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第1回こども未来戦略会議 [2023年04月30日(Sun)]
第1回こども未来戦略会議(令和5年4月7日)
≪議題≫ こども・子育て政策の強化について
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_mirai/dai1/gijisidai.html
◎資料1 こども未来戦略会議の設置について
○「こども・子育て政策に関しては、先日、小倉大臣の下でたたき台を取りまとめてもらいました。このたたき台を踏まえて、今後、必要な政策強化の内容、そして、予算、財源について、与党とも連携しながら、議論を深めてまいります。
 このため、本日、全世代型社会保障構築本部の下に、私を議長として、関係閣僚に加えて、新しい資本主義実現会議等の関係審議会の有識者の方々、子育てに様々な形で携わられている方々、経済界、そして地方自治体の代表、こうした幅広い方々に御参画いただき、こども未来戦略会議を立ち上げることといたします。皆様には、御協力いただきますことを、厚く御礼申し上げます。
 今後、このこども未来戦略会議において、皆様の知見を頂きながら、国を挙げて、必要な政策強化の内容、予算、財源について更に具体的な検討を深め、6月の骨太方針までに、将来的なこども・子育て予算の倍増に向けた大枠をお示しいたします。若い世代が希望どおり結婚し、希望する誰もが子供を持ち、ストレスを感じることなく子育てができる。子供たちがいかなる環境、家庭状況にあっても、分け隔てなく大切にされ、育まれ、笑顔で暮らせる。そうした社会を目指し、こども・子育て政策を大胆に、強力に前に進めていくに当たっては、世代や立場を超えた国民お一人お一人の理解と協力を欠くことはできません。
 こども・子育て政策の強化について、精力的かつ迅速な議論を着実に進めることができるよう、構成員の皆様におかれましては、御協力頂きますよう、心からお願い申し上げます。どうぞよろしくお願いいたします。」

◎資料2−1 こども未来戦略会議の開催について(全世代型社会保障本部決定)
1.趣旨
→長年の課題である我が国の少子化は、近年、その深刻さを増しており、静か なる有事とも言うべき状況。社会経済の持続的な発展を実現し、社会保 障制度や地域社会の維持を図るためにも、あらゆる政策手段を組み合わせて、 従来とは次元の異なる少子化対策に果敢に取り組んでいく必要がある。 そのためには、こども・子育て政策の強化について、具体的な施策の内容、予算、財源の在り方について検討する必要があることから、こども・子育て政 策に係る関係閣僚、有識者、子育ての当事者・関係者、さらには関係団体の参 画を求めて、全世代型社会保障構築本部の下に、「こども未来戦略会議」を開催。
2.構成 会議の構成員→ 議長 内閣総理大臣、 副議長 全世代型社会保障改革担当大臣、 内閣府特命担当大臣(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画)、 構成員、 内閣官房長官、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、 経済産業大臣、国土交通大臣及び内閣総理大臣が指名する有識者
3.運営 会議の庶務は、関係行政機関の協力を得て、内閣官房において処理する。
4.その他 前各項に定めるもののほか、会議の運営に関する事項その他必要な事項は、 議長が定める
◎資料2−2 こども未来戦略会議 有識者構成員 →19名。

◎資料3 こども未来戦略会議運営要領(こども未来戦略会議議長決定)
こども未来戦略会議の運営
→1. 会議において配布された資料は、原則として、公表。 2. 会議終了後、記者会見を行い、議事内容を説明するものとする。会議での意見の紹介等を行う際は、原則として、発言者 の氏名を伏すものとする。 3.会議の議事要旨及び議事録を公表する。ただし、議長が特に必要と認めるときは、議事録の一部を公表しないものとす ることができる。 4. この運営要領に定めるもののほか、会議の運営に関し必 要な事項は、議長が定める。

◎資料4 岸田内閣総理大臣記者会見(令和5年3月 17 日)配付資料
○こども・子育て政策 目指す社会像と 基本理念→目指す社会像⇒ 3つの基本理念↓
1 若い世代の所得を増やす

・「賃上げ」→男女ともに働きやすい環境、希望する非正規の正規化、三位一体の労働市場改革。
・「106万円の壁」「130万円の壁」の見直し→短時間労働者への被用者保険の適用拡大、最低賃金の引上げ、手取りの逆転を生じさせない取組の支援。
・子育て世帯に対する 経済的支援の強化→児童手当の拡充、高等教育費の負担軽減、子育て世帯への住居支援 など
2 社会全体の構造・意識を変える→子連れは電車内で肩身が狭い、公園の遊び声が近所迷惑 と言われないか心配など。
・こどもファースト社会の実現→住民参加の子育て支援、『こどもファスト・トラック』。
・職場を変える→会社に育休制度はあるが、実際には取りづらい⇒男性育休取得率の政府目標を引上げ 2025年に50%、2030年に85%、育休を促進する中小企業を支援、国家公務員は2025年に85%以上。
・育児休業をあらゆる働き方に対応した 自由度の高い制度へ(育休とキャリア形成が両立しない・出産を契機に仕事をやめた)→時短勤務にも育休給付を創設、産後期間に男女で育休取得すると給付率を手取り10割に、 育休給付のない非正規・フリーランス・ 自営業者の方々にも経済的支援を創設。
3 全ての子育て世帯を 切れ目なく支援する
・親が働いていても、 家にいても 全ての子育て家庭を支援→幼児教育・保育サービスの強化、妊娠・出産・0〜2歳支援を 強化した伴走型支援、貧困、障害・医療ケアが必要な家庭、 ひとり親家庭などに一層の支援。


◎資料5−1 こども・子育て政策の強化について(試案)(説明資料)
○2030年は少子化対策の分水
→◆2030年代に入ると、我が国の若年人口は現在の倍速で急減し、少子化は もはや歯止めの利かない状況に。 ◆ 2030年代に入るまでのこれからの6〜7年が、少子化傾向を反転できるかどうか のラストチャンス。
○少子化対策の基本スタンス→1. 結婚やこどもを産み、育てることに対する多様な価値観・考え方を尊重しつつ、若い世代が希望通り結婚し、希望する誰もがこど もを産み、育てることができるようにすること、すなわち、個人の 幸福追求を支援することで、結果として少子化のトレンドを反転さ せること。 2. 少子化・人口減少のトレンドを反転させることは、経済活動の活性 化、社会保障機能の安定化、労働供給や地域・社会の担い手の 増加など、我が国の社会全体にも寄与。「未来への投資」としてこ ども・子育て政策を強化するとともに、社会全体でこども・子育て を支えていくという意識を醸成していく必要。

○こども・子育て政策の基本理念→1.若い世代の所得を増やす 賃上げ、 雇用のセーフティネット構築 など。2.社会全体の構造・意識を変える や 「共働き・共育ての推進」、 「こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革」。3.全ての子育て世帯を切れ目なく支援する 「ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化」 「全てのこども・子育て世帯を対象とするサービスの拡充」。

○こども・子育て支援加速化プラン(今後3年間)〜何が従来とは次元が異なるのか〜↓
1.「制度のかつてない大幅な拡充」→ 例)児童手当:所得制限撤廃、高校卒業まで延長、手当額の拡充 男女で育休取得した場合、一定期間、育休給付を手取り100%に。
2.「長年の課題を解決」→ 例)75年ぶりとなる保育士の配置基準の改善。 こども医療費助成に係る国民健康保険の減額調整廃止。
3. 「時代に合わせて発想を転換」 例)共働き・共育ての推進(固定的な性別役割分担意識からの脱却) 就労要件をなくし、こども誰でも通園制度(仮称)を創設
4.「新しい取組に着手」 例)伴走型相談支援の制度化、出産費用の保険適用を含めた在り方の検討 学校給食費の無償化に向けた課題の整理 授業料後払い制度(仮称)の創設
5.「地域・社会全体で「こどもまんなか」を実現」→例)こども家庭庁の下で「国民運動」を夏頃を目途にスタート、育休や柔軟な働き方推進のための職場環境づくり(応援手当など)

○こども・子育て支援加速化プラン(今後3年間)1 ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化 主なポイント→5項目あり。子育て世帯に対する住宅支援の強化 〜子育てにやさしい住まいの拡充〜
○こども・子育て支援加速化プラン(今後3年間)2 全てのこども・子育て世帯を対象とするサービスの拡充 主なポイント→3項目あり。病児保育、学童、社会的養護、ヤングケアラー、 障害児、医療的ケア児、ひとり親家庭などの支援体制強化
○こども・子育て支援加速化プラン(今後3年間)3共働き・共育ての推進 主なポイント→5項目あり。こどもが2歳未満の期間に、時短勤務を選択した場合の給付の創設。自営業、フリーランスの方々の育児期間の保険料免除制度の創 設。
○こども・子育て支援加速化プラン(今後3年間)4 こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革 主なポイント→2項目あり。こども家庭庁の下で「国民運動」を 夏頃を目途にスタート。
○こども・子育て政策が目指す将来像とPDCAの推進 〜今後3年間の集中取組期間の検証、施策の適切な見直し〜→◆ 「加速化プラン」の実施状況や取組の効果等を検証しつつ、施策の適切な見直 しを行い、PDCAを推進。 ◆ PDCAの際のよりどころとなる「こどもと向き合う喜びを最大限に感じるための4 原則」↓
1.こどもを産み、育てることを経済的理由であきらめない。 2 身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てることができる。 3どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心感を持てる。4 こどもを育てながら人生の幅を狭めず、夢を追いかけられる。

◎資料5−2 こども・子育て政策の強化について(試案)
はじめに
→昨年の出生数は 80 万人を割り込み過去最少、政府予測より8 年早いペース。。
T こども・子育て政策の現状と課題
1.これまでの政策の変遷〜1.57 ショックからの 30 年〜
2.こども・子育て政策の課題
(1)若い世代が結婚・子育ての将来展望が描けない
(2)子育てしづらい社会環境や子育てと両立しにくい職場環境がある
(3)子育ての経済的・精神的負担感や子育て世帯の不公平感が存在する
U 基本理念
1.若い世代の所得を増やす
2.社会全体の構造・意識を変える
3.全ての子育て世帯を切れ目なく支援する
V 今後3年間で加速化して取り組むこども・子育て政策
(2030 年は少子化対策の「分水嶺」)(こども・子育て支援加速化プラン)
1.ライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化
(1)児童手当の拡充〜全てのこどもの育ちを支える制度へ〜
(2)出産等の経済的負担の軽減〜妊娠期からの切れ目ない支援〜
(3)医療費等の負担軽減〜地方自治体の取組への支援〜
(4)高等教育費の負担軽減
〜奨学金制度の充実と「授業料後払い制度(いわゆる日本版 HECS)(仮称)」の創設〜
(5)子育て世帯に対する住宅支援の強化〜子育てにやさしい住まいの拡充〜
2.全てのこども・子育て世帯を対象とするサービスの拡充
(1)妊娠期からの切れ目ない支援の拡充〜伴走型支援と産前・産後ケアの拡充〜
(2)幼児教育・保育の質の向上〜75 年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善〜
(3)全ての子育て家庭を対象とした保育の拡充〜「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設〜
(4)新・放課後子ども総合プランの着実な実施〜「小1の壁」打破に向けた量・質の拡充〜
(5)多様な支援ニーズへの対応 〜社会的養護、障害児、医療的ケア児等の支援基盤の充実とひとり親家庭の自立支援〜
(社会的養護・ヤングケアラー等支援)
(障害児支援、医療的ケア児支援等)
(ひとり親家庭の自立促進)
3.共働き・共育ての推進
(1)男性育休の取得促進〜「男性育休は当たり前」になる社会へ〜
・制度面の対応→(男性の育休取得率の目標)⇒2025 年 公務員 85%(1週間以上の取得率)、民間 50%。 2030 年 公務員 85%(2週間以上の取得率)、民間 85%。
(参考)民間の直近の取得率:女性 85.1%、男性 13.97%。
・給付面の対応→いわゆる「産後パパ育休」(最大 28 日間)を念頭に、出 生後一定期
間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、給付率を現行の 67%(手取りで 8 割相当)から、8 割程度(手取りで 10 割相当)へと引き上げる。
(2)育児期を通じた柔軟な働き方の推進〜利用しやすい柔軟な制度へ〜
(3)多様な働き方と子育ての両立支援〜多様な選択肢の確保〜
4.こども・子育てにやさしい社会づくりのための意識改革
W こども・子育て政策が目指す将来像と PDCA の推進
(こどもと向き合う喜びを最大限に感じるための4原則)↓

1.こどもを産み、育てることを経済的理由であきらめない
2.身近な場所でサポートを受けながらこどもを育てることができる
3.どのような状況でもこどもが健やかに育つという安心感を持てる
4.こどもを育てながら人生の幅を狭めず、夢を追いかけられる

おわりに→本長年の課題解決に向けて、まずは必要な政策内容を整理するという観点から取りまとめたもの。今後、この試案をベースに国民的議論を進めていくため、 4月以降、内閣総理大臣の下に新たな会議を設置し、更に検討を深めるとともに、こど も家庭庁においてこども政策を体系的にとりまとめつつ、 6月の骨太の方針 2023 ま でに、将来的なこども予算倍増に向けた大枠を提示する


◎資料5−3 こども・子育て政策の強化について(試案)(参考資料)
○出生数と合計特殊出生率の推移
○出生数と将来人口推計との比較
○これまでの政策の変遷〜1.57ショックからの30年〜
○家族関係社会支出の対GDP比の推移
○家族関係社会支出の対GDP比の国際比較
○少子化対策関係予算(当初予算ベース)の推移
○理想のこども数を持たない理由(理想・予定子ども数の組み合わせ別)
○理想のこども数を持たない理由(妻の年齢別)

○子育てに関する内閣府ユース政策モニターのこども・若者の意見@
○子育てに関する内閣府ユース政策モニターのこども・若者の意見A

【期間】 令和4年12月9日(金)〜12月25日(日) Webアンケートにより実施 【回答者】 ユース政策モニター(令和4年4月1日時点で小学校5年生〜29歳) 281名
・「結婚・子育てに関すること」について、あなたが普段感じていることや、疑問に思っていること、もっとこんな社会になったらいいな と思うことを、そう思う理由とあわせて教えてください。→(結婚・出産への不安)(子育てへの危惧)の意見。
・将来のことも含め、みなさんのまわりの「結婚・子育て」の状況をよりよくするために、どのような取組が必要だと思いますか。
(仕事と育児の両立)(結婚・出産への機運醸成)(経済的支援)(その他)の意見。

次回も続き「資料6−1 平井構成員提出資料」からです。

新しい時代の働き方に関する研究会 第3回資料 [2023年04月29日(Sat)]
新しい時代の働き方に関する研究会 第3回資料(令和5年4月7日)
≪議題≫ 構成員からのプレゼンテーション ・大湾 秀雄 構成員 ・伊達 洋駆 構成員
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32514.html
◎資料1 「人的資本投資を増やすために必要なこと」 (大湾構成員提出資料)
○日本の人的資本投資は低い
→国際比較で企業の育成投資・労働者の自己研鑽投資が低い。
・雇用形態・性別・年代別の「学習・研修参加経験なし」の割合→正規よりも非正規のほうが参加経験なしが多い。(パート的な存在か?)

≪企業の育成投資が低いのは何故か≫
○キーワードは、労働市場の摩擦→労働市場の摩擦とは?

