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こども未来戦略会議(第6回) [2023年06月30日(Fri)]
こども未来戦略会議(第6回)(令和5年6月13日)
こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai6/gijisidai.html
◎資料1 「こども未来戦略方針」案
〜次元の異なる少子化対策の実現のための「こども未来戦略」の策定に向けて〜
令和5年6月 13 日 こども未来戦略会議
T.こども・子育て政策の基本的考え方 〜「日本のラストチャンス」2030 年に向けて〜
○ 少子化
→我が国が直面する最大の危機。 2022 年に生まれたこどもの数は 77 万 747 人となり、統計を開始した 1899 年以来、最低の数字となった。1949 年に生まれたこどもの数は約 270 万人だったことを考えると、こどもの数はピークの3分の1以下にまで減少した。また、2022 年の合計特殊出生率は 1.26 と過去最低となっている。 しかも、最近、少子化のスピードが加速。出生数が初めて 100 万人を割り込 んだのは 2016 年だったが、2019 年に 90 万人、2022 年に 80 万人を割り込んだ。このトレンドが続けば、2060 年近くには 50 万人を割り込んでしまうことが予想されている。 そして、少子化は、人口減少を加速化させている。2022 年には 80 万人の自然減となった。今後も、100 万人の大都市が毎年1つ消滅するようなスピードで人口減少が進む。 現在、日本の総人口は1億 2,500 万人だが、このままでは、2050 年代に1億人、2060 年 代に9千万人を割り込み、2070 年に 8,700 万人程度になる。わずか 50 年で、我が国は 人口の3分の1を失うおそれがある。
○ こうした急速な少子化・人口減少に歯止めをかけなければ、我が国の経済・社会シス テムを維持することは難しく、世界第3位の経済大国という、我が国の立ち位置にも大 きな影響を及ぼす。人口減少が続けば、労働生産性が上昇しても、国全体の経済規模の 拡大は難しくなるからである。今後、インド、インドネシア、ブラジルといった国の経済発展が続き、これらの国に追い抜かれ続ければ、我が国は国際社会における存在感を失うおそれがある。 若年人口が急激に減少する 2030 年代に入るまでが、こうした状況を反転させること ができるかどうかの重要な分岐点であり、2030 年までに少子化トレンドを反転できなければ、我が国は、こうした人口減少を食い止められなくなり、持続的な経済成長の達成も困難となる。2030 年までがラストチャンスであり、我が国の持てる力を総動員し、少 子化対策と経済成長実現に不退転の決意で取り組まなければならない。
○ 今回の少子化対策で特に重視しているのは、若者・子育て世代の所得を伸ばさない限り、少子化を反転させることはできないことを明確に打ち出した点にある。もとより、結婚、妊娠・出産、子育ては個人の自由な意思決定に基づくものであって、これらについての多様な価値観・考え方が尊重されるべきであることは大前提。その上で、 若い世代の誰もが、結婚や、こどもを生み、育てたいとの希望がかなえられるよう、将来に明るい希望をもてる社会を作らない限り、少子化トレンドの反転はかなわない。

○ このため、政府→若者・子育て世代の所得向上に全力で取り組む。新しい資本主義の下、賃上げを含む人への投資と新たな官民連携による投資の促進を進めてきており、既に、本年の賃上げ水準は過去 30 年間で最も高い水準となっているほか、半導体、 蓄電池、再生可能エネルギー、観光分野等において国内投資が活性化してきている。まずは、こうした取組を加速化することで、安定的な経済成長の実現に先行して取り組む。その中で、経済成長の果実が若者・子育て世代にもしっかり分配されるよう、最低賃金の引上げや三位一体の労働市場改革を通じて、物価高に打ち勝つ持続的で構造的な賃上げを実現する。
○ 次元の異なる少子化対策→(1)構造的賃上げ等と併せて経済的支援を充実さ せ、若い世代の所得を増やすこと、(2)社会全体の構造や意識を変えること、(3)全 てのこども・子育て世帯をライフステージに応じて切れ目なく支援すること、の3つを 基本理念として抜本的に政策を強化。こうした若者・子育て世代の所得向上と、次元の異なる少子化対策を、言わば「車の両輪」として進めていくことが重要、少子化対策の財源を確保するために経済成長を阻害し若者・子育て世代の所得を減らすことがあってはならない。
○ 少子化対策の財源は、まずは徹底した歳出改革等によって確保することを原則。 全世代型社会保障を構築する観点から歳出改革の取組を徹底するほか、既定予算の最大限の活用などを行うことによって、実質的に追加負担を生じさせないことを目指していく。その際、歳出改革等は、国民の理解を得ながら、複数年をかけて進めていく。
○ このため、経済成長の実現に先行して取り組みながら、歳出改革の積上げ等を待つことなく、2030 年の節目に遅れることのないように、前倒しで速やかに少子化対策を実施することとし、その間の財源不足は必要に応じてこども特例公債を発行する。
○ 以上のとおり、経済を成長させ、国民の所得が向上することで、経済基盤及び財源基盤を確固たるものとする、歳出改革等による公費と社会保険負担軽減等の効果を活用することによって、国民に実質的な追加負担を求めることなく、少子化対策を進める。少子化対策の財源確保のための消費税を含めた新たな税負担は考えない。繰り返しになるが、我が国にとって 2030 年までがラストチャンスである。全ての世 代の国民一人ひとりの理解と協力を得ながら、次元の異なる少子化対策を推進する。こ れにより、若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育 てができる社会、こどもたちがいかなる環境、家庭状況にあっても、分け隔てなく大切 にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会の実現を図る。

U.こども・子育て政策の強化:3つの基本理念 ↓
1.こども・子育て政策の課題
○ こども・子育て政策
→過去 30 年という流れの中で見れば、その政策領域の 拡充や安定財源の確保に伴い、待機児童が大きく減少するなど一定の成果はあったものの、少子化傾向には歯止めがかかっていない状況。 少子化の背景⇒経済的な不安定さや出会いの機会の減少、仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児の負担が依然として女性に偏っている状況、子育ての孤立感や負担感、子育てや教育にかかる費用負担など、個々人の結婚、妊娠・出産、子育ての希望の 実現を阻む様々な要因が複雑に絡み合っているが、とりわけ、こども・子育て政策を抜本的に強化していく上で我々が乗り越えるべき課題としては、以下の3点が重要。 ↓
(1)若い世代が結婚・子育ての将来展望を描けない ↓
○ 若い世代
→未婚化・晩婚化が進行しており、少子化の大きな要因の一つと なっていると指摘されている。 若い世代(18〜34 歳の未婚者)の結婚意思→依然として男女の8割以上 が「いずれ結婚するつもり」と考えているものの、近年、「一生結婚するつもりはない」 とする者の割合が増加傾向となっている。さらに、未婚者の希望するこども数には、夫婦の平均理想こども数(2.25 人)と比べて低水準であることに加えて、その 減少傾向が続いており、直近では男性で 1.82 人、女性で 1.79 人と特に女性で大きく減少し、初めて2人を下回った。 また、雇用形態別に有配偶率を見ると、男性の正規職員・従業員の場合の有配偶率 は 25〜29 歳で 30.5%、30〜34 歳で 59.0%であるのに対し、非正規の職員・従業員の 場合はそれぞれ 12.5%、22.3%となっており、さらに、非正規のうちパート・アルバ イトでは、それぞれ 8.4%、15.7%にまで低下するなど、雇用形態の違いによる有配 偶率の差が大きいことが分かる。また、年収別に見ると、いずれの年齢層でも一定水 準までは年収が高い人ほど配偶者のいる割合が高い傾向にある。
○ 実際の若者の声→「自分がこれから先、こどもの生活を保障できるほどお金を稼げる自信がない」、「コロナ禍で突然仕事がなくなったり、解雇されたりすることへの不安が強くなった」などの将来の経済的な不安を吐露する意見が多く聞かれる。 また、「結婚、子育てにメリットを感じない」との声や、「子育て世帯の大変な状況を 5 目の当たりにして、結婚・出産に希望を感じない」との声もある。
○ このように、若い世代が結婚やこどもを生み、育てることへの希望を持ちながらも、 所得や雇用への不安等から、将来展望を描けない状況に陥っている。雇用の安定と質 の向上を通じた雇用不安の払拭等に向け、若い世代の所得の持続的な向上につながる 幅広い施策を展開するとともに、V.で掲げる「こども・子育て支援加速化プラン」(「加速化プラン」)で示すこども・子育て政策の強化を早急に実現し、 これを持続していくことが必要。あわせて、25〜34 歳の男女が独身でいる理由 について、「適当な相手に巡り合わない」とする割合が最も高くなっていることも踏まえた対応も必要。幼少期から 10 代、20
代のうちに、こどもと触れ合う機会を多く持つことができるようにすることが重要 。
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
○ 「自国はこどもを生み育てやすい国だと思うか」との問いに対し、スウェーデン、 フランス及びドイツでは、いずれも約8割以上が「そう思う」と回答しているのに対 し、日本では約6割が「そう思わない」と回答している。また、「日本の社会が結婚、 妊娠、こども・子育てに温かい社会の実現に向かっているか」との問いに対し、約7 割が「そう思わない」と回答している。
○ 子育て中の方々からも「電車内のベビーカー問題など、社会全体が子育て世帯に冷 たい印象」、「子連れだと混雑しているところで肩身が狭い」などの声が挙がっており、 公園で遊ぶこどもの声に苦情が寄せられるなど、社会全体の意識・雰囲気がこどもを 生み、育てることをためらわせる状況にある。 ○ こどもや子育て世帯が安心・快適に日常生活を送ることができるようにするため、 こどもや子育て世帯の目線に立ち、こどものための近隣地域の生活空間を形成する 「こどもまんなかまちづくり」を加速化し、こどもの遊び場の確保や、親同士・地域 住民との交流機会を生み出す空間の創出などの取組の更なる拡充を図っていく必要。 また、全世帯の約3分の2が共働き世帯となる中で、未婚女性が考える「理想のライフコース」は、出産後も仕事を続ける「両立コース」が「再就職コース」を上回って最多となっているが、実際には女性の正規雇用における「L字カーブ」の存在など、 理想とする両立コースを阻む障壁が存在している。
○ 女性(妻)の就業継続や第2子以降の出生割合は、夫の家事・育児時間が長いほど高い傾向にあるが、日本の夫の家事・育児関連時間は2時間程度と国際的に見ても低 水準である。また、こどもがいる共働きの夫婦について平日の帰宅時間は女性よりも男性の方が遅い傾向にあり、保育所の迎え、夕食、入浴、就寝などの育児負担が女性 に集中する「ワンオペ」になっている傾向もある。 実際の若者の声としても「女性にとって子育てとキャリアを両立することは困難」、「フルタイム共働きで子育ては無理があるかもしれない」といった声が挙がっている。 一方で、男性について見ると、正社員の男性について育児休業制度を利用しなかっ た理由を尋ねた調査では、「収入を減らしたくなかった(39.9%)」が最も多かったが、 「育児休業制度を取得しづらい職場の雰囲気、育児休業取得への職場の無理解(22.5%)」、「自分にしかできない仕事や担当している仕事があった(22.0%)」なども多く、制度はあっても利用しづらい職場環境が存在していることがうかがわれる。
○ こうしたことから、こども・子育て政策を推進するに当たっては、今も根強い固定 的な性別役割分担意識から脱却し、社会全体の意識の変革や働き方改革を正面に据え た総合的な対策をあらゆる政策手段を用いて実施していく必要がある。
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する ↓
○ 夫婦の平均理想こども数及び平均予定こども数は 2000 年代以降、ゆるやかに低下、直近では、平均理想こども数は 2.25 人、平均予定こども数は 2.01 人。理想のこども数を持たない理由は、「子育てや教育にお金がかか りすぎるから」という経済的理由が 52.6%で最も高く、特に第3子以降を持ちたいと いう希望の実現の大きな阻害要因
となっている。 また、妻の年齢別に見ると、35 歳未満では経済的理由が高い傾向にあるが、35 歳 以上の夫婦では、「ほしいけれどもできないから」といった身体的な理由が高い。また、 いずれの世代も「これ以上、育児の心理的、肉体的負担に耐えられないから」が高い。
○ これまでのこども・子育て政策の中では、保育対策にかなりの比重を置いてきたが、0〜2歳児の約6割はいわゆる未就園児であり、こうした家庭の親の多く集まる子育 て支援拠点が行った調査によれば、拠点を利用する前の子育て状況として「子育てをしている親と知り合いたかった」、「子育てをつらいと感じることがあった」、「子育て の悩みや不安を話せる人がほしかった」など、「孤立した育児」の実態が見られる。 一方で、在宅の子育て家庭を対象とする「一時預かり」、「ショートステイ」、「養育訪問支援」などの整備状況は、未就園児1人当たりで見ると、一時預かりは年間約 2.86 日、ショートステイは年間約 0.05 日、養育支援訪問は年間約 0.1 件など、圧倒的に 整備が遅れている。
○ 実際の若者の声としても「教育費が昔より高くなっているので、経済的負担を考えると1人しか産めなさそう」、「住居費などの固定費に対してお金がかかる」といった 負担感のほか、「親の所得でこどもへの支援の有無を判断すべきではない」といった子 育て世帯の不公平感を指摘する声もある。 ○ さらに、子育て家庭が負担感を抱えている現状→若い世代が子育てに対 してネガティブなイメージを持つことにもつながっており、「こどもがいると今の趣 味や自由な生活が続けられなくなる」、「こどもを育てることに対する制度的な子育て 罰が存在する」などといった指摘の背景ともなっていると考えられる。
○ 公教育の再生は少子化対策としても重要であり、こどもを安心して任せることので きる質の高い公教育を再生し充実させることは、次代を担うこどもたちの健やかな育成はもとより、若い世代の所得向上に向けた取組の基盤となり得るほか、基礎的な教 育に係る子育て家庭の負担軽減にもつながるもの。このため、次代にふさわし い教育の保障、優れた教師の確保・教育環境の整備、GIGA スクール構想の次なる展開など、公教育の再生に向けた取組を着実に進めていくことが重要。 また、学校給食費の無償化の実現に向けて、まず、学校給食費の無償化を実施す自治体における取組実態や成果・課題の調査、全国ベースでの学校給食の実態調査を速やかに行い、1年以内にその結果を公表する。 その上で、小中学校の給食実施状況の違いや法制面等も含め課題の整理を丁寧に行 い、具体的方策を検討する。

