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第10回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」 [2022年12月31日(Sat)]
第10回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」(令和4年12月19日)
≪議題≫(1)精神障害の労災認定の基準について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29878.html
◎【資料1】第 10 回における論点
1 業務による心理的負荷評価表の検討
(1)「具体的出来事」の類型D〜Fに関して、「強」「中」「弱」と判断する具 体例や総合評価の視点について、どのような内容を示すべきか。
→これまで検討してきた「具体的出来事」の内容やその考え方、これまでの裁判例、 裁決例等を踏まえ、「強」「中」「弱」と判断する具体例や総合評価の視点について、 決定事例等を踏まえ、追記、修正等すべき事項として、どのようなものがあるか。

2 発病の有無、発病時期
(1)発病の有無について、どのような状態を精神障害の発病というかの判断 が適切になされるために、どのような事項に留意すべきか。
→発病の有無等については、対象疾病を踏まえ、現時点においては「ICD−10 精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン」に基づき判断される。 精神障害の治療歴のない自殺事案の発病の有無の判断に当たり、どのような事項に 留意すべきか。 他の精神障害を有する者の発病の有無の判断に当たり、どのような事項に留意すべ きか。
(2)発病の時期について、どの時点を精神障害の発病というかの判断が適切 になされるために、どのような事項に留意すべきか。 特に、どの時点で診断基準を満たしたのかの特定が困難な場合につい て、どのように考えるべきか。→発病時期については特定が難しい場合があるが、そのような場合にも、出来事との 関係、自殺事案については自殺日との関係等を踏まえ、できる限り時期の範囲を絞り 込んだ医学意見を求めて判断するほかないのではないか。

3 精神障害の悪化及び個体側要因による発病
(1)精神障害の悪化について、どのような状態を精神障害の悪化というかの 判断が適切になされるために、どのような事項に留意すべきか。
→「悪化」とされる状況を具体的に示すことが可能か。就労できていたができなくなった場合、自殺に至った場合などについて、悪化と考えることができるか。個別事案 ごとに医学専門家による判断が必要と整理してよいか。  症状の変化が生じる前の状況が、一定期間、通院・服薬を継続しているものの、症 状がなく、または安定していた状態で、通常の勤務を行っていた者の事案について は、ここでいう「発病後の悪化」の問題としてではなく、「症状が改善し安定した状 態が一定期間継続した後の新たな発病」として、通常の認定要件に照らして判断すべ きものが少なくないのではないか。
(2)精神障害が悪化した場合の業務起因性について、既に精神障害を発病し て治療が必要な状態にある者は、病的状態に起因した思考からささいな心 理的負荷に過大に反応すること等も踏まえつつ、そのような個体側要因の 状況と業務による強い心理的負荷との関係等についてどのように考えるべ きか。 →個体側要因(治療が必要な状態にある精神障害)の状況及び業務による強い心理的 負荷の状況は事案により様々、これらの状況を個別に医学的に検討する ことについてどのように考えるか。
(3)業務による強い心理的負荷が認められる事案であって個体側要因によっ て発病したことが医学的に見て明らかな場合を例示することについて、ど のように考えるか。→「明らかな場合」の例示は困難ではないか。   丁寧な検討が必要な場合として、治療が必要な状態にある精神障害を有している場 合(悪化の場合)や、重度のアルコール依存状況がある場合などを例示することにつ いてどのように考えるか。

4 療養、治ゆ及び再発 ↓
(1)被災労働者の社会復帰に資するため、精神障害の療養等についてどのよ うな事項を示すことができるか。 ※ 治ゆ(症状固定)後であっても、一定の障害を残した場合には障害補償給付が、 後遺症状の増悪防止等のため長期間にわたり投薬等が必要とされる場合にはアフタ ーケアが実施される。 → 療養や治ゆ(症状固定)に関する考え方⇒より主治医等の理解を深めるた めに、どのような事項を示すことが適当か。 被災労働者の社会復帰の促進の観点から、長期療養者の増加は大きな課題であり、 療養を継続しながら就労することが可能と医師が認める者⇒社会復帰を推 進する体制整備が重要ではないか。 あわせて、療養期間の目安について、あらかじめ被災労働者や主治医に示しておく ことは、被災労働者等が療養の見通しを立て、円滑な社会復帰を促進するために重要 ではないか。
(2)対象疾病がいったん治ゆ(症状固定)した後において再びその治療が必 要な状態が生じた場合は、新たな発病と取り扱い、改めて認定要件に基づき業務上外を判断することについて、医学的知見の状況等を踏まえ、妥当 なものと考えてよいか。

○業務による心理的負荷評価表に係る出来事の追加・修正・削除(たたき台)→D〜Fの現行、 改正案あり。
○業務による心理的負荷評価表に係る「強」「中」「弱」の具体例及び総合評価の視点(D〜Fのたたき台)→心理的負荷の強度、心理的負荷の総合評価の視点、心理的負荷の強度を「弱」「中」「強」と判断する具体例、あり。

○認定基準の検証に係る具体的な論点(たたき台)2 発病の有無、発病時期→具体的な論点、参考事項あり。
○認定基準の検証に係る具体的な論点(たたき台)3 精神障害の悪化及び個体側要因による発病
→具体的な論点、参考事項あり。 B 精神障害が悪化した場合の業務起因性について裁判例あり。↓
・悪化等に関する裁判例に係る時系列→「B30 (H28.12.1名古屋高裁) ※ 発病から自殺まで約6か月」「B40 (H30.10.16札幌高裁) ※ 発病から自殺まで約8年7か月」「追加(R4.3.18福岡地裁) ※ 発病から本件休業まで約4年」「B18(H26.9.17東京地裁) ※ 発病から自殺まで約3年2か月」
○認定基準の検証に係る具体的な論点(たたき台)4 療養、治ゆ及び再発→具体的な論点、参考事項あり。現行認定基準:第7療養及び治ゆ→(略)対象疾病がいったん治ゆ(症状固定)した後において再びその治療が必要な 状態が生じた場合は、新たな発病と取り扱い、改めて上記第2の認定要件に基づき業 務上外を判断する。

○非器質性精神障害の障害認定@AB↓
1.非器質性精神障害の後遺障害 非器質性精神障害(脳の器質的損傷を伴わない精神障害)の後遺障害が存しているというためには、以下のaの精神症状のうち1つ以上 の精神症状を残し、かつ、bの能力に関する項目のうち1つ以上の能力について障害が認められることを要すること。→a 精神症状(6滋養たいあり。)  b 能力に関する判断項目(8項目あり。)
2.就労意欲の低下等による区分→ a 就労している者又は就労の意欲のある者 b 就労意欲の低下又は欠落により就労していない者
3.障害の程度に応じた認定: 非器質性精神障害は、次の3段階に区分して認定する。→a〜c参照。a →例:「対人業務につけない」ことによる職種制限が認められる場合。 b→例:「職種制限は認められないが、就労に当たりかなりの配慮が必要である」場合。 c→例:「職種制限は認められないが、就労に当たり多少の配慮が必要である」場合。
4.重い症状を残している者の治ゆの判断等→重い症状を有している者(判断項目のうち@の能力が失われている者又は判断項目のうちA〜Gのいずれか2以上の能力が失われてい る者)については、非器質性精神障害の特質上症状の改善が見込まれることから、症状に大きな改善が認められない状態に一時的に達し た場合であっても、原則として療養を継続することとなる。 ただし、療養を継続して十分な治療を行ってもなお症状に改善の見込みがないと判断され、症状が固定しているときには、治ゆの状態 にあるものとし、障害等級を認定することとなる。 なお、その場合の障害等級の認定は本認定基準によらずに、個別に検討し、障害の程度を踏まえて認定することとなる。
注1 非器質性精神障害については、症状が重篤であっても将来において大幅に症状の改善する可能性が十分にあるという特質がある。 注2 業務による心理的負荷を原因とする非器質性精神障害は、業務による心理的負荷を取り除き、適切な治療を行えば、多くの場合概ね半年〜1年、 長くても2〜3年の治療により完治するのが一般的であって、業務に支障の出るような後遺症状を残すケースは少なく、障害を残した場合においても 各種の日常生活動作がかなりの程度ででき、一定の就労が可能となる程度以上に症状がよくなるのが通常である。

○「精神・神経の障害認定に関する専門検討会報告書」(平成15 年6月)(抄)
→業務による心理的負荷を原因とする非器質性精神障害は、業務による心理的負荷を取り除き、適切な治療を行えば、 多くの場合概ね半年〜1年、長くても2〜3年の治療により完治するのが一般的であって、業務に支障の出るような 後遺障害を残すケースは少ない。 しかし、症例によっては個体側要因も関係して2〜3年の治療によっては完治に至らず症状が改善しないまま推移 することもまれにはある。 こうした非器質性精神障害の後遺障害の障害認定の時期、すなわち治ゆ(医学上一般に承認された治療方法をもっ てしても、その効果がそれ以上期待し得ない状態で、かつ、残存する症状が自然的経過によって到達すると認められ る最終の状態)とする時期をいつの時点におくべきかであるが、原則として各種の日常生活動作がかなりの程度でき、 一定の就労が可能となる程度以上に症状がよくなった時期、換言すれば、もとの仕事に復帰できる場合はもとより、 職種制限が相当な程度あるためにもとの仕事には復帰できないが他の仕事には就き得る程度に症状が良くなった時期 とすべきである。 ただし、上記の一般的・平均的な療養期間を大幅に超えて療養してもなお、それ以上症状に改善の見込みがないと 判断される場合であって、意欲の低下等により就労がかなわないものの日常生活はかなりの程度できる状態にまで回 復している場合には、就労がかなわなくてもその時期を治ゆ(症状固定)と判断し、後遺症状について障害認定すべきである。 なお、後述する各種の日常生活動作に係る複数の判断項目にわたって「できない」と評価される等非器質性精神障 害による症状が重篤で、日常生活にも大きな支障が生じ、療養が必要と認められる場合には、非器質性精神障害の特 質上、なお将来において大幅に症状が改善する可能性が十分にあること等から、慎重に治ゆか否かを見極めるととも に、必要に応じて療養を継続すべきである。
○アフターケア制度の概要↓
1.対象疾病
→ アフターケアは、傷病が症状固定(治ゆ)した後における保健上の措置として、次に掲げる20傷病について、 1か月に1回程度の診察、保健指導及び検査等一定の範囲内で必要な措置を行うもの。⇒精神障害も。
2.対象者→ アフターケアの対象者は、業務災害又は通勤災害により被災した者で、症状が固定した後においても、後遺症状に動揺をき たしたり、後遺障害に付随する疾病を発症させるおそれがある者である。その他の要件については、傷病別アフターケアに定 めるところによる。
○精神障害のアフターケア↓
1.趣旨
→業務による心理的負荷(通勤災害に伴う心理的負荷を含む。)を原因として精神障害を発病した者は、症状固定後においてもその後遺症状について増悪の予防その他の医学的措置を必要とすることから、アフターケアを行う。
2.対象者→業務による心理的負荷(通勤災害に伴う心理的負荷を含む。)を原因として精神障害を発病した者で、労災保険法による療養 補償給付を受けて、この精神障害が症状固定した者のうち、次の@〜Cに掲げる後遺症状によって、医学的に早期にアフター ケアの実施が必要であると認められる者。 @ 気分の障害(抑うつ、不安等) B 慢性化した幻覚性の障害又は慢性化した妄想性の障害 A 意欲の障害(低下等) C 記憶の障害又は知的能力の障害
3.措置範囲
(1) 診察 ・・・原則として1か月に1回程度
(2) 保健指導 ・・・診察の都度
(3) 保健のための処置↓
ア 精神療法及びカウンセリングの実施→(ア) 後遺症状として気分の障害又は慢性化した幻覚性の障害若しくは慢性化した妄想性の障害があると認められる者については、診察の 都度、必要に応じて専門の医師による精神療法及びカウンセリングを行うことができる。 (イ) アフターケアとして実施する精神療法及びカウンセリングは治療ではなく、後遺症状の増悪を防止するための保健上の措置であること から、その処置内容については、生活指導に重点を置いたものとする。
イ 薬剤の支給→ @ 向精神薬 A 神経系機能賦活薬
(4) 検査→@ 心理検査 A 脳波検査、CT、MRI検査(1年に2回程度)、B 末梢血液一般・生化学的検査( 向精神薬を使用している場合に、1年に2回程度)


◎【資料2】論点に関する労災補償状況 ↓
1 精神障害(自殺)の労災認定事案の解析
→労働安全衛生総合研究所「令和2年度過労死等の実態解明と防止対策に関 する総合的な労働安全衛生研究」 ⇒表1 基礎的項目(497名、男 479 (96.4)・ 女 18 (3.6))、表2 業種と職種の内訳(専門的・技術者175 (35.2)が多い。)、表4 認定時疾患名・当該疾病に関する医療機関受診状況(F30-F39 気分(感情)障害 453 (91.1が多い。)、表7 当該疾病に関する精神科等の医療機関受診状況と各要因の関連(医療,福祉 45.5%3lあり。) それぞれ参照のこと。
2 発病後の悪化に係る精神障害の労災補償状況 →(1)支給決定件数 (2)業務による強い心理的負荷があったと判断したが、「特別な出来事」が認められないとして不支給とした件数   参照。

3 精神障害に係る長期療養者の状況 →(1)精神障害による長期療養者数 (2)長期療養者全体に占める精神障害の割合の推移 (3)令和2年度の長期療養者の状況(前年度と比べて増加している。)
4 精神障害によるアフターケア実施状況→R2年度末、7,504件・ 71,811,842円

次回も続き「【資料3】論点に関する医学的知見」からです。

第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料 [2022年12月30日(Fri)]
第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料(令和4年12月16日)
【議題】(1)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等(諮問)(2)労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会(報告)(3)令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(報告)(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29845.html
◎参考資料2 令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会の資料→(令和4年11月7日)開催資料です。↓ https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_28970.html
○資料1→令和5年度要求の概要 (労働保険特別会計労災勘定)
・令和5年度要求における社会復帰促進等事業の概要→社会復帰促進等事業費 812(941)【▲129億円】 (未払賃金立替払事業除く 698(720)【▲32億円】)
○資料2→労災保険経済概況
○資料3→社会復帰促進等事業費(労災保険法第29条各号別)の予算額・決算額の推移(過去5年間)
○資料4→社会復帰促進等事業費の推移(平成17年度予算〜令和5年度要求)について
○資料5→社会復帰促進等事業等に要する費用について
○資料6→未払賃金の立替払(支払)の状況→令和2年度〜令和3年度四半期別の立替払(支払)状況。令和4年度立替払対前年同月(4〜8月)比較資料。
○資料7→運営費交付金・施設整備費等の状況
○資料8→社会復帰促進等事業に関する令和3年度評価の令和5年度概算要求への反映状況(概要)⇒<令和3年度評価の令和5年度概算要求への反映状況について>↓
1(1)D評価の事業で、増額要求を行っているもの (1事業)
(2)D評価の事業で、減額要求を行っているもの (1事業)
2(1)C評価の事業で、増額要求を行っているもの (0事業)
(2)C評価の事業で、減額要求を行っているもの (3事業)
3(1)B評価の事業で、増額要求を行っているもの (4事業)
(2)B評価の事業で、減額要求を行っているもの (4事業)
4(1)A評価の事業で、増額要求を行っているもの (8事業)
 (2)A評価の事業で、同額、減額要求を行っているもの (22 事業)


○資料9→社会復帰促進等事業における主な新規・拡充(令和5年度予算要求)→1〜6参照。
○資料10→令和4年度成果目標の検討状況→令和3年度 評価あり。


○参考資料1→社会復帰促進等事業の概要⇒「社会復帰促進事業→被災労働者の円滑な社 会復帰を促進するため に必要な事業」「被災労働者等援護事業→被災労働者とその遺族 の援護を図るために必 要な事業」「安全衛生確保等事業→労働者の安全と衛生の 確保などのために必要 な事業」
1.社会復帰促進事業→主な事業⇒アフターケアの実施。義肢・車椅子等の購入費用等の支給 等。
2.被災労働者等援護事業→主な事業⇒労災重度被災労働者に対する介護の実施。労災就学等援護費の支給 等。
3.安全衛生確保等事業→主な事業⇒第3次産業労働災害防止対策支援事業。産業保険活動総合支援事業費補助金。未払賃金の立替払事業 等。
・社会復帰促進事業一覧→7事業名あり。
・被災労働者等援護事業一覧→10事業名あり。
・安全衛生確保等事業一覧→31事業名あり。
・社会復帰促進等事業の評価方法→1.アウトカム指標を用い、その事業が国民生活や社会経済に及ぼした影響を「政策効果」として評価。 2.アウトプット指標を用い、事業を行うことにより提供されたモノやサービスの量を「事業執行率」として評価。 3.達成度により、A,B,C,Dの4区分に仕分け。 4.Aに区分された事業についても、「予算執行率」が80%未満のものは、翌々年度の予算額を適正な水準に見直し。
・社会復帰促進等事業の進め方→社会復帰促進等事業は、PDCAサイクルに基づき厳格に目標管理を行っています。 個別の事業を適正に遂行するために、年度ごとに目標を設定し、目標を達成したかどうかを翌年度にチェックします。 設定する目標は、アウトカム指標【政策的な効果を示す指標】とアウトプット指標【事業の執行率を示す指標】の 2種類があります。 個々の事業の目標とその実績は「社会復帰促進等事業に関する検討会※」において点検し、その結果を労働政策審 議会(労働条件分科会労災保険部会)でも議論し、PDCAサイクルをより透明化します。 目標が達成できなかった事業については、その理由を分析し、改善措置を講じます

