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科学技術部会(第6回) [2024年06月29日(Sat)]
科学技術部会(第6回)(令和6年5月22日)
【 議 題 】 1.審議事項 令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)について 2.報告事項 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく研 究機関に対する機動調査の結果について 3.その他 令和7年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて
科学技術部会(第6回)|こども家庭庁 (cfa.go.jp)
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kagaku_gijutsu/a6ef02ac
◎参考資料1 こども家庭審議会科学技術部会 委員名簿 →17名。

◎参考資料2 令和6年度こども家庭科学研究事業実施方針   
こども家庭審議会 科学技術部会 令和5年5月 19 日
研究事業名→成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
主管部局・課室名→こども家庭庁成育局母子保健課
庁内関係部局・課室名→成育局成育基盤企画課、支援局虐待防止対策課、支援局家庭福祉課、 支援局障害児支援課
当初予算額(千円)→令和3年度318,545  令和4年度318,545 令和5年度 371,000
T 実施方針の骨子
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標

【背景】→令和5年4月、こども施策を総合的に推進することを目的とするこども基本法が施行された。こども基本法において「こども施策」とは、次に掲げる施策その他のこどもに関する施策及びこれと一体的に講ずべき施策を指している。⇒ 1 新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援。 2 子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、 出産、育児等の各段階に応じて行われる支援。 3 家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備 こども基本法の基本理念にのっとり、国はこども施策を総合的に策定し、および実施 する責務を有することから、こども施策を科学的な観点から検討し、推進していく必要がある。また「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」、「母子保健法」、「児童 福祉法」等の趣旨も踏まえて、こども施策の科学的基盤を構築していく必要がある。
本研究事業は、これまでの厚生労働科学研究成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業を組み替え、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」に基づいて、全てのこどもの健やかな発達・成長、及び Well-being の向上に向けて、妊娠前から、妊娠・出産、 新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程において、良質かつ適切な保健、医療、福祉等を提供するための調査及び研 究を実施するものである。 【事業目標】 生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、乳幼児期、学童・思春期、若年成人期、そしてま た生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題や、各ステージに共通 する課題を明らかにする。またこれらの課題に対して、こども家庭庁が目指す、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国の社会の真ん中に 据える「こどもまんなか社会」の実現に向けて、健やかな成長を社会全体で後押しする ための保健、医療、福祉等のより幅広い関係分野での科学的な研究を推進する。
【研究のスコープ】以下に挙げる保健、医療、福祉等に関する研究を実施する。↓
<こどもの健やかな成長や発達につなげる科学的研究>→健康診査、栄養、多様性に関する事項(低出生体重児、多胎児、外国人、障害児等)、 保育、こどもの障害、CDR(Child Death Review)、虐待等、こどもの健やかな成長や発 達につなげる科学的研究を実施する。
<妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学的研究>→不妊症・不育症、プレコンセプションケア、妊娠、出生前検査、母子感染、出産、産 後のケア、父親支援、育児等、妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援につなげる科 学的研究を実施する。
<こども施策の総合的な推進につなげる科学的研究>→母子保健情報のデジタル化、成育医療等の施策に関するアセスメントの標準化、自治 体支援等のこども施策の横断的な推進につなげる科学的研究を実施する。
【期待されるアウトプット】 こどもの発達、成長を支えるため、妊娠前から、妊娠・出産、新生児期、乳幼児期、 学童期、思春期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程において、 良質かつ適切な保健、医療、福祉等を提供するための科学的根拠を得る。具体例として 以下のようなものが挙げられる。↓
<こどもの健やかな成長や発達につなげる科学研究>→・新生児マススクリーニング検査の体制整備に係る評価・提言の作成 ・低出生体重児の中長期的フォローアップ・支援に関する手引きの作成。
<妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学研究>→・妊産婦の栄養摂取状況の評価に資するツール案の作成 ・産後のケアに関するエビデンスの整理・提言の作成 ・自治体で父親の子育て支援に活用できるプログラムの開発。
<こども施策の総合的な推進につなげる科学研究>→・デジタル化した母子保健情報を利活用する際のマニュアルおよび支援ツールの作成 ・成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(以下「成育 医療等基本方針」という。)に基づく評価指標及び施策の実施状況のモニタリングシ ステムの構築。
【期待されるアウトカム】 こども家庭庁の基本理念及び成育基本法で示された理念のもと、妊娠、出産、子育てのサイクルを通じた切れ目ない支援体制の構築と、成育環境に関わらず全てのこどもが 心身ともに健やかに育まれる社会環境の整備を図り、成育医療等基本方針に基づく施策 の実施状況に関する評価指標(新生児死亡率、全出生数中の低出生体重児の割合、 BMI18.5 未満の 20〜30 歳代の女性の割合、産後1か月時点での産後うつのハイリスク者の割合、こどもを持つ夫の家事・育児関連時間、成育医療等基本方針を踏まえた計画 を策定している市町村数(都道府県数)など)の改善等に繋げていく。

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
【課題名】→低出生体重児の成長・発達評価手法の確立のための研究(令和4年度終了)。 【概要】低出生体重児の発育曲線は身体発育の評価に活用されているが、平成4年から 更新されていなかったため、72 施設の約 9600 名の低出生体重児の身体発育値を収集し、 500g 未満、500g 以上 1000g 未満、1000g 以上 1500g 未満、1500g 以上 2000g 未満、2000g 以上 2500g 未満の5グループの発育曲線を作成し、また、その利用のための手引きを策定した。 【成果の活用】低出生体重児の発育の現状値に関する目安として、低出生体重児の発育 の見通しを立てる上で参考になるほか、保健指導や異常の早期発見に資することが期待 される。
【課題名】→HTLV-1 母子感染対策および支援体制の課題の検討と対策に関する研究(令和 4年終了) 【概要】これまでの厚生労働科学研究及び本研究により、3 か月以下の短期授乳であれ ば、完全人工乳と比較して児の感染率は上昇しないこと、一方で、適切な授乳支援がな ければ約 20%の産婦が人工乳に移行できないことが推測されたこと、完全人工乳を選 択した産婦を含めた心理的なサポートが必要であることを明らかにした。そしてこれら を踏まえて、「HTLV-1 母子感染予防対策マニュアル」を改訂した。 【成果の活用】作成されたマニュアル及び付録の動画コンテンツなどの研修資材を活用 して、HTLV-1 キャリア妊婦等に対する意思決定支援、心理的サポートを伴走的に実施で きる体制が整備されることが期待される。
【課題名】→成育基本法を地域格差なく継続的に社会実装するための研究(令和5年度継 続中) 【概要】「成育医療等基本方針」に基づいて、成育医療等の施策の実施状況等を客観的に 検討・評価するための指標や目標値の検討、指標の評価システムの開発と、評価システ ムを用いた指標及び実施状況のモニタリングを行った。 【成果の活用】成育医療等基本方針の改訂に際して、成育協議会等における議論のため に活用されるとともに、成育医療等基本方針に基づく評価指標の設定に活用された。そ して令和5年3月 31 日に通知「成育医療等基本方針に基づく評価指標及び計画策定指 針について」が発出された。 2 令和6年度に推進する研究課題 (1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び 期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案)
【課題名】→先天性代謝異常等検査の体制整備のための研究 【概要】わが国の先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)は 20 疾患 が対象となっているが、近年、関係学会等から対象疾患群の追加の必要性を指摘されている。新たな検査法や疾患群の追加するために、疾患の選定基準に加えて、検査や 診療の体制や精度管理、遺伝カウンセリングの必要性等の倫理的・社会的課題への対応等に関する調査研究をさらに推進する必要がある。 【成果の活用】追加の必要性が指摘されている対象疾患群に係る検査体制、診療体制、 精度管理、遺伝カウンセリング等のサポート体制等の地域における整備状況の把握や 費用対効果の評価、倫理的課題の検討のために活用される。
【課題名】→母子保健情報のデジタル化とデータの利活用を推進するための研究 【概要】母子保健情報の発生から利活用までのプロセスや、医療機関のカルテ等の情報との連結、個人情報保護法に係る適切な対応、データ規格の標準化の推進等、母子保健情報のデジタル化の推進にあたってのさまざまな課題の把握とその解決策の検討を行う。特に、母子保健情報を電子化することによる自治体業務の効率化や情報の利活用等の促進を阻害する要因の解明とその対応策の検討を早急に実施する必要がある。【成果の活用】本研究の成果を用いて、母子保健情報のデジタル化に向け、医療機関や 自治体等における各プロセスの課題への対応策を検討する。
【課題名】→低年齢児保育が子どもの発達等に及ぼす効果・影響の解明のための研究 【概要】3歳未満の保育所等利用児童数が増加するなか、低年齢からの保育所等における保育の経験とこどもの健康や発達との関係について、実証的なデータに基づく検討が必要である。本研究では、保育の質・量(保育時間・開始時期等)、家庭環境等の多様な要因とこどもの発達等について、日本の実情に即した調査のツールや手法を開発し、就学以降の中長期的な視点も含めた保育の効果・影響を検討する。これまで先行 研究の知見を収集・整理してきたが、今後はそれらを踏まえて実証的なデータを用いた詳細な分析をさらに推進する必要がある。 【成果の活用】本研究で収集・蓄積されたエビデンスを活用して、保育所等の保育において、こどもの健全な発達を保障するために求められる保育士等の専門性や保育環境の向上・改善に向けた検討を行う。

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政 策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案)
【課題名】→身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健や かな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究 【概要】成育医療等基本方針において、「乳幼児期から成人期に至るまでの期間におい てバイオサイコソーシャルの観点(身体的・精神的・社会的な観点)から切れ目なく包 括的に支援するため、個々人の成長特性に応じた健診の頻度や評価項目に関する課題抽 出やガイドライン作成等の方策を検討する。」こととされており、身体的・精神的・社会 的な観点からの健康課題の抽出及び課題への対応策の検討を行う。 【成果の活用】乳幼児期、学童期及び思春期における保健施策に向けた健康課題の抽出 及び課題に対する検討、特に、乳幼児健診の充実に資するエビデンスの収集・評価・提 言を踏まえて、乳幼児、学童及び思春期の保健施策に活用する。
【課題名】→社会状況等に合わせた、適切な妊婦健康診査、産婦健康診査の推進のための研究 【概要】妊婦健康診査は、「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」(平成 27 年 3月 31 日厚生労働省告示第 226 号)において、14 回程度の受診が定められているが、 実際にはその基準外の検査や検査回数が行われていることもある。一方で、ハイリスク妊婦の増加、オンライン診療の普及、分娩施設の集約化などの社会の変化や、リスク評 価の向上や治療法の開発などの医療の発展など、妊婦、産婦をとりまく環境は大きく変 化している。本研究では、現在の社会や医療の状況に合わせた、妊婦健診及び産婦健診 の推進方策を検討する。 【成果の活用】エビデンスに基づいた提言を踏まえて、妊婦健診・産婦健診の質の向上 や実施方法などの見直しに活用する。
【課題名】→成育医療等基本方針に基づく地域の特性に応じた施策の推進の充実を図るた めの研究 【概要】令和5年3月に閣議決定された「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推 進に関する基本的な方針」において、PDCA サイクルに基づく取組を推進するため、施策 の実施状況等の評価に資する評価指標を作成するとともに、地域公共団体における、基 本方針を踏まえた計画の策定・実施等の取組を支援することとされている。また、評価 指標については、今後、こども家庭庁の審議会において、定期的に評価を行っていく。 本研究では、成育医療等基本方針に基づく評価指標や計画に関する実態調査、分析や、 新たな評価指標や目標値の検討、評価方法の開発を行う。 【成果の活用】都道府県、市町村が策定する成育医療等基本方針に基づく計画について、 現状・課題の把握及び今後の計画策定に資する提言の作成。
【課題名】→知的障害・発達障害児とその家族の QOL を維持する支援体制整備に向けた研 究 【概要】知的障害・発達障害児について、その障害の特性とメンタルヘルスの問題等から生じる適応困難に適切に対応されなかった場合、青年期以降の社会生活に広範で深刻な影響(例えば、強度行動障害の状態を有する等)を及ぼすことが指摘されている。 本研究では、乳幼児期や学童期から、こどもと家族の個別性に応じて多領域・多職種が連 携して支援する体制を構築するために、知的障害・発達障害児の青年期以降の QOL の維 持・低下要因を明らかにするとともに、必要となる支援のタイミングと内容を明らかに する。 【成果の活用】自治体の地域特性に応じて、知的障害・発達障害児とその家族の QOL を 維持するための多領域・多職種連携による支援体制整備を構築するための基礎資料(ス タートアップマニュアル等)を作成する。
【課題名】児童虐待に対する予防的施策を社会実装するための研究 【概要】児童福祉法改正により、地方自治体の児童虐待に対する予防的施策が整備され ることが期待されている。しかし、これらの事業内容となるプログラムのエビデンスは 国内外のいくつかの先行研究で示されているが、体系的な整理はされていないため、自 治体は事業の整備・実装にあたって限定的な情報で独自に検討・判断をせざるを得ない 状況にある。 本研究では、社会実装の枠組みを用いて複数の自治体と協働して児童福祉分野のサービス提供体制の分析、導入、評価等を行い、自治体における事業の有効性や実効性の系 統的な改善を目指し、社会実装の効果的な推進方策を明らかにする。 【成果の活用】社会実装に向けた有効かつ効率的な整備、導入の方法や職員研修方法、 対象家庭の適用判断基準等について提示することができる。さらに、関連指針等の改定 に反映するとともに、自治体の意思決定に対する情報支援体制の構築方策を検討することを目指す。


U 参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、 成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係
→・「経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ〜課題解決を成長のエンジ ンに変え、持続可能な経済を実現〜(骨太方針 2022)」(令和4年6月7日閣議決定)において、こども家庭庁を創設し、こども政策を推進する体制の強化を図り、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていくこと、結婚、妊娠・出産、子育てのライフステージに応じた総合的な取組の推進、 妊娠前から妊娠・出産、子育て期にわたる切れ目ない支援の充実、妊娠・出産支援とし て、不妊症・不育症支援やデジタル相談の活用を含む妊産婦支援・産後ケアの推進、流産・死産等を経験された方への支援、予防のためのこどもの死亡検証(CDR)の検討、 児童虐待防止対策の更なる強化、医療的ケア児を含む障害児に対する支援等に取り組む こととされている。 ・「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」において、 母子保健情報のデジタル化等による健康管理の充実や事業の質の向上、NIPT等の出 生前検査に係る適切な情報発信、産後ケア事業の全国展開や更なる取組の推進、性と健 康の相談センター等によるプレコンセプションケアの推進、こども家庭センター等によ る子育て世帯への支援体制強化、伴走型相談支援と経済的支援を一体的に実施する事業 の定着と充実、「健やか親子21」(基本方針に基づく国民運動)による普及啓発、成育医療等の施策に係る調査研究の推進等が記載されている。
2 他の研究事業(AMED 研究、他省庁研究事業)との関係 AMED 成育疾患克服等総合研究事業においては、特に成育疾患の予防方法・治療方法の 開発に向けた臨床的な観点を中心とした研究が行われている。本研究事業では、それらの成果を踏まえて、成育疾患克服に資する体制の構築などの保健・行政的アプローチを主とする研究を実施している。具体的には、AMED 研究で新生児マススクリーニングに関する検査・治療技術等に係る客観的な評価基準を作成し、本研究事業でその成果を踏ま えた検査・治療体制や倫理的な課題への対応について検討することなどが挙げられる。


◎参考資料3 令和6年度こども家庭科学研究課題一覧
1.こども家庭行政推進調査事業費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 (指定型)→5所属機関あり。「研究課題名」「研究代表者」「所属機関」「開始年度」「終了(予定)年度」あり。
2.こども家庭科学研究費補助金 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業 (一般公募型)→25の所属機関あり。「研究課題名」「研究代表者」「所属機関」「開始年度」「終了(予定)年度」あり。


◎参考資料4 令和6年度AMED成育疾患克服等総合研究事業課題一覧
1.医薬品プロジェクト→4属機関あり。「研究課題名」「研究代表者」「所属機関」「開始年度」「終了(予定)年度」あり。
2.ゲノム・データ基盤プロジェクト→25の所属機関あり。「研究課題名」「研究代表者」「所属機関」「開始年度」「終了(予定)年度」あり。


◎参考資料5 令和6年度こども子育て支援推進調査研究事業公募課題一覧(一次公募)
・(一般会計分)令和6年度 子ども・子育て支援等推進調査研究事業 調査研究課題(一次公募)→1〜42までの多分野あり。
・(年金特別会計分)令和6年度 子ども・子育て支援調査研究事業 調査研究課題(一次公募)→1〜7までの「調査研究」分野あり。

次回は新たに「こども政策推進会議(第3回)」からです。

科学技術部会(第6回) [2024年06月28日(Fri)]
科学技術部会(第6回)(令和6年5月22日)
【 議 題 】 1.審議事項 令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)について 2.報告事項 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく研 究機関に対する機動調査の結果について 3.その他 令和7年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて
科学技術部会(第6回)|こども家庭庁 (cfa.go.jp)
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kagaku_gijutsu/a6ef02ac
◎資料2 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」 に基づく研究機関に対する機動調査の結果について
1.趣旨
→・ こども家庭科学研究費補助金の管理・監査等については、「研究機関に おける公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」(令和5年 6月 12 日こ成母第 100 号こども家庭庁成育局母子保健課長決定。)により、研究機関及び配分機関が講じるべき 事項を定め、遵守を求めている。 ・ また、ガイドライン第7節においては、研究機関の体制整備に関する ガイドラインの実施状況を把握するために、こども家庭庁が履行状況調 査を実施することが求められており、第4回科学技術部会(令和5年 12 月7日)において令和5年度履行状況調査等の実施方針等を定めた。 今般、実施方針を踏まえ機動調査を実施したので、調査結果について報告を行うとともに、体制整備等に不履行があると判断された研究機関に対しては、所要の改善を促すために、管理条件の付与等の措置を講じる。

2.調査対象→実施方針※を踏まえ、厚生労働省における令和5年度履行状況調査におい て、体制整備・運用に不備があると判断された1機関(別紙1)。 ※こども家庭庁の令和5年度履行状況調査においては、厚生労働省において令和5 年度に履行状況調査を実施する機関を除くこととしたが、同時に、厚生労働省において、体制整備・運用に不備があると判断された場合、こども家庭庁は機動調査を行い、所要の改善を促すための管理条件の付与等の措置を講じることを考慮することとした。

3.調査内容→ガイドラインに基づき、研究機関が遵守すべき項目について、調査対象機関に書 面調査を実施した。また、併せて、調査対象機関以外の研究機関における体制整 備に資するため、対象機関における「不正防止のための実効性ある取組事例」の 収集も行った。 第6回こども家庭審議会 科学技術部会 資料2 令和6年5月 22 日 2 ※調査の観点は、体制整備等自己評価チェックリストのチェック項目に対応。

4.調査経過→令和5年 12 月7日:科学技術部会 実施方針の審議・決定⇒ 令和6年3月上旬:調査対象機関に対し書面調査を実施。令和6年3月中旬:回答内容の確認。令和6年3月下旬:対応方針の決定。 令和6年5月 22 日:科学技術部会 調査結果・対応方針の報告。

5.調査経過→・ 書面調査の結果、ガイドライン要請事項のうち、未履行である事項が見られた。 ・ 本調査により収集した「不正防止のための実効性ある取組事例」に関しては、研究機関の規模や特性(大学、施設等機関)に応じ実効性のある取組が見られた。
(主な取組事例) ・ 出張申請を行う際は旅費システムにおいて、各所属長の承認が必要。所属長の承認後、経費管理を行う部署の担当者、役職者の確認が必要となっている。研究者の出張計画の実行状況は、出張後に提出される出張 報告書により、把握、確認している。 ・ 調査結果については、別紙2のとおり。

6.今後の取組→・ 未履行事項については、ガイドラインに基づき、これらの事項を改善事項とし、 ・調査事項(例)※ @最高管理責任者の役割、責任の所在・範囲と権限を定めた内部規程等を整備し、 最高管理責任者に当たる者の職名を機関内外に周知・公表しているか A競争的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員を対象に、コンプライアンス 教育を実施しているか B不正を発生させる要因に対応する具体的な不正防止計画を策定しているか C発注・検収業務については、原則として、事務部門が実施しているか D競争的研究費等の不正への取組に関する機関の方針等を外部に公表しているか E内部監査部門は、不正が発生するリスクに対して、重点的にサンプルを抽出し、 抜き打ちなどを含めたリスクアプローチ監査を実施しているか 3 その履行期限を1年とする管理条件を付与した。 ・ こども家庭庁において、当該履行計画の進捗状況を継続的に確認していくととも に、令和6年度履行状況調査においては、当該機関をフォローアップ調査の対象 とし、管理条件の履行状況について最終的な確認を行う。
○別紙1 機動調査対象機関一覧 →No.1 福岡大学
○別紙2 機動調査結果→「機関名」「総合所見」「主な取組事例」「機関に付与する管理条件(改善事項)」あり。


◎資料3 令和7年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いにつ いて
○こども家庭科学研究とAMED研究の双方に対する、こども家庭庁としての次年度における研究推進の方針を示すものとして、「研究事業実施方針」を定めています。 こども家庭科学研究実施方針については、当部会において審議いただいているところ、令和7年度の実施方針(案)を作成するに当たり、AMED研究事業に対し事前にご意見をいただきます。 ↓


<資料目次>
@ こども家庭科学研究及びAMED研究の審議スケジュールについて
→こども家庭科学研究、AMED研究の審議に当たっては、厚生労働省厚生科学審議会科学技術部会と連携を図っていく
・こども家庭科学研究費 R6予算:3.7億円→事業概要⇒こども家庭科学研究の振興を促し、国民の保健、医療、療 育、福祉、教育分野等に関して、行政施策の科学的な推進を 確保し、技術水準の向上を図るための補助金を交付する。スキーム⇒科学技術部会において決定した研究課題について公募等を行い、研究者等を決定。研究者等に対して、研究に必要な経費の補助を行う。
・AMED研究費 R6予算:5.8億円→事業概要⇒国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が 医療分野研究開発推進計画に基づき、大学等の研究機関の能力を活かして行う医療分野の研究開発の助成等に要する費 用に係る補助金を交付する。スキーム⇒AMED に補助金を交付。 AMEDが研究者等と委託契約を締結し、研究を実施。

A こども家庭科学研究と AMED 研究について
【参考】 令和6年度研究事業実施方針(AMED研究)
(令和5年7月 13 日 科学技術部会決定)
プロジェクト名→ 医薬品プロジェクト、ゲノム・データ基盤プロジェクト
研究事業名→ 成育疾患克服等総合研究事業
主管部局・課室名 →こども家庭庁成育局母子保健課
AMED担当部・課名→ 創薬事業部医薬品研究開発課、ゲノム・データ基盤事業部医療技術 研究開発課