2.3つの基本理念 ↓
○ T.でも述べたとおり、我々が目指すべき社会の姿は、若い世代が希望どおり結婚し、 希望する誰もがこどもを持ち、安心して子育てができる社会、そして、こどもたちが、 いかなる環境、家庭状況にあっても分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる社会。また、公教育の再生は少子化対策と経済成長実現にとっても重要であり、 以下の基本理念とも密接に関連する。こうした社会の実現を目指す観点から、こども・子育て政策の抜本的な強化に取り組むため、今後、こども未来戦略会議において策定す る「こども未来戦略」の基本理念は、以下の3点である。 ↓
(1)若い世代の所得を増やす ↓
○ 第一に、若い世代が「人生のラッシュアワー」と言われる学びや就職・結婚・出産・子育てなど様々なライフイベントが重なる時期において、現在の所得や将来の見通しを持てるようにすること、すなわち「若い世代の所得を増やす」ことが必要
。このため、こども・子育て政策の範疇を越えた大きな社会経済政策として、最重要課題の「賃上げ」に取り組む。新しい資本主義の下、持続的な成長を可能とする 経済構造を構築する観点から、「質の高い」投資の促進を図りつつ、「成長と分配の好循環」(成長の果実が賃金に分配され、セーフティネット等による暮らしの安心の下で それが消費へとつながる)と「賃金と物価の好循環」(企業が賃金上昇やコストを適切 に価格に反映することで収益を確保し、それが更に賃金に分配される)という「2つの好循環」の実現を目指す。
○ また、「一人ひとりが自らのキャリアを選択する」時代となり、働き方が大きく変化する中で、労働者の主体的な選択による職業選択、労働移動が、企業と経済の更なる成長につながり、構造的賃上げに資するものとなるよう、リ・スキリングによる能力向上支援、個々の企業の実態に応じた職務給の導入、成長分野への労働移動の円滑化 という三位一体の労働市場改革を加速する。さらに、賃上げの動きを全ての働く人々が実感でき、将来への期待も含めて、持続 的なものとなるよう、L字カーブの解消などを含め、男女ともに働きやすい環境の整備、「同一労働同一賃金」の徹底と必要な制度見直しの検討、希望する非正規雇用の方々の正規化を進める。
○ こうした施策を支える基盤として、多様な働き方を効果的に支える雇用のセーフティネットを構築するため、週所定労働時間 20 時間未満の労働者に対する雇用保険の 適用拡大について検討し、2028 年度までを目途に実施する。また、いわゆる106万円・130万円の壁を意識せずに働くことが可能となるよう、短時間労働者への被用者「働き方改革」の一環として導入された、短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第 76 号)等に基づく不合理な待遇差の禁止。 保険の適用拡大や最低賃金の引上げに取り組むことと併せて、被用者が新たに 106 万 円の壁を超えても手取りの逆転を生じさせないための当面の対応を本年中に決定し た上で実行し、さらに、制度の見直しに取り組む。 また、全国どの地域に暮らす若者・子育て世代にとっても、経済的な不安なく、良質な雇用環境の下で、将来展望を持って生活できるようにすることが重要、引き続き、地方創生に向けた取組を促進する。特に、地方において若い女性が活躍できる環境を整備することが必要であり、地方における分厚い中間層の形成に向けて、国 内投資の拡大を含め、持続的に若い世代の所得が向上し、未来に希望を感じられるような魅力的な仕事を創っていくための取組を支援していく。 ○ こうした取組と併せて、V.で掲げる「加速化プラン」において、ライフステージ を通じた経済的支援の強化や若い世代の所得向上に向けた取組、こども・子育て支援 の拡充、共働き・共育てを支える環境整備などを一体として進め、若者・子育て世帯 の所得を増やすことで、経済的な不安を覚えることなく、若者世代が、希望どおり、 結婚、妊娠・出産、子育てを選択できるようにしていく。 ↓
(2)社会全体の構造・意識を変える ↓
○ 第二に、
少子化には我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関 わっているため、家庭内において育児負担が女性に集中している「ワンオペ」の実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で 支援する社会を作らなければならない。 このため、これまで関与が薄いとされてきた企業や男性、さらには地域社会、高齢者や独身者を含めて、皆が参加して、社会全体の構造や意識を変えていく必要がある。 こうした観点から、「加速化プラン」においては、こどもまんなか社会に向けた社会全 体の意識改革への具体策についても掲げることとする。 また、企業においても、出産・育児の支援を投資と捉え、職場の文化・雰囲気を抜本的に変え、男性、女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を使えるよう にしていく必要。この点は、特に、企業のトップや管理職の意識を変 え、仕事と育児を両立できる環境づくりを進めていくことが重要。同時に、育児休業制度自体についても、多様な働き方に対応した自由度の高い制度へと強化するとともに、職場に復帰した後の子育て期間における「働き方」も変えていく必要がある。特に、出生率の比較的高い地方から東京圏への女性の流出が続いている現状を踏まえ、全国の中小企業を含めて、女性が活躍できる環境整備を強力に進めていくという視点が重要。
○ 働き方改革は、長時間労働の是正により夫婦双方の帰宅時間を早め、育児・家事に 充てる時間を十分に確保することや、各家庭の事情に合わせた柔軟な働き方を実現す ること等につながる。また、子育て家庭にとってのみならず、事業主にとっても、企業の生産性向上や労働環境の改善を通じた優秀な人材の確保といった効果があるこ とに加えて、延長保育等の保育ニーズの減少を通じて社会的コストの抑制効果が期待 されるものでもある。さらに、価値観・ライフスタイルが多様となる中で、子育てに 限らない家庭生活における様々なニーズや、地域社会での活動等との両立が可能とな るような柔軟で多様な働き方が普及することは、全ての働く人にとってメリットが大 きい。このため、特に、働き方改革の実施に課題のある中小企業の体制整備に向けた 取組を強力に後押ししていくことが必要。 育児休業を取りやすい職場づくりと、育児休業制度の強化、この両方があって、子育て世帯に「こどもと過ごせる時間」を作ることができ、夫婦どちらかがキャリアを 犠牲にすることなく、協力して育児をすることができる。このため、働き方改革の推 進とそれを支える育児休業制度等の強化など、「加速化プラン」で掲げる具体的な施策 について、官民挙げて強力に取り組んでいくこととする。
(3)全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する
○ 第三に
、様々なこども・子育て支援に関しては、親の就業形態にかかわらず、どのような家庭状況にあっても分け隔てなく、ライフステージに沿って切れ目なく支援を行い、多様な支援ニーズにはよりきめ細かい対応をしていくこと、すなわち「全ての こども・子育て世帯を切れ目なく支援すること」が必要。
○ これまでも保育所の整備、幼児教育・保育の無償化など、こども・子育て政策を強化してきたが、この 10 年間で社会経済情勢は大きく変わるとともに、今後、取組む べきこども・子育て支援の内容も変化している。 経済的支援の拡充、社会全体の構造・意識の改革に加え、こども・子 育て支援の内容についても、⇒親が働いていても家にいても、全ての子育て家庭を等しく支援すること。幼児教育・保育について、量・質両面からの強化を図ること、その際、待機児童対 策などに一定の成果が見られたことも踏まえ、量の拡大から質の向上へと政策の重 点を移すこと。これまで比較的支援が手薄だった、妊娠・出産期から0〜2歳の支援を強化し妊娠・出産・育児を通じて、全ての子育て家庭の様々な困難・悩みに応えられる伴走型支援を強化するなど、量・質両面からの強化を図ること。貧困の状況にある家庭、障害のあるこどもや医療的ケアが必要なこどもを育てる家庭、ひとり親家庭などに対してよりきめ細かい対応を行うこと。などが必要。
○ こうした観点から、こども・子育て支援に関する現行制度全体を見直し、全てのこ ども・子育て世帯について、親の働き方やライフスタイル、こどもの年齢に応じて、 切れ目なく必要な支援が包括的に提供されるよう、「加速化プラン」で掲げる各種施策に着実に取り組むとともに、「総合的な制度体系」を構築することを目指していく。 また、「総合的な制度体系」を構築する際に重要なことは、伴走型支援・プッシュ型 支援への移行である。従来、当事者からの申請に基づいて提供されてきた様々な支援メニューについて、行政が切れ目なく伴走する、あるいは支援を要する方々に行政からアプローチする形に、可能な限り転換していくことが求められる。制度があっても現場で使いづらい・執行しづらいという状況にならないよう、「こども政策 DX」を推進し、プッシュ型通知や、デジタル技術を活用した手続等の簡素化、データ連携などを通じ、子育て世帯等の利便性向上や子育て関連事業者・地方自治体等の手続・事務負担の軽減を図る。なお、こうした「こども政策 DX」に積 極的に取り組むとともに、関係データの連携、そのデータの利活用を図ることは、W. で掲げる PDCA の推進のためにも重要と考えられる。
○ また、全国それぞれの地域社会において、地域の実情に応じた包括的な支援が提供されるよう、国と地方自治体が連携して、こども・子育て支援の強化を図っていく必要がある。その際には、地域ごとの多様なニーズに対して、幼児教育・保育事業者は もとより、企業や NPO・NGO、ボランティア団体、地域住民などの多様な主体の参画の下で、それぞれの地域が有する資源を最大限に活用しながら、こども・子育て世帯を 地域全体で支えるための取組を促進していくことが重要である。

次回も続き「V.「加速化プラン」〜今後3年間の集中的な取組〜」からです。

第9回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会 [2023年06月29日(Thu)]
第9回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会(令和5年6月12日)
≪議題≫(1)報告書(案)について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33561.html
◎資料1 報告書(案)→各自で読んでください。
◎資料2 報告書(案)→各自で読んでください。

◎参考資料 報告書(案)の前回からの変更点↓
○はじめに
→ 日本は、令和4年の出生数が約 77 万人と7年連続で減少し過去最少となるなど、 少子化の深刻さが増している。加えて、2040 年(令和 22 年)頃には団塊ジュニア世 代が 65 歳以上となり高齢者人口がピークを迎え、高齢化率(総人口に占める 65 歳 以上人口の割合)が増していくとともに、人口減少が加速していく。 このような中で、社会経済の活力を維持・向上させるためには、生産性の向上を 図るとともに、多様な人材が充実感をもって活躍できる環境整備のため、その置かれた状況や希望に対応することが重要。 その一つとして、男女ともに働き方を見直していくことが必要。
仕事と育児の両立支援制度を充実していくとともに、国際的に比 較しても女性に偏りがちな育児・家事を男女で分担し、責任を共有できるよう、男性の育児への関わりを増やしていくことが求められる。また、このような取組を進 めることは、育児に関わる時間を増やしていきたいと考えている男性の希望にも応 えることができるもの。
さらに、企業等が自ら計画的かつ集中的に次世代育成支援対策を行うこととする次世代育成支援対策推進法(平成 15 年法律第 120 号)は、平成17 年に10年間の時 限立法として施行されたあと、平成 27 年に内容を充実させた上で再度 10 年間延長 されたところであるが、令和6年度末にその期限を迎える。
T 現状の課題と基本的な考え方
1. 働き方改革
2.仕事と育児・介護の両立に係る現状

(1)仕事と育児の両立に係る現状
@ これまでの取組状況や現状→意識調査でも、男性正社員の約3割が子の年齢が低い うちでも残業をしながらフルタイムで働くことを希望している。
なお、短時間勤務の利用者に、利用する理由を尋ねた調査では、女性(正社 員・職員)では、「子どもと過ごす時間を増やしたかったため」(59.2%)と回答 した割合が最も多いが、次いで「配偶者・パートナーが長時間労働であるため」 (32.0%)が多い。男性(正社員・職員)では、「子どもと過ごす時間を増やした かったため」(34.2%)と回答した割合が最も多いが、次いで「自分の勤めている 会社の残業が多かったため」(26.3%)が多い。
A 現在の状況を踏まえた制度的な課題
3.今後の両立支援制度の検討に当たっての基本的な考え方→ 以上の現状を踏まえて、今後の仕事と育児・介護の両立支援の在り方を検討するに 当たっては、まずは、ライフステージにかかわらず全ての労働者が「残業のない働き 方」となっていることをあるべき方向性として目指しつつ、以下の点を基本として継 続的に取り組んでいくことが求められる。
4.両立支援のための政策手段の考え方
A 加えて、投資判断に必要な情報を提供するため、育児・介護休業法に基づき男 性の育児休業等取得率の公表等を行う企業は、有価証券報告書においても「従業 員の状況」の記載欄で「男性育児休業取得率」等の開示を求める改正が行われており、こういった有価証券報告書も連動して人的資本や多様性に関する情報の開示を充実させていくという観点も重要である。

U 具体的な対応方針
1.子の年齢に応じた両立支援に対するニーズへの対応
(1)子が3歳になるまでの両立支援の拡充
@ テレワークの活用促進 A 現行の短時間勤務制度の見直し B 子の看護休暇制度
(2)子が3歳以降小学校就学前までの両立支援の拡充
@ 柔軟な働き方を実現するための措置
《考え方》
《具体的な措置》 →A 業種・職種などにより、職場で導入できる制度も様々であることから、 ・短時間勤務制度  ・テレワーク(所定労働時間を短縮しないもの) ・始業時刻の変更等の措置(所定労働時間を短縮しないもの。フレックスタイム 制を含む。)
・新たな休暇の付与(子の看護休暇や年次有給休暇など法定の休暇とは別に一定の期間ごとに付与され、時間単位で取得できるもの)などの柔軟な働き方を措置する制度の中から、事業主が各職場の事情に応じて、2以上の制度を選択して措置を講じる義務を設けることが必要である。
a)事業主が2以上の制度を選択することとする趣旨は、育児との両立の在り方 やキャリア形成への希望に応じて、労働者が柔軟な働き方を活用しつつフルタイムで働ける制度も選ぶことができるようにするためである

b)〜f)は省略。
A 残業免除(所定外労働の制限)
《考え方》
@ Tの3.Aで確認したように、目指す方向は、労働者本人がキャリア形成に 関する希望に応じて両立支援制度を使わないという選択をしても、仕事と育児 が両立できることである。しかし、時間外労働を前提としたフルタイム勤務が 常態化している職場においては、女性正社員を中心に、短時間勤務からフルタ イム勤務に戻ることをためらうことで、短時間勤務の利用が長期化している状 況が考えられる
B 子の看護休暇制度→ ・子が3歳以降小学校就学前までに取得できる子の看護休暇制度については後述 (3)のとおり。
F 併せて、子の看護休暇の取得しやすくするための取組も望まれる。

2.仕事と育児の両立支援制度の活用促進
3.次世代育成支援に向けた職場環境の整備 《考え方》
《考え方》
《具体的な措置》

B 常時雇用する労働者が 101 人以上の企業に策定が義務付けられている一般事 業主行動計画39について、行動計画策定指針40上は数値目標の設定が望ましいこ とや PDCA サイクルの確立が重要であるとされている。各職場での取組をさらに 促進していくため、指針ではなく法律上の仕組みとして、行動計画策定・変更 時に、男性の育児休業取得率等の状況を分析すること、行動計画の目標として 定量的な目標を立てることを規定することが必要である。
E 「くるみん」などの認定基準については、認定制度が広く活用されていると いう点も踏まえつつ、「男女とも仕事と子育てを両立できる職場」という観点か ら見直しを行うことが必要である。


4.介護離職を防止するための仕事と介護の両立支援制度の周知の強化等
5.障害児等を育てる親等、個別のニーズに配慮した両立支援について
《考え方》
《具体的な措置》

@ 現行の仕事と介護の両立支援制度の運用の見直し
A 育児中の労働者に対して個人の意向を尊重する配慮↓
@ 企業や労働組合、当事者団体へのヒアリングを通じて、労使での話合いや、 様々なコミュニケーション手段を活用したニーズの把握などにより、重度の障 害児を養育する労働者への配慮として、短時間勤務制度を子の年齢に制限なく 利用可能としたり、転勤の配慮をしたりするなど、企業が個々の労働者への配 慮を行う事例も見られた。
A 併せて、企業が聴取した個々の意向をどのように尊重するかについては、指 針が示されることが望ましい。

B 子が障害のある場合や医療的ケアを必要とする場合などの配慮に関する先行 事例を共有することなどにより、企業の取組を促進していくことも求められる。

6.仕事と育児・介護との両立支援に当たって必要な環境整備
(1)両立支援制度を安心して利用できる制度の在り方の検討
《考え方》

@ 労働者が、両立支援制度を希望に応じて気兼ねなく利用するためには、労働 者が制度の利用中又は利用後の労働条件等を理解した上で選択できるようにす ることや、制度を利用しても、不利益な取扱いを受けないことが求められる。
A この点、育児・介護休業法において、以下が定められている。→ ・育児休業・介護休業中の待遇や、休業後の賃金等の労働条件に関する事項等に ついてあらかじめ定め、これを周知するための措置を講ずるよう努めること。 ・労働者の配置その他の雇用管理について必要な措置を行うよう努めること、 また、その措置を講ずるに当たっては、育介指針において、休業後は原則と して原職又は原職相当職に復帰させるよう配慮すること。
B さらに、育児・介護休業法において、育児休業や介護休業等について、休業 の申出や休業したことにより、解雇その他不利益な取扱いをしてはならないと され、具体的な不利益取扱いの内容は、育介指針において示されている。
《具体的な措置》
C 上記Aの取組が進むよう、引き続き周知徹底をしていくべきである。
D また、今後、両立支援制度を充実する際も、その制度の利用申出や利用によ り不利益な取扱いを受けることがないようにすることが求められる。
E なお、育介指針は、事業主等に対して、育児・介護休業法の履行に当たり、 取るべき望ましい行動を示すことで、労使双方が安心して制度を活用できることに資するものであることから、その内容が理解しやすいものとなっているか について不断に見直し、また、周知していくことが重要である。
(2)プライバシーへの配慮
(3)心身の健康への配慮
《考え方》
@ 心身の健康への配慮は全ての労働者に求められるものであるが、本報告書に おいて、特に育児中の労働者のテレワークやフレックスタイム制等の活用の促 進を提言していることから、これらを活用する労働者が育児負担と重なって負 荷が大きくならないようにすることが求められる。男女間での育児・家事負担 の平準化のための取組を一層進めつつ、育児との両立支援制度を活用する際の 配慮について検討するべきである。
《具体的な措置》
A 仕事と育児の両立のためにテレワークやフレックスタイム制などを活用する 場面では、夜間の勤務等を理由に心身の健康の不調が生じないよう、事業主の 配慮(勤務間の休息時間(いわゆる勤務間インターバル)や勤務時間外の業務 へのアクセス状況の確認、面談による労働者の健康状況への配慮等)を促すこ とが望ましい。また、労働者への配慮の一つとして、出産後に早期に職場復帰する女性労働 者が安心して働き続けられるよう、職場で衛生的で落ち着いて搾乳できる場所 などを利用できることも望ましいことから、その普及に向けた取組を進めるこ とも考えられる。
B 加えて、事業主による配慮だけでなく、労働者自身も、自身の健康にも留意 しながら働き方を見直していくことも求められるため、セルフケアなどを促す ことも望ましい。
(4)有期雇用労働者の育児休業取得等の促進

○おわりに→ 少子高齢化をめぐる問題は、働き方、労働法制、教育制度、税制、育児や介護の サービスの状況など、国の制度全般にかかわるもの。本研究会では、育児・ 介護休業法や次世代育成支援対策推進法等を中心に検討が進められてきたが、広い 分野にまたがる課題があることを前提に、喫緊に対応すべきことと将来に向けて課 題として共有すべきこと、その間で将来につなげてできることを考えていくことが 必要である。 特に本研究会においては、Tの3.のとおり、ライフステージにかかわらず全て の労働者が「残業のない働き方」となっていることをまずはあるべき方向性として 位置付け、労働者本人がキャリア形成に関する希望に応じて両立支援制度を使わな い選択をしても、仕事と様々なライフイベントの両立ができることを目指すべきで あるという観点に立った。その上で、喫緊に対応すべき諸課題として、現状を踏ま えた制度の見直しや、労働者が気兼ねなく必要な制度を利用できる職場づくりに重 点を置いて検討が進められたものである。 今後、労働関係施策の見直しに当たっても、あるべき方向性を見据えつつ、個々 の労働者がいかなる支援制度をどの程度利用するかに関し、必要な情報を得た上で 納得して選択をできることにも配意した議論を深めていくことが求められる。 今後、仕事と育児・介護の両立支援を議論する場合には、このような議論を参考 に積極的に取り組むよう期待したい。

次回は新たに「こども未来戦略会議(第6回)」からです。

新しい時代の働き方に関する研究会 第8回 [2023年06月28日(Wed)]
新しい時代の働き方に関する研究会 第8回資料(令和5年6月9日)
≪議題≫ 構成員からのプレゼンテーション ・武田雅子構成員 ・安部和志構成員
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33529.html
◎資料1「株式会社メンバーズにおける個を活かす人材マネジメント」(武田構成員提出)
○会社概要
→株式会社メンバーズ⇒「心豊かな社会を創る」「企業と社会の“脱炭素DX”を推進」、その他あり。
○メンバーズのミッション・VISION2030と目標値→メンバーズが着目する社会課題は、「地球温暖化および気候変動による環境変化」、「人口減少による年金医療制度破綻」、「地方衰退による自治体の消滅/財政破綻」です。 “MEMBERSHIP”で、心豊かな社会を創る MISSION VISION2030 人々や企業が自己利益の追求のみではなく将 来への希望や社会への参加意識を持ち、持続 可能なより良い未来のために共に協力しあう 心豊かな社会の実現に取り組みます。
○メンバーズが考える「脱炭素DX」→2050年までのCO2排出量実質ゼロの達成にはビジネスのあり方、経済政策の変革が 必要不可欠です。⇒「企業がDXを通じて持続可能なビジネス成⾧と脱炭素 社会創造を同時に実現すること」
○主なお取引先→大手企業から多様なベンチャー企業まで、お客様に合わせて デジタル人材を「専任チーム化」。ビジネス成果向上を追求⇒例として40企業あり。
○支援実績(ECサイト構築運用総合支援)
・アパレル企業さま
○支援実績(サービスサイト構築運用総合支援)
・株式会社ベネッセコーポレーションさま
○支援実績(大規模Webサイト構築・運用)
・株式会社ジェーシービーさま
・株式会社みずほフィナンシャル グループさま
○CSV(Creating Shared Value)訴求によるビジネス成果向上実績
・楽天グループ株式会社さま→CO2排出レベルに基づいて普段の暮らし方のサステナブル度
を診断し、心地よい未来に向けて行動するための啓蒙コンテンツを企画・制作。 ユーザーのサステナビリティに対する態度変容、ブランドイメージの向上に貢献。
・株式会社みずほ銀行さま→ 「社会課題解決型訴求」のアプローチで ワンタイムパスワード申込数が以前の28倍に。
・パナソニック株式会社さま→「環境訴求」を実施した結果、 従来型訴求※よりも新規ユーザー割合が向上。
・SMBC日興証券株式会社さま→ CSV(Creating Shared Value)訴求によるビジネス成果向上実績 「社会をよくするお金の循環を共につくる」を目的としたプロジェクトのコンセプトの設計から、 施策の一つであるメディア立ち上げおよびコンテンツ制作の支援をおこない、 高品質な記事発信によるESG投資への興味関心の向上に貢献。
・セイコーホールディングス株式会社さま→ CSRページリニューアルとSDGsメディア「サステナブル・ストーリー」の立ち上げを実施。 SDGs活動の情報発信を強化。リニューアル後のPVは1.6倍に増加。