○参考資料2→社会復帰促進等事業に係る目標管理に関する基本方針
1.基本方針策定の趣旨 社会復帰促進等事業(以下「社復事業」)
→平成 17 年度から目標管理を実施し、平成 19 年に行われた旧労働福祉事業の見直しについての労働政策 審議会の建議において、「PDCAサイクルで不断のチェックを行い、その事業評価 の結果に基づき、予算を毎年精査するとともに、合目的性と効率性を確保するため、 各事業の必要性についての徹底した精査を継続的に実施する」こととされたことを受け、PDCAサイクルによる事業のチェックをより実効性のあるものとする、 目標管理を効率的に行うため、目標管理の在り方に関する基本的な考え方を基本方針として定める。
2.社会復帰促進等事業に関する検討会→労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会の運営について→社会復帰促進等事業に関する検討会(以下「検討会」)における検証結果⇒労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会(以下「部会」) においても議論を行い、それをPDCAサイクルの一環として位置づける。 検討会⇒その開催や議事概要等を厚生労働省ホームページで公表し、 PDCAサイクルをより透明性のあるものにする。

3.具体的な目標管理の実施↓
1)事業の性質に応じた目標の設定(Plan)→目標管理の対象は、社復事業として実施するすべての事業(ただし行政経費のみ で構成されるものは除く)とする。 目標は、アウトカム指標(政策効果)とアウトプット指標(事業執行率)を用いて設定することを原則とし、質と量の両面を評価する観点から、可能な限り複数の 目標を設定する。指標を設定する際には、政策効果が客観的に評価できる指標とな るよう留意すること。 用いる指標は、その指標とする理由及び設定水準の考え方(なぜそのような水準 なのか)を明らかにする。なお、前年度目標を達成した上で、その翌年度の目標を 前年度と同水準に設定する場合には、既に相当高い目標設定を行っている場合を除き、その理由を明らかにする。 アウトカム指標で測定することが困難な事業⇒事業執行に関する効率 性などの別の評価基準を設定することで代えることとする。 設定した目標⇒翌年度の6月上旬頃に実績を把握した上での評価を行 うため、その時期までに実績が把握できる指標に限るものとし、その上で計画的に 事業を実施する。 なお、独立行政法人が行う事業に関する目標については、独立行政法人通則法に 基づき主務大臣が定める中期目標も考慮して目標設定を行う。また、目 標期間の途中年度で達成している場合等には、必要に応じて、中期目標にかかわら ず新たな目標を設定する。
(2) 設定した目標に基づいた事業の執行(Do)→事業を実施するに当たっては、前年度における評価の際の要因分析を踏まえる とともに、事業の実施主体に対し目標を明示させた上で実施する。
(3) 評価(Check)→ @ 評価の区分 事業の評価に当たっては、アウトカム指標とアウトプット指標により、A(施 策継続)、B(施策継続。ただし、予算額又は手法等を見直し)、C(事業の見直 し。アウトカム指標の未達成要因の分析が必要)、D(事業の廃止又は厳格な見 直し。見直す場合、アウトカム指標の未達成要因の分析が必要)の4区分で評価 を行う。 A 評価の際の要因分析→事業の評価を行うに当たり、要因分析を重視する観点から、目標の達成、未達 成を問わず、当該目標の達成(未達成)の理由(原因)、改善すべき事項その他 今後の課題等を整理し、評価の根拠を明確にする。また、必要に応じて、同様の 目的を持つ他の事業との比較等についても評価の対象とする。 B 新規事業の評価 新規予算要求を行う社会復帰促進等事業⇒概算要求の前の段階(6 月上中旬〜7月上旬)で、社会復帰促進等事業で行うことの必要性等の観点から 担当課からのヒアリングを行い、仮に予算が成立した場合に設定する目標の在り 方についても確認を行う。加えて、検討会及び部会においても必要性の確認を行う。
(4) 評価の反映、目標管理の改善(Action)→ @ 評価の予算への反映 ・ 目標達成度や事業実績等を踏まえ、当該年度における評価(A〜D)を翌年度の6月上旬頃に行い、翌々年度の概算要求に反映することとする。 概算要求に当たっては、事業ごとに前年度事業評価の結果を十分に反映させた 要求内容とし、検討会の資料に明示して評価結果への対応を説明すること。 A、B評価の事業⇒政策としての効果が更に高まるよう、適切な水 準の予算額とする等、事業の改善について検討すること。C、D評価の事業⇒評価の結果を踏まえて、事業の廃止や見直し等 の適切な対応を行うこと。 A 見直し状況の確認 →前年度の評価を踏まえて目標管理の見直しを行った事業⇒その見直し状況について、年度内に検討会及び部会において確認を行う。 B スケジュール→別紙のとおりとする。
4.基本方針の適用時期について→ 令和元年5月に改定した基本方針は、原則令和元年度以降の社会復帰促進等事業 の目標設定(P)から適用するものとする。
・(別紙) PDCAサイクルの年度スケジュール 参照。

○参考資料3社会復帰促進事業一覧→社会復帰促進事業(7)、被災労働者等援護事業(7)、安全衛生確保等事業(29)
○参考資料4社会復帰促進等事業に関する令和3年度成果目標の実績評価 及び令和4年度成果目標→令和3年度 事業番号1〜44まで。令和4年度 事業番号1〜43まで。
○参考資料5事業評価の過去5年間の推移→R3年度 事業番号⇒29年度〜 R3年度事業評価。
・A〜D事業件数推移→R元年度〜R3年度事業評価あり。参照。
○参考資料6好事例(令和3年度評価が令和2年度評価から改善(D〜B⇒A)した事業)→評価改善のための取組⇒5事業名あり。

次回は新たに「第10回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」」からです。

第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料 [2022年12月29日(Thu)]
第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料(令和4年12月16日)
【議題】(1)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等(諮問)(2)労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会(報告)(3)令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(報告)(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29845.html
◎参考資料1 団体からの意見要望
○意見書  2022年12月5日
過労死弁護団全国連絡協議会メリット制検討チーム  弁護士 川人博↓

1 現在、厚生労働省において、「労働保険徴収法第 12 条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会」が開催され労働保険料決定において、事業主が労災支給決定処分の違法性について主張することの適否が議論されている。
2 そのさなか、2022年U月29日、東京高等裁判所が、事業主による労災保険支給決定 に対する事業主による取消訴訟の原告適格を認めず、訴えを却下した東京地裁判決を破棄し、事業主による原告適格があることを前提として、地裁に実体審理を行うために差し戻す判決を出した。 同判決は、到底容認できないので、当弁護団として、厚生労働大臣あて上告(上告受理 申立て)するよう求めて、別紙の本日付要請書を提出した。
3 厚生労働省内の検討会における議論の方向性は、法的構成はともかく、事業主に対し、 支給決定処分の支給要件該当性について争う道を開きつつ、これを専ら労働保険料の争 訟において行わせ、被災労働者及び遺族に影響を可能な限り与えない、というものである。
そもそも、メリット制は、無過失責任を前提とする労災保険制度の下で適切かどうかと の議論が従前より存在し、加えて、今日においては、メリット制の導入当時と比べて、明白な災害性事故ではない労災、すなわち過労性疾患のような形態の労災が増加している 状況の下で、現行のメリット制がそのまま維持されることについては疑問があり、厚労省 内においては、メリット制の存続の可否、ないし内容の変更の可否を検討していくことが 必要な情勢になっていると思料する。 ただし、上記東京高裁判決が出された情勢の下では、現行メリット制の可否に関する議 論をひとまず留保したうえで、現在論点となっているメリット制増額に対する事業主の 不服申立ての可否につき、検討せざるをえない。
当弁護団検討チームの立場は、本来、労災認定に対する事業主の不服申立てを認めず、 かつ、メリット制保険料増額に対する事業主の不服申し立てに関しても、不服申し立てを あえて認めることには消極的である。ただ、上記高裁判決が出された情勢の下で、また、 現行の行政法等の考え方等を考慮するならば、現時点では、被災労働者や遺族に不利益が 生ずることがないようにすること、過労死やハラスメントの防止に悪影響が生じないよ うにすることを前提条件にして、何らかの形での事業主側の保険料増額に関する不服申し立てを是認することもやむを得ないと思料する。 しかし、以下のような重要な懸念があるので、不服申し立ての手続きにあたっては、現 実の被災労働者や遺族、潜在的な労災申請者に対して不利益が及ぶものとならないよう に十分に注意がなされなけれぱならない。
(1)第一に、現行の労災認定に負の影響を与えないようにすべきである。現状において、 労災認定手続きの過程で使用者からも十分に意見を聴いているのであり、かかる点は、 上記東京高裁判決においても「労働災害支給処分については、その適否を争うための手 続き保障が特定事業主にも相応に与えられている」としている【判決11頁】。こうした 中で、使用者側の中には、強く業務上であることを否認し、証拠もそれに沿うものだけ を提出し、そのうぇで担当官に対し「認定を出せば確実に取消訴訟や審査請求に及ぶ」 旨の言動を行う等の圧力を加えてくることが想定される。 この結果、担当官が、特に、事実認定について、必要以上に労働時間の認定やハラス メントの認定に消極的になったり、肉体的精神的負荷の総合評価を行う際に、必要以上 に過小評価をすることが懸念されるのである。 さらに、事業主に支給決定を争わせるデメリットとして前記厚生労働省内検討会で 言及された、現場での混乱乃至手続きの長期化、ひいては労働基準監督官の過重な負担 も当然に予想される事態であり、この点にも十分注意がなされるべきである。
(2)第二に、異議申し立ての手続き内で、被災労働者の協力者の氏名や、その特定に繋 がる供述内容が明らかにされないようにしなけれぱならない。 被災労働者の協力者(資料提供者や証言者)の中には、在職の者や、関連する企業に 在職している等の事情によって、事業主に協力者として氏名を知られることで不利益 が及ぶ者がいる。異議申し立ての手続きで、これらの者が露見するとなれぱ、申請に対 する協力が得られなくなり、また、労働基準監督署としても率直な聴取が不可能となり、 事実に反する認定を行う危険性が増すこととなる
(3)第三に、被災労働者や、遺族の負担がかかることが懸念される。異議申し立てにお いて全面的に再調査が行われたり、際限なく事業主から新主張が行われることとなれ ぱ、必然的に被災労働者や遺族に対して再度の調査が必要となってくる。 これにより、被災労働者や遺族は、自身の労災認定が争われていることや、自身にと つてショックだった出来事の想起という負担に再三さらされることとなり、心身の健 康を害するおそれがある。
(4)第四に
、過労死防止の観点から、解決が遅延する可能性がある。現在、労災認定が 行われたことを契機として、企業補償の実施や、損害賠償の支払いや、関係者による被 災者・遺族側への謝罪、再発防止の交渉を行うことが多くなされている。ところが、行政手続き⇒事業主が労災の要件該当性を争えるとなると、同手続きが終了するまで、話し合いによる速やかな解決が図られない危険性が増す。また、裁判所が損害賠 償請求等の関連訴訟において、メリット制の行政手続きを意識し、損害賠償訴訟の進行が遅滞することも懸念される。 労災認定が行われた場合、被災労働者に対して相応の負荷がかかってぃたことは当 然なのであり、再発防止策は速やかに講じられるべきである。しかしながら、事業主と して認定の適否にっいて争う道が開かれることにより、速やかに適切な再発防止策を 講じないことの言い訳にされないようにしなければならない。
(5)第五に、労基法19条解雇への影響がないようにしなけれぱならない。 事実、2022年U月29日上記判決の控訴人(原告)である事業主は、当該取消訴訟 を提起している決定にかかる被災労働者について、解雇を行い、現在、東京地方裁判所 で訴訟が継続しており、支給要件該当性を労働保険料認定で争わせても、同様の対応を 行う事業主が増える可能性がある。 実務上、労災認定されていれぱ、労基法19条の解雇として扱われることがほとんど であるが、事業主(使用者)がこのような解雇を行うことがないよう、十分注意が払わ れるべきである。
(6)上記の各点を考慮すれぱ、仮に事業主が保険料増額に不服申し立てを行ってきた際 の審理⇒労災認定(業務上認定)の理由につき、一見明白な誤りがある場合 に限り、一定の追加的な調査検討を行うことにする範囲にとどめ、ーから労災認定理由 の当否を検討するような手続きは不要であり、有害である。現状においては、使用者側 は、労災認定手続きにおいて資料提出や主張を行う機会を十分与えられているのであ り、不服申し立てにおいて上記のような手続きとすることは、事業主の行政に対する手 続保障を侵害するものではない。
4 以上の通り、労災支給決定処分を事業主が争うことを認めた上記東京高裁判決は不当 で到底容認できない。国は、上告(上告受理申立て)をすべきである。 他方、仮に、当面、同処分の違法性を保険料決定の異議申し立てにより主張させ、被災 者への直接の影響をなくす厚生労働省の現在の案を導入するにあたっては、上記の通り、 数々の懸念点があり、現実の労働者・遺族の不利益を防ぎ、かつ、職場の改善、過労死の 防止に悪影響が生じないよう、十分な注意が求められる。 そして、将来的には、メリット制の継続の可否、メリット制の内容改善の可否につき、 議論を進めていくべきである。       以上

○労災保険支給決定に対する事業者による異議申立てを認めた令和4年(2022年)11月 29日東京高裁判決に対して、国は上告(上告受理申立て)することを求める緊急要請書
2022年12月5日 厚生労働大臣加藤勝信殿
過労死弁護団全国連絡会議  代表幹事 松丸正   同  川人博

1 2022年11月29日、東京高等裁判所が、労災保険支給決定に対する事業金による取消 訴訟の原告適格を認めず、訴えを却下した東京地裁判決を破棄し、事業主による原告適格が あることを前提として、地裁に実体審理を行うために差し戻す判決を出した。
2 しかし、上記判決は、下記理由により、到底容認できない。
(1)過労・ストレスによる疾患(脳心疾患、精神疾患等)の労災認定は、被災者・遺族の 救済、職場改善、再発防止にとって、極めて重要な役割を果たしているが、上記判決 は、使用者側が不服申立てすることによって、被災者・遺族の救済を不安定なものと し、かつ、職場改善が進まない効果をもたらす危険性が高い。 (2)労基署が、労災認定を出しても、その後に使用者側から不服申立てが行われることを 恐れて、労災認定(業務上認定)を出すことに消極的になる可能性が十分予想される。 (3)現状でも、労災手続きにおいて、調査に必要な資料を提出しない事業主が相当数いるが、こうした非協力的な事業主の対応が増加する危険性がある。 (4)現状でも、労災認定手続きを担当する人員は不足しており、かかるなかで、使用者の 不服申立てが行なわれることになれぱ、労基署や労働局などの労災行政の現場は大混 乱となるのは必至である。  脳心臓疾患・精神疾患事案では、詳細な認定基準が定められ、労働時問・ハラスメン トの調査や、その他の「出来事」の調査、さらには専門医や専門部会への照会等、相当な調査時間を要し、申請から決定まで 6 か月(脳心)。 8か月(精神)が審理期間とさ れているが、現実には 1年以上かかることもしぱしばみられる。使用者側の不服申立 てが行われれば、さらに長期化され、迅速な被災者・遺族の救済は事実上不可能となり、労災行政が機能麻癒状態になる恐れがある。 (5)労災認定を踏まえて、企業補償や損害賠償が使用者側から被災者・遺族になされる事 例が多いが、不服申立てが行われることにより、この補償問題・賠償問題でも早期の 解決が困難になる危険性が高い。