庁内関係部局・課室名→ なし
当初予算額(千円)→ 令和3年度454,263 令和4年度480,196 令和5年度576,235

T 実施方針の骨子
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標 ↓

【背景】 平成 30 年 12 月に、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医 療等を切れ目なく提供するための施策を総合的に推進することを目的とした「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」(成育基本法)が成立し、同法においては、国及び地方公共団体は、成育医療等の提供に関する施策を適正に策定し、及び実施するため、妊娠、出産及び育児に関する問題、成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題等に関する調査及び研究その他の必要な施策を講ずるものとされた。 また、成育基本法に基づく「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」(成育医療等基本方針)(令和5年3月 22 日閣議決定)においては、社会的要因が子どもの健康に及ぼす影響も含め、妊娠・出産・育児に関する問題や成育過程の各段階において生ずる心身の健康に関する問題に対する調査研究を通じて、成育医療等の状況、施策の実施状況やその根拠となるエビデンス、科学的知見等を収集し、その結果を公表・情報発信することにより、政策的対応に向けた検討を行うこととされている。 さらに、令和5年4月1日に施行された「こども基本法」においては、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健 やかに成長することができ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、こども施策を総合的に推進することとされている。 以上のような各種政策を推進するにあたり、こども家庭科学研究が、政策立案等のための基礎資料や科学的根拠を得るための研究、政策の推進や評価に関する研究や、医療以外の分野の技術開発に関する研究を担うことに対し、本研究事業は、各種政策に関係する医 療分野の技術開発に関する研究を担うことが求められている。
【事業目標】 受精・妊娠から胎児期、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、性成熟期、生殖期それぞれのライフステージと、次の世代を創出し育成する一連のサイクルである「成育サイクル」の観点から健康課題克服に向け、病態の解明と予防および治療のための研究開発とその実用化を推進する。
【研究のスコープ】 @ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進→ 成長とともに様々な健康課題や疾病発症に影響することが明らかとなっている低出生体重児や早産児の予防と適切な管理方法の開発を目指す。また、新生児マススクリーニングや乳幼児健診等に臨床応用できる診断技術を開発し、治療・予防可能な疾患に対する先 制医療実現を目指す。さらに、周産期・小児期における疾患を治療・予防可能とする医薬 品の開発に係る臨床試験を推進する。 A 乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・早期介入に向けた評価・診断法の開発→ 我が国の思春期・若年成人の自殺率は他の先進国と比較して高く、また学童期以降は、 医療機関を受診する機会が少ない、という特徴を踏まえ、乳幼児・学童・思春期の健康課題に対しては、身体的・心理的・社会的な観点からの対応が重要。身体的・心理的・ 社会的な観点における健康課題への対応としては、具体的には、困難な状況へ対応する能力を指すレジリエンスの強化、日常におけるストレス評価、発達障害の早期発見、運動・ 栄養・睡眠やゲーム使用等も含む生活習慣への介入、事故予防等、多岐にわたる事項が想定される。これらの健康課題の予防や早期介入ポイントの明確化に寄与する評価・診断法の技術開発を推進する。 B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発→現状では、不妊に対する治療は対症療法のみであるため、男性、女性ともに未だ解明されていない不妊・不育に至るメカニズムの理解を深めるとともに、不妊予防・不妊の状態 を改善する介入方法の開発を推進する。 C ライフコースデータに基づくエビデンス創出→ 多くの疾患や健康課題は、時間経過によって次第に表面化してくるという視点から、ラ イフステージごとや実施主体ごとに蓄積される健康関連データを連携し、胎児期から乳幼児期の環境と母児の予後に関する研究や生殖補助医療を含む周産期医療と児の成長発達に関する研究等、発展的な新規課題の抽出と科学的エビデンスの創出を行う。
【期待されるアウトプット】 成育疾患におけるゲノム情報や研究開発に必要なバイオリソースの収集・提供基盤と連携し、ライフステージを俯瞰した疾患の発症・重症化予防、診断、治療等に資する研究開発を推進するために必要なデータ収集およびエビデンス創出に向けた研究を重点的に取 り組む。  <ゲノム・データ基盤 PJ>→・研究成果の科学誌(IF5以上)への論文掲載件数 84 件。 ・研究成果の科学誌(IF5未満等の他の科学誌)への論文掲載状況(管理指標)。
【期待されるアウトカム】→ <医薬品 PJ> ⇒・研究成果を活用した臨床試験・治験への移行状況(管理指標)。 <ゲノム・データ基盤 PJ>⇒・臨床的に実用可能なバイオマーカー等の開発件数 1件。
周産期臨床研究やデータベースの連携を基盤とした妊娠、出産、育児に関する問題、成育過程の各段階において生ずる身体的・心理的・社会的健康に関する問題等に関する研究 開発を網羅的に推進することによって、エビデンスの蓄積、新たな予防・診断・治療方法 の開発が進展し、成育過程にある者等の QOL の改善につながる。

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進↓

【課題名】→症候性先天性サイトメガロウイルス感染症を対象としたバルガンシクロビル治 療の開発研究(令和元〜5年度)。【概要】症候性先天性サイトメガロウイルス感染症は、聴覚障害、発達遅延等の重い後遺症を残す可能性がある先天性感染症であるが、国内外で適応を持つ治療薬は無かった。本課題ではバルガンシクロビルの有効性及び安全性を検証する医師主導治験を実施し、良好な成績を得た。 【成果の活用】治験成績に基づき PMDA へ承認申請を行い、バルガンシクロビルの症候性 先天性サイトメガロウイルス感染症への適応拡大承認を得た。今後、発見された症候性先 天性サイトメガロウイルス感染症児へバルガンシクロビルが適正使用されることにより、 後遺症が予防されて疾病負荷が軽減し、児と介護する家族の QOL の改善に繋がる。
【課題名】→新生児マススクリーニング対象拡充のための疾患選定基準の確立(令和2〜4 年度) 【概要】近年、関係学会等から新生児マススクリーニングの対象疾患追加の必要性が指摘されている。本課題では対象疾患を選定する基準について検討を行い、米国の対象疾患(RUSP)選定用スコアリング法を、システマティックレビュー及び階層分析法「一対比較」 を用いて日本の実状に適するよう改善し、「日本版 RUSP スコア」を開発した。 【成果の活用】今後、こども家庭庁において、新生児マススクリーニングの対象疾患につ いて議論を行う際に、客観的な評価を行う観点から、「日本版 RUSP スコア」が活用される ことが想定される。新生児マススクリーニングが充実することで、治療可能な重症疾患の 早期の診断・治療につながり、生涯にわたって症状等の発生を予防できることが期待される。
B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発 ↓
【課題名】→不育症、産科異常に関わるネオ・セルフ抗体の研究開発(令和元〜3年度) 【概要】原因不明不育症患者において抗β2GPI/HLA-DR71 抗体(ネオ・セルフ抗体)が高頻度で陽性になることを発見した。また、これまでの遺伝子導入細胞を用いた方法と同程 度の感度でネオ・セルフ抗体を検出できる、ビーズ法による測定系を確立した。 【成果の活用】陽性者へ妊娠前から抗凝固療法を行う新たなプレコンセプションケアの確立が期待できる。ビーズ法による測定系は、より汎用性のある安価な検査法として商品化 が期待される。ネオ・セルフ抗体の不育症病態への関与については令和2年度厚生労働科 学研究費補助金による「不育症管理に関する提言 2021」にも掲載され、最新のエビデン スが不育症ホームページ(http://fuiku.jp)でも発信されている。これら治療・検査方 法の開発と普及啓発活動を通じて、不妊・不育へ早期に対処されるようになり、繰り返し の流産を含む不妊治療期間の短縮と生産率の向上を通じて、親子の QOL の改善に繋がる。

2 令和6年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び 期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組 ↓
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進 ↓

【課題名】→新生児低酸素性虚血性脳症の早期重症度診断法の開発 【概要】新生児低酸素性虚血性脳症は、将来起こる脳障害が重篤と予測される場合には早期に治療を開始する必要がある。治療法として現状では、高度医療機器の導入を要する低体温療法しかなく、小規模な分娩機関でも生まれてすぐに治療開始できる医薬品等の開発が求められている。本課題では診断法開発の過程で低酸素性虚血が重篤な脳障害を起こす本態的な機序を解明したため、これを治療標的とする治療候補薬の有効性を検証する。治療候補薬開発は当初計画の早期重症度診断法開発に含まれていないため増額要求する。 【成果の活用】早期診断法の開発と合わせて、全国で生まれたこどもがどこでもすぐに診 断・治療を受けられるようになることで、生涯にわたり重度の障害をもって就労や結婚を することもなく親が大きな介護負担・経済負担を抱え続ける現状を予防し、こどもと家族 の一生の QOL を向上することを目指す。

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組 ↓
@ 先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進 ↓

【課題名】→周産期・小児期の多施設共同臨床試験推進のための支援・連携機能の開発 【概要】妊婦や小児に関する臨床試験は、1施設当たりの分娩数及び新生児管理数が少な いことから施設単位の臨床試験は限りがある。また近年の分娩数の減少は、臨床試験において特に症例集積を困難にしているが、このような状況においても周産期・小児期の医薬品開発を推進する必要はある。そこで、臨床試験支援機能を既に有している機関において、 多施設共同臨床試験を支援しながら周産期・小児期の臨床試験実施上の課題を特に解決す る支援機能を開発することを推進する。 【成果の活用】1施設当たりの症例数が少ない周産期・小児期の臨床試験を実施可能とするための支援機能は、開発した機関のみならず、他の臨床研究中核病院等においても用いられ、日本全体での周産期・小児期の臨床試験実施を推進し、医薬品開発の進展に寄与す ることを通じて、母子の将来の疾病負荷を軽減することが期待される。
【課題名】→周産期・小児期の医薬品開発に係る医師主導治験、特定臨床研究等の研究 【概要】妊婦や小児に関する臨床試験は、利益やリスクの問題から民間企業が参入しにく い状況。そのため周産期・小児期に特有の疾患に対する医薬品の開発や、妊婦や小児への使用にあたり特段の配慮を要する医薬品の使用法の開発を推進する必要がある。特に国内未承認の有効成分を含有する医薬品又は国内既承認の医薬品の新たな効能・効果等 での薬事承認を目指した研究を推進する。 【成果の活用】母子の将来の疾病負荷を軽減するための医薬品の開発により、母子感染症、 乳幼児期の障害、学童期・思春期における疾病が早期に治療・予防可能となることが期待される。
【課題名】→周産期・新生児・乳幼児期の疾患等に対する臨床研究開発 【概要】周産期・小児期の疾患や、疾患に類する妊婦・新生児・乳幼児の健康リスク(早産、分娩困難、低出生体重児、発育発達遅延等)は、適切なモニタリングに基づく管理と 早期の介入によって発症・悪化を防ぎ、母子の生涯にわたる生活の質の向上が期待できるものも多い。また、母子保健を含む医療・健康施策のデジタル化が進む中で、こうした新たな環境に対応可能な技術開発の重要性も増してきている。本課題では先制医療実現を目指し、胎児モニタリング技術、分娩管理技術、新生児マススクリーニング法、精密医療に資する診断技術等の臨床研究を推進する。【成果の活用】周産期・小児期の疾患等を治療・予防可能とする医薬品以外の技術開発により、先制医療を実現し、母子の生涯にわたる QOL の向上が期待される。
A 乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な早期介入に向けた評価・診断法の開発 ↓
【課題名】→発達障害等の早期診断に資する技術開発【概要】文部科学省が「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果(令和4年 12 月)」に示した通り、学習面、行動面で著しい困難を示すとされた神経発達症を疑わせる児童生徒はこの 10 年でも増加している。神経発達症をはじ めとする発達障害等に係る疾患を早期に診断し、適切な支援に繋げる事は、こどもの健や かな発達のために重要である。本課題では、こどもたちの社会適応・自立生活に向けて個 人の脳機能の特徴に合った早期介入を受けることができるよう、神経発達・認知機能の特 徴を明らかにし、生活の質を高める方略につながる研究を推進する。 【成果の活用】こども個人の脳機能の特徴を早期に明らかにし、療育等の適切な支援に繋げる事で、こどもの生涯の QOL を改善することが期待される。
B 不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発 ↓
【課題名】→生殖補助医療の質向上に資する検査・治療法の研究開発 【概要】本邦の生殖補助医療(ART)出生児数は令和元年度には 6.1 万人となり、不妊治療のみならず少子化対策の重要方策として位置づけられるようになってきた。しかし、ART の治療方法は多様であり、また生殖を人工的に行う特殊な医療行為であることから、安全性を維持・改善することが重要である。本課題では、生殖補助医療技術の有効性・安全性 に関するエビデンスを創出し、不妊治療の検査・治療法の確立および不育症に関する診 断・治療法の開発を行う。 【成果の活用】生殖補助医療および不育症に関する研究開発により、不妊症、不育症のメカニズムや要因を明らかにし、効果的な診断・治療に繋がる。これらの成果は、不妊症な ど身体的な要因をもつ夫婦等に対する助けとなり、希望する誰もがこどもを持てる社会の 実現に寄与することが期待される。
C ライフコースデータに基づくエビデンス創出 ↓
【課題名】→周産期・小児期の臨床課題解決に向けたライフコースデータのリンケージ・連携技術開発 【概要】本邦にはライフステージごとや実施主体ごとに多くの健康関連データが蓄積されているが、周産期環境と児の長期予後との関連性等といったライフコースを通じた課題を解決するためには、それらの健康関連データを医療データ・非医療データともにリンケージする必要がある。エビデンス創出のために利活用しやすいリンケージデータベースを構築し、周産期・小児期における発展的な新規課題の抽出および課題解決に向けた科学的エビデンスの創出を行う。 【成果の活用】周産期領域から始まるライフコースにおける自然歴や問題点、介入ポイン トを把握することができ、周産期・小児期における対策の基礎資料として活用できる。

U 参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、 成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係
【経済財政運営と改革の基本方針 2023 加速する新しい資本主義 〜未来への投資の拡 大と構造的賃上げの実現〜(令和5年6月 16 日閣議決定)】
→・急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会システムを維持することは難しく、次元の異なる少子化対策として、「こども未来戦略方針」に基づき、 全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援するなどの基本理念を踏まえた抜本的な政策の強化を図る、とされた。具体的には、新生児マススクリーニング、新生児聴覚検査、乳幼児健診を始めとする母子保健対策の推進、予防のためのこどもの死亡検証(CDR)など、産前産後の支援を充実するとともに、こどもが安全・安心に成長できる環境の構築、 こどもの自殺対策の強化、いじめ防止対策の推進、若年妊婦の支援に取り組むとされている。
【健康医療戦略(令和2年3月 27 日閣議決定)】→・2040 年の人口動態を見据え、現在及び将来の我が国において社会課題となる疾患分野 に係る研究開発を戦略的・体系的に推進する観点から、成育領域等については、具体的な 疾患に関して統合プロジェクトにまたがる研究課題間の連携が常時十分に確保されるよう運用するとともに、統合プロジェクトとは別に、予算規模や研究開発の状況等を把握・検証し、対外的に明らかにするほか、関係府省において事業の検討等の参考にすることと された。
【「こども未来戦略方針」〜次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」 の策定に向けて〜(令和5年6月 13 日閣議決定)】→・2022 年度から保険適用された不妊治療について、推進に向けた課題を整理、検討する こととされている。

2 他の研究事業(厚生労働科学研究、AMED内、他省庁研究事業)との関係→・AMED 研究事業である成育疾患克服等総合研究事業においては、特に臨床的な成育疾患の予防方法・治療方法開発についての研究を推進している。一方、こども家庭科学研究費補助金で実施する成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業では成育疾患克服のための体制作りや倫理的な課題など保健・行政的アプローチを主としており、相補的な連携関係にある。 ・AMED が実施する女性の健康の包括的支援実用化研究事業では性成熟期、更年期または 老年期など生涯を通じた女性の健康課題についての病態の解明と予防及び治療開発とその実用化を目的としている。一方、成育疾患克服等総合研究事業においては、受精・妊娠に始まり、胎児期、新生児期、乳児期、学童期、思春期までのライフステージに応じた健康課題克服、また、生殖補助医療・母胎疾患・分娩等に関する病態解明、診断・治療技術の開発、実用化にフォーカスをおいている。 ・AMED 成育疾患克服等総合研究事業で打ち出された「ライフステージに応じた健康課題 の克服」という構想に基づいて立案された、文科省所掌の革新的先端研究開発事業の新規研究開発目標「健康・医療の質の向上に向けた早期ライフステージにおける分子生命現象 の解明」(早期ライフステージ)が平成 31 年度に設定されることとなった。本戦略目標に 基づき運営される AMED-CREST、PRIME と適切に連携することにより、各事業から創出される成果の最大化を目指すことになった。

次回も続き「参考資料1」からです。

科学技術部会(第6回) [2024年06月27日(Thu)]
科学技術部会(第6回)(令和6年5月22日)
【 議 題 】 1.審議事項 令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)について 2.報告事項 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく研 究機関に対する機動調査の結果について 3.その他 令和7年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて
科学技術部会(第6回)|こども家庭庁 (cfa.go.jp)
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kagaku_gijutsu/a6ef02ac
◎資料1‐1 令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)
令和6年5月 22 日  こども家庭審議会  科学技術部会 
研究事業名→ 成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業
主管部局・課室名→こども家庭庁成育局母子保健課
庁内関係部局・課室名→成育局成育基盤企画課、支援局虐待防止対策課、支援局家庭福祉課、 支援局障害児支援課
当初予算額(千円)→ 令和4年度318,545 令和5年度371,000 令和6年度371,000

T 実施方針の骨子
1 研究事業の概要
(1)研究事業の目的・目標 ↓
【背景】
→令和5年4月、こども施策を総合的に推進することを目的とするこども基本法が施行 された。こども基本法において「こども施策」とは、次に掲げる施策その他のこどもに 関する施策及びこれと一体的に講ずべき施策を指している。⇒1 新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援。 2 子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、 出産、育児等の各段階に応じて行われる支援。 3 家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備 。
こども基本法の基本理念にのっとり、国はこども施策を総合的に策定し、および実施する責務を有することから、こども施策を科学的な観点から検討し、推進していく必要がある。また「成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律」、「母子保健法」、「児童福祉法」等の趣旨も踏まえて、こども施策の科学的基盤を構築していく必要がある。
本研究事業は、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」に基づいて、全ての こどもの健やかな発達・成長、及び Well-being の向上に向けて、妊娠前から、妊娠・出 産、新生児期、乳幼児期、学童期、思春期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの 一連の成長過程において、良質かつ適切な保健、医療、福祉等を提供するための調査及 び研究を実施するものである。
【事業目標】→ 生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、乳幼児期、学童・思春期、若年成人期、そしてま た生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題や、各ステージに共通 する課題を明らかにする。またこれらの課題に対して、こども家庭庁が目指す、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国の社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」の実現に向けて、健やかな成長を社会全体で後押しするための保健、医療、福祉等のより幅広い関係分野での科学的な研究を推進する。
【研究のスコープ】→以下に挙げる保健、医療、福祉等に関する研究を実施する。↓
<こどもの健やかな成長や発達につなげる科学的研究>→ 健康診査、栄養、多様性に関する事項(低出生体重児、多胎児、外国人、障害児等)、保育、こどもの障害、CDR(Child Death Review)、虐待等、こどもの健やかな成長や発 達につなげる科学的研究を実施。
<妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学的研究>→ 不妊症・不育症、プレコンセプションケア※、妊娠、出生前検査、母子感染、出産、産 後のケア、父親支援、育児等、妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援につなげる科 学的研究を実施。 ※男女ともに性や妊娠に関する正しい知識を身に付け、健康管理を行うように促すこと。
<こども施策の総合的な推進につなげる科学的研究>→こども施策のデジタル化、成育医療等の施策に関するアセスメントの標準化、自治体支援等のこども施策の横断的な推進につなげる科学的研究を実施する。
【期待されるアウトプット】→こどもの発達、成長を支えるため、妊娠前から、妊娠・出産、新生児期、乳幼児期、 学童期、思春期、青年期の各段階を経て、大人になるまでの一連の成長過程において、良質かつ適切な保健、医療、福祉等を提供するための科学的根拠を得る。具体例として 以下のようなものが挙げられる。 ↓
<こどもの健やかな成長や発達につなげる科学研究>→ ・新生児マススクリーニング検査の体制整備に係る評価・提言の作成  ・低出生体重児の中長期的フォローアップ・支援に関する手引きの作成 。
<妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学研究>→・妊産婦の栄養摂取状況の評価に資するツール案の作成。 ・産後のケアに関するエビデンスの整理・提言の作成。 ・自治体で父親の子育て支援に活用できるプログラムの開発。
<こども施策の総合的な推進につなげる科学研究>→・デジタル化した母子保健情報を利活用する際のマニュアルおよび支援ツールの作成。 ・成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針(以下「成育医療等基本方針」という。)に基づく評価指標及び施策の実施状況のモニタリングシ ステムの構築 。
【期待されるアウトカム】→こども家庭庁の基本理念及び成育基本法で示された理念のもと、妊娠、出産、子育てのサイクルを通じた切れ目ない支援体制の構築と、成育環境に関わらず全てのこどもが心身ともに健やかに育まれる社会環境の整備を図り、成育医療等基本方針に基づく施策の実施状況に関する評価指標(新生児死亡率、全出生数中の低出生体重児の割合、 BMI18.5 未満の20〜30 歳代の女性の割合、産後1か月時点での産後うつのハイリスク者の割合、こどもを持つ夫の家事・育児関連時間、成育医療等基本方針を踏まえた計画を策定している市町村数(都道府県数))の改善等に繋げていく。

