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第47回社会保障審議会生活保護基準部会 [2022年09月30日(Fri)]
第47回社会保障審議会生活保護基準部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》(1)固定的経費の算出方法(2)新型コロナウイルス感染症による影響等(3)生活の質の面からみた生活実態・意識の分析について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27979.html
◎資 料 1 固定的経費の算出方法について
1 算出方法に関する論点
(1) 固定的経費の判定を行う支出項目の単位について

○第43回資料1「令和4年度における生活保護基準の検証作業の進め方」抜粋→A生活扶助基準の水準の検証⇒平成29年検証時に参照した集団の状況と大きく変化 していないかを確認する観点から、参考とすべき指標について検討を行い、その状況を確認。
○第45回資料2「全国家計構造調査のデータの取扱い等について」抜粋→2 基準額との比較検証にあたって参考とすべき指標⇒食費や光熱水費などに代表される固定的経費の支出割合はエンゲル係数(食費の支出割合)と 同様の側面を持つものとして、低いほど厚生水準が良い状態を示すとも考えられることから、その変化の状 況を確認。 ※2019年全国家計構造調査の収支項目分類は、品目分類が基本とされ、用途分類による値は大分類(費 目)のみに限られることから、固定的経費を用いる場合には、その作成方法を改めて検討する必要がある。
・平成29年検証→用途分類による小分類の各支出項目について、固定的経費、変動的経費 にそれぞれ分類したが、2019年全国家計構造調査の収支項目分類は、品目分類が基本とされ、用途分 類による値は基本的に大分類(費目)のみに限られることとなった。

・(2)固定的経費の判定方法について(1/3)→各支出項目の固定的経費・変動的経費の判定方法→平成29年検証において用いられた方法 による場合《手法@》のとおりとなる。
・(2)固定的経費の判定方法について(2/3)→一時点の支出構造の分析をする際には、被説明変数を各支出項目の支出額の対数とするのではなく、 各支出項目の支出額の消費支出額に占める割合とする下記の《手法A》によることが考えられる。
・(2) 固定的経費の判定方法について(3/3)→更に、手法Aの回帰式により判定を行う場合には内生性が問題となる(※)ことから、これをコン トロールするために、年収額を操作変数とする下記の《手法B》によることが考えられる。※ 個別の支出項目の支出額が増加する場合に、被説明変数である支出シェアと説明変数である消費支出額の対数が ともに増加することとなるため相関が生じる。

2 各手法による判定結果→【品目分類(小分類)による結果 1/3】 【品目分類(小分類)による結果 2/3】 【品目分類(小分類)による結果 3/3】⇒上記「(2) 固定的経費の判定方法について(1/3)〜(3/3)の結果あり。

3 採用する固定的経費の算出方法(案)
(1)固定的経費の判定を行う支出項目の単位について
→前述の論点を踏まえ、品目分類による小分類(※)の支出項目で判定することとする。 ※ 2019年全国家計構造調査の集計項目が中分類以上に限られる部分⇒中分類の支出項目を用いる。
(2)固定的経費の判定方法について→前述の論点を踏まえ、手法Bにより固定的経費・変動的経費の判定を行う。ただし、係数が有意ではない支出項目について、上位項目の固定的経費・変動的経費の格付で代 替すると、個別の支出項目の傾向と異なる判定結果となる(※)可能性があることから、上位項目 の格付けでの代替は行わないこととする。 ※ 例えば、手法Bにおいて「学校給食」に係る回帰分析の結果として消費支出の係数は0より小さいが、有意で はないため、仮に上位項目である「外食」の格付に合わせると「変動的経費」となる。


◎資 料 2 新型コロナウイルス感染症による影響等について
○新型コロナウイルス感染症による影響等について

・第43回資料1「令和4年度における生活保護基準の検証作業の進め方」抜粋→D新型コロナウイルス感染症による影響等⇒家計調査により、2019年以降の夫婦子1人世帯における低所得層(年収階級第1・十分位及び年収階級第 1・五分位)の生活扶助相当支出の動向を確認し、これを踏まえた上で、現在の生活扶助基準について、 どのように評価すべきかを検討する。 使用予定データ: 家計調査(2019年〜2021年)
(1)2019年以降の消費支出の動向→夫婦子1人の年収階級第1・十分位及び第1・五分位の世帯における生活扶助相当支出額⇒2020 年・2021年と減少。 費目別⇒いずれの収入階級でも「食料」が2年続けて増加に寄与し、「交通・通信」や「その 他の消費支出」が2年続けて減少に寄与している。
(2)新型コロナウイルス感染症による影響等の評価(案)→2019年以降、2021年にかけて、夫婦子1人の年収階級第1・十分位及び第1・五分位の世帯におけ る生活扶助相当支出額⇒新型コロナウイルス感染症の影響等もあって減少。 費目別⇒「食料」が増加する一方で「交通・通信」が減少に寄与するなど、消費行動に変化があったものとみられるが、新型コロナウイルス感染症の影響による減少は、一時的なものである可能 性に留意する必要がある


◎資 料 3 生活の質の面からみた生活実態・意識の分析について
○生活の質の面からみた生活実態・意識の分析について
・検討事項(「令和4年度における生活保護基準の検証作業の進め方」より)
→4 新たな検証手法に関する検討⇒ 消費実態だけでなく生活の質も踏まえた検証を行う観点から、基準検討会で報告のあった「生活保護世 帯における生活の質の面からみた消費支出や生活実態等の分析」(※)を参考に、「社会保障生計調査」 や「家庭の生活実態及び生活意識に関する調査」を用いた同様の分析を行う。
1 生活保護受給世帯と一般世帯の社会的必需項目の不足状況→「生活保護受給世帯」「 一般世帯」との比較⇒高齢者単身世帯・高齢者2人世帯・母子2人世帯・母子3人世帯・その他(※)の単身世帯・その他(※)の2人世帯・その他(※)の3人世帯 あり。

2 生活保護受給世帯と一般世帯における収入階級別の社会的必需項目の不足に関する指標↓
1 集計対象 →<生活保護受給世帯><一般世帯>
2 確認内容
@ 生活保護受給世帯及び一般世帯における収入階級別にみた社会的必需項目の剥奪指数(※)(世帯類型別:高齢者単身世帯/高齢者2人世帯/母子2人世帯/母子3人世帯/その他単身世帯/その他2人世帯/その他3人世帯)
→基準検討会で報告のあった分析方法を参考に、生活保護受給世帯と一般世帯の収入に応じた社会的必需項目(13項目)の不足状況を確認するため、世帯類型別に収入階級別の「剥奪指数」の集計を行う。 また、生活保護受給世帯の実収入には家賃に充当される住宅扶助費も含まれていることから、一般世帯との持ち家率 の違いによる影響も考慮し、持ち家無しの区分でも集計を行う。

A 生活保護受給世帯及び一般世帯における収入階級別にみた社会的必需項目の不足数・不足数別世帯数割合(世帯類型別:高齢者単身世帯/高齢者2人世帯/母子2人世帯/母子3人世帯/その他単身世帯/その他2人世帯/その他3人世帯)→基準検討会で報告のあった分析方法を参考に、生活保護受給世帯と一般世帯の収入に応じた社会的必需項目 (13項目)の不足状況を確認するため、世帯類型別に収入階級別の社会的必需項目(13項目)の「不足数」及び 「不足数別世帯数割合」の集計を行う。 なお、生活保護受給世帯の実収入には家賃に充当される住宅扶助費も含まれていることから、一般世帯との持ち家率の違いによる影響も考慮し、持ち家無しの区分でも集計を行う。
(剥奪指数の算出例)→「食事の頻度(1日2回以上)」と「炊飯器の保有」が金銭的に余裕がないことを理由にで きていない又は保有できていない場合⇒( 1点×0.89 + 1点×0.75 ) ÷ 9.31(社会的必需項目の回答割合の合計)×100点= 17.62点。

(1)収入階級別にみた社会的必需項目(13項目)の剥奪指数に係る分析→【生活保護世帯】【一般世帯】比較⇒高齢単身世帯・高齢2人世帯・母子2人世帯・ 母子3人世帯・その他(※)の単身世帯・その他(※)の2人世帯・その他(※)の3人世帯 あり。
(2)収入階級別にみた社会的必需項目(13項目)の不足数・不足数別世帯数割合に係る分析→【生活保護世帯】【一般世帯】比較⇒高齢単身世帯・高齢2人世帯・母子2人世帯・ 母子3人世帯・その他(※)の単身世帯・その他(※)の2人世帯・その他(※)の3人世帯 あり。