3 以上より、国が上記判決に対し、上告(上告受理申立)することを、強く要請する。 以上

○労災保険支給決定に対する事業者による異議申し立てを認めた東京高裁判決に 対して、国は上告(上告受理申立て)することを強く求めます。  令和4年12月5日
厚生労働大臣加藤勝信様   全国過労死を考える家族の会  代表世話人 寺西笑子
本年11月29日東京高等裁判所において労災保険の支給決定に対して、事業主による取り消し訴訟を認める判決をだしたことに対し、断固認めることは出来ません。 私たちは、かけがえのない大切な家族を過重労働により、命と健康を奪われた被災 労働者遺家族で、早期の救済と過労死防止を目的とした団体です。 被災者遺家族の実情は労災申請の際、使用者側の協力が得られない中、申請者 側に立証責任があることで労働時間の客観的証拠と職場の出来事などの証拠収集 に困難を極めながら収集した中でさらに厳格な調査と評価のもとで適正に認定されたものです。 近時の傾向として、幼い育ち盛りの子供を抱えている30代~40代男性労働者が被 災されています。
大黒柱を奪われた妻は幼子を抱えて途方に暮れながら祈る思い で認定を心待ちにし、支給決定されたとしても、ここで上記のような事業主が取り消 し訴訟をおこなえば、この親子は認定されても取り消されるのではないかと不安な 日々を送ることになり、さらなる苦難の道を歩むことになります。このような理不尽な 二次被害はあってはなりません。 事業主が.被災労働者保護へ真塾に向き合うととなく、国の支給決定に従わないこ とは認めるべきではない。

下記の理由により、事業主の支給決定を取り消す訴訟を認めることに反対します。
1.事業主が支給決定を取り消す訴訟をすることで、過重労働の職場が改善されない ことになる。 2.事業主が支給決定を取り消す訴訟をすることで、業務上の取り消し訴訟がまかり通 ると申請すら恐ろしくてあきらめてしまう人が増える。 3.労働行政機関へ必要以上に委縮させる影響をあたえる。
 以上

○メリット制適用事業主の不服申立の取り扱いに関する検討に対する見解
(2022 年 12 月7日) 働くもののいのちと健康を守る全国センター 理事長 垰田 和史

厚生労働省は、メリット制適用事業主の不服申立の取り扱いに関する検討会を開催し、検討を進めている。 労災保険は、事業の種類(54 業種)ごとに労災保険率(2.5/1000〜88/1000)が定められ、 原則として労働者の賃金総額に労災保険率を乗じて労災保険料が決定。この労災保険率を個別の事業場の災害の多寡に応じて、労災保険率を増減することで、事業主の保険 料の負担の公平性の確保や災害防止の努力の促進を図るためにできた制度が「労災保険のメリット制」。 メリット制は、ある一定の規模(労働者数が 100 人以上または、20 人以上である一定の 条件以上の要件を満たす)の事業場を対象とし、連続する3保険年度における労災保険の収 支率(3年間の労災保険給付額/3年間の労災保険料額×100)に応じて最大±40%(木材 伐出業は±35%、一括有期事業は±30%)の範囲で労災保険率を増減する制度となっている。 なお、建設工事現場や木材伐出業などの有期事業において一括有期事業(複数の工事現場等 を一括している場合)や単独有期事業ではその要件が異なるほか、特例メリット制(特別の安全衛生措置を講じた事業において、特例適用の申告があるときにメリット料率(労災保険 率)の増減幅を±45%とする)という制度もある。 メリット制適用事業主は、@保険料増額の前提となった「労災保険給付支給決定」に関する争い(審査請求を含む)の当事者になることはできないこと、A「労働保険料認定決定」⇒その適否を審査請求等で争うことが可能であるが「労災保険給付支給決定」の 要件該当性を否定する主張はできないこととされている。 その根拠は、@に関しては、被災労働者又は遺族と利害が相反する事業主が「労働保険料 認定決定」の手続きに参加した場合、被災労働者等の法的地位が不安定になり、過大な負担 を新たに生じさせること、Aに関しては、被災労働者等への保険給付(既支給分を含む)の 根拠が否定された場合、被災労働者等の権利(有効な療養とそれに必要な生活保障等)を脅 かしかねないことがそれぞれ指摘されている。 厚生労働省は「労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検 討会」を10月26日に開催した。本検討会は、有識者によって構成されているが、厚労省 事務局が示した「考え方」では、メリット制適用事業主の不服申立に関する従来の実務の一 部を変更し、次のとおりとすることが提起されている。 @ 「労災保険給付支給決定」に関する争い(審査請求を含む)の当事者になることはできないこと。 A 「労災保険料認定決定」に関する争い(審査請求を含む)の当事者となることは可能であり、その際、手続保障を図る観点から、契機となった「労災保険給付支給決定」の要件 該当性を否定する主張も認められること。 B Aにおいて、メリット制適用事業主が主張するとおり、「労災保険給付支給決定」の要 件該当性を否定された場合であっても、「労災保険給付支給決定」の効力には影響せず、取り消されることもないこと。
事務局の「考え方」によると前記変更は、メリット制適用事業主に保険料増額を求める際 の手続保障と被災労働者等の法的地位の安定性確保という各要請について、両者の調和を 図る趣旨であるとする。 しかし、前記変更によって、業務上外に関する異なる結論がそれぞれ有効に確定する可能 性があり、そのことが事業主の姿勢や労使の関係性などにどのような変化を生じさせるの か、十分な分析を行うことが必要。 例えば、メリット制適用事業主が保険料増額の決定に際して、業務外を主張することが一 般化するなら、労災認定にあたって事業主の非協力の姿勢が広がるおそれがある(労災保険 法施行規則23条の助力義務の不履行)。また、労働者が事業主と争うことを避けたい心理 から、労災請求自体を躊躇させてしまうことにもなりかねない。 労災保険制度は、労働者が業務中に被災した場合に対する補償を行うために設けられて いる制度であり、業種による災害発生の危険度の違いから業種ごとに保険料率が設定されている。メリット制は、保険料負担の公平性の確保と労働災害防止努力の促進を目的として、 その事業場の労働災害の多寡に応じて一定の範囲内(最大±45%)で労災保険率又は労災 保険料額を増減させる制度(12条及び12条の2)だが、有効性を疑問視する意見が投げ かけられている。そればかりか、安全衛生行政の第一線から違法な「労災隠し」を促進させ ているという指摘が少なくない。 労災保険給付は、利益相反することから事業主が当事者となることは絶対に認められな い。加えて、保険料認定決定における適否を審査請求等で争えたとしても、給付決定に対す る要件該当性を否定することはあり得ない。 こうした現状をふまえるならば、メリット制そのものを廃止し、保険料の個別決定による 行政手続きの煩雑さを解消するなど、現場実務を削減すべきである。決して新たな業務を増 加させるべきではない。 小手先の見直しではなく、労災保険料のメリット制そのものを見直し、直ちに廃止するよう求める。 以 上


○労災保険制度における事業主不服申し立てに反対する意見
厚生労働大臣 加藤 勝信 様     全国労働組合総連合 議長 小畑 雅子

12 月 7 日、厚労省が設置する「労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服 の取扱いに関する検討会」は、労災保険制度におけるメリット制適用事業主による、 保険料認定処分の不服申立等において、労災支給処分の支給要件非該当性に関する主 張を行うことを認める新しい方針を了承した。 この解釈変更がなされると、保険料認定処分が争われ、処分の取消裁決又は取消判 決が出た場合、「労災支給処分に瑕疵があり違法」との評価が生じ、判決の拘束力によ り、労働基準監督署長が労災支給処分の取消義務を負うことになり、労災支給処分の 存続が否定されるのではないか、との当然の疑問が生じる。 この点については、検討会は、労災保険法の目的からして、特定事業主には、労災 支給処分についての不服申立適格等は認められないことや、「労災保険給付支給決定」 の要件該当性を否定された場合であっても、被災労働者の迅速かつ安定的な保護の重 要性から、労働基準監督署長に「職権取消の制限」がかかるため、労災支給決定が取 り消されることはない、と結論付けた。しかし、検討会は、同時に、労災支給処分の 法的安定性と保険料認定処分に係る特定事業主の手続き保障の両立を図るためとし て、上記の不服申し立てを容認する方針を是とする報告書をまとめた。 「労災給付には影響しないから、労働者は心配するな」という内容だが、この新し い方針が実施されれば、保険料増額を回避したいと考える事業主の責任否定の態度が 助長され、被災労働者に様々な悪影響が生じかねない。諸団体からも懸念の声が挙げ られているにも関わらず、問題点をめぐる審議は尽くされず、報告書策定の手続きだ けとっても、あまりに拙速で乱暴である。 全労連は、解釈変更を認める新方針に反対し、厚労省通達の発出を中止するよう求 める。以下、新方針に関わる懸念点について述べる。


1.「支給要件該当性」を争えることになれば、被災労働者は安心して療養できない 新方針によって事業主は「労災保険支給決定(労災認定)における支給要件該当性 (認定要件を満たしているかどうか)」を事実上争えるようになり、労災認定されてい ても、いつまでも責任を認めず、「この労災認定は支給要件に該当しない」と、後から 被災労働者を攻撃することが可能となる。 こうしたことにより、例えば、長時間労働やハラスメントによるストレスで精神疾 患や脳・心臓疾患になった労働者が、長期間をかけて苦労して労災認定を勝ち取って も、その後、事業主によって労災認定は間違っていたとする争いを起こされ、自身に ショックを与えた出来事を何度も想起させられることになる。こうしたことは被災労働者や遺族にとって、大きな負担となり、安心して療養に臨むどころか、心身の不調 の再発もありうる。労働者の福祉の増進に寄与することを目的とする労災保険制度の 趣旨そのものに反する事態が生じうることを、厚生労働省は考えるべきである。 また、不服申し立てにより、事後的であっても事業主が認定内容を否定することが 可能になってしまうと、労使間の紛争の長期化などを懸念し、労災申請自体を躊躇す る労働者が増えることも予想される。
2.労働基準監督署の調査官等が委縮し、事業主の主張を過度に忖度する恐れがある 事業主による不服申し立てによって支給要件該当性を否定されることを懸念して、 労働基準監督署で労災認定を担当する調査官が委縮し、不必要に事業主の主張に忖度 した対応を取る恐れがある。 特に過労・ストレスによる脳・心臓疾患や精神疾患等の労災認定に関わっては、長 時間労働やハラスメントの事実を否認する事業主が後を絶たない現状にある。そうし た中、新方針が取り入れられれば事業主側が圧力をかけやすくなり、調査官等が、事 実に反した事業主側の主張をそのまま受け入れてしまうリスクが増大する。労災保険 審査官や労働保険審査会についても同様である。
3.解決の遅延やその他の悪影響をもたらすことが懸念される 事業主が労災支給要件該当性を争えることになれば、メリット制の行政手続きが終 了するまで、事業主側による損害賠償の支払いや再発防止策の実施、関係者による被 災労働者・遺族への謝罪といった、迅速な労働者保護がはかられなくなる可能性が高 い。裁判所が行政手続きを重視することで、損害賠償訴訟の進行が遅れるおそれもあ る。
4.事業主による支給取り消しの請求を認めた不当判決を勢いづかせる ある一般財団法人が、精神疾患を発症した職員への労災支給について、「虚偽に基づ く労災認定だ」と主張し認定取り消しを請求した。謝罪をしないどころか労災認定自 体を認めず、労働基準法 19 条 1 項で禁じられた、療養中の被災労働者を解雇する暴挙 にすら及んでいる。しかし、東京高裁判決はメリット制を重視し、支給取り消しを求 める資格を原告に認めてしまった。労災支給の取り消しを求めて争うことを認めた東 京高裁判決は、上記の検討会の考え方からみても不当となるが、新方針の導入によっ て、同様の対応を取る事業主が増え、また、不当な判決が出される可能性も高まる。
5.解釈変更決定に至る手続きがあまりに拙速かつ乱暴である 新方針をめぐる審議は、労働者の職場における安全・安心、いのちと健康に関わる 重大な課題であるにも関わらず、厚労省の「労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業 主の不服の取扱いに関する検討会」は 10 月と 12 月のわずか 2 回で結論を出してい る。被災労働者、遺族、労働組合、労働関係団体の意見聴取を行わず、視野の狭い法 技術的検討のみで拙速に方針を固めていることは、労働立法・労働政策決定の基本と なる三者構成主義に反しており、乱暴極まりない。今後、労働政策審議会で取り扱わ れるものと考えるが、慎重かつ徹底した議論が必要である。
6.メリット制について見直しをおこなうべきである 新方針は、保険料認定処分に係る特定事業主の手続保障の価値を殊更に重視してい るが、事業主は、労災支給決定に一切関与できないわけではない。労災保険法施行規 則 23 条の 2 は「事業主は(略)保険給付の請求について、所轄労働基準監督署長に意見を申し出ることができる」としており、こうした一定の関与のもとで支給決定がなされている。 一方、労災保険給付においては、利益相反の発生を避けるため、そもそも事業主が 当事者となること自体認めるべきでない。保険料認定に異論を述べて争えたとして も、給付決定における支給要件該当性を争うことを認めるなど、ありえない。 なお、明白に特定できる労災事故が多かったメリット制導入当初と比べ、他律的容 認による長時間労働や、カスタマー・ハラスメントといった事業主の責任の所在が特 定しにくい事案が増えていることから、今のメリット制が昨今の産業状況に適さなく なっているとの指摘がある。保険料の個別決定による行政手続きの煩雑さを解消する という観点からも、一部の「見直し」でなくメリット制を廃止するべきとの意見もあ る。こうした論点について議論することもなく、現行のメリット制を前提として、上 述した労働者保護に反する事態を招く恐れのある方針転換を、拙速に決めるべきではない。 以上をふまえ、保険料認定処分に対し、事業主に労災支給処分の支給要件非該当性 に関する主張を伴う不服申し立てを認める新方針は、撤回することを求める。 以上

次回も続き「参考資料2 令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会の資料」からです。

第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料 [2022年12月28日(Wed)]
第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料(令和4年12月16日)
【議題】(1)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等(諮問)(2)労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会(報告)(3)令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(報告)(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29845.html
◎資料3 令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会 議事要旨
<総論>
社会復帰促進等事業費の来年度の予算要求額は、未払賃金立替払事業費を除くと、前年比で 3%程度の減少。なるべく早く平成 25 年の水準へ戻してほしいと考えており、 業の不断の見直しをお願いする。  未払賃金立替払事業費の減額に伴い社会復帰促進等事業費の支出は削減されているが、未だに労災保険財政の収支はマイナス。今後、支出超過が拡大しないよう、各事業のPD CAをしっかり回してほしい。 ウィズコロナとして経済活動が再開される中、社会復帰の関係の予算は必要。特に有事の備えとして未払賃金立替払事業は重要な施策。また、働き方改革の推進など労働関係の助成金は、予算に余裕を持って取り組んでほしい。 全体を見ると、めりはりの効いた予算を計画しているのではないかと思う。 労災保険は、労働者の災害に対する直接の補償というのが本来の趣旨であり、社会復帰促進等事業⇒ある意味、おまけ的な要素であるということを踏まえて、予算は、社 会復帰促進等事業の部分は削減し、本当の意味での補償部分を充実させることが大切。 令和5年度のことを考えていく中で、各事業によってコロナの影響というのはいろいろ変わっ てくるという説明は理解した。
<個別事業について>↓

