かること。 Cスタッフへの暴力・暴言の禁止。 上記@居室に友人や異性の入室の禁止 ルール設定の理由を細かく説明 a)騒音トラブルで退去勧告をされた実例等があり、本人の住まいがなくなり、安心を守れないこと。b)ホームの場所を他言し、年長者の友人に居座られて、本人の安心が保てなくなったケース。C)友人等を入れることで人間関係のトラブルや生活リズムの崩壊による昼夜逆転等。 ・金銭の貸し借り禁止(利用者同士、スタッフに対しても) ・未成年の場合「お酒や煙草は禁止」 ・自傷行為禁止(少ない例だが、丁寧に説明し、再発がほぼない。) ・部屋に荷物を残置したまま、無断で退去した場合、荷物の処分の同意を入所前に得る。(文書で保管) ・携帯電話の利用は原則として許可しているが、夜間の居室での会話には近隣の迷惑にならないよう指導。 ・ゴミ出しや掃除、整理整頓の約束。あまりにも汚くしているとスタッフと一緒に清掃することになる。 ・予告なく居室に訪問し、安全確認を行うことの事前告知。但し、異性のスタッフは1名以上でないと原則、 訪問・入室しない。 4.入所するこども・若者の権利擁護、生活上のルールについて 〇 就労や通学の支援・外出制限→・就労自立を目指す場合、ハローワークや協力雇用主企業への面接同行等のサポート。仕事で遅くなる場合はス タッフに連絡すること。門限は原則22時30分。 ・アルバイトをしながら、学校や資格取得を希望する場合、学費の支援あり。 ・学校における保護者対応はスタッフによる担任制。教員との連絡・調整、懇談会の出席、奨学金等の手続き。 〇 できる限り制限を少なくするための工夫: ・利用者の希望や本音を大事にしつつ、ルールを守ることが利用者を危険から守ることに繋がることの説明を丁寧に行い、納得できるようルール説明を心掛ける。 ・子ども・若者の進路において、助言はするが、本人の意志を尊重し、自分で決めたことは実行できるよう辛抱 強く励ます。 ・貯金を半分預かり、自立時の初期費用などに充ててもらい、残りは本人に渡すが、運転免許等の資格取得支援 費等は法人で約半額分負担。作業服。就労のために必要な証明写真代(1000円)作業服代等、支援。身元保証人も署名。 ・仕事等、まじめに行っている場合、外泊等、時々大目に見る。ひと月に1〜2回等。 〇 携帯電話の取り扱い等: ・虐待者からの奪還が想定されるケースにおいては、利用者所有の携帯電話を電源を切って預かるなどの対応。 ・ほとんどのケースが携帯電話の機種をもっているが、契約は切れている。または、携帯電話を持っていないと いうケースのため、本人が就労・就学を希望した場合、できるだけ、速やかに法人から格安携帯等を貸与する。 (本人が就労自立を希望している場合)携帯電話がないと、面接の可否の連絡を受けれず、就職に不利。現代で 携帯を所有していないと、訳ありと思われ、採用に障壁となる。(協力雇用主企業の場合は異なるが仕事上必 要になる。) 4.入所するこども・若者の権利擁護、生活上のルールについて→ 携帯電話を約10台契約し、法人で支払い。未成年や事情で所持できない子ども・若者に貸与。 1台の利用料、約2000円。ギガ放題:3日間で10Gを越えると低速等の制限あり。 (教育上、自立心向上のため、本人が支払う場合もあり。) 携帯貸与のルール ・ゲームの使用や課金のし過ぎなどで、学校や仕事などに支障が出た場合は、返却してもらうこと。 ・居室で23時以降、会話を控えること。(スピーカーによる通話禁止) ・18歳になれば、自分で契約すること。 ・無断退所した場合、携帯の契約を切るルールになっていることの同意。 5.シェルターにおける支援内容(入所中・退所後)、支援に当たって留意していること→ 支援を行うに当たって共通して留意していること: 「何事でも、自分にしてもらいたいことは、ほかの人にもそのようにしなさい。」(マタイ福音書7:12) 「大人は誰でも最初は子どもだった。でも、そのことを覚えている大人は、ほとんどいない。」(サンテグ ジュベリ作・星の王子様献辞より) ・パターナリスティックな介入に偏ることを避け、本人の意志を尊重し、話し合う。明らかに危険な選択でない限りは、「小さな失敗」を保障できる環境を意識する。 ・児相への連絡を拒む場合、ケースによっては、児相の協力を得ないと出来ないこと(支援措置の意見書作 成)などがあるため、都度、意思確認をして、信頼関係を醸成している。 ・当法人運営の自立援助ホームでは、国や自治体の応援により、利用者に対しての資格取得支援等が充実している。