• 転職や自由な労働契約の障害となるもの→ – 情報の非対称性⇒あなたが優秀だということを今の雇い主以外は良く知らない。雇用主がどれだけ人材 育成投資をしているか、他企業は知らない。 – サーチコスト⇒就職・採用にかける時間、労力、金銭的費用、精神的負担。 – 解雇コスト⇒解雇コストの不透明性が採用の抑制、非正規雇用の増大につながる。 – 年功賃金⇒労働者の転職コストを引き上げ、企業側も中途採用に消極的になる。 • 摩擦が大きいと 離職率が下がる。 – 労働市場はより非競争的になる。
○質問です→人的資本投資が増えるのは、摩擦が大きい時です か、小さい時ですか?↓
○人的資本投資のコスト回収→労働市場の摩擦が大だとコスト回収が可能。↓
・ ベルギー企業を対象とする 研究によると、研修による 生産性の伸びは賃金の伸び を大きく上回る(右図)。 右矢印1労働市場の摩擦
・労働市場の摩擦が大 きいことを示唆 右矢印1投資コスト回収が 可能となり投資イン センティブが生じる。
○疑問→労働市場の摩擦が人的資本投資のインセンティブを作り出すので あれば、どうして労働市場の摩擦が高い日本企業の人材育成投資 は欧米企業より低いのか?↓
○実は…労働市場の摩擦は効率的投資をもたらさない→• 労働市場に摩擦があるだけでは、人的資本投資は決して効率的 にはならない。⇒摩擦があっても雇用主はリターンをフルに享受できない。人的資本投資が競争優位につながる効果を経営者が理解していない可能性。 – コスト回収のため、投資期間を長引かせる誘因が働く。⇒Garicano and Rayo (2017)によると、企業にとって最適な人的資本投資のスピード は、10%(5%)の割引率のもとで11年(21年)のトレーニング。
○人的資本投資を生み出す2つのロジック→@摩擦の大きい労働市場+長期的雇用関係⇒ 従業員を「囲い込める」ので、投資意欲が生まれる。 A競争的労働市場+長期的な雇用関係+情報開示⇒ 労働市場における人材獲得競争を通じて、投資意欲が生ま れる。
○ロジックA:ベッカーの人的資本理論↓
• 人的資本理論(Becker 1962, Acemoglu and Pischke 1999)によると、以下の3つの条 件が成立すれば、効率的な人的資本投資を達成→「人的資本投資内容が契約に書ける」「労働市場が競争的である」「労働者が研修期間の低賃金を受け入れられる(十分な流動性や借入可能性)」。 • メカニズム:高い人的資本投資を契約で約束できる企業に、高い生涯賃金を求め て優秀な応募者が集まる。さらに競争を通じて、投資水準は効率的(社会的に望 ましい水準)に! 右矢印1 企業は、研修期間の賃金を下げて費用を回収する。 • 人的資本投資を契約に書くのは無理では? • 人的資本投資内容が開示されて、企業が人的資本投資にコミットし、社員や応募 者がそれを信頼できれば、契約に書くのと同じ効果が期待できる。 右矢印1 関係的契約の形成は可能。

○企業の人的資本投資水準の大小関係↓

@摩擦のない 競争的労働市場 +短期的雇用関係 ≺ A摩擦の大きい 労働市場+長期的雇用関係 ≺ B競争的労働市場 +長期的な雇用関係 +情報開示
・@右矢印1@右矢印1A右矢印1B右矢印1Bの順序必要。日本の場合@右矢印1BでAが飛んでいる。
○企業の人的資本投資を増やすには→企業の人的資本投資を増やすには、2つの軸で労働市場の改革を測ることが必要 。↓
1. 労働市場の摩擦を減らし、企業間で育成投資競争が起きる競争環境を整える。⇒職やスキルの標準化によって、人材仲介業におけるマッチング効率を引き上 げる。 経済合理性を失った制度や仕組みからの脱却を促す。
2. 人的資本情報の開示を推し進め、経営陣と社員の間で効率的な人 的資本投資に関する共有された期待(関係的契約)の形成を図る。

≪自己研鑽投資をどう高める≫
○仕事の面白さの国際比較↓
○仕事の面白さは何によって決まるのか
→日本以外のOECD主要9か国⇒社会的意義・自律性・興味・関心 のマッチの順。日本⇒興味・関心 のマッチ・人間関係・社会的意義の順。
○中間管理職の部下育成力が弱い→中間管理職の時間の使い方 主要31か国(緑色)と日本(赤)の比較あり。⇒他人の業務計画については極端に低い。
○自己研鑽意欲を抑制している要因→•自律的キャリア形成の機会が与えられていない。– 自分のしたい仕事ができない。⇒ 仕事が面白くない。  • 職が標準化されていない。⇒キャリア志望を明確にし、それに必要なスキルを把握することが難しい。  • 中間管理職が部下のキャリア形成に主体的に関わらない。⇒上司自体が自分のキャリア形成に取り組んだことがない

≪必要な労働市場改革≫
○何が変化したのか↓

• オペレーションの効率性を求めるキャッチアップモデルの終焉と業務へのICT技術の導入を通じて、企業特殊的人的資本の価値が低下⇒企業特殊的人的資本の蓄積に貢献してきた制度や仕組みが経済合理性を失う(集権的人事、年功的処遇、遅い昇進など)。
• グローバル化や新しいデジタル技術の進展により、国境や事業領域間の迅速な資源配分能力の向上が求められるように⇒職能ごとの集権化(CXOの必要性)。従業員のリスキリング。
○伝統的日本企業の構造的問題↓
• 年功的処遇や遅い昇進など経済合理性を失った制度や仕組みを温存⇒若い社員のエンゲージメント低下、経営人材育成の遅れ、 役職を目標にしたシニアマネジメントの学ぶ意欲が低い。  • 職やスキルが標準化されておらず、キャリアも体系化されていない⇒育成計画やキャリア志望が立てにくい。 外部人材仲介機能におけるマッチング効率低い。
• CHROの役割を持つ役員が不在⇒事業戦略と育成計画がリンクしていない。
• 集権的人事が投資意欲を抑制⇒人材育成の予算権限が現場に与えられていない。 自分でキャリアを形成できない。 中間管理職の部下育成力が弱い。

○必要な労働市場改革↓

• 競争的な労働市場の確立(育成投資における競争、非効率な制度を 排除)⇒職とスキルの標準化、日本版O‐NETの内容充実で共通言語を提供する 。 解雇の金銭保証ルール + 非正規の正規化(雇止めの非合法化)。
• 人的資本投資内容を盛り込んだ関係的契約の形成を図る⇒経営陣のコミットメントを明確に(コーポレートガバナンスコード)。人的資本情報の開示義務化⇒求職者が比較しやすいようにする。
• 人的資本投資のコストを下げる⇒ 安価な学習プラットフォームの整備支援
•分権的人事を促す法整備⇒キャリア形成上合理性を持たない異動命令への拒否権を認める。


◎資料2 「テレワークとエンゲージメントをもとに新しい働き方を構想・展望する視点を得る:分化と統合の枠組みを切り口に」 (伊達構成員提出資料)
≪はじめに≫
○自分のことと会社のことを簡単に紹介する
→株式会社ビジネスリサーチラボ 代表取締役  理論と実践の知見を背景にデータ分析に関連するサービスを提供
○本報告の概要 テレワークとエンゲージメントを通じて新しい働き方 を展望する→効果と副作用、魅力と限界の両面を検討することで 新しい働き方を構想・展望するための枠組みを考える
1.テレワークの光と影
○テレワークの研究
→テレワークとは・・・ 労働時間の一部を、従来の職場の外で働き テクノロジーを使って職場メンバーとコミュニケーションすること
○ポジティブな影響→メタ分析によれば、テレワークはポジティブな効果をもたらすことが分かっている⇒ • 仕事の進め方・目標などの裁量が大きい(自律性) • 上司との関係が良い • 仕事と家庭の間の葛藤が低い • 会社や仕事への満足度が高い(職務満足) • 仕事のパフォーマンスが高い(主観・客観ともに) • 役割をめぐるストレスが低い など。
○好影響の背景→集中して自律的に働けることが理由⇒テレワークでは 自分のペースで集中して自律的に働けるため ポジティブな影響が出る
○ネガティブな影響→CMC(computer-mediated communication)研究のメタ分析を見ると CMCグループは対面グループと比べて⇒ • グループのパフォーマンスが低い(主観・客観ともに) • グループの満足度が低い • 意思決定に時間がかかる・・・。また、コロナ禍の個別研究を見ると、テレワークしているほど • イキイキと仕事に取り組んでいない(ワーク・エンゲイジメント) • 離職したい気持ちが強い(離職意思) • 情緒的に消耗している(バーンアウト)
○悪影響の背景→テレワークでは コミュニケーションの質と量が低下するため、 ネガティブな影響が出る
○テレワークのまとめ テレワークには光があれば影もある→自律性を下げるような監視は禁物だが 放置すると孤立につながるので、それも問題。 特に、悪影響を抑制することは重要ではないか⇒ • コミュニケーションツールの活用支援 • 面談や会議の短時間・高頻度での実施 • 孤立している労働者の発見とフォロー など

2.エンゲージメントの光と影
○エンゲージメントの興隆
→様々な要素を伴うエンゲージメントは産業界で人気
○エンゲージメントの整理→エンゲージメントは仕事と会社との関係で2つに分 けられる⇒@ 組織コミットメント→ 個人と「組織」の関係性が良好であること A ワーク・エンゲイジメント→ 個人と「仕事」の関係性が良好である。
○ポジティブな影響→エンゲージメントは2種類とも有効な結果をもたらす
○ネガティブな影響→仕事や組織にのめり込むことで悪影響が起こる⇒一方で・・・ 組織コミットメントもワーク・エンゲイジメントも、悪影響が生じ得ることが指摘されている。
○エンゲージメントのまとめ→エンゲージメントは促進すべきではあるが 副作用にも目を配らなければならない 特に、悪影響を抑制することは重要ではないか⇒ • 健康を害さないような支援、自己管理の推進 • 越境学習を通じた社外との継続的な交流 • ワークライフバランスの促進 など

3.分化と統合による整理
○整理のフレームワーク→分化と統合という概念で議論を整理・深掘する⇒整理のフレームワークとして援用するのは 経営学の古典的な概念である「分化」と「統合」。
○分化と統合への関連付け
→テレワークは分化、エンゲージメントは統合を促す。テレワーク:バラバラな場所で働くことで、個人が自分のペースで集中して自律的に働ける =「分化」を促す作用がある。 エンゲージメント:仕事に打ち込み、会社に愛着を持つことで、個人と仕事や会社との関係を近づける =「統合」を促す作用がある。
○分化と統合の状態→分化と統合の程度によって4つの状態が浮かび上 がる⇒第一象限:分化が強く統合も強い 例)個々人が自由に動きながらも、パーパスが浸透している。第二象限:分化が弱く統合が強い 例)会社がキャリアを主導し、リテンションも効いている。第三象限:分化が弱く統合も弱い 例)個々人が自律しておらず、他方で共通目標もない。第四象限:分化が強く統合が弱い 例)テレワークをしているが、エンゲージメントは低くバラバラ。
○今後の推測→環境の不確実性が高い中で 企業は今後も分化の程度を高めようとするのでは⇒分化の程度が大きくなると 統合の程度も大きくしなければならない。
○注意すべき点→@ 分化を強める際に、分化の悪影響に気をつける • テレワーク:コミュニケーションの質と量が低下 • ダイバーシティ:対立が起きたり、少数派の価値が貶められたりする。キャリア開発:独立心が高まり、離職したい気持ちが上昇 A 統合を強める際に、統合の悪影響に気をつける⇒ • エンゲージメント:仕事や会社に過剰にのめり込む • パーパス:変化を拒み、異質な意見を拒絶する。• リテンション:ポジティブな転職の可能性をなくす。B 分化と統合の 両方を強める際に、ダブルバインドに気をつける⇒ ダブルバインド:相反する要請を同時に受けて混乱する※6 ”キャリアを自由に描いてください、ただし会社主導で異動は行います” ”個々人の価値観は尊重しますが、パーパスから乖離するのは問題です” ”自律的に仕事を行ってください、とはいえ上司の指示はよく聞くように。
○分化と統合のまとめ→悪影響とダブルバインドに対応する必要がある⇒分化の悪影響や統合の悪影響 さらに分化と統合のダブルバインドに対して 職場、企業、市場、政策、法それぞれが役割分担をして気を配っていく必要があるのでは
○副作用とダブルバインドへの支援→副作用とダブルバインドにはそれぞれ様々な支援 が想定される⇒分化の副作用、統合の副作用、分化と統合のダブルバインドを支援。

◆新しい時代の働き方に関する研究会
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-roudou _558547_00021.html


次回は新たに「第1回こども未来戦略会議」からです。

第11回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料 [2023年04月28日(Fri)]
第11回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料(令和5年4月6日)
<議事次第> 1 目安制度の在り方について 2 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32519.html
◎資料 No.1 議論すべきものとして御意見を頂いた事項(再整理)
(1)中央最低賃金審議会における目安審議の在り方 ・あるべき水準 ・政府方針への配意の在り方 ・議事の公開
(2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 ・目安の位置付け ・ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む) ・発効日
(3)中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料 ・現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認 ・新規のデータ取得が不可となった参考資料の見直し ・賃金改定状況調査について


◎資料 No.2 第1回〜第 10 回全員協議会で頂いた御意見の整理 (10回のみ↓)
1.中央最低賃金審議会における目安審議の在り方
○ あるべき水準
○ 政府方針への配意の在り方
○ 議事の公開
2.地方最低賃金審議会における審議に関する事項
○ 目安の位置付け
○ ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)→・振り分け方のうち、案 13-1 と案 13-2 はそれぞれ一長一短がある。案 13-1 は、Aラ ンクの振り分けに当たって従来と同様に総合指数順を維持し、Aランクの適用労働者 数も比較的抑えられており適用労働者数のAランクへの偏重へより対応できている 点が長所である一方、案 13-2 は、これまで議論してきた、総合指数以外の適用労働 者数や直近の最低賃金額、地域の経済圏等の様々な要素が総合勘案されていることや、 現行ランクとの継続性が確保できている点が長所である。 ・新Bランクと新Cランクの振り分けに当たっては、Aランクに適用労働者数が一極集 中していた状態を是正する観点から、島根県・大分県の間で区分することが適切。
○ 発効日→・被用者保険の適用拡大は、被用者でありながら被用者保険に入れず将来低年金になる おそれのある人にとって非常に重要なもの。適用拡大や最賃の引き上げにより、 より少ない労働時間で被用者保険に加入できるようになる。手取りの減少のみ捉えて 壁と言う人もいるが、誤解をしている場合も含め、就業調整をしている人がいる。将 来に後悔することにならないように、税・社会保障制度の正確な理解の普及に取り組 んでいただきたい。
3.中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料
○ 現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認
○ 賃金改定状況調査について


◎資料 No.3 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む) 関連資料

◎資料 No.4 中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会 報告(案)
1 中央最低賃金審議会における目安審議の在り方について

(1) 最低賃金のあるべき水準→全国加重平均 1,000 円という政府が掲げてきた目標へ近づきつつある状況
(2)政府方針への配意の在り方→政府が、賃金水準あるいは最低賃金の在り方について、広く意見を 聞いて一定の方向性を示すこと自体は否定しないが、政府方針を決定する際には、 公労使がそろった会議体で、現状のデータや先行きの見通しを示すデータ等を踏 まえて、時間をかけて議論されることが望ましいとの認識で一致した。
(3)議事の公開→議論のプロセスをできるだけ 分かりやすく示すことで、審議の透明性や納得感を一層高めることも重要。 また、議事録の早期公開については、引き続き事務局において努めることが適 当である
2 地方最低賃金審議会における審議に関する事項について
(1)目安の位置付け→地方最低賃金審議会が審議を進めるに当たって全国的なバランスを配慮の観点から参考にするものとして、その必要性について異論は無かった。

(2)ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)→@目安をランクごとに示すことによって地域の実情に沿った最低賃金額の改定を望む地方最低賃金審議会の意向を反映できていることや、制度としての継 続性・安定性の観点を踏まえると、ランク制度を維持することは妥当であるこ とを改めて確認した。 A指標の見直し→ランク区分は、平成7年の見直しで、賃金動向を始めとする 諸指標を総合化した指数を各都道府県の経済実態 とみなし、それに基づき各ランクへの振り分けを行うこととした。当該諸指標は、平成 29 年の全員協議会の見直しで各都道府県の経済実 態を示す指標のうち特に最低賃金に関係が深いと考えられるものとして、所得・消費に関する指標(5指標)、給与に関する指標(9指標)、企業経営に関 する指標(5指標)の計 19 指標を選定した。今回の全員協議会⇒これらの 19 指標に基づき各ランクへの振り分けを行うことについて合意され た。 ただし、これらのうち、所得・消費に関する指標中の、消費を示す代表的な ものとして世帯支出を示す指標については、平成 29 年の全員協議会報告にお いて、1世帯1月当たりの消費支出(単身世帯)を用いたが、当該指標は調査 対象月の一部の世帯の支出の動向の影響を受けやすいことを踏まえ、数値の安 定を図るために、単身世帯のみならず2人以上世帯の結果も加えるとともに、 都道府県ごとの世帯人員の偏りの影響を除外するために、他の政府統計で用い られている手法と同様に、平均世帯人員の平方根で除した数値を用いることと する。 19 指標については、都道府県の経済実態の中期的な変化の的確な把握の必要 性、数値の安定性等に鑑み、別紙1のとおり、これまでの算出方法を踏まえな がら、原則として直近の5年間で得られた数値の平均値をとった上で、当該平 均値について最大値となる都道府県を 100 とした指数を算出して単純平均し、 東京を 100 とした総合指数を算出した結果、新しい総合指数は別紙2のとおり となった。 B新しい総合指数に基づくランク区分及び各都道府県の各ランクへの振り分け (P)
(3)発効日→ 法令上特定の日付が定められ ているわけではないが、地方最低賃金審議会において、10 月1日など 10 月ので きるだけ早い時期でなければならないと認識している場合も見受けられること に鑑み、改めて、発効日とは審議の結果で決まるものであることや、発効の時点 を規定する最低賃金法第 14 条第2項においても発効日は公労使で議論して決定 できるとされていることについて、地方最低賃金審議会の委員に周知することが 適当。 その上で、未組織労働者にも春闘における賃上げ結果を速やかに波及させると いう地域別最低賃金の改定の趣旨も踏まえ、発効日については 10 月1日にこだ わらず前倒しを含めて議論すべきであるという意見があった。一方、最近の最低 賃金の引上げは影響率が高まっていることを踏まえ、最低賃金の引上げによる賃 金改定に向けた準備のための時間を設けるために発効日に余裕を持たせ、後ろ倒 しするべきという意見があった。 さらに、税・社会保障制度自体については中央最低賃金審議会において議論す るものではないが、税・社会保障制度の正確な理解の普及が重要であるという意見があるとともに、最低賃金額が上昇したにもかかわらず、税・社会保障制度上 のいわゆる「年収の壁」を踏まえて就業調整が行われること、中には労働者の実 質的な所得が向上しない事例も一部生じていることについて、公労使それぞれが 重要な問題であるとの認識を示した。 発効日との関係では、特に使用者側委員からは、10 月から最低賃金額が改定さ れ、年末の繁忙期に就業調整が行われて人手不足が生じている現状に鑑み、これ を避けるためにも、例えば発効日を年明け以降に後ろ倒しすべきという意見があ った。一方、労働者側委員からは、いわゆる「年収の壁」を踏まえて就業調整が 行われていることを理由に最低賃金の引上げが阻害されることはあってはなら ないこと、また、発効日については、労使ともに年末の繁忙期の働き方の計画を 立てやすくするためにも、10 月1日より早く改定後の最低賃金額を発効させる べきとの意見があった。 また、地方最低賃金審議会で十分に議論を尽くした上で準備期間を設けること ができるよう、中央最低賃金審議会としても配慮することが必要である。

3 中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料について
(1)現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認、新規のデータ取得が 不可となった参考資料の見直し等
(2)賃金改定状況調査について
(3)その他参考資料の在り方について