(2)これまでの研究成果の概要、及び政策等への活用又は実用化に向けた取組 ↓
【課題名】→成育基本法を地域格差なく継続的に社会実装するための研究(令和5年度終了)。【概要】「成育医療等基本方針」に基づいて、成育医療等の施策の実施状況等を客観的に 検討・評価するための指標や目標値の検討、指標の評価システムの開発と、評価システムを用いた指標及び実施状況のモニタリングを行った。【成果の活用】成育医療等基本方針の改訂に際して、成育協議会等における議論のため に活用されるとともに、成育医療等基本方針に基づく評価指標の設定に活用された。そして令和5年3月 31 日に通知「成育医療等基本方針に基づく評価指標及び計画策定指 針について」が発出され、令和5年度には、当該評価指標を踏まえつつ、自治体におい て成育医療等基本方針に基づく計画の策定が進められた。
【課題名】→身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やか な成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための社会実装化研究(令和5年度終了)。【概要】こども家庭科学研究の3研究班合同で乳幼児健康診査の更なる標準化について 検討し、1か月児健康診査および5歳児健康診査の問診票案および健康診査票案を含めた「乳幼児健診拡充に向けた提言」をとりまとめ、こども家庭審議会成育医療等分科会において参考人として資料を提出した。また、令和5年度予算において補助事業として創設された5歳児健康診査の実施に当たり参考となる「5歳児健康診査マニュアル」を作成した。【成果の活用】市区町村における5歳児健康診査の実施に向けた体制整備や医師の診察 に、5歳児健康診査マニュアルを活用いただく。
【課題名】→乳幼児の発育・発達、栄養状態の簡易な評価手法の検討に関する研究(令和 5年度終了)【概要】乳幼児身体発育調査について、自治体の負担軽減を図りつつ、十分な精度を確 保して実施するため、調査人数、標本抽出方法及び調査票内容等を検討するとともに、 計測方法の標準化に向けた動画等を作成した。 【成果の活用】得られた知見を踏まえ、乳幼児身体発育調査が実施された。

2 令和7年度に推進する研究課題
(1)継続研究課題のうち優先的に推進する研究課題(増額要求等する課題)の概要、及び 期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案) ↓

【課題名】→身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健や かな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究 【概要】成育医療等基本方針において、「乳幼児期から成人期に至るまでの期間におい てバイオサイコソーシャルの観点(身体的・精神的・社会的な観点)から切れ目なく包 括的に支援するため、個々人の成長特性に応じた健診の頻度や評価項目に関する課題抽 出やガイドライン作成等の方策を検討する。」こととされており、身体的・精神的・社会的な観点からの健康課題の抽出及び課題への対応策の検討を行う。【成果の活用】乳幼児期、学童期及び思春期における保健施策に向けた健康課題の抽出 及び課題に対する検討、特に、乳幼児健診の充実に資するエビデンスの収集・評価・提言を踏まえて、乳幼児、学童及び思春期の保健施策に活用する。 【課題名】先天性代謝異常等検査の体制整備のための研究 【概要】わが国の先天性代謝異常等検査(新生児マススクリーニング検査)は 20 疾患 が対象となっているが、近年、関係学会等から対象疾患群の追加の必要性を指摘され ている。新たな検査法や疾患群の追加するために、疾患の選定基準に加えて、検査や 診療の体制や精度管理、遺伝カウンセリングの必要性等の倫理的・社会的課題への対 応等に関する調査研究をさらに推進する必要がある。 【成果の活用】追加の必要性が指摘されている対象疾患群に係る検査体制、診療体制、 精度管理、遺伝カウンセリング等のサポート体制等の地域における整備状況の把握や 費用対効果の評価、倫理的課題の検討のために活用される。
【課題名】科学的根拠に基づく身体的・心理的な産後のケアの効果的な実施を推進するための研究 【概要】産後の身体的ケアや心理的ケア等に関する文献レビューや市町村へのヒアリン グ等を踏まえ、科学的根拠に基づく産後ケアに関するプログラムやリーフレットを作 成する。 【成果の活用】産後ケアを実施する市町村で参考にしていただき、産後ケアの標準化や 質の担保に向け、活用する。
【課題名】母子保健情報のデジタル化とデータの利活用を推進するための研究 【概要】母子保健情報の発生から利活用までのプロセスや、医療機関のカルテ等の情報 との連結、個人情報保護法に係る適切な対応、データ規格の標準化の推進等、母子保 健情報のデジタル化の推進にあたってのさまざまな課題の把握とその解決策の検討 を行う。特に、母子保健情報を電子化することによる自治体業務の効率化や情報の利 活用等の促進を阻害する要因の解明とその対応策の検討を早急に実施する必要があ る。 【成果の活用】本研究の成果を用いて、母子保健情報のデジタル化に向け、医療機関や 自治体等における各プロセスの課題への対応策を検討する。

(2)新規研究課題として優先的に推進する研究課題の概要、及び期待される研究成果の政策等への活用又は実用化に向けた取組(現時点の案) ↓
【課題名】→保育所等における感染症対策の推進のための研究 【概要】乳幼児期の感染症及び保育所等の集団保育を行う施設における感染拡大防止対策に関する近年の科学的知見のレビュー等を行い、保育所等における感染症対策の現状と課題の把握を踏まえ、「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しに向けた具体的な提案を行う。 【成果の活用】こどもの健康管理と集団生活の場における感染拡大防止、また保育所の 実情に即した対応の充実・促進のための取組に活用する。
【課題名】→知的障害・発達障害児の強度行動障害の予防や出現時の早期対応の支援の促 進に関する研究 【概要】知的障害・発達障害児の強度行動障害の発現を未然に防ぐことや、出現時に早 期に対応することを目的とし、強度行動障害の状態を評価する指標の検証及び、発現早 期に対応する手法の開発及び人材育成の方法の提案を行う。【成果の活用】令和9年度障害福祉サービス等報酬改定における強度行動障害を有する児への支援の評価の見直しに活用する。
【課題名】→母子を取り巻く環境の変化等を踏まえた授乳・離乳の支援に関する研究 【概要】国内における乳幼児の栄養・食生活に関する既存データの整理・再解析を行うとともに、諸外国における乳幼児の栄養・食生活に関する調査についての情報(適正な標本抽出等の調査手法を含む。)を収集し、乳幼児栄養調査の効率的な調査手法等の検討を行う。また、乳幼児栄養調査の実施後、調査結果の分析・検証等を行い、乳幼児の 栄養・食生活の支援に資する提言を行う。【成果の活用】乳幼児栄養調査の実施に向けた基礎資料及び乳幼児栄養調査計画の基礎 資料とする。また、乳幼児の保健指導・栄養指導において得られた成果を活用する。
【課題名】こども家庭センター(母子保健機能)が母子保健事業を行う際に活用できる資材等を充実するための研究 【概要】令和6年4月より努力義務となった、市町村における児童福祉及び母子保健に 関し包括的な支援を行うこども家庭センターの設置後も、引き続き、母子保健事業を推 進していくために、センターの母子保健機能で活用するための資材等を把握した上で、作成し、既存の資材の整理等と合わせ、提供する。【成果の活用】センターの母子保健機能における母子保健事業において活用いただく。

U 参考
1 研究事業と各戦略(新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ、 成長戦略、骨太方針、統合イノベーション戦略、健康・医療戦略)との関係 ↓

・「経済財政運営と改革の基本方針 2022 新しい資本主義へ〜課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現〜(骨太方針 2022)」(令和4年6月7日閣議決定)において、こども家庭庁を創設し、こども政策を推進する体制の強化を図り、常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えていくこと、結婚、妊娠・出産、子育てのライフステージに応じた総合的な取組の推進、 妊娠前から妊娠・出産、子育て期にわたる切れ目ない支援の充実、妊娠・出産支援として、不妊症・不育症支援やデジタル相談の活用を含む妊産婦支援・産後ケアの推進、流産・死産等を経験された方への支援、予防のためのこどもの死亡検証(CDR)の検討、 児童虐待防止対策の更なる強化、医療的ケア児を含む障害児に対する支援等に取り組むこととされている。
・「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」において、 母子保健情報のデジタル化等による健康管理の充実や事業の質の向上、NIPT等の出生前検査に係る適切な情報発信、産後ケア事業の全国展開や更なる取組の推進、性と健康の相談センター等によるプレコンセプションケアの推進、こども家庭センター等による子育て世帯への支援体制強化、伴走型相談支援と経済的支援を一体的に実施する事業の定着と充実、「健やか親子21」(基本方針に基づく国民運動)による普及啓発、成育医療等の施策に係る調査研究の推進等が記載されている。
・「こども大綱」(令和5年 12 月 22 日閣議決定)において、行政が中長期的な視野に立って優先順位等を付けた上で施策課題について研究テーマを提起し大学・研究機関等の創意工夫を活かす調査研究等を推進することとされている。

2 他の研究事業(AMED 研究、他省庁研究事業)との関係→AMED 成育疾患克服等総合研究事業においては、特に成育疾患の予防方法・治療方法の開発に向けた臨床的な観点を中心とした研究が行われている。本研究事業では、それらの成果を踏まえて、成育疾患克服に資する体制の構築などの保健・行政的アプローチを主とする研究を実施している。具体的には、AMED 研究で新生児マススクリーニングに関する検査・治療技術等に係る客観的な評価基準を作成し、本研究事業でその成果を踏まえた検査・治療体制や倫理的な課題への対応について検討することなどが挙げられる。


◎資料1‐2 令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)の概要
○成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業   令和6年度予算額 371,000千円
・事業概要(背景・目的)
→令和5年4月に施行されたこども基本法に定められるこども施策を推進するため、生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、 乳幼児期、学童・思春期、若年成人期、そしてまた生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題等を 明らかにし、健やかな成長を社会全体で後押しするための保健、医療、福祉などの幅広い関係分野での研究を推進する。
○令和7年度概算要求のポイント↓
・こどもの健やかな成長や発達につなげる科学研究→【新規】保育所等における感染症対策の推進のための研究 【継続】身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)で乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュ レーションアプローチで切れ目なく支援するための研究 【継続】先天性代謝異常等検査の体制整備のための研究
・ 妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学研究→【新規】母子を取り巻く環境の変化等を踏まえた授乳・離乳の支援に関する研究 【継続】科学的根拠に基づく身体的・心理的な産後のケアの効果的な実施を推進するための研究
・ こども施策の総合的な推進につなげる科学研究 【新規】こども家庭センター(母子保健機能)が母子保健事業を行う際に活用できる資材等を充実するための研究 【継続】母子保健情報のデジタル化とデータの利活用を推進するための研究
○これまでの成果概要等→・成育医療等の施策の実施状況等を客観的に検討・評価するための指標や目標値の検討、指標の評価システムの開発と、指標及び実施状況のモニタリングを実施。研究成果を踏まえ、令和5年3月に通知「成育医療等基本方針に基づく評 価指標及び計画策定指針について」が発出され、令和5年度には自治体の計画策定につながった(令和3〜5年度)。 ・3研究班合同で乳幼児健康診査の更なる標準化について検討し、「乳幼児健診拡充に向けた提言」をとりまとめ、成 育医療等分科会に提出。また、「5歳児健康診査マニュアル」を作成。(令和3〜5年度)。 ・乳幼児身体発育調査について、自治体の負担軽減を図りつつ、十分な精度を確保して実施するため、調査人数、標本 抽出方法及び調査票内容等を検討するとともに、計測方法の標準化に向けた動画等を作成。(令和3〜5年度)。

○令和7年度新規研究課題の具体的な研究内容等↓
1.こどもの健やかな成長や発達につなげる科学研究→健康診査、栄養、多様性に関する事項(低出生体重児、多胎児、外国人、障害児等)、保育、こどもの障害、 CDR(Child Death Review)、虐待等、こどもの健やかな成長や発達につなげる科学研究を実施。
・令和7年度新規研究課題案
→保育所等における感染症対策の推進のための研究。知的障害・発達障害児の強度行動障害の予防や出現時の早期対応の支援の促進に関する研究 等
2.妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学研究→不妊症・不育症、プレコンセプションケア、妊娠、出生前検査、母子感染、出産、産後のケア、父親支援、育児 等、妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学研究を実施。
・令和7年度新規研究課題案
→母子を取り巻く環境の変化等を踏まえた授乳・離乳の支援に関する研究。 (再掲)知的障害・発達障害児の強度行動障害の予防や出現時の早期対応の支援の促進に関する研究 等。

3.こども施策の総合的な推進につなげる科学研究→こども施策のデジタル化、成育医療等の施策に関するアセスメントの標準化、自治体支援等のこども施策の総合 的な推進につなげる科学研究を実施。
・令和7年度新規研究課題案
→こども家庭センタ(母子保健機能)が母子保健事業を行う際に活用できる資材等を充実するための研究 等

次回も続き「資料2 「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」 に基づく研究機関に対する機動調査の結果について」からです。

令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について [2024年06月26日(Wed)]
令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について(令和6年5月17日)
議事 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関するガイドラ イン」(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40236.html
◎参考資料2厚生科学審議会疾病対策部会匿名指定難病関連情報の提供に関する専門委員 会の設置について
1 設置の趣旨
→ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改 正する法律(令和4年法律第 104 号)による改正後の難病の患者に対する医療 等に関する法律(平成 26 年法律第 50 号)の規定により、厚生労働大臣は、難病に関する調査及び研究の推進並びに国民保健の向上に資するため、匿名指定 難病関連情報を第三者に提供することができることとされ、当該情報を提供し ようとする場合には、あらかじめ、厚生科学審議会に意見を聴かなければなら ないこととされている。 匿名指定難病関連情報の第三者への提供の可否等について専門的観点から審 査を行うため、当該規定により厚生科学審議会の権限に属せられた事項につい て検討するための委員会として、厚生科学審議会疾病対策部会に「匿名指定難 病関連情報の提供に関する専門委員会」を設置する。

2 匿名指定難病関連情報の提供に関する専門委員会の検討事項→(1)匿名指定難病関連情報の提供の可否 (2)提供された匿名指定難病関連情報を用いた研究における結果の公表の可否 (3)その他

3 委員会の構成→ 委員会の委員は、難病医療、統計分析、臨床研究倫理、個人情報保護等の各分 野に関する学識を有する者、関係団体の代表者等から構成する。

4 運営等→(1)委員会の議事は、提供申出の対象となる情報について、個人の情報の保護 等の観点から特別な配慮が必要と認める場合を除き、原則公開とする。 (2)委員会の検討の結果については、部会に報告を行い、部会は報告を受けて 2の事項について審議を行う。 (3)委員会の庶務は、厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課において行う。 (4)その他委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める


◎参考資料3厚生科学審議会疾病対策部会匿名指定難病関連情報の提供に関する専門委員 会 委員名簿→6名。


◎参考資料4社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会匿名小児慢性特定疾病関連情報の 提供に関する専門委員会の設置について
1 設置の趣旨
→障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第 104 号)による改正後の児童福祉法(昭和 22 年 法律第 164 号)の規定により、厚生労働大臣は、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進並びに国民保健の向上に資するため、匿名小児慢性特定疾病関連情報を第三者に提供することができることとされ、当該情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、社会保障審議会に意見を聴かなければならないこととされている。 匿名小児慢性特定疾病関連情報の第三者への提供の可否等について専門的観点から審査を行うため、当該規定により社会保障審議会の権限に属せられた事項について検討するための委員会として、社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会に「匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する専門委員会」を設置 する。

2 匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する専門委員会の検討事項→(1)匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供の可否 (2)提供された匿名小児慢性特定疾病関連情報を用いた研究における結果の公表の可否 (3)その他

3 委員会の構成
→委員会の委員は、医療、統計分析、臨床研究倫理、個人情報保護等の各分野に関する学識を有する者、関係団体の代表者等から構成する。

4 運営等→(1)委員会の議事は、提供申出の対象となる情報について、個人の情報の保護等の観点から特別な配慮が必要と認める場合を除き、原則公開とする。 (2)委員会の検討の結果については、部会に報告を行い、部会は報告を受けて2 の事項について審議を行う。 (3)委員会の庶務は、厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課において行う。 (4)その他委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が定める


◎参考資料5社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会匿名小児慢性特定疾病関連情報の 提供に関する専門委員会 委員名簿→6名。


◎参考資料6 匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供について
○「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報 の提供に関する有識者会議」における検討結果↓
・ 令和4年12月に成立した「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」(令和4年法律第104号)により、
「難病の患者に対する医療等に関する法律」(平成26年法律第50号)及び「児童福祉法」(昭和22年法律第164号)の改正が行われ、指定難病及び小児慢性特定疾病のデータベース(難病 DB・小慢DB)に関する規定が整備された(令和6年4月1日施行)。 具体的には、厚生労働大臣は、難病DB・小慢DBの情報について個人が識別できないよう匿名加工をし、第三者に提供することができることとされ、当該提供をしようとする場合には、あらかじめ、厚生科学審議会(難病)又は社会保障審議会(小慢)の意見を聴かなければならないこととされている。
・ 難病DB・小慢DBの匿名加工情報の提供の在り方や利活用に関しては、令和5年7月の「第70回厚生科学審 議会疾病対策部会難病対策委員会・第1回社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委 員会」における議論を踏まえ、「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する有識者会議」において検討が行われ、政省令事項や匿名加工情報の利用に関するガイドライン(案)等がとりまとめられた。 当該有識者会議においては、難病DB・小慢DBの匿名加工情報の第三者提供の可否等については、専門的知見を有した者による個々の事例に沿った利用目的や利用内容等を踏まえた審査が必要となることから、厚生科学審議会疾病対策部会と社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会のそれぞれのもとに、匿名情報の提供に関する専門委員会を設置・審議する方向性がとりまとめられ、令和5年11月の「第71回厚生科学審議会疾病対策 部会難病対策委員会・第2回社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会小児慢性特定疾病対策委員会」に報告がなされた。 なお、小慢DBに関しては、令和5年1月の「第31回社会保障審議会」において、新たに小児慢性特定疾病対策部会を設置する旨について報告され、了承されるとともに、同部会の下に小児慢性特定疾病児童等データの提供に関する専門委員会(案)を設置する旨について報告されている。

○障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第104号)の概要→下記が盛り込まれ整備の必要性あり。↓
5.障害福祉サービス等、指定難病及び小児慢性特定疾病についてのデータベース(DB)に関する規定の整備【障害者総合支援法、児童福祉法、難病法】障害DB、難病DB及び小慢DBについて、障害福祉サービス等や難病患者等の療養生活の質の向上に資するため、第三者提供の仕組み等の規定を整備する。

○難病・小慢データベースの法定化 (令和6年4月1日施行)↓
・改正の概要
→難病・小慢データベースの法的根拠が新設され、国による情報収集、患者等の同意を前提とした都道府県 等の国への情報提供義務が規定された。 また、安全管理措置、第三者提供ルール等の諸規定が新設され、他の公的データベースとの連結解析も可 能とされた。 難病データベースについては、登録対象者を拡大し、軽症の指定難病患者もデータ登録が可能とされた。
・今後の対応(案)→法定化により、新たに他の公的DBとの連結解析に対応する必要があるなど、新たにデータ提供に関する ガイドラインを策定する必要があるため、データ提供に関する有識者会議を立ち上げてはどうか。 当該有識者会議においては、ガイドラインの他、研究成果の公表の在り方や、データの第三者提供に係る 手数料の額、手数料を免除する対象者の範囲についても議論してはどうか。
・難病・小慢データベースのイメージ 参照。

○参照条文↓
・難病の患者に対する医療等に関する法律(平成26年法律第50号)(令和6年4月1日時点)
→第二十七条、第二十七条の二⇒ 厚生労働大臣は、難病に関する調査及び研究の推進並びに国民保健の向上に資するため、匿名指定難病関連情報(同意指定難病関連情報に係る特定の指定難病の患者を識別すること及びその作成に用いる同意指定難病関連情報を復元することができないようにするために厚生労働省令で定める基準に従い加工した同意指定難病関連情報をいう。)を利用し、又は厚生労働省令で定めるところにより、 次の各号に掲げる者であって、匿名指定難病関連情報の提供を受けて行うことについて相当の公益性を有すると認められる業務としてそれぞれ当該各号に 定めるものを行うものに提供することができる。 一 国の他の行政機関及び地方公共団体 難病対策に関する施策の企画及び立案に関する調査  二 大学その他の研究機関 難病の患者に対する良質かつ適切な医療の確保又は難病の患者の療養生活の質の維持向上に資する研究  三 民間事業者その他の厚生労働省令で定める者 難病の患者に対する医療又は難病の患者の福祉の分野の研究開発に資する分析その他の厚生労働省令で 定める業務(特定の商品又は役務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く。) 2 (略) 3 厚生労働大臣は、第一項の規定により匿名指定難病関連情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴かなければならない。
・児童福祉法(昭和22年法律第164号)(令和6年4月1日時点)→第二十一条の四、第二十一条の四の二 厚生労働大臣は、小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進並びに国民保健の向上に資するため、匿名小児慢性特定疾病関連情報 (同意小児慢性特定疾病関連情報に係る特定の小児慢性特定疾病児童等(次条において「本人」という。)を識別すること及びその作成に用いる同意小児 慢性特定疾病関連情報を復元することができないようにするために厚生労働省令で定める基準に従い加工した同意小児慢性特定疾病関連情報をいう。以下 同じ。)を利用し、又は厚生労働省令で定めるところにより、次の各号に掲げる者であつて、匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供を受けて行うことにつ いて相当の公益性を有すると認められる業務としてそれぞれ当該各号に定めるものを行うものに提供することができる。 一 国の他の行政機関及び地方公共団体 小児慢性特定疾病に係る対策に関する施策の企画及び立案に関する調査 二 大学その他の研究機関 小児慢性特定疾病児童等に対する良質かつ適切な医療の確保又は小児慢性特定疾病児童等の療養生活の質の維持向上に資する 研究 三 民間事業者その他の厚生労働省令で定める者 小児慢性特定疾病児童等に対する医療又は小児慢性特定疾病児童等の福祉の分野の研究開発に資する分 析その他の厚生労働省令で定める業務(特定の商品又は役務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く。) A (略) B 厚生労働大臣は、第一項の規定により匿名小児慢性特定疾病関連情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、社会保障審議会の意見を聴かなければ ならない。

○匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する有識者会議
1.目的
→匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供の在り方及び利活用に関し、専門的な観点から検討 を行うことを目的として、厚生労働省健康・生活衛生局長が参集を求める有識者により「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する有識者会議」を開催する。
2.検討事項→(1)データ提供に係る事務処理及び審査基準等を定めたガイドラインの策定に関する事項について (2)その他データ提供の実施及び情報の利活用に必要な事項について
3.構成員→7名。
4.参考人→5名。


○改正難病法・改正児童福祉法の施行に向けた検討における基本的な方向性
・現状・経緯
→現在の難病DB・小慢DBは「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するガイドライン」に基づき審査を行った上で提供。「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」(令和3年7月)では既に法律上に規定が設けられているNDB等のルールを参考にして、所要の措置を講ずるべきで指定難病患者DB及び小児慢性特定疾 病児童等DBについても、民間事業者を含む幅広い主体へのデータ提供を認めること⇒令和6年4月に施行されることとなっている。
・検討における基本的な方向性→施行に向けて、政省令や第三者提供の手続等の運用に関するガイドラインを策定することが必要。 政省令やガイドラインの検討の基本的な方向性としては、意見書の内容を踏まえ、現行の難病DB・小慢DB における運用をベースとしつつ、NDBの規定・運用を参考として行う。