○No.13 労災特別介護施設運営費・設置経費→将来的には、労災の特別介護施設にではなく、他の医療施設や介護施設等でのケアにお金を出 すような形への運営に変更することも検討してほしい。
○ No.15 過労死等防止対策推進経費→労働法の専門家等のコメントを収録したDVD製作について、YouTube など、臨機応変に動画 コンテンツの変更ができるような方向性も1つあるのではないか。
○ No.20 職場における化学物質管理促進のための総合対策→来年4月から化学物質の自律的な管理への移行というのが予定されている中で、中小、特に小 規模事業所におけるリスクアセスメントの定着や、適切な保護具の着用促進は非常に重要。
○ No.23 メンタルヘルス対策等事業→「こころの耳」相談事業⇒重要な取組であり、令和5年度より個人事業主も相談対象 になるということは非常に良いことだと思う。
○ No.30 自動車運転者の労働時間等の改善のための環境整備等→極めて重要な事業、予算を有効に活用し、また、国土交通省や経済産業省とも協力しな がら十分に取り組んでほしい。 令和6年4月適用の改正後の改善基準告示⇒複雑な点があるのでドライバーに十分周知してほしい。 取引上の慣行の見直しは、問題意識を荷主に共有し、本質的な課題解決に向けて対応 してほしい。 トラックの改善基準告示⇒例外も多く内容が非常に分かりにくい。運送業界への労働 移動が積極的に進むよう取り組む必要がある。
○ No.31 家内労働安全衛生管理費→家内労働者数は減少しているが、巡回訪問が行き渡るようにしてほしい。フリーランスの取引 適正化に向けて新法の検討が進んでいるが、労働政策の視点から進むべき方向性を明確にしてほ しい。
○ No.33 外国人技能実習機構に対する交付金→予算が若干削減されているが、十分に対応できる予算規模か確認してほしい。
○ No.35 産業医学振興経費→産業医科大学が重点的な教育支援をしっかりやっていることは承知しているので、引き続き目 標達成に向けて頑張ってほしい。 キャリア形成プログラムへの加入促進等、産業医科大学の卒業生が確実に産業医として従事す るための方策に対応していると認識、経済界としては産業医をしっかりと輩出していく ために、産業医科大学に対する期待が大きい。 産業医科大学の教職員の定員⇒毎年削減が進んでおり、持続的な大学運営が難しい状 況になりつつあると聞いている。国の定員整理合理化と同様の対応が求められているとのことだ が、非常に重要な機関であるため、大学運営に支障を来たさないようにしてほしい。
○ No.37 過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し→ 働き方改革推進支援助成金⇒自動車運転業務を含む時間外上限規制の対象となる適用 猶予業種等の事業者向けに対応するコースは、来年度において非常に重要。 会計システムの導入等の支援を行う労働時間適正管理推進コース⇒働き方改革において企業の DX が進むよう、積極的に支援してほしい。 希望する御夫婦が不妊治療を円滑に受けられる環境整備⇒少子化対策の強化の観点 からは重要。不妊治療と仕事の両立支援⇒例えば、職場の方に相談しようと思ってもな かなかしづらい等の非常にセンシティブな問題もあると思われるため、何か総合的なしっかりと した対応が必要なのではないか。


◎資料4 労働保険関連手続に係る電子申請の状況について
≪オンライン利用率引上げに係る基本計画における目標値の進捗及びアクションプランの履 行状況  厚生労働省 労働基準局 労働保険徴収課≫
○オンライン利用率引上げに係る基本計画について
・「規制改革実施計画(令和3年6月18日閣議決定)」に基づき、厚生労働省では年間10万件以上の手続に ついて、オンライン利用率を引き上げるための「基本計画」を策定(令和3年10月22日)。当該基本計画において、オンライン利用率目標値やオンライン利用率引き上げに向けた課題と課題解決のた めのアクションプランを定めており、第三者チェックの結果を踏まえて、必要に応じて当該基本計画の見直し を行う。
・労働保険については、以下@〜Dの届出等が対象となっており、同計画において、令和8年度末までにオン ライン利用率を@〜Dで30%までに引き上げることを目標としているほか、課題解決のためのアクションプラ ンとして、以下a〜eの取組みを行うこととしている。→ <対象手続> @労働保険料の申告(継続)、A労働保険料の申告(一括有期) 、B労働保険保険関係成立届、 C労働保険名称、所在地等変更届、D労働保険料/一般拠出金還付請求書。 <アクションプラン>→ a オンライン申請を利用していない事業場に対する初期設定や申請方法の説明の実施(取組期限:各年度)。 b 年度更新申告事業場へのGビズIDの周知(取組期限:各年度)。 c オンライン申請に関するオンラインのサポート体制の構築(取組期限:令和5年度から令和8年度)。 d オンライン申請の利便性等の周知(取組期限:各年度)。 e 社会保険労務士へのオンライン申請の周知(取組期限:随時実施)。

○目標値の進捗→「電子申請件数と利用率(令和3年度及び令和4年度(上期))」「過去5か年の電子申請利用率の推 移(@ 〜D)」⇒増加傾向。

○オンライン利用率引上げに係る基本計画における 目標値の進捗及びアクションプランの履行状況について
a オンライン申請を利用していない事業場に対する初期設定や申請方法の説明の実施( 取 組 期 限 : 各 年 度→令和4年9月末時点で1,316件の事業場に対してオンライン申請を利用するための初期設定や申請方法の説明を実施
b 令和4年9月末時点で1,316件の事業場に対してオンライン申請を利用するための初期設定や申請方法の説明を実施→令和4年6月に労働保険の年度更新書類に同封する電子申請周知用リーフレットにGビズIDについて掲載のうえ、全ての年度更新申告事業場に対して送付
c オンライン申請に関するオンラインのサポート体制の構築(取組期限:令和5年度から令和8年度)→計画より前倒しで令和4年5月30日よりチャットボットによる自動応答サービス(労働保険相談チャット)の運用を開始
d オンライン申請の利便性等の周知(取組期限:各年度)→令和4年5月1日から令和4年7月11日までの間、インターネット広告や動画広告によるオンライン申請の利便性等の周 知広報を実施
e 社会保険労務士へのオンライン申請の周知(取組期限:随時実施)→令和4年5月の「月刊社労士」においてオンライン申請の記載を含む記事を掲載。  原則月1回行われる全国社会保険労務士連合会との定期協議会に参加し、オンライン申請に関する社会保険労務士の意見等 を聴取。
⇨今年度の取組状況を踏まえ、効果的な運用方法等を検討し、オンライン利用率引上げに向け取り組む。


◎資料5 労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について
≪オンライン利用率引上げに係る基本計画における目標値の進捗及びアクションプランの履 行状況  厚生労働省 労働基準局 補償課≫
○オンライン利用率引上げに係る基本計画について
・労災保険特別加入については、以下@〜Dの届出等が対象となっており、同計画において、令和7年度まで にオンライン利用率を@、Aについては50%、B〜Dについては20%までに引き上げることを目標
としてい るほか、課題解決のためのアクションプランとして、以下a〜cの取組みを行うこととしている。 <対象手続> @特別加入に関する変更届(中小事業主等及び一人親方等)、A特別加入に関する変更届(海外派遣者)、B特別加入の申請、 C特別加入の脱退の申請、D給付基礎日額の変更申請。 <アクションプラン> a 労働保険事務組合、特別加入団体及び海外派遣事業主へのGビズID(※)の周知(取組期限:令和4年度中) ※ 1つのアカウントで複数の行政サービスにアクセスできる認証システム。令和4年1月から、労働関係法令手続を電子申請で行う際 にGビズIDを使用してログインすることで申請に必要な電子署名を省略することができるようになった。 b 申請の入力支援機能の拡充(取組期限:令和6年度中) c 労働基準行政システムと特別加入システムの連携(取組期限:令和7年度中)

○目標値の進捗→「電子申請件数と利用率(令和3年度及び令和4年度(上期))」「過去5か年の電子申請利用率の推 移(@ 〜D)」

○アクションプランの履行状況↓
a 労働保険事務組合、特別加入団体及び海外派遣事業主へのGビズIDの周知(取組期限:令和4年度中)
→令和4年6月に労働保険の年度更新書類に同封する事業主向け施策周知用リーフレットにGビズIDの活 用により電子署名を省略することができる旨を記載のうえ、年度更新の対象となる全ての労働保険事務組 合、特別加入団体及び海外派遣事業主に対して送付

b 申請の入力支援機能の拡充(取組期限:令和6年度中)→「特別加入に関する変更届(中小事業主等及び一人親方等)」について、入力必須欄(労働保険番号、事業の名称、事業場の所在地、申請年月日 等)のハイライト(黄色)表示を実施し、ハイライト表示の一部(事業の名称、事業場の所在地、事業主の住所、氏名)⇒文字数制限の表示を実施(令和4年5月30日リリース済み)。  以下の手続についても、上記と同様に入力必須欄のハイライト表示を令和5年2月にリリース予定。 <令和5年2月リリース予定の手続> @特別加入に関する変更届(海外派遣者)、A特別加入の申請(中小事業主等)、 B特別加入の申請(一人親方等)、C特別加入の申請(海外派遣者)

c 労働基準行政システムと特別加入システムの連携(取組期限:令和7年度中)→特別加入の電子申請に係る事務処理がシステム上で完結するよう、具体的な改修内容について、関係部署 と調整を行う(今後対応)。

次回も続き「参考資料1 団体からの意見要望」からです。

第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料 [2022年12月27日(Tue)]
第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料(令和4年12月16日)
【議題】(1)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等(諮問)(2)労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会(報告)(3)令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(報告)(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29845.html
◎資料2 労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会報告書等
○労働保険徴収法第12条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会報告書(概要)
・現状→各事業での労災保険給付の実績は、各事業主が支払う2〜4年後の労働保険料に反映される(メリット制。徴収法第12条第3項)。 現在、国(厚労省)は、労働者等の法的地位の安定性を重視して、@事業主に対して労災保険給付支給決定の不服申立適格 等を認めておらず、また、A労働保険料認定決定の不服申立等において事業主が労災保険給付の支給要件非該当の主張をする ことも認めていないが、こうした国の主張を否定する下級審の判決が出ている。

・検討会メンバー→5名。
・メリット制のイメージ→2〜4年後の 労働保険料が増大 する可能性
・検討の視点
→労働者等の法的地位の安定性は堅持しつつ、メリット制を介して労災保険給付分に係る労働保険料の増大という不利益を受 ける可能性がある事業主の手続的保障を図る観点から、こうした事業主が、労働保険料認定決定の不服申立等において、労災 保険給付の支給要件非該当性を主張することを認める余地がないかを検討。
・まとめ→(1)労災保険給付支給決定に関して、事業主には不服申立適格等を認めるべきではない。 (2)事業主が労働保険料認定決定に不服を持つ場合の対応として、当該決定の不服申立等に関して、以下の措置を講じる ことが適当。 ア) 労災保険給付の支給要件非該当性に関する主張を認める。 イ) 労災保険給付の支給要件非該当性が認められた場合には、その労災保険給付が労働保険料に影響しないよう、 労働保険料を再決定するなど必要な対応を行う。 ウ) 労災保険給付の支給要件非該当性が認められたとしても、そのことを理由に労災保険給付を取り消すことはし ない。


○労働保険徴収法第 12 条第3項の適用 事業主の不服の取扱いに関する検討会 報告書 令和4年 12 月 労働保険徴収法第 12 条第3項の適用事業主の 不服の取扱いに関する検討会
1 はじめに
→労働保険徴収法第 12 条第3項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会 (以下「本検討会」)は、厚生労働省労働基準局の求めにより、行政法学者、労働法学者及び労災保険制度の実務家が参集して、労災保険給付を生活の 基盤とする被災労働者及びその遺族(以下「被災労働者等」)の法的地 位の安定性についての十分な配慮を前提として、メリット制の適用を受ける事業主(以下「特定事業主」)が自己になされた労働保険料認定決定(以下「保険料認定処分」)に不服を持つ場合の対応を検討することを趣旨・目的として開催されたもの。 【参集者】→5名。
本検討会は、第1回が令和4年 10 月 26 日に、第2回が令和4年 12 月7日に 開催。 本検討会の趣旨・目的に関わる労働者災害補償保険法(昭和 22 年法律第 50 号。以下「労災保険法」)に基づく労災保険給付支給決定(以下「労災支給処分」)⇒全体としては依然として 60 万人を越える 状況であるが、このうち脳・心臓疾患や精神障害という認定に複雑さを伴う事 例も多く確認されている。

2 検討の背景・論点
(1)労災保険制度の趣旨・概要→ 労災保険制度は、労災保険法に基づくもの、労働者の業務災害、複数業務要因災害及び通勤災害に対して迅速かつ公正な保護をするために保険給付を行い
、被災労働者の社会復帰の促進、被災労働者及びその遺族の援護、 労働者の安全及び衛生の確保等を図ることにより、労働者の福祉の増進に寄与 することを目的。 労働者の業務災害→使用者は労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号。「労基法」)に基づく災害補償責任を負っているが、労災保険法に基づいて労基法の災害補償に相当する給付が行われた場合には、同法の災害補償 責任は免除されるため、労災保険が実質的に事業主の災害補償責任を担保する 役割を果たしている。こうしたこともあって、労災保険料は事業主が全額負担することとされている。 労災保険法に基づく主な給付→療養(補償)給付、休業(補償)給付、 障害(補償)給付、遺族(補償)給付などがある。 労災支給処分は、こうした保険事故の発生を要件として、被災労働者等に対し て、労働基準監督署長が行っている処分であり、その処分を争うためには労働保 険審査官への審査請求が前置され、かつ、審査請求期間が3か月とされており、 当該処分の主たる目的は、早期に被災労働者等が労災保険給付を受ける地位を 確定させることにある。 これらを踏まえると、労災支給処分は、被災労働者等の生活保障の柱となるものであり、労災保険法の目的に照らしても、その法的地位の安定性を図る必要性 は高い。
(2)メリット制の趣旨・概要→ 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和 44 年法律第 84 号。以下「労働保険徴収法」)において労災保険率は定められている。この労災保険率は、労働者を使用して事業を行う事業主の労災保険料を算定する際に用いられ、業種ごとの災害率等に応じて定められている。しかし、業種が同一であっても、個々の事業場ごとの災害率には差が認められる。 そこで、事業主の負担の公平を図るとともに、事業主の災害防止努力を促進するため、一定規模以上の事業主のうち、 イ 継続事業(一括有期事業を含む。)を行う事業主⇒連続する3保険年度の間における個々の事業主の災害率に応じて、その事業についての事業の種類ごとに定められた労災保険率を一定の範囲内で引き上げ又は引き下げし、当該料率(以下「メリット労災保険率」)を当該3保険 年度の最後の年度の次の次の保険年度の労災保険率とすること、 ロ 有期事業を行う事業主⇒当該事業期間中における個々の事業主の災害率に応じて、保険料の額を一定範囲内で引き上げ又は引き下げるとしている。 このように労災保険率あるいは保険料の額を増減する制度をメリット制といい、このメリット制が適用される事業主を特定事業主という。 また、保険料認定処分の根拠法である労働保険徴収法の趣旨は、労働保険の事 業の効率的な運営を図ることにある。 これらを踏まえると、メリット制が制度として適正に運営されるためには、保 険料認定処分によって経済的不利益を被る特定事業主にこれを争う手続的保障 を図ることが要請される。
(3)特定事業主の不服の取扱いに関する国の立場と裁判例の動向→特定事業主は、自らの事業場における労働者について発生した業務災害に対 する労災支給処分が被災労働者等になされた場合、当該労災支給処分の額がメ リット収支率(後述3(1)参照)に反映され、労働保険料額が増大する可能性がある。このため、保険料認定処分の不服申立等において、労災支給処分の支給 要件非該当性を主張することが考えられる。しかし国は、労災支給処分の早期安 定の必要性並びに労災支給処分及び保険料認定処分が異なる法律効果を有する ことなどを踏まえ、特定事業主が既に被災労働者等に対して行われた労災支給 処分の支給要件非該当性の主張することを認めていない。 また、労災保険法は被災労働者等の法的利益を図ることを目的としており、事業主の利益を図ることは目的としておらず、特定事業主は労災支給処分の名宛人となっていないことなどを踏まえ、これまで特定事業主には労災支給処分の 不服申立適格及び取消訴訟の原告適格(以下「不服申立適格等」)も認められないという解釈をしている。 しかし、下記のとおり、特定事業主が提起した複数の取消訴訟において、 @特定事業主は労災支給処分の取消訴訟の原告適格を有するか否か、A保険料認定処分において特定事業主が労災支給処分の支給要件非該当性を主 張できるか否か について、@を否定してAを肯定する地裁判決がある一方で、むしろ@を肯定し てAを否定する高裁判決が続いている。
【保険料認定処分に対する取消訴訟】 ↓
<医療法人社団X事件> [地裁判決] (請求内容) 特定事業主に対する保険料認定処分の取消し (判決主文) 請求棄却   (判決理由)
T〜Uの参照。
[高裁判決 ](請求内容) 特定事業主に対する保険料認定処分の取消し (判決主文) 控訴棄却 (判決理由) 原判決と同様

