第4回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 資料 [2024年01月31日(Wed)]
第4回外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 資料(令和6年1月22日)
議事 (1)外国人介護人材の訪問系サービスなどへの従事について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_37455.html ◎資料1 訪問系サービスなどへの従事について 厚生労働省社会・援護局福祉基盤課 福祉人材確保対策室 1.これまでの経緯及び現行の取扱い ○現行の外国人介護人材の従事可能な業務の範囲について(在留資格毎の経緯)→平成29年9月から施行された在留資格「介護」においては、介護福祉士取得者であり、専門 的技能や日本語能力等を有しており、特段、外交上の配慮を要することないことから、制限を設けておらず、 訪問系サービスの従事を認めている。 ○在留資格別の外国人介護人材の訪問系サービスの取扱いについて→介護福祉士の資格を有する在留資格「介護」及びEPA介護福 祉士は認められているが、EPA介護福祉士候補者・技能実習・特定技能は、介護職が1対1で介護サービスを提供する という業務内容の特性を踏まえ、認めていない。 ○技能実習「介護」における固有要件について→平成29年9月、介護職種に固有の要件を告示。平成29年11月、対象職種に介護を追加。⇒「介護」の業務が現に行われている事業所を対象とする(介護福祉士国家試験の実務経験対象施設) ただし、技能実習生の人権擁護、適切な在留管理の観点から、訪問系サービスは対象としない ○(参考)E PA介護福祉士が訪問系サービスを提供するに当たっての留意事項 2.現在の取組み状況・検討会のご意見等• ○外国人介護人材確保の関連予算事業→9.外国人介護人材受入促進事業(新規)⇒外国人介護人材が介護現場で円滑に就労・定着できるよう、受入事業所等に対して、外国人 介護人材の活躍に資するツール等を導入し、それが有効活用されるように環境を整備するこ と等を支援する。また、外国人介護人材の確保のため、海外現地の学校との連携を強化する など、現地での人材確保に資する取組を行う事業所等に対して支援を行う。 「入国支援(情報発信・マッチング支援・経済的支援)」「定着支援(巡回訪問・相談支援・特定技能制度への円滑移行)」「学習支援(研修実施・資格取得支援)」「受入環境整備(コミュニケーション支援・生活支援)」 ○国際厚生事業団による巡回訪問・相談受付の実績推移→国際厚生事業団(JICWELS)では、受入れ機関によるEPA介護福祉士(候補者)の雇用管理状況、研修実施状 況を把握するため、定期的に巡回訪問を行うとともに、受入れ機関やEPA介護福祉士(候補者)からの相談に応 じるため、母国語でも対応できる相談窓口を開設している。 ○巡回訪問等で把握した訪問系サービス従事に当たっての主な課題と対応→多くの問題は外国人特有の問題ではないことが明らかであるが、コミュニケーションの問題やハラスメント等の相談が あげられていたところ、国際厚生事業団の助言のもと、現場では以下のとおり(コミュニケーション・記録・運転)対応いただいている。 ○外国人介護人材を受け入れている訪問介護事業所へのヒアリング→外国人の状況等に応じた同行訪問や研修の実施、緊急時に備えた体制整備、ICTも活用した記録業務の支援、ハラスメントへの迅速 な対応等がなされていた⇒(事業所等からのヒアリング結果)参照。 ・一般の在宅にて訪問介護を行う外国人介護福祉士3名にヒアリングを実施→(訪問系サービスに従事したきっかけ)(業務を行うなかで困ったこと及びその対応方法)(キャリアパスへの考え方) 参照。 ○外国人介護人材の訪問系サービスの従事に関する主なご意見(第1回検討会)→7つ。指導担当者と同行による実習であれば問題ないと考えるが、実習地への単独訪問は、現時点では認めるのは 厳しい。 ○訪問系サービスにおける外国人介護人材の受入れについて→受入れ可能:40%前後。 ○外国人介護人材の受入れが可能と想定される訪問系サービスの種別→訪問入浴介護が55〜65%になっている。 ○外国人介護人材を訪問介護において受け入れるうえで必要と考える要件→事業所内のバックアップ体制を整えておく。外国人介護職員が、利用者と問題なく意思疎通を行うだけの会話力を有する⇒いずれも高く85%以上。 ○外国人介護人材を訪問系サービスにおいて受け入れる場合の適切な実務経験年数→1年以上から。 ○外国人介護人材を訪問系サービスにおいて受け入れる場合の適切な日本語能力→日常会話中心。