○難病DB・小慢DBの主な変更点(「現在」と「令和6年度以降」あり。「令和6年度以降」のみ記す)
・匿名データの第三者提供 先・活用できる業務の範囲→<提供対象者>⇒製薬企業等の民間企業に対しても、提供可能。 <活用可能な業務の範囲>⇒難病・小慢の患者に対する医療・福祉の分野の研 究開発に資する分析等に活用可能(特定の商品・役 務の広告又は宣伝に利用するために行うものを除く。) 右矢印1 例えば、創薬において、開発したい治療薬の対 象患者の概要把握(治験の実行可能性等)、治験で使用するアウトカム指標の検討などに活用可能。
・他のDBとの連結解析→他の公的DBとの連結・提供することも可能。

○製薬企業における 難病DB・小慢DBのデータ活用(イメージ)→製薬企業の研究開発においては、主に、@特定の患者群に係る疫学情報の整理・把握や、A個別の患者の新たな データの収集・患者へのアプローチに向けた情報の把握・分析、などに活用できる可能性がある。⇒「活用の目的@➁」に対して「期待される活用例」あり。  参照。

○改正法による匿名データ利用者の 義務等について→改正法により、匿名データ利用者に対しては、その情報の取扱いに関する義務等が課されることとなるが、義務 の適切な履行を図るため、厚生労働大臣による立入検査や是正命令に関する必要な規定が整備されている。 また、匿名データに係る不適切な利用等に対しては、必要な罰則規定が設けられている。⇒「匿名データ利用の際の義務等<照合等の禁止><消去><安全管理措置><不当利用等の禁止>」についての「違反した場合の対応」あり。 参照。

○匿名指定難病関連情報・匿名小児慢性特定疾病 関連情報の提供に関する政省令事項等(1)(2)
1.データベースへの情報の格納
→都道府県は、難病患者等の同意を得た上で指定難病の病名等のデータを厚労大臣に対して提供しなければならない。⇒< DBの格納情報、DB登録の同意取得の対象者・同意取得の方法、厚労大臣への提供方法 >あり。
2.匿名データの第三者提供→・厚労大臣は、難病DB・小慢DBの情報について匿名加工を行い、相当の公益性を有すると認められる業務に活用する第三者に対して提供することができる。⇒< 匿名加工の基準、匿名データの提供手続き >< 匿名データの第三者提供先となる民間事業者等の範囲、活用できる業務の範囲 >。 ・難病DBや小慢DBの匿名データについて、他のDBと連結して提供することができる。⇒<連結解析の対象となる情報>。
・厚労大臣は、難病や小慢の治療方法などの調査・研究や匿名データの利用・提供に係る事務を医薬基盤・健康・栄養研究 所や国立成育医療研究センター等に委託することができる。⇒< 国の匿名データの利用・提供等に関する事務の委託先 >。 ・難病DB・小慢DBの匿名データの提供に関し、難病は厚生科学審議会、小慢は社会保障審議会の意見をあらかじめ聴く。⇒< 匿名データの提供に関する意見聴取の場 >。 
3.匿名データ利用者の義務→・匿名データの利用者に対して安全管理の措置を講ずることを義務付ける。⇒< 匿名データの安全管理措置 >。 ・匿名データの利用者は実費相当の手数料を納める。⇒< 匿名データの提供に関する手数料の設定方法 >人件費等を踏まえた時間単位の金額、手数料免除もあり。

○論点6:匿名データの提供に関する意見聴取の場→改正難病法・改正児福法により、難病DB・小慢DBの匿名データの提供に関し、難病については厚生科学審議会、小慢につ いては社会保障審議会の意見をあらかじめ聴くこととされたが、NDBと同様に、厚科審疾病対策部会と社保審小慢部会に匿 名情報提供に関する専門委員会を設置し審議してはどうか。
・改正条文(改正難病法第27条の2第3項)→3 厚生労働大臣は、第一項の規定により匿名指定難病関連情報を提供しようとする場合には、あらかじめ、厚生科学審議会の意見を聴 かなければならない。
・難病・小慢対策の見直しに関する意見書(令和3年7月)(抜粋)→既に法律上に規定が設けられてい るNDB等のルールを参考にして、所要の措置を講ずるべき。、適切にデータが利活用されるよう、個々の事案ごとに審査会で、データ提供の可否や、提供するデータの内容を厳正に審査の上、判断することとすることが適当である。
・現在の難病DB・小慢DBの状況等→現行の難病DB・小慢DBに関するデータ提供や提供データを用いた研究結果については、厚生科学審議会・社会保障審議会(※)の 議論を踏まえて設置された「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するワーキンググループ」において、専門的な観点からの審査が行われている。(※ 厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会・社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会)。 また、難病DB・小慢DBの規定を整備するに当たって参考としたNDBについては、匿名医療データ等の第三者への提供の可否等について専門的観点から審査を行うため、健保法及び高確法の規定により社会保障審議会の権限に属せられた事項について調査審議するための専門委員会として、新たに、社会保障審議会医療保険部会に「匿名医療情報等の提供に関する専門委員会」を設置し、匿名医療 データの利用目的や利用内容、成果物の内容等を踏まえ、匿名医療データ等の利用に関する相当の公益性の有無等を審査している。
・対応の方向性(案)→難病DB・小慢DBの匿名データの第三者提供の可否等については、厚生労働省の事実関係等の確認だけではなく、専門的知見を有し た者による個々の事例に沿った利用目的や利用内容等を踏まえた審査が必要となることから、難病・小慢対策の見直しに関する意見書、 NDBにおける取り扱いを踏まえ、厚生科学審議会疾病対策部会と社会保障審議会小児慢性特定疾病対策部会のそれぞれのもとに、匿名 情報の提供に関する専門委員会を設置し、審議することとしてはどうか。
・難病・小慢に関する審議体制(イメージ) 参照。

次回は新たに「科学技術部会(第6回)」からです。

令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について [2024年06月25日(Tue)]
令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について(令和6年5月17日)
議事 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関するガイドラ イン」(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40236.html
◎参考資料1 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関する ガイドライン」(案)概要   厚生労働省  健康・生活衛生局
○ガイドライン(案)の構成→本ガイドラインは、難病法・児童福祉法に基づき、匿名指定難病関連情報・匿名小児慢性特定疾病関連情報の適切かつ 安全な利活用を進めるため、申出手続等を定めるもの。↓

第1 ガイドラインの目的
第2 用語の定義
第3 難病等データの提供申出手続→ 1 あらかじめ確認すべき事項 2 提供申出書と提供データの取扱単位 3 提供申出者の範囲 4 代理人による提供申出書の提出 5 提供申出書の記載事項 6 提供申出書とともに提出する書類 7 提供申出書等の受付及び提出方法
第4 提供申出に対する審査→ 1 審査主体 2 難病等データの提供の可否の決定 3 審査基準 4 審査結果の通知
第5 提供申出/変更申出が承諾された後の手続→1 依頼書の提出 2 誓約書の提出 3 手数料の納付等 4 難病等データの受領 5 提供申出書の記載事項等に変更が生じた場合
第6 難病等データ利用上の安全管理措置等→ 1 他の情報との照合禁止 2 安全管理措置 3 提供申出者及び取扱者の義務 第7 研究成果等の公表 1 研究成果の公表 2 公表物の満たすべき基準 3 利用実績報告書の提出 4 研究成果が公表できない場合の取扱い 5 研究の成果の利用制限 6 難病等データの利用終了後の研究成果の公表
第8 難病等データの利用後の措置等→1 難病等データの利用の終了 2 利用終了後の再検証 第9 難病等データの不適切利用への対応 1 法における罰則 2 契約違反と措置内容 第10 厚生労働省による実地監査 第11 その他 第12 ガイドラインの施行期日

○第3 難病等データの提供申出手続@➁
< あらかじめ確認すべき事項 >
→・ホームページに掲示された審査スケジュールの期日までに事前相談を経た上で申出を行うこと。 ・ 難病等データ(難病・小慢データベースから抽出・匿名加工され提供されるデータ)を用いた研究は「人を対象とする生命科学・医学 系研究に関する倫理指針」の適用対象となる。 ・ 承諾された申出の一覧、成果物(研究者、発表形式、タイトル等)、不適切利用の一覧は厚生労働省から適時公表される。
< 提供申出書と提供データの取扱単位 >→・ 提供申出書は、難病等データの提供の判断要件となる「利用目的」ごとに作成。 ・ 難病等データの提供は、提供するデータの内容と期間に応じて、抽出単位ごとに1件として取り扱う。 ・ 提供された難病等データについて、当該データを別の記憶装置に複写・保存する行為は1回に限定する。
< 提供申出者の範囲 >→難病等データの提供申出者の範囲は、以下の機関等又は個人とする。 ・ 公的機関:国の行政機関、都道府県、市区町村 ・ 法人等:大学、研究開発行政法人等*1、民間事業者 ・ 個人:補助金等*2を充てて業務を行う個人
*1 学校教育法に規定する大学(大学院含む。)、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律別表第1に掲げる研究開発法人、独立行政 法人医薬品医療機器総合機構。
*2 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第2条第1項に規定する補助金等、地方自治法第232条の2(同法第238条第1項の規定によ り適用する場合を含む。)の規定により地方公共団体が支出する補助金又は国立研究開発法人日本医療研究開発機構法第16条第3号に掲げる業 務として国立研究開発法人日本医療研究開発機構が交付する助成金をいう。
< 提供申出書の記載事項 >⇒ ⑴ ガイドライン等の了承の有無 ⑵ 担当者、代理人(氏名等の情報、本人確認書類 等) ⑶ 提供申出者の情報(法人の場合は名称等、個人の場合は氏名等の情報) ⑷ 研究計画(@研究の名称、A研究の内容と必要性、C研究の計画・実施期間、D難病・小慢データベースそれぞれから抽出され た難病等データの連結の有無、E外部委託等、F取扱者の過去の実績と現在行っている研究、Gデータの利用期間、Hデータの利用場所・保管場 所)。 ⑸ 取扱者(氏名等の情報) ⑹ 抽出データ(希望するデータの種類、対象疾病名、抽出対象期間、抽出条件 等) ⑺ 成果の公表予定(公表方法、公表先、公表内容、公表予定時期) ⑻ 提供方法(希望する媒体数)、手数料免除(要件該当者のみ)、過去の利用実績 ⑼ その他必要な事項 。
< 提供申出書とともに提出する書類>⇒ ⑴ 難病等データの管理方法・安全管理対策等に関する書類 ⑵ 倫理審査に係る書類。
< 提供申出書等の受付・提出方法 >⇒ 提供申出書等は、厚生労働省が指定する窓口に原則メールで提出する。

○第4 提供申出に対する審査→< 審査主体・審査基準 >⇒難病等データ提供の可否を判断する審査は、難病法・児童福祉法に基づきそれぞれの専門委員会が実施する。 専門委員会は、提供申出書に基づいて、以下の審査基準に則り、難病等データの提供の可否について審査を行う。↓
⑴ 提供申出者の情報
→・ 提供申出者の名称等の情報が添付書類により確認でき、所属機関が了承していることが添付書類により確認できること。
⑵利用目的 →・難病法・児童福祉法等に規定された難病・小児慢性特定疾病に関する調 査・研究の推進並びに国民保健の向上に資する目的であり、特定商品・役務の広告・宣伝(マーケティング)利用する又は利用されると推測される研究内容に該当しないこと。↓
⑴難病等データの概要とデータベース利用の必要性→・ 利用するデータの範囲が研究内容から判断して必要最小限であること。 ・ データの項目が個人特定につながるおそれがないこと及び分析方法等が特定個人を識別する内容でないこと。 ・ データの利用に合理性があり、他の情報では研究目的が達成できないこと。 ・ 提供データの種類、抽出対象期間、抽出条件等が具体的に記載されていること。 ・ 利用するデータの範囲と研究の内容・利用方法(研究対象集団、研究デザイン、データ抽出条件等)の関係が整合的であること。 ・ データの利用期間と研究の計画・公表時期が整合的であること。
⑵ 研究体制等→・ 取扱者全員について氏名等が提供申出書等に記載され、その範囲が必要な限度であること。 ・ 取扱者の過去の実績や研究体制に照らして、申し出られた研究内容が実行可能であると考えられること。 ・ 取扱者(外部委託先を含む)は、個々人が特定できること。取扱者の役割や取り扱うデータの範囲が適切であること。 ・ 外部委託を行う場合には、委託の範囲及び外部委託を行う必要性が研究の目的及び内容に照らして合理的であること。 ・ 提供申出の担当者が、申出時点で別の申出の担当者になっていないこと。
⑶ 安全管理対策→ ・ ガイドライン第6に規定された難病等データ利用上の安全管理対策が適切に講じられていること(外部委託先を含む)。
⑷ 結果の公表予定→ ・ 学術論文、ウェブサイトへの掲載等の形で研究の成果が公表される予定であること。 ・ 研究成果の公表予定日が利用期間と整合的であること及び公表される内容が適切であること。
⑸ その他必要な事項→・ 上記以外に、特に専門委員会が設定した審査事項がある場合、
その承認基準を満たしていること。
< 審査結果の通知 >→厚生労働省は、専門委員会の審査結果を踏まえ、提供の可否を決定し、提供申出者に通知する。

○第5 提供申出/変更申出が承諾された後の手続@A
< 依頼書・誓約書の提出 >
→・ 承諾通知書を受けた提供申出者は、難病等データの提供を求めるときは、必要な事項を記載した依頼書を提出すること。 ・ 提供申出者及び取扱者全員が利用規約の内容を確認し、遵守する旨を記載したうえで、署名した誓約書を提出すること。
< 手数料の納付等 >→・ 提供申出に係る手数料は、人件費等を踏まえた時間単位の金額に作業に要した時間を乗じて得た額とする。 ・ 提供申出者のすべてが以下のいずれかに該当する場合には、手数料は免除する。 @ 公的機関 A 補助金等*を充てて難病等データを利用する者 B 上記@・Aから委託を受けた者 * 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第2条第1項に規定する補助金等、地方自治法第232条の2(同法第238条第1項の規定によ り適用する場合を含む。)の規定により地方公共団体が支出する補助金又は国立研究開発法人日本医療研究開発機構法第16条第3号に掲げる業 務として国立研究開発法人日本医療研究開発機構が交付する助成金をいう。 上記のうち、有効な補助金の条件は、以下の通り。 ・ 当該補助金の申請時に記載された研究計画と難病等データの申出時の研究計画に整合性があること。 ・ 外部委託先を除くすべての提供申出者が、交付決定通知の写し、研究計画書又は交付申請書に記載されていること。 ・ 補助金の有効期間が、原則専門委員会で承諾される時点で有効であること。
< 難病等データの受領 >→・ 厚生労働省は提供する難病等データについて、暗号化しパスワードを付与する等、必要な措置を講じる。 ・ 利用者は難病等データの提供を受けた後、速やかに難病等データの受領書を厚生労働省へメールで提出する。
< 提供申出書の記載事項等に変更が生じた場合 >→ 厚生労働省の承諾後に提供申出書の記載事項に変更が生じた場合は、次のとおり対応。↓
⑴ 専門委員会の審査を要しない変更
→利用目的、要件に影響を及ぼさないと判断される次のような変更が生じた場合は、職名等変更申出書に変更事項を記載の上、直ちに厚生労働省へ届け出ること。⇒ @ 取扱者の人事異動等に伴い、同一提供申出者内の所属部署・連絡先又は姓に変更が生じた場合 A 利用者・取扱者を除外する場合 B 成果の公表形式を変更する場合(例:公表する学会誌の変更等) C 利用期間の延長を希望する時点で解析が終了し、具体的な公表見込みがある場合(例:査読の結果待ち等) D 厚生労働省が行う実地監査の指摘に基づき利用者がセキュリティ要件を修正する場合 E その他、申出内容の基本的な方針に影響を及ぼさないような軽微な修正を行う場合
⑵ 専門委員会の審査を要する変更→上記⑴以外の場合は再度審査を行う必要がある。厚生労働省は、専門委員会の審査を経た上で、承諾通知書又は不承諾通 知書を提供申出者に通知する。⇒ @ 利用目的、要件に影響を及ぼす変更の場合 A 取扱者の人事異動に伴い、所属機関に変更が生じた場合 B 取扱者の追加の必要が生じた場合 C 取扱者が交代する場合(交代前に変更申出書により変更手続を行うこと) D 利用期間を延長する場合(研究計画の変更等によるもの)

○第6 難病等データ利用上の安全管理措置等@A
<他の情報との照合禁止等>
→提供申出者・取扱者は、難病等データの作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又は連結申出として承諾され ていない他の情報と難病等データを照合してはならない。また、難病等データの利用に関して知り得た内容をみだりに他人に 知らせ、又は承諾された申出書に記載された目的以外に利用してはならない。
< 安全管理措置 >↓
⑴ 組織的な安全管理対策
→難病等データの適正管理に係る基本方針を定めていること。 ・ 管理責任者、利用者及び取扱者の権限、責務及び業務を明確にすること。 ・ 難病等データの管理簿(利用場所入退室管理簿、操作端末利用管理簿、記憶媒体利用管理簿、作成帳票管理簿)を整備すること。など
⑵ 人的な安全管理対策→・提供申出者及び取扱者は、以下のいずれにも該当しないことを確認すること。⇒@)難病法、児童福祉法、統計法、個人情報の保護に関する法律に基づく命令の規定に違反し、罰金以上の刑に処せられ、 その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者 A)難病等データや「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するガイドライン」に基づき提供 されたデータ、匿名医療保険等関連情報、匿名医療保険等関連情報と連結解析可能なデータ、統計法に基づくデータの利 用の契約に違反し、データ提供禁止等の措置が講じられている者 B)暴力団員等 iv)法人等であって、その役員のうちに上記@)からB)までのいずれかに該当する者がある者 D)暴力団員等がその事業活動を支配する者又は当該業務の補助者として使用するおそれのある者 E)難病等データを利用して不適切な行為をしたことがある等で取扱者になることが不適切であると厚生労働省が認めた者。 ・ 提供申出者は、取扱者に対し、難病等データを取り扱う上で必要な教育及び訓練を行うこと。 など
⑶ 物理的な安全管理措置→・難病等データを取り扱う区域を特定すること(国内に限る)。特定された区域への立ち入りの管理及び制限するための措置 を講じること。 ・ 難病等データの取扱いに係る機器の紛失・盗難等の防止措置を講じること。 など
⑷ 技術的な安全管理措置→・ 難病等データを取り扱うPC等において難病等データを処理することができる者を限定するため、適切な処置を講じること。 ・ 不正アクセス行為の防止、難病等データの漏洩、滅失、毀損を防止するため、適切な措置を講じること。
⑸ 情報及び情報機器の持ち出し→・提供された難病等データの利用、管理及び保管は、事前に承諾された場所でのみ行うこととし、外部への持ち出しは行わ ないこと。ただし、外部委託や共同研究を行う利用者間で生成物の受け渡しが必要な場合には、以下の措置を講じること。⇒ ・ リスク分析を実施し、情報及び情報機器の持ち出しに関する方針を運用管理規程で定めること。 ・ 授受に使用する情報機器には暗号化とパスワード保護を行うこと。 など
⑹ その他の安全管理措置→・ 難病等データを用いた研究・業務を外部委託するときは、提供申出者は、当該委託を受けた者が講ずる安全管理措置につ いて、適切に確認及び監督を行うこと。 ・ 取扱者以外が難病等データを取り扱うことを禁止すること。 など

○第7 研究成果等の公表@A
< 研究成果の公表 >
→・利用者は、難病等データによる研究成果を、提供申出書に記載した公表時期、方法に基づき公表すること。公表前に、公表 予定の研究成果を厚生労働省へ報告し、確認・承認を求めること(公表物確認)。 ・ 研究の成果を広く一般に公表する過程の中で、取扱者以外の者に研究の途中経過を見せる場合(例えば、論文の校正や査読、班会議、学会抄録、社内・学内での報告等)も、あらかじめ公表物確認をする必要がある。
< 公表物の満たすべき基準 >↓
⑴ 最小集計単位の原則
→・患者等の数について、原則として、公表される研究の成果物において患者等の数が10未満になる集計単位が含まれていないこと(ただし患者等の数が「0」の場合を除く。)。また、集計単位が市区町村の場合には、以下の通りとする。⇒ @ 人口2,000人未満の市区町村では、患者等の数を表示しないこと。 A 人口2,000人以上25,000人未満の市区町村では、患者等の数が20未満になる集計単位が含まれないこと。 B 人口25,000人以上の市区町村では、患者等の数が10未満になる集計単位が含まれないこと。 ・ 医療機関等の数について、原則として、公表される研究の成果物において医療機関等の属性情報による集計数が、3未満 となる集計単位が含まれていないこと(ただし医療機関等の数が「0」の場合を除く。)。
⑵ 年齢区分→・原則として、公表される研究の成果物において年齢区分が5歳毎にグルーピングして集計されていること。100歳以上は 同一のグループとし、20歳未満は研究の目的に応じ特に必要と判断される場合には各歳別を可能とする。
⑶ 地域区分→原則として、患者等の住所地及び医療機関等の所在地については、公表される研究の成果物における最も狭い地域区分の 集計単位は市区町村とすること。
< 利用実績報告書の提出 >→・ 研究成果の公表後3ヶ月以内にその公表も含めた成果の概要について、厚生労働省へ「利用実績報告書」により報告する。 ・ 厚生労働省は、報告を受けた利用実績を取りまとめ、専門委員会に報告するとともに、必要に応じて利用実績をホームページ等により公表する。
< 研究成果が公表できない場合の取扱い >→・ 難病等データを利用する過程で、当初想定していた利用目的が実現できないと判明した場合には、速やかに難病等データを 返却し、全て消去すること。 ・ 利用者の解散又は取扱者の死亡、研究計画の中止などにより研究成果を公表できない場合は、研究の状況及び公表できない理由を利用実績報告書により厚生労働省へ報告すること。
< 研究の成果の利用制限 >→ 提供申出書に記載した公表方法で公表されなかった研究成果の利用は認めないものとする。
< 難病等データの利用終了後の研究成果の公表 >→・ 利用者は、難病等データの利用の終了後であっても、成果物を用いた発表を行うことができる。提供申出書に記載されてい る公表形式であり、一度公表物確認した後であるならば、新規データ等の追加がない限り公表物確認は不要とする。 ・ 公表許可済のデータを使用していたとしても、グラフや表が追加されている場合は、新たに公表物確認が必要となる。判断 に迷った場合は、厚生労働省がホームページ等で指定する窓口に問い合わせること。