(参考)
2 社会的必需項目の不足に関する指標における生活保護世帯と一般世帯
【生活保護世帯】→(図表4)社会的必需項目の不足世帯数・割合(必需項目・不足数別(全世帯))
【一般世帯】→(図表5)社会的必需項目の不足世帯数・割合(必需項目・不足数別(全世帯))
2 等価収入別にみた社会的必需項目の不足に関する指標における生活保護世帯と一般世帯
(1)等価収入階級別にみた社会的必需項目の不足に関する指標に係る生活保護世帯と一般世帯との比較分析(集計結果1)→【 全世帯(剥奪指数)】⇒社会的必需項目の剥奪指数(平均値)→生活保護世帯が11.4、一般世帯が3.5となっており、生活保護世帯の剥奪 指数の方が高い。 これを等価収入階級別(生活保護世帯は等価実収入階級、一般世帯は等価可処分所得階級別の集計)→いずれの収入階級に おいても、生活保護世帯の剥奪指数の方が大きくなっており、収入が増加するほどその較差が大きくなる傾向にあった。 また、生活保護世帯→消費支出階級別の剥奪指数の傾向と同じく、収入階級ごとの剥奪指数の差は小さく、実収入の 増加に伴う剥奪指数の変化に一定の傾向は見られなかった。 一方、一般世帯→可処分所得の増加に伴って剥奪指数が減少していく傾向が見られた。
(2)等価収入階級別にみた社会的必需 項目の不足数に係る生活保護世帯と 一般世帯との比較分析(集計結果1)→【全世帯(社会的必需項目の不足数)】⇒社会的必需項目の不足数の平均値→生活保護世帯が1.8、一般世帯が0.5となっており、生活保護世帯の不足数の方が大きい。 ※ 生活保護世帯では不足数なしが約1割強、 1〜2項目が約7割である一方、一般世帯では不足数なしが7割弱、1〜2項目が約 3割。 これを収入階級別→いずれの収入 階級においても、生活保護世帯の不足数の方 が大きくなっており、収入が増加するほど その較差が大きくなる傾向にあった。 また、生活保護世帯→いずれの 収入階級でも、「該当なし(不足数なし)」は 約1割、1項目が約3〜4割であり、実収入 の増加に伴う剥奪指数の変化に一定の傾向は 見られなかった。 一方、一般世帯→可処分所得の 増加に伴って「該当なし」の割合が増え、 不足数1項目〜4項目以上の割合がそれぞれ 減少していく傾向が見られる。
(3)等価収入階級別にみた社会的必需項目の不足に関する指標に係る生活保護世帯と一般世帯(持ち家無)の比較分析→【 世帯人員別(剥奪指数)】⇒生活保護世帯と一般世帯(持ち家無)における社会的必需項目の剥奪指数(平均値)を世帯人員別→いずれの世帯人員に おいても生活保護世帯の剥奪指数が高くなっている。 これを等価収入階級別みると、⇒「10万円未満」では、1人世帯と3人世帯については、一般世帯の剥奪指数の方がやや高くなっている一方、 「10万円以上」の各収入階級では、生活保護世帯の剥奪指数の方が高い。 生活保護世帯の剥奪指数は実収入の増加に伴う変化に一定の傾向が見られない一方、一般世帯(持ち家無)の剥奪指数→可処分所得の増加に伴って概ね減少する傾向が見られるため、収入の増加するほどその較差が大きくなる傾向が見られた。

B 生活保護受給世帯の収支の状況及び一般世帯の消費支出の状況→「生活保護受給世帯(社会保障生計調査)」「 一般世帯(家計調査)」の比較⇒高齢者世帯、母子世帯、その他の世帯(※)(1〜3人世帯。)


◎参考資料1 被保護者調査(概数)の結果(令和4年6月分)
○ 被保護実人員→2,023,381人、対前年同月と比べると、15,657人減少(0.8%減)。
○ 被保護世帯→1,641,044世帯、対前年同月と比べると、1,575世帯増加(0.1%増)。
○ 保護の申請件数→20,881件、対前年同月と比べると、1,403件増加(7.2%増)。
○ 保護開始世帯数→17,935世帯、対前年同月と比べると、923世帯増加(5.4%増)。


◎参考資料2 2019 年全国家計構造調査 収支項目分類一覧
2020年1月改定の家計調査における収支項目分類を基に作成 具体的な内容例示は,家計調査の「収支項目分類及びその内容例示(令和2年(2020年)1月改定)」 を参照。 (https://www.stat.go.jp/data/kakei/kou2020/zuhyou/kouh2020.xlsx )


◎参考資料3 現下の生活困窮者等への支援について(委員依頼資料)
1 コロナ禍における「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」
→我が国経済は、原油や穀物等の価格が高い水準で推移し、食料、飼料、肥料原料、化石燃料や半導体原材料等の物資の安定供給が滞り、今後、コロナ禍からの経済社会活動の回復の足取りが大きく阻害されかねない状況。 このため、直面する物価高騰による影響を緩和するための対応を緊急かつ機動的に実施するとともに、価格転嫁や賃上げを促し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとする総合緊急対策を策定。本年6月までに新しい資本主義のグランドデザインと実行計画、骨太方針2022を取りまとめる。物価高騰等の長期化に留意しつつ、機動的・弾力的に対応し、これらを前に進めるための総合的な方策を打ち出す
T . 原油価格高騰対策
U . エネルギー・原材料・食料等安定供給対策
V . 新たな価格体系への適応の円滑化に向けた中小企業対策等
W . コロナ禍において物価高騰等に直面する生活困窮者等への支援
X . 今後への 備 え Y . 公共事業の前倒し Z . その他

2 足元の物価高騰に対する追加策等について→世界的な物価高騰の中で国民生活や事業活動を守るため、4月に策定した「総合緊急対策」を迅速かつ着実に実施するとともに、物価上 昇の大半を食料品とエネルギーが占めている足元の物価動向を踏まえ、これらに集中した対策を切れ目なく講じていく。 8月15日の総理指示を受け、今回、食料品(輸入小麦の政府売渡価格の据置き、飼料価格の高騰対策、食品ロス削減対策等)、エネル ギー(ガソリン等燃料油価格の負担軽減等)、地域の実情に応じた生活者・事業者支援(地方創生臨時交付金)、低所得世帯に対する支援(電力・ガス・食料品等価格高騰緊急支援給付金)を中心に追加策を取りまとめ。 新たな財源措置を伴う追加策については、新型コロナ対策などとあわせて3兆円半ばのコロナ・物価予備費を措置し、迅速に実施。

3 生活困窮者等への給付金について→現下の厳しい状況における生活困窮者等への支援として、生活保護受給者を含めて、各種給付金が支給さ れている。 生活保護制度では、これらの給付金の趣旨・目的に鑑み、最低生活費の算定に当たって、収入認定から当 該給付金を除外する取扱いを通知で示している。

次回は新たに「第7回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」」からです。

第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月29日(Thu)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料 11 静岡県牧之原市における園児置き去り事故について
○静岡県牧之原市の認定こども園における事故概要
・事故の概要
→発生日⇒令和4年9月5日(月)。発生園⇒学校法人榛原学園 川崎幼稚園(静岡県牧之原市) ※幼保連携型認定こども園。事故状況 ⇒朝8時48分、送迎用バスにて登園するも、バス内に約5時間取り残されたとみられ、同日14時10分頃、 バス内にて心肺停止状態で発見され、緊急搬送されたが、その後病院で死亡が確認された。
<経過>→8:00 18人乗りの中型バスに運転手、乗務員が乗車し園を出発。運転手は普段の職員ではなかった(当日の運転は園長が行った)。 8:48 本児を含め6名の園児を乗せたバスが園に到着。乗務員は荷物を持ちながら、小さい子から降ろした。他の子には自分で降りてくるように声をかけながら門を開け園内に入った。その際、本児 が降りたのか確認していなかった。 運転手は、園児が全員降りたかどうか確認しなかった。クラス担当者は、欠席等の連絡なく登園していない園児の所在確認をしなかった。 14:10頃 降園のため、バスを開錠すると、運転手と乗務員(登園時とは別の職員)が倒れている本児を発見。警察に連絡、救急車を要請 ・14:30頃 救急車到着。肺蘇生法等を実施し、病院へ搬送。
・これまでの対応→令和3年の福岡県中間市の認可保育所での同様の事案を受け、同年8月25日、内閣府・文部科学省・ 厚生労働省の連名で、以下の留意事項等を示し、安全管理の徹底⇒各都道府県等に対し周知。⇒ @欠席連絡等の出欠状況に関する情報について、保護者への速やかな確認及び職員間における情報共有を徹底すること A 登園時や散歩等の園外活動の前後等、場面の切り替わりにおける子どもの人数確認⇒ダブル チェックの体制をとる等して徹底すること B送迎バスを運行する場合⇒事故防止に努める観点から、運転を担当する職員の他に子どもの対応ができる職員の同乗を求めることが望ましいこと、子どもの乗車時及び降車時に座席や人数の確認を実施し、その内容を職員間で共有すること 等。   令和4年9月6日に、今回の事案を踏まえ、バスによる送迎について、各施設において、業務の点検を 行い、改めて安全管理を徹底するよう周知。