≪メンバーズにおけるHRM≫
○特徴@徹底した共感採用による新卒大量採用
→本格的なデジタル経済の拡大に向けて、 継続的に新卒採用を強化しています⇒デジタル経済の拡大においてIT人材不足が喫緊の課題→3部門の予測あり。
○特徴Aデジタル人材を高レベルの質&量でスピード育成→積極採用・専門育成・早期稼働を軸に優秀な若手デジタル人材を多数輩出⇒<技術職含む優秀な若手人材の積極採用><専門育成による即戦力輩出を可能にするカンパニー制の採用><体系的な知見やスキルを習得するための資格取得を推奨>・・・参照。
○HR関連データ→社員数(連結)、平均年齢などのデータあり。
○特徴的な社員のポートフォリオ→全社の8割弱が入社4年めまでの社員という構成。 一方中途は即戦力がメインで新卒とのバランスを意識。
○自律型キャリアを支える仕組みやワークスタイル↓
(仕組み)は下記↓

• 徹底した共感採用で入社前からメンバーズを自分で選択している意識が高い
• 入社時研修後は、能力別グループ分けによる育成やアサインがそれぞれにスタート
• 異動は常にイントラに掲示されている公募がメイン、社命による異動は実質無し
• リ・スキリングをしたくなったら自ら「スキル開発室」への異動も可能
• ラボと呼ばれる業後の社内勉強会が盛ん、今使わないスキルもテーマにして学びあい。
• 社⾧公募制度があり、15社の子会社が現在稼働中
(ワークスタイル)は下記↓
• つねにPJ形式での業務進行&二度と同じ仕事が来ない働き方が、業務を通じて、変化に強い人材を育成
• 屋台骨を支える中堅社員はほぼ中途採用、彼ら自身が若いころに自らキャリアチェンジをしてweb業界に入ってきた人材も多く、彼らやエンジニア特有の学び続ける姿勢が、 組織のカルチャーとなっている。

○その他メンバーズのワークスタイルをカタチ作るもの↓
・フラットな組織風土(さん付け)社⾧室無し
・働き方の多様性尊重(ハイブリッドワーク、フリーアドレス、地方移住支援、副業可)
・ミッションビジョン理解を深めるWSを毎年開催
・社員総会、アワードには全社員が参加
・採用活動に全社の約1割の社員が参加
・本業でのSDGs実践や1S1Aと呼ばれる自主活動、学びの場と社内資格制度
・20年からエンジニアの給与を1.6倍にする目標を掲げ計画通りベアを推進
・サイズのわりにフラットに異論の声が上げやすいカルチャー(エンジニア気質?)
・ジェンダーやWLBの考え方など若者カルチャーがデフォルト、変化を厭う層がかなり薄い。

○自律型キャリア人材の育成に必要な要素↓
@ 自らがキャリアを選択しているという実感(会社、職場、職種・・・)
A 近くにいるロールモデル(先輩、同僚・・・社外含め、とにかく手触り感のある人達)
B 自らの選択を自ら変えられるオプションがある(公募、学びの場、G内起業・・・)
C 自身の活躍や成⾧を認めてくれる仲間やクライアント(アサイン、評価、仕事のリピ ート、アワードへの応募)
D 共感と自分事化できるビジョンがある(TOPによる情報発信や全社イベント、情報 発信、社会課題と自分がつながっている感覚など・・・)。

○いいことばかり書いていますが・・・意見の一つとして→そもそもエンジニアという、大前提として人気の職種がメインの組織とはいえ、待機者など、Exitマネジメントも今後の課題ではある。ただし、これに伴い解雇ルールの緩和を謳うということではなく、現場の人事としては、むしろ、正社員=終身雇用(&年功序列)が、 採用のメジャーという世の中のウェイトを変えたい。
会社と社員がイーブンな関係で継続雇用についてお互い努力をする状態が理想。 同じ仕事でも、終身雇用の場合は単年契約より安い給与で雇用するなど。 ⾧期雇用が成果の大きさにリンクする時代は、一部の職種ですでに通用しない。 解雇ルールを変えるのではなく、いくらでも選択肢があると労働者側が思える (≒会社を選ぶのは自分という)社会にしていきたい。

○今後のHR戦略に関する課題(社内資料より) ↓
1. ピラミッドを駆け上がる強い個の育成→「強い」を作る要素は、@自ら学ぶAプロアクティブB好奇心 Cチームで成果を出せるD顧客の期待値を超える利他のマインド。キャリア自律人材の育成 ⇒自分自身がキャリアを創る主人公!
2. チームの要となるMEMらしいリーダーの育成→チームのパフォーマンスとピープルマネジメントを同時進行し、メンバー を挑戦に導くMEMらしいリーダーシップの型を作り、マネジメントレベル の高位平準化を図る ⇒マネジメントレベルの「高位平準化」→あるべきレベルを示し、凸凹の凹を埋め続ける。
3. スケールに負けない組織のカルチャー強化→流通させる情報の戦略的なマネジメント。MEMを体現する自発的、越境的な行動の促進と定着。⇒余白を作り、望ましい行動の再現性を上げる(図の参照。)


◎資料2 「ソニーグループの人材施策〜個を「求む」「伸ばす」「活かす」〜」(安部構成員提出資料)
○社員と会社の対等な関係
→社員と会社は成長のサイクルを回す「選び合い・応え合う関係」⇒仕事場を成長する環境としてとらえる。
○事業の推移→適正規模の従業員で利益追求。
○事業の概要→主要製品・ブランド
○事業の変遷→売上高構成比率推移、人員構成比率推移の変遷。
○社員数→112,994名。
○グループ経営機構改革→ミッション“人と技術を通じて事業の進化をリードし支える”
1. 事業ポートフォリオ管理と、経営資源の配分
2. グループシナジーと新規 事業創出
3. 人材とテクノロジーへの 投資

≪多様な個(事業・社員)の成⾧ = グループ全体の成⾧≫
○創業者の言葉 新しいチャレンジをしようとしないリスクは、新しいチャレンジをするリスクより、危険だ 盛田 昭夫
【井深 大1908 – 1997】
→真面目なる技術者の技能を、最高度に発揮せしむべき、自由闊達にして愉快なる理想工場の建設。 従業員は厳選されたる、かなり小員数をもって構成し、形式的職階制を避け、一切の秩序を実力本位、人格主義の上に置き個人の技 能を最大限に発揮せしむ。企業もお城と同じ。強い石垣はいろいろな形の石をうまくかみ合わせる ことによって、強固にできる。常識と非常識がぶつかったときにイノベーションが生まれる。
【盛田 昭夫 1921 – 1999】→ソニーに入ったことをもし後悔することがあったら、すぐに辞めなさい。 人生は一度しかないのです。そして、本当にソニーで働くと決めた以上は、お互いに責任があります。あなたがたも、いつか人生の終わりを迎える時が来ます。そのときに、ソニーで過ごして悔いはなかった、と思ってもらえることを願っています。型に嵌まらないものこそ創造性である。

○”Purpose:存在意義”と、”基本人材理念”→ 個を「求む」(人材獲得)、 個を「伸ばす」(成⾧支援)、 個を「活かす」(やりがい)
○グループ共通理念と事業に即した人事施策推進↓
・企業文化⇒存在意義⇒人材理念 共通施策⇒各事業人事責任者⇒各事業最適の人事施策 立案・実行
○「管理する人事」 から、「支援する人事」へ
○Sony’s People Experiences – 年→会社と社員の「対等な関係」「社員の自律的な選択」
○Sony’s People Experiences – 人生→2023年から「両立支援施策」「フレキシブルワーク制度」「ジョブグレード制度」へ。

○危機感と挑戦⇒他社との競合。
○経営資本の特性→人材は「極めて高い」

○個を軸とする人事施策→個を「求む」、個を「伸ばす」、個を「活かす」↓
・個を「求む」→“強烈な個性をもった社員を集め、その人たちの創造性を促進”⇒ 98 コース→技術系(9分類・87コース)・事務系(5分類・11コース)→【社内募集制度】→1966年に導入、「自分のキャリアは自分で築く」 上司の許可なく、社員が自ら希望の仕事に手を挙げることが可能。年間700名以上が応募、200名弱の異動が実現。
・個を「伸ばす」→将来のリーダーを育成する Sony University の進化(多様化の推進)。技術戦略コミッティ→ソニーの各事業を横断する、技術の横串活動。技術領域別に10のコミッティがあり、事業の垣根を超え、最先端の技術情報を共有するとともに技術力を高める場となっている。後進の育成にも注力しており、若手の成⾧を促し、目指す姿への道のりをサポートする場でもある。 事業を越えた経営責任者と次世代リーダーとの交錯による学びと新たな価値創造につながる。
○個を「活かす」→自らの努力でチャンスをつかむ(井深大氏)
・個を「活かす」キャリア支援施策の拡大→「自分のキャリアは自分で築く」という考え方のもと、主体的なキャリア形成を実現するための4つの施策を展開。⇒社内募集・キャリアプラス・ FA・キャリアリンク、参照。
・個を「活かす」 ライフイベントとの調和→両立支援制度
・個を「活かす」社員のアイデアの実現→EP&S事業の個社独自で社員のアイデアを募集し 新規事業を支援。ソニーミュージックジャパンの新規事業創出プログラム 社員が将来の目標としている夢や密かに練っている ビジネスアイディアを会社がサポートしてビジネス化 「YOASOBI」などのヒットコンテンツも生まれている
・個を「活かす」交流の場→社員同士の交流の場・社員同士が学び合えるようなコミュニティ活動の支援⇒ソニー品川本社、ソニーシティ大崎、ソニー厚木テック、ソニーシティみなとみらい。
・個を「活かす」ジョブグレード制度 FY2015導入→現在の役割(ジョブ)のみに応じて等級を定義。評価制度 FY2015導入→単年度の実績とソニー社員に求める行動の2軸で評価。
・個を「活かす」株式を用いた人的資本への投資→
・個を「活かす」社員意識調査→グループ全体を対象に、秋(フルサーベイ)と春(ミニサーベイ)の年2回実施。 フルサーベイの回答者は90%以上。社員エンゲージメントや組織風土、マネジメントへのフィードバック等のアンケート。 • マネジメントへは即時にフィードバックを実施。「分析」と「継続的な取り組み」を重視.。 • 「前回の調査後、職場で継続的な対話とアクションがあったか」の質問でモニター。
・個を「活かす」社外キャリア支援プログラム→(50歳以上に)
・個を「活かす」社外キャリア支援プログラム→2019年10月に国内GP会社社員約3万人を対象に確定拠出年金(DC)に完全移行
・個を「活かす」働き方→ソニーの人事理念や時代の変化に合わせ勤務制度を進化、 コロナ禍でもスムーズに業務継続が可能に
・個を「活かす」働き方 – ワークプレイス→事業セグメントを 超えて個々やチー ムの拠点 (STATION)をつ くることができる 場所(ソニーシティみなとみらい)。⇒多様な拠点がつな がり、シナジーを 起こすことで、新 しい価値の発信に つなげる 家とオフィスに加 えて、社員の選択 肢を増やす。

○「成⾧実感」と「エンゲージメント」→2つの関係は多大な影響を及ぼす。
○多様な「学び」とサステナビリティ(サステナビリティ説明会)(2022年9月)→学び続ける会社へ
○多様な個の成⾧=グループ全体の成⾧↓
・ 経営と社員共通のアジェンダは「学び」による「成⾧」
・ 「企業文化」がそれを支え、制度が補完
・ 重要な「対話」「内省」「支援」
○チャレンジ=変化への対応↓
・経営環境変化のスピードとダイナミズム:専業巨大競合との競争
・ 大企業化(ブランド化 - 出る杭 求む右矢印1 人気企業ランキング)
・ 歴史の蓄積(新たな挑戦への足かせ 右矢印1 成功体験/年齢構成)
・ 成⾧し続けるための俊敏な”シフト”:“経営のシフト”/”人材のシフト”(スキル・リソース・マインド)
・ 経営の難易度(個の集合体からの価値創出の難しさ:コングロメリット・ディスカウント / 個を活かす経営)
・グローバル競争の進行(人材、ジオ・ポリティクス、日本の本社、グローバルリーダー育成)

次回は新たに「第9回今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」からです。

令和5年第8回経済財政諮問会議 [2023年06月27日(Tue)]
令和5年第8回経済財政諮問会議(令和5年6月7日)
≪議事≫ 経済財政運営と改革の基本方針(骨太方針)に向けて
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0607/agenda.html
◎資料1 経済財政運営と改革の基本方針 2023(仮称)原案
第1章 マクロ経済運営の基本的考え方
1.本基本方針の考え方↓

・「新しい資本主義」の実現に向けた構造的賃上げの実現や人への投資、分厚い中間層の形成に向けた取組や、GX・DX、スタートアップ推進や新たな産業構造への転換など、官と民が連携した投資の拡大と経済社会改革の実行に向けた基本方針を示す。
・ 少子化のトレンドを反転させるべく、こども・子育て政策の抜本的強化に向けた道筋 を示す。多様性が尊重され全ての人が力を発揮できる包摂的な社会や地域 の中小企業の活力を引き出し特色ある地方創生を実現するための方針を示す。
・ G7広島サミットの成果も踏まえた戦略的な外交・安全保障や我が国経済を強靱なものとする経済安全保障、エネルギー・食料安全保障についての方針を示すとともに、自然災害から国民を守る防災・減災、国土強靱化の推進、東日本大震災等からの復興、 国民生活の安全・安心に向けた方針を示す。
・ その上で、これら政策遂行の基盤となる中長期の視点に立った経済財政運営の方針を示し、令和6年度予算編成の考え方を提示する。
2.環境変化に対応したマクロ経済運営→政府と日本銀行との緊密な連携。
・政府→まずは、輸入物価上昇を起点とした外生的な物価上昇から、賃金上昇や コストの適切な価格転嫁を伴う「賃金と物価の好循環」を目指し、下請取引適正化を始め とする中小企業の価格転嫁対策、最低賃金の継続的引上げに向けた環境整備、適切な労働 市場改革等を進める。あわせて、生産性向上とイノベーション促進に向けた民間投資を引き出す、人 への投資、GXなど社会課題の解決に向けた官民連携投資、さらに海外からの人材や資金の積極的な呼び込み等を通じ、国内投資の持続的な拡大を図る。また、効率化投資の促進 を含め構造的な人手不足の問題の克服に向けた取組を進めるとともに、スタートアップ推 進に向けた取組を抜本強化し、産業構造の転換と経済社会改革を促進。こうして「賃金と物価の好循環」に持続性を確保しつつ、成長力の向上と家計所得の幅広い増加に裏打ちされた消費・国内需要の持続的拡大が実現する「成長と分配の好循環」を目指す。
・日本銀行→賃金の上昇を伴う形で2% の物価安定の目標を持続的・安定的に実現する期待。こうした取組を通じ、今後とも大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を一体的に進めつつ長らく続いたデフレマインドを払拭し期待成長率を高めることでデフレに後戻りしないとの認識を広く醸成し、デフレ脱却につなげていく。
・経済財政諮問会議→財政政策と金融政策のポリシーミックスを含むマクロ経 済政策運営の状況、物価や賃金、分配面も含めた経済の状況、経済財政の構造改革の取組 状況などについて、定期的に検証していく。
3.持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化 ↓
我が国の人口→減少速度が加速しており、今後10年で5%減少した後、50年後(2070年)には現在の7割を切ると見込まれる。このため、異次元の少子化対策に全力で取り組みつつ、本格化する人口減少社会において持続的成長と安心で幸 せを実感できる経済社会を実現できる経済構造を作っていかなければならない。このためにも、「新しい資本主義」の下、新たな行動を実行に移す企業・個人を積極的に後押しすることで、民需主導の持続的・安定的な経済成長を実現する。 こうした状況について、経済活動に伴う収支を示す貯蓄・投資バランスから見ると、我 が国では、バブル崩壊以降、高齢化を背景に家計の貯蓄率は低下傾向にある一方、企業は 投資超過から余剰資金を保有する状態である貯蓄超過となり、政府は大きな財政赤字から 脱却できずにいる。また、企業投資は海外に向かい、交易条件も悪化し、この結果、所得 の流出、賃金の停滞等が生じてきた。 持続的な経済成長を実現するには、女性・高齢者の労働参加や資産所得の拡大等により 家計所得を押し上げ、高齢化による貯蓄率低下圧力を緩和しつつ、スタートアップや生産 性を高める投資、GXを始めとする官民連携による社会課題解決に向けた多年度にわたる 計画的投資の強化等、国内投資の強化が必要。その下で、高い収益・付加価値を実 現させ、企業の投資超過へのシフトを促していく。 こうした民間投資の喚起に併せて、政府による、DXの利活用を通じた行財政の徹底し た効率化や無駄の排除、EBPM(証拠に基づく政策立案)を通じた成果につながる賢い 財政支出(ワイズスペンディング)の徹底、政策の将来にわたる効果を見据えた動的思考 の活用等の取組があいまって、政府の財政赤字が改善していく姿を目指す。また、デジタル社会に対応し大胆に社会変革を進めつつ、変革に即した大胆な行財政改革に取り組む。 経済あっての財政であり、経済を立て直し、そして、財政健全化に向けて取り組むとの 考え方の下、財政への信認を確保していく。