○第8 難病等データの利用後の措置等→< 難病等データの利用の終了 >⇒・ 利用者は、難病法又は児童福祉法に基づき、難病等データの利用を終了したときは、遅滞なく、提供を受けた難病等データ、 中間生成物及び最終生成物を消去しなければならない。CD-R又はDVDで難病等データの提供を受けた場合は、利用終了時に 媒体を厚生労働省へ返却すること。 ・ 利用場所ごとのデータ措置兼管理状況報告書に消去を実施した証明書を添付した上で、厚生労働省に提出すること。データ 措置兼管理状況報告書は、利用場所毎に提出するものであり、変更届出による利用場所の廃止時も提出するものとする。
< 利用終了後の再検証 >⇒難病等データの利用終了後、研究成果について再検証等が必要となった場合には、その都度、難病等データの提供申出を行 うこと。

○第9 難病等データの不適切利用への対応/第1 0 厚生労働省による実地監査
< 法における罰則 >
→厚生労働省は、法令違反等の疑いがある場合には、難病法・児童福祉法に基づく立入検査、是正命令を行うことができる。 不当な利用等の禁止義務や是正命令に違反した者等には、難病法・児童福祉法に基づく罰則(1年以下の懲役・50万以下の罰金) が科されることがある。
< 契約違反と措置内容 >→・厚生労働省は、難病等データの利用に関し、法令や契約違反等の疑いがあった場合には、速やかに利用者に連絡し、原則と して、利用の停止を求めるものとする。 ・利用者・取扱者が、法令や契約違反を行った場合には、その内容に応じて、専門委員会の意見を踏まえ、以下の対応を行う。⇒ @ 難病等データの速やかな返却並びに複写データ、中間生成物及び最終生成物の消去を行わせること。 A 別表(次項)の各号の要件に応じて、一定の期間又は期間を定めずに、利用を停止すること。 B 難病等データの提供の申出を受け付けないこと。 C 難病等データを利用して行った研究や業務の成果の公表を行わせないこと。 D 所属機関や氏名を公表すること。 ・ 上記措置内容については、違反を行った利用者・取扱者が含まれる別の提供申出に対しても同様の対応をとることができる。
< 厚生労働省による実地監査 >→・ 厚生労働省は、必要に応じてその職員・厚生労働省が適切と認めた者を利用者・取扱者が利用する難病等データの利用場 所・保管場所に派遣し、難病等データの利用環境の実地検分・ヒアリングを実施することができる。 ・ 利用者・取扱者は、業務時間内に厚生労働省の職員・外部委託先職員が難病等データの利用場所・保管場所へ立ち入ること、 帳票その他実地監査のために必要な書類の閲覧を求めることを認め、あらかじめ利用規約で承認すること。

○第9 難病等データの不適切利用への対応→「違反行為」「 措置内容」あり。
@特定の個人を識別するために、難病法施行規則若しくは児童福祉 法施行規則に基づく基準に従い削除された記述等若しくは難病等 データの作成に用いられた加工の方法に関する情報を取得し、又 は当該難病等データを他の情報と照合を行った場合⇒当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 の利用停止・提供禁止。
A利用期間の最終日までに難病等データの返却並びに複写データ、 中間生成物及び最終生成物の消去を行わない場合⇒ 返却等を行う日までの間及び返却等を行った日から返却等 を遅延した期間に相当する日数の間、難病等データの提供 禁止
B難病等データを提供申出書の記載とは異なるセキュリティ要件の 下で利用すること等により、セキュリティ上の危険に曝した場合⇒ 当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 の利用停止・提供禁止
C難病等データ又は利用端末を紛失した場合⇒ 当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 の利用停止・提供禁止
D難病等データの内容を漏洩した場合⇒当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 又は無期限の利用停止・提供禁止
E事前に承諾された目的以外への利用を行った場合(事前に承諾され た公表形式以外での成果物の公表を行った場合を含む。)⇒当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 又は無期限の利用停止・提供禁止(当該不適切利用により、利用者、取扱者又はこれらと関係する者が不当な利益を得た場合には、利用者及び取扱者はその利益相当額を国に支払うことを約する。)
F公表物確認で承認を得ずに難病等データを取扱者以外に閲覧させ た場合⇒当該事実の認定をした日から、原則として1か月〜12か月 の利用停止・提供禁止
Gその他、本規約に違反した場合又は法令違反等の国民の信頼を損 なう行為を行った場合⇒行為の態様によって上記@からFまでに準じた措置。

次回も続き「参考資料2厚生科学審議会疾病対策部会匿名指定難病関連情報の提供に関する専門委員 会の設置について」からです。

令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について( [2024年06月24日(Mon)]
令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について(令和6年5月17日)
議事 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関するガイドラ イン」(案)について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40236.html
◎資料1 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関するガイドライン」(案)  令和6年4月    厚生労働省健康・生活衛生局
第1 ガイドラインの目的
→ 匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関するガイドラインは、難病の患者に対する医療等に関する法律(平成 26 年法律 第 50 号。以下「難病法」)又は児童福祉法(昭和 22 年法律第 164 号)に基づき、匿名指定難病関連情報又は匿名小児慢性特定疾病関連情報の適切かつ安全な利活用を進めるため、申出手続等を定めるものである。
第2 用語の定義
1 難病等データベース、難病等データ→  本ガイドラインにおいて「難病等データベース」とは、厚生労働省が難病法又は児童福祉法に基づき、指定難病の患者に係る指定難病の病名、病状の程度その他の難病の患者に対する医 療等に関する法律施行規則(平成 26 年厚生労働省令第 121 号。以下「難病法施行規則」)で定める指定難病の患者に関する情報又は医療費支給認定に係る小児慢性特定疾病児童若しくは医療費支給認定患者その他児童福祉法施行規則(昭和 23 年厚生省令第 11 号)で定める者に係る小児慢性特定疾病の病名、病状の程度その他の児童福祉法施行規則で定める小児慢性特定疾病児童等に関する情報を収集したデータベースをいう。「難病等データ」とは、難病等デ ータベースから抽出・匿名加工され提供されるデータをいう。
2 専門委員会
3 提供申出者
4 利用者
5 取扱者
6 担当者
7 代理人→難病法施行規則又は児童福祉法施行規則に基づき、 代理で提供申出をする者をいう。厚生労働省との事務手続は原則担当者が行うこととしている が、提供申出者から代理を指定された場合は、提供申出に係る手続の窓口とすることを認める。
8 提供申出書
9 生成物
10 成果物

第3 難病等データの提供申出手続
1 あらかじめ確認すべき事項 →提供申出者は、難病法、児童福祉法、難病等データの提供に関するホームページに掲示されている本ガイドライン、利用規約等をよく確認し、あらかじめ了解した上で提供申出手続を行うこと。
ホームページに掲示された審査スケジュールの期日までに事前相談を経た上で申出を行うこと。指定難病の患者に関する情報に係る難病等データと小児慢性特定疾病児童等に関する情報に係る難病等データとの連結解析の申出を行う場合は、その旨の提供申出を行うこと。 難病等データを用いた研究は、人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針(令和3年文部科学省・厚生労働省・経済産業省告示第1号)等の適用対象となる。 なお、難病等データの提供はやむを得ない事情により遅れることがある。また、抽出方法による技術的な問題及び提供に係る事務負担量等、事前に予測できない事由により、提供が行えない場合があり得ることについても了承すること。 承諾された申出の一覧、成果物(研究者、発表形式、タイトル等)、不適切利用の一覧につい ては厚生労働省から適時公表される。
2 提供申出書と提供データの取扱単位
⑴ 提供申出書の作成単位
⑵ 提供する難病等データの取扱い単位
⑶ 提供する難病等データの複製1回の原則(複数回複製の禁止)
3 提供申出者の範囲
難病等データの提供申出者の範囲は、以下の機関等又は個人とする。
・ 公的機関:国の行政機関1、都道府県、市区町村
・ 法人等2:大学、研究開発行政法人等、民間事業者
・ 個人:補助金等を充てて業務を行う個人
取扱者が複数の組織に所属を有する場合、原則、研究者として主に所属する組織(例:雇用契約が専任である組織、勤務時間が長い組織、成果物公表の際に所属として記載する組織) 提供申出者とすること。 なお、医療機関が提供申出を行う場合、提供申出者の単位は以下の通りとする。ただし当該 提供申出者に代表者又は管理者の定めがない場合等はこの限りではない。
・ 公的機関が開設する医療機関の場合、当該医療機関を開設する公的機関。
・ 医療法(昭和 23 年法律第 205 号)第7条の2第1項各号に掲げる者(公的機関を除く。)、国立病院機構及び労働者健康安全機構が開設する医療機関の場合、当該医療機関。
・ 大学病院(法人登記のある大学病院を除く。)の場合、当該大学病院を開設する大学。
・ 上記以外の医療機関の場合、当該医療機関の開設者。
4 代理人による提供申出書の提出
提供申出内容について深い知見を有している者であることが望ま しい。
5 提供申出書の記載事項
 提供申出者は、厚生労働省が定めた様式に沿って、以下の⑴〜⑼の事項について、提供申出書に記載する。なお、提供申出書はすべての提供申出者の了承の下に提出すること。

⑴ ガイドライン等の了承の有無
⑵ 担当者、代理人→担当者、代理人 →担当者、代理人の氏名、生年月日、住所、職業、所属機関名・部署名・職名、電話番号、Email アドレスを記載すること。担当者及び代理人は、氏名、生年月日及び住所等を確認できる書類のコピーを提出すること。確認書類は、原則申出日に有効な「マイナンバーカード」 「運転免許証」「運転経歴証明書」「在留カード」又は「特別永住証明書」のいずれかとする。 上記のいずれも提出できない場合は、氏名、生年月日及び住所が確認できる住民票の写し等の書類2種類以上の提出を求める。また、担当者が提供申出者の機関に所属していることを証する書類の提出を求める。
⑶ 提供申出者の情報 →提供申出者が公的機関の場合、名称、担当する部局、所在地及び電話番号を記載すること。提供申出者が法人等の場合、提供申出者が個人の場合、氏名、生年月日、住所、職業、所属機関名・部署名・職名、電話 番号、E-mail アドレスを記載すること。
⑷ 研究計画 →難病等データの利用にあたっては、相当の公益性を有すると認めら
れる業務であることを求める。特定の商品又は役務の広告又は宣伝(マーケティング)に利用するために行うものを除き、広く利用が可能であり、具体的には、製薬企業をはじめとする民間事業者等による 医薬品や医療機器の創出に資する研究開発での活用として、計画段階での事前調査・分析(対象疾患の患者数や自然歴の調査、アウトカム指標や適格基準の設定、必要サンプルサイズの検討等のための特定の患者群に係る疫学情報の把握)、対象患者を多く診断・治療している医 療機関の分布状況等の分析などが考えられる。ただし、企業等の組織内部の業務上の資料としてのみ利用される場合又は特定の顧客に対するレポート作成の基礎資料としてのみ利用される場合は、相当の公益性を有するものとは考えられず、認められない。 上記の観点から、難病等データを利用する研究の計画内容について、次の@〜Hを記載す ること。
@ 研究の名称
A 研究の内容と必要性
B 研究の概要
C 研究の計画及び実施期間
D 指定難病の患者に関する情報に係る難病等データと小児慢性特定疾病児童等に関する情 報に係る難病等データとの連結の有無
E 外部委託等
F 取扱者の過去の実績と現在行っている研究
G 難病等データの利用期間
H 難病等データの利用場所及び保管場所
⑸取扱者→取扱者(外部委託先に所属し実際に難病等データを取り扱う者を含む)について全員の氏名、所属機関名、職名、電話番号、E-mail アドレス及び利用場所を記入すること。提供申出 にあたっては、取扱者が難病等データを使用した研究を行うことを提供申出者が承認する書 類を求める。 なお、取扱者は本ガイドライン第6に定められた人的な安全管理対策を満たす者とすること。 提供申出者、取扱者が複数の場合、各取扱者の担当する分析内容や取り扱うデータの粒度 及び携わる解析プロセスについて記載すること。
⑹ 抽出データ→希望するデータの種類、対象疾病名、抽出対象期間、抽出条件等を記入すること。 提供データが研究内容に鑑みて最小限であるとする根拠を記入すること。
⑺ 成果の公表予定→難病等データの提供を受けた場合、研究成果を広く一般に公表しなければならない(最終的に特定の者や主体にのみに提供される場合は公表とはみなさない)。予定している全ての公 表方法(論文、報告書、学会、研究会等)、公表先(学会誌やウェブサイト等)、公表内容、公 表予定時期について可能な限り具体的に記載すること。
⑻ 提供方法、手数料免除、過去の利用実績→@ 難病等データの提供方法 厚生労働省の用意した媒体による媒体提供とする。希望する媒体数(申出書の提供ファ イル数。原則、難病等データの利用場所と同一の数)を記載すること。 A 手数料免除の申請 要件に該当する者は、手数料の免除を受けることができる。免除を希望する場合は、そ の旨を記載すること。また、手数料免除の要件に該当することを証明する書類を添付する こと。手数料免除の要件及び提出書類は本ガイドライン「第5の3⑵手数料の免除」の項 を参照すること。なお、手数料免除の申請は、提供申出時から、厚生労働省が提供申出者に手数料実績額 を通知する時までとする。厚生労働省は、提供申出者から該当する書類が提出された時点 で免除の判断を行い、その可否について通知する。なお、変更申出において再度の手数料 が発生する際にはその都度免除の判断を行う。 B 過去の難病等データ等の利用実績 提供申出者若しくは取扱者が現に難病等データの提供を受けている、又は本提供申出に 係る難病等データの利用予定期間中に別途提供申出を行う予定がある場合は、それらの難 病等データの項目及び期間について記載すること。 過去に難病等データの提供を受けたことがある場合は、そのデータの内容及び利用期間 を記載すること。過去に難病等データや「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童 等データの提供に関するガイドライン」(平成 31 年2月厚生労働省)に基づき提供された データ、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)第 16 条の2第1項に 規定する匿名医療保険等関連情報、高齢者の医療の確保に関する法律施行規則(平成 19 年 厚生労働省令第 129 号)第5条の8に規定する匿名医療保険等関連情報と連結解析可能な データ、統計法(平成 19 年法律第 53 号)に基づくデータの利用に関して法令や契約違反に よる措置を受けたことがある場合は、その内容を記載すること。
⑼ その他必要な事項 厚生労働省は、必要に応じて、その他必要な事項や書類の提出を求めることができるもの とする。
6 提供申出書とともに提出する書類→「5 提供申出書の記載事項」に記載した本人確認の添付書類等の他に、下記⑴⑵の書類を 提出すること。⇒ ⑴ 難病等データの管理方法・安全管理対策等に関する書類 運用フロー図、リスク分析対応表、運用管理規程、自己点検規程を提出すること。これら の書類は、厚生労働省が指定する書式をダウンロードし、記入例に基づいて作成すること。 ⑵ 倫理審査に係る書類 人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針の適用下に倫理委員会の審査を受 け、承諾書の写しを提出すること。承諾書又は審査の申請の際に提出した研究計画書に、外部委託先を除くすべての提供申出者が記載されている必要がある。 提供申出者が民間事業者等で内部に倫理委員会を設置していない場合、大学や研究機関等 の外部組織に倫理審査を依頼すること。提供申出者が公的機関(省庁、自治体)のみである場合(委託先を除く)は本書類は不要。なお、倫理委員会の審査が申出に間に合わない場合、審査を申請中であること及び審査完 了時期の目安が分かる書類を代替資料として提出することができる。この場合、承諾され次第、承諾書の写しを遅滞なく提出すること。 取扱者の所属機関が変わった場合、変更申出において、変更後の所属先を反映した倫理審 査の承諾書を提出すること。
7 提供申出書等の受付及び提出方法→提供申出書等は、担当者又は代理人が、厚生労働省がホームページ等で指定する窓口に原則メールで提出すること。受付窓口は厚生労働省健康・生活衛生局難病対策課であり、円滑な事 務処理のために窓口業務を外部委託する場合がある。 申出の締切等、審査に係る具体的なスケジュールは、ホームページ上で事前に公表されるので確認すること。厚生労働省は、記載内容又は添付資料に不備がある場合には、その修正及び 再提出を求める。なお、再提出する前に、指示された提出期日を過ぎた場合には、次の提出期日までに再提出すること。

第4 提供申出に対する審査
1 審査主体
→難病等データの提供の可否を判断する審査は、難病法又は児童福祉法に基 づきそれぞれの専門委員会が実施する。本ガイドラインに定めるものの他、専門委員会における審査方法の詳細 については、専門委員会で決定することとする。審査は研究者の着想の保護等のため原則非公 開で行われる。専門委員会は難病等データの提供の判断に当たって、提供申出者又は取扱者に、 条件を付すことができる。難病等データの提供申出者又は取扱者と関係を有する委員がいる場 合には、その申出に対する審査に当該委員は参加しない。専門委員会は、提供申出書の内容が 専門的である場合等は、必要に応じ、提供申出書の内容に関する専門的な知見を有する者を招集し、意見を聞くとともに、専門委員会の審査に反映することができる。 提供申出者が、指定難病の患者に関する情報に係る難病等データと小児慢性特定疾病児童等 に関する情報に係る難病等データとの連結解析を申出する場合には、「匿名指定難病関連情報の 提供に関する専門委員会(仮称)」及び「匿名小児慢性特定疾病関連情報の提供に関する専門委 員会(仮称)」の合同委員会で審査を行う。
2 難病等データの提供の可否の決定→最終的な提供の可否は厚生労働省が決定する。
3 審査基準
→(1)〜(7)の「事項」とそれに対する「審査基準」の表あり)
4 審査結果の通知→厚生労働省は、専門委員会の審査結果を踏まえ、提供の可否を決定し、提供申出者に通知する。なお、難病等データの提供は、厚生労働省と提供申出者及び取扱者の双方との合意に基づ く契約上の行政行為であり、行政手続法(平成5年法律第 88 号)上の処分に当たらないため、 行政不服審査法(平成 26 年法律第 68 号)の対象外。
⑴ 提供申出を承諾する場合  ⑵ 提供申出を承諾しない場合

第5 提供申出/変更申出が承諾された後の手続
1 依頼書の提出
2 誓約書の提出
3 手数料の納付等→⑴ 手数料の積算 ⑵ 手数料の免除 ⑶ 手数料の納付
4 難病等データの受領→暗号化しパスワードを付与する等、必要な 措置を講じる。
5 提供申出書の記載事項等に変更が生じた場合
⑴ 専門委員会の審査を要しない変更→直ちに厚生労働省へ届け出ること。i)〜vi)あり。
⑵ 専門委員会の審査を要する変更→承諾通知書又は不承諾通知書を提供申出者に通知。
i)〜v)あり。

第6 難病等データ利用上の安全管理措置等
1 他の情報との照合禁止
2 安全管理措置
→⑴ 組織的な安全管理対策(6つの対策あり)  ⑵ 人的な安全管理対策(3つの対策あり)  ⑶ 物理的な安全管理措置@)〜B)あり。 ⑷ 技術的な安全管理措置@)A)あり。⑸ 情報及び情報機器の持ち出し(6あり) ⑹ その他の安全管理措置@)〜B)あり。
3 提供申出者及び取扱者の義務→提供申出者及び取扱者は、難病法、難病法施行令、難病法施行規則、児童福祉法、児童福祉法 施行令、児童福祉法施行規則及び本ガイドラインの規定に従い、情報の適正な管理を徹底することを誓約しなければならない。また、難病等データについて、全て個人情報の保護に関する法律 に規定する個人情報に準じた取扱いを行うこととし、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の実践等、医療情報システムの安全管理に関するガイドライン(第 6.0 版 令和5年5月)に定められた措置に準じた措置とすること。 提供申出者及び取扱者は、難病等データの利用に関して知り得た内容をみだりに他人に知らせ、 又は承諾された申出書に記載された目的以外に利用してはならない。

第7 研究成果等の公表
1 研究成果の公表
→利用者は、難病等データによる研究成果を、提供申出書に記載した公表時期、方法に基づき公表すること。公表前に、公表予定の研究成果を厚生労働省へ報告し、確認・承認を求めること(以下「公表物確認」という。)。公表物確認を厚生労働省に依頼する前に、利用者自ら当該 研究の成果とあらかじめ承諾された公表形式が整合的か点検すること。厚生労働省は、個人情報保護の観点から2の公表形式の基準を満たしているかを確認(必要に応じて専門委員会の委 員が確認を行う)し、承認する。 当該公表に際して、利用者は、難病等データを基に利用者が独自に作成・加工した統計等についてはその旨を明記し、厚生労働省が作成・公表している統計等とは異なることを明らかにすること。 学会誌の投稿等を予定していたが、結果的に論文審査に通らなかったなどの理由により、提供申出書に記載したいずれの公表方法も履行することができず、新たな公表方法により公表を行う場合は、当該公表方法について変更申出等の提出を行う措置を取った上で、公表を行うこと。 研究の成果を広く一般に公表する過程の中で、取扱者以外の者に研究の途中経過を見せる場合(例えば、論文の校正や査読、班会議、学会抄録、社内・学内での報告等)も、あらかじめ公 表物確認をする必要がある。
2 公表物の満たすべき基準→研究の成果の公表にあたっては、個別の同意がある場合等を除き、原則として、公表される研究の成果によって特定の個人又は医療機関等が第三者に識別されないように、利用者は次の公表形式の基準に基づき、十分に配慮しなければならない。
⑴ 最小集計単位の原則
i) 患者等の数の場合→原則として、公表される研究の成果物において患者等の数が 10 未満になる集計単位が含まれていないこと(ただし患者等の数が「0」の場合を除く。)。また、集計単位が市区町村の場合には、以下の通りとする。 @ 人口 2,000 人未満の市区町村では、患者等の数を表示しないこと。 A 人口 2,000 人以上 25,000 人未満の市区町村では、患者等の数が 20 未満になる集計 単位が含まれないこと。 B 人口 25,000 人以上の市区町村では、患者等の数が 10 未満になる集計単位が含まれ ないこと。
ii) 医療機関等の数の場合 原則として、公表される研究の成果物において医療機関等の属性情報による集計数が、3未 満となる集計単位が含まれていないこと(ただし医療機関等の数が「0」の場合を除く。)。
⑵ 年齢区分→原則として、公表される研究の成果物において年齢区分が、5歳毎にグルーピングして集計されていること。100 歳以上については、同一のグループとすること。 ただし、20 歳未満については、研究の目的に応じ、特に必要と判断される場合には、各歳 別を可能とする。
⑶ 地域区分→原則として、患者等の住所地及び医療機関等の所在地については、公表される研究の成果 物における最も狭い地域区分の集計単位は市区町村とすること。 なお、市区町村を集計単位とした場合は、医療機関等の特定を避けるため、医療機関等の 種別でのクロス集計を公表することは認めない。ただし、医療機関等の同意を得ている場合 等はこの限りではない。
3 利用実績報告書の提出
⑴ 利用実績報告書の提出→公的機関以外の利用者は、研究成果の公表後3ヶ月以内にその公表も含めた成果の概要について、厚生労働省へ「利用実績報告書」により報告すること。本書類は公表ごとに提出すること。
⑵ 利用実績の公表→ 厚生労働省は、報告を受けた利用実績を取りまとめ、専門委員会に報告するとともに、必 要に応じて利用実績をホームページ等により公表する。 ⑶ 管理状況報告書の提出 延長等により、難病等データの利用期間が2年を超える場合には、利用者は利用開始2年 後を目途として、データ措置兼管理状況報告書を厚生労働省へ提出すること。厚生労働省は 必要に応じ、利用者に対し、データ措置兼管理状況報告書の提出を求めることができる。そ の場合、利用者は、随時対応することとし、当該求めのあった日から1週間以内にデータ措 置兼管理状況報告書を提出するものとする。
4 研究成果が公表できない場合の取扱い→難病等データを利用する過程で、当初想定していた利用目的が実現できないと判明した場合 には、速やかに難病等データを返却し、全て消去すること。利用者の解散又は取扱者の死亡、研究計画の中止などにより研究成果を公表できない場合は、研究の状況及び公表できない理由 を利用実績報告書により厚生労働省へ報告すること。 なお、研究の成果が公表できなかった事由が不適切である場合には、内容に応じ、難病等デ ータの不適切利用に該当することとなる。
5 研究の成果の利用制限→提供申出書に記載した公表方法で公表されなかった研究成果の利用は認めないものとする。 これに違反した場合、難病等データの不適切利用に該当することとなる。
6 難病等データの利用終了後の研究成果の公表 →利用者は、難病等データの利用の終了後であっても、成果物を用いた発表を行うことができ る。提供申出書に記載されている公表形式であり、一度公表物確認した後であるならば、新規 データ等の追加がない限り公表物確認は不要とする。ただし、公表許可済のデータを使用して いたとしても、グラフや表が追加されている場合は、新たに公表物確認が必要となる。判断に 迷った場合は、厚生労働省がホームページ等で指定する窓口に問い合わせること。 なお、難病等データの提供は、難病又は小児慢性特定疾病に関する調査及び研究の推進並び に国民保健の向上に資するといった相当の公益性を有することを求める制度趣旨を考慮し、特 許法(昭和 34 年法律第 121 号)第 32 条に規定する公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害 するおそれがない限り、特許の取得は可能である。