4 今後の見直しについて→目安制度の在り方⇒平成7年の全員協議会報告において、今後概ね5 年ごとに見直しを行うことが適当であるとされている。次回の目安制 度の在り方に関する見直しの際には、平成7年の全員協議会報告に復して概ね5年 ごとに見直しを行い、令和 10 年度(2028 年度)を目途に、当該見直しの結果に基 づいて目安審議を行うことが適当である。
○(別紙1)ランク区分の見直しの基礎とした諸指標の状況→@〜Rまで。
○(別紙2) 諸指標による都道府県の総合指数

◎参考資料 No.1 中央最低賃金審議会委員名簿
→(公益委員)6名。(労働者側委員)6名。(使用者側委員)6名。

◆中央最低賃金審議会(目安制度の在り方に関する全員協議会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127940.html

次回は新たに「新しい時代の働き方に関する研究会 第3回資料」からです。

令和5年第3回経済財政諮問会議 [2023年04月27日(Thu)]
令和5年第3回経済財政諮問会議(令和5年3月30日)
≪議事≫ 特別セッション(成長と分配の好循環の実現)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0330/agenda.html
◎資料3 成長と分配の好循環の実現(マルティン・シュルツ氏提出資料)
○成長と分配の好循環の実現 - 新しい資本主義
・「新しい資本主義」の何が新しいのか?→成長の好循環のビジョンは、GDP の成長から持続可能な所得の創出に移行。

・米国の「モダン・サプライサイド・エコノミクス」やEUの「グリーン・ディール」の先を目指して→持続可能な変革には、投資の先にある社会資本の構築に よって、成長の質を向上させる必要があります。
・家族の幸福と持続可能な成長が重要な要素に→若い経済は、若い世代の「アニマルスピリッツ」を土台に、創造的破壊と構造改革で成長を支えること ができます。成熟した経済は、成長の質を向上させ、ライフサイクル全体で持続可能な視点を提供す る必要があります。まず、若年世帯が子育てとキャリア形成を両立できることが必要です。成長のた めには、配偶者の所得が機会均等に成長する必要があります。退職後も生産的でアクティブである には、生涯学習の機会と生産的な政府サービスが鍵となります。持続可能な成長政策は、成熟した 経済のライフサイクル全体をサポートします

○新しい資本主義 - 政府および 市場経済 –→政府政策⇒GDP 市場経済成長から家計所得(ウエルビーイング)にシフト。
・成長経済 (資本主義)→GDP成長のサポート⇒成熟経済では、構造改革を非効率なマクロ政策に置き換える傾向があり、その結果、公的債務が増大。成長のためには、グローバル化、イノベーション、技術分散がよ り重要になる
・成熟経済 (新しい資本主義)→高齢化社会では生産性と技術の導入が鈍化し所得分配が乖離し行政サービス、レジリエンス、持続可能性がより重要になる⇒政府は、高齢化する労働力に合せた能力開発により、持続可能な 所得成長を支援。 持続可能性、若い家族への支援、革新的なデジタルサービスで成 長の質を向上させる。
○成熟した経済への挑戦-異なる所得の成長
・GDP成長 vs 家計所得→富の集中や企業投資の低迷、社会サービスの不透明化 によって、家計に分配されない経済の割合が高くなる。 →高齢世帯の所得創出能力の支援、未利用資産の共有、 付加価値の高い社会サービスの提供などが必要。
・世帯収入、共稼ぎ 男女共同参画 (1,000円)→女性の労働収入の増加は、世帯収入を増やす上で最も重要、達成可能な方法。ジェンダー による相対的所得平等 (スウェーデンと同様)な場合、 世帯収入が200万円以上増やせる。世帯収入が800 万円超では、子ども数も1人以上であり、少子化対策 にもつながる


◎資料4 成長と分配の好循環の実現に向けた施策の検討(滝澤美帆氏提出資料)
○賃金と生産性→実質賃金の変化は労働の生産性と労働の分配率の変化・その他要因で。
○労働分配率の変化(B)→付加価値で決まる。付加価値は人件費・営業と純益・その他で。
○成長と分配の好循環の実現に向けて→労働生産性、インフラ整備など政府の積極的関与が必要。


◎資料5 成長と分配の好循環の実現 〜企業部門の過剰貯蓄是正が必要〜(永濱利廣氏提出資料) ↓
1.成長と分配の好循環のメルクマール 〜問題は企業の過剰貯蓄と低い労働分配率

・企業の資⾦過不⾜国際⽐較 〜⽇本の異常な過剰貯蓄で⻑期停滞〜
・労働分配率の国際⽐較 〜⽇本は構造的に低⽔準〜
2.30年ぶり賃上げを持続可能とするために 〜海外の給料は「上がる」ものではなく「上げる」もの〜
・主要国の失業率と賃⾦上昇率 (2010〜2020年平均)〜転職者への所得税優遇も効果的か〜
・理由別⾮正規職員(2022年) 〜⼥性正規化は週休四⽇制推進が効果的か〜
3.効果的な対内直接投資増と生産国内回帰 〜TSMC誘致で進む賃上げと人材育成〜
・G7の対内直接投資残⾼/GDP 〜2030年倍増(12 %)達成でも最下位〜
・ドル円と海外⽣産⽐率 〜アベノミクス以降ピークアウトする 海外⽣産⽐率〜

◎資料6 「新しい資本主義」に関するコメント(仲田泰祐氏提出資料)
○ポリシーミックス→経済成長率=潜在成長率+短期・中期ショックによる景気変動⇒財政政策:潜在成長率の押し上げ
、Automatic Stabilizerを通し た景気変動対応(特に金利下方制約下において)。金融政策:景気変動対応(金融政策も潜在成長率とは全く無関係ではないことには留意)。
○「新しい資本主義」→1.潜在成長率を上げる試み 2.社会として望ましい価値観を促進する試み( この二つは必ずしも同一でないが必ずしも相互排他的でもない)↓
○「新しい資本主義」↓
・Modern Supply Side Economicsとの共通点
減税と規制緩和による成長を目指したSupply Side Economicsと 違い、Modern Supply Side Economicsは財政支出を用いて労働 供給・労働生産性の向上を通した成長、所得格差縮小、環境保 護を目指す。 「新しい資本主義」で強調されているいくつかの項目(人的投資、 スタートアップ加速、GX投資)はModern Supply Side Economics で強調されている項目と整合的 。「新しい資本主義」はModern Supply Side Economicsよりも多くの Agendaに触れており、より総合的。  Modern Supply Side Economicsに対する批判は「新しい資本主 義」にも当てはまり得る。実際に打たれる政策が意図した効果を生み出さない可能性。政府の投資が民間の投資よりもリターンが低い可能性。Gramm and Solon (2022): https://www.aei.org/op‐eds/the‐folly‐of‐modern‐supply‐side‐economics/ 。こういった批判は「新しい資本主義」に限らず財政政策全般に当てはまり得る。
・「新しい資本主義」 の社会的インパクトを最大化するためには…→具体的な施策一つ一つにどのような効果が期待されるかを提示。 具体的な施策一つ一つの事後検証。期待されていた効果が実際にあったか。可能な限り因果的効果を検証することが理想。検証結果によって政策を臨機応変に調整。効果の小さい政策に関しては縮小・撤廃を検討。効果の大きい政策は継続・拡大を検討。


◎資料7 持続的な成長と分配のためのマクロ経済政策(清滝信宏氏提出資料)
○新しい資本主義の経済的な意義
→ 市場経済は充実した社会資本により国⺠⽣活に安定と幸福をもたらす 企業や個⼈の私的利益の追求は、公共の利益に貢献してこそ正当化され 持続する。
社会資本には、制度資本、公共資本、⾃然資本がある。 教育と医療は最も⼤事な制度資本 公共資本は拡⼤より維持が重要 どのように社会資本を充実させるかは、歴史的背景と国⺠の選択に依存。
○持続的な成⻑と分配のためには教育と技能の蓄積が重要→すべての⼦供が良質の基礎教育を受けることは、⾼等教育や成⼈教育の⽀援より、 ⽣活⽔準の持続的向上に結びつく。 転職が⼀般化するなか、企業は終⾝雇⽤に基づかない新たな技能の蓄積のシステ ムを模索すべき。
技能の蓄積は、⺠間の主導で⾏うのが効率的 分配で⼀番⼤切なのは弱者を保護することで、富裕層∙中間層の間の再配分では ない 幼児に良質な医療と教育を提供する → 少⼦⾼齢化対策としても有効 ⽼齢者に介護と年⾦を通じてセイフティネットを提供す
○⽇本の実情に応じた政策で成⻑と分配を持続させる
⽇本の企業や⼈が海外に進出するとともに、海外の企業や⼈が⽇本 に来ることが必要
。 バイデン流の環境改善のための公共投資や補助⾦政策は、相対的に経 済規模の⼩さい⽇本では⾮効率。 政府は基礎研究を助成するとともに、炭素税を通じて地球環境の持続 に貢献する

◎配付資料1 経済・財政一体改革推進委員会 委員名簿(案)→12名

次回は新たに「第11回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料」からです。

令和5年第3回経済財政諮問会議 [2023年04月26日(Wed)]
令和5年第3回経済財政諮問会議(令和5年3月30日)
≪議事≫ 特別セッション(成長と分配の好循環の実現)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2023/0330/agenda.html
◎資料1 参考資料(成長と分配の好循環)(柳川議員提出資料)
○特別セッション・ヒアリングを踏まえた 「成長と分配の好循環の実現」の論点@A
1.「新しい資本主義」の経済学的意義↓
・「安定的なマクロ経済運営の下、経済政策を効果的に活用、政府が供給サイドに働きかけ、民間投資を喚起する取組が重要視」されてきている (参考1)。その背景として、人への投資、GX、経済安全保障など、外部効果が大きく、過少投資となりやすい分野が、今後の成長のカギとなっていることがあげられる。
・G7サミット⇒GXや経済安全保障など各国が共通して直面する課題を軸に、政府が供 給サイドに働きかける「新しい資本主義」の重要性とこうした取組への国際連携の必要性を訴え、G7間での政策協調を進める契機にすべき。
・我が国は、適切なポリシーミックスの下、これまでの需要創出策から転換し、こうした分野にリソースを集中していくべき。また、施策の手段は、最も効果的かつ持続的に成 果が上げられるよう、補助金(歳出)だけでなく、税制、規制改革等の手段を適切に組み合 わせるべき。
・施策の実施⇒ワイズスペンディング等適切な施策を実現するため事前のイン パクト評価(EBPM)、事後の検証とその結果に基づく臨機応変な政策調整(PDCA)を徹底すべき。

2.「成長と分配の好循環の実現」の着実な推進に向けて
・成長と分配の好循環の実現→成長の果実が賃金・所得として幅広く国民に還元されると ともに、社会課題の解決を通じた包摂的成長(Inclusive Growth)の実現により、国民生活の安心・安定を高め、好循環の持続性を高めていくことが重要。⇒人への投資が特に重要。ただしリスキリングなどの教育訓練分野のみならず、転職円滑化、働き方や雇用慣行改革など包括的な教育・労働市場改革を粘り強く進 める必要。
・こうした観点から、「成長と分配の好循環」の総合的な進捗状況について、従来のGDP、 雇用・物価などマクロ経済の動きのみならず、成長・分配の両面から、多面的な経済主体の 動きを定期的に確認してはどうか。

・まずは、好循環の進捗を、以下のようないくつかの指標で量的・質的観点からチェックし、その結果を施策にフィードバックすることで、好循環を持続・拡大すべき(参考2)。
(成長) ↓
一人当たり実質GDP→成長について、人口増減要因を省いた効果を確認
ウェルビーイング→経済社会の質を示す
(分配) ↓
賃金・雇用者への分配を見ることで一人当たり実質GDP成長率や労働生産性変化と比較。 中間層の所得割合→所得分布の偏り(格差)を評価


○(参考1−1)「新しい資本主義」の経済学的意義に関連する米欧識者コメント
・新しいサプライサイド経済学の考え方→国の潜在成長力は労働力の規模、その生産性、 資源の再生可能性、政治体制の安定性に依存。 新しいサプライサイド経済学は、格差や環境へのダメージを軽減しながら労働供給を高め、生産 性を向上させることによって経済成長を引き上 げていく。本質的に、持続不可能な高成長の達成 に焦点を当てるのではなく、代わりに包摂的でグリーンな成長を求めていく。(イェレン財務長官ダボス会議スピーチ)
・生産能力投資・政府の重要性→経済の長期的な生産能力は、労働力の成長・熟練、質の高い物的インフラ、生産プロセスの効率性などの要因に依存⇒経済能力の向上に投資することで、中長期的に多くの需要に対応できるようになし、経済ショックに対する耐性を強化、インフレリスクを最小化することができる。   民間セクターと異なり公的セクターは(市場全 体が効率化するような)経済全体を考慮した投資 を行うようデザインされている⇒更に、民間 セクターが低投資に陥った場合、公的セクターは人的・物的資本への投資に踏み出しうる。(2023年米国大統領経済報告)
・投資における政府の重要性→財政政策は金融政策より強力なマクロ安定化装置であるのみならず、政府は資本を配分する金融システムから分かれているただ一つの存在。 もし我々が純粋な金融の論理から形作られるだけの技術やインフラ投資を望まないのであれば、 ミッション指向型の・・・公的投資戦略の必要性は避 けられない。(ロバート・スキデルスキー(英 ウォーリック大学名誉教授))
・新自由主義に代わりうる 新たな経済政策パラダイム→政治的な立場の左右を問わず、新自由主義に とって代わりうる新たな経済政策のパラダイムが 現れている。新たなフレームワークは政府や地方 組織に、良質な仕事、気候変動、より安定的で強 靭な社会を維持する更に大きな責任を求め、現在 のパラダイムよりも市場や大企業により懐疑的である。 (ダニ・ロドリック(ハーバード大学教授)

○(参考1−2)主要先進国の経済財政政策→日本、米国、EU、ドイツ、英国による「直面する主な課題」「主な政策対応」の一覧に。

○(参考2−1)成長と分配の好循環をマクロで確認する指標→【成長】一人当たり実質GDP、【分配】一人当たり賃金の推移→一人当たりでみた実質成長率は、安定的に1%程度で推移し、各国と同程度で推移。 一人当たり実質賃金の伸び⇒日本では実質成長率を大きく下回るが、各国では実質成長率と近い伸び。名目賃 金では、日本では実質成長率も下回るが、各国は成長率を上回る。

○(参考2−2)成長と分配の質を確認する指標↓
【成長】ウェルビーイング(生活満足度等)、【分配】分厚い中間層(中間所得層の構成割合や中位所得の推移)→一人当たり実質GDPと主観的ウェルビーイング指標は正の関係。日本は幸福度が相対的に低い。 日本は中間所得層の所得の占める割合が他国より高い。但し近年、日本の中位所得は低下している。


○(補足資料1)特別セッション・ヒアリングにおける主な御意見@ 「新しい資本主義」の経済学的な意義と今後強化していくべき分野 ↓
(「新しい資本主義」の経済学的意義)
→・過去のサプライサイド政策は、小さな政府・市場による経済活性化。他方、減税や市場任せでなく政府が 一定の役割を果たすことが「モダン」の意義。政府が戦略を持って将来の成長に向けた取組を進めるべき。 ・新しい資本主義は、社会的に望ましい価値を促進しながら、潜在成長率を引き上げる試み。MSSEよりも、スタートアップやGX等の政策アジェンダは総合的。 ・米国モデルは、古典的産業政策であり多額の資金が必要。財政的な余裕がない日欧では、民間資金を上手く統合すべき。新しい資本主義の特徴は、GDPから所得にフォーカスしていること。 ・我が国の状況は米国より欧州に近く、欧州のSocial Capitalismの方が近いのではないか。
(今後強化すべき分野・取組)→・企業の異常な過剰貯蓄を、政府が明確な方向を示しながら呼び水となって、将来の課題解決や成長に資する投資に誘発させることが最大のポイント。 ・これまでの需給ギャップをどう埋めるかという議論からサプライサイドに政策目標をシフトして、生産性 向上や技術革新、スタートアップ増加、労働参加率上昇などを目標とすべき。 ・持続的成長のためには、技術進歩と無形資産の蓄積が効果的であり、無形資産の中では人が身に付けた技 能が一番重要。 ・規制緩和により、スタートアップやIT事業者・異業種などの新たな担い手からの新規参入を促し、新規 性のあるイノベーションを発生させ、生産性を向上させるべき。 ・人への投資や社会資本のマネジメントは、市場任せでは上手くいかない。新しい資本主義の特性は、人への 投資。中小企業における人への投資の促進や個人ごとに異なるニーズへの対応を考えるべき。 ・バイデン流の環境改善のための公共投資や補助金政策は、相対的に経済規模の小さい日本では非効率であり、炭素税の導入が効果的。 ・具体的施策の期待される効果を提示するとともに、事後に施策の費用対効果を検証すべき。