○総理指示事項→今回の静岡県牧之原市内の認定こども園における、大変痛ましい事故を踏まえ、政府として、子供の安全を守るための万全の対策を講じるため、こども 政策担当大臣を中心に、関係府省が連携し、スピード感をもって、以下の事項に取り組んでください。 1 送迎バスを有する全ての園に対して緊急点検を実施するとともに、都道府 県や市町村の協力を得て、実地調査を実施すること。 2 今回の事案がなぜ発生したのか、どのような問題があったかについて、関 係者からのヒアリング等を行い、徹底的に洗い出すこと。 3 こどもの安全対策を強化するため、安全管理マニュアルの整備、登園管理 システムの普及、送迎バスの安全装置改修支援など、再発防止に向けて具体的 な緊急対応策を、10月中に、とりまとめること
○緊急点検・実地調査の実施
・緊急点検・実地調査
→1.緊急点検 令和3年8月25日・令和4年9月6日に周知を行った安全管理の徹底に関する留 意事項等を踏まえて、安全管理が適切に実施されているか、送迎バスを有する全て の施設に対して、緊急点検を実施。 ※令和3年9月から点検実施までの状況を調査対象とする。 2.実地調査 送迎バスを有する施設に対して、地方自治体による、バス送迎に当たっての安全 管理に関する実地調査を実施。
・点検・調査項目→連絡が無く子どもがいない場合の保護者への確認及び職員間における情報共有 ・乗車時、降車時における子どもの人数確認などのチェック体制 ・担任職員が、バスに降車した子どもの情報と当日の出欠に関する情報を突き合 わせて確認したかなどの降車後の確認体制 ・同乗職員がいるか、確認内容の手順等の引継ぎを行っているかなど、送迎バス の運行体制 等

○保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部における バス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議について     令和 4 年 9 月 9 日
1.趣旨
→ 保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理に関する具体的な対策等を示すため、「保育所、幼稚園、認定こども園及び 特別支援学校幼稚部におけるバス送迎に当たっての安全管理の徹底に関する関係府省会議」を設置する。
2.構成員→議長 こども政策担当大臣 内閣官房こども家庭庁設立準備室長 内閣府子ども・子育て本部統括官 文部科学省総合教育政策局長 厚生労働省子ども家庭局長 (※)警察庁及び国土交通省がオブザーバー参加 課題に応じて、代理、追加の出席を可とする。
3.主な検討課題
・バス送迎に当たっての安全管理マニュアル⇒具体的な手順、日々の活動に活用できるチェックシート。保育所、幼稚園、認定こども園及び特別支援学校幼稚部の組織体制。都道府県、市町村による定期的な監査体制・方法。重大事態が生じた際の在園児や保護者等に対する精神的なケア。 
・万一の場合、こども自身もSOSを出せるような支援。 マニュアルの動画配信。
・園児の安全を確保する登園管理システム等の普及。
・園児の安全確保に関する送迎バスの安全装置改修 等。

○今後のスケジュール(案)→令和 4 年 9 月 9 日(第 1 回)⇒令和4年9月6日付事務連絡を受け、送迎バスを有する全施設に対し、緊急点検を 実施。あわせて地方自治体による実地調査を開始。 9 月中旬(第 2 回)⇒有識者からヒアリング。 9 月下旬(第 3 回)⇒先進自治体からヒアリング。 10 月上中旬(第 4 回)⇒ 静岡県の特別指導監査や緊急点検の結果、ヒアリング等を踏まえた緊急対策のとりまとめ。 12 月下旬以降(第 5 回)⇒ 送迎バスを有する施設に対する地方自治体による実地調査の実施状況報告。


◎委員提出資料 (大阪公立大学 山野則子) 9 月 14 日児童部会への意見 ↓
○新資格について(PPT の P7)。
スクールソーシャルワーカー(SSW)での活用が想定されていないのではないでしょうか?
すべての子どもが長く過ごす学校を「子ども家庭福祉」として、しっかり視野に入れるべき。SSW は連携相手ではなく、まさに「子ども家庭福祉」を担う人材である。児童相談所はす べての子どもから見ると 2〜3%の対応、市町村児童福祉が 10%ほどの対応、子どもの貧困やコロナの影響調査(厚労科研特別研究の 2020 年度版:ストレスを抱える子どもが約 90%、学校に 行きづらい子どもが約 30%)、子育て不安などでは 30%が危ない予防領域である。この実態の中ですべての子どもを対象に切れ目のない支援として描かれているのに学校も含めた全体像が大 事。

・新資格は厚労省でつくる資格ではあるが、厚労省の施策に引っ張られているのではないか。
内閣府(貧困)、文科省(SSW)等で活用される話は厚労省からは聞いていないが、児童部会で今まで学校 SW の視点から意見を言ってきたが、縦割りであった(人材雇用は学校なので文科、人材の内容は厚労という形)。しかし、うまく連携できず、改善されてこなかったように思う。ようやく、こういった問題をなくすための子ども家庭庁になるはずである。学校領域を視野 に入れるべき。

・SSW での活用を想定されて資格のための研修内容等を検討しているのでしょうか?
SSW(文科省)は数年前より「社会・精神の有資格者が基本」とされているし、さらに新資 格者のSSWでの活用も考えていると聞いている。
・新資格が社会・精神ベースでできていて、研修のカリキュラムでもそのようになっているのかの確認をしたい。なっているのであれば、社会・精神のカリキュラムとの照合は必須。
・この資格の研修や養成が、様々な人が取りやすい方向へと安易に流れず、専門性の向上や力量 の強化されるようになっているのでしょうか?


◎参考資料1 社会保障審議会関係法
○社会保障審議会令 (平成十二年政令第二百八十二号)
→(組織)第一条(委員三十人以内で組織)、(委員等の任命)第二条、(委員の任期等)第三条(二年)、(会長)第四条(委員の互選)、(分科会)第五条(福祉文化・介護給付費・医療保険保険料率・年金記録訂正分科会)、(部会)第六条、(幹事)第七条、(議事)第八条(1/3以上の出席)、(資料の提出等の要求)第九条、(庶務)第十条(厚生労働省政策統括官の総括、処理)、(雑則) 第十一条。

○社会保障審議会運営規則(平成十三年一月三十日社会保障審議会決定)→(会議)第一条(会長が召集)、(審議会の部会の設置)第二条、(諮問の付議)第三条、(分科会及び部会の議決)第四条、(会議の公開)第五条、(議事録)第六条、(分科会の部会の設置等)第七条、(委員会の設置)第八条、(準用規定)第九条、(雑則)第十条。

次回は新たに「第47回社会保障審議会生活保護基準部会 資料」からです。

第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月28日(Wed)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料8 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の概要
○困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(議員立法)のポイント
→女性をめぐる課題は生活困窮、性暴力・性犯罪被害、家庭関係破綻など複雑化、多様化、複合化。コロナ禍によりこうした課題が 顕在化し、「孤独・孤立対策」といった視点も含め、新たな女性支援強化が喫緊の課題。 こうした中、困難な問題を抱える女性支援の根拠法を「売春をなすおそれのある女子の保護更生」を目的とする売春防止法から脱 却させ、先駆的な女性支援を実践する「民間団体との協働」といった視点も取り入れた新たな支援の枠組みを構築。