第8 難病等データの利用後の措置等
1 難病等データの利用の終了
→ 利用者は、難病法又は児童福祉法に基づき、難病等データの利用を終了したときは、遅滞なく、提供を受けた難病等データ、中間生成物及び最終生成物を消去しなければならない。CD-R 又は DVD で難病等データの提供を受けた場合は、利用終了時に媒体を厚生労働省へ返却するこ と。 そして、利用場所ごとのデータ措置兼管理状況報告書に消去を実施した証明書を添付した上で、厚生労働省に提出すること。データ措置兼管理状況報告書は、利用場所毎に提出するものであり、変更届出による利用場所の廃止時も提出するものとする。
2 利用終了後の再検証→難病等データの利用終了後、研究成果について再検証等が必要となった場合には、その都度、 難病等データの提供申出を行うこと。

第9 難病等データの不適切利用への対応
1 法における罰則
→利用者及び取扱者は、難病法又は児童福祉法に基づき、他の情報と照合等の禁止義務、利用 後のデータ消去、安全管理措置、不当な目的利用等の禁止等の義務が課されている。厚生労働 省は、法令違反等の疑いがある場合には、難病法又は児童福祉法に基づく立入検査、是正命令を行うことができる。不当な利用等の禁止義務や是正命令に違反した者等には、難病法又は児童福祉法に基づく罰則(1年以下の懲役・50 万以下の罰金)が科されることがある。
2 契約違反と措置内容→ 厚生労働省は、難病等データの利用に関し、法令や契約違反等の疑いがあった場合には、速やかに利用者に連絡し、原則として、利用の停止を求めるものとする。 その上で、利用者及び取扱者が、法令や契約違反を行った場合には、その内容に応じて、当該利用者及び当該取扱者に対し専門委員会の意見を踏まえ、以下の対応を行う。  i) 難病等データの速やかな返却並びに複写データ、中間生成物及び最終生成物の消去を行 わせること。 ii) 別表の各号の要件に応じて、一定の期間又は期間を定めずに、利用を停止すること。 iii) 難病等データの提供の申出を受け付けないこと。 iv) 難病等データを利用して行った研究や業務の成果の公表を行わせないこと。 v) 所属機関や氏名を公表すること。 なお、上記の措置内容については、違反を行った利用者・取扱者が含まれる別の提供申出に 対しても同様の対応をとることができる。
(別表)→「違反行為(@〜G)」とその「 措置内容」あり。

第 10 厚生労働省による実地監査→厚生労働省は、必要に応じてその職員及び厚生労働省が適切と認めた者を利用者及び取扱者 が利用する難病等データの利用場所及び保管場所に派遣し、難病等データの利用環境の実地検 分及びヒアリングを実施することができる。その際、利用者及び取扱者は、業務時間内に厚生労働省の職員及び外部委託先職員が難病等データの利用場所及び保管場所へ立ち入ること、帳票その他実地監査のために必要な書類の閲覧を求めることを認め、あらかじめ利用規約で承認 すること。

第 11 その他→ 本ガイドラインの改正については、委員長が必要と認めるものは専門委員会で検討の上で改 正することとする。
第 12 ガイドラインの施行期日→令和6年4月1日から施行する。 ただし、施行日前に「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に関するガイドライン」に基づき、「指定難病患者データ及び小児慢性特定疾病児童等データの提供に 関するワーキンググループ」で承認を受けた申出については、なお従前の例による。

次回も続き「参考資料1 「匿名指定難病関連情報及び匿名小児慢性特定疾病関連情報の利用に関する ガイドライン」(案)概要 」からです。

「女性活躍に関する調査」の報告書を公表します [2024年06月22日(Sat)]
「女性活躍に関する調査」の報告書を公表します(令和6年5月17日)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40278.html
○令和5年度厚生労働省委託事業「女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業」の一環として行われた「女性活躍に関する調査」(調査実施者:東京海上ディーアール株式会社)について、このほど、報告書が取りまとめられましたので公表します。
 この調査は、平成27年に制定された女性活躍推進法の浸透状況と課題を明らかにすることを目的に、全国の企業を対象に、令和5年12月〜令和6年1月に実施したものです。
 この調査結果等を踏まえ、厚生労働省では、引き続き女性の職業生活における活躍の推進に向けた施策を実施していきます。


○調査概要
・調査手法:15,000社を対象にWeb回答ページのURLを記載した案内状を郵送し、Web
 で回答受付
・調査実施期間:2023 年 12 月 14 日〜2024年1月 31 日
・調査対象:全国の常用労働者30人以上の15,000社(※1)
・有効回答数/発送件数:2,738件/15,000件(有効回答率18.3%)(※2)
※1 企業規模別に「30-99人」「100-299人」「300人以上」の3層に分けて、回収率20%  目標の下で、「300人以上」の企業については約1,000件のサンプルを、「30-99人」及び「100-299人」の企業については800から1,000件のサンプルを得られるよう、各層について日本標準産業分類に基づく16大産業の構成比(令和3年「経済センサス-活動調査」に基づく産業構成比)となるよう、各層5,000社ずつ抽出
※2 有効回答は各企業規模ともセンサスの産業構成比に類似した分布

◎令和 5 年度 厚生労働省委託事業 「女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業」 『女性活躍に関する調査』報告書 令和6年3月 東京海上ディーアール株式会社
○「目次」に沿って↓
第 1 章 調査の概要
1.1 調査の方法
→全国の常用労働者 30 人以上の企業を企業規模別に「30-99 人」「100-299 人」「300 人以上」の 3 層に分けて、各層について日本標準産業分類に基 づく 16 大産業の構成比(令和 3 年「経済センサス-活動調査」(以下「センサス」)に基 づく産業構成比)となるよう、各層 5,000 社ずつ抽出した(16 大産業の産業名は次節の図表 1-2- 1 を参照)。 前回調査(JILPT 調査シリーズ No.196 女性活躍と両立支援に関する調査)と同様に対象企業 の区分を 3 層に分けたのは、企業数において「300 人未満」のいわゆる中小企業が日本の企業数 の約 9 割を占めるからである。具体的には、16 大産業における 30 人以上企業に占める「300 人 以上」の企業は 9%弱を占めるに過ぎず、仮に 30 人以上企業を産業別に 15,000 社を無作為抽出 し、回収率を 20%とした場合、「300 人以上」の企業は約 270 社しか回収できない。よって、「女性活躍推進法」の義務対象となっている「300 人以上」の企業のサンプルを約 1,000 件確保しつ つ、「30-99 人」「100-299 人」の企業についても 800 から 1000 件のサンプルを得るため、3 つに 層化し企業サンプルを得る計画とした。 なお、本調査では、企業における女性活躍推進法の浸透状況と課題を明らかにすることを目的 として前回調査で実施していた従業員調査は実施しないこととした。 調査の手法としては、前述の方法で抽出した 15,000 社に対し、依頼状とウェブ回答ページの URL を記載した案内状を郵送し、ウェブでの回答を依頼した。調査の実施時期は、令和5年12月14日から令和6年1月31日までのおよそ1.5カ月間とした。
1.2 回収状況

第2 章 調査結果の概要
2.1 2019 年改正後の状況把握
(1) 女性労働者の状況
(2) 行動計画の作成と取組み
(3)情報公表項目
(4) くるみん・えるぼしの取得状況
2.2 女性活躍推進法の影響・効果
(1) 情報公表項目数の影響・効果
(2) 管理職等における女性比率の公表の影響・効果
(3) 両立・均等に関する取組の実施の影響・効果
(4) 両立・均等に関する取組の継続性の影響・効果
(5) くるみん・えるぼし認証の影響・効果
2.3 2022 年省令改正後の状況把握
(1) 男女賃金差異の公表に関する動向
(2) 詳細分析を促す要因
2.4 新しい課題の把握
(1) 女性の健康課題に関する取組の状況
(2) 女性の健康課題に関する取組を促す要因:女性労働者の状況
(3) 女性の健康課題に関する取組を促す要因:状況把握・課題分析

第 3 章 まとめ↓
3.1 2019 年改正後の状況把握
→2019 年改正後の状況把握の分析として、主に前回調査(2018 年)との比較を行った。主な分 析結果は以下の通りである。
(1) 女性労働者の状況 →まず、女性労働者の状況についてはこの5 年間で劇的に変化しているわけではない。管理職に占める女性比率については、そもそも規模の小さい企業では管理職ポストが少ないという事情から、比率自体を規模間で比較することは難しいが、それぞれの規模においてこの 5 年間で 女性管理職比率が 0(女性管理職がいない)という割合は減少している。特に「300 人以上」に おいては、必ずしも大きいとは言えないが女性管理職比率の上昇もみられている。女性の昇進者 の有無についても、そもそも規模ごとに昇進機会が異なっているという事情から単純な比較は難しいが、特に「300 人以上」においては、女性の昇進者がいるという割合がこの 5 年間で増加している。

(2) 行動計画の策定と取組→次に行動計画の策定状況に注目すると、特に 2019 年改正後に義務化の対象となった「100〜 299 人」では行動計画の策定率が大きく増加している。一方で「30〜99 人」についても策定率は上昇しているものの、未だ 15%にとどまっており、行動計画の策定があくまでも努力義務にとどまっていることがうかがえる。しかし、行動計画の策定理由に注目すると、むしろ努力義務に なっている「30〜99 人」ではこの 5 年間で企業イメージの向上や女性活躍に関する課題解決を 理由に挙げる企業が増加しており、「100〜299 人」と「300 人以上」と比べてもその割合は比較的高くなっている。その反面、行動計画の策定が義務化されている「100〜299 人」と「300 人以 上」では「法律に定められているから」という理由が大多数である。 行動計画策定については、自社の女性の活躍に関する状況把握・課題分析をして、その課題を解決するのにふさわしい数値目標と取組みを盛り込むというプロセスを経ることが望ましい。 事前の状況把握・課題分析に注目すると、すべての規模について様々な側面において状況把握・ 課題分析を行う企業が増加している。特に「採用」「継続就業・職場風土」「登用」に関する状況 把握・課題分析の割合はすべての規模で増加しており、均等と両立を軸とする女性活躍推進の理念に沿って企業も問題意識を持っていることがわかる。 また、数値目標の設定の時点間変化はそれほど大きくはないが、「30〜99 人」では「採用」「継 続就業」、「100〜299 人」では「採用」「登用」に関して数値目標を設定した割合が増加している。 この 5 年間で、企業は様々な側面から状況把握・課題分析を行うようになったが、数値目標については手広く設定するわけではなく、焦点を絞っているといえる。さらに、具体的に設定している数値目標については、「女性管理職比率」や「採用者にしめる女性比率」が各規模で共通しているものの、「300 人以上」では相対的に「職場風土等に関する意識」や「男女の賃金の差異」を選択する割合が高く、「30〜99 人」や「100〜299 人」では「セクハラ等の相談状況」や「男女別 の教育訓練の受講状況」が相対的に高い。このように、具体的な数値目標の設定は規模ごとにことなっており、言い換えれば女性活躍に関する課題が規模ごとに異なっていることを示している。 各規模とも数値目標達成のための具体的な取組の第 1 位の項目は「求職者に向けた積極的広報」であるが中規模企業ではややその割合が小さい。第 2 位以降のランキングは規模ごとにやや 異なっている。「300 人以上」で特に実施している割合が高くなる項目として、「長時間労働対策のための組織的対応」「柔軟な働き方の導入」「女性の採用方針・目標の設定」が挙げられる。反対に「30〜99 人」において割合が相対的に高い項目としては「女性が働きやすい職場環境整備 のための設備投資」が挙げられるが、「300 人以上」と同様に「長時間労働対策のための組織的対応」「柔軟な働き方の導入」など両立に関する取組もランキング上位に入っている。

(3) 情報公表項目→一連のプロセスで行動計画を策定した後、企業はその行動計画の実施状況をモニタリングするために情報公表を行う必要がある。男女賃金差異を除いた 15 項目から、301 人以上では 2 つ、 101〜300 人企業では 1 つの項目の公表が義務づけられている。「100〜299 人」は情報公表を全くしていない企業が減少し、「1〜2 個」の割合が増加している。「300 人以上」でも情報公表を全く していない企業が減少し、特に「8〜13 個」の割合が増加している。基本的には行動計画の策定が義務づけられることによって情報公表を全くしていない企業が減少しているが、今後の傾向を考慮すると「100〜299 人」では義務化への最低限の対応である「1〜2 個」以上の割合が増加 していくかどうかが問題となる。

(4)くるみん・えるぼしの取得状況 →このような女性活躍推進に関する取組の実施状況が優良な企業に対しては、厚生労働大臣より「えるぼし」認定を受けることができる。「300 人以上」においても今日の認定率は 1 割未満 となっているが、この 5 年間で微増しており、申請予定なしの割合も減少している。取得してい ない理由を尋ねると、存在を知らなかったという理由はいずれの規模でも減少しているものの、 「100〜299 人」と「300 人以上」ではえるぼし取得にメリットを感じなかったからという理由が 特に増加している。そういった意味では、えるぼし認定は認知度が上昇し申請に取り組んでいる 企業も増加しているが、未だそのメリットを感じていない企業も未だ多いという課題がある。

3.2 女性活躍推進法の影響・効果→上述のように、行動計画の策定プロセスをみたときに、この 5 年間で情報公表項目の数が高まっているという特徴がある。そこで、情報公表項目の数が多いほど女性活躍推進に関する取組に積極的であると捉え、それが女性管理職・昇進者比率の変化や女性社員・企業全体へどのような影響があるのかを検討した。結論からいえば、女性活躍推進に関する取組に積極的であるほど それらのアウトカムに対してはポジティブな影響があることがわかった。 女性の管理職者比率の変化(3 年前比較)に関して、「300 人以上」の企業では、情報公表項目 数が多いほど女性管理職の比率が以前より高まったとする割合が多く、特に係長相当職と課長相当職での女性比率の変化にその傾向が現れている。一方で、「30〜99 人」と「100〜299 人」で はそうした傾向が係長相当職の女性比率の変化に限定されている。部分的には、情報公表項目数 が多い企業では以前よりも女性管理職比率が高くなっている傾向が見られるが、規模による違いはあるものの、そうした関連がより上位の役職ではみられていないという課題がある。そして、 このような関連は女性の昇進者比率の変化(3 年前比較)についても同様である。つまり、情報公表項目数が多いほど女性昇進者比率が以前より高まるという関連がみられるのは係長など下位の役職に限定されている。 女性社員への影響では、情報公表項目数が多い企業で女性の採用や活躍が促進され、特に「100 〜299 人」と「300 人以上」では、情報公表項目数が多いほど「育児・介護をしながら働く女性 管理職が出てきた・増えた」が高くなるという特徴がある。企業全体への影響については、当然ながら情報公表項目数が多いほど「女性活躍に向けた社内の意思統一ができた」というポジティブな影響が規模に関わらず観察されるほかに、職場活性化や効率化、離職率の低下に対してもポジティブな影響がみられる。特に行動計画が義務化されていない「30〜99 人」については、情報公表項目の数が増えることの影響が多くの項目で見られている。 上記のような関連は管理職等における女性比率の公表の有無に注目した場合でも観察される。 すなわち、係長や課長以上などの管理職等に占める女性の比率を公表している企業においては、 係長相当職及び課長相当職における女性比率が 3 年前よりも高くなったとする割合が大きい。 女性昇進者比率についても同様の傾向が見られており、管理職等における女性比率の公表と実 際の女性管理職や女性昇進者比率は関連している。 企業における両立・均等の組み合わせとそれぞれの取組の継続性に注目したところ、少なくと も「300 人以上」においては両立と同時に均等の取組を実施している場合や、それぞれの取組を 最初の行動計画以前から継続的に実施している場合では、女性正社員の平均勤続年数が長く、また係長相当職や課長相当職における女性比率もが 3 年前よりも高くなったとする割合が大きい ということがわかった。「100〜299 人」規模の企業においても、両立・均等両方の取組を実施している場合には女性正社員の平均勤続年数が長く、また係長相当職における女性比率も高まっていた。この規模の企業において、両立取組の継続性は女性正社員の平均勤続年数と関連が見ら れなかったものの、均等取組の継続性については係長相当職における女性比率の変化と関連があった。 くるみん・えるぼし認証の取得についても、両方の認証を取得している方が女性正社員の平均 勤続年数及び係長相当職・課長相当職における女性比率の変化についてポジティブな影響を与えている。このことは、上述のように両立・均等の両方の取組を実施していることが重要であることを示唆している。

3.3 2022 年省令改正後の状況把握→2022 年の省令改正により、301 人以上の企業は男女賃金差異を公表することが義務化された。 この公表は全労働者および雇用形態別に行われ、追加情報の公表が推奨されている。本調査によると、大企業では約 7 割が男女賃金差異を公表しており、約 4 割が雇用形態以外の分析も実施している。また、約 5 割の企業が追加情報を公表しており、男女賃金差異の分析結果について公表している割合も 2 割強と決して少なくない。男女賃金差異の公表の手応えとして「賃金差異改善に向けた社内の意識向上」「新たな取組の 実施や制度の創設」及び両者の組み合わせである「社内の意識向上かつ、新しい取組・制度の実 施・創設」に着目したところ、残念ながらそれらの手応えを感じている企業は決して多くないことがわかった。しかしながら、詳細分析を行ったうえで賃金差異を公表している企業は、これらの手応えを感じている割合が高い。すなわち、賃金差異改善に向けた取組の実施につながる公表 のためには詳細分析を行うことが重要である。 続いて、詳細分析(男女賃金差異に関する雇用形態以外の分析)を促す要因は何かを検討した。 行動計画における状況把握・課題分析と数値目標項目を当該企業における女性活躍に関する問題意識として位置づけて分析したところ、女性社員の評価や配置、多様なキャリアコースに関して状況把握し、数値目標を定めている企業ほど詳細分析を行っていることがわかった。さらに、 企業で行われている具体的な取組との関連に注目すると、女性社員の業務内容の見直しや、部門・職種・雇用管理区分における性別分離を解消しようとしている企業で、特に詳細分析を行っている割合が高いことがわかった。そういった意味で、特に女性の配置やキャリアコースといっ た側面での男女均等の確保(性別分離の解消)を行おうとしている企業においては、自社におけ る男女賃金差異に関する理解を深めようとする傾向が強いと言える。そして、そうした配置や キャリアコースといった側面での性別分離が大きな課題となっている典型的な産業が「金融業、 保険業」であり、そこにおける詳細分析の割合も高い。

3.4 新しい課題の把握 →最後に女性の健康課題に関する取組について分析を行った。女性の健康課題として近年注目されている「生理・PMS」「女性特有の疾患等」「更年期」「不妊治療」に対する企業の取り組みは、特に大企業においては、4 つの健康課題いずれについても休暇制度の充実やサポート体制の整備という形で取組が進んでおり、女性のライフサイクル全般にわたる包括的な支援体制が整 えられつつある。 次にどのような要因が女性の健康課題への取組を促すのかを明らかにするために、女性労働者の状況及び行動計画における状況把握・課題分析項目に注目して分析を行った。まず、女性労働者の状況に注目した分析からは、女性の健康課題への取り組みは、特に女性の「採用」と「登 用」に課題を抱えている一方で、女性の「定着」が進んでいる企業において積極的に行われていることがわかった。現状においては、女性の健康課題に関する取組が、女性の採用を増加させる や管理職昇進を促すという関連はみられていない。むしろ、「採用」と「登用」に課題が大きい産業グループにおいて女性の健康課題への取組が進んでいる印象がある。 そして、行動計画における状況把握・課題分析と健康課題の取り組みとの関連については、女性の育成や教育訓練、評価に関する問題意識が健康課題への取り組みを促していることがわかった。一方で、大企業においては今日の女性活躍推進法の枠組みが想定しているものとは異なる問題意識を持っている場合にも女性の健康課題への取組の実施率が高くなっており、そういった意味では今後の女性活躍推進の包括性や既存の枠組みの限界を示す結果となっている。そして、 中小企業においては、既存の女性活躍推進の枠組みにおける問題意識の関連がみられ、そのなかでも特に「女性社員の評価」や「男女社員の賃金格差」といった人事制度・雇用管理の核となる領域での状況把握や課題分析が女性の健康課題への取り組みを促している。