第2章 新しい資本主義の加速
1.三位一体の労働市場改革による構造的賃上げの実現と「人への投資」の強化、分厚い
中間層の形成 →「成長と分配の好循環」と「賃金と物価の好循環」の実現の鍵を握るのが賃上げであり、これまで積み上げてきた経済成長の土台の上に、構造的な人手不足への対応を図りな がら、人への投資を強化し、労働市場改革を進めることにより、物価高に打ち勝つ持続的 で構造的な賃上げを実現する。あわせて、賃金の底上げや金融資産所得の拡大等により家 計所得の増大を図るとともに、多様な働き方の推進等を通じ、多様な人材がその能力を最 大限いかして働くことで企業の生産性を向上させ、それが更なる賃上げにつながる社会を創る。
(三位一体の労働市場改革)
(家計所得の増大と分厚い中間層の形成)
(多様な働き方の推進)

2.投資の拡大と経済社会改革の実行
(1)官民連携による国内投資拡大とサプライチェーンの強靱化
(2)グリーントランスフォーメーション(GX)、デジタルトランスフォーメーショ
ン(DX)等の加速→(グリーントランスフォーメーション(GX)⇒今後10年間
で150兆円超の官民GX投資の実現を目指し)(デジタルトランスフォーメーション
(DX)、AIへの対応)
(3)スタートアップの推進と新たな産業構造への転換、インパクト投資の促進→(スタ
ートアップの推進と新たな産業構造への転換⇒「スタートアップ育成5か年計画」)(インパクト投資の促進)
(4)官民連携を通じた科学技術・イノベーションの推進
(5)インバウンド戦略の展開 →(持続可能な形での観光立国の復活)(高度人材等の受
入れ)(技能実習制度及び特定技能制度の在り方の検討)(国際金融センター等の実現)
3.少子化対策・こども政策の抜本強化 →(加速化プランの推進)(こども大綱の取りま
とめ)
4.包摂社会の実現 →(女性活躍)(共生・共助社会づくり)(就職氷河期世代支援)(孤
独・孤立対策、「居場所」づくりなど)
5.地域・中小企業の活性化 →(デジタル田園都市国家構想と「新時代に地域力をつなぐ
国土」の実現)(「シームレスな拠点連結型国土」の構築と交通の「リ・デザイン」)(個性をいかした地域づくりと関係人口の拡大)(物流の革新)(中堅・中小企業の活力向上)(文化芸術・スポーツの振興)

第3章 我が国を取り巻く環境変化への対応
1.国際環境変化への対応

(1)外交・安全保障の強化
(2)経済安全保障政策の推進
(3)エネルギー安全保障の強化 →ロシアのウクライナ侵略によって国際的なエネルギ
ー市場が混乱する中、我が国では、需要サイドにおける徹底した省エネルギー、製造業の燃料転換などを進めるとともに、供給サイドにおいては、 足元の危機を乗り切るためにも再生可能エネルギー、原子力などエネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用。
(4)食料安全保障の強化と農林水産業の持続可能な成長の推進 →食料供給基盤の確立に向け、「食料・ 農業・農村政策の新たな展開方向」161を具体化するとともに、食料・農業・農村基本法162に ついて、本年度中の改正案の国会提出を視野に、基本理念を含め見直しの検討を加速化。
(5)対外経済連携の促進、企業の海外ビジネス投資促進 →(対外経済連携の促進)(企
業の海外ビジネス投資促進)
2.防災・減災、国土強靱化、東日本大震災等からの復興→(防災・減災、国土強靱化)(東日本大震災等からの復興)
3.国民生活の安全・安心 →次なる感染症危機への対応に万全を期すため、内閣感染症危
機管理統括庁を今秋に設置 し、感染症危機管理の司令塔機能を強化する、これまでの新型コロナウイルス感 染症への対応の検証を踏まえて政府行動計画210を見直す。国立健康危機管理研究機構を2025年度以降に創設し、質の高い科学的知見を迅速に提供する。また、医療措置協定締結 の推進、保健所や地方衛生研究所等の体制強化、臨床研究の基盤整備、人材育成や災害派 遣医療チーム(DMAT)の対応力強化等に取り組む。

第4章 中長期の経済財政運営
1.中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営 ↓
(基本的考え方)
→これまで述べたとおり、我が国を取り巻く環境が激変する中、多様な社会課題に対応する財源を確保しながら、持続可能な経済財政運営を行っていく。 コロナ禍を脱し、経済が正常化し、「成長と分配の好循環」を拡大していく中で、賃金や調達価格の上昇を適切に考慮しつつ、歳出構造を平時に戻していく、緊急時の 財政支出を必要以上に長期化・恒常化させないよう取り組む。経済再生と財政健全化の両立を図るため、財政政策は主として潜在成長率の引上げと社会課題の解決に重点を置き、 中長期的な視点を重視した経済財政運営に取り組む。5〜10年の中長期的視点に立って、 民間の予見可能性を確保し、民需を引き出し、社会課題を解決する中長期の計画的な投資 を推進する政策運営を行うとともに、それを担保するワイズスペンディングを徹底する。
(中期的な経済財政の枠組みの検討等)→多年度にわたる計画的な投資⇒財源 も一体的に
検討し歳出と歳入を多年度でバランスさせるとともに、経常的歳出について毎年の税収等で着実に賄われる構造の実現に向けた取組を進める
中長期の経済財政の展望とその評価・分析の充実)
(効果的・効率的な支出の推進とEBPMの徹底強化)
(税制改革)
→経済成長と財政健全化の両立を図る、少子高齢化、グローバル化等の経済社会の構造変化に対応したあるべき税制の具体化に向け、包括的な検討を進める。
2.持続可能な社会保障制度の構築 →(社会保障分野における経済・財政一体改革の強化・推進)(研究の質を高める仕組みの構築等)
3.生産性を高め経済社会を支える社会資本整備
4.国と地方の新たな役割分担等
5.経済社会の活力を支える教育・研究活動の推進
→(質の高い公教育の再生等)(研究
の質を高める仕組みの構築等)

第5章 当面の経済財政運営と令和6年度予算編成に向けた考え方↓
1.当面の経済財政運営について
→我が国経済は、コロナ禍から経済社会活動の正常化が進み、緩やかに回復の一 方で、世界的な物価高騰とそれに対応する各国金融引締めによる海外景気の下振れリスク、 金融資本市場の変動が我が国経済に与える影響に十分注意する必要がある。 こうした経済環境の下、当面の経済財政運営⇒足下の物価高や世界経済の減 速等による我が国経済の下振れリスクに万全の対応を図りつつ、持続的な成長と分配の好 循環の実現に向けて、国内投資の拡大や研究開発の促進による生産性の向上とともに、価 格転嫁を通じたマークアップ率の確保による賃上げを車の両輪として一体的に進める。 このため、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策269」及びそれを具体化す る令和4年度第2次補正予算、「物価・賃金・生活総合対策本部」で取りまとめたエネルギー・食料品等に関する追加策、並びに令和5年度予算の迅速かつ着実な執行に全力を尽くしつつ、物価や経済の動向を踏まえ、今後も機動的に対応していく。あわせて、人への 投資の抜本強化、労働移動の円滑化、労務費も含めた価格転嫁対策の強化等により「構造 的賃上げ」の実現に取り組むとともに、本基本方針で示した重点分野への官民連携投資を 実行することにより、潜在成長率の引上げを図る。
2.令和6年度予算編成に向けた考え方→@ 前述の情勢認識を踏まえ、持続可能な成長の実現に向けた経済構造の強化を進め、日 本経済を本格的な経済回復、そして新たな経済成長の軌道に乗せていく。 A 令和6年度予算において、本方針、骨太方針2022及び骨太方針2021に基づき、経済・ 財政一体改革を着実に推進。B 構造的賃上げの実現、官民連携による投資の拡大、少子化対策・こども政策の抜本強 化を含めた新しい資本主義の加速や防衛力の抜本的強化を始めとした我が国を取り巻く環境変化への対応など、重要政策課題に必要な予算措置を講ずること等により、メリハリの効いた予算編成とする。 C 新たな拡充を要する政策課題を含め、PDCAやEBPMの取組を推進し、効果的・ 効率的な支出(ワイズスペンディング)を徹底。単年度主義の弊害是正に取り組み、 事業の性質に応じた基金の活用・事業効果の見える化、経済・財政一体改革における重 点課題への対応など中長期の視点に立った持続可能な経済財政運営や社会保障制度の構 築等を進める。

◆令和5年会議情報一覧
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/index.html

次回は新たに「新しい時代の働き方に関する研究会 第8回資料」からです。

第4回 こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議 [2023年06月26日(Mon)]
第4回 こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議(令和5年6月2日)
こども家庭庁庁議室 1.小倉大臣挨拶 2.こどもの自殺対策緊急強化プラン(案)について
https://www.cfa.go.jp/councils/kodomonojisatsutaisaku-kaigi/a03ae738/
◎資料 こどもの自殺対策緊急強化プラン
○こどもの自殺対策緊急強化プラン(概要)→近年、小中高生の自殺者数は増加しており、令和4年自殺者数は514人と過去最多。 関係省庁連絡会議を開催、有識者・当事者の方々からのヒアリングも踏まえ、こどもの自殺対策の強化に関する施策をとりまとめた。このとりまとめに基づき、自殺に関する情報の集約・分析、全国展開を目指した1人1台端末の活用による自殺リスクの把握や都道府県等の「若者自殺危機対応チーム」の設置の推進など、総合的な取組を進めていく。 今後、さらにそれぞれの事項についてより具体化を図った上で、こども大綱に盛り込めるよう検討を進める。↓

・こどもの自殺の要因分析
・自殺予防に資する教育や普及啓発等
・自殺リスクの早期発見
・電話・SNS等を活用した相談体制の整備
・自殺予防のための対応
・遺されたこどもへの支援
・こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携及び体制強化等

○こどもの自殺対策緊急強化プランのポイント
・リスクの早期発見→1人1台端末の活用等により自殺リスクの把握を全国の学校での実施を目指す
・的確な対応→多職種の専門家で構成される「若者の自殺危機対応チーム」全国への設置
・要因分析→自殺に関する統計及びその関連資料を 集約し、多角的な分析を行う
⇒⇒こどもが自ら命を絶つようなことのない社会の実現
○こどもの自殺対策緊急強化プラン
令和5年6月2日      こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議
1.はじめに
2.議論の経緯
3.取り組むべき施策→(1) こどもの自殺の要因分析 (2) 自殺予防に資する教育や普及啓発等 (3) 自殺リスクの早期発見 (4) 電話・SNS等を活用した相談体制の整備 (5) 自殺予防のための対応 (6) 遺されたこどもへの支援
4.こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携及び体制強化→(1) こどもの自殺対策に関する関係省庁の連携 (2) こどもの自殺対策に関する関係省庁の体制強化 
○(参考1)こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議の開催について
(令和5年4月27日 関係省庁申し合わせ)
○(参考2)こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議の開催経緯

◎参考資料1 自殺対策基本法(平成 18 年法律第 85 号)の概要
・自殺総合対策大綱(第12条)→政府は、政府が推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合的な自殺対策の大綱(自殺総合対策大綱)を定めなければならない。


◎参考資料2 新たな「自殺総合対策大綱」(令和4年 10 月 14 日閣議決定)のポイント→自殺対策基本法が成立した平成18年と、コロナ禍以前の令和元年の自殺者数を比較すると男性は38%減、女性 は35%減となっており、これまでの取組みに一定の効果があったと考えられる(平成18年:32,155人→令和元年:20,169人)。 自殺者数は依然として毎年2万人を超える水準で推移しており、男性が大きな割合を占める状況は続いている が、更にコロナ禍の影響で自殺の要因となる様々な問題が悪化したことなどにより、女性は2年連続の増加、小 中高生は過去最多の水準となっていることから、今後5年間で取り組むべき施策を新たに位置づける
1 子ども・若者の自殺対策の更なる推進・強化
2 女性に対する支援の強化→「こども家庭庁」と連携し、子ども・若者の自殺対策を推進する体制を整備。
3 地域自殺対策の取組強化
4 総合的な自殺対策の更なる推進・強化


◎参考資料3 経済財政運営と改革の基本方針 2022(抜粋)
第2章 新しい資本主義に向けた改革  2.社会課題の解決に向けた取組
(2)包摂社会の実現 (孤独・孤立対策)→若者・女性の自殺者数の増加に対するSNSを含むきめ細かい相談支援など、見直しが予定されている「自殺総 合対策大綱」に基づき、自殺総合対策を推進する
第4章 中長期の経済財政運営 5. 経済社会の活力を支える教育・研究活動の推進→ICTも効果的に活用し、不登校特例校の全都道府県等での設置や指導の充実の促進、SC・SSW159の配置の促進等を通じた重大ないじめ・自殺や不登校への対応


◎参考資料4 自殺総合対策大綱(令和 4 年 10 月 14 日閣議決定)(抜粋)
自殺総合対策大綱 〜誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して〜(抜粋) 令和4年10月14日閣議決定

第4 自殺総合対策における当面の重点施策
11.子ども・若者の自殺対策を更に推進する→(1)いじめを苦にした子どもの自殺の予防 (2)学生・生徒等への支援の充実 (3)SOSの出し方に関する教育等の推進 (4)子どもへの支援の充実 (5)若者への支援の充実 (6)若者の特性に応じた支援の充実 (7)知人等への支援 (8)子ども・若者の自殺対策を推進するための体制整備


◎参考資料5 長野県子どもの自殺危機対応チームの取組
○ハイリスクアプローチの強化 〜「子どもの自殺危機対応チーム」体制強化〜

1 子どもの自殺危機対応チーム→令和元年10月設置、地域の支援者に対して専門家による助言を目的としたチーム
2 構成
3 主な支援対象者
4 支援要請件数
【地区チーム主体体制による支援】→コアチーム:地区チームのバックアップ、事例分析等。 地区チーム:支援要請ケースへの支援。の役割。【地区チーム(県内4チーム)主体体制図】【地区チーム(4ブロック各1チーム)の体制図】参照。
【地区チーム主体体制による支援の流れ】→@〜Mまで。

次回は新たに「令和5年第8回経済財政諮問会議」からです。

令和5年度 こどもの居場所部会(第2回) [2023年06月25日(Sun)]
令和5年度 こどもの居場所部会(第2回)(5月31日)
≪議題≫(1)委員からのヒアリング
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kodomo_ibasho/iS4VEYb7/
◎資料1‐6 水野委員提出資料  地域のこどもの居場所「児童館」について
○児童健全育成推進財団概要
○児童館の概要→「目 的」「設置・運営 状況」「職 員」「理念」あり。
○児童館の特性、活動内容→(児童館ガイドライン規定)特性と活動内容あり。
○児童館の施設特性→(児童館ガイドライン規定) 子どもが、その置かれている環境や状況にかかわりなく、自由に 来館して過ごすことができる児童福祉施設。
○児童館の特徴と利用者の属性→地域の多様なニーズや特性のあるこどもの居場所(18歳未満の誰でも、乳児・使用が維持等)
○こどもの居場所として児童館が大切にする視点→こどもが選んで(好んで)行くことができること、身近な安全・安心な場。 こどもが無料で自由に利用できること、多様なこどもが利用できる、目的や理由が問われず、ただ居ることが尊重されること。こどもが地域から分離・分断されないように配慮されること。こどものための社会資源として保護者、地域、行政と連携していること。こどもの権利を尊重する信頼に足る大人(職員等)がいること。こどもに開かれた持続可能な居場所であること。


◎資料1‐7 湯浅委員提出資料  こども食堂から考える 指針の方向性
東京大学特任教授
認定NPO法人全国こども食堂支援セ ンター・むすびえ 理事長 湯浅誠

○こども食堂とは→子どもを真ん中に置いた多世代交流の地域の居場所。2022年時点で全国に7,363箇所(前年比1,349箇所増)。参加に条件がない78.4%・ 高齢者も参加62.7%。
子どもを介してみんながつな がる地域に。
○子どもの貧困対策/子育て支援/地域づくり→
○指針の方向性 その1 どこもとどこか→一人残さず居場所を!
○指針の方向性 その2 みんながまんなか→こどもの育ちを みんな(多世代)で応援⇒こどもの育ちが 地域の未来を創る。


◎資料2 今後の進め方について(修正版)
○こどもの居場所部会スケジュール案
→12月までに、こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)を年内に閣議決定(予定)

◎資料3 関係団体ヒアリングについて
○【部会内ヒアリング】 居場所づくり関係団体等へのヒアリング先→第1・2回で10団体。
○【事務局ヒアリング】 居場所づくり関係団体等へのヒアリング先→事務局でヒアリングを行い、概要を作成したものを部会で共有する予定⇒17ジャンル。
○【概要】居場所づくり関係団体等へのヒアリング共通項目→こどもの居場所づくりに関する調査研究の報告書を踏まえつつ、各ジャンルの居場所づくりにおい て、理念や大切にしている視点や、居場所づくりにおいてどんな工夫を実践しているのか? また、とりまとめ団体(中間支援)へのヒアリングを実施する場合においては、それぞれのジャンル での取り組みをどう広げ、質を保障するために、どんな取り組みをしているのかについてヒアリング する。 加えて、上記報告書で記載されている共通課題に対して、各ジャンルの居場所ではどんな対応策や工 夫が実践されているのかについてヒアリングする。
・具体的に 何を ヒアリングするか→@取り組み事業について(【課題】質の保障のための取り組み、量の拡充、多様な場の確保のための取り組み)。A報告書記載の課題に対する対応策や工夫について B居場所づくりにおけるステークホルダー(自治体や地域、学校等)との協働・連携方法について。


◎参考資料1 こどもの居場所づくりに関連する資料について
≪放課後児童クラブ、放課後子供教室、 放課後等デイサービス≫↓

○放課後児童クラブの概要→「おおむね10歳未満」から「小学校に就学している」児童(平成27年4月施行)。2023年度末までに計約30万人分(約122万人から約152万人)の受け皿整備を図る
○「新・放課後子ども総合プラン」の推進→共働き家庭等の「小1の壁」を打破するとともに、次代を担う人材を育成するため、
○(新規・拡充)放課後児童クラブ関係予算のポイント→授業の終了後等に小学 校の余裕教室、児童館等を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図るために要する運営費及び施設整備費に対する補助。 実施主体:市町村(特別区を含む) 5.令和5年度予算における運営費の主な拡充内容⇒B 放課後児童クラブ利用調整支援事業(子ども・子育て支援交付金)【新規】(待機児童が生じている又は生じる見込みのある市町村)
○コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進
・様々な地域学校協働活動
・地域住民等の参画による放課後等の学習支援・体験活動 (放課後子供教室・地域未来塾)・地域と学校の連携・協働体制構築事業 〜コミュニティ・スクールと地域学校協働活動の一体的推進〜
○放課後等デイサービス
≪児童館、児童遊園、民生・児童委員≫↓
○児童館の概要
○児童遊園について
○民生委員・児童委員、主任児童委員について