○(補足資料1)特別セッション・ヒアリングにおける主な御意見➁ 「成長と分配の好循環」の実現に向けた方策
(「人への投資」のための取組)
→・成長と分配の好循環の実現には、賃金の上昇が必要。名目・実質賃金、労働生産性、労働分配率、労働参 加率などを政策運営中でチェックしていくべき。 ・成長と分配の好循環の実現に必要で重要な要素は、配偶者や高齢世帯などへのリスキリングと就労促進によ る家計所得の向上。日本には、男女格差是正やデジタル活用、高齢社会への対応に潜在力あり。 ・政府が、基礎研究への助成に加え、幼児教育を中心に良質な基礎教育を全ての子供に提供することが重要。 ・転職が一般化する中で、終身雇用に基づかない新たな技能の蓄積のシステムを模索すべき。 ・生産性の高い企業への労働者の移動の円滑化や転職者への思い切った支援により、労働市場の流動化を進め、労働分配率や生産性の高い企業のシェアを向上させるべき。 ・都合の良い時間に働ける正社員の枠を思い切って拡大させることで、女性や非正規労働者の賃金を向上さ せるべき。・サービス産業の労働生産性を向上させるためには、有形資産投資を増やすことで資本装備率を上げること や、正規労働者・非正規労働者の差がない形で人への投資の支援を受けられるようにすることが必要。
(成長力強化に向けた取組)→・高齢化が進む中でマクロの資金余剰は縮小することが予想される。対内直接投資が海外直接投資に比べて 少ないこともデフレ要因。 ・重要物資の生産拠点の空洞化への対応が重要。生産拠点の国内回帰や対内直接投資の促進に加え、エネルギーの自給率向上や、規制緩和による一次産業の生産性向上を通じた自給率向上を進めるべき。 ・政府は古典的な中小企業支援政策から移行し、高い技術を有する中堅・中小企業の設備投資や研究開発投資、輸出の促進を支援するなど、成長企業支援にフォーカスした政策を積極的に導入すべき。 ・ベンチャー等の増加には、資金支援だけでなく、セーフティネットの充実にも取り組むべき。

○(補足資料2)成長と分配の好循環を確認する指標→「名目・実質賃金、労働生産性、労働分配率、労働参加率などを政策運営中でチェックしていくべき。」 ⇒成長と分配の両面について、その量と質を確認
【成長面】の「指標」と「 指標の示す意味・検証のポイント」、その根拠の「 統計」あり。
【分配面】も「指標」と「 指標の示す意味・検証のポイント」、その根拠の「 統計」あり。


◎資料2 成長と分配の好循環の実現に向けたマクロ経済運営の在り方 ― モダン・サプライサイド・エコノミクス(MSSE)の考え方(福田慎一氏提出資料)
○モダン・サプライサイド・エコノミクス(MSSE)の重要性
ー⽶国イエレン財務⻑官が中⼼に進めているバイデン政権の成⻑戦略
• MSSE=現代版の供給重視経済学: 経済成⻑の実現に向けて、⼈的資本 の蓄積、インフラの整備、研究開発 の促進、環境対策の推進などを優先 • 「新しい資本主義」とも多くの点で 共通した考え⽅ • かつての供給重視経済学=サプライ サイド・エコノミクス(SSE)とは ⼤きく異なる! • SSE=新⾃由主義:⼩さな政府、減 税や規制緩和で⺠間投資を喚起 • 例. レーガノミクス、サッチャーの 経済政策 • MSSE:潜在成⻑率を中⻑期的に押 し上げるには、それを⽀える政府の 役割も重要
• なぜいまMSSEなのか? • かつてはなかった新しい課題の出現:GX、 DX,、格差問題 • GXやDXによる産業の育成や、有能な労働⼒ の確保は、今後の成⻑のエンジン。 政府の役割:「市場の失敗」を解決 • GX:地球温暖化は市場の失敗(外部不経済、 共有地の悲劇) ⇒ ⾃由競争では脱炭素化は実現できない • DX: ネットワークの外部性、情報の利活⽤ ⇒ 政府による共通基盤・制度整備 • 格差問題:オートメーション化、デジタル化、 AI の出現 ⇒ さまざまな労働の価値を低める ⇒ ⼈的資本を⾼めるための再教育の必要性

○⽇本の特殊事情:きわめて厳しい財政事情の中でのMSSE
• ⽇本の政府債務 • 数字上わが国の現状はきわめて深刻。 • 巨額な政府債務は、成⻑にマイナスであ るだけでなく、世代間の格差を拡⼤
• MSSE • 潜在成⻑率を中⻑期的に押し上げるため の政府⽀出の重要性 • ⽀出を⼀律に削減する緊縮財政は好ましくない。 • ⺠間の投資や労働供給を誘発する政府⽀ 出は必要。 • 脱炭素化ための補助⾦ • 少⼦化の流れに⻭⽌めをかけるための対 策も不可⽋。 ⇒ きわめて厳しい財政事情の中でMSSEの 考え⽅をどのように実現していくか?
• 賢い財政⽀出(ワイズ・スペンディング) • 政策⽬標を明確にし、効果が確認された⽀ 出のみを実施すべき。 • 実現は難しいがやるしかない! • 財源 • まずは費⽤対効果が⼩さい歳出を削減。 • 社会保障関係費の抑制も避けられない。 • しかし、わが国の政府債務は、それだけで は到底解消できない規模。 • 今後起こりうる危機に備え、平時のうちに 財政の健全化が必要。 • 増税や社会保険料の引き上げの道筋を⽰す ことは、危機を未然に防ぐと同時に、将来 世代の負担軽減という点から不可避。 • 炭素税によるGX経済移⾏債の償還財源

○MSSEは財政⾚字を容認する理論ではない! マクロ経済学における2つの考え⽅↓
•⻑期の経済成⻑:供給サイドの経済学 • インフラ投資、⼦育て・教育・温暖化対策 ⇒ 政府の役割が重要! • 潜在成⻑率を中⻑期的に押し上げ • 政府債務拡⼤は限定的 • 短期の景気対策:需要サイドの経済学=ケ インズ経済学のアプローチ • 不況期に、需要不⾜を補うため、財政⽀出 の拡⼤や⾦融緩和が必要 • 景気が回復した場合には、過去の政府債務 を償還し、⾦融緩和もやめることが重要 • しかし、景気回復後の債務償還が不⼗分に なる傾向 • ⽇銀の異次元の⾦融緩和も、政府債務拡⼤ につながりやすい ⇒中⻑期的な成⻑にはむしろマイナス
• MSSEを理由に、政府債務を過度に拡⼤すること は避けるべき! • MSSEでも、市場経済における競争がイノベー ションの源泉 • 政府の役割は、「市場の失敗」を是正すること に限定すべき。 • 政府による市場への過度の介⼊は、成⻑にはマ イナス • かつてのSSE(=新⾃由主義)が主張した「規制緩和」は依然として重要 • 「市場」ができることは、「市場」に任せるこ とが重要 • 市場メカニズムは、本源的には効率的 • 政府の機能は、市場を補完することに限定 • 効果が確認された政府⽀出のみを実施 • 市場と政府による最適なポリシーミックス。

次回も続き「資料3 成長と分配の好循環の実現(マルティン・シュルツ氏提出資料)」からです。

第10回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料 [2023年04月25日(Tue)]
第10回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料(令和5年3月30日)
< 議 事 次 第 > 1 目安制度の在り方について 2 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32368.html
◎資料 No.1 議論すべきものとして御意見を頂いた事項(再整理)
(1)中央最低賃金審議会における目安審議の在り方→ ・あるべき水準。・政府方針への配意の在り方。 ・議事の公開
(2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項→ ・目安の位置付け ・ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む) ・発効日
(3)中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料→・現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認。・新規のデータ取得が不可となった参考資料の見直し。・賃金改定状況調査について

◎資料 No.2 第1回〜第9回全員協議会で頂いた御意見の整理
1.中央最低賃金審議会における目安審議の在り方
○ あるべき水準
→ ・ランク間の配分の在り方を検討する上でも絶対額を重視した議論が重要であることや、 経営に当たっての予見性の確保が重要であることから、最低賃金法の目的や諸外国の 状況などを参考に、ナショナルミニマムとしてふさわしい水準はいかにあるべきかの 議論を行うべき。 ・労使で目標水準を議論した上で、最低賃金決定の3要素を踏まえて、到達の年数、引上げ額を議論することが重要。 ・政府が、中央と地方の最低賃金審議会における審議を重視し、毎年の最低賃金額は審 議会での審議・答申を踏まえて決定されることを明確にした上で、経済の好循環を促 すために、政府方針として中長期的に最低賃金が目指すべき水準を示すことはあり得 るものと考える。政府と審議会との関係を引き続きしっかりと維持していただくこと が非常に重要。 ・全国加重平均 1,000 円という政府が掲げてきた目標へ近づきつつある状況を踏まえ、 あるべき水準についても労使で議論を深めていく必要。 ・全国加重平均の金額を目標として掲げることは、適用労働者の多いAランクの引上げ に依存せざるを得ず、結果として地域間格差が生じることになることに留意が必要。 ・諸外国の最低賃金と比べて、日本の全国加重平均額が低いという指摘があるが、各国 と適用労働者の範囲や減額措置の手続きが異なることも踏まえた上で、あるべき水準 を検討することが必要。 ・最低賃金の額だけを諸外国と比べて論ずることはできないが、中央値に対する最低賃 金の比率等を見れば、国際的に低い事実は明らか。この事実を受け止めた上で、どう いった水準を目指すかは労使で議論しておくべき。 ・金額で示すのか日本語で示すのかということは議論の余地があるが、持続的かつ安定 的に最低賃金を引き上げるために、あるべき水準を労使で合意した上で設定すること が必要。毎年の審議⇒その目標を意識しながら3要素を踏まえてどの程度引き上 げるかという議論が建設的ではないか。経営の予見可能性という観点からも有益ではないか。 ・あるべき水準の設定に当たっては、公労使がそろった審議会の場で定めていくことが 必要ではないか。少なくとも、当事者である労使がいない場で、賃金の目標が定めら れることは適当ではない。 ・全国加重平均 1,000 円を達成した後も、更に高い額が提示され続けると、経営者にと っては、先が見えず難しい。使用者側としては水準を決めることについて慎重になら ざるを得ないが、引き続き審議は続けていきたい。 ・あるべき水準を定めると、法に定める3要素のほかにもう1つ要素が増えることにな る。また、この先の経済や雇用の情勢の予見可能性が必ずしも高い状況ではない中で、 毎年の審議会での自由闊達な審議を縛るという判断は困難ではないか。

○ 政府方針への配意の在り方→9意見あり。 ・政府方針に沿った形で議論することも一つの方法かもしれないが、中央最低賃金審議 会で検討するのであれば、時々の事情は外して、データを根拠に算出した、今まで以 上に納得できるような数字に基づいて、労使で議論する必要。

○ 議事の公開→7意見あり。 ・審議の公開について検討することはやぶさかではないが、公開の範囲や時期については、地方最低賃金審議会の現状などを整理し、地方最低賃金審議会の意見も聞いた上 で、丁寧に進める必要。 ・公労使三者が揃った場に限って公開することについては差し支えない。 ・現状を整理した上で、公開の範囲や地方最低賃金審議会との関係をどう考えるかという点も含めて検討していきたい。 ・公開の範囲やタイミングについては、地方最低賃金審議会への影響を加味した議論が必要であり、タイミングは、令和5年度の審議からとするのが適当ではないか。

2.地方最低賃金審議会における審議に関する事項
○ 目安の位置付け→4意見あり。 ・目安は、地方最低賃金審議会の審議において参考にするものであり、審議決定を拘束 するものではないということを改めて確認したい。

○ ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)→31意見あり。 ・ランクを4つに分けて、原則 A が最も高く、B,C,D の順位低くなる目安額を出すとい う構造自体が、地域間の最賃額の差を拡大させてきた一因であり、額差是正の第一歩 として、まず4ランクを3ランクに減らすべきではないか。
・3ランクとする場合に A ランクの地域数を絞る振り分け方を採ると、A ランクがこれ まで増えてきた経緯を踏まえ変化が非常に大きいものとなり、また、格差が広がって しまう印象を与えかねない。新しいランク数へのスムーズな移行のためにも、A ラン クの地域数は改めて検討すべき。 ・現在の A ランクの適用労働者数、地域数もある程度意識しながら、A ランクと B ラン クの適用労働者数は、同等か少しでも B ランクが多い状況となるように振り分けるこ とも考えられるのではないか。

○ 発効日→11意見あり。・最近の最低賃金の引上げは、影響率が高まっているため、最低賃金の引上げにより給 与を見直すべき労働者数や賃金改定をしなければならない中小企業の数が増えてい る。このため、もう少し発効日に余裕を持たせていただけると、中小企業としては実 務的にありがたい。 ・地方で十分に審議を尽くした上で準備期間を持たせるという意味では、中賃で早めに 目安審議をはじめることのほうが大事なのではないか。 ・審議の結果としての発効日であって、10 月1日の発効日ありきの審議ではないという ことを、正確にご理解いただいたうえで議論したい。

3.中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料
○ 現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認
→9意見あり。 ・コロナ禍で特定業種の雇用に大きな影響が出ている点について、どう考えるのか検討するべき。 ・今後の最低賃金審議に当たって、より的確に、かつ速やかに実態を把握するために、 どういうデータを参照し重視すべきか、しっかり検討すべき。 ・デジタル化の進展、あるいはビッグデータの活用といったものが進んでいく中で、こ れまでの統計資料データに留まらず、より的確かつタイムリー、更には簡便かつ正確 に雇用や賃金の実態を捉えるデータの収集・活用について検討すべき。
○ 賃金改定状況調査について→6意見あり。 ・法で定める3要素を総合的に示している賃金改定状況調査を重視した協議を基本とするべき。 ・賃金改定状況調査は重要な参考資料の1つではあるが、これだけをもって目安を決め るものではない。労使間で位置付けに大きな隔たりがあり、位置付け及び数字の解釈 について意識合わせをする必要がある。


◎資料 No.3 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む) 関連資料
○ランクの振り分けについて(案)
【4ランクの場合】→案1〜案5まで⇒諸指標による都道府県の総合指数(4ランク)
【3ランクの場合】→案6〜案13まで⇒諸指標による都道府県の総合指数(3ランク@)、諸指標による都道府県の総合指数(3ランクA)、諸指標による都道府県の総合指数(3ランクB)。
○各振り分け案の比較
・「都道府県数」「適用労働者数比率」「総合指数」「令和4年度最低賃金額」項目に分けて現行、「案1〜案13−2」までの比較。


◎資料 No.4 中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会 報告(案)
1 中央最低賃金審議会における目安審議の在り方について
(1)最低賃金のあるべき水準
→ナショナルミニマムとしての水準を議論すべきとの意見や、全国加重平均 1,000 円という政府が掲げてきた目標へ近づきつつある状況を踏まえ、最低賃金 のあるべき水準についても労使で議論を深めていく必要がある等の意見を踏ま え、検討を行った。 議論の中では、持続的かつ安定的に最低賃金を引き上げるために、少なくとも 賃金決定の当事者である労使がいる場において、労使で合意した上であるべき水 準を設定し、毎年の目安審議ではその目標を意識しながら、最低賃金法(昭和 34 年法律第 137 号)第9条第2項の3要素を踏まえた引上げ額を議論することが建 設的ではないかとの意見があった。一方、政府から全国加重平均 1,000 円より更 に高い目標額が提示され続けると、経営者としては先が見えずに非常に厳しいと いう意見があった。また、あるべき水準を定めた場合には、経済や雇用の情勢の 予見可能性が必ずしも高い状況ではない中で、毎年の審議会での3要素のデータ に基づく自由闊達な審議を縛ることになるのではないかという意見もあった。 このように、あるべき水準を定めること及び定める場合の水準については、意見の一致に至らなかったが、引き続き労使で議論することが適当であるとの結論 に至った。なお、あるべき水準の検討に当たり、諸外国における最低賃金の金額 資料 No.4 2 及び目標水準やその決め方との比較をすることも考えられるが、その際には、各 国と適用労働者の範囲や減額措置の内容が大きく異なることも踏まえることが 必要であるという意見があった。
(2)政府方針への配意の在り方→近年の目安審議は、@法の原則(最低賃金法第9条に定める地域別最低賃金の 原則をいう。)、A目安制度(これまでの全員協議会において合意を得た目安制度 の在り方及び賃金改定状況調査等参考資料等を総称する。)を基にするとともに、 それらの趣旨や経緯を踏まえ、B時々の事情(時々の目安審議で中央最低賃金審 議会目安に関する小委員会が踏まえた事情を総称する。)を総合的に勘案して行 われている。この時々の事情に含まれる政府方針への配意に関して、地方最低賃 金審議会の一部の委員において、政府方針ありきの議論ではないかとの認識があ ることへの対応については、これまでの全員協議会でも指摘があったところであ る。 これに関しては、令和4年度の目安審議のように、目安額に対する納得感をで きるだけ高めるために、最低賃金法第9条第2項の3要素のデータに基づき労使 で丁寧に議論を積み重ねて目安を導くことが非常に重要であり、今後の目安審議 においても徹底すべきであることについて合意が得られた。 また、中央最低賃金審議会における目安審議や地方最低賃金審議会の審議にお いては、公労使三者構成で議論した上で決定することが重要であり、政府方針が 中央最低賃金審議会や地方最低賃金審議会の毎年の審議を過度に縛るようなことがあってはならないことについて確認がなされた。 その上で、政府が、賃金水準あるいは最低賃金の在り方について、広く意見を 聞いて一定の方向性を示すこと自体は否定しないが、政府方針を決定する際には、 公労使がそろった会議体で、現状のデータや先行きの見通しを示すデータ等を踏 まえて、時間をかけて議論されることが望ましいとの認識で一致した。
(3)議事の公開→ 中央最低賃金審議会運営規程において、会議は原則公開とされ、率直な意見の 交換又は意思決定の中立性が損なわれるおそれがある等の場合には非公開とす ることができるとされている中、目安審議の透明性を高める観点から、議事の公 開について検討を行った。 これに関しては、議論の透明性の確保と率直な意見交換を阻害しないという2 つの観点を踏まえ、公労使三者が集まって議論を行う部分については、公開する ことが適当との結論に至った。その際、事務局においては、円滑な進行及び傍聴 3 者に配慮した、公開に係る企画運営の在り方を検討すべきである。 加えて、議事の公開が議論になるのは、目安審議における議論のプロセスが見 えづらいものであると外部から受け止められていることが原因であると考えられる。この問題への対応⇒目安審議の報告において最低賃金法第9条第 2項の3要素のデータに基づく議論の結果をより丁寧に記載し、地方最低賃金審 議会を含む目安審議の議論を注視する者に対して議論のプロセスをできるだけ 分かりやすく示すことで、審議の透明性や納得感を一層高めることも重要。 また、議事録の早期公開は、引き続き事務局において努めることが適 当である。