・困難な問題を抱える女性への支援に関する法律(新法)(令和6年4月1日施行)→目的・基本理念 =「女性の福祉」「人権の尊重や擁護」「男女平等」といった視点を明確に規定。 ※現行の売春防止法では、「売春をなすおそれのある女子に対する補導処分・保護更生」が目的。 国・地方公共団体の責務 =困難な問題を抱える女性への支援に必要な施策を講じる責務を明記。(教育・啓発、調査研究の推進、人材の確保、民間団体援助)。
国の「基本方針」※厚生労働大臣告示で、困難な 問題を抱える女性支援のため の施策内容等⇒⇒都道府県基本計画等 ⇒施策の実施内容(女性相談支援センター(旧名:婦人相談所)、女性相談支援員(旧名:婦人相談員))。支援調整会議(自治体)⇒関係機関、民間団体で支援内容を協議する場。連携・協働した支援→女性自立支援施設(旧名:婦人保護施設)。
「民間団体との「協働」による支援」→支援対象者の意向を勘案。訪問、巡回、居場所 の提供、インターネットの活用等による支援 ⇒官民連携・アウトリーチできめ細やかな支援。
(国・自治体による支弁・負担・補助 →民間団体に対する補助規定創設)


○困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の概要
・目的・定義【第1条・第2条】
→売春を行うおそれのある女子の保護更生を行う売春防止法からの脱却。⇒ 人権が尊重され、女性が安心して、かつ、自立して暮らせる社会の実現に寄与。 *「困難な問題を抱える女性」とは、性的な被害、家庭の状況、地域社会との関係性その他の様々な事情により 日常生活又は社会生活を円滑に営む上で困難な問題を抱える女性(そのおそれのある女性を含む)をいう。
・基本理念【第3条】→@困難な問題を抱える女性が、それぞれの意思が尊重されながら、抱えている問題・その背景、心身の状況等に 応じた最適な支援を受けられるようにすることにより、その福祉が増進されるよう、発見、相談、心身の健康の回復のための援助、自立して生活するための援助等の多様な支援を包括的に提供する体制を整備すること A支援が、関係機関及び民間団体の協働により、早期から切れ目なく実施されるようにすること B人権の擁護を図るとともに、男女平等の実現に資することを旨とすること。
・国・地方公共団体の責務【第4条】→困難な問題を抱える女性への支援のために必要な施策を講ずる責務
・関連施策の活用【第5条】→福祉、保健医療、労働、住まい及び教育に関する施策その他の関連施策の活用
・緊密な連携【第6条】→@関係地方公共団体相互間の緊密な連携、A支援を行う機関と福祉事務所、児童相談所、児童福祉施設、保健所、医療機関、職業紹介機関、職業訓練機関、教育機関、都道府県警察、日本司法支援センター、配偶者暴力相談支援センターその他の関係機関との緊密な連携
・基本方針・都道府県基本計画等【第7条・第8条】→厚生労働大臣は基本方針を策定、都道府県は都道府県基本計 画を策定、市町村は市町村基本計画の策定に努める
・女性相談支援センター【第9条】(←現行の「婦人相談所」を名称変更) ⇒@対象女性の立場に立った相談、A一時保護(※)、B医学的・心理学的な援助、C自立して生活するための関連制度に関する情報提供等、D居住して保護を受けることができる施設の利用に関する情報提供等を行う *支援対象者の抱えている問題及びその背景、心身の状況等を適切に把握した上で、その意向を踏まえ、最適に支援。
・女性相談支援員【第11条】(←現行の「婦人相談員」を名称変更) ⇒困難な問題を抱える女性の発見に努め、その立場に立って相談に応じ、専門的技術に基づいて必要な援助を行う *必要な能力・専門的な知識経験を有する人材(婦人相談員を委嘱されていた者等)の登用に特に配慮
・女性自立支援施設【第12条】(←現行の「婦人保護施設」を名称変更) ⇒困難な問題を抱える女性の意向を踏まえながら、入所・保護、医学的・心理学的な援助、自立の促進のための生活支援を行い、あわせて退所した者についての相談等を行う(同伴児童の学習・生活も支援)
・民間団体との協働による支援【第13条】(都道府県、市町村) ⇒民間団体と協働して、その自主性を尊重しつつ、支援対象者の意向に留意しながら、訪問、巡回、居場所の提供、 インターネットの活用、関係機関への同行等の方法により、発見、相談等の支援 (※同伴児童の学習も支援。一時保護受託者の守秘義務・罰則も規定。)
・支援調整会議【第15条】→地方公共団体は、単独で又は共同して、支援を適切かつ円滑に行うため、関係機関、民間団体その他の関係者により構成される会議を組織するよう努め、会議は、必要な情報交換・支援内容に関する協議を行う(※構成員の守秘義務・罰則も規定)
・教育・啓発【第16条】→@支援に関し国民の関心と理解を深める、A自己がかけがえのない個人であること についての意識の涵養を含め、女性が支援を適切に受けることができるようにする
・調査研究の推進【第17条】→効果的な支援の方法、心身の健康の回復を図るための方法等
・人材の確保・養成・資質の向上【第18条】→支援を行う者の適切な処遇の確保のための措置、研修の実施等
・民間団体に対する援助【第19条】 費用の支弁等【第20〜22条】 都道府県・市町村の支弁・補助/国の負担・補助 (※民間団体に対する補助も明記)

・施行期日等【附則】→令和6年4月1日。 2 検討 @支援を受ける者の権利擁護・支援の質の公正かつ適切な評価の仕組みについて検討(公布後3年を目途) A法律全体の見直し(施行後3年を目途)。 3 関係法律の整備 売春防止法第3章(補導処分)・第4章(保護更生)の削除等。


◎資料9 令和5年度概算要求の概要
○令和5年度 こども家庭庁概算要求の全体像
→計47,510億円。予算編成過程で検討事項 参照のこと。
○こども家庭庁関連予算の基本姿勢→こども家庭庁関連予算の要求・編成⇒ 1.こども政策は国への投資であり、こどもへの投資の最重要の柱である。その実現のためには将来世代につけをまわさないように、安定財源を確実 に確保。 2.単年度だけではなく、複数年度で戦略的に考えていく。 3.こどもの視点に立ち施策を立案し、国民に分かりやすい目標を設定して進める。 4.こども家庭庁の初年度にふさわしく、制度や組織による縦割りの狭間に陥っていた問題に横断的に取り組む。 5.支援を求めているこどもの声を聴き、支援を求めている者にしっかりと届ける。
年齢や制度の壁を克服した切れ目ない包括的支援イメージ 参照。

○令和5年度予算概算要求のポイント↓
・こどもの視点に立った司令塔機能の発揮、こども基本法の着実な施行(※)→「こども大綱の策定・推進」「こども基本法・児童の権利に関する条約の普及啓発」「こどもの意見聴取と政策への反映」「こども政策に関するデータ・統計とEBPMの充実」
・全てのこどもに、健やかで安全・安心に成長できる環境を提供する→総合的な子育て支援 3兆3,557億円+事項要求⇒保育士・幼稚園教諭等に対する収入を3%程度(月額9,000円)引き上げ 926億円。改正児童福祉法の施行を見据えた新たな子育て家庭支援の基盤を早急に整備していくための 支援 (家庭や学校に居場所のないこどもの居場所支援の推進) 602億円(安心こども基金)。
・結婚・妊娠・出産・子育てに夢や希望を感じられる社会の実現、少子化の克服→高等教育の無償化 5,196億円+事項要求など。その他あり。
・成育環境にかかわらず誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障する→・ 改正児童福祉法の施行を見据えた新たな子育て家庭支援の基盤を早急に整備していくための 支援 602億円(安心こども基金)


◎資料 10 令和5年度税制改正要望の概要
○ 母子父子寡婦福祉法に基づく高等職業訓練促進給付金に係る非課税 措置等の延長等 ※令和5年度よりこども家庭庁に移管予定。〔所得税、国税徴収法、個人住民税、徴収規定〕
@母子父子寡婦福祉法に基づく「高等職業訓練促進給付金」
→令和4年度限りとなっている制度拡充分の非課税措置等の適用期限 を延長する、A「ひとり親家庭住宅支援資金貸付金」制度→令和5年度予算を財源とする貸付を行った場合の返済免除額(債務免除 益)についても非課税措置を講じる、B「児童養護施設退所者等自立支 援資金貸付金」制度→財源積み増し・制度拡充分に係る返済 免除額(債務免除益)について、所得税等を非課税とする措置を講じる。
○ 認可外保育施設の利用料に係る消費税の非課税措置の拡充 ※令和5年度よりこども家庭庁に移管予定。〔消費税、地方消費税〕→現行の認可外保育施設の利用料に係る消費税非課税措置に関して、国家戦略 特区における認可外保育施設の有資格者配置基準に関する特例が適用される施 設についても、その利用料に係る消費税を非課税措置の対象とする。