(日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる程度)N3 3.訪問系サービスを取り巻く状況 ○訪問介護の概要→「訪問介護」⇒訪問介護員等が、利用者(要介護者)の居宅を訪問し、入浴・排せつ・食 事等の介護、調理・洗濯・掃除等の家事等を提供するものをいう。 ○訪問介護の基準→訪問介護員等 常勤換算方法で2.5以上 ○訪問介護の報酬→「サービス提供内容・時間に応じた基本サービス費」「 利用者の状態に応じたサービス提供や 事業所の体制に対する加算・減算」の項 参照。 ○訪問入浴介護の概要・基準→訪問入浴介護とは、要介護状態となった場合においても、その利用者が可能な限りその居宅 において、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、居宅における 入浴の援助を行うことによって、利用者の身体の清潔の保持、心身機能の維持等を図るもの。 必要となる人員・設備等 参照。 ○訪問入浴介護の各加算の報酬→指定訪問入浴介護・指定介護予防訪問入浴介護の介護報酬のイメージ(1回あたり) 参照。 ○定期巡回・随時対応型訪問介護看護の概要→(訪問看護を一体的に行う場合)または(他の訪問看護事業所と連携し訪問看護を行う場合)参照。 ○定期巡回・随時対応型訪問介護看護の基準→「人員基準」「運営基準」あり。参照。 ○夜間対応型訪問介護の概要→〇「夜間対応型訪問介護」とは、夜間において、定期巡回訪問、または、随時通報を受け利用者(要介護者)の居宅 を訪問介護員等が訪問し、入浴・排せつ・食事等の介護等の提供を行うものをいう。 ○夜間対応型訪問介護の基準→「人員基準」「運営基準」あり。参照。 ○介護職員数の推移→本表における介護職員数は、介護保険給付の対象となる介護サービス事業所、介護保険施設に従事する職員数。⇒増加傾向。 ○第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について→第8期介護保険事業計画の介護サービス見込み量等に基づき、都道府県が推計した介護職員の必要数を集計すると、 ・2023年度には約233万人(+約22万人(5.5万人/年)) ・2025年度には約243万人(+約32万人(5.3万人/年)) ・2040年度には約280万人(+約69万人(3.3万人/年)) となった。 ※()内は2019年度(211万人)比。 ・国においては、@介護職員の処遇改善、A多様な人材の確保・育成、B離職防止・定着促進・生産性向上、C介護 職の魅力向上、D外国人材の受入環境整備など総合的な介護人材確保対策に取り組む。 ○介護分野における人材確保の状況と労働市場の動向 〜有効求人倍率と失業率の動向〜→介護関係職種の有効求人倍率は、依然として高い水準にあり、全職業より高い水準で推移している。 ○都道府県別有効求人倍率(令和5年7月)と地域別の高齢化の状況→地域ごとに大きな差異があり、地域によって高齢化の状況等も異なる。 ・75歳以上人口は、都市部では急速に増加し、もともと高齢者人口の多い地方でも緩やかに増加する。各地域の高齢化の状況 は異なるため、各地域の特性に応じた対応が必要。 ○離職率・採用率の状況(就業形態別、推移等)→介護職員の離職率は低下傾向にある。 ○介護関係職種別の年齢階級別構成割合及び平均年齢→介護関係職種全体の平均年齢は50.0歳、65歳以上の構成割合は14.2%。 訪問介護員の平均年齢は54.7歳、65歳以上の構成割合は24.9%となっている。 ○介護サービス事業所における従業員の不足状況@→訪問介護員、介護職員(施設等)とも令和4年度で上昇。 離職率は改善傾向にあるが、約9割の事業所が「採用が困難である」ことを不足している理由として挙げている。 ○介護サービス事業所における従業員の不足状況A→職種別に見ると、訪問介護員・介護職員は他の職種と比べて「大いに不足」「不足」している事業所が多い。 ○訪問介護員の人手不足の現状→介護サービス職員の有効求人倍率⇒施設介護職員と比較して、訪問介護員の有効求人倍率が高くなっており2022年度時点で15.53倍となっている。 ○第8期介護保険事業計画におけるサービス量等の見込み→令和7(2025)年度、令和22(2040)年度はますます「%」が伸びている。 ○訪問介護の事業所数・利用者数等→利用者数は、年々増加。 請求事業所数は、令和2年以降微増。1事業所あたりの利用者数は、微増減を繰り返しているものの概ね横ばい。 ○訪問介護サービスの実績と今後の見込量等→令和22年(2040年)には、令和3年の事業所 数よりも加えて約5千事業所の整備が必要。また、生産年齢人口の減少が進む中、必要となる訪問介護員数は約3万2千人確保が必要(すで に実績がサービス見込み量を超えているので、さらに必要となる可能性がある。)