2 地方最低賃金審議会における審議に関する事項について
(1)目安の位置付け
→ 目安は、地方最低賃金審議会が審議を進めるに当たって、全国的なバランスを 配慮するという観点から参考にするものとして、その必要性について異論は無かった。その上で、目安が地方最低賃金審議会の審議を拘束するものではないこと を改めて確認した。また、この趣旨が、地方最低賃金審議会の各委員にも確実に 伝わるよう、都道府県労働局への周知方法について検討することを事務局に対し 要望する。
(2)ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)→ @ランク制度の必要性について⇒目安をランクごとに示すことによって地域の実情に沿った最低賃金額の改 定を望む地方最低賃金審議会の意向を反映できていることや、制度としての継 続性・安定性の観点を踏まえると、ランク制度を維持することは妥当であるこ とを改めて確認した。 A指標の見直し⇒ランク区分は、平成7年の見直しにおいて、賃金動向を始めとする 諸指標を総合化した指数(以下「総合指数」)を各都道府県の経済実態 とみなし、それに基づき各ランクへの振り分けを行うこととした。当該諸指標は、平成 29 年の全員協議会の見直しにおいて、各都道府県の経済実 態を示す指標のうち特に最低賃金に関係が深いと考えられるものとして、所得・消費に関する指標(5指標)、給与に関する指標(9指標)、企業経営に関 する指標(5指標)の計 19 指標を選定した。今回の全員協議会においても、 これらの 19 指標に基づき各ランクへの振り分けを行うことについて合意された。 ただし、これらのうち、所得・消費に関する指標中の、消費を示す代表的な ものとして世帯支出を示す指標については、平成 29 年の全員協議会報告にお いて、1世帯1月当たりの消費支出(単身世帯)を用いたが、当該指標は調査 対象月の一部の世帯の支出の動向の影響を受けやすいことを踏まえ、数値の安 定を図るために、単身世帯のみならず2人以上世帯の結果も加えるとともに、 都道府県ごとの世帯人員の偏りの影響を除外するために、他の政府統計で用い られている手法と同様に、平均世帯人員の平方根で除した数値を用いることと する。 19 指標は、都道府県の経済実態の中期的な変化の的確な把握の必要 性、数値の安定性等に鑑み、別紙1のとおり、これまでの算出方法を踏まえな がら、原則として直近の5年間で得られた数値の平均値をとった上で、当該平 均値について最大値となる都道府県を 100 とした指数を算出して単純平均し、 東京を 100 とした総合指数を算出した結果、新しい総合指数は別紙2のとおり となった。 B新しい総合指数に基づくランク区分及び各都道府県の各ランクへの振り分け (P)
(3)発効日→改定後の地域別最低賃金額の発効日は、法令上特定の日付が定められ ているわけではないが、地方最低賃金審議会において、10 月1日など 10 月ので きるだけ早い時期でなければならないと認識している場合も見受けられること に鑑み、改めて、発効日とは審議の結果で決まるものであることや、発効の時点 を規定する最低賃金法第 14 条第2項においても発効日は公労使で議論して決定 できるとされていることについて、地方最低賃金審議会の委員に周知することが 適当。 その上で、未組織労働者にも春闘における賃上げ結果を速やかに波及させると いう地域別最低賃金の改定の趣旨も踏まえ、発効日は 10 月1日にこだ わらず前倒しを含めて議論すべきであるという意見があった。一方、最近の最低 賃金の引上げは影響率が高まっていることを踏まえ、最低賃金の引上げによる賃 金改定に向けた準備のための時間を設けるために発効日に余裕を持たせ、後ろ倒 しするべきという意見があった。 さらに、税・社会保障制度自体については中央最低賃金審議会において議論するものではないが、税・社会保障制度の正確な理解の普及が重要であるという意見があるとともに、最低賃金額が上昇したにもかかわらず、税・社会保障制度上 のいわゆる「年収の壁」を踏まえて就業調整が行われること、中には労働者の実 質的な所得が向上しない事例も一部生じていることについて、公労使それぞれが 重要な問題であるとの認識を示した。 発効日との関係では、特に使用者側委員からは、10 月から最低賃金額が改定され、年末の繁忙期に就業調整が行われて人手不足が生じている現状に鑑み、これ を避けるためにも、例えば発効日を年明け以降に後ろ倒しすべきという意見があ った。一方、労働者側委員からは、いわゆる「年収の壁」を踏まえて就業調整が 行われていることを理由に最低賃金の引上げが阻害されることはあってはなら ないこと、また、発効日については、労使ともに年末の繁忙期の働き方の計画を 立てやすくするためにも、10 月1日より早く改定後の最低賃金額を発効させる べきとの意見があった。 また、地方最低賃金審議会で十分に議論を尽くした上で準備期間を設けること ができるよう、中央最低賃金審議会としても配慮することが必要である。

3 中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料について
(1)現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認、新規のデータ取得が 不可となった参考資料の見直し等
→中央及び地方最低賃金審議会の審議に当たっては、最低賃金法第9条第2項の 3要素に係る各種統計資料を収集・整備してきた。 このうち、特に「労働者の生計費」や「通常の事業の賃金支払能力」に関する 資料を充実させるために、「家計調査」による1月あたりの消費支出額の推移及 び日本生産性本部による就業1時間当たり名目労働生産性の推移についても、新 たに主要統計資料に追加することとする。 また、新規のデータ取得が不可となった、「職業安定業務統計」の年齢別常用求 人倍率の推移に代えて、「労働力調査」の性・年齢別完全失業率の推移を参考資料 に加えることとする。 さらに、以下のとおり、技術的な見直しを行うこととする。⇒ ・「職業安定業務統計」による有効求人倍率の推移(ランク別・都道府県別)→現行は受理地別の数値を掲載しているが、より一般的に使用され るようになった就業地別の数値を掲載する。また、ランク別有効求人倍率の 算出に当たって、現行は各都道府県の有効求人倍率の単純平均としていると ころ、有効求職者数による加重平均とする。 ・ 「小売物価統計調査(構造編)」による消費者物価地域指数⇒現行 は各都道府県の都道府県庁所在都市の数値を掲載しているが、ランク分けの指標にも用いられている都道府県下全域を対象とした数値も追加で掲載。 ・「法人企業統計」による企業利益について、現行は「規模計」の欄に年度 データと四半期データを並べて掲載しているが、年度データは資本金規模 1,000 万円未満の企業を含むのに対し、四半期データはこれらの企業を含ま ないことから、誤解を招かないよう四半期データの「規模計」については、 「資本金規模 1,000 万円以上」として掲載し、年度データについてもこれに 対応する数値を追加する。併せて、年度データについては、資本金規模 1,000 万円未満の企業の数値も掲載する。また、年度データと四半期データは別頁 とし、趨勢的な動向が観察できるよう、それぞれ掲載する期間を拡大する。 ・「毎月勤労統計調査」による、賃金(現金給与総額)指数、パート比率、 所定内給与、月間出勤日数、所定内労働時間、定期給与の推移、常用労働者 1人平均月間総労働時間及び所定外労働時間の推移について、現行は事業所 規模 30 人以上の数値を用いているが、より一般的に利用されている事業所 規模5人以上の数値を用いる。 ・ 主要指標の推移(GDP、鉱工業生産指数、製造工業稼働率指数、倒産件 数、完全失業者数、完全失業率、求人倍率、消費者物価指数、国内企業物価 指数、賃金(現金給与総額)指数及びパート比率)について、現行は季節調 整値と原数値が混在しており分かりづらいことから、季節調整値及び季節調 整値の前期比(差)については、斜字で記載する。 これらに加え、引き続き、最低賃金の水準や影響、最低賃金法第9条第2項の 3要素の状況などについて様々な検討及び評価を行うための参考資料の一層の 整備・充実に向けて検討することが必要である。
(2)賃金改定状況調査について →加工の仕方なども含めて、アウトプットの出し 方なども工夫できるのであれば様々な観点により検討すべきとの意見があった が、短期間に調査結果の集計を行う必要があることから、賃金改定状況調査の集 計方法等について、当面は現行の方法を維持することとする。 また、審議における賃金改定状況調査の活用の在り方に関し、最低賃金法第9 条第2項の3要素を総合的に示している賃金改定状況調査の第4表を重視した 協議を基本とするべきとの意見がある一方、第4表の位置付け、重視の仕方、数 字の解釈については労使間で隔たりがあることから、公益委員も含め三者で認識 をすり合わせながら審議を進めていきたいとの意見もあった。また、一般労働者 及びパートタイム労働者の賃金上昇率(調査年の前年の6月と調査年の6月の両方に在籍していた労働者のみを対象とした集計)→令和4年度目安審 議においては公益委員からの要望を踏まえ、第4表Bとして提出したが、令和5 年度以降の目安審議においては毎年提出することとする。

(3)その他参考資料の在り方について →経済社会状況の変化等も踏まえ、各種統計資料の取捨選 択を行うとともに、地方最低賃金審議会の自主性を発揮できるよう、都道府県別 の参考資料の充実についても検討すべきという意見があったことも踏まえつつ、 引き続き見直しについて検討することが必要である。

4 今後の見直しについて→目安制度の在り方については、平成7年の全員協議会報告において、今後概ね5 年ごとに見直しを行うことが適当であるとされているところである。次回の目安制 度の在り方に関する見直しの際には、平成7年の全員協議会報告に復して概ね5年 ごとに見直しを行い、令和 10 年度(2028 年度)を目途に、当該見直しの結果に基 づいて目安審議を行うことが適当である

○(別紙1)ランク区分の見直しの基礎とした諸指標の状況→@〜Rまで。
○(別紙2)諸指標による都道府県の総合指数

◆中央最低賃金審議会(目安制度の在り方に関する全員協議会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127940.html

次回は新たに「令和5年第3回経済財政諮問会議」からです。

第96回社会保障審議会年金数理部会 [2023年04月24日(Mon)]
第96回社会保障審議会年金数理部会 資料(令和5年3月30日)
≪議題≫(1)公的年金財政状況報告−令和3年度−について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000198131_00027.html
◎資料 公的年金財政状況報告−令和3(2021)年度−(案)
◎資料−1 表紙、委員名簿、目次、ポイント、概要
○公的年金財政状況報告 −令和3(2021)年度− (ポイント)
→社会保障審議会年金数理部会が公的年金の毎年度の財政状況について、公的年金の各制度・各実施 機関からの報告に基づき、専門的な観点から横断的に分析・評価を 行った結果をとりまとめたもの。
1 公的年金の収支状況(報告書 168〜173 頁参照)→公的年金制度全体でみると、令和3(2021)年度は、運用損益分を除いた収入総額 54.0 兆円、支出総額 53.7 兆円、運用損益分を除いた単年度収支残はプラス 0.3 兆円。 さらに運用損益が 11.9 兆円であったことから年度末積立金は 246.1 兆円と前年度に比べ 12.2 兆円増加。
2 公的年金の財政状況の評価(報告書 288 頁参照)→令和3(2021)年度までの実績と令和元(2019)年財政検証の前提や将来見通しを比較するだけではなく、長期的な財政の均衡 の観点から評価。↓
・ 国民年金第1号被保険者(自営業者、学生など)は財政検証の見通しを下回り、厚生年金被保険者は上回る状況が続いていることが確認された。 一方で、令和元(2019)年以降の合計特殊出生率は、平成 29(2017)年人口推計における出生中位と出生低位の仮定値 の間に位置し、出生中位の仮定値との乖離は拡大していることが確認された。 これらの将来見通しからの乖離が、一時的なものではなく中 長期的に続いた場合には、年金財政に与える影響は大きなも のとなる。年金財政の観点からは、人口要素、経済要素等いずれも短期 的な動向にとらわれることなく、長期的な観点から財政状況 の動向を注視すべきである。
・公的年金財政の均衡イメージ→将来の 年金給付は将来の 保険料収入・国庫負担・積 立 金によってバランスがとれる。

○公的年金財政状況報告−令和3(2021)年度−の概要
0.公的年金財政状況報告−令和3(2021)年度−について


≪被保険者の現状及び推移 (第2章第1節より抜粋)≫
1.公的年金の被保険者数の推移(報告書 87〜89ページ)
→令和3(2021)年度は、厚生年金の被保険者が増加したものの、国民年金第1号被保険者、第3 号被保険者が減少したため、公的年金の被保険者数は0.4%減少。 厚生年金の被保険者数の増加率は0.5%であり、このうち短時間労働者を除いた被保険者数の 増加率は0.4%、短時間労働者の被保険者数の増加率は7.4%(男性5.1%、女性8.2%)。
2.被保険者の年齢分布(90〜92ページ)→令和3(2021)年度末の被保険者の年齢分布⇒厚生年金計や国民年金第3号 被保険者では45〜49歳の年齢階級の割合が最も大きい。 厚生年金被保険者のうち短時間労働者(厚生年金に占める割合は1.3%)⇒男性は 60歳以上の被保険者が多く、女性は45〜64歳の被保険者が多い。 国民年金第1 号被保険者では20〜24歳の年齢階級の割合が最も大きく2割強を占める。
3.被保険者の年齢分布の変化(厚生年金計)(93、94、100ページ)→男性では、最も被保険者数が多い年齢階級が10年前は35〜39歳、5年前は40 〜44歳、令和3(2021)年度末では45〜49歳にシフト(団塊ジュニア世代)。女性で は、15〜19歳及び40〜44歳を除き被保険者数が増加。男女ともに65〜69歳の被保険者数がこ の5年で増加。  被保険者数を人口比でみると、男女ともに5年前と比べ、15〜19歳を除き上昇。65〜69歳で はこの5年で、男性が21.8%から32.8%に、女性が8.3%から13.8%になっており 、65歳以上の 雇用が進展。
4.被保険者の年齢分布の変化(短時間労働者)(93、95、100 )→厚生年金計のうち短時間労働者(厚生年金に占める割合は1.3%)⇒前年 度末に比べ、男性の15〜19歳、60〜64歳を除き被保険者が増加。  被保険者数を人口比でみると、前年度末に比べ、男性の15〜19歳、60〜64歳を除き 上昇。
5.被保険者の年齢分布の変化(国民年金第1号)(94、98、 99、101)→団塊ジュニア世代のシフトを除くと、男女ともに全体的に被保険者 数が減少。 被保険者数を人口比でみると、5年前と比べ、男性の60〜64歳、女性の20〜24歳を除き低下。
6.被保険者の年齢分布の変化(国民年金第3号)(94、99、102)→の性では、44歳以下の被保険者数の減少が著しい。 ○ 被保険者数を人口比でみると、男性は5年前から大きな変化はなく、女性は5年前と 比べ、全ての年齢階級で低下。
7.厚生年金の標準報酬月額別被保険者の分布(報告書 108〜111)→男性は、65万円 の被保険者が最も多く、他には、26〜30万円と41万円に ピークがある分布。女性は、22万円にピークがある分布。 5年前の分布と比較すると、男性・女性⇒増加。 第1号被保険者(民間被用者)の短時間労働者は、男性、女性ともに11.8万円にピークがある分布。 5年前の分布と比較すると、男性では9.8万円、10.4万円を除き被保険者数が増加。女性では、8.8 〜10.4万円を除き増 加。

≪受給権者の現状及び推移(第2章第2節より抜粋)≫
8.受給権者の年金総額の推移(報告書 126〜128)
→令和3(2021)年度末の年金総額は、公的年金制度全体で57.6兆円。令和2(2020)年度末に 比べ、旧厚生年金、国共済及び地共済では減少し、私学共済及び国民年金では増加。
9.老齢・退年相当の受給権者の年齢分布(134)→地共済の女性を除き70〜74歳の年齢階級の受給権者数が最も多くなっている。地共済の女性は65〜 69歳の年齢階級の受給権者が最も多い。 国共済では女性の受給権者が少ないこと、女性において65歳以上の各年齢階級における受給権者数 にあまり差がないのが特徴的。
10.(共済組合等の職域加算部分を除いた)老齢・退年相当の平均年金月額(推計)(141、142)→共済組合等の共済年金には職域加算部分が含まれていることから、これを除いた厚生年金相当部分の年金額を推計。 厚生年金計での平均年金月額は14.9万円、男女別では男性16.6万円、女性11.3万円となっている。
11.老齢相当の受給権者の年齢階級別平均年金月額(154〜157)→旧厚生年金の平均年金月額は、受給権者全体の平均加入期間が伸長するなかで、減少傾向。
12.老齢相当の年金月額階級別受給権者数(158〜160)→基礎年金を含む額で、男性は16〜20万円に、女性は8〜12万円にピークがある。

≪財政収支の現状 (第2章第3節より抜粋≫
13.令和3(2021)年度の単年度収支状況(168〜173)
→公的年金制度全体の収入面⇒保険料収入が39.9兆円、国庫・公経済負担が13.3兆円 等であり、運用損益分を除いた単年度の収入総額は54.0兆円。支出面⇒年金給付費が53.4兆円 であり、支出総額は53.7兆円。この結果、運用損益分を除いた単年度収支残は0.3兆円のプラス。 運用損益は、外国株式市場の大幅な上昇や円安により、時価ベースで11.9兆円のプラス。 これらの結果、公的年金制度全体の時価ベースの年度末積立金は前年度末に比べ12.2兆円増加し246.1兆円。
14.厚生年金の保険料収入の増減要因の分析(178、179)→保険料収入の対前年度増減率参照。
15.国民年金勘定の現年度保険料収入の増減要因の分析 (180〜182)→区分⇒令和元年〜令和3年度 参照。