≪学習・生活支援、こども食堂等≫↓
○子どもの居場所支援整備事業・子どもの居場所支援臨時特例事業(概要)
○支援対象児童等見守り強化事業
○(拡充)こどもの生活・学習支援事業
○ひとり親家庭等の子どもの食事等支援事業
○NPO等と連携したこどもの居場所づくり支援モデル事業
○子どもの学習・生活支援事業
≪社会的養護・ケアリーバーのアフターケア≫↓
○(拡充)社会的養護自立支援事業等→里親等への委託や、児童養護施設等への入所措置を受けていた者⇒必要に応じて18歳の措置解除後(措置延長の場合は20歳)、22歳の年度末まで、引き続き児童養護施設や里親家庭等に居住して必要な支援等を受けることができる事業に要する費用を補助する。 現行、年齢要件が適用されない相談支援以外の居住費や生活費等の支援に関しても、22歳の年度末以降も支援が受けられるようにする。
○社会的養育経験者の自立支援(3.@関係)→
≪地域若者サポートステーション≫↓
○地域若者サポートステーション事業→就労に当たって困難を抱える若者等(15〜49歳の無業の方)が充実した職業生活を送り、我が国の将来を支える人材となるよう、地方公共団体と協働し、職業的自立に向けた就労支援を実施することを目的⇒8支援内容あり。


◎参考資料2 居場所づくりに関する調査研究 報告書(本文)
第 1 章 本調査研究の概要
1. 趣旨・目的
→ こども・若者が幸せな状態(Well-being)で成長していくた めには、全てのこども・若者に等しく開かれた居場所や、取り残されがちなこども・若者を包み 込む居場所など、多様な居場所のある社会を、こども・若者・子育て当事者の視点に立って 構築していくことが重要との認識の下、こども家庭庁の下で行う指針の策定に資するよう、こども・若者の居場所についての実態把握や論点整理、こども・若者の居場所づくりの理念・ 視点のとりまとめを行うことを目的。
第 5 章 考察(居場所の現状と課題、及び提言)
1. 背景
→子育て(こども・若者が育つ)環境の変化や、少子高齢化の進展、課題の複雑化・複合化、 価値観の多様化など社会の変化を踏まえた居場所づくりの必要性が高まっている。
3. こども・若者の「居場所づくり」における理念→「こども・若者の視点、子育て当事者の視点に立つ」「全てのこども・若者の健やかな成長、Well-being の向上に資する」「誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援」
6. 居場所に共通する課題と対応策の方向性
1) 課題→ 居場所の安心・安全の確保。こども・若者の声を聴き、こども・若者の視点に立った居場所づくり。多様な居場所を増やすこと。居場所とこども・若者をつなぐこと。居場所を継続すること。
2) 対応策の方向性→こども・若者の声を聴き、こども・若者の視点に立った居場所づくり。
居場所における支援の質の向上と環境整備。地域の居場所をコーディネートする人材確保、育成への支援。居場所づくりに取り組む団体等を支援する「中間支援団体」への支援。官民の役割分担(共助・公助の組み合わせ)。
7. おわりに
・本報告書は、現在各地域で取り組まれている多種多様な居場所づくりに関する内容につい てとりまとめたもの。
今回のとりまとめにおいて最も大切にしたことは、こども・若者の声を聴き、こども・若者の視 点に立つことである。今後、居場所の環境整備を進めるにあたり、こども・若者の声を聴き、 その声を居場所づくりに反映し、こども・若者とともに居場所をつくっていく姿勢が重要となる。
・地域のつながりの希薄化や子育て環境の変化等への対応として、全てのこどもが普遍的に アクセスできる、より多くの居場所が求められる。潜在的なニーズを含め、様々な特性やニーズを持つこども・若者が、身近な地域において 各々のニーズに応じた居場所を持つことができるよう、多様なこども・若者の声を受け止め、 居場所づくりに反映していくことが今後求められる。
・なお、本報告書でまとめた理念や視点は考察対象外の居場所にも共通するものがあり、こども・若者の居場所づくりにおいて、広く活かすことができると考える。引き続きこども・若者の声を聴き、本報告書における視点や課題等を踏まえ、新たに策定さ れる「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」に活かし、全てのこども・若者が、安心して 安全に過ごせる多くの居場所を持つことができる環境の整備を進めることを期待する。


◎参考資料3 放課後児童対策に関する専門委員会 とりまとめ(本文)
はじめに
→本専門委員会は、平成 29〜30 年にこどもの放課後生活の重要性や放課後児童対 策の方向性、特に放課後児童クラブの今後のあり方について議論し、平成 30 年7 月 27 日に「総合的な放課後児童対策に向けて」と題する中間とりまとめ1を公表⇒(放課後生活における目指すべき姿)@児童の権利に関する条約と改正児童福祉法の理念を踏まえたこどもの主体性 を尊重した育成Aこどもの「生きる力」の育成B地域共生社会を創出することのできるこどもの育成。
その後、平成 30 年9月 14 日付けで、「新・放課後子ども総合プラン」(文部科学 省生涯学習政策局長・初等中等教育局長・大臣官房文教施設企画部長、厚生労働省 子ども家庭局長通知。以下「新プラン」という。)が策定され、現在、これに基づ いた放課後児童対策が進められている⇒@放課後児童クラブの待機児童解消を目指した受け皿の整備(量の拡充)A放課後児童クラブと放課後子供教室を一体的に又は連携して実施し、一体型 を推進 B両事業の実施にあたっては、学校施設を徹底的に活用 C放課後児童クラブの役割の徹底。
T.放課後児童クラブの課題と施策の方向性について
1.放課後児童クラブの待機児童対策について
 2.放課後児童クラブと放課後子供教室の一体型の推進について
3.障害のあるこどものインクルージョンの推進について
4.その他の課題
U.児童館について −児童館のあり方に関する検討ワーキンググループとりまとめ−
1.検討の背景   2.児童館の現状と課題 
3.今後の児童館のあり方→(1)こどもの居場所としての児童館機能・役割の強化 (2)
ソーシャルワークを含めた福祉的課題への対応強化 (3)大型児童館を中心とした、地域における児童館全体の機能強化 
4.今後に向けて
おわりに↓
・本専門委員会は全 15 回に亘り、我が国の放課後のこどもたちの育つ場について 議論してきた。この間に、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、こども たちの育成環境には大きな影響があったことは間違いない。保護者の働く環境に も変化が見られ、放課後児童クラブの整備や利用に少なからず影響
があった。 また、こども家庭庁設置が決まり、新・放課後子ども総合プランの最終年度を 迎える中、専門委員会を再開できたことは意義深い。 児童館についてもワーキンググループを設け、議論を行うことができた。課題 を整理し、今後のあり方を検討する過程において、既存施設を有益な資源と捉え、 多様な提案を行うことができた。引き続き、児童厚生施設の法的位置づけや、地 域における児童館の活動領域等を含めた総合的な議論が展開されることを期待する。
・本専門委員会→「こどもの権利」を基盤とした議論が行われた。こどもの権利保障の観点から、すべての関係者によって課題を解決していくという基本姿勢が求められる。「こども基本法」の理念を反映する制度等の改正の必要性についても検討が期待される。
・放課後児童施策を担う人材の確保や養成、資質の向上、労働条件、職名、専門 性等について、多くの課題が指摘された。特に、こどもや子育て家庭の抱える課 題が深刻化・多様化しているなかで、こども家庭福祉専門職等の検討状況に合わ せた整理が期待される。
・今後設置されるこども家庭庁において、放課後児童クラブや児童館は「こども の居場所づくり」の範疇で推進されると示されている。多くのこどもたちに関係 している放課後のあり方については、継続した議論が展開されることが望まれる。 その際、こどもを中心にしつつ、施設・事業・分野等の垣根を越えて、こどもの 放課後のあり方を検討する場を設けることを期待する。 特に、こどもの居場所として共通するところを大事にしつつ、放課後児童クラ ブや児童館がもつ固有の機能である「遊び及び生活の場における育成支援機能」 を踏まえた議論が必要である。また、今後政府で検討される「こどもの居場所づ くり指針(仮称)」と放課後児童クラブ運営指針、児童館ガイドラインとの整合を 検討する場面も必要と考えられる。
・また、こどもが放課後を過ごす場は多様。社会教育施設等を含むこども が利用する施設相互の連携や協働のあり方についての検討が望まれる。特に、こどもの放課後に必要不可欠な「遊び」や「学び」はもとより、これらを支える「生活」について、時代の変化に応じた更なる検討が期待される。合わせて、ハード(施 設・設備等)、ソフト(支援の質等)両面から、こどもの立場に立った視点で検討 と改善が進むことを願う。 なお、議論においては、繰り返し「こどもが主体であること」や「こども参加」 に関する指摘があった。今後、地域のこどもに関わる施設等に参考となるような 「こども参加」の好事例集の横展開等の推進策が期待される。こども政策が目指 す「こどもまんなか社会」が放課後児童施策からも実現されるよう注視していき たい。そのためにも、こども家庭庁が、関係省庁と連携し、その司令塔機能を発揮し ながら総合的な放課後児童施策を進めるための役割を発揮することを期待する。
≪【関連資料】≫↓
○「放課後児童対策に関する専門委員会」委員名簿(令和4年度)
○「放課後児童対策に関する専門委員会」開催経過(令和4年度)
○「児童館のあり方に関するワーキンググループ」委員名簿
○「児童館のあり方検討ワーキンググループ」開催経過
○【参考資料】専門委員会中間とりまとめ(概要版)


◎参考資料4 遊びのプログラム等に関する専門委員会の終了に当たって(本文)
社会保障審議会児童部会遊びのプログラム等に関する専門委員会
委員長 大竹 智 他委員一同

・令和 5 年 4 月 1 日に「こども家庭庁」が設置されることとなった。こども家庭 庁では、こども政策に関する審議会として、「こども家庭審議会」が置かれること から、遊びのプログラム等に関する専門委員会は、今年度をもって議論を終了する旨報告を受けたところ。 本委員会の終了に当たって、これまでの議論の経過等を概観し、今後設置される予定の「こども家庭審議会」に議論を橋渡しするべく、纏めておきたい。
・本委員会
→昭和 60 年に国が設置した国立総合児童センター「こどもの城」 が、平成 27 年3月末に閉館したことに伴い、約 30 年にわたり蓄積された 500 を 超える先駆的な遊びのプログラムや、「こどもの城」が果たしてきた機能及び役割 について検討を続けることを目的に、平成 27 年5月、社会保障審議会児童部会の 下に本委員会が設置された。 以来、7 年にわたり、 @ こどもの城が開発した遊びのプログラム等の分析、評価について A 新たなプログラムの開発について B 今後の地域の児童館等のあり方について などの検討を重ねてきた。 検討の成果として、モデル事業等を通じた取組や議論を踏まえ、児童館におけ る遊びのプログラムを普及するための考え方や方向性を示すことができた。また、 児童館ガイドラインの見直しについて検討し改正案を示すことができた。これによ り、平成 30 年に児童館ガイドラインが改正され、全国の児童館や自治体で活用さ れている。
・近年では、新型コロナウイルス感染症の影響により、こどもたちの遊びが制限 された際に、感染拡大防止に配慮した遊びのプログラム等の事例・調査データや、 児童館における福祉課題を抱える子育て家庭への支援に関する調査研究等、こど も・子育て家庭を取り巻く状況に合わせた議論を行ってきた。 こどもの遊び→児童館ガイドラインにおいて「遊びは、生活の中の 大きな部分を占め、遊び自体の中に子どもの発達を増進する重要な要素がふくまれ ている」とされている。さらに、児童の権利に関する条約の精神にのっとると、児 童館をはじめとするこどもの居場所において、さまざまな遊びや文化的・社会的な 体験活動は、こどもの心身の健康増進等、健全育成上、非常に有用であり、不可欠と言える。本委員会設置の経緯からも、遊びのプログラムに関する継続した検討が 求められる。
・また、本委員会では、こどもの意見の尊重や最善の利益の優先などの重要性に ついて改めて確認し、児童館においてこどもが主体的に活動できるような取り組み についての議論もあった。こどもの主体的な活動について、事例収集等を行ってき たところだが、更なるプログラム開発や普及啓発が求められている。特に、児童館 は地域に密着した施設であることから、地域社会と交流・連携し、社会資源を活用 した遊びや体験活動の機会等を増やすことも重要であると考える。 以上のことから、政府→こども家庭庁設置後も本委員会での議論を 踏まえ、引き続きこどもの視点に立った、遊びの重要性と、遊びのプログラム等に 関する議論を行い、こどもの健全育成施策を進めていくことを期待する

次回は新たに「第4回 こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」からです。

令和5年度 こどもの居場所部会(第2回) [2023年06月24日(Sat)]
令和5年度 こどもの居場所部会(第2回)(5月31日)
≪議題≫(1)委員からのヒアリング
https://www.cfa.go.jp/councils/shingikai/kodomo_ibasho/iS4VEYb7/
◎資料1‐1 今村委員提出資料
○オンラインを活用した居場所づくりの 取り組みについて→認定NPO法人カタリバは、 日本のすべての10代が、 生まれ育った環境に関係なく 未来を拓けるよう、 安心できる居場所や食事、 多様な学びの機会を届けている 2001年創設の教育NPOです。

○オンラインの居場所づくりとは?
○全国から様々な困難を抱えた子どもが居場所につながる→2023/4月末利用者数457名。
○オンラインだから居場所につながれる子どもがいる
○オンライン居場所をきっかけに地域へつながる
○自治体と協働でオンラインの居場所づくりを目指す→全国16自治体との連携

◎資料1‐2 宇地原委員提出資料  認定NPO法人Learning for All
1.Learning for All 䛾運営する居場所   
・関東4エリア、関西1エリアで合計7箇所䛾居場所を運営

・出会ってきた子ども達→その中に大変な環境の中で、自分だけでは対処しきれない難しさを背負っている子どももおり、 加えて援助希求が難しい状況に置かれていることも多く見られ、そうした子ども達に寄り添いながら、子ども自身の意志を尊重した関わりを続けてきた。
・3つの特徴→「安心安全な 居場所づくり」「子どものSOSを見逃さない 仕組み」「他機関連携と アウトリーチ」
2.居場所づくりを通じて見える課題
・居場所づくりを進めていく中で、ニーズがあるにも関わらず、支援に繋がっていない子どもが多くい ることが分かった。⇒@出会う→A繋がる→B支える
3.今後に向けた提案
・出会う→学校・SSW・行政・民生児童委員などの地域で子どもに関わる大人が相互に連携、リファーをすることでニーズを抱える子どもと繋がる。行政が保有するデータベースを活用したアウトリーチを推進する a. ex.)「参考資料@LFAで取り組むアウトリーチ」
・繋がる→学習・生活支援事業、児童育成支援拠点事業等を活用した、地域の中で困難な子ども を支える居場所の拡充を進める。安心して子どもを繋げられるよう、居場所づくりの担い手に求められるスキル・ノウハウの提供を行う。
・支える→要対協䛾運営を担う自治体䛾児童福祉担当部局(設置が努力義務となる子ども家庭セ ンター等)の人員強化。ex.)要対協運営に専従できる職員配置、スーパーバイザーの配置。 行政・民間がそれぞれ持つ情報や専門性をかけ合わせた支援を行うため、児童福祉担当部局と民間支援機関との協働。 ex.)自治体と䛾官民合同研修䛾実施、ケース検討会䛾実施
≪参考資料≫
・参考資料@)LFAで取り組むアウトリーチ→@ 地域ネットワーク活用によるアウトリーチ。A 行政との協定事業 によるアウトリーチ
・参考資料A)団体概要→団体名・実績・代表者名あり。

◎資料1‐3 菊池委員提出資料   一般社団法人Masterpieceについて
○社会的養護等を巣立った若者たち (虐待などで親を頼りづらい若者たち) に必要な活動をする ことを目的とします。 活動2015年〜 法人2017年11月〜

◆自己紹介(経験)
◆Masterpieceについて
→◆シェアハウス、◆シェルター( 八王子・市川) ◆セカンドハーベスト ジャパン ◆フードバンクちば ◆アーバンファーマーズ クラブ◆NPO法人 プラネットカナール
○居場所について
・ユースサロン→月に1〜2回開催(自分のことを 安心して話せる場)⇒年末年始は実家感覚で(年末年始ユースサロン 2泊3日オープン)
・拠点、利用人数
・利用対象者について
・大切にしたい視点
・自治体などとの連携について
・住まい→【メリット】⇒やむを得ずホームレスや夜職になることを防げる。 ※ 仕事をするにも住居が安定しなければ探しにくい ※ 所持金なしからの入居も可能。住居を失うという危機的状況にある人が多いため、 精神的に疲弊しきっているところをサポートできる。 コミュニティができる。 【課題】→共同生活ならではの課題(音が気になる、掃除など)。 相性が合わない場合。 家賃滞納リスク(団体がリスクを負う)。
・サード プレイス 【メリット】→出会いの場・ピアサポートの場となる(同じ経験をもつ者同士で支え合える)。自分の生い立ちを安心して話せる。 問題が大きくなる前に芽を摘むことができる。  【課題】→年齢をどうするか (若者の定義は?)。 人間関係のもつれ (誰かとぶつかると来にくくなってしまう)。 「自由な場」にしたいが、一定のルールが必要。 「誰でもウェルカム」はもちろん良いが、 年齢差や話題の違いも出てくる(色んな話題などの企画ができたら良いがまだできる人員体制がない)。 交通費の課題(あるのはもちろん良いが、どこまでかの区切り方が難しい)。
【ルール】→みんなが心地よい場所にするために⇒1.他の人の悪口には気を付けよう(知っている人の悪口は聞きたくない人もいるかもしれないね!) 2.ケンカしたら、謝ろう・ゆるそう(時にはぶつかったり嫌なこともあったりするかもしれない。人間だもの)。 3.ここで話された話は、外では話さないようにしよう(自分のことを誰かに勝手に話されたら不安だね…!) 4.SNSに誰かの写真をアップする時は本人に確認しよう>
→ → 「禁止」というより「推奨」
○こども家庭庁や自治体に期待する事→@ 資金補助(寄付などでしか運営することができないため、利用しやすい助成金が増えると良い。人件費等)。 A 精神的サポート強化(精神科を利用したり、カウンセリングを受けれる環境も必要)。 B 住居支援の強化(住居支援をやりたい人のための研修・コンサルの機会の提供)。
○こども家庭庁や自治体に期待する事→ C 自治体間をまたぐサポートを⇒「〇区にお住いの方のみ」という立付だと利用しにくい。 どこの場所に行きたいかその人が自身が決めれる権利を保障。 D ユースセンターが増えてほしい⇒公設民営型のユースセンターが増えてほしい 大きな駅がある場所など。無料で利用可能。 パブリックスペース、体育館、ダンス楽器スタジオ等 例)世田谷区、文京区、杉並区などのユースセンター>