【労災支給処分に対する取消訴訟】↓
<一般財団法人Y事件> [地裁判決 ] (請求内容) 労災支給処分の取消し (判決主文) 訴え却下 (判決理由)
T〜Uの参照。
[高裁判決] (請求内容) 労災支給処分の取消し (判決主文) 原判決の取消し及び東京地方裁判所に差し戻し (判決理由) ※医療法人社団X事件地裁判決及び高裁判決と同様 T 労災支給処分がされるとその支給額の増加に応じて当然にメリッ ト収支率が上昇し、これによって特定事業主のメリット増減率も上昇 する恐れがあり、これに応じて次々年度の労働保険料が増額するおそ れが生ずる。U 特定事業主は、自らの事業に係る労災支給処分がされた場合、同処 分の法的効果により労働保険料の納付義務の範囲が増大して直接具 体的な不利益を被るおそれがある者であるから、同処分の取消しを求 めるにつき「法律上の利益を有する者」(行訴法 9 条 1 項)として、同 処分の取消訴訟の原告適格を有するものと解するのが相当である。
<株式会社Z事件地裁判決> (請求内容) 労災支給処分の取消し (判決主文) 訴え却下 (判決理由) T 労災保険制度の趣旨、内容等に照らせば、個々の労災支給処分がさ れる段階において、特定事業主が違法・過大な労災支給処分の是正を 通じて労働保険料の是正を図ることは、迅速な労災支給処分や財政の 均衡確保といった趣旨とは両立し難い。 U このような労災保険制度の在り方を踏まえれば、特定事業主の利益 (他の特定主との関係で、個々の保険給付等の差に見合った労災保険 に係る費用の公平な分担がなされるべき利益)は、メリット制が適用 されるに至り初めて考慮されるべきものであって、それ以前の個々の 労災支給処分の段階において考慮されない。
(4)労災保険制度に与える影響→ こうした中で、仮に特定事業主に労災支給処分の不服申立適格等を認めた場合、以下のような被災労働者等にとって看過できない重大な不利益が生じる恐 れがある。⇒災害補償責任の有無を労使間で解決することとすると必ずしも被災労働者等 の迅速な救済を図ることができない可能性があるために、労災保険法が労基 法の災害補償責任を担保する形で創設され、行政庁が迅速に業務災害の有無を認定し労災支給処分を行うことにしているが、そうした重要な立法趣旨が 達成されない可能性が生じてしまうこと。労災支給処分が被災し療養を行っている労働者やその遺族等の生活保障の柱 として重要な役割を担っているにも関わらず、労災保険給付の支給を受ける という被災労働者等の法的地位が不安定となる可能性があり、結果として労 災保険法の目的である労働者の福祉も達成できない可能性があること。  他方で、特定事業主⇒労災支給処分がなされた場合、当該処分による 給付の額がメリット収支率に反映され、労働保険料が増大する可能性があると いう経済的不利益が生じうるところであり、この不利益を争う何らかの途を確 保するという手続的保障を図る必要性はある。そして仮にこの点を一切考慮し ないとすると、特定事業主は自己の不利益を争うために直接労災支給処分の取 消しができるとするより他ないとの結論を招きかねない。よって、そうした事態 を回避するべく特定事業主の手続的保障を図ることは、被災労働者等の法的地 位の安定性を確保することにも通ずるものと考えられる。 したがって、前述2(3)で示した下級審裁判例も踏まえつつ、本検討会では、 労災保険給付を生活の基盤とする被災労働者等の法的地位の安定性についての 十分な配慮を前提として、特定事業主の手続的保障のために現行法令上の運用 の改善を行うことができないか検討を行うものである。
(5)検討する主要な論点 →以上を踏まえ、本検討会⇒論点@〜Bのそれぞれについて順に検討する。 論点@の参照。 論点A 仮に論点@が認められた場合であって、保険料認定処分の不服申立等 において労災支給処分の支給要件非該当性が認められた場合の当該労災支給 処分の取扱い、論点B 労災支給処分に関する特定事業主の不服申立適格等。


3 【論点@】保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件 非該当性を主張することの可否↓
(1)問題の所在
(2)関係規定の解釈
(3)「違法性の承継」についての学説及び判例
(4)公定力の範囲についての学説及び判例
(5)論点@の小括
→現在の行政解釈は、労働保険徴収法第 12 条第3項の「保険給付」の意義を、有効に確定している労災保険給付全てと解している。 しかし、この解釈について、有効に確定している労災保険給付全てではなく、 そのうち支給要件に該当するものを意味するという解釈変更をする場合には、 保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性を主張 することが可能となる。 この変更後の解釈の適否を検討するにあたって、労災支給処分と保険料認定 処分の関係をみると、両者はメリット制のもとで関係づけられるとしても、「違法性の承継」が論点となる典型的な行政過程よりも相互の独立性が強く、「違法性の承継」について論じられている判断基準をそのまま適用すべきことにはならない。 また、この変更後の解釈は、労災保険給付の法的安定性を維持しつつ、特定事 業主が労働保険料の増大を保険料認定処分において争うことができることとなり、その意味で特定事業主の手続的保障の充実につながることから、労災保険法 及び労働保険徴収法の趣旨目的に沿ったものと考えることができる。 こうしたことを踏まえれば、労災支給処分の公定力との関係でも、保険料認 定処分の取消事由として、労災支給処分の支給要件非該当性の主張を認めるの が適当であると考えられる。

4 【論点A】保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件 非該当性が認められた場合の労災支給処分の取扱い
(1)拘束力
(2)職権取消の制限
(3)論点Aの小括
→ 労働基準監督署長は、労災支給処分の支給要件非該当性を理由として保険料認 定処分が裁決又は判決により取り消された場合であっても、当該裁決又は判決 の拘束力により労災支給処分を取り消す法的義務はない。 また、職権取消との関係においても、前述の裁決又は判決が出されたことを理 由に労災支給処分を取り消すことはしないという対応をとるのが、労災保険法 及び労働保険徴収法の趣旨に照らして適当であると考えられる。

5 【論点B】労災支給処分に関する特定事業主の不服申立適格等
(1)問題の所在
→労災保険法の目的は、業務上の事由又は通勤による労働者の負傷、疾病、障害、 死亡等に対して迅速かつ公正な保護をすることなどにあり、労災支給処分は労 働基準監督署長が被災労働者等を名宛人として行っている。 他方で特定事業主は、労災支給処分によりメリット労災保険率が増大する可 能性があるが、労災支給処分に係る不服申立適格等は認められていない。
(2)労災保険法の目的に関する検討→審査請求人の不服申立適格⇒基本的には行政事件訴訟法第9条第 1項に規定する「法律上の利益を有する者」と同一と解釈してよく、当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害さ れるおそれのある者をいう。そして、当該処分を定めた行政法規が、不特定多数 者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず、それが帰 属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと 解される場合には、このような利益もここにいう法律上保護された利益に当た ると解するのが判例の立場である。 行政事件訴訟法第9条第2項では、処分又は裁決の相手方以外の者について 前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たっては処分の根拠法令の 趣旨及び目的を考慮する際に、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的を考慮することを裁判所に求めている。 労災支給処分の根拠法規は、労働者の業務上の負傷、疾病、障害又は死亡という保険事故の発生を要件として処分がなされるとしており、事業主の保険料に 係る経済上の利益に係る要件は見当たらない。 労災保険法の目的は迅速かつ公正な保護により労働者の福祉を増進することにあり、仮に労働保険徴収法が行政事件訴訟法第9条第2項の関係法令に当た るとして、労働保険の事業の効率的な運営を図るという目的を勘案したとして も、特定事業主の保険料に係る経済的な利益を労災保険法に基づく労災支給処 分の中で保護していると読み込むことはできないと解される。 また、労災支給処分が行われた段階では、未だ被災労働者が発生した事業場の 特定事業主において具体的にどのような不利益が発生するのかが明確になって おらず、将来の労働保険料の支払いにおいて不利益が一定程度発生する可能性があるということにとどまるということ、前記2(4)のとおり仮に特定事業主 に労災支給処分の不服申立適格等を認めると被災労働者等にとって看過できな い重大な不利益が生じる恐れがあること及び前記3のとおり保険料認定処分の 不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性を主張することができ、 特定事業主にも実効的な手続的保障を図る途があることも、この結論を支持する要素となる。 なお、特定事業主が労働基準監督署長の敗訴を防ぐことに法律上の利害関係 を有することから被災労働者等の労災支給処分に係る訴訟に特定事業主が補助 参加することが認められるという判例があるが、補助参加の要件である法律上 の利害関係と、不服申立適格等に関する要件である法律上保護された利益は異 なるものであることから、不服申立適格等に関する上記検討に影響を与えるも のではない。
(3)論点Bの小括
→特定事業主には、労災支給処分についての不服申立適格等は認めるべきでは ない。

6 その他の論点→ 3から5で検討した主要な3つの論点のほか、関連するその他の論点につい て述べておく。
(1)同業他事業主の労働保険料
→ 労働保険徴収法第 12 条第3項の「保険給付」の意義を、被災労働者等と国 との間で有効に確定している労災保険給付全てではなく、そのうち支給要件に 該当するものを意味すると解して、保険料認定処分の不服申立等において労災 支給処分の支給要件非該当性を主張できるとした場合、労災支給処分の支給要 件非該当性を理由に保険料認定処分の取消裁決又は判決がなされる可能性がある。このとき、裁決又は判決の拘束力により労災支給処分を(職権)取消し をしないこととした場合、同じ料率区分に属する他の事業主が、「業種ごとの 保険給付額の中に支給要件に該当しない保険給付が含まれているにもかかわ らず、当該保険給付が取り消されず、結果として、業種ごとの労災保険率が上 昇して不利益を受ける可能性がある」として、労災支給処分の不服申立適格等 を主張することが考えられる。 しかし、労働保険徴収法第 12 条第2項において、業種ごとの労災保険率⇒過去3年間の業務災害及び通勤災害の災害率等を考慮して業種ご とに定めることとしているところ、現実に支給された労災保険給付を踏まえ た労災保険事業全体の長期的な収支においてその均衡を図るべく、厚生労働 大臣が労災保険事業の運営の在り方を全般的に考慮した上で業種ごとの料率 を定めているものであり、個別の事業主がこれを不服申立等で争うことは予 定されていないものである。
(2)他年度の保険料認定処分の取扱い→メリット制は、同一の労災支給処分が、3年度に渡って労働保険料に反映される仕組みであるため、保険料認定処分に対する争いにおいて労災支給処分の支 給要件非該当性はなかったとの判断が裁決又は判決の理由中に示された場合に おいて、同一の労災支給処分が反映される他年度の保険料について、改めて同一 の労災支給処分の支給要件非該当性を理由とした争いが認められるかどうかが 問題となる。 この点は、民事訴訟法上の争点効に関連した議論であり、これは、学説上、判 決理由中の判断について、これに反する主張立証を許さず、これと矛盾する判断 を禁止する効力のことをいうものである。
(3)被災労働者等による労災支給処分の不服申立等があった場合の取扱い→労災支給処分について被災労働者等・国間で既に不服申立等で争われており、 裁決又は判決が確定して、不可変更力等が働いている場合があり得る。この場 合については、労災支給処分と保険料認定処分でそもそも不服申立等の対象も 不服申立等を行う者も異なるため、特定事業主が保険料認定処分に対する争い において既に争われた労災支給処分の支給要件非該当性を主張することは認 められると考えられる。

7 まとめ→ 以上の検討を踏まえ、厚生労働省は、特定事業主には労災支給処分の不服申立適格等が認められないとの立場を堅持した上で、特定事業主が保険料認定処分に不服を持つ場合の対応として、以下3点を含めた必要な措置を講じることが適当であると考える。 @ 保険料認定処分の不服申立等において、労災支給処分の支給要件非該当性に関する主張を認める。 A 保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性 が認められた場合には、その労災支給処分が労働保険料に影響しないよう、労働保険料を再決定するなど必要な対応を行う。 B 保険料認定処分の不服申立等において労災支給処分の支給要件非該当性 が認められたとしても、そのことを理由に労災支給処分を取り消すことはし ない。
【文献等一覧】 (文献)→2つ。 (判例)→14個。

次回も続き「資料3 令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会 議事要旨」からです。

第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料 [2022年12月26日(Mon)]
第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料(令和4年12月16日)
【議題】(1)労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等(諮問)(2)労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会(報告)(3)令和4年度第2回社会復帰促進等事業に関する検討会(報告)(4)労働保険関連手続及び労災保険特別加入関連手続に係る電子申請の状況について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29845.html
◎資料1 労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱等 ↓
○労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱↓
第一労働基準法施行規則の一部改正

一業務上の疾病の追加 労働基準法施行規則別表第一の二に掲げる業務上の疾病に、三・−ジクロロ−四・−ジアミノジ三 ′ 四 ′ フェニルメタンにさらされる業務による尿路系腫瘍を追加するものとすること。
二業務上の疾病の一部改正 労働基準法施行規則別表第一の二に掲げる業務上の疾病のうち、第八号に掲げる疾病について、重篤 な心不全を追加するとともに、解離性大動脈瘤を大動脈解離に改めるものとすること。 第二施行期日 この省令は、公布日から施行すること。

○労働基準法施行規則の一部を改正する省令案の概要
1 改正の趣旨↓

・労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)第 75 条第1項→労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかった場合には、使用者は、その費用で必要な療養を行い、又は 必要な療養の費用を負担しなければならないこととされており、同条第2項⇒業務上の疾病及び療養の範囲は、厚生労働省令で定めることとされている、このうち、業務上の疾病の範囲⇒労働基準法施行規則(昭和 22 年厚生省令 第 23 号。以下「労基則」という。)別表第1の2において具体的に定められている。
・業務上の疾病の範囲→新たな医学的知見の公表等の状況、労働災害の発生状況等を踏まえ、令和4年7月から、「労働基準法施行規則第 35 条専門検討会」において検討を行い、10 月7日に「労働基準法施行規則第 35 条専門検討会報告書」が とりまとめられたことから、当該報告書を踏まえ、労基則別表第1の2について所要 の改正を行う。
2 改正の内容 →(1) 労基則別表第1の2の疾病に「三・三′−ジクロロ−四・四′−ジアミノジフ ェニルメタン」を追加する。 (2) 労基則別表第1の2の疾病のうち、第8号に掲げる疾病について重篤な心不全 を追加するとともに、解離性大動脈瘤を大動脈解離に改める。
3 根拠条文 労働基準法第 75 条第2項
4 施行期日等  公布日:令和5年 1 月中旬(予定) 施行期日:公布日

○労働基準法施行規則第35条専門検討会報告書の概要
・開催経緯・目的
→「労働基準法施行規則第35条専門検討会」は、労働基準法施行規則(昭和22年厚 生省令第23号)別表第1の2に掲げる業務上疾病の範囲について、昭和53年以降、 定期的に医学的な検討を行っているもの。(前回は平成30年度に開催。)
前回の検討会以降の新たな医学的知見の状況を踏まえ、別表第1の2及び大臣告示 に新たに追加すべき疾病があるか否かを検討。
・開催状況→ 第1回: 令和4年7月29日    第2回: 令和4年9月22日
「検討疾病」➜検討結果へ。↓
・化学物質分科会で検討を行い、結論を得た化学物質による疾病➜化学物質分科会の報告に基づき、大臣告示を改めることが妥当。沃化メチル→「意識障害」を「中枢神経系抑制」に改めることが適当。
・「芳香族アミン取扱事業場で発生した膀胱がんの業務上 外に関する検討会」で検討した疾病➜医学専門家等による検討会結果報告及び検討会以 降の労災認定事例を踏まえ、MOCAによる「尿路 系腫瘍」を別表第1の2に追加することが適当。
・「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」で検討した疾病➜脳・心臓疾患検討会の報告に基づき「重篤な 心不全」を別表第1の2に追加すること、「解離性大動脈瘤」を「大動脈解離」に改めることが適当。
・労働基準法施行規則別表第1の2各号に規定する包括救 済規定に該当した疾病➜現時点において疾病を追加する必要はないが、行政当局においては引き続き情報収集に努めることを 望む。