≪財政収支等及び財政指標の実績と将来見通しとの比較(第3章第2、節より抜粋)≫
16.合計特殊出生率と65歳平均余命の実績と前提との比較(229〜231)→合計特殊出生率⇒令和3(2021)年の実績は、前年よりも0.03ポイント低下し、出生中位と出生低位の仮定値の間に位置しているが、令和元(2019)年に比べて出生中位の仮定値との乖離が拡大。 65歳平均余命⇒令和3(2021)年の実績は、前年よりも男性で0.11年、女性で 0.14年低下 し、男女ともに死亡中位の仮定値を下回っている。

17.物価上昇率の実績と前提との比較(233、234)→令和3(2021)年の実績は、原油価格の上昇などによるガソリン、灯油などの上昇があったものの、携帯電話の通信料が大幅に下落したことから前年比△0.2%になっており、成長 実現ケース、ベースラインケースのいずれの前提も下回っている。
18.実質賃金上昇率の実績と前提との比較(235、236)→財政検証の前提を上回っている
19.実質的な運用利回りの実績と前提との比較(238、239)→、外 国株式市場の大幅な上昇や円安により、財政検証における前提を上回っている。
20.労働力率の実績と前提との比較(240〜242)→令和3(2021)年の実績と令和7(2025)年の労働参加が進むケースの推計値を比較※⇒男性では15〜29歳及び60歳以上、女性では15〜29歳において、実績が推計値を上回っている。 ※比較している推計値が実績より4年先のものであることに留意が必要。
21.被保険者数の実績と将来見通しとの比較(245、246)→令和3(2021)年度は、厚生年金計では実績(下図の★印)が将来見通し(棒グラフ)を上 回っており、国民年金第1号被保険者では実績が将来見通しを下回っている。
22.受給者数の実績と将来見通しとの比較(248、249)→厚生年金計では実績(下図の★印)は将来見通し(棒グラフ)を下 回っているが、基礎年金では実績は将来見通しとほぼ同水準である。
23.保険料収入の実績と将来見通しとの比較(250)→国民年金(国民年金勘定)ともに実績(下図の★ 印)が将来見通し(棒グラフ)を上回っている
24.給付費の実績と将来見通しとの比較(報告書 252)→令和3(2021)年度は、厚生年金計では実績(下図の★印)が将来見通し(棒グラフ)を下回 り、国民年金(国民年金勘定)【国民年金第1号被保険者及び任意加入被保険者に係る付加年金等の国民 年金独自の給付に係るもの】 では実績が将来見通しを上回っている。
25.基礎年金拠出金の実績と将来見通しとの比較(253〜255)→厚生年金計では実績(下図の★印)が将来見通し(棒グラフ)を下 回っており、国民年金(国民年金勘定)では実績が将来見通しとほぼ同水準である。
26.積立金の実績と将来見通しとの比較(258)→いずれも将来見通しを上回って いる。
27.財政指標の実績と将来見通しとの比較(259、260、 264、265)→将来見通しを上回って いる。


≪積立金の乖離の分析と 財政状況の評価 (第3章第4、5、6節より抜粋)≫
28.積立金の実績と将来見通しの乖離分析の流れ(266〜268)
29.積立金の実績と将来見通しの発生年度ごとの乖離状況(269〜277)
→合計が令和元(2019)年度に係る発生要因のマイナスの寄与計を上回ってプラスになっていることによるもの
30.積立金の乖離分析の結果(令和3(2021)年度発生分・厚生年金計)(報告書 270、278)→主として外国株式市場 の大幅な上昇や円安による名目運用利回りの乖離によるもの
31.積立金の乖離分析の結果(令和3(2021)年度発生分・国民年金)(270、278)→外国株式市場の大幅な 上昇や円安による名目運用利回りの乖離によるもの
32.厚生年金の財政状況の評価@(報告書 280〜287)→公的年金財政の均衡イメージ参照。
33.厚生年金の財政状況の評価A(280〜287)→令和3(2021)年度末における厚生年金の財政状況について、財政検証のケースT、ケースV及び ケースX並びに法改正後のケースV及びケースXで分析を行った結果、積立金の実績と「評価の基準となる積立金額(推計値)」の差額は財源(積立金及び将来の保険料収入)との対比でプラス2.2〜 プラス2.4%となっている(時価評価による変動を平滑化した場合にはプラス1.6〜1.7%)。

34.公的年金の財政状況の評価(288)→国民年金第1号被保険者は財政検証の見通しを下回り、厚生年 金被保険者は上回る状況が続いていることが確認された。 一方で、令和元(2019)年以降の合計特殊出生率は、平成 29(2017)年人口推計における出生中位と出生低位の仮定値の間 に位置し、出生中位の仮定値との乖離は拡大していることが確認 された。
これらの将来見通しからの乖離が、一時的なものではなく中長 期的に続いた場合には、年金財政に与える影響は大きなものとなる。   年金財政の観点からは、人口要素、経済要素等いずれも短期 的な動向にとらわれることなく、長期的な観点から財政状況の動 向を注視すべき
である。

(参考資料1)社会保障審議会年金数理部会について→公的年金制度の一元化の推進に係る閣議決定(平成13(2001)年)の要請を踏まえ、「各 被用者年金制度の安定性及び公平性の確保に関し、財政再計算時における検証及び 毎年度の報告を求めること」などを審議内容とする部会として社会保障審議会に設置。 閣議決定「公的年金制度の一元化の推進について」(平成13(2001)年) 社会保障審議会に年金数理に関する専門的な知識、経験を有する者等から構成される部会を設け、当該部会において被用者年金制度の 安定性、公平性の確保に関し、財政再計算時における検証のほか、毎年度の報告を求めることを要請するものとする。 社会保障審議会年金数理部会 ・ 平成27(2015)年10月に被用者年金制度が一元化された後も、制度の安定性の確保の 観点から財政検証結果及び各年度の決算の報告を求め審議。
(参考資料2)社会保障審議会年金数理部会の役割→少なくとも5年ごとに年金財政の健全性を検証 ・ 将来見通しの作成 ・ 給付水準の自動調整(マクロ経済スライド)の 開始・終了年度の見通しの作成
(参考資料3)年金制度の体系→国民年金(基礎年金)がベースで厚生年金保険その他の年金・基金で体系化。
(参考資料4)公的年金の財政の仕組み→被保険者は被保険者の区分に応じて、国民年金勘定、厚生年金勘定または共済組合等の厚生年金保険経理に保険料を支払い、 基礎年金は基礎年金勘定から、それ以外の給付は保険料を支払った勘定(経理)から支払われる

○以下の第1章から第3章まで、付属資料は割愛します。↓
◎資料−2 第1章 →概要
◎資料−3 第2章 →財政状況
◎資料−4 第3章 →財政検証結果との比較
◎資料−5 付属資料(目次)→1 公的年金制度の沿革 2 公的年金制度一覧 3 財政収支状況 4 長期時系列表(推移等) 5 最近の経済等の状況 6 令和2(2020)年年金改正法の概要  7 用語解説

次回は新たに「第10回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料」からです。

第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料 [2023年04月23日(Sun)]
第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料(令和5年3月30日)
(議題) (1)自殺の動向について (2)新たな自殺総合対策大綱(令和4年 10 月 14 日閣議決定) (3)大綱に基づく諸施策の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31755.html
◎資料3−6 警察庁資料
○警察庁における自殺対策の実施状況等
→自殺の動向をより的確に把握できるようにするため、自殺統計原票における自殺の原因・動機、職業、同居人等の項目をより 細分化し、令和4年1月から運用を開始。 令和5年3月14日に令和4年中の自殺者数を公表。⇒インターネット上の自殺誘引等情報・自殺予告事案への対応 参照。
○【参考】自殺総合対策大綱におけるその他の施策→「遺族等に対する公的機関の職員の資質の向上」「行方不明者の発見活動」「児童虐待や性犯罪・性暴力の被害者への支援の充実」各参照のこと。


◎資料3−7 総務省資料
○「インターネット上の誹謗中傷への対応に関する政策パッケージ」の概要
→1.社会問題となっているインターネット上の誹謗中傷に対応するため、 総務省において、2020年9月に「政策パッケージ」を公表し4つの柱による総合的取組を推進⇒ユーザに対する情報モラル及び ICTリテラシーの向上のための啓発活動。2.プラットフォーム事業者の自主的取組の支援 と透明性・アカウンタビリティの向上。3.発信者情報開示に関する取組。4.相談対応の充実に向けた連携と体制整備。1〜4まての参照。
○違法・有害情報への対応に関する契約約款モデル条項→「インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン」とともに、業界4団体(※)による違法情報等対応連 絡会において、電子掲示板の管理者やインターネットサービスプロバイダー等が自らの提供するサービスの内容に応じ て、自らが必要とする範囲内で契約約款に採用してもらうことを目的として平成18年11月に策定(最終改訂は平成 28年4月。なお、解説部分の最終改訂は令和5年2月)。 ※(一社)電気通信事業者協会、(一社)テレコムサービス協会、(一社)日本インターネットプロバイダー協会、(一社)日本ケーブルテレビ連盟。⇒(自殺誘引情報等の禁止規定)人を自殺に誘引または勧誘する行為、または第三者に危害のおよぶおそれの高い自殺の手 段等を紹介するなどの行為。
○e-ネットキャラバン→子どもたちのインターネットの安全な利用に係る普及啓発を目的に、児童・生徒、保護者・教職員等に対する 学校等の現場での無料の「出前講座」を全国で開催。 *実施主体:一般財団法人マルチメディア振興センター(FMMC)。  2021年度は、2,559件の講座を実施し、約40万人が受講。(2020年度:1,208件の講座を実施し、約14万人が 受講。2006年度開始以来の実績:28,532件、のべ約458万人)


◎資料3−8 法務省資料
○法務省の人権擁護機関によるこどもの人権問題に関する取組→人権相談↓

・子どもの人権110番(全国共通・通話料無料)0120−007−110→・「いじめ」や体罰、虐待といったこどもをめぐる様々な人権問題についての相談を受け付ける専用相談電話。 ・電話は、最寄りの法務局につながり、法務局職員又は人権擁護委員が相談に応じ、こどもが相談しやすい体 制を整備。 ・人権相談活動を強化することを目的として、全国一斉「子どもの人権110番」強化週間を実施し、平日の電話相 談受付時間を延長するとともに、土・日曜日も電話相談に応じている (令和4年度は、令和4年8月26日(金)〜 同年9月1日(木)に実施)。
・子どもの人権SOSミニレター(便箋兼封筒)→全国の小中学校の児童・生徒を対象に、便箋兼封筒付きのミニレターを配布し、 法務局職員又は人権擁護委員が返信。
・子どもの人権SOS-eメール(インターネット人権相談)→パソコン、スマートフォンなどからインターネットを利用して、いつでも人権相談す ることができ、後日、最寄りの法務局からメール、電話又は面談により回答。
・さらに、こどもの相談しやすい相談体制の整備に向けて、SNSを利用したLINEに よる人権相談を実施→被害申告があった場合には、人権侵犯事件として調査の上、事案に応じた救済 措置を講ずる。

○インターネット上の人権侵害情報に関する人権侵犯事件の処理について→法務局において、当該情報の違法性を判断した上で プロバイダ等への削除要請を検討⇒削除要請を実施1237件。削除要請を実施しない侵犯事実不明確:915件。
○自殺総合対策大綱に基づく施策の実施状況→(項目)法的問題解決のための情報提供の充実⇒ 日本弁護士連合会・弁護士会と連携しつつ、日本司法支援センター(法テラス)の法的問題解決のための 情報提供の充実及び国民への周知を図る。


◎資料4 自殺総合対策の推進に関する有識者会議の構成員名簿 →19名。

◎参考1 自殺総合対策の推進に関する有識者会議の開催について
(平 成 31 年 3 月 5 日 自殺総合対策会議決定 令和3年9月28日一部改正)
1 趣旨

 自殺総合対策大綱(平成29年7月25日閣議決定)(以下、「大綱」)に基づき、国を挙げて自殺対策が推進されるよう、国、地方公共団体、関係団体、民間団体等が連携・協働するため、また、中立・公正の立 場から大綱に基づく施策の実施状況、目標の達成状況等を検証し、施策の 効果等を評価し、及び大綱の見直しに資するため、自殺総合対策の推進に 関する有識者会議(以下「会議」という。)を開催する。
2 構成等→(1) 会議の構成員は、厚生労働大臣が定める。(2) 会議は、厚生労働大臣が招集する。
3 庶務 会議の庶務は、厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室において処 理する。 4 その他→(1) 前各項に定めるもののほか、会議の運営に関する事項その他必要な事 項は、厚生労働大臣が定める。(2)「自殺対策官民連携協働会議の開催について」(平成 25 年 7 月 26 日 自殺総合対策会議決定)及び「自殺対策検証評価会議の開催について」 (平成 25 年 7 月 26 日自殺総合対策会議決定)は、廃止する。


◎参考2 自殺対策基本法の概要
○自殺対策基本法の概要(平成18年法律第85号)

・基本理念(第2条)→自殺対策は、生きることの包括的な支援として、全ての人がかけがえのない個人として尊重されるとともに、生きる力を基礎として生きがいや希望を 持って暮らすことができるよう、その妨げとなる諸要因の解消に資するための支援とそれを支えかつ促進するための環境の整備充実が幅広くかつ適切 に図られることを旨として、実施されなければならない。 自殺対策は、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施策との有機的な連携が図られ、総合的に実施されなければならない。
・自殺予防週間・自殺対策強化月間(第7条)→自殺予防週間(9月10日〜9月16日)を設け、啓発活動を広く展開。 自殺対策強化月間(3月)を設け、自殺対策を集中的に展開。
・自殺総合対策大綱(第12条)→政府は、政府が推進すべき自殺対策の指針として、基本的かつ総合 的な自殺対策の大綱(自殺総合対策大綱)を定めなければならない。
・都道府県自殺対策計画等(第13条)→都道府県・市町村は、それぞれ都道府県自殺対策計画・市町村 自殺対策計画を定めるものとする。
・都道府県・市町村に対する交付金の交付(第14条)→国は、都道府県自殺対策計画・市町村自殺対策計画に基づいて当該 地域の状況に応じた自殺対策のために必要な事業、その総合的かつ効 果的な取組等を実施する都道府県・市町村に対し、交付金を交付。
・基本的施策(第15条〜第22条)→調査研究等の推進及び体制の整備(第15条)。人材の確保等(第16条)。心の健康の保持に係る教育及び啓発の推進等(第17条)。医療提供体制の整備(第18条)。自殺発生回避のための体制の整備等(第19条)。自殺未遂者等の支援(第20条)。自殺者の親族等の支援(第21条)。民間団体の活動の支援(第22条)。
・自殺総合対策会議(第23〜第24条)→厚生労働省に特別の機関として自殺総合対策会議を置き、次に掲 げる事務をつかさどる。⇒・自殺総合対策大綱の案を作成すること。・自殺対策について必要な関係行政機関相互の調整をすること。・上記のほか、自殺対策に関する重要事項について審議し、及び自殺 対策の実施を推進すること。  会議は、会長及び委員をもって組織し、会長は厚生労働大臣を充て、 委員は国務大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者を充てる。
・必要な組織の整備(第25条)→政府は、自殺対策を推進するにつき、必要な組織を整備。