○カナダ トロント視察(2019年)
・コミュニティハブという概念(地域に根差した支援拠点、地区の誰もがアクセスできるように)
・インタージェネレーション(公設民営型ですべての世代へというあり方)
・学校の在り方が多様 (コミュニティハブの中に学校が含まれている)
・自己決定とレジリエンス (自分は自分の人生のエキスパート)>


◎資料1‐4 関戸委員提出資料   プレパーク(冒険遊び場)について
○冒険遊び場
→1943年にデンマークで生まれた。大人が用意した遊びのプログラムや既成の遊具ではなく、子ども自身の「やってみたい!」 気持ちを大切に、子どもの手でつくりかえること ができる遊び場。日本では1970年代に始まり全国で450団体以上に広がっている。 ※冒険遊び場/プレイパーク/プレーパークなど地域によってまちまち。
○冒険遊び場の定義→すべての子どもが自由に遊ぶことを保障する場所、子どもは遊ぶことで自ら育つという認識のもと、子どもと地域と共につくり続けていく、屋外の遊び場。   
2021年3月  特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会
・すべての子どもが自由に遊ぶことを保障する →遊びに来ても良い子どもを選びません。 誰でも、無料で、申し込みせずに遊べます。
・子どもは遊ぶことで自ら育つ →子どもは遊ぶことで「自分」をかたちづくり、 人生を手づくりできるようになります。
・子どもと地域と共に作り続けていく →常につくりかえることができ、 開かれた参加型の遊び場づくりをしています。
・屋外の遊び場 →自然素材は子どもがカタチをかえやすい物が多く、 屋外環境は子どもへの刺激が常にあります。
○団体所在地の分布→関東地区で半数を占めている。
・実施箇所数、開催頻度あり。()
○冒険遊び場の位置づけ→法的根拠がなく独自の展開方法であるため、予算の支出根拠の種類が自治体 によって様々。2020年:458団体。


◎資料1‐5 成田委員提出資料  診療を通じて「居場所」について感じること
国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 診療部 成田 秀幸(児童精神科医)
○私が子どもと関わっている臨床現場
→医師になり23年目の児童精神科医。⇒診療所や病院の外来診療により10分程度の診察、支援会議(診療外)。少年院や児童自立支援施設の嘱託をにより医30〜60分程度の面接、カンファレンス。
○〜発達障害関連〜 認知度、専門家数、評価・支援ツールの‟量“は増えた→ 「発達障害」について‟知っている“人は増えており、幼稚園・保育園、 学校、企業でも話題にされることは増えた。 法律の整備も進んでいる。 早期発見・早期療育、特別支援教育、就労支援等の重要性が示され 相談・療育・支援の場、機会も増え、専門家も増えている。 国際的にも認められている診断・評価ツール、エビデンスのある療育技法・ 支援プログラム等の日本への導入が進み、用いられることも増えた。
○〜一般社団法人 チャレンジドLIFE〜 『社会における発達障がいへの認知や理解に関する全国調査』https://www.challenged-life.com/2021/03/01/coming-soon/
・【図1】発達障がい当事者との関係 【図2】発達障がいへの認知・理解について
⇒発達障がいによる困りごとの中には、当事者特有のものではなく、多くの人が感じている困りごとと一致しているものがある→今回の調査結果より、発達障がいへの理解が広がり、困りごとに対する適切な環境や対処がとられることで、当事者だけでなく多くの人にとっても過ごしやすい社会に繋がるのではないか、ということが見えてきた。
○「安心」「自信」「豊かさ」「希望」・・・は増えたか?→「見える化」が進んだ。
○少年院の子どもたちから教わったこと→虐待、いじめ、暴力や性的被害などの壮絶なトラウマ、小児期逆境体験(ACE)を抱えながらケアを受けられていない『被害 者』としての側面。 発達障害特性に気づかれず、適切な支援を受けられず、誤解され、ダメ出しをされ、積み重ねてきた失敗や挫折の体験。 一般的な社会の枠組み(家庭、学校、福祉的な相談機関等)で居所がなくなるなか、反社会的な枠組みが「守ってくれた」 「必要とされた」「支えてくれた」という実感を持っている事実。 「主訴」「犯罪行為」が、これらの背景や文脈からある意味必然的に生じたものだと思い知らされる。
○社会的養護ケースを通じて考えさせられること→「居場所」はあるのだろうか? 「居場所」は安定的に保障さ れるのだろうか?
○〜スペシャルニーズを持つ子どもたちの居場所について〜 私が感じている課題と、影響している要因→「スティグマ」から課題が生ずる。【課題】→物理的に居場所に所属していても心理的には孤立しているのにそのことに 気づかれないまま経過してしまう場合がある。居場所につながり定着するためのカギになる、人とのつながりの形成・ 維持に困難さがある(発達障害の特性、トラウマの影響など)が、それに よる障壁が解消されなかったり誤解されたりして、物理的にも心理的にも 孤立してしまう。
○多様性の尊重を阻む『スティグマ』→他者や社会集団によって個人に押し付けられた ネガティブなイメージや決めつけ(偏見、差別)。「社会構造レベルのスティグマ」参照。

・知らないこと、わからないことに直 面するときに生じる“不安”や、偏った報道等を通じてもったネガティブ な印象から、関わらないようにした り、遠ざけようとしたりする
・「もっと大変な子がいますよ」「〜ちゃんは全然大丈夫″ですよ」 など安心させようとしてかける言葉 ⇒「障害」という言葉の響きに知ら ず知らずのうちに紐づけされて いるネガティブなイメージに影響 されている

○診断や支援の中にも潜む『スティグマ』→ラベリングをしパターナリズムへ。(発達障害ならば手帳必要など)
○私が感じている課題と、影響している要因→課題としては「スティグマ」「居場所の隙間」「 居場所を支える人たち の不安、孤立、疲弊」の要因。
○〜課題の解消のために大切だと考えていること〜 居場所自体も‟育まれる“ように・・・
・安全で信頼できる安らぎの場、子ども自身が「つながり」を実感できる 『場』、主体的に選択し参加するプロセスが保障された場が“心理的な 居場所”となる。
・『人との関係性全てが「居場所」になりえる』
・ 誰もが「居場所」を担っている そのことを認識し大切にし続けられる 仕組みが大切→啓蒙・教育(障害、トラウマ、『居場所』について) と支援者支援(正当な評価、エンパワメントとサポート必要。

次回も続き「資料1‐6 水野委員提出資料」からです。

2023年度第1回雇用政策研究会資料 [2023年06月23日(Fri)]
2023年度第1回雇用政策研究会資料(令和5年6月1日)
≪議題≫ (1)我が国の経済・雇用情勢と課題(論点提示) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00046.html
◎資料5 足下の雇用・失業情勢や働き方等の変化について
≪足下の雇用情勢と労働力人口等の推移≫
○日本の人口の推移
→2070年総人口が9,000万人を割込み、高齢化率39%の水準の推計。
○労働力人口の推移と人手不足の動向→2020年以降は増加傾向に鈍化。人手不足の状況は、コロナ禍で一時的に過剰方向となったが、その後は人手不足感の高まりがみられる。
○現在の雇用情勢について→緩やかに持ち 直している。
○有効求人数や有効求職者数の動向について→2023年4月の有効求職者数(季調値)は、前月比0.7%減少と4か月ぶりの減少となった。
○新規求人数や新規求職者数の動向について→2023年4月の新規求職者数(季調値)は、前月比で4.6%増加となり、2か月ぶりの増加。
○正規雇用と非正規雇用労働者の推移→役員を除く雇用者に占める非正規雇用労働者の割合は36.9% 。前年に比べ0.2ポイントの上昇。
○雇用形態別・性別でみた雇用者数の動向→女性は正規・非正規とも減少。
○名目GDP・就業者数に占める産業別構成比の推移→「製造業」⇒名目GDP・就業者数の構成比の低下がみられる、「保健衛生・社会事業」⇒名目GDP・就業者数の構成比の上昇。
○産業別の就業者数と労働生産性→必ずしも労働生産性が上昇している産業で、就業者数 の増加がみられるわけではない。

≪労働市場の機能強化≫
○転職者数・入職率・離職率の推移
→2020年以降では労働移動の鈍化がみられる。
○転職等希望者の動向→転職希望者比率は上昇する一方、転職者比率は横ばいで推移しており、転職の希 望と実現の間にギャップがあることが考えられる。
○転職に伴う賃金変動状況の推移→「減少」「変わらない」の割合が約6割を占めている。
○転職前後の所得の変化の国際比較→他国と比べて転職に伴い所得増加する方の割合低い。
○転職に関して転職者が行政に要望する事項→「より多くの求人情報の提供」「企業年 金・退職金が不利にならないような制度の改善」が約3割と多いほか、「職業紹介サービスの充実」「金銭面での職業能力開発・自己啓発の支援」を挙げる者の割合も比較的高い。
○雇用失業率と欠員率の動向について(UV分析)→社会経済活動の回復に伴い、失業率は低下しているものの、リーマンショックからの景気回復時と同様に、UV曲線の上方への シフトがみられ、求人と求職のミスマッチが懸念される。
○企業の人材投資の国際比較→、2010-2014年に対GDP比で0.1%にとどまり、米国 (2.08%)やフランス(1.78%)など先進国に比べて低い水準にあり、かつ近年更に低下傾向にある。

≪多様な働き方≫
○就業価値観の変化
→過去20年の就業価値観の変化をみると、「会社や仕事より、自分や家庭のことを優先したい」と考える方の割合が上昇。
○女性を取り巻く雇用環境→過去20年の就業価値観の変化をみると、「会社や仕事より、自分や家庭のことを優先したい」と考える方の割合が上昇。
○男女の育児休業の取得期間・取得率の状況→女性は8割台で推移、男性は低水準ではあるものの上昇傾向にある (令和3年度:13.97%)。
○テレワーク導入状況→令和2年は、「テレワークを導入している」「導入していないが、今後導入予定がある」の割合が前年から大幅に上昇、令和3年もその割合が維持。令和3年8月末時点、産業別⇒「情報通信業」などでテレワークを導入している企業の割合が高く、企業規模別⇒企業規模が大きいほど導入している割合が高くなっている。
○副業・兼業の実施状況の推移(性別・雇用形態別)→2021年は男女ともに、正規の職員・従業員で10%程度、非正規の職員・従業員で15%程度が副業を行っ ている。 一方、副業実施意向の割合をみると、2021年は男女ともに、正規の職員・従業員で35%程度、非正規の職員・従業員で30%程度が 副業を実施したいと回答しており、実施割合との間にギャップがみられ、特に正規の職員・従業員でギャップが大きい。
○従業員のエンゲージメントの国際比較→世界全体でみて低い水準

≪賃金≫
○実質賃金の国際比較
→過去30年間、他国と比べて伸びがほとんどみられない。
○雇用形態別時間当たり名目賃金(所定内給与額)の推移→一般労働者賃金は横ばいで推移、パートタイム労働者の賃金は緩やかに上昇、それに伴い、一般・パート賃金差は縮小。
○賃金カーブのフラット化→同一企業の継続勤務者の賃金プロファイルをみると、近年にかけて、フラット化しており、継続勤務の賃金面でのインセン ティブが弱まりつつある。

≪施策集≫
○「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ

・これからを見据えた雇用政策→(目的)「賃金上昇」とそれを支える「多様な働き方」の実現。(手段)賃上げ、人材育成・活性化、賃金上昇を伴う労働移動支援、 雇用セーフティネットの再整備の一体的な取組 ⇒ 個人の多様な選択を支える「しなやかな労働市場」の実現、 人材の活性化と生産性の向上を通じた賃金上昇のサイクルが重要。
○「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ→「あらゆる層の賃上げ」を推進⇒@労働者の賃上げを支援 A個人の主体的なキャリア形成を促進 B安心して挑戦できる労働市場を創造する C多様な働き方の選択を力強く支える ↓↓
○「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ↓
1.労働者の賃上げ支援→最低賃金の引上げと履行確保など7点あり。
2.人材の育成・活性化→(1)個人の主体的なキャリア形成の促進(4点あり)、(2)新たな経験を通じた人材の育成・活性化(6点)、(3)ステップアップを通じた人材活用(3点)。
3.賃金上昇を伴う労働移動の円滑化→(1)労働市場の強化・見える化(6点)、(2) 賃金上昇を伴う労働移動の支援(5点)、(3) 継続的なキャリアサポート・就職支援(5点)。
4.多様な選択を支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備→(1) 次なる雇用情勢の悪化に備えた雇用保険財政の早期再建 (2) フリーランスが安心して働くことができる環境整備(2点) (3) 働き方・休み方の多様化、複線的なキャリア選択への対応
・上記をさらに細かに予算をつけて実施
1.労働者の賃上げ支援 令和5年度予算107億円 (令和4年度第二次補正予算128億円)
2.人材の育成・活性化 令和5年度予算1,138億円 (令和4年度第二次補正予算21億円)
3.賃金上昇を伴う労働移動の円滑化 令和5年度予算747億円
4.多様な選択を支える環境整備・雇用セーフティネットの再整備↓
令和5年度予算82百万円 (令和4年度第二次補正予算7,276億円)

○キャリアアップ助成金による非正規雇用労働者の処遇改善を行う 企業への支援(賃金規定等改定コース)→令和5年度予算 19億円(11億円)
1 事業の目的
→有期雇用労働者等の基本給を定める賃金規定等を3%以上増額改定、その規定を適用した事業主に対して助成
2 事業の概要・スキーム・実施主体等→「助成金の金額(1人当たり)」「助成金の受給条件」「助成例」あり。

○(拡充)同一労働同一賃金の徹底→構造的な賃上げを目指すための取組の一 つとして、新たに労働基準監督署と連携し、同一労働同一賃金の遵守を徹底すること。労働基準監督署からの情報をもとに行う事業所への報告徴収や支援を強化し、事業主に対する助言・指導等を通じた均等・均 衡確保を強力に推進するため都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に配置している雇用均等指導員を増員。
○人材開発支援助成金→事業主が行う人材育成については、雇用情勢・訓練ニーズに合わせた支援を効果的に行う必要。このため、民間ニーズを踏まえつつ、職業訓練を実施する事業主等に対して訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する等により、 企業内における人材育成を効果的かつ柔軟に支援するとともに、雇用する労働者の職業能力の向上や企業の労働生産性の向上に資する。
○(拡充)経済社会の変化に対応した労働者個々人の学び・学び直しの支援 (内線5762) (教育訓練給付の拡充)
○(拡充) 経済社会の変化に対応した労働者個々人の学び・学び直しの支援 (教育訓練給付の拡充)