○労働基準法施行規則第 35 条専門検討会  報告書   令和4年10月
1 検討会の開催経緯及び目的→ 平成 30 年度の本検討会以降、化成品等を製造する化学工場において作 業に従事した複数の労働者が、業務により取り扱った3,3´−ジクロロ−4, 4´−ジアミノジフェニルメタン(以下「MOCA」)にばく露したこ とにより、膀胱がんを発症したとする労災請求がなされたことを契機として、業務上外の判断に当たり、令和2年3月から、医学専門家をはじめ、化学、労働衛 生学の専門家から成る「芳香族アミン取扱事業場で発生した膀胱がんの業務上 外に関する検討会」(以下「MOCA検討会」)において、業務と膀胱がん発症との因果関係が検討され、同年 12 月に「「芳香族アミン取扱事業場で発生 した膀胱がんの業務上外に関する検討会」報告書」(別添2。以下「MOCA検 討会報告書」)が取りまとめられた。 さらに、業務による過重負荷を原因とする脳血管疾患及び虚血性心疾患等(以 下「脳・心臓疾患」)⇒「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」が平成 13 年に改正されてから約 20 年が経過する中で、働き方の多様化や職場環境の変化が生じていることから、令和 2年6月から、医学専門家をはじめ、疫学、予防医学、労働衛生学及び法律学等 の専門家から成る「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会」(以下 「脳・心臓疾患検討会)において、認定基準の検討が行われ、令和3 年7月に「脳・心臓疾患の労災認定の基準に関する専門検討会報告書」(別添3。 以下「脳・心臓疾患検討会報告書」)が取りまとめられた。 このため、本検討会は、以上のような状況を踏まえて、別表第1の2及び大臣 告示に掲げる業務上疾病の範囲について、令和4年7月 29 日(第1回)及び令 和4年9月 22 日(第2回)に検討を行った。
2 例示列挙の考え方→ア〜エまで参照。
3 検討疾病
(1)化学物質分科会において検討された疾病(別紙参照) →ア 検討事項1〜エ 検討事項4の参照のこと。
(2)MOCA検討会において、業務と疾病との因果関係についての考え方が示された疾病→ MOCAによる膀胱がん
(3)脳・心臓疾患検討会において改正することが適切との結論を得た、脳・心 臓疾患の認定基準の対象疾病→ 重篤な心不全及び大動脈解離
(4)別表第1の2各号に規定する包括救済規定に該当した疾病→ 平成 29 年度から令和2年度、別表第1の2各号に規定する包括 救済規定に該当するとして認定された疾病。
4 検討結果→上記●印の通り結論を得た。
5 まとめ
6 終わりに→ 製造業をはじめとした各事業場では、常に新たな化学物質が使用される可能 性があることを踏まえ、行政当局においては引き続き情報収集に努め、必要に 応じ化学物質による疾病に関する分科会を開催し検討を行うことを望むもので ある

○労働基準法施行規則第 35 条専門検討会 参集者名簿→14名。

○(別紙) 化学物質分科会において大臣告示へ追加又は削除することが適当との結論が得られた疾病↓
・化学物質名13から大臣告示に追加する症状・障害、削除 する症状・障害あり。一覧表参照。

○業務上疾病の関係法令↓
・労働基準法(昭和 22 年法律第 49 号)(抄) (療養補償) 第 75 条
・労働者災害補償保険法(昭和 22 年法律第 50 号)(抄) 第 12 条の8 A
・労働基準法施行規則(昭和 22 年厚生省令第 23 号)(抄) 第 35 条(別表第1の2)
一 業務上の負傷に起因する疾病
二 物理的因子による次に掲げる疾病→1〜13あり。
三 身体に過度の負担のかかる作業態様に起因する次に掲げる疾病→ 1〜5あり。
四 化学物質等による次に掲げる疾病→1〜9あり。
五 粉じんを飛散する場所における業務によるじん肺症又はじん肺法(昭和 35 年法律第 30 号)に規定するじん肺と合併したじん肺法施行規則(昭和 35 年労働省令第6号)第1条各号に掲げる疾病
六 細菌、ウイルス等の病原体による次に掲げる疾病→ 1〜5あり。
七 がん原性物質若しくはがん原性因子又はがん原性工程における業務によ る次に掲げる疾病→ 1〜22あり。
八 長期間にわたる長時間の業務その他血管病変等を著しく増悪させる業務 による脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、高血圧性脳症、心筋梗塞、狭心 症、心停止(心臓性突然死を含む。)若しくは解離性大動脈瘤又はこれらの疾病に付随する疾病
九 人の生命にかかわる事故への遭遇その他心理的に過度の負担を与える事 象を伴う業務による精神及び行動の障害又はこれに付随する疾病
十 前各号に掲げるもののほか、厚生労働大臣の指定する疾病
十一 その他業務に起因することの明らかな疾病

○労働基準法施行規則別表第1の2第4号の規定に基づく厚生労働大臣が指 定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定 める疾病(平成 25 年厚生労働省告示第 316 号)(別紙)
○ 労働基準法施行規則別表第1の2第 10 号の規定に基づく厚生労働大臣の指 定する疾病(昭和 56 年労働省告示第7号)→ 一 超硬合金の粉じんを飛散する場所における業務による気管支肺疾患 二 亜鉛黄又は黄鉛を製造する工程における業務による肺がん 三 ジアニシジンにさらされる業務による尿路系腫瘍

○(別紙) 労働基準法施行規則の規定に基づき厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及び化合物(合金を含む。)並びに厚生労働大臣が定める疾病を定める件(平成八年三月二十九日労働省告示第三十三号)→労働基準法施行規則別表第一の二第四号 1 の厚生労働大臣が指定する単体たる化学物質及 び化合物(合金を含む。)は、次の表の上欄<編注:左欄>に掲げる化学物質とし、同号 1 の 厚生労働大臣が定める疾病は、同欄に掲げる化学物質に応じ、それぞれ同表の下欄<編注: 右欄>に定める症状又は障害を主たる症状又は障害とする疾病とする。⇒「化学物質」に対する「症状又は障害」の一覧あり。↓
・無機の酸及 びアルカリ→11種類。
・金属(セレン 及び砒素を 含む。)及び その化合物→25種類。
・ハロゲン及 びその無機 化合物→4種類。
・りん、硫黄 、酸素、窒 素及び炭素 並びにこれ らの無機化 合物→13種類。
・脂肪族化合物・脂肪族 炭化水 素及びそのハ ロゲン化合物→18種類。
・脂肪族化合物・アルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン及びエステル→24種類。
・脂肪族化合物・その他 の脂肪族化合物→10種類。
・脂環式化合 物→4種類。
・→11種類。
・芳香族化合物・ベンゼン及びその同族体→5種類。
・芳香族化合物・芳香族炭化水素のハロゲン化物→3種類。
・芳香族化合物・芳香族 化合物 のニトロ又は アミノ誘導体→15種類。
・芳香族 化合物 ・その他 の芳香 族化合 物→16種類。
・複素環式化 合物→4種類。
・農薬その他 の薬剤の有効成分→16種類。

次回も続き「資料2 労働保険徴収法第 12 条第 3 項の適用事業主の不服の取扱いに関する検討会報告書等」からです。

第7回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料 [2022年12月25日(Sun)]
第7回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料(令和4年12月16日)
<議事次第> 1 目安制度の在り方について 2 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29830.html
◎資料 No.4-1 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)関連資料
1 目安制度の意義について
(1)目安制度の原点に立ち返った検討
→目安制度の見直しの検討⇒平成 23 年の全員協議会報告において引き続き検討することとされた事項及び全員協議会で新たに提起された問題・指摘を踏まえ、地方最低賃金審議会会長や有識者からの意見も聴取しながら検討を行い、 平成 27 年5月に論点の中間整理を行った(別紙1)。 さらに、その後のランク区分の在り方の検討の過程において、ランク区分が目安 制度の運用の基本に関わる部分、もう一度原点に立ち返って議論すべき、また、関係者の理解と信頼を得るべく慎重に検討すべきとの意見を踏まえ、目安制度の必要性について、改めて地方最低賃金審議会委員の意 見を聴取しつつ、目安制度の原点に立ち返って慎重に検討を積み重ねた。
(2)目安制度の必要性について→地方最低賃金審議会委員の意見も踏まえて検討した結果、 その運用に当たっての課題が指摘、最低賃金額の改定について、できるだけ全国的に整合性ある決定が行われるようにすべき、また、制度として定着し、地方最低賃金審議会の円滑な審議に重要な役割を果たしていることから、47 都道府県をいくつかのランクに区分した上で目安を提示することの必要性 について改めて確認した

2 ランク区分の在り方について
(1)指標の見直し
→平成7年の見直し⇒賃金動向を始めとする諸指 標を総合化した指数(以下「総合指数」)を各都道府県の経済実態とみなし、各都道府県の経済実態に基づき各ランクへの振り分けを行うこととし、当該諸指標⇒各都道府県の経済実態を示す指標のうち特に最低賃金に関係が深 いと考えられるものとして 20 指標を選定した。 その後の全員協議会(平成 12 年、平成 16 年及び平成 23 年)⇒上記 の基本的な考え方を踏襲し、見直しを行ってきた。 今回のランク区分の見直しに当たっては、ランク区分の基礎となる諸指標について、近年の統計調査の新設・改廃の状況も踏まえ、所得・消費に関する指標につい て都道府県全体の状況を捉えるものとなるようにする、地域の労働者の賃 金や企業の賃金支払能力をより的確に反映するよう、指標の安定性にも配慮しつつ、 別紙2のとおり見直しを行った。⇒ イ 所得・消費に関する指標としては、所得を示す代表的なものとして県民所得及び雇用者報酬、消費を示す代表的なものとして世帯支出、消費者物価及び家計最終消費支出 の合計5指標とした。 ロ 給与に関する指標としては、主として時間当たり給与(原則として所定内給 与)をみることとし、 規模計の給与(資料出所の異なる2指標)、小規模事業所の給与(1指標)、短時間労働者の給与(1指標)、規模計の低賃金層の給与(第1・十分位数)(一般及び短時間労働者の各1指 標)、小規模事業所の低賃金層の給与(第1・十分位数)(1指標)、新規高等学校卒業者の初任給(1指標)、地域別最低賃金額 の合計9指標とした。 ハ 企業経営に関する指標としては、主要産業の生産性を示すものとして、製造業、建設業、卸売業・小売業、飲食 サービス業及びサービス業のそれぞれの1事業従事者当たりの付加価値額 の合計5指標とした。 上記の指標について、都道府県の経済実態の中期的な変化の的確な把握の必要性、 数値の安定性等に鑑み、別紙3のとおり、これまでの算出方法を踏まえながら、原 則として直近の5年間で得られた数値の平均値をとった上で、当該平均値について 最大値となる都道府県を 100 とした指数を算出して単純平均し、東京を 100 とした 総合指数を算出した結果、新しい総合指数は別紙4のとおりとなった。

(2)新しい総合指数に基づくランク区分及び各都道府県の各ランクへの振り分け→上記の新しい総合指数の状況を踏まえると、いくつかのランクに区分することが 必要。 ランク数⇒47 都道府県の総合指数の差、分布状況に鑑みると、4ラン ク程度に区分することが妥当であり、各都道府県の各ランクへの振り分け⇒以下の考え方に基づき、別紙5のとおりとすることが適当。↓
イ 総合指数を順番に並べ、指数の差が比較的大きいところに着目する。 各ランクにおける総合指数の分散度合いをできる限り小さくすることにも 留意する。 なお、この総合指数は、全員協議会においてランク区分の見直しのための基礎デ ータとして用いたものであることは、平成 12 年の全員協議会報告において示され たとおりである。

5 今後の見直しについて→目安制度の在り方⇒平成7年の全員協議会報告において、今後概ね5年ごとに見直しを行うことが適当であるとされている。次回の目安制度の在り方に関する見直しの際には、ランク区分⇒平成7年の全員協議 会報告に復して5年ごとに見直しを行い、平成 34 年度(2022 年度)以後は当該見直しの結果に基づいて目安審議を行う。


◎資料 No.4-2 ランクの見直しに関する論点(事務局案)
1.ランク区分の数について→引き続き4ランクとするか、例えば3ランクとするなど、ランク区分数を変更するか。
2.ランク振り分けの考え方について→以下のいずれか又は組み合わせて振り分けることが考えられるのではないか。 ↓
・ 総合指数の差が比較的大きいところに着目するとともに、各ランクにおける総合指数の分散度 合いをできる限り小さくすることにも留意する(平成29年全員協議会報告と同様の考え方)。
・ ランク間で地域別最低賃金額の逆転現象ができるだけ生じないよう配慮する。
・ 各ランクの適用労働者数の比率を一定程度勘案する。


◎資料 No.5 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 発効日 関連資料
○中央最低賃金審議会目安制度の在り方に関する全員協議会 論点の中間整理(抄)平成 27 年5月 25 日
2.議論の経過

(3)目安審議の在り方について
(略)
○ 目安審議の時期について、10 月中の発効を目指して行われているが、企業 の経営計画を考え、4 月 1 日に発効できうる目安審議時期を検討すべきとの意見があった。これに対し、現行の参考資料に基づく事実をベースとした審議の方法では、改定時期が後ろ倒しになることから反対であるとの意見があった。ただし、最低賃金の引上げが一定の水準を達成することを念頭に行わ れる場合は異なった考え方を取ることも可能であることから、目安審議の在り方と合わせて検討すべき課題であるという意見があった。

○最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)(抄)
(地域別最低賃金の決定)↓
第十条
厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、一定の地域ごとに、中央最低 賃金審議会又は地方最低賃金審議会(以下「最低賃金審議会」という。)の調 査審議を求め、その意見を聴いて、地域別最低賃金の決定をしなければなら ない。
2 (略)
(地域別最低賃金の改正等)↓
第十二条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金について、 地域における労働者の生計費及び賃金並びに通常の事業の賃金支払能力を考 慮して必要があると認めるときは、その決定の例により、その改正又は廃止 の決定をしなければならない。

(地域別最低賃金の公示及び発効)
第十四条 厚生労働大臣又は都道府県労働局長は、地域別最低賃金に関する決定をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、決定した事項を公示 しなければならない。 2 第十条第一項の規定による地域別最低賃金の決定及び第十二条の規定による地域別最低賃金の改正の決定は、前項の規定による公示の日から起算して 三十日を経過した日(公示の日から起算して三十日を経過した日後の日であ つて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、同条の規 定による地域別最低賃金の廃止の決定は、同項の規定による公示の日(公示の日後の日であつて当該決定において別に定める日があるときは、その日)から、その効力を生ずる。

◆中央最低賃金審議会(目安制度の在り方に関する全員協議会)
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-tingin_127940.html

次回は新たに「第106回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会資料」からです。

第7回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料 [2022年12月24日(Sat)]
第7回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料(令和4年12月16日)
<議事次第> 1 目安制度の在り方について 2 その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29830.html
◎資料 No.1 議論すべきものとして御意見を頂いた事項(再整理)
(1)中央最低賃金審議会における目安審議の在り方→あるべき水準。政府方針への配意の在り方。議事の公開 。
(2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項→目安の位置付け。ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)。発効日。
(3)中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料→現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認。新規のデータ取得が不可となった参考資料の見直し。賃金改定状況調査について。



◎資料 No.2 第1回〜第6回全員協議会で頂いた御意見の整理
1.中央最低賃金審議会における目安審議の在り方
○ あるべき水準 ↓

・ランク間の配分の在り方を検討する上でも絶対額を重視した議論が重要であることや、 経営に当たっての予見性の確保が重要であることから、最低賃金法の目的や諸外国の 状況などを参考に、ナショナルミニマムとしてふさわしい水準はいかにあるべきかの 議論を行うべき。
・労使で目標水準を議論した上で、最低賃金決定の3要素を踏まえて、到達の年数、引上げ額を議論することが重要。
・政府が、中央と地方の最低賃金審議会における審議を重視し、毎年の最低賃金額は審議会での審議・答申を踏まえて決定されることを明確にした上で、経済の好循環を促すために、政府方針として中長期的に最低賃金が目指すべき水準を示すことはあり得るものと考える。政府と審議会との関係を引き続きしっかりと維持していただくこと が非常に重要。
・全国加重平均 1,000 円という政府が掲げてきた目標へ近づきつつある状況を踏まえ、 あるべき水準についても労使で議論を深めていく必要がある。 全国加重平均の金額を目標として掲げることは、適用労働者の多いAランクの引上げ に依存せざるを得ず、結果として地域間格差が生じることになることに留意が必要。

・諸外国の最低賃金と比べて、日本の全国加重平均額が低いという指摘があるが、各国 と適用労働者の範囲や減額措置の手続きが異なることも踏まえた上で、あるべき水準 を検討することが必要。最低賃金の額だけを諸外国と比べて論ずることはできないが、中央値に対する最低賃 金の比率等を見れば、国際的に低い事実は明らか。この事実を受け止めた上で、どう いった水準を目指すかは労使で議論しておくべき。 金額で示すのか日本語で示すのかということは議論の余地があるが、持続的かつ安定 的に最低賃金を引き上げるために、あるべき水準を労使で合意した上で設定すること が必要。毎年の審議では、その目標を意識しながら3要素を踏まえてどの程度引き上 げるかという議論が建設的ではないか。経営の予見可能性という観点からも有益では ないか。
・あるべき水準の設定に当たっては、公労使がそろった審議会の場で定めていくことが 必要ではないか。少なくとも、当事者である労使がいない場で、賃金の目標が定められることは適当ではない。全国加重平均 1,000 円を達成した後も、更に高い額が提示され続けると、経営者にとっては、先が見えず難しい。使用者側としては水準を決めることについて慎重にならざるを得ないが、引き続き審議は続けていきたい。
・あるべき水準を定めると、法に定める3要素のほかにもう1つ要素が増えることにな る。また、この先の経済や雇用の情勢の予見可能性が必ずしも高い状況ではない中で、 毎年の審議会での自由闊達な審議を縛るという判断は困難ではないか。