それゆえ、民間シェルターで任意保護の子どもたちも、同じ日本の子どもであり、年齢も変わらないながら、保護される場所・機能によって、受けれる支援が違うという支援格差が生じているため、 民間シェルター入所の子ども・若者にも資格取得支援などをしている。(企業・個人からの寄付を用いて) 民間シェルター、自立準備ホーム、自立援助ホーム、いずれのホーム退所者に対しても、退所後もアフター ケアとして、医療、福祉、法律領域における相談同行支援を実施。 6.関係機関との連携について 〇 連携を行っている主な関係機関: ・大阪、奈良、神戸等の弁護士会子どもの権利委員: 虐待等の背景があって、万引きや窃盗、ぐ犯などで家裁に送致された少年が帰れる適当な家がない場合、 弁護士と連携して、環境調整。子どもの権利委員所属の弁護士は入所後も支援を継続してくれている。(定期的な訪問、関係機関との連絡調整役、必要があれば、親との連絡役、事故や賃金未払い等のトラブル の際に法テラスを通じて、受任してもらえている。 ・大阪、奈良の家庭裁判所→家裁に送致された少年の中で帰る家がない等の事情の少年の試験観察実施のための入所相談等に対応。試験観察後の一時的住まいの提供も。 ・府内、また、県外の少年院社会福祉士→ 親からの虐待や親の死去等により、戻る家庭がない。または、家庭に戻すのが適当ではない在院少年の受入れ等。 ・他府県の子ども家庭センター→家庭に居場所がなく、また、発達特性上の課題や問題行動等で措置変更が繰り返され、受入先が喪失した 子どもの入所依頼。(ケースとしては少ない。) ・学校、ソーシャルスクールワーカー(以下、SSW)等→学校やSSWから、相談・連絡があった場合、ケースに応じて、入所を検討。退学した被虐待の経験があった生徒が少年院送致された後の支援を依頼され、出院後、受入れしたケースあり。 7.こども・若者や関係者等への周知のあり方 〇 周知活動について: 周知は特にしていない。 入所経路 @関係機関からの依頼。 A本人からの連絡 B友人(同じ施設出身者からの情報:児童自立支援施設や児童養護施設の同級生や後輩) *短期受入 児童養護施設退所後、進学先の寮等に入寮し、大型休み期間、帰る場所がない施設退所者の短期受入れをしている。 ・シェルターに入所を希望するこども・若者の事情として虐待や貧困以外には具体的にどのような事情があるか→当ホームの場合、ほぼ、背景には必ず虐待や貧困があるが、非行などの理由や親の死去などで天涯孤独となって頼ってくる若者もいる。 ・親権者等からの面会通信の要請にはどのように対応されているか。 親から要請を受けるケースがほとんどない。 ・シェルター入所者に医療が必要となる場合の医療費の対応(一時保護委託の場合とそれ以外で対応異なるかと思いますが、自己負担の部分をどう補ってらっしゃるか。また保険証をこども・若者が所持していないようなケースの対応) 法人負担。保険証がない場合、実費負担。速やかに保険証取得の手続きを並行する。 ・こども・若者の入所中に利用者間などでトラブルがあった場合や事前連絡なくシェルターからいなくなった場合にどのような対応をされているか。→ 当人の入所を依頼した弁護士や機関等に連絡。過去に入所者同士がけんかになり、一方が暴行したことが1例 あり。けんかの理由は、どちらも悪いがやられたほうの子どもを相談の上、弁護士が速やかに府内の別の自立援助ホームの機能を持つ法人に避難を依頼し、安全確保をしてくれた。関係機関等との連携などで助けら れた。 ◎資料3馬渕構成員提出資料 社会福祉法人カリヨン子どもセンター 活動報告 社会福祉法人カリヨン子どもセンター 理事・弁護士 馬渕泰至 ○法人概要 1. 理念→@ 虐待や非行などの困難を抱える、主に十代後半の子どもたちの命を支えるために、子どもシェルター、自立援助ホーム、 デイケア(カリヨンハウス)、子どもの支援金制度運営事業 などを行う。 A 国連子どもの権利条約の理念に基づき、子どもを権利行使の主体として認め、子どもの最善の利益を保障することをめざ し、常に子どもを中心にした子どもの権利保障の実現を活動の基軸とする。 B 福祉、司法、医療、心理、教育、雇用などに関わる多機関の連携による総合的支援をめざす。 C 子どもと大人、大人どうし、機関どうしが対等なパートナーとして関係を築き、互いの人格を尊重しあいながら、活動する。 D 常に現実の子どものニーズを知り、そのために必要な方策、 制度を追求し、柔軟に活動を見直し、新たな支援策の実現を はかる。 2. 