○(新規) 産業雇用安定助成金(スキルアップ支援コース)→在籍型出向は、自社にはない実践の場における経験から新たなスキルを習得することが期待できるため、労働者のスキルアップを在籍 型出向により行う場合に、労働者を送り出す事業主に対して助成することにより在籍型出向を推進し、企業活動を促進するものであり、 雇用機会の増大等雇用の安定を図ることを目的。⇒概要・スキーム参照。
○(新規)産業雇用安定助成金(事業再構築支援コース)→新型コロナウイルス感染症の影響等により事業活動の一時的な縮小を余儀なくされた事業主が行う、ウィズコロナ・ポストコロナの時代 の経済社会の変化に対応するための新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編等の事業再構築を人材の育成・確保の面から効果的 に促すため、当該事業主に雇用される労働者の雇用の安定の確保と当該事業再構築に必要な新たな人材(コア人材)の円滑な受け入れ(労 働移動)を支援する。
○(新規) 副業・兼業に関する情報提供モデル事業→(公財)産業雇用安定センターにおいて、副業・兼業を希望する中高年齢者のキャリア等の情報及びその能力の活 用を希望する企業の情報を蓄積し、当該中高年齢者に対して企業情報を提供することにより、副業・兼業への取組の 拡大を図る。⇒(45歳以上)事業の概要・スキーム参照。
○キャリアアップ助成金→有期雇用労働者、短時間労働者、派遣労働者(以下「有期雇用労働者等」)といったいわゆる非正規雇用労働者の企業内のキャリアアップを促進するため、 正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対して包括的に助成⇒「コース名/コース内容」「支給額(1人当たり)」「加算措置/加算額(1人当たり)」の表あり。
○(拡充)職業情報提供サイト(日本版O-NET)の運用等
○(新規) 労働市場の基盤整備に関する研究調査
→労働市場の需給調整機能の強化を図るため、健全な労働移動を支える労働市場の基盤整備(労働市場の見える化)が必要のため、民間のシンクタンクへの委託により労働市場の基盤整備に関する調査研究の実施分析を行い、 外部労働市場における労働移動の円滑化を図る。
○(新規) 働く人のワークエンゲージメントの向上に向けた支援→※働き手にとって、組織目標の達成と自らの成長の方向が一致し、仕事へのやりがい・働きがいを感じる中で、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を示す概念。⇒労働市場において、働く人の ワークエンゲージメント向上に 取り組む企業に人材が集まる流 れを作り働く方々の働きやすさや働きがいの向上をより広く推進。
○職場情報の開示に関するガイドライン(仮称)の策定→労働者がより適切に職業選択を行うため、企業にとって円滑な人材確保を図るため、企業や労働市場の情報開 示を進め、労働市場におけるマッチング機能の向上を図るため、マッチング機能の向上に資する開示事項の検討を行い、ガイドラインとして整理・公表し、その周知・普及 を通じ、効果的な情報開示を促進していく。
○(拡充) 女性の活躍推進及び両立支援に関する総合的情報提供事業→【女性の活躍推進企業データベース・イメージ】 URL右向き三角1右向き三角1https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/
○労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)→令和3年度事業実績(支給対象者数):3,048人
○中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)→中高年齢者等の多様な就労機会の確保や賃金上昇による分配強化を図るため、中途採用の拡 大と賃金上昇等を行う事業主に対して助成し、転職・再就職者の採用機会の拡大を図る。⇒中途採用の拡大 参照。
○(拡充)特定求職者雇用開発助成金(成長分野等人材確保・育成コース) →高年齢者や障害者、就職氷河期世代などの就職が特に困難な者の雇用機会の増大を図るため、これらの者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者として雇い入れる事業主に対して助成する制度。 就職困難者⇒デジタル等の成長分野への労働移動支援を行うほか、賃上げを伴う労働移動等の実現のため、一定の技能を必要とする未経験分野への労働移動を希望する者を雇い入れる事業主に高額助成を行う。 事業の概要・スキーム参照。
○産業雇用安定センターによる出向・移籍のあっせん→産業雇用安定センターは、13の産業団体(※)の拠出により設立された公益財団法人。労働力の産業間、企業間移動の円滑化に寄与するため、出向・移籍による失業なき労働移動に関する情報提供・相談等を実施(令和2年度から在籍型出向制度を活用した出向支援プログラムを実施している)。 令和3年度の実績:送り出し件数14,720件に対して、出向・移籍の成立件数11,576件、成立率78.6% ※ (社)日本造船工業会、(社)日本鉄鋼連盟、電気事業連合会、全国銀行協会、(社)日本自動車工業会、(社)日本電機工業会、 (社)セメント協会 日本化学繊維協会、日本製紙連合会、日本石炭協会、日本紡績協会、(社)日本民営鉄道協会、(社)日本船主協会。
○(拡充) 公的職業訓練のデジタル分野の重点化によるデジタル 推進人材の育成→「デジタル田園都市国家構想基本方針」(令和4年6月閣議決定)⇒@デジタル分野の資格取得を目指す訓 練コースの委託費等の上乗せ、➁企業実習を組み込んだデジタル分野の訓練コースの委託費等の上乗せを行うほか、Bオンライン訓練にお いてパソコン等の貸与に要した経費を委託費等の対象とすることにより、デジタル推進人材の育成を行う。また、これらのデジタル分野の 訓練コースを受講する方に対し、引き続き、生活支援の給付金(職業訓練受講給付金)の支給を通じて早期の再就職等を支援する。 さらに、全国87箇所の生産性向上人材育成支援センター(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)において、在職者に対する ➃DXに対応した生産性向上支援訓練機会を提供し、中小企業等のDX人材育成を推進する。事業の概要参照。
○非正規雇用労働者等に対する就職支援プログラムによる 早期再就職の支援→早期再就職の緊要度が高い雇用保険受給者等に対し、就職支援ナビゲーターを配置し、担当者制による求職者の 個々の状況に応じた体系的かつ計画的な一貫した就職支援を実施。 ○ 新型コロナウイルス感染症による影響に伴う事業活動の縮小等により、雇止め等による非正規雇用労働者等の増加 が懸念されており、こうした非正規雇用労働者等の方々に対する早期再就職を支援するため、担当者制による求職者 の個々の状況に応じた就職支援を図る。
 来所困難な求職者へのオンラインによる支援を全国のハローワーク及びマザーズハローワークで実施
○(拡充) ハローワークにおける人材不足分野(特に、医療、介護をはじめとする福祉分野等) に係る就職支援の強化→「人材確保対策コーナー」における就職支援の拡充 参照。
○一体的実施事業について→国と地方の連携協力の下、それ ぞれの役割を果たし、一体的に雇用 対策に取り組むことで地域の課題に 対応し、利用者ニーズにきめ細かく 対応することを目的。⇒地方公共団体の主導でハローワークと一体となったさまざまな取組が可能な事業。
○(拡充) フリーランスに対する相談支援等の環境整備事業→「フリーランスガイドライン」を策定。「規制改革実施計画」(令和2年7月17日閣議決定)に基づき、 フリーランスと発注者等とのトラブルについて、弁護士にワンストップで相談できる窓口「フリーランス・トラブル110番」を令和2年11月 に設置し、丁寧な相談対応に取り組んできた。 相談窓口におけるフリーランスからの相談件数が増加傾向にあることから、相談窓口の体制拡充やトラブル解決機能を向上させることで、引 き続き迅速かつ丁寧な紛争解決の援助を行い、フリーランスとして働く方が安心して働ける環境整備を図る。 事業実績⇒令和3年度相談件数:4,072件。和解あっせん受付件数:134件。
○雇用調整助成金の概要→経済上の理由により、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主が、休業、 教育訓練又は出向により、 労働者の雇用の維持を図った場合に、休業手当等の一部を助成する制度。(財源は雇用保険二事業)
○求職者支援制度について→雇用保険を受給できない方が、月10万円の生活支援の給付金(職業訓練受講給付金)を受給しながら 無料の職業訓練を受講し、再就職、転職、スキルアップを目指す制度。ハローワークで訓練開始前から、訓練期間中、訓練終了後まで一貫した就職支援を実施。 支給要件を満たさず給付金を受給できない場合であっても、無料の職業訓練の受講が可能。

次回は新たに「令和5年度 こどもの居場所部会(第2回)」からです。

2023年度第1回雇用政策研究会資料 [2023年06月22日(Thu)]
2023年度第1回雇用政策研究会資料(令和5年6月1日)
≪議題≫ (1)我が国の経済・雇用情勢と課題(論点提示) (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_030127159_001_00046.html
◎資料1 2023 年度 雇用政策研究会参集者名簿 →14名。

◎資料2 雇用政策研究会開催要領 ↓
1.目的
→ 様々な経済構造の変化等の下で生じている雇用問題に関して、効果的な 雇用政策の実施に資するよう、学識経験者を参集し、現状の分析を行うとと もに雇用政策のあり方を検討する。
2. 研究課題→ (1) 経済構造及び労働力需要・供給構造の変化に関する分析と展望
(2) 雇用に関する問題の分析と今後の雇用政策の方向
3. 構成→(1) 厚生労働省職業安定局長が学識経験者の参集を求めて開催。 (2) 研究会の参集者は 15 名程度。 (3) 研究会の座長は研究会の運営に関する事務を掌理する。

◎資料3 議事の公開について →@〜➃まで。
※ 上記@〜Cは、厚生労働省が定める「審議会等会合の公開に 関する指針」における審議会等会合の公開に関する考え方に準 拠するもの。

◎資料4 雇用政策研究会における議論等について
○2023年度雇用政策研究会 雇用政策研究会における議論等について
・開催趣旨→
近年では、働く人の意識の変化や産業構造の変化がみられており、働く人が自身の希望に合わせて、多様な働き方を選択でき、安定したキャリア形成ができる労働市場の構築が求められている。 2023年度雇用政策研究会⇒コロナ禍での議論を踏まえ、今後の多様なキャリア形成やウェルビーイングの向上に向けた取組、それらを支える労働市場の在り方について議論を深め、雇用政策の中長期的な方向性を検討するため、将来の労働供給量の確保についても議論を行い、労働 力需給の推計を行う
・議論すべき課題→「労働者の職業選択に資する労働市場の基盤整備」「労働生産性向上に資する人的資本投資等」「非正規雇用対策・セーフティネットの強化」「ウェルビーイングの向上に向けた多様なキャリア形成・働き方」「人口減少に備えた労働供給量の確保等」⇒これらの課題への取組を通じ、労働参加が進むことを前提とし、労働力需給の推計を行う。

○2023年度雇用政策研究会 論点案@
・労働者の職業選択に資する労働市場の基盤整備↓
(総論)
→産業構造が変化する中、労働者が成長分野を把握しながら希望する職業を 選択し、また自身のライフプランに合わせて、適切な職場を選択できることが求 められる。労働者の自律的なキャリア形成を支援するため、どのような労働市 場基盤整備が必要か。 (自律的なキャリア形成を支える労働市場の見える化)→これまで「人的投資」に関する情報の開示や女性活躍推進法の改正による男女の賃金の差異の情報公表などが行われてきたが、更に職業選択に資するような情報を整備するために、今後、どのような労働市場情報を整理し、活用し ていくべきか。 自身のキャリアプランに合わせて、内部労働市場だけでなく、外部労働市場も 活用し、キャリアアップをしていくためには、他の企業等へ移るときに必要なスキルや職務などが明確化され、開示されていることが求められる。スキルや職務を整理し、外部労働市場におけるキャリアラダーを構築していくためには、どのよう な取組が必要か。 雇用情勢に関する情報については、有効求人倍率等のハローワークを通じて 把握する情報などの提供が政府によって行われているところであるが、民間の 職業紹介事業者と協力した更なる雇用情勢の把握と、情報提供の在り方に ついて、どのような対応が考えられるか。
(キャリア形成のサポート機能の充実)→今後、自律的なキャリア形成を促進していくため、労働者の適切な職場選択 を支援し、より充実したサポートする体制が求められる。ハローワーク、キャリア 形成・学び直し支援センター、そして民間を通じた支援について、どのような対応が必要か。 ハローワークでは、オンラインを活用したサービスを展開しており、地域の身近な 相談機関として機能強化を図ってきた。キャリアコンサルティング機能の強化も 含め、今後、どのような取組が必要か。 地方部においては、人手不足が深刻であり、より地域経済におけるハローワー クの果たすべき役割は大きい。地方自治体との連携も含め、地域の事情に応じた、公的サービスの在り方についてどのようなことが考えられるか。

・労働生産性向上に資する人的資本投資等↓
(総論)
→日本社会全体で人的資本投資が低迷している中、企業を通じた人的資本投資をより効率的なものにしつつ、また個人主体の人的資本投資もより 充実させていく必要がある。労働生産性を向上させ、賃金上昇につなげて いくという労働分配の在り方を含めて、どのような人的資本投資の取組が必要か。 生成AIのような新たなAIの普及により、今後、求められるスキル・タスクが変 化していくことが想定される。時代の変化に合わせた人的資本投資を進め ていくために、どのような取組が必要か。
(企業による人的資本投資の在り方)→新規事業を行っていくためには、企業側と労働者側の キャリアの擦り合わせを通じた、効率的・効果的な人的資本投資を行っていく必要がある。企業の人的資本投資への取組を促進していくためには、どのようなインセンティブ付けを行っていく必要があるか。コロナ禍を契機として、様々なサービスのオンライン化が進んでおり、今や企 業が自社のサービスを展開する上で、IT人材は、必要不可欠な人材。これからは経営・企画と いった分野においてIT技術を積極的に活用し、付加価値の高いサービスを 生み出していくことが必要があり、そうしたITを活用した事業を展開できる人材育成に取り組んでいく必要がある。こうした企業の取組を推進していくため には、どのような支援が必要か(例:在職型出向等を活用した、より実践 的な人的資本投資の機会の充実等)。
(個人による人的資本投資の促進)→個人が明確な目的がないまま能力開発 等を行うことは望ましくなく、効果的・効率的な個人の人的資本投資を推 進していくためのサポート体制が求められる。キャリアコンサルタントの更なる 活用や、キャリアコンサルタントの質の向上を図っていくために、どのような対 応が必要となるか。

○2023年度雇用政策研究会 論点案A
・ウェルビーイングの向上に向けた多様なキャリア形成・働き方 ↓
(総論)
→子育て・介護といったライフイベントの際に、自身のキャリア形成を中断せざるを 得ない環境もあったが、近年では制度面での整備が進むことによって一定程度 の改善がみられている。一方、価値観が多様化する中、制度的な枠組みだけでは、解決出来ない課題も引き続き存在することから、社会全体の働き方の 改善等を進めていくことが重要であり、そのためにどのような取組が必要か。
(子育て世代・女性の働き方)→M字カーブの解消がみられるなど一定程度の改善がみられたものの、現在においてもL字カーブの課題などが存在。コロナ禍では、テレワークが進展する中においても、女性の家事の負担が大きいなどの課題もみられた。女性のL字カーブの解消→特に、子育て期における女性の 継続就業が課題であることから、男性の育児休業取得など、育児への関わりを増やすための支援等が重要ではないか。 企業における女性の活躍⇒課長・部長等での登用は十分に進んで いない状況にあり、より多くの女性の更なる活躍に向け、職場環境や働き方の 改善に向けた企業の取組を進めていくためには、どのような対応が必要か。
(介護と仕事の両立)→働きながら在宅で介護サービスを利用することのニーズや重要性も高まっている現状に合わ せて、仕事と介護の両立に向けた環境整備や、労働者の働き方についても改善していく必要がある。介護を機会としたキャリアの中断がおきないよう、企業 内での柔軟な働き方を促進していくためには、どのような取組・支援が必要か。
(労働者の希望に添った柔軟な働き方等)→人手不足が深刻化する中にあっては、人材確保のため、企業は労働者の希 望に沿ったキャリア形成支援を行っていく必要がある。また時には、労働者のラ イフイベントにあわせて、ポジションや職務の変更を選択できる柔軟な人事制 度の構築も必要となってくる。副業・兼業やフリーランスなども含め、柔軟な働き 方を促進していくために、どのような取組・支援が求められるか。 テレワーク等の新たな働き方が進展する中、企業は労働者を支援しながら、メ ンタル面も含め、無理なく働き続ける職場づくりを行っていく必要がある。こうし た企業の取組を促進していくために、どのような対応が必要か。
・人口減少に備えた労働供給量の確保等 ↓
(総論)
→日本の人口が今後減少していく中では、希望する女性・高齢者の更なる活 躍を促していくことが求められる。加えて、IT技術や機械の活用による省力 化を促進し、労働生産性を高めていくことが重要、そのためにどのよう な取組が必要か。また、各産業において、働き手が減少することに対応した取組が行われてい るところ、その取組も踏まえた議論が必要ではないか。
(女性・高齢者等の労働供給量の確保)→近年では、女性や高齢者の労働参加が進み、労働力率の上昇もみられて きた。一方、多くは非正規雇用労働者といった形での労働参加に限られており、希望する女性・高齢者の更なる労働参加を促すため、賃金も含めた 処遇の改善を図っていく必要があるのではないか。 加えて、柔軟な働き方や多様な働き方を更に充実させることによって、誰も が子育て・介護等と両立しながら、働ける環境作りが必要なのではないか。 また、女性・高齢者の労働参加のハードルを低くする観点からも、就職に向 けた支援・訓練等が必要ではないか。制度的な要因で、労働参加が阻害されることがないよう、中立的な制度設計、もしくは政策的な対応が必要なのではないか。外国人労働者について、安心して長く働ける環境作りを行っていく必要があ るのではないか。
・非正規雇用対策・セーフティネットの強化 ↓
(総論)
→人的資本の蓄積を通じた非正規雇用労働者の雇用の安定や、雇用形態に かかわらず活躍出来るための方策、多様な働き方を効果的に支えるセーフティネットとしての雇用保険制度の在り方について、今後、どのような取組が必要か。
(セーフティネットの在り方等について)→コロナ禍では、雇用調整助成金や求職者支援制度の活用を通じて、雇用維 持に向けた支援や、生活支援を受けながら、訓練を受けられる環境づくりを 行った。今後、産業構造の変化に合わせて、どのような運用が求められるか。 希望する非正規雇用労働者の正規化や、同一労働同一賃金の徹底をはじ めとした非正規雇用対策の更なる推進に加えて、週20時間未満で働く方など の雇用のセーフティネットについて、どのような対応が必要か。

○(参考)コロナ禍での雇用政策研究会の議論
・2020年度 雇用政策研究会報告書 〜コロナ禍における労働市場のセーフティネット機能の強化と デジタル技術を活用した雇用政策・働き方の推進〜 (2020年12月24日公表)

→労働生産性の伸び悩みといった「構造的課題」を抱えていることや、コロナ禍では、こうした構造的な課題に加え、不本意な非労働力化や雇用のミスマッチの悪化など、「コロナ 禍において新たに顕在化した課題」がみられることについて 指摘。
・2022年度 雇用政策研究会「議論の整理」 〜コロナ禍の経験を踏まえた、 不確実性に強いしなやかな労働市場の構築に向けて〜 (2022年7月7日公表)→コロナ禍の経験を踏まえ、内部労働市場の強み(企業内での安定した人材育 成や多様な人材活用など)を更に強化し、外部労働市場の機能(多様な教育訓練機会やマッ チング機能など)も活用しながら、 コロナ禍のような不測の事態やグローバル化の更なる進展、急速な技術進歩やデジタル化による産業構造の変化に柔軟に対応でき、かつ回復力を持つ、持続可 能な労働市場(しなやかな労働市場)の構築が必 要であることについて指摘。

○人材の育成・活性化と労働移動を通じた「構造的な賃上げ」の実現→働く人の意識の変化や構造変化が加速していく中で、人材の育成・活性化や円滑な労働移動を促進することで、 「多様な働き方」を可能とする労働市場の整備を通じた「構造的な賃上げ」を実現していく。⇒「しなやかな労働市場」になるためには「内部・外部労働市場」を通して「セーフティネットの再整備」に向けて「「多様な働き方」・「構造的な賃上げ」 を実現する好循環」が目標。

次回も続き「資料5 足下の雇用・失業情勢や働き方等の変化について」からです。

「健康日本 21(第三次)」を推進する上での基本方針を公表します [2023年06月21日(Wed)]
「健康日本 21(第三次)」を推進する上での基本方針を公表します(令和5年5月 31 日)6/21
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_33414.html
◎国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針の全部を改正する件↓
○厚生労働省告示第二百七号→ 健康増進法(平成十四年法律第百三号)第七条第一項の規定に基づき、国民の健康の増進の総合的な推進 を図るための基本的な方針(平成二十四年厚生労働省告示第四百三十号)の全部を次のように改正し、令和 六年四月一日から適用することとしたので、同条第四項の規定に基づき公表する。
令和五年五月三十一日         厚生労働大臣  加藤勝信