次回も続き「資料 11 静岡県牧之原市における園児置き去り事故について」からです。

第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月27日(Tue)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)9/27
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料5 幼稚園教諭免許・保育士資格の更なる併有促進について
1.幼保連携型認定こども園と保育教諭
→「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるため、改正認定こども園法の施行後10年間(令和6年度末まで)は、「幼稚園教諭免許状」又は「保育士資格」のいずれかを有していれば、「保育教諭」となることができる とする経過措置を設けている。
2.免許・資格の併有促進(現行)→令和6年度末までの経過措置として、保育所、幼稚園、認定こども園等における勤務 経験を評価することにより、もう一方の免許・資格取得に必要な単位数を軽減する特例。
3.免許・資格の更なる併有促進策(令和5年4月〜)→令和5年度からの更なる併有促進策⇒現行特例の勤務経験に係る要件に加えて、平成27年4月の 子ども・子育て支援新制度施行後の幼保連携型認定こども園における保育教諭としての勤務経験を2年かつ2,880時間 以上有する職員→取得すべき8単位のうち更に2単位を取得したものとみなす特例を設けること。⇒保育士資格取得の所要資格の特例の科目と単位数について参照。
4.更なる併有促進策の施行に向けたスケジュール→その後、順次 養成校等に対する今回の特例に対応した講座開設の要請 特例対象者に対する特例制度の広報・周知。令和5年4月1日 新特例の適用開始。
○(参考)子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(令和元年12月10日 子ども・子育て会議)<抜粋>→7.認定こども園に関する事項⇒、@保育士の登録を受けた者についての、幼稚園教諭免許状取得特例と、A幼稚園 教諭免許状所有者の、保育士資格取得特例の在り方について、引き続き更なる検討を進めるべき。
○(参考)「子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について」 の対応状況(令和3年6月18日 子ども・子育て会議)<抜粋>→7.認定こども園に関する事項⇒引 き続き更なる検討を進めるべき。
○(参考)幼保連携型認定こども園における免許・資格の保有状況について→幼保連携型認定こども園における幼稚園教諭免許状・保育士資格を両方保有する職員の割合は着実に改善している。 一方で、幼保連携型認定こども園の施設数の増加に伴い、幼稚園教諭免許状・保育士資格を一方のみ保有している職員の数自 体は増加している。

○(参考)関係法令@〜D↓
・就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律 (平成18年法律第77号)(抄)
→(定義)(職員)(職員の資格)(保育教諭等の資格の特例)
・児童福祉法施行規則(昭和23年厚生省令第11号)(抄)→(試験の科目)(全部免除)
・児童福祉法施行規則第六条の十一の二第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準(平成26年厚生労働省告示第172号)(抄)→子ども・子育て支援法(平成二十四年法律第六十五号)の施行の日から十年の間に限り、幼稚園の教諭の普通免許状を有する者が、次 に掲げる施設において三年(勤務時間の合計が四千三百二十時間以上の場合に限る。)以上従事し、指定保育士養成施設において規則第 六条の十第二項の筆記試験科目(同項第二号の教育原理、同項第五号及び第八号に係る科目を除く。)に相当する教科目を修得するこ と。
・児童福祉法施行規則第六条の二第一項第三号の指定保育士養成施設の修業教科目及び単位数並びに履修方法 (平成13年厚生労働省告示第198号)(抄)→ (修業教科目及び単位数) (任意開設教科目及び単位数) (単位の算定方法) (履修方法) (選択履修科目)
・「別表第一」「別表第二」 参照。

○(参考)関係通知↓
・指定保育士養成施設の指定及び運営の基準について(平成15年12月9日雇児発第1209001号厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)
(別紙4) 幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得特例における教科目の教授内容等→1 目的 2 特例教科目、履修方法、単位数及び履修科目 3 幼稚園教諭免許状を有する者の保育士資格取得特例による実務経験と対象施設 4 幼稚園教諭免許所有者保育士試験免除科目専修証明書(特例教科目)の交付 5 留意事項


◎資料6 こども基本法(令和4年法律第 77 号)概要
○目的
→日本国憲法及び児童の権利に関する条約の精神にのっとり、次代の社会を担う全てのこどもが、生涯にわたる人格形成の基礎を築き、自立した個人としてひとしく健やかに成長することができ、こどもの心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、その権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができる社会の実現を目指して、 こども施策を総合的に推進すること
○定義→「こども」……心身の発達の過程にある者。「こども施策」……@〜Bの施策その他のこどもに関する施策・これと一体的に講ずべき施策⇒ @ 新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の 発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援 A 子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、 育児等の各段階に応じて行われる支援 B 家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備。
○基本理念→@ 全てのこどもについて、個人として尊重されること・基本的人権が保障されること・差別的取扱いを受けることがないようにすること A 全てのこどもについて、適切に養育されること・生活を保障されること・愛され保護されること等の福祉に係る権利が等しく保障されるとともに、教育基本法の精神にのっとり教育を受ける機会が等しく与えられること B 全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、自己に直接関係する全ての事項に 関して意見を表明する機会・多様な社会的活動に参画する機会が確保されること C 全てのこどもについて、年齢及び発達の程度に応じ、意見の尊重、最善の利益が優先して考慮されること D こどもの養育は家庭を基本として行われ、父母その他の保護者が第一義的責任を有するとの認識の下、十分な養育の支援・家庭での養育が困難なこどもの養育環境の確保 E 家庭や子育てに夢を持ち、子育てに伴う喜びを実感できる社会環境の整備。
○責務等→国、地方公共団体の責務。事業主の努力(雇用環境の整備)・国民の努力(こども施策への関心と理解等)。
○白書・大綱→年次報告(白書)。こども大綱の策定(※少子化社会対策/子ども・若者育成支援 /子どもの貧困対策の既存の3法律の白 書・大綱と一体的に作成)。
○基本的施策→施策に対するこども等の意見の反映、支援の総合的・一体的提供の体制整備、 関係者相互の有機的な連携の確保、この法律・児童の権利に関する条約の周知、 施策の充実及び財政上の措置等。
○こども政策推進会議→こども家庭庁にこども政策推進会議を設置。以下の事務を担当。 @ 大綱の案を作成 A こども施策の重要事項の審議・こども施策の実施を推進 B 関係行政機関相互の調整 等。 会議は、会長(内閣総理大臣)及び 委員(こども政策担当の内閣府特命担 当大臣・内閣総理大臣が指定する大臣) をもって組織。
○附則→施行期日 令和5年4月1日。(検討) 国は、この法律の施行後5年を目途として、法律の施行状況及びこども施策の実施状況を勘案し、こども施策が基本理念にのっとって実施されているかどうか等の観点からその実態を把握し及び公正かつ適切に評価する仕組みの整備その他の基本理念にのっとった こども施策の一層の推進のために必要な方策について検討 ⇒法制上の措置その他の必要な措置を講ずる>


◎資料7 こども家庭庁設置法等の概要
○こども政策の新たな推進体制に関する基本方針のポイント 〜こどもまんなか社会を目指すこども家庭庁の創設〜
→常にこどもの最善の利益を第一に考え、こどもに関する取組・政策を我が国社会の真ん中に据えて(「こどもまんなか社会」)、 こどもの視点で、こどもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れ、こどもの権利を保障し、こどもを誰一人取り残さず、健やかな成長 を社会全体で後押し。そのための新たな司令塔⇒こども家庭庁創設。
・今後のこども政策の基本理念→6視点あり。6視点の方向性あり。

○こども家庭庁設置法(令和4年法律第75号)の概要
・趣旨→
こども(心身の発達の過程にある者)が自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現に向け、子育てにおける家庭の役割の 重要性を踏まえつつ、こどもの年齢及び発達の程度に応じ、その意見を尊重し、その最善の利益を優先して考慮することを基本とし、こども及びこどものある家庭の福祉の 増進及び保健の向上その他のこどもの健やかな成長及びこどものある家庭における子育てに対する支援並びにこどもの権利利益の擁護に関する事務を行うとともに、当該 任務に関連する特定の内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務とするこども家庭庁を、内閣府の外局として設置することとし、その所掌事務及び組織に 関する事項を定める。