◎参考3 自殺総合対策大綱(令和4年 10 月 14 日閣議決定)
第1 自殺総合対策の基本理念

<誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す>
第2 自殺の現状と自殺総合対策における基本認識
<自殺は、その多くが追い込まれた末の死である>
<年間自殺者数は減少傾向にあるが、非常事態はいまだ続いている>
<新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた対策の推進>
<地域レベルの実践的な取組をPDCAサイクルを通じて推進する>
第3 自殺総合対策の基本方針
1. 生きることの包括的な支援として推進する
<社会全体の自殺リスクを低下させる>
<生きることの阻害要因を減らし、促進要因を増やす> 
2. 関連施策との有機的な連携を強化して総合的に取り組む
<様々な分野の生きる支援との連携を強化する>
<地域共生社会の実現に向けた取組や生活困窮者自立支援制度などとの連携>
<精神保健医療福祉施策との連携>
<孤独・孤立対策との連携> 令和3年 12 月 28 日に「孤独・孤立対策の重点計画」
が取りまとまり、その中 で、「孤独・孤立は、当事者個人の問題ではなく、社会環境の変化により当事者 が孤独・孤立を感じざるを得ない状況に至ったものである。孤独・孤立は当事者 の自助努力に委ねられるべき問題ではなく、現に当事者が悩みを家族や知人に 相談できない場合があることも踏まえると、孤独・孤立は社会全体で対応しなけ ればならない問題である。」
<こども家庭庁との連携>
3. 対応の段階に応じてレベルごとの対策を効果的に連動させる
<対人支援・地域連携・社会制度のレベルごとの対策を連動させる>
<事前対応・自殺発生の危機対応・事後対応の段階ごとに効果的な施策を講じ る>
<自殺の事前対応の更に前段階での取組を推進する>
4. 実践と啓発を両輪として推進する
<自殺は「誰にでも起こり得る危機」という認識を醸成する>
<自殺や精神疾患に対する偏見をなくす取組を推進する>
<マスメディア等の自主的な取組への期待>
5.国、地方公共団体、関係団体、民間団体、企業及び国民の役割を明確化し、 その連携・協働を推進する↓
<国><地方公共団体><関係団体><民間団体><企業><国民>
6.自殺者等の名誉及び生活の平穏に配慮する
第4 自殺総合対策における当面の重点施策
1.地域レベルの実践的な取組への支援を強化する
(1)地域自殺実態プロファイルの作成
(2)地域自殺対策の政策パッケージの作成
(3)地域自殺対策計画の策定・見直し等の支援
(4)地域自殺対策計画策定ガイドラインの策定
(5)地域自殺対策推進センターへの支援
(6)自殺対策の専任職員の配置・専任部署の設置の促進
2.国民一人ひとりの気付きと見守りを促す
(1)自殺予防週間と自殺対策強化月間の実施
(2)児童生徒の自殺対策に資する教育の実施
(3)自殺や自殺関連事象等に関する正しい知識の普及→ゲートキーパー養成通じて。
(4)うつ病等についての普及啓発の推進
3.自殺総合対策の推進に資する調査研究等を推進する
(1)自殺の実態や自殺対策の実施状況等に関する調査研究及び検証
(2)調査研究及び検証による成果の活用
(3)先進的な取組に関する情報の収集、整理及び提供
(4)子ども・若者及び女性等の自殺等についての調査
(5)コロナ禍における自殺等についての調査
(6)死因究明制度との連動における自殺の実態解明
(7)うつ病等の精神疾患の病態解明、治療法の開発及び地域の継続的ケアシ ステムの開発につながる学際的研究
(8)既存資料の利活用の促進
(9)海外への情報発信の強化を通じた国際協力の推進
4.自殺対策に関わる人材の確保、養成及び資質の向上を図る
(1)大学や専修学校等と連携した自殺対策教育の推進
(2)自殺対策の連携調整を担う人材の養成
(3)かかりつけの医師等の自殺リスク評価及び対応技術等に関する資質の向 上
(4)教職員に対する普及啓発等
(5)地域保健スタッフや産業保健スタッフの資質の向上
(6)介護支援専門員等に対する研修
(7)民生委員・児童委員等への研修
(8)社会的要因に関連する相談員の資質の向上
(9)遺族等に対応する公的機関の職員の資質の向上
(10)様々な分野でのゲートキーパーの養成
(11)自殺対策従事者への心のケアの推進
(12)家族や知人、ゲートキーパー等を含めた支援者への支援
(13)研修資材の開発等
5.心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを推進する
(1)職場におけるメンタルヘルス対策の推進
(2)地域における心の健康づくり推進体制の整備
(3)学校における心の健康づくり推進体制の整備
(4)大規模災害における被災者の心のケア、生活再建等の推進
6.適切な精神保健医療福祉サービスを受けられるようにする
(1)精神科医療、保健、福祉等の各施策の連動性の向上
(2)精神保健医療福祉サービスを担う人材の養成など精神科医療体制の充実
(3)精神保健医療福祉サービスの連動性を高めるための専門職の配置
(4)かかりつけの医師等の自殺リスク評価及び対応技術等に関する資質の向 上
(5)子どもに対する精神保健医療福祉サービスの提供体制の整備
(6)うつ等のスクリーニングの実施
(7)うつ病以外の精神疾患等によるハイリスク者対策の推進
(8)がん患者、慢性疾患患者等に対する支援
7.社会全体の自殺リスクを低下させる
(1)地域における相談体制の充実と支援策、相談窓口情報等の分かりやすい 発信
(2)多重債務の相談窓口の整備とセーフティネット融資の充実
(3)失業者等に対する相談窓口の充実等
(4)経営者に対する相談事業の実施等
(5)法的問題解決のための情報提供の充実
(6)危険な場所における安全確保、薬品等の規制等
(7)ICTを活用した自殺対策の強化
(8)インターネット上の自殺関連情報対策の推進
(9)インターネット上の自殺予告事案及び誹謗中傷への対応等
(10)介護者への支援の充実
(11)ひきこもりの方への支援の充実
(12)児童虐待や性犯罪・性暴力の被害者への支援の充実
(13)生活困窮者への支援の充実
(14)ひとり親家庭に対する相談窓口の充実等
(15)性的マイノリティへの支援の充実
(16)相談の多様な手段の確保、アウトリーチの強化
(17)関係機関等の連携に必要な情報共有の仕組みの周知
(18)自殺対策に資する居場所づくりの推進
(19)報道機関に対するWHOの手引き等の周知等
(20)自殺対策に関する国際協力の推進
8.自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ
(1)地域の自殺未遂者等支援の拠点機能を担う医療機関の整備
(2)救急医療機関における精神科医による診療体制等の充実
(3)医療と地域の連携推進による包括的な未遂者支援の強化
(4)居場所づくりとの連動による支援
(5)家族等の身近な支援者に対する支援
(6)学校、職場等での事後対応の促進
9.遺された人への支援を充実する
(1)遺族の自助グループ等の運営支援
(2)学校、職場等での事後対応の促進
(3)遺族等の総合的な支援ニーズに対する情報提供の推進等
(4)遺族等に対応する公的機関の職員の資質の向上
(5)遺児等への支援
10.民間団体との連携を強化する
(1)民間団体の人材育成に対する支援
(2)地域における連携体制の確立
(3)民間団体の相談事業に対する支援
(4)民間団体の先駆的・試行的取組や自殺多発地域における取組に対する支 援
11.子ども・若者の自殺対策を更に推進する
(1)いじめを苦にした子どもの自殺の予防
(2)学生・生徒等への支援の充実
(3)SOSの出し方に関する教育等の推進
(4)子どもへの支援の充実
(5)若者への支援の充実
(6)若者の特性に応じた支援の充実
(7)知人等への支援
(8)子ども・若者の自殺対策を推進するための体制整備
12.勤務問題による自殺対策を更に推進する
(1)長時間労働の是正
(2)職場におけるメンタルヘルス対策の推進
(3)ハラスメント防止対策
13.女性の自殺対策を更に推進する
(1)妊産婦への支援の充実
(2)コロナ禍で顕在化した課題を踏まえた女性支援
(3)困難な問題を抱える女性への支援
第5 自殺対策の数値目標→自殺死亡率を平成 27 年と比べて 30%以上減少。先進諸国の自殺死亡率⇒WHOおよび各国の国勢調 査→米国 14.9(2019)、フランス 13.1(2016)、カナダ 11.3(2016)、ドイツ 11.1(2020)、英国 8.4(2019)、イタリア 6.5(2017)。
日本は 16.4(2020)。 平成 27 年の自殺死亡率は 18.5 であり、それを 30%以上減少させると 13.0 以下となる。我が国の総人口は、国立社会保障・人口問題研究所の中位推計(平成 29 年推計)によると、令和7年には約1億 2300 万人になると見込まれており、 目標を達成するためには自殺者数は約1万 6000 人以下となる必要がある。
第6 推進体制等
1.国における推進体制
2.地域における計画的な自殺対策の推進
3.施策の評価及び管理
4.大綱の見直し→おおむね5年を目途に見直しを行う>

次回は新たに「第96回社会保障審議会年金数理部会 資料」からです。

第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料 [2023年04月22日(Sat)]
第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料(令和5年3月30日)4/22
(議題) (1)自殺の動向について (2)新たな自殺総合対策大綱(令和4年 10 月 14 日閣議決定) (3)大綱に基づく諸施策の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31755.html
◎資料3−1 大綱に基づく諸施策の実施状況について
○自殺総合対策大綱の項目(1〜13の重点事項)毎に 、重点項目に沿った担当省庁(厚労省・内閣府・総務省・文科省・警察庁・金融庁・消費者庁・経産省・農水省・復興庁・法務省・国交省) 、令和4年度の主な取組状況【令和4年度予算額】、 これまでの取組の成果の評価、これまでの取組の実績値【目標値】、今後の課題と令和5年度の実施予定【令和5年度予算額】についての実施状況の説明一覧表。



◎資料3−2 厚生労働省資料
○自殺防止に関する相談体制の強化について
→民間団体が行っている電話相談SNSを活用した相談体制の拡充(フリーダイヤル設置、24時間相談等)。都道府県、指定都市が行っている電話相談等の相談体制の拡充(夜間相談体制の拡充等)。⇒【施策のスキーム図、実施要件(対象、補助率等)等】参照。
○SNSを活用した相談↓
1 背景・これまでの取組
→座間市における事件を受け、若者の多くがSNSを日常的なコミュニケーション手段として用いている現状を踏まえ、若者が相談しやすい体制の整備を図るため、平成30年3月より自殺防止を目的としたSNSを活用した相談事業を開始。
2 相談件数→SNS相談件数の推移(令和3年度259,814件)、令和3年度年齢構成(若者半数以上)、令和3年度 相談内容(自殺念慮とメンタル不調で半数以上)。
○ゲートキーパーの推進について→「ゲートキーパー」とは… 悩んでいる人に気づき、声を掛け 、話を聞き 必要な支援につなげ、見守る 人のことです。⇒<普及促進に向けた主な取組>5項目あり。<各自治体における研修の実施状況> 令和3年度 約18万5千人。
○自殺総合対策の推進→<自殺総合対策大綱に掲げた数値目標> 自殺死亡率を令和8年までに 平成27年比で30%以上減少。↓
・(新規)ゲートキーパー養成・支援事業→国民の約3人に1人以上がゲートキーパーについて聞いたことがあるようにすることを目指す。 ・ 若者を含め、国民一人ひとりが、周りの人の異変に気付いた場合には身近なゲートキーパーとして適切に行動することができるよう、必要な基礎的 知識の普及を図る。そのため、全国的にゲートキーパー養成の取組を促進すべく、行政機関や各地域におけるゲートキーパー研修の受講の取組を 進める。 ・ 悩みを抱える者だけでなく、悩みを抱える者を支援する家族や知人、ゲートキーパー等を含めた支援者が孤立せずに済むよう、支援する団体とも連 携しながら、これらの家族等に対する支援を推進。 このため、令和5年度以降、全国的にゲートキーパー養成の取組を促進していくための研修基盤を整備、ゲートキーパーになった後も 安心して活動が継続できるよう必要な支援を行うことを目的。⇒2 事業の概要・スキーム、3 実施主体等 参照。
・(新規)若者の自殺危機対応チーム事業→若者の自殺危機対応チーム(事務局:地域自殺対策推進センター等)。 支援対象者:次の若者のうち、市町村等での対応困難な場合に対応チームによる支援を必要とする者⇒ @自殺未遂歴がある、A自傷行為の経験がある、B自殺をほのめかす言動があり、自殺の可能性が否定できない、 C家族を自殺で亡くしている 等。 構成:精神科医、心理士、精神保健福祉士、弁護士、NPO法人 等 ※ケースや地域の実情・課題により必要な人員とする。内容:地域の関係機関からの支援要請を受けて、以下を実施⇒ @チーム会議の開催:支援方針・助言等の検討 A支援の実施:支援方針に基づく地域の関係機関への指導・助言、現地調査 B支援の終了:地域の関係機関への引継。 都道府県・指定都市への取組支援: 厚生労働省指定調査研究等法人「いのち支える自殺対策推進センター」が、長野県の取組に係る情報を整理し、本事業に 取り組む都道府県・指定都市への支援を行う。3 実施主体等→都道府県・指定都市、補助率:10/10。
・(新規)自殺未遂者に対する地域における包括的支援モデル事業→未遂者が救急病院搬入後、退院され地域に戻った際 に必要な支援へのつなぎ・継続的支援を行う都道府県 等における推進体制を整備することを目的。自殺企図の再発を防止するため、コーディネー ターを配置し、「自傷・自殺未遂レジストリ」に参加している救急病 院退院後の地域における必要な支援へのつなぎ・継続的支援を 行うモデル事業の実施。 また、都道府県の設置する地域自殺対策推進センターと救急 病院等の関係機関の連携体制構築のための定期的な会議を 実施。地域自殺対策強化交付金)。 事業実施⇒「いのち支える自殺対策推進センター」 からの情報提供、研修等の支援を受けて行う。このため、同センターの体制の強化を図る(調査研究等業務交付金)。補助率 :10/10(都道府県分は概ね3年程度を上限)。
・自傷・自殺未遂レジストリを活用した自殺未遂者支援の推進
→令和4年度から、個人が特 定されないよう配慮した上で、救急病院 から、自殺未遂に関する情報の提供を受 け「自傷・自殺未遂レジストリ」を構築中。世界保健機関 (WHO)が世界各国に呼びかけている「自傷・自殺未遂レジストリ」も我が国において整 備されていなかったことから、令和4年度予算において、「自傷・自殺未遂レジストリの 構築」に要する経費を計上。⇒実施主体:厚生労働省指定調査研究等法人 「いのち支える自殺対策推進センター」 補助率 :10/10。
・自殺報道への対応(WHO自殺報道ガイドラインを踏まえた報道の要請)→著名人の自殺報道やその他の自殺について、その手段や場所等を詳細を報じることは、その内容や 報じ方によっては、とりわけ子どもや若者、自殺念慮を抱えている人に強い影響を与えかねないため、 『自殺報道ガイドライン』を踏まえた報道を要請している。(令和2年以降20回実施)
・自殺総合対策大綱における施策の実施状況について(厚生労働省の主な取組)→1〜13までの各項目・細部項目について⇒令和4年度の主な取組状況と指摘されている。


◎資料3−3 文部科学省資料
○児童生徒の自殺対策
→R4⇒6月と9月多い。今後の対応として5つあり。ICTを活用した悩みや困難を抱える児童生徒の早期発見・解決。
○1人1台端末を活用した自殺リスク等の早期発見・早期対応の実現に向けて(取組例1)→1人1台端末を活用したデジタル健康観察により、児童生徒の日々のストレスや心身の変化を把握。悩みや不安を抱える児童生徒の早期発見とともに、SOSを発信しやすい仕組みを構築し、自殺リスクが高まる前に支援に繋ぐ仕組みを構築。⇒「大阪府吹田市教育委員会×(公財)こころの発達科学研究所」日々のデジタル健康観察から心身の状況を把握し、リスクの高い児童生徒を早期発見、アウトリーチ支援。
○1人1台端末を活用した自殺リスク等の早期発見・早期対応の実現に向けて(取組例2)→1人1台端末を活用して、児童生徒が日々のストレスや心身の変化を把握。悩みや不安を抱える児童生徒の早期発見とともに、S OSを発信しやすい仕組みを構築し、危機的状況に陥っている児童生徒を自殺リスクが高まる前に支援に繋ぐ仕組みを構築。⇒「千葉県教育委員会×千葉大学」児童生徒へのwebストレスチェックを通じて、心身の状況を把握、担任教諭等にフィードバックし、早期発見、支援に。
○自殺予防教育について→自殺予防教育は、「早期の問題認識」と「援助希求的態度の育成」に焦点を当て、@心の危機のサインを理解する、A心の危機に 陥った自分自身や友人への関わり方を学ぶ、B地域の援助機関を知ることを目的。 特にSOSの出し方に関する教育の実施等については、自殺対策基本法で努力義務が規定されている。⇒「自殺予防教育の構造」「自殺予防教育の展開(例)」などの参照。

≪参考資料≫
○新たな自殺総合対策大綱(令和4年10月閣議決定) 当面の重点施策 (主な文科省関係の抜粋)
→「児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議」の実施。「児童生徒の自殺予防に関する普及啓発協議会」の開催が追加される。
○児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議 審議まとめ【概要】(令和3年6月)→コロナ禍における児童生徒の自殺者数は増加傾向(R2:499人)にあり、特に女子高校生の自殺者数は増加(R2:140人)が著しい。 原因・動機としては、「進路に関する悩み(入試に関するものを除く)」、「学業不振」、「親子関係の不和」が例年上位。   今後の課題⇒SOSの出し方に関する教育を含む自殺予防教育による援助希求的態度の育成、相談体制等の整備に加え、 ハイリスクな児童生徒の早期発見・対応に資するICTの活用も重要。また、学校現場に限らない背景による自殺に対応するため、 関係機関との連携体制の点検・見直しが重要。

○児童生徒の自殺予防に係る取組について(通知)(令和5年2月28日付け4初児生第31号)→ 18歳以下の自殺は、長期休業明けの時期に増加する傾向があるため、児童生徒の自殺予防に関する取組を促す通知を発出。 警察庁・厚生労働省の自殺統計によると、令和4年の児童生徒の自殺者数は過去最多の512人(暫定値)となり、特に、男子高校生 の自殺者数が前年に比べて38人増加したことなどを明記し、進路に迷う児童生徒が多くなることを踏まえて、進路指導の充実や見守り活 動を丁寧に実施するなど教育委員会等に注意を喚起。
○スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー による教育相談体制の充実→様々な課題を抱える児童生徒への早期支援、不登校状態にある児童生徒への手厚い支援に向けた相談体制の充実が必要。 また、社会問題化している昨今の児童虐待相談対応件数の急増等を踏まえ、学校における児童虐待の未然防止・早期発見や、 児童虐待発生時の迅速・的確な対応に向けた相談体制の充実も喫緊の課題。 さらに、「経済財政運営と改革の基本方針2022」等を踏まえ、重大ないじめ・自殺や不登校、ヤングケアラーの早期対応等に向けた 相談体制の充実も課題。
○24時間子供SOSダイヤルについて→「0120−0−78310(なやみいおう)」。子供たちが全国どこからでも夜間・休日を含め て24時間いじめ等の悩みを相談することができるよう、全国統一ダイヤルを設置。 統一ダイヤルに電話をすれば、原則として電話 をかけた所在地の教育委員会の相談機関に接続される。
○SNS等を活用した相談事業→【イメージ】SNS等を活用した相談 参照。
○児童生徒の自殺防止対策における関係機関との連携について→児童生徒の自殺の背景には、健康問題、家庭問題、学校問題、男女問題など、多岐にわたり複合的である。 このため、学校だけで根本的な解決が困難な場合には、SSW等を通じて、病院等の医療機関や児童相談所・市区 町村の福祉担当部局などの専門機関につなぎ、専門機関から適切な支援を行うことが必要。