○国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針↓
国民誰もが、より長く元気に暮らしていくための基盤として、健康の重要性はより高まってきており、平 時から個人の心身の健康を保つため、健康づくりの取組を更に強化していくことが求められる。
我が国では、基本的な法制度の整備や仕組みの構築、地方公共団体、保険者、企業、教育機関、民間団体 等の多様な主体による取組に加え、データヘルス・ICTの利活用、社会環境整備、ナッジやインセンティ ブ等の新しい要素を取り入れた取組等の諸活動の成果により、健康寿命(健康上の問題で日常生活が制限さ れることなく生活できる期間)は着実に延伸してきた。 一方で、平成 25 年度から令和5年度までの「二十一世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第二次))」⇒主に一次予防(生活習慣を改 善して健康を増進し、生活習慣病(NCDs(非感染性疾患。以下同じ。))の発症を予防することをいう。)に関連する指標が悪化している、一部の性・年齢階級について悪化している指標が存在する等の 課題が指摘され、また、健康増進に関連するデータの見える化・活用や国及び地方公共団体におけるPDCAサイクルの推進が不十分であること等の課題が指摘されている。 また、少子化・高齢化による総人口・生産年齢人口の減少、独居世帯の増加、女性の社会進出、労働移動の円滑化、仕事と育児・介護との両立、多様な働き方の広まり、高齢者の就労拡大等による社会の多様化、 あらゆる分野におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の加速、次なる新興感染症も見据えた新 しい生活様式への対応の進展等の社会変化が予想されている。 これらを踏まえ、この方針は、全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現に向け、 誰一人取り残さない健康づくりの展開(Inclusion)とより実効性をもつ取組の推進(Implementation)を通じて、国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な事項を示し、令和6年度から令和 17 年度 までの「二十一世紀における第三次国民健康づくり運動(健康日本 21(第三次))」を推進するもの。
第一 国民の健康の増進の推進に関する基本的な方向 ↓
一 健康寿命の延伸と健康格差の縮小
→ 全ての国民が健やかで心豊かに生活できる持続可能な社会の実現のため、個人の行動と健康状態の改 善に加え、個人を取り巻く社会環境の整備やその質の向上を通じて、健康寿命の延伸及び健康格差(地域や社会経済状況の違いによる集団間の健康状態の差をいう。以下同じ。)の縮小を実現する。その際、 個人の行動と健康状態の改善とそれらを促す社会環境の質の向上との関係性を念頭に取組を進める。なお、個人の行動と健康状態の改善のみが健康寿命の延伸・健康格差の縮小につながるわけではなく、社 会環境の質の向上自体も健康寿命の延伸・健康格差の縮小のための重要な要素であることに留意が必要。
二 個人の行動と健康状態の改善→栄養・食生活、身体活動・運動、休養・睡眠、飲酒、喫煙 及び歯・口腔の健康に関する生活習慣の改善(リスクファクターの低減)に加え、これらの生活習慣の 定着等による生活習慣病(NCDs)の発症予防及び合併症の発症や症状の進展等の重症化予防に関し、 引き続き取組を進める。 一方で、生活習慣病(NCDs)に罹患せずとも、日常生活に支障を来す状態となることもある。ロコモティブシンドローム(運動器症候群をいう。以下同じ。)、やせ、メンタル面の不調等は生活習慣 病(NCDs)が原因となる場合もあるが、そうでない場合も含めてこれらを予防することが重要。既にがん等の疾患を抱えている人も含め、「誰一人取り残さない」健康づくりの観点から、 生活習慣病(NCDs)の発症予防及び重症化予防だけではない健康づくりが重要。これらを踏 まえ生活機能の維持・向上の観点も踏まえた取組を推進する。
三 社会環境の質の向上 →健康日本 21(第二次)の期間中の動向も踏まえ、関係省庁とも連携しつつ、取組を進める。 就労、ボランティア、通いの場等の居場所づくりや社会参加の取組に加え、各人がより緩やかな関係 性も含んだつながりを持つことができる環境整備や、こころの健康を守るための環境整備を行うことで、 社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上を図る。 健康な食環境や身体活動・運動を促す環境をはじめとする自然に健康になれる環境づくりの取組を実 施し、健康に関心の薄い者を含む幅広い対象に向けた健康づくりを推進する。 誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備として、保健・医療・福祉等へのアクセスの確保 に加え、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)をはじめとする自らの健康情報を入手できるインフ 5 ラの整備、科学的根拠に基づく健康に関する情報を入手・活用できる基盤の構築や、周知啓発の取組を 行うとともに、多様な主体が健康づくりに取り組むよう促す。
四 ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり→ 社会がより多様化することや、人生 100 年時代が本格的に到来することを踏まえれば、一から三まで に掲げる各要素を様々なライフステージ(乳幼児期、青壮年期、高齢期等の人の生涯における各段階を いう。以下同じ。)において享受できることがより重要であり、各ライフステージに特有の健康づくりについて、引き続き取組を進める。 加えて、現在の健康状態は、これまでの自らの生活習慣や社会環境等の影響を受ける可能性や、次世代の健康にも影響を及ぼす可能性があるものである。これらを踏まえ、ライフコースアプローチ(胎児期から高齢期に至るまでの人の生涯を経時的に捉えた健康づくりをいう。以下同じ。)について、健康 づくりに関連する計画等とも連携しつつ、取組を進める。

第二 国民の健康の増進の目標に関する事項 ↓
一 目標の設定と評価
→国は、全国的な目標を設定し、広く国民や関係者に対してその目標を周知するとともに、継続的に指 標の推移等の調査及び分析を行い、その結果に関する情報を国民や関係者に還元することにより、関係 者をはじめ広く国民一般の意識の向上を図り、及び自主的な取組を支援するものとする。 国が具体的な目標を設定するに当たっては、健康に関する科学的根拠に基づくこと、実態の把握 が継続的に可能なものとする。 また、具体的な目標は、計画期間における諸活動の達成状況の評価を目的として設定すべきであり、 かつ、評価を行う時点で実際に到達したかどうか確認できるものが望ましいことから、具体的な目標⇒計画開始後のおおむね9年間(令和 14 年度まで)を目途として設定することとする。 計画開始後6年(令和 11 年度)を目途に全ての目標について中間評価を行うとともに、計画開始後 10 年(令和 15 年度)を目途に最終評価を行うことにより、目標を達成するための諸活動の成果を適切 に評価し、その後の健康増進の取組に反映する。中間評価及び最終評価の際に用いる比較値(以下 「ベースライン値」という。)については、令和6年度までの最新値とする。 中間評価や最終評価等の事後的な実態把握のため、具体的な目標設定⇒公的統計等を データソースとする。

二 目標設定の考え方
1 健康寿命の延伸と健康格差の縮小 健康寿命については、学術的に概念や算定方法が一定程度確立していること、令和 22 年までの健 康寿命の延伸目標が定められていること、国民の認知度が高いこと等を踏まえ、健康日本 21(第二 次)から引き続き健康寿命の延伸を実現されるべき最終的な目標とする。また、社会環境の質の向上 等を通じて、各生活習慣等についての格差を縮小することで、健康寿命の地域格差の縮小も目指す。 具体的な目標は、別表第一のとおり設定
する。
2 個人の行動と健康状態の改善
(一) 生活習慣の改善→別表第二のとおり設定する

(二) 生活習慣病(NCDs)の発症予防・重症化予防
(三) 生活機能の維持・向上 →別表第二のとおり設定する
3 社会環境の質の向上→別表第三のとおり設定する

(一) 社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上
(二) 自然に健康になれる環境づくり
(三) 誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備
4 ライフコースアプローチを踏まえた健康づくり→ライフステージに特有の健康づくりやライフコースアプローチの取組を進める。特に こども、高齢者及び女性に関する目標を設定。 幼少期からの生活習慣や健康状態は、成長してからの健康状態にも大きく影響を与えるため、こどもの健康を支える取組を進める。こども自身に加え、妊婦の健康増進を図ることが重要。こうした観点から、こどもの頃からの運動習慣の獲得、適正体重のこどもの増加並びに 20 歳未満の者の飲酒及び喫煙に関する目標を設定する。 高齢期に至るまで健康を保持するためには、高齢者の健康を支えるだけでなく、若年期からの取組が重要。こうした観点から、適正体重の高齢者の増加、ロコモティブシンドロームの予防 及び社会参加の促進に関する目標を設定。女性については、ライフステージごとに女性ホルモンが劇的に変化するという特性等を踏まえ、 人生の各段階における健康課題の解決を図ることが重要。このため、女性に多いやせ、骨粗鬆症等の健康課題、男性とは異なる傾向にある女性の飲酒及び妊婦に関する目標を設定する。 これらの具体的な目標は、別表第四のとおり設定する。

第三 都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定に関する基本的な事項↓
一 健康増進計画の目標の設定と分析・評価等
→都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定⇒地方公共団体は、人口動態、医 療・介護をはじめとする各分野の統計やデータベース等の地域住民に関する各種指標を活用しつつ、地 域の社会資源等の実情を踏まえ、独自に必要な課題を選択し、その到達すべき目標を設定し、定期的に 分析・評価を行った上で、改定を実施することとする。 国は、地方公共団体における都道府県健康増進計画及び市町村健康増進計画の策定の支援を行う。
二 都道府県の役割と都道府県健康増進計画→都道府県は、庁内の関連する部局が連携して都道府県健康増進計画を策定、当該計画⇒国が設定した目標を勘案しつつ、具体的な目標を設定する。また、区域内の市町村ごとの健康 状態や生活習慣の状況の差の把握を行い、地域間の健康格差の是正に向けた取組を位置付けるよう努め るものとする。 都道府県は、地域・職域連携推進協議会等も活用し、市町村や医療保険者、企業、教育機関、民間団 体等の関係者の連携強化のための中心的役割を担い、データの活用や分析を積極的に行い、市町村にお ける市町村健康増進計画の策定の支援を行う。 保健所は、地域保健の広域的、専門的かつ技術的な拠点として、健康づくりに関する情報を収集・分 析し、地域の住民や関係者に提供するとともに、地域の実情に応じ、市町村における市町村健康増進計 画の策定の支援を行う。 都道府県健康増進計画の策定に当たっては、都道府県が策定する医療法(昭和 23 年法律第 205 号) に規定する医療計画、高齢者の医療の確保に関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)に規定する都道府県 医療費適正化計画、介護保険法(平成9年法律第 123 号)に規定する都道府県介護保険事業支援計画、 がん対策基本法(平成 18 年法律第 98 号)に規定する都道府県がん対策推進計画、都道府県が定める歯 科口腔保健の推進に関する法律(平成 23 年法律第 95 号)に規定する基本的事項、健康寿命の延伸等を 図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(平成 30 年法律第 105 号)に規定する都道府県循環器病対策推進計画に加え、データヘルス計画、成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律(平成 30 年法律第 104 号)に規定する成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的 な方針その他の都道府県健康増進計画と関連する計画等との調和に配慮する。
三 市町村の役割と市町村健康増進計画→ 市町村は、都道府県や保健所とも連携しつつ、また、庁内の関連する部局が連携して市町村健康増進 計画の策定に努めるもの。 市町村は、国や都道府県が設定した目標を勘案しつつ、具体的な目標を設定するよう努める。 市町村健康増進計画を策定⇒医療保険者として策定する高齢者の医療の 確保に関する法律に規定する特定健康診査等実施計画、市町村が策定する介護保険法に規定する市町村 介護保険事業計画に加え、データヘルス計画その他の市町村健康増進計画と関連する計画との調和に配慮。 また、市町村は、健康増進法(平成 14 年法律第 103 号)に基づき実施する健康増進事業⇒市町村健康増進計画において位置付けることが望ましい。

第四 国民健康・栄養調査その他の健康の増進に関する調査及び研究に関する基本的な事
一 調査及び研究の活用
→ 国は、国民健康・栄養調査等の企画を行い、効率的に実施する。あわせて、個人の行動と健康状態の 改善及び社会環境の質の向上に関する調査研究についても推進。 国、地方公共団体、独立行政法人等⇒国民健康・栄養調査、都道府県等による健康・栄養 調査、国民生活基礎調査、健康診査(いわゆる「健診」と「検診」の両方を含むものとする。)等に関する各種統計・データベース、その他の収集した情報等に基づき、現状分析を行うとともに、健康増進 に関する施策の評価を行い、それらの結果等を踏まえ、必要に応じて施策の見直しを行う。 また、これらの調査等により得られた分析・評価の結果については、積極的な公表に努める。 さらに、国及び地方公共団体は、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)の利活用を更に進める、保健医療情報に関するビッグデータをはじめとする情報の収集・分析を行い、その結果等を踏まえ、国民や関係者が効果的な健康増進施策を実施することができる仕組みを構築するよう努める。
二 研究の推進→ 国、地方公共団体、独立行政法人等においては、社会実装も見据えつつ、国民の社会環境や生活習慣 と生活習慣病(NCDs)との関連等に関する研究を推進し、研究結果に関して的確かつ十分な情報の 提供を国民や関係者に対して行う。また、新たな研究成果⇒効果的な健康増進の実践につな がるよう支援を行っていくことが必要。

第五 健康増進事業実施者間における連携及び協力に関する基本的な事項→健康増進事業をより効果的に進めるためには、健康増進事業実施者間で連携・協力を進めることが不可欠。 例えば、健康増進事業のうちの健康診査の場合、健康診査に関するデータについて、健康増進事業実施 者間で共有を図ることで、転居や転職、退職等があっても効果的な健康づくりを行うことが可能となる。 また、受診率向上に向けて健康増進事業実施者間で連携し、複数の健康診査を同時に実施することも考えられる。 なお、健康診査の実施等に係る健康増進事業実施者間の連携⇒これらのほか、健康増進法に 基づく健康増進事業実施者に対する健康診査の実施等に関する指針の定めるところによる。

第六 食生活、運動、休養、飲酒、喫煙、歯の健康の保持その他の生活習慣に関する正しい知識の普及に関 する事項
一 基本的な考え方
→健康増進には、国民の意識と行動の変容が重要であることから、国民の主体的な取組を支援するため、 国民に対する十分かつ的確な情報提供が必要。このため、情報提供を行う際には、科学的知見に基づき、分かりやすく、国民の健康増進の取組に結び付きやすい魅力的、効果的かつ効率的なものとな るよう工夫する。さらに、個人の生活習慣に関する情報に加え、社会環境の重要性についても認識を高 めるよう工夫。また、正しい知識の普及を通じて、健康増進に係るスティグマの解消に努める。 情報提供に当たっては、マスメディア、ホームページやSNS、学校教育、健康相談等多様な経路を活用するとともに、対象者の特性に応じた効果的な働きかけを、複数の方法を組み合わせて行うことが 重要である。あわせて、国民に対して様々な媒体で流布されている情報には、誤った情報や著しく偏っ た不適切な情報が含まれ得ることについて注意喚起を行う。また、情報取得や意思疎通に配慮が必要な 者を含めあらゆる国民が正しい情報にアクセスできるような環境整備に努める。 国は、地方公共団体、企業、民間団体等が参画するプラットフォームも活用し、正しい知識の普及に 努める。地方公共団体は、地域の実情に応じた取組を行う。
二 健康増進普及月間等→9月を健康増進普及月間とし、国、地方公共団体、企業、民間団体等が行う様々なイベントや広報活動等の普及啓発活動等を通じ、国民の自覚を高めるほか、社会全体で健康づくりを支え合う環境を醸成 するための健康増進の取組を一層促進することとする。 また、当該取組が一層効果的となるよう、併せて、食生活改善普及運動を9月に実施する。 加えて、女性の健康問題に対する意識を高めるため、3月1日から同月8日までを女性の健康週間とし、たばこ・受動喫煙対策を更に推進するため、5月 31 日から6月6日までを禁煙週間とする。 健康増進普及月間、食生活改善普及運動、女性の健康週間及び禁煙週間(以下「健康増進普及月間等」 という。)の実施に当たっては、地域の実情に応じた課題を設定し、健康に関心の薄い者も含めてより 多くの住民が参加できるように工夫するよう努めることが必要。また、地域における活動のほか、 国、地方公共団体、企業、民間団体等が相互に協力して、健康増進普及月間等の重点的かつ効果的な実 施を図る。

第七 その他国民の健康の増進の推進に関する重要事項
一 多様な主体による連携及び協力
→誰一人取り残さない健康づくりを効果的に展開するためには、行政だけでなく、地域の関係者や民間 部門の協力が必要。保健、医療、福祉の関係機関及び関係団体並びに大学等の研究機関、企業、 教育機関、NPO、NGO、住民組織等の関係者が連携し、効果的な取組を行うことが望ましい。地方 公共団体は、これらの関係者間の意思疎通を図りつつ、協力を促していくことが望ましい。
二 関係する行政分野との連携→健康増進の取組を推進するには、国と地方公共団体のいずれにおいても、様々な分野との連携が必要 である。医療、食育、産業保健、母子保健、生活保護、生活困窮者自立支援、精神保健、介護保険、医 療保険等の取組に加え、教育、スポーツ、農林水産、経済・産業、まちづくり、建築・住宅等の分野に おける取組と積極的に連携することが必要である。
三 具体的な方策の策定→国民の健康の増進に関する目標達成のために、国と地方公共団体のいずれにおいても、予算・人員の 確保に努めること。国は、地方公共団体の取組に資するよう、具体的な方策(アクション プラン)等の策定に取り組む。
四 デジタル技術の活用→デジタル技術を積極的に活用することで、より効果的・効率的に健康増進の取組を進めることが望ましい。こうした中で、オンラインやアプリケーション、ウェアラブル端末等のICTを用いたサービス を活用した健康づくりを検討し、その際、民間事業者との連携も視野に入れて取組を推進する。あわせて、事務手続のデジタル化等も検討することが必要。加えて、人工知能等、今後実用化が進むことが予想されるデジタル技術についても、科学的根拠を踏まえつつ、健康づくりにおける活用を検討。 なお、デジタル格差により必要な健康増進の取組が受けられない等の格差につながらないよう留意する必要がある。
五 人材の育成→ 健康増進の取組には、医師、歯科医師、薬剤師、保健師、看護師、管理栄養士等の様々な専門職等が 携わっており、国及び地方公共団体は、これらの人材の確保及び資質の向上に努めるものとする。また、これらの人材が自己研鑽に励むことができるような環境整備を行う。加えて、これらの人材の連携(多職種連携)が進むよう支援を行う。
六 その他考慮すべき事項→ 計画期間中には、様々な社会における変化が発生し得る。国、地方公共団体等は、地球温暖化をはじ めとする気候変動、災害、新興・再興感染症の拡大、孤独・孤立の深刻化等による健康影響についても 考慮しながら、健康増進に関する施策を進めることが必要である。

・別表第一 健康寿命の延伸と健康格差の縮小に関する目標
・別表第二 個人の行動と健康状態の改善に関する目標 →@〜A
1 生活習慣の改善 (1)栄養・食生活@〜D(2)身体活動・運動@〜B(3)休養・睡眠@〜B(4) 飲酒@A(5) 喫煙@A(6) 歯・口腔の健康@〜B
2 生活習慣病(NCDs)の発症予防・重症化予防 (1) がん@〜B(2) 循環器病@〜E(3) 糖尿病@〜F(4) COPD
3 生活機能の維持・向上→@〜B
・別表第三 社会環境の質の向上に関する目標
1 社会とのつながり・こころの健康の維持及び向上@〜D
2 自然に健康になれる環境づくり@〜B
3 誰もがアクセスできる健康増進のための基盤の整備→@〜➃
・別表第四 ライフコースアプローチを踏まえた健康づくりに関する目標(1)こども@〜➃(2)高齢者@〜B (3)女性@〜➃

次回は新たに「2023年度第1回雇用政策研究会資料」からです。

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