・概要↓
1.内閣府の外局として、こども家庭庁を設置
2.こども家庭庁の長は、こども家庭庁長官とする
3.こども家庭庁の所掌事務

⑴ 分担管理事務(自ら実施する事務)→小学校就学前のこどもの健やかな成長のための環境の確保及び小学校就学前のこどものある家庭における子育て支援に関する基本的な政策の企画及び立 案並びに推進。子ども・子育て支援給付その他の子ども及び子どもを養育している者に必要な支援。こどもの保育及び養護。こどものある家庭における子育ての支援体制の整備。地域におけるこどもの適切な遊び及び生活の場の確保。こども、こどものある家庭及び妊産婦その他母性の福祉の増進。こどもの安全で安心な生活環境の整備に関する基本的な政策の企画及び立案並びに推進。こどもの保健の向上。こどもの虐待の防止。いじめの防止等に関する相談の体制など地域における体制の整備。こどもの権利利益の擁護(他省の所掌に属するものを除く)。こども大綱の策定及び推進。
⑵ 内閣補助事務(内閣の重要政策に関する事務)→こどもが自立した個人としてひとしく健やかに成長することのできる社会の実現のための基本的な政策に関する事項等の企画及び立案並びに総合調整。結婚、出産又は育児に希望を持つことができる社会環境の整備等少子化の克服に向けた基本的な政策に関する事項の企画及び立案並びに総合調整。 子ども・若者育成支援に関する事項の企画及び立案並びに総合調整

4.資料の提出要求等→こども家庭庁長官は、こども家庭庁の所掌事務を遂行するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、資料の提出、説明その他の必要な協力を求めることができることとする
5.審議会等及び特別の機関 →こども家庭庁に、こども政策に関する重要事項等を審議するこども家庭審議会等を設置し、内閣府及び厚生労働省から関係審議会等の機能を移管するとともに、こども基本法の定めるところによりこども家庭庁に置かれる特別の機関は、内閣総理大臣を会長とするこども政策推進会議とする。
6.施行期日等→令和5年4月1日。 政府は、この法律の施行後5年を目途として、小学校就学前のこどもに対する質の高い教育及び保育の提供その他のこどもの健やかな成長及びこどものある家 庭における子育てに対する支援に関する施策の実施の状況を勘案し、これらの施策を総合的かつ効果的に実施するための組織及び体制の在り方について検討 を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

○こども家庭庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(令和4年法律第76号)の概要
・趣旨
→こども家庭庁設置法の施行に伴い、児童福祉法その他の関係法律及び内閣府設置法その他の行政組織に 関する法律について、所要の規定の整備を行う。

・概要↓
1.関係法律の整備

(1) 関係省庁からこども家庭庁に所掌事務が移管されることに伴い、当該事務に関係する法律の規定により関係大臣が行う権 限及び関係省庁が発する命令を、それぞれ内閣総理大臣の権限及び内閣府令に改める等の規定の整理を行う
(2) 幼稚園、保育所及び認定こども園の教育・保育の内容に関する基準の整合性を制度的に担保するため、学校教育法及び児童福祉法を改正し、文部科学大臣が幼稚園教育要領を定めるに当たり又は内閣総理大臣が保育所保育指針を定める に当たり、それぞれ内閣総理大臣又は文部科学大臣に協議することとする規定を設ける
(3) そのほか、内閣総理大臣と関係大臣との間で事務を調整するために必要な協議に関する規定を整備するなど、関係法律の規定の整備を行う(医療法、義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律 等)
2.行政組織に関する法律の整理
(1) 内閣府本府、文部科学省及び厚生労働省について、こども家庭庁にその権限の一部が移管されることに伴い、所掌事務の 規定並びに審議会及び特別の機関の規定の整理を行う (2) こども家庭庁の所掌事務を掌理する内閣府特命担当大臣※を置き、当該大臣が掌理する事務に関する規定を整理。 ※ 各省大臣に対し、必要な資料の提出及び説明を求める権限や勧告する権限等を有する 。
3.経過措置→関係大臣の権限を内閣総理大臣の権限としたこと等に伴い、必要となる経過措置を置く
4.施行期日→こども家庭庁設置法の施行の日(令和5年4月1日)

次回も続き「資料8 困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の概要」からです。

第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月26日(Mon)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料3−1 児童虐待相談対応件数及び死亡事例数
○児童虐待相談対応件数の推移及び虐待相談の内容・相談経路
→令和3年度における児童相談所の児童虐待相談対応件数は、207,659件。平成11年度に比べて約18倍。心理的虐待の割合が最も多く(60.1%)、次いで身体的虐待の割合が多い(23.7%)。 相談経路は、警察等(50%)、近隣知人(14%)、家族(7%)、学校等(7%)からの通告が多くなっている。
○子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第18次報告)(概要)→令和2年度(第18次報告)⇒心中による虐待死(28人) 心中以外の虐待死(49人)計77人

○第1次から第18次報告までの児童虐待による死亡事例等の検証結果
【心中以外の虐待死 889例・939人】→0歳児の割合は48.5%、
0日児の割合は18.4%。さらに、3歳児以下の割合は76.1%を占めている。  加害者の割合は実母が54.6%と最も多い。 妊娠期・周産期における問題⇒予期しない妊娠/計画していない妊娠が27.7%、妊婦健康診査未受診の状況が27.2% と多かった(第3次報告から第18次報告までの累計)。


◎資料3−2 児童虐待防止対策の更なる推進について (ポイント)(令和4年9月2日関係閣僚会議決定)@
・趣旨
→全国の児童相談所における虐待相談対応件数が増加を続け、虐待により死亡する事件も後を絶たないことを踏まえ、これまでの取組のフォローアップ を行った上で、虐待予防のための早期対応から発生時の迅速な対応、虐待を受けたこどもの自立支援等に至るまで、切れ目ない支援を受けられる体制を 構築する。現在厚生労働省が中心となって取り組んでいる児童虐待防止対策について、令和5年4月から創設するこども家庭庁を司令塔として関係省庁 が連携して取組を強化するとともに、令和4年改正児童福祉法の円滑な施行等に取り組んでいく必要があることから、特に重点的に実施する取組を決定 し、新たな総合的な対策として示す。