概要→• 理事長 相川 裕 • 法人本部(事務局) 〒115-0055 東京都北区赤羽西3-33-3 • ホームページ https://carillon-cc.or.jp/ • 重要な事項→2004年 NPO法人カリヨン子どもセンター設立 東京都全児童相談所と一時保護に関する協定締結 東京弁護士会子どもの人権110との連携 子どもシェルター「カリヨン子どもの家」開設、 2008年 社会福祉法人カリヨン子どもセンター設立認可、事業継承、 2011年 日弁連「子どもシェルターの制度化を求める意見書」 子どもシェルター全国ネットワーク会議発足 厚労省通知「児童自立生活援助事業の実施についての一部改正について」「子どもシェルターに自立援助ホームを適用する場合の留意事項」子どもシェルターに児童自立生活援助事業の一類型としての認可。 3. 主な事業→ • 子どもシェルター「カリヨン子どもの家ガールズ」(定員6名・女子・開設2004年6月・職員4名) • 子どもシェルター「カリヨン子どもの家ボーイズ」(定員6名・男子・開設2008年3月・職員4名) • 自立援助ホーム 「カリヨンとびらの家」(定員6名・男子・開設2005年4月・職員5名) • 自立援助ホーム 「カリヨン夕やけ荘」(定員6名・女子・開設2006年3月・職員5名) • デイケア事業 「カリヨンハウス」 • 子ども支援金交付事業 4 法人独自事業・寄付金で運営 法人事務局が運営管理・職員3名。 1.当法人のシェルターにおける取組の概要 • シェルターの開始時期:2004年6月「カリヨン子どもの家」(男女共用)を開設 2008年3月「カリヨン子どもの家ボーイズ」(男子)を開設 従前の施設を「カリヨン子どもの家ガールズ」(女子)へ変更。 • 入所定員:各6名 / 受入れ年齢:概ね15歳〜19歳。 • 現在の入所者の数:ガールズ2名、ボーイズ0名(リニューアルのため8月中旬まで休止中のため)。 • これまでの延べ利用人数:ガールズ374名(2004年度〜現在)、ボーイズ166名(2008年度〜現在) 合計540名。 • シェルターの形態:一戸建て(木造)児童居室が5〜6部屋。リビング、食堂、風呂トイレ等は共有。スタッフルーム、面談室。 • 平均的な滞在期間:約2ヶ月(最短:1〜2日、最長:9か月)。 • 入所者の主訴や傾向:@緊急に居場所を必要としており、子どもシェルターの利用を希望している。 背景:保護者からの身体的暴力、心理的暴力、性的暴力、ネグレクト、過干渉・過教育、金銭搾取、自立、保護者の精神不調や経済的貧困、他の兄弟との差別、試験観察、保護観察、住居無し、自身の精神不調 等。 A子ども・若者自らが児童相談所や東京弁護士会子どもの人権110番等の相談窓口にSOSを出し、利用につながる。 B17〜19歳が多い。家庭から直接逃れてくる者が多い。1〜2割は東京都外居住者。 • 主な支援内容:当日緊急の受入れ、衣食住の備え、職員(児童福祉専門職)の生活援助・相談援助、利用料かからない、 家庭的な生活環境、医療受診、ケース会議への子ども本人の参加(意見表明機会の保障)、子ども担当弁護士のアドボケイトや ケースワーク関与、職員と子ども担当弁護士と児童福祉司等のスクラム連携、自立準備、進学支援(学習支援や奨学金等)、等 • 実施している事業:児童自立生活援助事業、保護観察所自立準備ホーム委託、家庭裁判所補導委託、私的契約。 ○子どもシェルターの風景→リビング、児童居室あり。 2.未成年のこどもを受け入れる場合の入所時等の対応について @対応→• 東京弁護士会および児童相談所との緊密な連携。 • 本人の主訴のみでも、受入れ判断を行う。 • ケースワークは、入居後1週間以内に開催する「ケース会議」で 情報共有、方針検討、役割分担を行う。 【本人に対して】 【児童相談所、保護者に対して】 A課題 【子どもの相談経路について】 【子どもの主訴だけで受け入れることについて】 【連携団体に頼む部分の事故について】 3.こども・若者の居住地自治体がシェルターの所在地の自治体と異なる場合の対応について 〇 こども・若者の居住地自治体がシェルターの所在地の自治体と異なる場合の対応 〇 居住地自治体の児童相談所等の関係機関への連絡を直接行っているか ○ 居住地自治体が異なる場合の関係機関との連携や支援における課題や工夫 4.入所するこども・若者の権利擁護、生活上のルールについて ○子どもシェルターの権利擁護の工夫 ○子どもシェルターは緊急避難場所で、みんなが安全に、安心して生活するための約束であることをふまえて…(主だった約束ごとのみ抜粋) ○子どもシェルターにおける医療費の取扱いについて 5.シェルターにおける支援内容(入所中・退所後)、支援に当たって留意していること 【入居中】 【退居後】あり。 