◎資料3−4 内閣官房資料   内閣官房孤独・孤立対策担当室
○孤独・孤立対策ウェブサイト
→孤独・孤立で悩んでいる方向けに、孤独・孤立に関する各種支援制度や相談先を 一元化し、情報発信するウェブサイトを作成。 チャットボット(自動応答システム)により、相談者を適切な支援制度や相談先へ ご案内するとともに、孤独・孤立で悩んでいる方が声を上げやすくなるコンテンツを 掲載⇒<主な機能> (1)チャットボット(自動応答システム)の導入(自動応答により相談者を適切な支援制度や相談先へ案内 ・関係府省の支援制度や相談窓口をあわせて約150をカバー) (2)チャットボット利用結果をPDF様式で出力可能(利用者の備忘録、自治体の相談窓口等において自らの状況を説明する手助け) (3)孤独・孤立で悩んでいる方が声をあげやすくなるコンテンツを掲載(悩みを抱えている人の質問と回答、専門家のヒント、メッセージ、キャンペーンなど) (4)子ども用の専用ページを開設(2023年3月10日外国語ページ(10言語)を公開。一般向けは3月末を予定)
○地方版「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」の推進→孤独・孤立問題の深刻化に備え、地方自治体でも支援団体の連携による対応が急務。 一方、複合的事案が多く、既存の政策的対処では困難であり、地方自治体の取組に大きな 差が見られる。 本事業は、地方自治体において連携強化の実証事業に取り組み、得られたノウハウや留意 点などを報告書にまとめ、全国の地方自治体に共有することで、孤独・孤立対策の取組強化 を目指す
○地方版 「孤独・孤立対策官民連携プラットフォーム」 推進事業 取組団体(地方自治体)一覧(計29団体(都道府県・政令市:12、市町村:17))→全国地図で示す。
○孤独・孤立対策推進法案の概要
・近時における社会の変化を踏まえ、日常生活若しくは社会生活において孤独を覚えることにより、又は社会から孤立していること により心身に有害な影響を受けている状態にある者への支援等に関する取組について、その基本理念、国等の責務、施策の基本と なる事項及び孤独・孤立対策推進本部の設置等について定める→「孤独・孤立に悩む人を誰ひとり取り残さない社会」、「相互に支え合い、人と人との「つながり」が生まれる社会」を目指す⇒施行期日: 令和6年4月1日


◎資料3−5 内閣府資料  「大綱に基づく諸施策の実施状況について」
内閣府男女共同参画局
○性犯罪・性暴力被害相談体制の拡充
→「ワンストップ支援センター→「#8891」 (はやくワンストップ)」⇒性暴力被害者のための 夜間休日コールセンター(R3.10/1〜)、性暴力に関するSNS相談 「キュアタイム」 R2.10/2〜に連絡を。
○性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金→性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターの運営の安定化及び被害者支援機能の強化のため、都道府県等による 支援センターの整備等に係る取組を支援し、被害者支援に係る取組の充実を図る。⇒都道府県、政令指定都市、中核市(交付先)。@〜Bの運用経費。
○DV相談窓口→【DV相談ナビダイヤル】(はれれば→ #8008)
○青少年の保護者向け普及啓発リーフレット→「ネット・スマホのある時代の子育て(乳幼児編)」令和5年1月版、「保護者がおさえておきたい4つのポイント(生徒編)」令和4年1月版、「保護者が正しく知っておきたい4つの大切なポイント (児童・生徒編)」令和3年1月版、「スマホ時代の子育て〜悩める保護者のためのQ&A〜 (幼児・児童編)」令和2年1月班⇒それぞれのコメントあり。
○第36回青少年のイタネト利用環境づくりフォーラム(IN山梨)↓
 モバイル端末の普及により、青少年のインターネット利用環境が急激に変化しているこ とから、国、地方公共団体、民間団体が連携して、全国3カ所でフォーラムを開催します。  フォーラムでは、地域が自立的・継続的に青少年のインターネット利用環境づくりに関す る取組を実施できるようにするための連携体制構築について考えていきます。
○「第36回青少年のインターネット利用環境づくりフォーラム in 山梨」を開催しました!
https://www.pref.yamanashi.jp/shougai-gks/sumahotokosodate/internet-forum.html
6.「やまなし青少年のインターネット利用と生活習慣に関する調査2022」について
→フォーラム開催にあたり、本県の児童・生徒のインターネット利用状況及び生活習慣等についてアンケート調査を実施しました。  下記より調査結果を御覧ください。↓
「やまなし青少年のインターネット利用と生活習慣に関する調査2022」調査報告書(PDF:2,125KB)↓
https://www.pref.yamanashi.jp/shougai-gks/sumahotokosodate/documents/2022_internet_seikatusyuukan_chousahoukokusyo.pdf

次回も続き「資料3−6 警察庁資料」からです。

第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料 [2023年04月21日(Fri)]
第10回自殺総合対策の推進に関する有識者会議(オンライン開催・ペーパーレス)資料(令和5年3月30日)
(議題) (1)自殺の動向について (2)新たな自殺総合対策大綱(令和4年 10 月 14 日閣議決定) (3)大綱に基づく諸施策の実施状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_31755.html
◎資料1−1 自殺の動向について 〜3月は自殺対策強化月間です〜
令和5年3月30日  厚生労働省社会・援護局総務課自殺対策推進室
○自殺者数の年次推移(昭和53年〜令和4年)→令和4年の自殺者数は21,881人、対前年比874人(約4.2%)増。 男女別⇒男性は13年ぶりの増加、女性は3年連続の増加。 また、男性の自殺者数は、女性の約2.1倍となっている。
○自殺者数の最近の動向(月別総数)→5月が2,174人と最多。
○【令和4年と令和3年の比較】年齢階級別、職業別、原因・動機別について→50〜59歳(4,093人)、無職者(11,775人)、健康問題(12,774人)がそれぞれ最多。
○【令和4年確定値】小中高生の自殺者数年次推移→R3よりR4が高校生40人多い。
○【令和4年】小中高生の自殺者数年次推移(男女別)→男子(293人)増加。女子(221)減。
○【令和4年】小中高生の自殺者数(月別推移)→6月と9月多い。
○小中高生の自殺者数推移(年別、月別)→12月は44人で推移から最多。
○【令和4年】小中高生の自殺の原因・動機→家庭・健康問題が多く、学校ではいじめ・学業不振が多い。
≪参考資料≫↓
○自殺対策強化月間(3月)の取組@ 相談体制の拡充等→3月を「自殺対策強化月間」と位置付け、「誰も自殺に追い込まれる ことのない社会」の実現に向けて相談事業や啓発活動を集中的に実施。 電話やSNSによる相談支援体制の拡充や、自殺者が増加している中高年層やこども・若者を 中心に、ポスターや動画による相談の呼びかけなどを行っている。
○自殺対策強化月間(3月)の取組A 3大臣からの呼びかけ↓
<子ども・若者への相談等の呼びかけ> <自治体首長への取組推進の呼びかけ>

◎資料1−2 令和 4 年の「児童生徒の自殺」について
○高校生の自殺者数、自殺死亡率→令和4年の児童生徒(小中高生)の自殺者数のうち、高校生が68.9%を占めた。性別を問わず、自殺者数は「高校生(全日制)」が多く、自殺死亡率は「高校生(定時制・通信制)」が高かった。特に「女子高生(定時制・通信制)」の自殺死亡率が高く「女子高生(全日制)」 の4.6倍、全国の自殺者(全世代)の1.9倍に上った。自殺者数では、「男子高生(全日制)」が最も多く、高校生全体の45.5%を占めた。
○高校生の自殺の原因・動機(大分類)→定時制・通信制男子・女子は健康問題、全日制男子・女子はともに学校問題。
○高校生の自殺の原因・動機「健康問題」「学校問題」の内訳→うつ病の悩みなどその他の精神疾患が多い。「学校問題」では学業不振、いじめ等が多い。
○高校生の自傷行為歴と自殺未遂歴の有無→「高校生(定時制・通信制)」のうち、自殺未遂歴「あり」の割合は 38%で、全国の自殺者(全世代)の1.9倍に上った。自傷行為歴と自殺 未遂歴、あるいはそのいずれかが「あり」は、「高校生(定時制・通 信制)」において48%で、「高校生(全日制)」の2.2倍に上った。
○女子の自傷行為と自殺未遂の時期→「女子高生(定時制・通信制)」の26%は、自殺で亡くなる「1ヶ月以 内に自殺未遂」をしており、自殺未遂歴「あり」の割合が半数を占め た。 「女子小中学生」の11%は、自殺で亡くなる「1ヶ月以内に自傷行為」 をしていた。
○男子の自傷行為と自殺未遂の時期→男子は女子と比較して、「自傷行為歴」と「自殺未遂歴」のいずれに おいても「あり」の割合が低かった。
○児童生徒の自殺の時間帯→児童生徒が自殺で亡くなる時間帯を集計したところ、比較的、放課後 の時間帯(14〜19時)に多いことが分かった。ただし、学期中と休暇 中においては特徴が異なっている可能性もあり、更に掘り下げた分析 が必要である。


◎資料2 新たな自殺総合対策大綱の概要
○新たな「自殺総合対策大綱」(令和4年10月14日閣議決定)のポイント
・自殺対策基本法が成立した平成18年と、コロナ禍以前の令和元年の自殺者数を比較すると男性は38%減、女性 は35%減となっており、これまでの取組みに一定の効果があったと考えられる。(平成18年:32,155人→令和元年:20,169人)。

・自殺者数は依然として毎年2万人を超える水準で推移しており、男性が大きな割合を占める状況は続いている が、更にコロナ禍の影響で自殺の要因となる様々な問題が悪化したことなどにより、女性は2年連続の増加、小 中高生は過去最多の水準となっていることから、今後5年間で取り組むべき施策を新たに位置づける。
1 子ども・若者の自殺対策の更なる推進・強化→自殺等の事案⇒詳細な調査や分析をすすめ、自殺を防止する方策を検討。 ・子どもの自殺危機に対応していくチームとして学校、地域の支援者等が連携し自殺対策にあたることができる仕組み等の構築。・命の大切さ・尊さ、SOSの出し方、精神疾患への正しい理解や適切な対応等を含めた教育の推進。
・学校の長期休業時の自殺予防強化、タブレットの活用等による自殺リスクの把握やプッシュ型支援情報の発信。 ・令和5年4月に設立が予定されている「こども家庭庁」と連携し、子ども・若者の自殺対策を推進する体制を整備。
2 女性に対する支援の強化→妊産婦への支援、コロナ禍で顕在化した課題を踏まえた女性の自殺対策を「当面の重点施策」に新たに位置づけて取組を強化。
3 地域自殺対策の取組強化→地域の関係者のネットワーク構築や支援に必要な情報共有のためのプラットフォームづくりの支援。 ・地域自殺対策推進センターの機能強化。
4 総合的な自殺対策の更なる推進・強化↓

・新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた対策の推進。
・国、地方公共団体、医療機関、民間団体等が一丸となって取り組んできた総合的な施策の更なる推進・強化。⇒■孤独・孤立対策等との連携 ■自殺者や親族等の名誉等 ■ゲートキーパー普及※ ■SNS相談体制充実 ■精神科医療との連携 ■自殺未遂者支援■勤務問題 ■遺族支援 ■性的マイノリティ支援 ■誹謗中傷対策 ■自殺報道対策 ■調査研究 ■国際的情報発信など。

○新たな「自殺総合対策大綱」の概要↓
第 1 自殺総合対策の基本理念→ 誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指す
第 2 自殺の現状と自殺総合対策における基本認識→自殺は、その多くが追い込まれた末の死。年間自殺者数は減少傾向にあるが、非常事態はいまだ続いている。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を踏まえた対策の推進(新)→・自殺への影響について情報収集・分析。・ICT活用を推進。・女性、無業者、非正規雇用労働者、ひとり親、フリーランス、児童生徒への影響も踏まえた対策。
第 3 自殺総合対策の基本方針→1〜6まで。
第 4 自殺総合対策における当面の重点施策→1〜13まで。
第5 自殺対策の数値目標→令和8年までに、 自殺死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)を平成27年と比べて 30%以上減少させることとする。
第6 推進体制等→1〜4まで。

○新たな「自殺総合対策大綱」 <第4 自殺総合対策における当面の重点施策の概要>
1.地域レベルの実践的な取組への支援を強化する →4つの取組。
■地域自殺対策推進センターへの 支援⇒・地域自殺対策推進センター長の設置の支援。・全国の地域自殺対策推進センター長によ る会議の開催に向けた支援。
2.国民一人ひとりの気付きと見守りを促す →3つの取組。■児童生徒の自殺対策に資する 教育の実施⇒・命の大切さ・尊さ、SOSの出し方、精神疾患へ の正しい理解や適切な対応を含めた心の健康の 保持に係る教育等の推進。 ■自殺や自殺関連事象等に関する 正しい知識の普及、うつ病等についての普及啓発⇒・「自殺は、その多くが追い込まれた末の死である」 「自殺対策とは、生きることの包括的支援である」 という認識の普及。・メンタルヘルスの正しい知識の普及促進
3.自殺総合対策の推進に資する調査研究等を推進する →4つの取組。■自殺の実態や自殺対策の実施状 況等に関する調査研究・検証・成果 活用⇒・相談機関等に集約される情報の活用の検討。 ■子ども・若者及び女性等の自殺調 査、死因究明制度との連動⇒・自殺等の事案について詳細な調査・分析。・予防のための子どもの死亡検証(CDR; Child Death Review)の推進。・若者、女性及び性的マイノリティの生きづらさ等に 関する支援一体型の実態把握。 ■コロナ禍における自殺等の調査。
4.自殺対策に関わる人材の確保、養成及び資質の向上を図る →8つの取組。■ゲートキーパーの養成⇒・若者を含めたゲートキーパー養成。■自殺対策従事者への心のケア⇒・スーパーバイザーの役割を果たす専門職の配 置等を支援 ■家族・知人、ゲートキーパー等を 含めた支援者への支援
5.心の健康を支援する環境の整備と心の健康づくりを推進する →4つの取組。■職場に
おけるメンタルヘルス対 策の推進⇒パワーハラスメント対策の推進、SNS相談の実施。
6.適切な精神保健医療福祉サービスを受けられるようにする →4つの取組。■精神保健医療福祉サービスを担 う人材の養成等⇒・自殺の危険性の高い人を早期に発見し確実 に精神科医療につなげるよう体制の充実 ■子どもに対する精神保健医療福 祉サービスの提供体制の整備⇒ ・子どもの心の診療体制の整備。
7.社会全体の自殺リスクを低下させる →9つの取組。■相談体制の充実と相談窓口情報等の分かりやすい発信、アウトリーチ強化。 ■ICT(インターネット・SNS等)活用 ・SNS等を活用した相談事業支援の拡充、ICTを活用した情報発信を推進。■自殺対策に資する居場所づくりの推進。
8.自殺未遂者の再度の自殺企図を防ぐ →6つの取組。■医療と地域の連携推進による包括的な未遂者 支援の強化⇒ ・自殺未遂者を退院後に円滑に精神科医療につなげるための医療 連携体制の整備。 ・自殺未遂者から得られた実態を分析し、匿名でのデータベース化 を推進
9.遺された人への支援を充実する →5つの取組。■学校、職場等での事後対応の促進⇒・学校、職場、公的機関における遺族等に寄り添った事後対応 等の促進。■遺児等への支援⇒ ・ヤングケアラーとなっている遺児の支援強化。
10. 民間団体との連携を強化する →4つの取組。■民間団体の相談事業に対する支援⇒・多様な相談ニーズに対応するため、SNS等を活用した相談 事業支援を拡充。
11. 子ども・若者の自殺対策を更に推進する →6つの取組。■学生・生徒への支援充実⇒・長期休業の前後の時期における自殺予防を推進。・タブレット端末の活用等による自殺リスクの把握やプッシュ型の支援情報の発信を推進。・学校、地域の支援者等が連携して子どもの自殺対策にあたることができる仕組みや緊急対応時の 教職員等が迅速に相談を行える体制の構築。 ・不登校の子どもへの支援について、学校内外における居場所等の確保。 ■SOSの出し方に関する教育の推進⇒・命の大切さ・尊さ、SOSの出し方、精神疾患への正しい理解や適切な対応を含めた心の健康の保 持に係る教育等の推進。・子どもがSOSを出しやすい環境を整えるとともに、大人が子どものSOSを受け止められる体制を構築。 ■子ども・若者への支援や若者の特性に応じた支援の充実⇒・SNS等を活用した相談事業支援の拡充、ICTを活用した情報発信を推進。 ■知人等への支援⇒・ゲートキーパー等を含めた自殺対策従事者の心の健康を維持する仕組みづくり。 ■子ども・若者の自殺対策を推進するための体制整備⇒ ・こども家庭庁と連携し、体制整備を検討。
12. 勤務問題による自殺対策を更に推進する →3つの取組。■長時間労働の是正⇒・勤務時間管理の徹底及び長時間労働の是 正の推進。・勤務間インターバル制度の導入促進。・コロナ禍で進んだテレワークを含め、職場のメ ンタルヘルス対策の推進。・「過労死等の防止のための対策に関する大綱」に基づき、過労死等の防止対策を推進。・副業・兼業への対応。

13. 女性の自殺対策を更に推進する(新) →3つの取組。■妊産婦への支援の充実⇒・予期せぬ妊娠等により身体的・精神的な悩みや不安を抱えた若年妊婦等について性と健康の相談センター事業等による支援を推進。 ■コロナ禍で顕在化した課題を踏 まえた女性支援⇒・子育て中の女性等を対象にきめ細かな就職支援。 ・配偶者等からの暴力の相談体制の整備を進 める等、被害者支援の更なる充実 ・様々な困難・課題を抱える女性に寄り添った きめ細かい相談支援等の地方公共団体によ る取組を支援。 ■困難な問題を抱える女性への支援。

次回も続き「資料3−1 大綱に基づく諸施策の実施状況について」からです。

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