・主な取組み↓
1.こどもの権利擁護
→令和4年改正児童福祉法で設けるこどもの権利擁護の環境整備、こどもの意見聴取等の措置、意見表明等支援事業⇒その体制整備を支援し着実に実施。民法上の懲戒権に関する規定の見直し⇒できる限り早期に改正法案を国会に提出すべく、所要の準備を行う。
2.児童相談所及び市町村の体制強化→児童福祉と母子保健に関する一体的な相談支援を行う「こども家庭センター」の設置に努める、その全国展開を図る。 令和4年改正児童福祉法に基づき、一定の実務経験のある有資格者や現任者が取得する認定資格を導入。この認定資格が多くの方に取得され、資 格取得者の現場への任用が進むような方策を検討。児童相談所や市町村の体制強化を計画的に進めていくため児童虐待防止対策体制総合強化プランに代わる次期プランを年内に策定し、児童相談所や市町村 の更なる体制強化を図る。
3.児童虐待の発生予防・早期発見→児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」等の周知広報に努めるほか、こどもや家庭が相談できるSNSアカウントを開設する。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置の充実を通じて、教育相談体制の充実を図る。 学校・教育委員会における児童虐待の対応を強化するため、学校の教職員等が留意すべき事項を記載したマニュアルを周知する。 令和4年改正児童福祉法により創設される子育て世帯訪問支援事業、児童育成支援拠点事業、親子関係形成支援事業⇒円滑な実施を図る。 孤立するリスクの高い未就園児等がいる家庭の把握を進めるとともに、アウトリーチによる支援を含めた更なる支援を検討。産後ケア事業の全国展開等に向けて引き続き取組を進めるほか、令和4年改正児童福祉法により創設した妊産婦等生活援助事業等により特定妊婦等への支援 体制を構築する。
4.適切な一時保護の実施→令和4年改正児童福祉法で導入される一時保護開始時の司法審査に関し具体的な運用や手続⇒実務者から構成される作業チームで検討。令和4年改正児童福祉法に基づき新たに都道府県等が策定することとなる一時保護所の設備・運営基準の内容⇒適正なものとなるよう施行までに検討。 平均入所率が100%を超えている一時保護所がある自治体が定員超過解消計画を策定し、厚生労働省が承認した場合における一時保護所の新設や増改築等の整備費に係る補助嵩上げ(1/2→9/10)により一時保護所の定員超過解消を図る。原籍校と連携も含めた一時保護中の学習機会の確保に向けた支援について検討する。
5.社会的養護の充実→社会的養育推進計画に新たに盛り込むべき内容や各都道府県等において効果的にPDCAサイクルを運用するための取組の評価指標等の検討を行う。 令和4年改正児童福祉法で創設される里親支援センターの設備・運営基準や第三者評価基準等の検討を進める。 児童自立生活援助事業の年齢要件等の弾力化に関して、施行に向け、運営基準やガイドライン等の検討を進める。令和4年改正児童福祉法で児童相談所の委託を受けた民間機関が実施する場合の費用を義務的経費化した在宅指導措置⇒積極的活用を進め る。
6.親子再統合への支援強化→令和4年改正児童福祉法で設ける親子再統合支援事業に関し、ガイドラインの作成に向けて検討する。
7.関係機関における事案への対応の強化→親の交際相手等に対しても、こどもの安全確保の観点から調査等の必要な対応を講ずることや、交際相手等がこどもの保護者に該当しなくても加害の実態に 鑑みて適切にリスク評価を行うこと等について、引き続き周知徹底を図る。 自治体において個人情報の適正な取扱いを確保しながら、教育・保健・福祉等のこどもに関するデータを連携させ、潜在的に支援が必要なこどもを早期に発見、プッシュ型の支援につなげる取組を推進。支援にかかわるNPOやこども食堂など多様な民間機関の要対協への参画を進め、要対協の実効性を高めるための方策の検討。 警察で児童虐待への対処を適切に行うことができるよう、引き続き各種研修等を通じて対応力の強化に取り組むとともに事案対応時の危険度判定⇒先端技術を用いて更なる高度化を図る。
8.DV対応と児童虐待対応との連携強化→DV被害者支援⇒加害者対応(加害者プログラム等)の在り方の検討を進めることにより、多機関連携等支援体制の充実を図る。
9.障害児支援の充実→児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的な支援機関としての役割・機能等を果たすことで、地域全体の障害児支援の質の底上げが図られるよう取組を進める。 保護者に対するペアレントトレーニング等の実施や巡回支援専門員の配置を進め、障害のあるこどもの保護者の子育てに対する不安を軽減し、虐待の未然防 止を図る。
10.関係機関との連携強化→困難な問題を抱える女性への支援に関する法律の施行に向けて、婦人相談所及び婦人保護施設と児童相談所その他の関係機関との緊密な連携が図られる体制 の整備に取り組む。

おわりに→上記の児童虐待防止に関する施策の検討、実施も含め、こども家庭分野の施策の推進⇒様々な分野にまたがる複雑・高度な課題の解決策の検討等も含め、常にこどもの最善の利益を第一に考えて対応していくことが求められる。このため、令和5年4月に創設されるこども家庭庁が司令塔 機能を発揮し、こどもや家庭が抱える様々な課題に対し、制度や組織による縦割りの壁を廃し、関係省庁と連携し、政府一丸となって取り組む。また、 こどもまんなか社会の実現のため、こども家庭庁の創設を待たずにできることから速やかに、着実に取り組む。

○令和4年度における児童福祉司・児童心理司の配置状況について→児童虐待防止対策体制総合強化プラン(平成30年12月18日児童虐待防止対策に関する関係府省庁連絡会議決定)⇒4年間(2019年度から2022年度)で2,020人程度増員することを目標とし、その増員目標を1年前倒しで概ね達成した、児童相談所における児童虐待相談対応件数が増加して いること等に鑑みて、令和4年度は更に505人の増員を目標としている。 令和4年度の児童福祉司の配置状況については、年度内に5,783人の体制となり、この目標を達成する見込み。   令和5年度以降の児童相談所の体制⇒「児童虐待防止対策の更なる推進について」(令和4年9月2日児童虐待防止対策に関する関係閣僚 会議決定)に基づき、次期プランを年内に策定する予定。 ※児童心理司についても、同様の考え方により198人の増員を目標(約2,150人→約2,348人)としており、年度内に2,335人の体制となり、概ね達成する見込み。


◎資料4 令和4年4月の待機児童数の調査結果 (子ども家庭局保育課)
○令和4年4月の待機児童数調査のポイント
@待機児童の状況→待機児童数:2 ,944人(対前年▲2,690人)。
A待機児童数の減少要因→・保育の受け皿拡大に加え、就学前人口の減少、新型コロナウイルス感染症を懸念した利用控えなど。
B今後の見込み→令和4年4月の保育ニーズ(申込者数)は減少したものの、女性就業率(25〜44歳)の上昇傾向、保育所等申込率(申込数/就学前人口)の上昇、フルタイムの共働き世帯割合の増加、被用者保険の適用拡大に伴う働き方の変容⇒などを受け、今後、保育ニーズ(申込者数)も再び増加 する可能性があり、注視が必要。
・今後の取組方針→令和3年度スタート「新子育て安心プラン」に基づき、待機児童解消のための取 組を進めていく。 各年度ごとに、自治体における待機児童の状況や保育の受け皿拡大量の見込みなどを確認しながら、必要な受け皿の確保が進むよう支援を行っていく、マッチング支援 を推進するなど、ニーズに丁寧に答えられるよう、支援していく。 今後は、保育所・保育士の子育て支援のノウハウを活かし、地域で子育て支援を実施するなど保育所の多機能化を進める観点から、令和5年度概算要求⇒保育所の空き定員等を活用した未就園児定期預かりに関するモデル事業等の実施に必要な予算要求を行う。

○待機児童数が多い・増加した自治体→人口増加率が高いほど待機児童数が多い。 また、待機児童が多い自治体では、 @保育の受け皿整備が十分行われていない A保育の受け皿を整備したが、想定以上に人口が増加した など、保育の受け皿整備量が不足している。
なお、前年より待機児童数が増加した自治体は98自治体であった。
○都道府県別保育所等利用状況(令和4年4月1日)→全国の保育所等利用定員は3,044,399人であり、定員充足率(利用児童数/保育所等利用定員)は89.7%

○保育所等における都道府県別の定員充足率(3ヶ年)→定員充足率は全国的に逓減傾向(※数値のみをもって各保育所の状況を判断しづらい等留意が必要)。 今後は、保育所・保育士の子育て支援のノウハウを活かし、地域における子育て支援を実施するなど保育所 の多機能化を進める観点から、令和5年度概算要求で、保育所の空き定員等を活用した未就園児定期 預かりに関するモデル事業等の実施に必要な予算要求を行う。

○新子育て安心プランの概要→令和3年度から令和6年度末までの4年間で約14万人分の保育の受け皿を整備。⇒第2期市町村子ども・子育て支援事業計画の積み上げを踏まえ、保育の受け皿を整備。できるだけ早く待機児童の解消を目指すとともに、女性(25〜44歳)の就業率の上昇に対応。 (参考)平成31年:77.7%、現行の子育て安心プランは80%に対応、令和7年の政府目標:82% (第2期まち・ひと・しごと創生総合戦略)
・新子育て安心プランにおける支援のポイント→@〜Bあり。B地域のあらゆる子育て資源の活用→幼稚園の空きスペースを活用した預かり保育(施設改修等の補助を新設) や小規模保育(待機児童が存在する市区町村において利用定員の上限(19人)を弾力化 (3人増し→6人増しまで可とする))の推進。ベビーシッターの利用料助成の非課税化【令和3年度税制改正で対応】。企業主導型ベビーシッターの利用補助の拡充(1日1枚→1日2枚) ・育児休業等取得に積極的に取り組む中小企業への助成事業の創設。

○保育の受け皿整備量等の推移↓
・待機児童解消加速化プラン⇒子育て安心プラン⇒新子育て安心プランへ。

次回も続き「資料5 幼稚園教諭免許・保育士資格の更なる併有促進について」からです。

第52回社会保障審議会児童部会 資料 [2022年09月25日(Sun)]
第52回社会保障審議会児童部会 資料(令和4年9月14日)
《議事》1.開会 2.部会長及び部会長代理の選出について 3.児童福祉法等の一部を改正する法律について(報告) 4.最近の子ども家庭行政の動向について(報告)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27995.html
◎資料1 社会保障審議会児童部会名簿 →12名。