〇 シェルター以外で併せて実施している事業→• デイケア事業「カリヨンハウス」:学習、カウンセリング、マッサージ、音楽、スポーツ等、ケアから余暇活動まで、利用者と講師が1対1で楽しむプログラム。安心できる遊びの時間、やってみたかったことが実現できる経験等の効果とは別に、シェルターOGOBと巣立った後のマッチングポイントとしての役割がある。 • 子ども支援金交付事業:個人・企業・団体から資金寄付を受けて、奨学金や資格取得支援金を支給する。 〇 課題を感じている支援内容→• 通信や外出の制約があることが、子ども、若者たちのストレスになっている部分もある。 • ケースワーク実践が積み重なると、職員も子ども担当弁護士も方針検討や、調整に慎重になるきらいがあり、転居先社会資源の少なさも相まって、利用期間が長期化する。また、関係 機関の足並みをそろえることが、課題となる。 • 利用中の子ども、若者の無断外出があった際には、関係各機関に連絡の上、警察に行方不明人届を出す。が、職員1名勤務の子どもシェルターでは、他利用者の対応もあり、動きがすぐにはとれない場合もある。(児相で行方不明人届出してください、と依頼しても、「それは 施設で対応してくだい」と返される)また、所在地を秘匿している子どもシェルターにおいて、警察にどこまで情報開示するか、という悩みもある。 • 子ども同士のトラブルや、力関係が生じた場合は、職員が介入して対話や、同席する時間をずらすなどの工夫で解決や軽減を図ろうと努めるが、どうしても解消されないこともあり、 どちらかが転居を急いだり、別場所(例 他法人の子どもシェルター等)への分離を検討しな ければならないこともある。 6.関係機関との連携について 〇 連携を行っている主な関係機関(児相、市町村、警察、他の民間団体、医療機関、学校、弁護士等)と その連携内容あり。 参照。 〇 連携先として重視している関係機関や当該関係機関との連携を深める上での工夫、課題等→• 子ども担当弁護士と児童相談所は、ほぼすべての利用者に対して欠かせない連携機関であるが、担当者はいずれもほぼ毎回入れ替わり、“子どもシェルター初めまして”という方も多く、「子どもシェルターとは」という理解を得るところから注力しなければならないことも多い。 • 相手の職務、権限、用語等についての理解と敬意があってこそ、円滑な連携な成し得ると思っているが、時に「当然相互理解ができているだろう」と判断甘く発進すると、失敗する。 • 生活を共にするシェルター職員は子どもとの関係が深くなりがちであるが、むしろ、ハブとなって子どもと“これからも相談できる相手”とを繋ぐことを意識している。 • 子ども、若者の権利擁護、被害からの回復、自立にむけた後押しに、子どもシェルターは、これまでの経験値から想定して、概してケースワークに丁寧に、慎重になりがちであるが、そうした判断や姿勢が、立場の違う連携相手からはちがう評価をされることがある。 7.こども・若者や関係者等への周知のあり方→• 法人リーフレットやニュースレターの定期発行、ホームページ、ブログ、インスタの運営を 行っているが、周知不足を感じており、児童相談所、若者支援団体、学校等へのアプローチの 見直しが喫緊の課題。 • 相談経路が電話、面接しか選択肢がない現状を、子ども、若者から忌避されていることは実感しており、チャット相談などの選択肢を増やす必要性を感じている。 • 「うちの子どもが反抗して手を焼いているのでそちらにいれてもらえないか」という保護者からの相談があっても、子ども本人は避難や保護を求めていないという事例が複数あり、子ども、 親共に、関係性や意見の対立がこじれることを防ぐために、子どもシェルターを効果的に利用 していく選択肢はないのかと検討を始めている。(例 週末だけのレスパイト利用等) 8.こどもの居場所とシェルター→• 一昔に比べて、こどもが「親から逃げてもいい。家出してもいい。」という考えを持てるように なってきた。 • それに伴い、逃げる子どもの背景や理由が多様化しており、受け入れ場所も多様化が必要。 @秘匿性のある居場所、いわゆる「シェルター」(宿泊可) A秘匿性のない短期的居場所(宿泊可) B秘匿性のない長期的居場所(宿泊可) C日中の居場所(宿泊不可) • 相談窓口がそれぞれの居場所の特性を理解し、こどものニーズにあった居場所を案内する必要。↓ 子ども→→→相談 窓口↓ →→→いわゆる「シェルター」 →→短期的居場所 →→長期的居場所(自立援助ホームなど) →→日中の居場所(子ども食堂、フリースペースなど) 次回も続き「資料4 認定NPO法人トナリビト山下氏提出資料」からです。 |