。他方、事業所数、1事業所あたり訪問介護員数(常勤換算)は、近年はほぼ横ばいで推移、現状から比較するとサービスの供 給量が大きく不足していく可能性がある。 ○訪問介護 ケアマネジャーから紹介のあった方へのサービス提供を断った理由→「人員不足により対応が難しかったため」が 90.9%と最も多く、次いで、「訪問先までの移動時間が長く、対応が難しかったため」(27.3%)となっていた。 また、「看取りや認知症、難病等により自事業所では技術的に対応が難しかったため」は4.0%だった。 ○介護職員初任者研修の概要→介護に携わる者が、業務を遂行する上で最低限の知識・技術とそれを実践する際の考え方のプロセスを身につけ、 基本的な介護業務を行うことができるようにすることを目的として行われるもの。⇒講義+演習(130時間)−講義と演習を一体的に実施− ○(参考)外国人介護人材が初任者研修を受講等によりキャリアアップを目指す事例 〜有限会社ウエハラ:年次ごとにカリキュラムを組み立て、介護福祉士国家試験までの学習をサポート〜→・介護福祉士国家資格の取得を希望する特定技能の外国人介護職員に対し、年単位のカリキュラムを立て支援を実施。 ・事業所のシステムとして日本語や国家試験対策の勉強を支援するとともに、初任者研修・喀痰吸引等研修・実務者研修を法 人内で実施し、受講させる仕組みを整備。 ・施設内においては、業務時間内での授業の実施や添削指導によるフォローアップを実施するとともに、登録支援機関による 定期的な面談・相談受付を行うことによりメンタルヘルスケアを行っている。 ○(参考)外国人介護人材が初任者研修を受講等によりキャリアアップを目指す事例 〜海外介護士育成協議会(のぞみグループ):監理団体としての入国前後のシームレスな教育支援の実施〜→・技能実習生の入国前に日本語のコミュニケーション能力を上げるため、160時間の介護研修を実施。 ・入国後、2か月間の集団講習を実施。そのなかでコミュニケーション能力を高める日本語教育と、介護職 員初任者研修を実施。 ・さらに、就労開始後も個々の能力や希望に応じて、介護技能評価試験や介護福祉士国家試験に向けた対策 プログラムを提供している。 4.検討の方向性について ○検討の背景(1)→(これまでの経緯等)あり。外国人介護人材が多様な業務を経験しながらキャリアアップし、日本で長期間働くできることが重要であり、様々な支援 により、介護福祉士の資格取得に向けた国家試験の受験・合格を後押ししている。 ○検討の背景(2)→(現在の取組状況等)から、有資格者である訪問介護員等の人材不足の状況、これまでの施設系サービスでの取扱いを含む現行の介護サービ スへの従事に関する考え方、介護分野における質の高い人材確保・育成の考え方、人権擁護の観点等を十分に踏まえた上で、 外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について、議論を進めることとする。 なお、これまで、外国人介護人材が施設系サービスに従事する場合でも、介護保険制度に基づくサービスの範囲に限って 認められてきた(※)ことから、訪問系サービスにおいてもこれを前提に、検討していくこととする。 ○検討の方向性→「訪問入浴介護」「訪問介護」「定期巡回・随時対応型訪問介護看護及び夜間対応型訪問介護」⇒・外国人介護人材が、ケアの質を担保しながら、多様な業務を経験し、キャリアアップしていく観点から、日本人と同様に 介護職員初任者研修を受け、訪問介護の業務に従事することができるようにすることについて、どのように考えるか。その 際、介護職員初任者研修を受けやすい環境整備についてどのように考えるか。 ・加えて、ケアの質の担保にあたっては、例えば、EPA介護福祉士と同様に、訪問介護等の基本的事項の研修の実施、緊急事 態発生時の対応と研修、適切な記録等の作成の工夫、サ責等による同行等のOJT等、これまで一定の役割を果たしてきた要件 を設けることについてどのように考えるか。また、人権擁護の観点からEPA介護福祉士に対し母国語に対応した相談窓口が 設けられている事例を踏まえ、利用者等からのハラスメント等があった場合に必要となる取組をすることについてどのよう に考えるか。 ・ なお、技能実習については、制度趣旨である技能等の移転による国際協力の推進を図ることとの関係や、今後、人材確保 と人材育成を目的とする新たな制度を創設する方向で検討されていることを踏まえ、その取扱いについて新たな制度の趣旨 を踏まえた上での検討を行うことについて、どのように考えるか。 次回も続き「参考資料1 「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(外国 人介護人材関係抜粋)等について」からです。 |