付属資料
1 調査票. 付属資料
2 単純集計表付属資料
3 基礎クロス集計表付属資料
4 図表データ

◆目次に沿って結果のみまとめました。

次回は新たに「令和6年度第1回厚生科学審議会疾病対策部会(持ち回り開催)について」からです。

「 職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します [2024年06月21日(Fri)]
「 職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します(令和6年5月17日)
〜全国の企業・労働者等を調査し、ハラスメントの発生状況や予防・解決に向けた取組の主な効果・課題を把握〜
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_40277.html
◎令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(概要版)
○令和5年度厚生労働省委託事業「職場のハラスメントに関する実態調査」(調査実施者:PwCコンサルティング合同会社)について、このほど、報告書が取りまとめられましたので公表します。

この調査は、令和2年度に実施した職場のハラスメントに関する実態調査から3年が経過し、ハラスメントの対策に取り組む企業やハラスメントを受けている労働者の状況も変化していると考えられることから実施。今回の調査は、全国の企業と労働者等を対象に、令和5年12月〜令和6年1月に実施したものです。
この調査結果等を踏まえ、厚生労働省では、引き続き職場のハラスメントの予防・解決に向けた施策を実施していきます。
職場のハラスメントに関する実態調査報告書 概要
• ハラスメントの発生状況・ハラスメントに関する職場の特徴
• ハラスメントの予防・解決のための取組状況、その効果と課題
• ハラスメントを受けた経験
• ハラスメント行為を受けた後の行動、ハラスメントを知った後の勤務先の対応
• ハラスメントを受けていることを認識した後の勤務先の対応 等

◎調査結果の概要
1 事業の概要
1.1 事業の目的・概要
→職場におけるハラスメント対策については、第 198 回通常国会において、「女性の職業生活 における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律」(以下「改正法」)が成立し、 職場におけるパワーハラスメント(以下「パワハラ」)に関する労働者の相談に応じ、適切に対応するための体制の整備等、必要な措置を講じることが事業主に義務付けられるとともに、 セクシュアルハラスメント等の防止にかかる取組の実効性の向上のための改正が行われた。令和4年4月には、改正法の完全施行により、中小事業主を含む全ての事業主がパワーハラスメントの防止措置義務の対象となり、厚生労働省の総合的ハラスメント 防止対策事業等を通じた周知・広報等を通じて、ハラスメント防止に向けた企業・労働者に対す るより一層の取組が行われている。 一方で、近年、顧客や取引先からの暴力や悪質なクレーム等の著しい迷惑行為(いわゆるカスタマーハラスメント。以下「顧客等からの著しい迷惑行為」)や就職活動中又はインターンシップ中の学生に対するセクハラ(以下「就活等セクハラ」)などが社会問題化している状況も見られる。顧客等からの著しい迷惑行為および就活等セクハラについては、関係指針において望ましい取組に位置づけられているほか、関係省庁や企業との連携により、「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」や「就活ハラスメント防止対策企業事例集」が作成され、周知・広報等が行われているが、現状を調査し、関係省庁等と連携してより一層取組を行う必要がある。 このような状況を踏まえ、令和2年度の「職場におけるハラスメントに関する実態調査」から3 年が経過し、職場におけるハラスメント対策に取り組む企業やハラスメントを受けている労働者 の状況も変化していると考えられることから、企業におけるハラスメントの発生状況や企業の対 策の進捗、労働者の意識等を把握し、今後の諸施策に反映させることを目的に、実態調査を実 施することとした。
2 調査実施概要

2.1 企業調査概要
2.2 労働者等調査概要
2.2.1 一般サンプル調査
2.2.2 特別サンプル調査(女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメント)
2.2.3 特別サンプル調査(男性の育児休業等ハラスメント)
2.2.4 特別サンプル調査(就活等セクハラ)
3 調査結果の概要
3.1 企業調査結果の概要
<企業調査結果のまとめ>↓
【企業におけるハラスメントの発生状況】
→・過去 3 年間各ハラスメント(パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護 休業等ハラスメント、顧客等からの著しい迷惑行為、就活等セクハラ)の相談件数⇒セクハラ以外では「件数は変わらない」の割合が最も高く、セクハラのみ「減少している」が最も高かった(「件数の増減は分からない」を除く)。顧客等からの著しい迷惑行為のみ「件数が増加している」の割合の方が「件数は減少している」より高かった。また、該当件 数の傾向としては、顧客等からの著しい迷惑行為については「件数が増加している」の方が「件数は減少している」よりも多かったが、それ以外のハラスメントについては「件数は減 少している」の方が「件数が増加している」の割合より多かった。  相談件数の多かった業種⇒パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業等ハラスメント、介護休業等ハラスメントでは、「金融業、保険業」、「教育、学習支援業」、「宿泊業、飲食 サービス業」、「医療、福祉」や「生活関連サービス業、娯楽業」が多い傾向にあった。顧客等からの著しい迷惑行為では、「医療、福祉」、「宿泊業、飲食サービス業」、「不動産業、物 品賃貸業」(それぞれ 53.9%、46.4%、43.4%)が、就活等セクハラについては、「電気・ガス・熱 供給・水道業」、「宿泊業、飲食サービス業」、「教育、学習支援業」の順に相談があった企 業の割合が多かった(それぞれ 2.9%、2.1%、1.4%)。
【企業におけるハラスメントに対する取組状況】→パワハラ、セクハラ、妊娠・出産・育児休業・介護休業等ハラスメント、顧客等からの著しい 迷惑行為、就活等セクハラに対して予防・解決のために実施している取組として、「相談窓口の設置と周知」の割合が最も高く、約 7 割以上の企業が実施。次いで「ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の明確化と周知・啓発」の割合が高く、約 6 割以上の企業が実施。業種別にみると、いずれのハラスメントにおいても、「金融業、保険業」、「複合サービス業」などで、取組を実施している割合が全般的に他の業種より高かった。 ・ また、顧客等からの著しい迷惑行為に関する取組について業種別にみると、一般消費者と の接触頻度が高い「医療、福祉」、「金融業、保険業」、「宿泊業、飲食サービス業」などにおいて、取組を実施している割合が他の業種より高く、また、そうした企業では取組を進める上での課題として「迷惑行為に対応する従業員等の精神的なケアが難しい」との回答が他の業種より多かった。 ・就活等セクハラに関する取組として実施している取組を業種別にみると、「金融業、保険業」、「情報通信業」などでは、各取組の実施割合が他の業種より高かった。
【企業におけるハラスメントに対する取組の効果・課題】→予防・解決以外の副次的効果としては、「職場のコミュニケーションが活性化する/風通しが良くなる」(39.1%)の割合が最も高く、「会社への信頼感が高まる」(34.7%)が続いた。
・ ハラスメントの取組を進める上での課題について、取組を実施している企業では、「ハラスメントかどうかの判断が難しい」(59.6%)が最も高く、取組を実施していない企業においては、「特にない」(42.6%)が最も高かった。
【今後必要なハラスメントに対する取組】→今後必要なハラスメント予防・解決のための取組としては、「企業の自主的な取組の促進・ 支援」(54.7%)が最も高く、次いで「ハラスメント(ハラスメントの行為者)に対する規制」(36.5%) が高かった。

3.2 労働者等調査結果の概要
<労働者等調査結果のまとめ(一般サンプル調査)>
【労働者におけるハラスメント被害を受けた経験】
→過去 3 年間に勤務先でパワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為を受けた割合は、それぞれ 19.3%、6.3%、10.8%であった。また、顧客等からの著しい迷惑行為を一度以上 経験した割合については、接客頻度が高いほど、経験した割合が高く、業種別にみると、 「生活関連サービス業、娯楽業」(16.6%)、「卸売業、小売業」(16.0%)、「宿泊業、飲食サービ ス業」(16.0%)の順で高かった。 ・ さらに、ハラスメントを受けた経験の割合を、勤務先が行っているハラスメントの予防・解決のための取組評価別にみると、パワハラにおいては、勤務先が「積極的に取り組んでいる」と回答した者で、ハラスメントを経験した割合が最も低く(15.2%)、「あまり取り組んでいない」 と回答した者で最も高かった(35.1%)。なお、セクハラと顧客等からの著しい迷惑行為については、勤務先が「取り組んでいる」と回答した者でハラスメントを経験した割合が最も低かった(それぞれ 5.5%、12.2%) 。 ・ パワハラ、セクハラを受けた後の行動としては、「何もしなかった」(それぞれ 36.9%、51.7%) が最も多く、顧客等からの著しい迷惑行為については、「社内の上司に相談した」(38.2%)が 最も多かった。また、勤務先におけるハラスメントの予防・解決に向けた取組への評価が高いほど、「社内の同僚に相談した」や「社内の上司に相談した」等の割合が高く、「何もしなかった」の割合が低かった。 【ハラスメントに対する勤務先の対応】→勤務先によるハラスメントの認識については、「認識していた」の割合がパワハラでは 37.1%、セクハラでは 23.9%と半数を下回る一方で、顧客等からの著しい迷惑行為については 59.2%と半数を上回っていた。 ・ ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、パワハラとセクハラでは「特に何もしなかった」が最も高く(それぞれ 53.2%と 42.5%)、顧客等からの著しい迷惑行為については「あなたの要望を聞いたり、問題を解決するために相談にのってくれた」(39.2%)が最も高かった。 ・ 勤務先によるハラスメントの認定については、パワハラ、セクハラでは、「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」(それぞれ 61.4%、47.5%)の割合が最も高かった。
【勤務先における職場の特徴】→現在の勤務先でハラスメントを経験した者と、ハラスメントを経験しなかった者とで職場の特徴を比較すると、パワハラ、セクハラ、顧客等からの著しい迷惑行為において、「その他」を除き、すべての職場の特徴に関して、ハラスメントを経験した者の方が経験しなかった者よりも回答割合が高かった。
【勤務先におけるハラスメントに対する取組状況やそれに対する評価】→勤務先が予防・解決のための取組を行っている割合は、全体のうち 41.8%であり、取組の対象となっているハラスメントについては、「パワハラ」(88.1%)が最も多く、次いで「セクハラ」 (81.0%)、「妊娠・出産・育児休業・介護休業等に関するハラスメント」(51.2%)と続いた。 ・ また、勤務先の取組への評価については、「取り組んでいる」が約半数(49.0%)で最も多く、 次いで「あまり取り組んでいない」(20.9%)の順となった。 ・「職場の生産性」「あなた自身の働きやすさ」といった職場の変化について、勤務先が「積極 的に取り組んでいる」「取り組んでいる」と回答した者においては、「悪化している」よりも「改善された」の割合が高く、「あまり取り組んでいない」と回答した者においては「改善された」よりも、「悪化している」の割合が高かった。
【勤務先において今後実施した方が良いハラスメントに対する取組】→勤務先が今後実施した方がよい取組を業種別でみると、「運輸業、郵便業」(24.1%)や「教育、学習支援業」(24.3%)では、「労働者や労働組合等の参画の促進(アンケート調査や意見交換等の実施、衛生委員会の活用等)」の割合が高く、一方、「不動産業、物品賃貸業」(65.1%)や「宿泊業、飲食サービス業」(68.0%)、「その他サービス業」(67.4%)では、「特にない」の割合が高かった。

<労働者等調査結果のまとめ(特別サンプル調査)>↓
【労働者等におけるハラスメント被害を受けた経験
】→過去 5 年間に就業中に妊娠/出産した女性労働者の中で、妊娠・出産・育児休業等ハラスメントを受けたと回答した者の割合は、26.1%、過去 5 年間に勤務先で育児に関わる制度を利用しようとした男性労働者の中で、育児休業等ハラスメントを受けたと回答した者の割合 は、24.1%であった。 ・ 2020〜2022 年度卒業でインターンシップ中に就活等セクハラを一度以上受けたと回答した 者の割合は 30.1%、インターンシップ以外の就職活動中に受けた者の割合は 31.9%であった。セクハラを受けた際の志望企業・団体の従業員規模については、インターンシップ中、 インターンシップ以外の就職活動中ともに、「99 人以下」(それぞれ 37.7%、35.3%)の企業に おける割合が最も高く、業種としては、インターンシップ中、インターンシップ以外の就職活動中ともに、「製造業」(それぞれ 17.5%、17.0%)が最も多かった。 ・ 2020〜2022 年度卒業でインターンシップ中に就活等セクハラを一度以上受けたと回答した者について、男女別でみると、インターンシップ中にセクハラ経験したと回答した割合は男性の方が女性より高く(それぞれ 32.4%、27.5%)、インターンシップ以外の就職活動中のセクハラについても、男性の方が女性より経験した割合が高かった(それぞれ 34.3%、28.8%)。 ・ 就活等セクハラの行為者としては、インターンシップ中のセクハラは、「インターンシップ先で知り合った従業員」(47.4%)が最も多く、また、インターンシップ以外の就職活動中のセクハラの行為者では、「大学の OB・OG 訪問を通して知り合った従業員」(38.3%)が最も多かった。 ・ 女性が妊娠・出産・育児休業等ハラスメントを受けた後の行動としては、「何もしなかった」 (30.7%)が最も多く、男性の育児休業等ハラスメントにおいては、「会社とは無関係の弁護士 や社会保険労務士に相談した」(20.8%)の割合が最も高かった。・ 就活等セクハラを受けての行動としては、インターンシップ中は「家族・親戚、友人に相談した」(21.5%)が最も高く、インターンシップ以外の就職活動では、「労働基準監督署や都道府県労働局内の総合労働相談コーナーに相談した」(20.0%)が最も高かった。 ・ 就活等セクハラを受けての行動を男女別でみると、インターンシップ中のセクハラについては、「労働基準監督署や都道府県労働局内の総合労働相談コーナーに相談した」、「大学のキャリアセンター以外の部署(学生相談窓口など)に相談した」などについては男性の方が割合が高く、「何もしなかった」、「大学の OB・OG に相談した」などについては女性の方が割合が高かった。また、インターンシップ以外の就職活動中のセクハラについては、「大学の OB・OG に相談した」、「ハローワークに相談した」などについては男性の方が女性より割合が高く、「何もしなかった」、「大学のキャリアセンターに相談した」などについては女 性の方が男性より割合が高かった。
【ハラスメントに対する勤務先・相談先の対応】→自身がハラスメントを受けていることを勤務先が認識していたかについて、女性の妊娠・出産・育児休業等については、「認識していなかった」の割合が 53.6%となり過半数を超えていたが、一方、男性の育児休業等ハラスメントについては、「認識していた」と回答した割合が 55.0%であった。 ・女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメントを知った後の勤務先の対応としては、「特に何もしなかった」(35.5%)が最も多く、男性の育児休業等ハラスメントにおいては、「相談したこと を理由としてあなたに不利益な取扱いをした(解雇・降格・減給・不利益な配置転換など)」 (47.0%)が最も高かった ・ 就活等セクハラを受けていると相談した後の相談先対応者の対応としては、インターンシップ中、インターンシップ以外の就職活動中ともに、「解決策・対応策は示してくれなかったが、相談にのってくれた」(それぞれ 43.1%,50.9%)の割合が最も高かった。 ・ 勤務先によるハラスメントの認定については、妊娠・出産・育児休業等ハラスメントでは、「ハラスメントがあったともなかったとも判断せずあいまいなままだった」(47.1%)の割合が最も高かった。男性の育児休業等ハラスメントについては、「あなたが受けた行為をハラスメントまたは不利益取扱いと認めなかった」が 50.0%で最も高かった。
【勤務先における職場の特徴】→現在の勤務先でハラスメントを経験した者と、ハラスメントを経験しなかった者とで職場の特徴を比較すると、女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメントにおいて、「その他」を除き、す べての職場の特徴に関して、ハラスメントを経験した者の方が経験しなかった者よりも回答割合が高かった。男性の育児休業等ハラスメントについても、すべての項目においてハラスメントを経験した者の方が、すべての職場の特徴に関して回答割合が高かった。


◎令和5年度 厚生労働省委託事業 職場のハラスメントに関する実態調査報告書(本文)
○目次のみ↓

1 事業の概要
1.1事業の目的・概要
1.2事業の全体像
1.3 事業の全体スケジュール
1.4 事業における調査の方向性・仕様

2 調査結果
2.1 調査結果の概要
2.2 企業調査結果詳細
2.2.1 実施概要
2.2.2 回答企業属性
2.2.3 調査結果
2.3 労働者等調査(一般サンプル)結果詳細 
2.3.1 実施概要
2.3.2 回答者属性
2.3.3 調査結果
2.4 労働者等調査(女性の妊娠・出産・育児休業等ハラスメント)結果詳細
2.4.1 実施概要
2.4.2 回答者属性
2.4.3 調査結果
2.5 労働者等調査(男性の育児休業等ハラスメント)結果詳細
2.5.1 実施概要
2.5.2 回答者属性
2.5.3 調査結果
2.6 労働者等調査(就活等セクハラ)結果詳細
2.6.1 実施概要
2.6.2 回答者属性2.6.3 調査結果

3 集計表
3.1 企業調査 集計表
3.2 労働者等調査 集計表
4 調査票
4.1 企業調査 調査票
4.2 労働者等調査 調査票.

次回は新たに「「女性活躍に関する調査」の報告書を公表します」からです。

第10回雇用政策研究会資料 [2024年06月20日(Thu)]
第10回雇用政策研究会資料(令和6年5月17日開催)
議題 (1)雇用政策研究会報告書(素案)@について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00072.html
◎資料4 第 10 回雇用政策研究会 関係資料集
1. 多様な働き方について
○多様な正社員制度の利用者の割合
→2022年度は24.1%。 それぞれの制度が規定されている事業所における多様な正社員制度の利用者割合は、2022年度において短時間正 社員は3.4%、勤務地限定正社員は11.6%、職種・職務限定正社員は13.9%と実際に利用する割合は低い。
○長時間労働・週間就業時間→週間就業時間が60時間以上の者の割合は2020年以降5%程度で推移。 1年間の総実労働時間は近年1800時間を下回っている。
○テレワークの導入率・テレワークの実施状況→コロナ禍以降増加、テレワークを導入している企業は50%を上回っている。 テレワーク実施率は緊急事態宣言発令直後の2020年5月に31.5%となり、2024年1月時点まで約15%を維持して いる。
○変形労働時間制の適用者の割合→2023年において51.7%。 フレックスタイム制の適用を受ける労働者は、2023年は10.6%となっているものの、2018年の7.8%から微増であ り大幅な適用拡大には至っていない。

2. 高齢者に関して
○60〜64歳の高齢者の就業率の推移
→60代前半の就業率は上昇傾向、特に女性については2005年以降、25ポイント近い上昇が見られ、男性につ いても20ポイント近い上昇。
○65歳以上の高齢者の就業率の推移→65〜69歳の就業率は、2005年以降20ポイント近く上昇し、70〜74歳についても15ポイント近い上昇がみられる。
○令和5年「高年齢者雇用状況等報告」の集計結果概要→1.65 歳までの高年齢者雇用確保措置の実施状況⇒雇用確保措置の実施企業数(割合):236,815社(99.9%)[変動なし]。2.7 0 歳までの高年齢者就業確保措置の実施状況⇒就業確保措置の実施企業数(割合):70,443社(29.7%)[対前年1.8pt増]。
○60〜64歳の者の65歳以降の就業見通し→60〜64歳で働いている人の65歳以降の働く予定について、2014年調査と2019年調査の回答結果を比較すると、 「採用している職場があるなら、ぜひ働きたい」「すでに働くことが(ほぼ)決まっている(誘い・雇用契約があ る)」の割合が上昇している。
○高年齢労働者の労働災害の特徴@ 災害発生率(千人率)・休業見込み期間→60歳以上の男女別の労働災害発生率(死傷年千人率(以下「千人率」という。))を30代と比較すると、男性は約2倍、女性は約4倍となっている。 休業見込み期間は、年齢が上がるにしたがって長期間となっている。
○高年齢労働者の労働災害の特徴A年齢別・男女別の傾向(事故の型別の分析)→転倒は、高年齢になるほど労働災害発生率が上昇。高齢女性の転倒災害発生率は特に高い。⇒ 年齢の上昇に着目した対策は転倒、墜落・転落で特に重要な課題(とりわけ高齢女性の転倒防止)。男性の場合、60代以上(平均0.91) は20代平均(0.28)の約3倍。女性の場合、60代以上(平均2.35)は 20代(平均0.15)の約15倍。
○高齢者の就労と被災状況→雇用者全体に占める60歳以上の高齢者の占める割合は18.4%(令和4年)。 労働災害による休業4日以上の死傷者数に占める60歳以上の高齢者の占める割合は28.7%(同)。

3. 女性に関して
○女性を取り巻く雇用環境
→近年では、女性の就業率のM字カーブの底は浅くなっているものの、正規雇用率のL字カーブがみられる。
○職場への定着度合い→一般労働者においては、男性の平均勤続年数が2023年で13.8年である一方、女性の平均勤続年数は9.9年となって いる。
○第1子出産前後の妻の継続就業率→「2010ー14年」以後、出産後継続就業率が大幅に増加している。
○管理職等に占める女性割合→長期的には上昇傾向にあるが、国際的に見ると依然その水準は低い。
○職種別男女の構成割合→2023年平均において、建設・採掘や、輸送・機械運転、保安職業は9割以上が男性である一方、サービス職業や 事務は半数以上が女性であり、性別による職種の偏りがみられている。
○男女・年齢階級別の非正規の職員・従業員割合→男性の非正規の職員・従業員が雇用者に占める割合をみると、65歳以上においては2002年以降基本的に上昇して いるが、その他の年齢階級では2015年頃まで上昇し、その後減少に転じている。  女性についても概ね同様の傾向がみられ、若年世代を中心に2015年頃以降から、非正規の職員・従業員の割合に 低下がみられる。
○男女間賃金格差→縮小傾向。 男女間賃金格差の要因で最も大きいのは、役職の違い(管理職等比率)であり、次いで勤続年数の違いとなっている。
○男女・年齢階級別の正規の職員・従業員割合→男性の正規の職員・従業員が雇用者に占める割合をみると、概ね横ばいで推移しているが、55〜64歳については 2014年以降上昇傾向にある。 女性については、65歳以上を除く世代において、2014年以降上昇傾向がみられる。
○雇用形態別就労者数の推移(女性)→雇用形態別の就労者数の変化をみると、2002年から2023年の21年間で、正規の職員・従業員は215万人増 加し、パート・アルバイトは309万人増加した。