○ 政府方針への配意の在り方↓
・政府方針の議論の場には、中小企業の代表を含め労使の代表がきちんと参画をして、 その意見を踏まえた上で政府方針を決定すべき。政府が、賃金水準あるいは最低賃金の在り方について、広く意見を聞いて一定の方向 性を示すこと自体は否定しないが、その内容が中央及び地方の最低賃金審議会における審議を実質的に縛るようなことがあってはならない。政府方針の提示に当たっては、ある程度幅を持たせた額を提示していただきたい。 目安審議の意義を明確にするためにも、政府方針への配意というものを、目安の審議 の中でどう考えるのかを議論しておく必要がある。
・政府方針に沿った形で議論することも一つの方法かもしれないが、中央最低賃金審議 会で検討するのであれば、時々の事情は外して、データを根拠に算出した、今まで以 上に納得できるような数字に基づいて、労使で議論する必要がある。 公労使三者構成は重要であり、今後もこの体制は維持していただきたい。 令和4年度の目安審議のように、3要素のデータに基づき労使で丁寧に議論を積み重 ね、納得を得ることは重要であり、今後の目安審議に向けたとりまとめの中でも方向 性を示したい。
・政府方針を決定する際には、公労使がそろった会議体で、現状のデータや先行きの見 通しを示すデータ等を踏まえて、時間をかけて議論いただくことが望ましい。その場 合にも、過去に示されてきた政府方針同様、毎年の中央最低賃金審議会における審議 を過度に縛るものであってはならない。政府方針は生産性向上策と連携した目標値であり、目安を単純に政府方針で定める目 標値に近付けようとすると実態を伴わないものになる。

○ 議事の公開↓
・審議の公開について検討することはやぶさかではないが、公開の範囲や時期⇒地方最低賃金審議会の現状などを整理し、地方最低賃金審議会の意見も聞いた上 で、丁寧に進める必要。公労使三者が揃った場に限って公開することについては差し支えない。現状を整理した上で、公開の範囲や地方最低賃金審議会との関係をどう考えるかとい う点も含めて検討していきたい。
・公開の範囲やタイミングについては、地方最低賃金審議会への影響を加味した議論が 必要であり、タイミングは、令和5年度の審議からとするのが適当ではないか。 議事録の早期公開について異論はない。
・議事の公開⇒原則公開であることを踏まえつつ、どのような場面でも公 開とするものではなく、透明性の確保と率直な意見交換を阻害しないという両方を考 える必要がある。その視点から、公労使三者が集まった部分については公開すること が適切であり、全員協議会の報告書にも書き込んで前向きなメッセージとして発信し ていく必要がある。 ・議事の公開が議論になるのは、外から見て、目安審議における議論のプロセスに不透 明感があるということかと思う。この問題への対応としては、目安審議の報告書にデ ータに基づく議論の結果を丁寧に記載し、記者や地方最低賃金審議会にも議論のプロ セスをわかりやすく示すことで、審議の透明性や納得性を高めることも重要。

2.地方最低賃金審議会における審議に関する事項
○ 目安の位置付け
目安は、地方最低賃金審議会の審議において参考にするものであり、審議決定を拘束 するものではないということを改めて確認したい。 地方最低賃金審議会が目安を踏まえた上で自主性を発揮して審議を行うことは重要で あるが、同時に全国的な整合性を図るために導入された目安制度の趣旨も重視される べき。これらの観点からも、目安をゾーンで示すことについて検討するべき。
○ ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)→ランク制度の在り方を議論すべきという点については、異論はない。 ランク区分⇒各都道府県の各指標の数値を並べるという現行の方法及び4区 分については適切である。今の制度を前提としたランクの入替えのみならず、ランク制度の在り方も検討すべき。 ランク制度を維持すると、どうしてもランク間で格差が生じる一方で、政府方針等で 地域間格差の是正が求められていることも踏まえ、ランク制度の在り方と、ランク制 度を維持する場合の区分の在り方とに分けて議論すべき。令和4年度の地方最低賃金審議会で、D ランクの県を中心に目安を大幅に上回る結論 が出たことを踏まえ、目安制度の在り方も考え直す必要がある。地域間格差を縮める観点からは、ランクの在りようも考えていく必要があるのではな いか。
○ 発効日→各地方最低賃金審議会において労使で合意できれば柔軟な対応が 可能であるが、従来より引上げ額が大きくなる中で準備期間が短いといった声が増えているため、今回、議論させていただきたい。 労働局から、(地方最低賃金審議会の委員に対し)文書や説明により、発効日は公労使 で話し合って地方で決めるものであることについて伝えてほしい。 春闘における賃上げ結果を未組織労働者に速やかに波及させるという趣旨で 10 月1日発効が一定の目安になっていることを踏まえると、発効日⇒10 月 1 日に こだわらず前倒しを含めて議論したい。 最近の最低賃金の引上げは、影響率が高まっているため、最低賃金の引上げにより給 与を見直すべき労働者数や賃金改定をしなければならない中小企業の数が増えている。このため、もう少し発効日に余裕を持たせていただけると、中小企業としては実 務的にありがたい。 ・地方で十分に審議を尽くした上で準備期間を持たせるという意味では、中賃で早めに 目安審議をはじめることのほうが大事なのではないか。 ・審議の結果としての発効日であって、10 月1日の発効日ありきの審議ではないという ことを、正確にご理解いただいたうえで議論したい。

3.中央最低賃金審議会における目安審議に用いる参考資料
○ 現在の主要統計資料の過不足やデータ取得時点の確認
→コロナ禍で特定業種の雇用に大きな影響が出ている点について、どう考えるのか検討するべき。
・今後の最低賃金審議に当たって、より的確に、かつ速やかに実態を把握するために、 どういうデータを参照し重視すべきか、しっかり検討すべき。
・デジタル化の進展、あるいはビッグデータの活用といったものが進んでいく中で、これまでの統計資料データに留まらず、より的確かつタイムリー、更には簡便かつ正確に雇用や賃金の実態を捉えるデータの収集・活用について検討すべき。
・未満率・影響率の深掘りした資料として、例えば最低賃金の一致比率を出してもよい のではないか。また、影響率について、予測値を提示いただいてもよいのではないか。
・目安審議で直接活用されていない資料もあるが、委員として事前に確認しておくもの があること、地方審議の段階で活用されるデータもあることから、棚卸に当たっては、 地方最低賃金審議会の意見も聞いて検討するべき。
・「決定初任給(高校卒)の推移」、「パートタイム労働者の1求人票あたりの募集賃金平 均額」、「パートタイム労働者の1求人票あたりの募集賃金下限額」、「地域別最低賃金 額の最高額と最低額及びその格差の推移」の各資料、「春季賃上げ妥結状況」の資料の 更新版⇒議論の効率化の観点から、小委員会の資料として定番化してもよ いのではないか。
・地方最低賃金審議会においてもそれぞれの地域の指標を見ながら議論しているところ だが、目安審議のように3要素のデータに基づく納得感ある審議ができるよう、目安 審議で用いるデータのうち特に重視されるものの都道府県版についても中央最低賃 金審議会において示せたらよいのではないか。
・令和4年度の目安審議で充実させたデータも定番化して、継続的に充実したものを時 系列で見られるようにするようにすべきではないか。
○ 賃金改定状況調査について→法で定める3要素を総合的に示している賃金改定状況調査を重視した協議を基本とするべき。 賃金改定状況調査は重要な参考資料の1つではあるが、これだけをもって目安を決め るものではない。労使間で位置付けに大きな隔たりがあり、位置付け及び数字の解釈 について意識合わせをする必要がある。
・賃金改定状況調査の第4表は平均賃金の比較であるため、昨年と今年の労働者構成の 変化に大きな影響を受けるという課題認識がある。 その時々で、賃金改定状況調査の第4表の重視の仕方、ウエイトの掛け具合も異なる ため、公労使で認識をすり合わせながら審議を進めていきたい。 賃金改定状況調査の加工の仕方なども含めて、アウトプットの出し方なども工夫でき るのであればいろいろと検討してみてもよいのではないか。 賃金改定状況調査の第4表は、現状がどうなっているかを見る指標では有力なもので ある


◎資料 No.3 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 目安の位置付け 関連資料
○中央最低賃金審議会小委員会報告(抄) 昭和 52 年 9 月 28 日 中央最低賃金審議会了承 (了解事項)→@〜A参照。
○中央最低賃金審議会目安制度のあり方に関する全員協議会の 検討状況の中間的な取りまとめについて(全員協議会報告)(抄) (平成 12 年3月 24 日中央最低賃金審議会了承)→ 2 経済情勢等を踏まえた目安の決定のあり方等について ⇒(略) (4) 目安と地方最低賃金審議会における審議の関係
○目安のランク区分及び表示方法について (中央最低賃金審議会における検討経過) 1 発足の経緯→1〜7まで。参考。
○令和4年3月22日第3回目安制度の在り方に関する全員協議会資料No.5(抜粋)→目安制度の在り方に関する検討の経緯(2)〜(4)までの参考。
○平成19年度地域別最低賃金額改定について→1.地域別最低賃金額改定の目安  2.各地域別最低賃金の改定状況 参照。

次回も続き「資料 No.4-1 (2)地方最低賃金審議会における審議に関する事項 ランク制度の在り方(ランク区分の見直しを含む)関連資料」からです。

第185回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2022年12月23日(Fri)]
第185回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和4年12月13日)
≪議題≫(1)労働契約制度及び労働時間制度等について (2)担保法制の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)について(報告事項)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29749.html
◎資料 No.2 担保法制の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)について
≪担保法制の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)について≫
○担保制度の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)にかかる政府における議論の状況
・法務省法制審議会 担保法制部会
→審議状況⇒法制審議会総会第189回会議(令和3年2月10日開催)において、「動産や債権等を担保の目的として行う資金調達の利用の拡大 など、不動産以外の財産を担保の目的とする取引の実情等に鑑み、その法律関係の明確化や安定性の確保等の観点から、担保に関する 法制の見直しを行う必要があると思われるので、その要綱を示されたい。」(諮問第114号)とする諮問がされ、令和3年4月より、 担保法制部会において調査審議が行われている(検討事項の中に事業担保制度も含まれている。)。 委員構成⇒ 法学者・弁護士・裁判官・金融機関・労働組合等の関係者を委員とし、厚生労働省も幹事として参加。 今後の予定⇒令和4年12月6日に取りまとめがされた中間試案について、今後、パブリックコメントに付され、その結果も踏まえた調査審議が 行われる予定。
・金融庁金融審議会 事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に関する W G→審議状況⇒金融審議会総会第50回会議(令和4年9月30日開催)において、「スタートアップや事業承継・再生企業等への円滑な資金供給を促す観点から、事業性に着目した融資実務のあり方も視野に入れつつ、事業全体を担保に金融機関から成長資金等を調達できる制度に ついて検討を行うこと。」とする諮問がなされ、これを調査審議するために、「事業性に着目した融資実務を支える制度のあり方等に 関するWG」が設けられ、令和4年11月より、議論が行われている。 委員構成⇒法学者・弁護士・労働組合等の関係者を委員とし、金融機関・厚生労働省もオブザーバーとして参加。 今後の予定⇒スタートアップ等が、事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達できる制度を創設するため、制度について検討を行う予定。

○事業(成長)担保制度にかかる政府決定の状況(関係箇所のみ抜粋)
・スタートアップ育成5か年計画(令和4年 1 1 月 2 8 日 新しい資本主義実現会議決定)
→事業成長担保権の創設⇒有形資産を多く持たないスタートアップ等が最適な方法で成長資金を調達できる環境を整備するため、金融機関が、不動産担保等によらず、 事業価値やその将来性といった事業そのものを評価し、融資することが有効。そのため、スタートアップ等が、事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達できる制度を創設するため、関連法案を早期に国会に提出 することを目指す。
・新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画(令和4年6月7日閣議決定)→事業性融資への本格的かつ大胆な転換→(略)こうした観点から、金融機関には、不動産担保等によらず、事業価値やその将来性といった事業そのものを評価し、融資することが 求められる。スタートアップ等が事業全体を担保に金融機関から成長資金を調達できる制度を創設するため、関連法案を早期に国会に提出す ることを目指す。
・経済財政運営と改革の基本方針 2022 (令和4年6月7日閣議決定)→スタートアップ(新規創業)への投資⇒(略)加えて、個人保証や不動産担保に依存しない形の融資への見直しや事業全体を担保とした成長資金の調達を可能とする仕組みづくり等 を通じて、成長資金の調達環境を整備する。
・規制改革実施計画(令和4年6月7日閣議決定)→事業成長担保権の創設・整備について⇒金融庁及び法務省は、資金提供・調達の充実がスタートアップや事業の成長・促進における喫緊の課題であることを認識・把握し、融資に おける新たな選択肢として不動産担保によらない成長資金の提供への利活用が期待される、「事業成長担保権」を始めとした事業全体を担保 とする制度について、相互に積極的に連携して検討を進め、早期に一定の結論を得る。
なお、事業全体を担保とする制度の整備に係る検討の結論を得次第、金融庁は、金融機関と融資先である事業者が事業価値の維持や向上に 向けて緊密な関係を構築できるよう、制度の適切な活用・運用による成長資金の提供促進に必要な環境の整備を行う
○事業(成長)担保制度のイメージ(検討されている内容)→資金の借入 (成長・承継局面等) 事業担保権の設定⇒成長、経営改善等の場合はOKだが、債務不履行になった場合の事業担保権の実行は「法人の総財産」となり、「譲渡 (事業譲渡、個別 資産の換価)」。

≪令和4年12月6日付け 法務省 法制審議会 担保法制部会 部会資料2 7「担保法制の見直しに関する中 間試案(案)」 抜粋≫
○令和4年12月6日付け法務省 法制審議会 担保法制部会 部会資料 27「担保法制の見直しに関する中間試案(案)」より〜労働に関連しうる部分の論点抜粋〜