4. 子育てや介護を行う人に関して
○育児休業の取得率・取得期間の状況
→育児休業取得率は、女性は8割台で推移している一方、男性は上昇傾向にあるものの女性に比べ低い水準となっている (令和4年度:17.13%)。 育児休業の取得期間は、女性は9割以上が6か月以上である一方、男性は約5割が2週間未満であり、依然として短期間の取得 が中心。一方、男性の「1か月〜3か月未満」の取得は24.5%で、3番目に多い取得期間となっている。(令和3年度)
○育児休業制度を利用しなかった理由→「収入を減らしたくなかったから」、「職場が育児休業制度を取得しづらい雰囲気だったから、または会社や上司、職場の育児休業取得への 理解がなかったから」、「自分にしかできない仕事や担当している仕事があったから」が多くなっている。
○利用すれば仕事を続けられたと思う支援・サービスについて→離職前に正社員であった女性について、利用することができれば仕事を続けられたと思う支援・サービスをみると、 「気兼ねなく休める休業、休暇制度(育児休業、子の看護休暇)」が54.2%、「子育てに合わせて柔軟に働ける勤務制度(フレックスタイム制度、始業・終業時間の繰上げ・繰下げ等)」が49.4%、「1日の勤務時間を短くする制度 (短時間勤務制度)」が45.2%となっている。 離職前に正社員以外であった女性についてみると、 「気兼ねなく休める休業、休暇制度(育児休業、子の看護休 暇)」が55.1%、「安心して子どもを預けられる預け先(保育園、託児所、ベビーシッター、学童保育等)」が 43.2%、「子育てに合わせて柔軟に働ける勤務制度(フレックスタイム制度、始業・終業時間の繰上げ・繰下げ 等)」が43.0%となっている。
○希望する仕事と育児の両立の在り方→女性・正社員については、子が生まれてまもなくは休業、1歳以降は短時間勤務を希望する割合が高いものの、 末子が2歳以降は、残業をしない働き方や、柔軟な働き方(出社・退社時間やシフトの調整、テレワーク)を 希望する割合が高くなっている。 男性・正社員についても、残業をしない働き方や柔軟な働き方を希望する割合が子がどの年齢でも約4〜5割 と高い。
○短時間勤務制度・残業免除の利用状況→育児のための短時間勤務制度については、「利用している」又は「以前は利用していた」の合計が、女性・正 社員で51.2%、女性・非正社員で24.3%であるのに対して、男性・正社員は7.6%と少ない。 育児のための所定外労働の制限(残業免除)は、「利用している」又は「以前は利用していた」の合計が、女性・正社員で27.1%、女性・非正社員で10.1%、男性・正社員は6.5%となっている。
○介護離職者の現状→家族の介護や看護による離職者数の推移をみると、離職者数は減少傾向にあったものの、直近の数値は約10 万6千人と増加している。離職する男性の割合は増加傾向にある。  家族の介護・看護を理由とする離職者は、50歳〜64歳で多い。
○家族の介護・看護を理由とする離職・転職者数等の推移(就業者)→介護・看護を理由と する離職者は微増で、介護をしながら就業する者が増えている。
○介護休業の規定整備状況と介護休業期間の最長限度→30人以上の事業所の90.0%が介護休業制度の規定を整備している。 ほとんどの事業所で、介護休業期間の最長期間に上限を定めているが、その期間は、30人以上の事業所の 74.5%が法定どおりであり、事業所規模が大きいほど、法定を上回る期間としている事業所の割合が多い。
○介護を理由に仕事を辞めるまでの期間と辞めた理由→手助・介護を始めてから離職までの期間は、「半年未満」が約6割、「半年以上」が約3割。   仕事を辞める理由で最も多かったのは「勤務先の問題」で、その中でも「両立支援制度が整備されていなかっ た」が約6割である。
○男女別の1日当たりの無償・有償労働時間→無償・有償労働時間について国際的な比較でみると、日本の女性については他国と大きな違いはみられないが、男性については、無償労働の時間が短く、有償労働時間または学習の時間が長くなっている。
○6歳未満の子どもを持つ夫婦世帯の1日当たりの家事関連時間→妻と夫を比較すると、妻が450分程度、夫が40分〜120分程度と、妻の家事関連時間が長くなっている。 経年で比較すると、妻については育児は増加、家事は減少しており、家事関連全体としては横ばい。夫については 主に育児と家事の時間が増加することによって、家事関連時間全体が増加している。
○育児により離職した女性の就業希望者・再就職までの離職期間→育児を行っているために無業の女性のうち、就業を希望している女性は61.1%と半数を超えている。 出産・育児を理由に離職した女性のうち、再就職までの期間別の割合は離職期間1〜3年が29.2%と最も多く、ブ ランクの期間が長かった方の割合は低い。
○育児をしている女性の再就職→正社員の中途採用について、小学生以下の子どものいる女性からの応募がない企業は44.9%と半数近くを占めている一方、応募はあったが採用に至らなかった企業は9.2%に留まっている。 子育てをしている女性の多くが再就職前に「子育てと両立できるか」を不安に感じている。

5. その他
○就職氷河期世代の就業等の動向(総務省「労働力調査」の特別集計)
→正規雇用労働者は2019年から3年間で8万人の増加。  不本意の非正規雇用労働者は7万人の減少。
○障害のある雇用者数の推移→障害のある雇用者は長期間にわたって増加傾向にあり、2022年には60万人を超え、直近2023年には64.2万人と なっている、
○一般就労への移行者数・移行率の推移(事業種別)→就労系障害福祉サービスから一般就労への移行者数は、令和4年においては前年比約14%増となり、約2.4万人で あった。 令和4年におけるサービス利用終了者に占める一般就労への移行者の割合は、就労移行支援、就労継続支援A型、 就労継続支援B型において前年より増加している。
○東京圏への転入超過→2011年から2019年までは東京圏への転入超過数が増加傾向にあったが、2020年、2021年は新型コロナウイルス感 染症等の影響により転入超過数は減少し、2022年以降、再び増加傾向に転じている。
○都道府県別の労働参加率(1 5歳以上男女:2020年)→都道府県別に労働参加率をみると、東京都で68.7%と最も高くなっており、関東地方で比較的高い傾向にある。 また、中部地方においても、多くの県で全国の労働参加率(62.9%)を上回っており、高い水準となっている。
○都道府県別の労働参加率(1 5歳以上男性:2020年)→男性の労働参加率をみると、全国では72.4%となっており、全国値を上回るのは、栃木県(72.5%)、埼玉県 (73.3%)、千葉県(72.6%)、東京都(77.7%)、神奈川県(74.0%)、福井県(73.0%)、長野県(72.5%)、 静岡県(72.4%)、愛知県(74.8%)、滋賀県(73.0%)となっている。
○都道府県別の労働参加率(1 5歳以上女性:2020年)→女性の労働参加率をみると、全国では54.2%となっており、全国値を上回るのは、埼玉県(54.2%)、東京都 (60.1%)、神奈川県(54.4%)、富山県(54.7%)、石川県(55.8%)、福井県(57.0%)、山梨県(54.9%)、 長野県(55.4%)、岐阜県(54.5%)、静岡県(54.7%)、愛知県(55.8%)、滋賀県(54.8%)、鳥取県 (54.8%)、佐賀県(55.1%)、沖縄県(57.5%)となっている。
○都道府県別の労働参加率(1 5〜6 4歳男女:2020年)→15〜64歳の労働参加率をみると、全国では80.2%となっており、全国値を上回る地域は、東北地方、中部地方、山 陰地方で多くなっている。
○都道府県別の労働参加率(1 5〜6 4歳男性:2020年)→15〜64歳の男性の労働参加率を都道府県別にみると、全ての都道府県で全国値(87.1%)の±3%の水準となっており、都道府県間の差が小さくなっているが、関東地方や東海地方で、割合が比較的高くなっている。
○都道府県別の労働参加率(1 5〜6 4歳女性:2020年)→15〜64歳の女性の労働参加率を都道府県別にみると、男性と違って都道府県間のばらつきが大きく、東北地方、 中部地方、山陰地方、九州地方で全国値(73.2%)を大きく上回る地域が多い。
○都道府県別の労働参加率(6 5歳以上男女:2020年)→65歳以上の男女の労働参加率を都道府県別にみると、中部地方や山陰地方で全国の労働参加率(27.3%)を上回っ ている地域が多い。
○都道府県別の労働参加率(6 5歳以上男性:2020年)→65歳以上の男性の労働参加率を都道府県別にみると、全国値が37.2%であり、東北地方、中部地方、山陰地方で割 合が高い地域が多い。
○都道府県別の労働参加率(6 5歳以上女性:2020年)→65歳以上の女性の労働参加率を都道府県別にみると、全国値が19.7%であり、中部地方、山陰地方、九州地方で割 合が高い地域が多い。
○ふるさと回帰支援センター利用者の年代の推移(東京)→ふるさと回帰支援センター利用者は20歳代、30歳代の若者が44.7%と半数近くを占める。


◎資料5 雇用政策研究会参集者名簿→計14名。

次回は新たに報道発表「「 職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表します」からです。

第10回雇用政策研究会資料 [2024年06月19日(Wed)]
第10回雇用政策研究会資料(令和6年5月17日開催)
議題 (1)雇用政策研究会報告書(素案)@について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00072.html
◎資料1 雇用政策研究会報告書の構成について
○「これまでの研究会における議論の整理」(一部追記)
・コロナ後の社会経済・労働市場の動向
→<社会経済情勢・雇用情勢の変化>⇒・ 足下では、物価高等の影響も懸念されるものの、人手不足感の高まりを受けて求人数はコロナ前を上回っており、今後は、 雇用のミスマッチへの対応や人手不足対策の強化が求められている。 ・ 生成AIの活用が進むことで、仕事内容が大きく変化する可能性もあり、新たなテクノロジーを踏まえた対応が求められる。
<2040年の労働市場に向けて> ⇒・ 総人口は、2070年に現在の7割に減少し、65歳以上人口がおよそ 4 割を占めるとされており、こうした人口変化は労働力の変化にも影響を与えることが想定される。 ・ 経済成長と労働参加が同時に実現した場合には、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者数は6,734万人となることが 見込まれており、これまで以上に多様なバックグランドの方の労働参加を促すとともに、労働者一人ひとりの労働生産性の向上を 図っていくことが重要となっている。 ・ 不測の経済危機等の際に、柔軟な対応ができる機能を有する雇用セーフティネットの整備・構築していくことが必要。
→→人手不足により労働市場がタイトとなっていることを契機に、2040年を見据えて、労働条件の改善を通じた労働参加の促進や、テクノロジーの活用を通じた労働生産性の向上を図る。
・多様な働き方が選択できる社会
→働きがい・生きがいを持てる社会・希望するキャリア形成を実現出来る社会を目指し、労働市場のインフラ整備等が必要。

○報告書「多様な個人が置かれた状況に関わらず包摂され、活躍できる労働市場の構築に向けて」構成 →報告書目次(案)↓
第1章  現状分析  コロナ禍後の変化と学び
第2章  多様な個人が活躍できる労働市場構築に向けての考え方
第3章  多様な個人の労働参加し、意欲を持って働ける労働市場に向けて →・多様な個人の労働参加に向けて ・ミドル・シニア世代も含む人材活用 ・家庭等の事情に関わらず男女ともに希望が十分配慮・尊重される働き方が実現できる 環境整備 ・個々の事情を乗り越えた労働参加に向けて ・地域の人手不足への対応 ・外国人労働者への対応。
第4章  新たなテクノロジーが雇用に与える影響→・新たなテクノロジーとの向き合い方 ・新たなテクノロジーが雇用に与える影響 ・これまでのAIや自動化による雇用への影響 ・政策の方向性 ・新たなテクノロジーがもたらす期待と継続検討すべき課題。
第5章  企業・政府等による労働市場のインフラ整備等→・自立的なキャリア形成に向けた支援 ・企業内外での能力開発に向けた環境整備 ・多様なキャリア形成を支える労働市場の見える化。

○報告書「多様な個人が置かれた状況に関わらず包摂され、活躍できる労働市 場の構築に向けて」の考え方→・ 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口」によると、2040年の総人口は現在の9割に減少し、65歳以上人口がおよそ35%を占めるとされており、こうした人口変化は労働力にも影響を与えることが想定される。 ・ また、独立行政法人労働政策研究・研修機構「2023年度版 労働力需給の推計(速報)」によると、経済成長と労働参加が同時に実現した場合、2040年には労働力人口は6,791万人、就業者は6,734万人となることが 見込まれる一方、一人あたりの実質成長がゼロであり、労働参加も現状から進まない場合には、労働力人口は 6,002万人、就業者は5,768万人となることが想定されている。 ・ 労働力需給推計のいずれのケースにおいても、労働力人口が減少する中で、労働生産性が一定程度上昇することを想定しており、一定の経済成長を実現していく中にあっては、2040年を見据えて中長期的に労働参加を促していくとともに、新たなテクロジー等を活用した労働生産性向上に向けた取組を同時に行っていくこと が重要。また、単位時間当たりの生産性を高め、労働者のウェルビーイングに資する長時間労働削減を進めていくことも重要である。 ・ 足下では多くの産業において人手不足感の高まりがみられているが、人手不足のネガティブな側面だけに着目するのではなく、労働市場がタイトになることを契機に、労働の重要性を再認識し、企業や労働市場全体で処遇改善を図り、新たな労働参加を促すインセンティブを高めるとともに、働き方を転換し、多様な個人が自身 の希望する働き方で労働参加できる環境整備が重要である。 ・ 本報告書では、2040年を見据え、今後5年で取り組むべき政策を検討する


◎資料2 雇用政策研究会報告書(素案)@ 概要
≪「多様な個人の労働参加し、 意欲を持って働ける労働市場に向けて」概要≫
○多様な個人の労働参加に向けて→人手不足が深刻化する中、より多くの人の労働参加・活躍を促していくことが求められる。労働者個人の事情が必ずしも十分に考 慮されない雇用管理が正社員について顕著にみられた。個人のライフスタイルや価値観に応じて多様で柔軟な働き方が実現できるよう、様々な選択肢が提示できる雇用管理への転換が必要となる。このため、下記に取り組むことが必要である。

・「多様な正社員制度の活用促進」→多様な正社員制度(短時間正社員、勤務地限定正社員、職種・職務限定正社員)が普及し始めているものの、利用がされていない現状を踏まえ、正社員と非正規雇用労働者の二極化の緩和を念頭に、多様な正社員制度の更なる普及とともに、個々の職場の実情に合わせて、労働者・企業側で協議し活用が図られるていくことが求められる。
・「長時間労働を前提としない職場づくり」→長時間労働は働き方改革等を通じて改善傾向にある。更なる長時間労働の削減に向けて業界全体で法令遵守の意識を高め、キャリアアップを阻害する不合理な慣行の改善や好事例の共有などを通じた働き方の見直しを行う。
・「柔軟な働き方の更なる促進-テレワークやフレックスタイム制の活用-」→コロナ禍を契機とした生活・仕事スタイルの改善に向けた動きが元に戻ることがないよう、引き続きテレワークの活用促進を行う。また、自身の生活スタイルに合わせて就業時間が決められるフレックスタイム制について、適切な活用促進を図る。

○ミドル・シニア世代も含む人材活用→・人手不足が進行する中、ミドル・シニア世代が中長期的に活躍できるよう仕組みづくりを行っていくことが重要であり、継続勤務を希望する人への支援とともにシニア世代の活躍の場を一層開拓することや、企業自身が戦略をもってシニア世代の活用を検討することが求められる。 ・企業側はシニア世代が定年後も活躍できるようなキャリア形成を行うため、ミドル世代から専門性を高めるための人材育成や、越 境学習、副業・兼業などを通じた新たな専門性の構築及びキャリアコンサルティングを通じ、中長期的にミドル・シニア世代のワーク・エンゲージメントを下げないような取組みを行うことが望まれる。加えて、労働者側も、定年後のキャリアを見据えた学び直しを行い、職場に対してより高い貢献ができるよう、キャリアについて自ら具体的に検討していくことが望まれる。 ・さらに、シニア世代の活躍について、企業内における活躍に限らず、地域に貢献し、地域と繋がるような仕組みの強化も重要となってくる。近年高齢者の就業意欲は高まっており、働いている人の満足度も高齢者ほど高い傾向にあることから、シニア世代と 企業・地域の仕事とのマッチングを図り、地域におけるシニア世代の活躍を推進していくことが求められる。

○家庭等の事情に関わらず男女ともに希望する働き方が実現できる環境整備→人手不足が深刻化する中、多様な人材が自身の希望に合わせて活躍できる労働市場を構築することが重要であり、その中でも家庭 等の事情に関わらず男女ともに希望する働き方が実現可能な環境整備を行っていくことが重要である。
<女性の労働参加の進展>→女性の労働参加の状況をみると、女性の就業率は従来指摘されたM字カーブは解消傾向にあり、女性の雇用者数もコロナ禍を経ても引き続き増加傾向にあるなど、着実な進展がみられる他、例えば、男女間の職種の偏りについても、業界毎の様々な取組みを通じ、 改善の兆しがみえている。引き続き男女ともに希望に添った働き方・キャリア・賃金水準が実現可能な環境整備が求められる。
<子育てや介護を行う人への支援の更なる活用に向けて>・→子育て世代の希望する働き方の実現に向けて、これまで様々な支援策の充実が図られてきた一方、例えば、育児休業取得率に男女間で差がみられるなど両立支援策の利用状況に課題がみられている。両立支援策の活用促進を行うため、子育て世代への支援体制に関するノウハウを社会全体で共有する他、育休時の代替要員の確保に関し、助成措置の活用等を行うなど、安心して制度利用で きる環境整備や、職場の負担感軽減を行っていくことが望まれる。 ・近年では、子育て世代だけでなく、介護と仕事の両立も大きな課題となっている。介護に関する離職理由をみると、勤務先に介護 休業制度等の両立支援制度が整備されていないことが理由として多く、介護に関する支援制度の周知や活用促進、勤務時間の柔軟化などの環境整備を行っていく必要がある。 ・また、男女間の家事負担の偏りは、女性の仕事へのコミットを阻害していることも考えられる。女性の仕事へのコミットを希望に沿った形で実現していくため、男性の働き方を変えていくとともに、家事負担の偏在を解消するような社会的な機運を醸成していくことが求められる。 ・健康課題は労働生産性の低下やキャリア形成の阻害要因となり、企業経営にも影響を与えうるため、個々の労働者の健康状態に配 慮できる職場環境の整備について積極的な取組みが求められる。

○個々の事情を乗り越えた労働参加について→・育児を行っている無業女性のうち就業を希望する人は多いが、ブランクが長くなると再就職する割合が低く、不安を抱えて再就職 をためらう女性もいる。企業は必ずしも育児をする女性の採用に消極的なわけではなく、マッチングの強化、リスキリングによるスキル習得、自身の強みの理解等の求職活動を伴走型で支援することが重要であり、公的機関、自治体、民間企業の連携強化やアウトリーチ支援の展開が必要である。 ・生活困窮者や、雇用環境が厳しい時代に就職活動を行った人、障害のある人に対し、引き続き個別の状況に応じて、関係者とともに包括的な支援を行い、本人の希望に添った就労の実現を目指していくことが求められる。

○地域の人手不足への対応→・少子高齢化に伴う人口減少が進む中、東京圏を除いた地域では転出が転入を上回っており、地域において労働力の確保が厳しい状況が続くことが想定される。 ・働き方改革やDX化の推進により労働生産性を高める他、ライフスタイルに応じて仕事を切り出し、マッチングを行うことや、地域の人材育成を行うことへのニーズが高まっている。特に女性や高齢者などの労働力の掘り起こしの可能性が見込まれる場合においては、ライフスタイルに合わせて働けるよう、働きやすい職場の構築が求められる。 ・さらにUIJターンについては、若者を中心として、潜在的な地方就職希望者の掘り起こし、地方就職への動機付け、地方求人との マッチング等を行うことが重要。テレワークがしやすい環境整備を行い、地方部にいながら都市部の仕事を担える環境整備、逆に都市部の人が副業・兼業といった形で地域の仕事を担えるようにするなど、多様な形で地域の担い手を確保することが必要。

○外国人労働者への対応→・人手不足の深刻化に伴い、幅広い分野において外国人材が活躍しており、2022年以降の中長期在留外国人数は、過去最高の水準で推移している。国際的にも人材獲得競争が激化している中で、国際的に理解が得られ、日本が外国人材に選ばれる国であり続けるための雇用環境を整備していくことが必要。 ・日本で働くことによって、技能・知識を段階的に向上させることができ、更にキャリアアップが見込める環境整備をしていくことや、日本社会における共生が同時に図られていくことが重要。特に地域の中小企業においてはノウハウや理解不足が課題として考えられ、地域の特性を活かしつつ、働きやすい職場や外国人材が住みやすい地域をつくることで、外国人材が円滑に地域に 定着できるようにすることが求められる。 ・働きやすい職場をつくり、処遇の改善をしていくことで選ばれる職場となることが、外国人材の定着を図っていく上で重要。 ・近年増加している外国人留学生と国内企業とのマッチング強化を図り、内部労働市場での活躍や将来的なキャリアップを見据えた 支援をすることで、外国人材の包摂と日本での活躍が期待される。


◎資料3 雇用政策研究会報告書(素案)@
○目次 (以下が上記資料2の本文の目次です。1〜21頁まであり。)
(3−1 多様な個人の労働参加に向けて)

<@ 個人に寄り添った多様で柔軟な人材活用へ>
<A 正規・非正規の二極構造からの転換>
<B 長時間労働を前提としない職場づくり>
<C より柔軟な働き方の促進>
(3−2 ミドル・シニア世代も含む人材活用)
<@ 高齢社会を迎える中でのミドル・シニア世代の活躍に向けて>
<A シニア世代の活躍促進>
<B 地域におけるシニア世代の活躍/マッチング強化>
(3−3 家庭等の事情に関わらず男女ともに希望が十分配慮・尊重される働き方が実現できる環境整備)
<@ 性別に関わらない働き方の現在地>
<A 子育てや介護を行う人への支援メニューの更なる活用に向けて>
<B 職場における健康課題への配慮>
<C 性別にかかわらず適切にキャリアアップできる環境整備>
(3−4 個々の事情を乗り越えた労働参加に向けて)
<@ 個々の事情によって職場を離れていた人への支援等>
<A 引き続き手厚い支援が必要な人への支援>
(3−5 地域の人手不足への対応)
<@ 人口減少により特に地域における人手不足が深刻化>
<A 地域の個性に合わせた雇用対策の実行>
(3−6 外国人労働者への対応)
<@ アジア諸国の中における日本での就労ニーズの高まり>
<A 日本におけるキャリアアップ>

次回も続き「資料4 第 10 回雇用政策研究会 関係資料集」からです。

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