・第2章 担保権の対抗要件及び優劣関係 第5 新たな規定に係る動産担保権と他の担保物権との優劣関係 3 一般先取特権と新たな規定に係る動産担保権との優劣関係→雇用関係の先取特権を含む一般先取特権に、新たな規定に係る動産担保権に対する一定の優先権を認めるかについては、担 保法制全体に与える影響も考慮しつつ、新たな規定に係る動産担保権に優先し得る一般先取特権の範囲(雇用関係の先取特権 に限るか、その他の一般先取特権にも優先権を認めるか)、新たな規定に係る動産担保権の範囲(その目的物の性質等によっ て区別するか)、優先権の具体的な内容、優先権を行使するための要件等を引き続き検討する。 第6 債権譲渡担保権の対抗要件等の在り方 3 一般先取特権と債権譲渡担保権との優劣関係→ 雇用関係の先取特権を含む一般先取特権に、債権譲渡担保権に対する一定の優先権を認めるかについては、第5の3と同様 に引き続き検討する。
・第5章 その他 第23 事業担保制度の導入に関する総論的な検討課題→1 事業担保制度導入の是非⇒ 事業のために一体として活用される財産全体を包括的に目的財産とする担保制度(事業担保制度)を設けるか否かについて、 引き続き検討する。 2 事業担保権を利用することができる者の範囲⇒ ⑴ 事業担保権者となり得る者の範囲については、制度の趣旨が適切に発揮されるためには適切なモニタリングや経営支援の 知見等が必要であることや、経営への不当な介入を防ぐ観点から、金融機関などに限定する方向で、その具体的な範囲を更 に検討するものとする。 ⑵ 事業担保権を設定することができる者については、個人を除外して法人等に限定する方向で、組合による設定を認めるか などその具体的な範囲については、設定を公示する手段の有無にも留意しながら更に検討するものとする(注)。 (注)個人事業主がその事業用の財産に事業担保権を設定することも認めるという考え方がある。
・第5章 その他 ↓
第23 事業担保制度の導入に関する総論的な検討課題 3 事業担保権の対象となる財産の範囲
→⑴ 事業担保権は、原則として、のれん、契約上の地位(注)、事実上の利益などを含む、設定者の有するすべての財産に及 ぶものとする。 ⑵ 当事者の合意によって一部の財産に事業担保権が及ばないようにすることができるかどうかについては、その旨の公示の 可否などに留意しつつ、更に検討する。 (注)労働契約について何らかの特別な考慮が必要であるとの意見がある。
第24 事業担保権の効力 →1 事業担保権の設定 事業担保権の設定契約に当たって必要な手続的要件については、事業担保権の設定による影響を受け得る者の利害にも配慮 しつつ、更に検討する。 3 事業担保権の優先弁済権の範囲(一般債権者に対する優先の範囲) 労働債権や商取引債権は、無担保であっても一定の範囲で事業担保権の被担保債権に優先することとし、具体的にどのよう な範囲の債権を優先させるか、各債権に分配する額をどのように算出するか、優先させる債権への分配額を実行開始後に随時 弁済することができるかなどについて、引き続き検討する。 4 事業担保権設定者の処分権限 事業担保権が実行される前の段階において、事業担保権設定者がどのような範囲で事業担保権の目的となっている財産を処 分することができるかについて、@事業担保権の目的である財産の処分一般について何らかの制約を設けるか、A事業担保権 の目的である財産のうち一部について処分権限を制約するか、B後順位の担保権の設定に制約を設けるかなどの点を引き続き 検討する
第25 事業担保権の実行 →1 実行開始決定の効果→ ⑴ 事業担保権の実行開始決定がされたときは、その目的財産の管理処分権は裁判所の選任する管財人に専属するものとする。 ⑵ 管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならないものとする。 ⑶ 管財人は、債権者に対し、公平かつ誠実に、⑴の権利を行使し、実行手続を追行する義務を負うものとする。 ⑷ 事業担保権の実行開始決定がされたときは、設定者の個別財産に対する強制執行、仮差押え、仮処分、事業担保権に劣後 する担保権の実行等の手続は事業担保権の実行手続との関係で失効するものとし、事業担保権に優先する担保権は、事業担 保権の実行手続によらないで行使することができるものとする(注)。 (注)事業担保権の被担保債権に先立って弁済を受けることができる一般債権に基づく強制執行及び仮差押えは、失効しない ものとする考え方がある。 2 事業担保権の目的財産の一部に対する実行及び個別資産の換価の可否→ ⑴ 事業担保権の裁判上の実行手続において、事業担保権の目的財産の一部のみを対象として実行手続を開始することはでき ないものとする。 ⑵ 管財人が設定者の通常の事業の範囲を超えて個別資産を換価するには、裁判所の許可を得なければならないものとする。 4 他の債権者及び株主の保護→ ⑴ 管財人は、裁判上の実行により事業譲渡をするには、裁判所の許可を得なければならないものとする。 ⑵ ⑴の事業譲渡について、会社法上の株主総会の決議による承認を要しないものとする(注)。 (注)会社法上の株主総会の決議による承認に代替する手続の要否及び内容については、引き続き検討する。 5 換価の効果→ ⑴ 事業担保権の目的財産は、代金の支払があった時に買受人に移転するものとする。 ⑵ (略) ⑶ 包括承継などの構成によって、契約上の地位を相手方の承諾なく移転させることができる制度を設けるか否かについて、 引き続き検討する。   
6 被担保債権以外の債権の扱い→ ⑴ 実行手続の実施に必要な費用などの一定の債権を共益債権とした上で随時弁済することができるものとする(注)。 (注)共益債権とする債権の具体的な内容については、引き続き検討する。 ⑵ 実行手続開始前の原因に基づいて生じた債権の扱いについては、次のいずれかの案によるものとする。 ↓
【案25.6.2.1】→ 実行手続開始前の原因に基づいて生じた債権⇒実行手続開始後は、弁済をし、弁済を受け、その 他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができないものとした上で、実行手続の中でその有無及 び額を調査して確定し、これに対して配当する手続を設けるものとし、ただし、その債権を早期に弁済しなけ れば事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、管財人の申立てにより、その弁済をすることを許可す ることができるものとする。
【案25.6.2.2】→ 実行手続開始前の原因に基づいて生じた債権のうち、事業担保権の被担保債権に先立って弁済を受けること ができる債権は、実行手続によらないで、随時弁済するものとし、その余の債権⇒【案25.6.2.1】 と同様とする。
【案25.6.2.3】→ 実行手続開始前の原因に基づいて生じた債権は、実行手続によらないで、随時弁済するものとし、ただし、 設定者に破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがあるとき又は設定者が事業の継続に著しい支障を来 すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときは、裁判所は、管財人の申立てにより、決定で、 【【案25.6.2.1】/【案25.6.2.2】】と同様の扱いに移行させるものとする


◎参考資料 No.1 参考資料
≪金融機関における一定の業務の内容等について≫
○第183回労働条件分科会(令和4年11月29日)における使用者側委員の御発言概要(抄)
・金融機関の一定業務のうち、合併・買収、事業承継の考案及び助言を行う業務
、これは顧客企業等の調査分析を行い、買収先、後継者の 選定、経営統合後あるいは承継後の体制整備に関する戦略づくり、それから、取引や資金調達のスキーム構築等についての提案、その実現 に向けた業務であります。
・資金調達方法に関わる考案及び助言の業務、これは典型的なものから非常に難易度の高いもの、幅広くございます。ただ、私どもの想定は、企業の財務指標から企業の信用をベースに貸付を行うといったような類いのものを想定しているわけではございませ ん。将来キャッシュフロー予測の結果を踏まえて計画、実行するような高度な資金調達方法であり、いわゆるプロジェクトファイナンスと 呼ばれるものが代表例でございます。
・プロジェクトファイナンスの場合→プロジェクト自体から生まれる将来キャッシュフロー、それから、中長期的にわたるリスクを正 確に予測する高い専門性が求められます。また、その専門性に関しては、常に変化をする市場環境、それから、事業性評価、さらに新たに 人権とか環境といった新しいリスクにも対応する必要性があり、陳腐化することも考えられません

○第184回労働条件分科会(令和4年12月6日)における使用者側委員の御発言概要(抄)
・金融機関
銀行と証券会社を想定しており、また、対象労働者は資金調達方法や合併・買収等に関する考案及び助言 に直接関わる者のみを対象とすることを要望しております。 ・M&A等の案件を進める上で、工程によっては顧客都合に左右されるケースもありますが、案件全体を通して見ると、働き手が自身の裁量 をもって働いています。M&Aを例にとると、M&A戦略づくりや取引スキームを考案する工程や、交渉がまとまったあとに売り手企業の デューデリジェンスを行う工程等では基本的に裁量をもって働いているとも聞いています。
・M&Aによる事業収益への影響やプロジェクトの将来キャッシュフローの正確な予測など、上司でさえ答えをもたないものが多くあり、まさに業務の性質上、適切に遂行するには遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要のある業務です。

次回は新たに「第7回目安制度の在り方に関する全員協議会 資料」からです。

第185回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2022年12月22日(Thu)]
第185回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和4年12月13日)
≪議題≫(1)労働契約制度及び労働時間制度等について (2)担保法制の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)について(報告事項)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_29749.html
◎資料 No.1 労働契約制度及び労働時間制度等について(これまでの議論の整理)
○労働契約制度について
1.無期転換ルール
(1)無期転換ルール→現時点で、無期転換ルールを根幹から見直さなければならない問題が生じている状況ではないと考えられるが、制度が適切に活用されるよう必要な取り組みを進めることについてどのように考える か

(2)無期転換を希望する労働者の転換申込機会の確保→無期転換ルールに関する労使の認知状況を踏まえ、無期転換ルールの趣旨や内容、活用事例について、一 層の周知徹底に取り組むことについて、 無期転換申込権が発生する契約更新時に、無期転換申込機会と無期転換後の労働条件について、労働基準 法の労働条件明示の明示事項に追加することについてどのように考えるか。 この場合において、労働基準法の労働条件明示において書面で明示することとされているものは、無期転 換後の労働条件明示にあたっても書面事項とすることについてどのように考えるか。
(3)無期転換前の雇止め等→不利益取扱い等について、法令や裁判 例に基づく考え方を整理し、周知するとともに、個別紛争解決制度による助言・指導にも活用していくこ とについて、また 紛争の未然防止や解決促進のため、 更新上限の有無及びその内容について、労働基準法の労働条件明示 事項に追加するとともに、労働基準法第14条に基づく告示において、最初の契約締結より後に、更新上限 を新たに設ける場合又は更新上限を短縮する場合には、その理由の労働者への事前説明を求めることにつ いてどのように考えるか。
(4)通算期間及びクーリング期間→現時点で枠組みを見直すまでの必要性は生じていないと考えられるが、クーリング期間に関して、法の趣旨に照らして望ましいとは言えない事例等について、一層の 周知徹底に取り組むことについてどのように考えるか。
(5)無期転換後の労働条件→有期労働契約時と異なる定めを行う場合を含め、法令や裁判例に基づく考え方、留意点等を整理し、周知に取り組むことについてどのように考えるか。労働契約法第3条第2項を踏まえた均衡考慮が求められる旨を周知する とともに、無期転換申込権が発生する契約更新時の無期転換後の労働条件等の明示の際に、当該労働条件を決定するにあたって、労働契約法第3条第2項の趣旨を踏まえて均衡を考慮した事項について、使用者 が労働者に対して説明に努めることを求めることについて、また正社員への転換をはじめとするキャリアアップの支援に一層取り組むことについてどのように考えるか。
(6)有期雇用特別措置法の活用状況→、特例の存在が十分に認知されていない現状があるため、一層の周知 徹底に取り組むことについてどのように考えるか。

2.労働契約関係の明確化→多様な正社員に限らず労働者全般について、労働基準法の労働条件明示事項に就業場所・業務の変更の範 囲を追加することについてどのように考えるか。 労働契約法第4条の趣旨を踏まえて、 多様な正社員に限らず労働者全般について、労働契約の内容の変更のタイミングで、労働契約締結時に書面で明示することとされている事項については、変更の内容をで きる限り書面等により明示するよう促していくことについてどのように考えるか。  労働基準法の労働条件明示のタイミングに、労働条件の変更時を追加することを引き続き検討することに ついてどのように考えるか。  紛争の未然防止のため、多様な正社員等の労働契約関係の明確化に関する裁判例等を幅広く整理して明らかにし、周知徹底に取り組むことについてどのように考えるか。 就業規則を備え付けている場所等を労働者に示すこと等、就業規則を必要なときに容易に確認できるよう にする必要があることを明らかにすることについてどのように考えるか。また、就業規則の更なる周知の在り方について、引き続き検討することについてどのように考えるか。  短時間正社員⇒処遇について、正社員としての実態を伴っていない場合には、パート・有期労働法の適用があり、均衡・均等待遇が求められることや、同法が適用されないそれ以外の多様な正社員に おいても、労働契約法第3条第2項による配慮が求められることを周知することについてどのように考え るか

3.労使コミュニケーション→労使コミュニケーションに当たっての留意点や、適切に労使コミュニケーションを図りながら、無期転換 や多様な正社員等について制度の設計や運用を行った各企業の取組事例を把握して周知することについて どのように考えるか。 • 過半数代表者の適正な運用の確保や多様な労働者全体の意見を反映した労使コミュニケーションの更なる 促進を図る方策について引き続き検討を行うことについてどのように考えるか。

○労働時間制度について
1.裁量労働制
(1)対象業務→企画業務型裁量労働制(「企画型」)や専門業務型裁量労働制(「専門型」) の現行の対象業務の明確化等による対応を検討し、対象業務の範囲⇒経済社会の変化や、それ に伴う働き方に対する労使のニーズの変化等も踏まえて
、その必要に応じて検討することについてどのように考えるか。また、金融機関における一定の業務についてどのように考えるか。
(2)労働者が理解・納得した上での制度の適用と裁量の確保
@ 対象労働者の要件
→専門型⇒対象労働者の属性について、労使で十分協議・決定することが望ましいことを明らかに することについてどのように考えるか。 対象労働者を定めるに当たっての適切な協議を促すため、使用者が当該事業場における労働者の賃金水準 を労使協議の当事者に提示することが望ましいことを示すことについてどのように考えるか。 対象労働者に適用される賃金・評価制度を変更しようとする場合に、使用者が労使委員会に変更内容につ いて説明を行うことを求めることについてどのように考えるか。
A 本人同意・同意の撤回・適用解除→専門型⇒本人同意を得ることや同意をしなかった場合に不利益取扱いをしないことを求めること について、 本人同意を得る際に、使用者が労働者に対し制度概要等について説明することが適当であること等を示す ことについてどのように考えるか。 同意の撤回の手続を定めることを求めることについてどのように考えるか。また、同意を撤回した場合に 不利益取扱いをしてはならないことを示すことや、撤回後の配置や処遇等についてあらかじめ定めること が望ましいことを示すことについてどのように考えるか。
B 業務量のコントロール等を通じた裁量の確保→裁量労働制は、始業・終業時刻その他の時間配分の決定を労働者に委ねる制度であることを示すことにつ いてどのように考えるか。 • 労働者から時間配分の決定等に関する裁量が失われた場合には、労働時間のみなしの効果は生じないもの であることに留意することを示すことについてどのように考えるか

(3)労働者の健康と処遇の確保
@ 健康・福祉確保措置
→健康・福祉確保措置の追加(勤務間インターバルの確保、深夜業の回数制限、労働時間の上限措置(一定 の労働時間を超えた場合の適用解除)、医師の面接指導)等を行うことについてどのように考えるか。 健康・福祉確保措置の内容を「事業場における制度的な措置」と「個々の対象労働者に対する措置」に分類した上で、それぞれから1つずつ以上を実施することが望ましいことを示すことについてどのように考 えるか。 「労働時間の状況」の概念及びその把握方法が労働安全衛生法と同一のものであることを示すことについてどのように考えるか。
A みなし労働時間の設定と処遇の確保→みなし労働時間の設定に当たっては対象業務の内容、賃金・評価制度を考慮して適切な水準とする必要が あることや対象労働者に適用される賃金・評価制度において相応の処遇を確保する必要があることを示すこと等についてどのように考えるか。
(4)労使コミュニケーションの促進等を通じた適正な制度運用の確保
@ 労使委員会の導入促進と労使協議の実効性向上
→決議に先立って使用者が労使委員会に対象労働者に適用される賃金・評価制度の内容について説明することを求めることについて、労使委員会に制度の実施状況の把握及び運用の改善等を行うことを求めること等について、 労使委員会の委員が制度の実施状況に関する情報を十分に把握するため、賃金・評価制度の運用状況の開 示を行うことが望ましいことを示すことについて、労使委員会の開催頻度を6か月以内に1回以上とすることを求めるとともに、労働者側委員の選出手続の 適正化を求めること等についてどのように考えるか。 専門型についても労使委員会を活用することが望ましいことを明らかにすることについてどのように考え るか。
A 苦情処理措置→本人同意の事前説明時に苦情の申出方法等を対象労働者に伝えることが望ましいことを示すことについて、 労使委員会が苦情の内容を確実に把握できるようにすることや、苦情に至らないような運用上の問題点についても幅広く相談できる体制を整備することが望ましいことを示すことについてどのように考えるか。
B 行政の関与・記録の保存等→6か月以内ごとに行うこととされている企画型の定期報告の頻度を初回は6か月以内に1回及びその後1 年に1回とすることについてどのように考えるか。
健康・福祉確保措置の実施状況等に関する書類を労働者ごとに作成し、保存することを求めることについてどのように考えるか。 労使協定及び労使委員会決議の本社一括届出を可能とすることについてどのように考えるか

2.年次有給休暇→令和7年までに「年次有給休暇の取得率を70%以上とする」という政府の目標を踏まえ、年次有給休暇の 取得率の向上に向けた一層の取組を検討することについてどのように考えるか。 年5日以内とされている年次有給休暇の時間単位での取得について、上限日数を引き上げることや、使用 者の時季指定義務の取得義務日数に時間単位で取得した時間も含めることについてどのように考えるか。 また、年5日を超えて取得したいという労働者のニーズに応えるような各企業独自の取組を促すことにつ いてどのように考えるか

3.今後の労働時間制度についての検討→働き方改革関連法で導入又は改正された、時間外労働の上限規制、フレックスタイム制、高度プロフェッ ショナル制度、年次有給休暇制度等は、同法の施行5年後に、施行状況等を踏まえて検討を加え、必要が あると認めるときは、所要の措置を講ずることとされていることを踏まえ、今後、施行状況等を把握した 上で、検討を加えることについてどのように考えるか。  その際には、働く方の健康確保という原初的使命を念頭に置きながら、経済社会の変化や働き方の多様化 等を踏まえ、働き方やキャリアに関する労働者のニーズを把握した上で、労働時間制度の在り方の検証・ 検討を行うことについてどのように考えるか

次回も続き「資料 No.2 担保法制の見直し(事業(成長)担保制度の導入等)について」からです。

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