◎資料2―1 児童福祉法等の一部を改正する法律の概要
○改正の趣旨
→児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化してきている状況等を踏まえ、子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化等を行う。
○改正の概要↓
1.子育て世帯に対する包括的な支援のための体制強化及び事業の拡充【児童福祉法、母子保健法】
→@市区町村は、全ての妊産婦・子育て世帯・子どもの包括的な相談支援等を行うこども家庭センター(※)の設置や、身近な子育て支援の場(保育所等)における相談機関の整備に努める。こども家庭センターは、支援を要する子どもや妊産婦等への支援計画(サポートプラン)を作成する。 ※子ども家庭総合支援拠点と子育て世代包括支援センターを見直し。  A訪問による家事支援、児童の居場所づくりの支援、親子関係の形成の支援等を行う事業をそれぞれ新設。これらを含む家庭支援の事業⇒市区町村 が必要に応じ利用勧奨・措置を実施。  B児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことの明確化や、障害種別にかかわらず障害児を支援できるよう児童発達支援の類型 (福祉型、医療型)の一元化を行う。
2.一時保護所及び児童相談所による児童への処遇や支援、困難を抱える妊産婦等への支援の質の向上【児童福祉法】→@一時保護所の設備・運営基準を策定して一時保護所の環境改善を図る。児童相談所による支援の強化として民間との協働による親子再統合の事業の実施や、里親支援センターの児童福祉施設としての位置づけ等を行う。 A困難を抱える妊産婦等に一時的な住居や食事提供、その後の養育等に係る情報提供等を行う事業を創設する。
3.社会的養育経験者・障害児入所施設の入所児童等に対する自立支援の強化【児童福祉法】→@児童自立生活援助の年齢による一律の利用制限を弾力化。社会的養育経験者等を通所や訪問等により支援する拠点を設置する事業を創設。 A障害児入所施設の入所児童等が地域生活等へ移行する際の調整の責任主体(都道府県・政令市)を明確化するとともに、22歳までの入所継続を可能とする。
4.児童の意見聴取等の仕組みの整備【児童福祉法】→児童相談所等は入所措置や一時保護等の際に児童の最善の利益を考慮しつつ、児童の意見・意向を勘案して措置を行うため、児童の意見聴取等の措置を講ずることとする。都道府県は児童の意見・意向表明や権利擁護に向けた必要な環境整備を行う。
5.一時保護開始時の判断に関する司法審査の導入【児童福祉法】→児童相談所が一時保護を開始する際に、 親権者等が同意した場合等を除き、 事前又は保護開始から7日以内に裁判官に一時保護状を請求する等の手続を設ける。
6.子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上【児童福祉法】→児童虐待を受けた児童の保護等の専門的な対応を要する事項について十分な知識・技術を有する者を新たに児童福祉司の任用要件に追加する。
7.児童をわいせつ行為から守る環境整備(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に先駆けた取組強化)等【児童福祉法】→児童にわいせつ行為を行った保育士の資格管理の厳格化を行うとともに、ベビーシッター等に対する事業停止命令等の情報の公表や共有を可能とするほか、 児童福祉施設等の運営⇒国が定める基準に従い、条例で基準を定めるべき事項に児童の安全の確保を加えるなど所要の改正を行う。
・施行期日→令和6年4月1日(ただし、5は公布後3年以内で政令で定める日、7の一部は公布後3月を経過した日、令和5年4月1日又は公布後2年以内で政令で定める日)

○こども家庭センターの設置とサポートプランの作成(1.@関係)→市区町村において、子ども家庭総合支援拠点(児童福祉)と子育て世代包括支援センター(母子保健)の設立の意義 や機能は維持した上で組織を見直し、全ての妊産婦、子育て世帯、子どもへ一体的に相談支援を行う機能を有する機関 (こども家庭センター)の設置に努めることとする。 ※ 子ども家庭総合支援拠点:635自治体、716箇所、子育て世代包括支援センター:1,603自治体、2,451箇所 (令和3年4月時点)。 この相談機関では、妊娠届から妊産婦支援、子育てや子どもに関する相談を受けて支援をつなぐためのマネジメント(サポートプランの作成)等を担う。 ※ 児童及び妊産婦の福祉に関する把握・情報提供・相談等、支援を要する子ども・妊産婦等へのサポートプランの作成、母子保健の相談等を市区町村の行わな ければならない業務として位置づけ。
○市区町村における子育て家庭への支援の充実(1.A関係)→要支援・要保護児童(※1)は約23万人、特定妊婦(※2)は約0.8万人とされる中、支援の充実が求められている。 ※1 保護者への養育支援が特に必要、保護者による監護が不適当な児童 ※2 出産前において出産後の養育支援が必要な妊婦。  地域子ども・子育て支援事業⇒訪問型支援、通所型支援、短期入所支援の種類・量・質の充実を図るととも に、親子関係の構築に向けた支援を行う。  市区町村⇒計画的整備を行い、特に、支援が必要な者に対しては市区町村が利用勧奨・措置を実施する。

○都道府県等・児童相談所による支援の強化(2.関係)→児童相談所の業務負荷が著しく増大する中で、民間と協働し、支援の強化を図る必要がある。 このため、民間に委託した場合の在宅指導措置の費用を施設等への措置の費用と同様に義務的経費にするとともに、 @ 措置解除等の際に親子の生活の再開等を図るため、親子再統合支援事業を制度に位置づける。 A 家庭養育の推進により児童の養育環境を向上させるため、里親支援センターを児童福祉施設として位置づける。
・妊婦に対する寄り添いや心理的ケア、出産支援、産後の生活支援など支援を必要とする妊婦に対する包括的な支援事 業を制度に位置づける。
○社会的養育経験者の自立支援(3.@関係)→施設入所等の措置等を解除された者等(措置解除者等)の実情を把握し、その自立のために必要な援助を行うことについて、都道府県が行わなければならない業務にするとともに、 @ 児童自立生活援助事業の対象者等の年齢要件等を弾力化する、 A 生活・就労・自立に関する相談等の機会や措置解除者等の間の相互相談等の場を提供する事業を制度に位置づけ る。 ※ 措置解除者等:年間7,964人(令和元年度)
○子どもの意見聴取等の仕組みの整備(4.関係)→都道府県等で引き続き子どもの権利擁護の取組みを推進するため、 @ 子どもの権利擁護の環境整備を行うことを都道府県等の業務として位置づけ、 A 都道府県知事又は児童相談所長が行う措置等の決定時において、子どもの意見聴取等を行うこととし、 B 子どもの意見表明等を支援するための事業を制度に位置づけ、その体制整備に努めることとする。

○一時保護の開始時の司法審査等(5.関係)↓
<一時保護開始時の適正手続の確保(司法審査)
>→一時保護の適正性の確保や手続の透明性の確保のため、一時保護開始の判断に関する司法審査を導入。⇒裁判官が発付する一時保護状による方法(事前又は保護開始から7日以内に児童相談所は書面で請求)とする。 対象として、親権者等が一時保護に同意した場合や請求までに一時保護を解除した場合等は除く。 児童虐待のおそれがあるときなど、一時保護の要件を法令上明確化。その要件に該当するときは、明らかに一時保護の必要がないと認めるときを除き、裁判官は一時保護状を発付する。 一時保護状発付の請求が却下された場合、一時保護を解除した際に子どもの生命及び心身に重大な危害が生じる おそれがあるときには、児童相談所からの不服申立手続を設ける(却下の翌日から3日以内にその取消を請求)
<一時保護所の設備・運営基準の策定等> →ケアの困難度が高い子どもの入所という一時保護所の特性を踏まえ、新たに設備・運営基準を策定し、下記の内容を規定。⇒平均入所率が100%を超えている一時保護所がある自治体は、定員超過解消のための計画を策定。その場合には、国が重点的に支援を実施し、 施設整備等を進めることにより、一時保護所の環境改善を目指す。  一時保護所におけるケアの質を外部の視点でチェックし、必要な改善につなげるため、一時保護所が第三者評価を受けることとする。 児童相談所が措置を講じるに当たって、地方自治体、医療機関、医学に関する大学、児童福祉施設、子どもが在籍 する学校など関係機関から、情報の提供や意見の開陳など必要な協力を求めることができることを明記する。
○子ども家庭福祉の実務者の専門性の向上(6.関係)→子ども家庭福祉の現場にソーシャルワークの専門性を十分に身につけた人材を早期に輩出、まずは、一定の実務経験の ある有資格者や現任者について、国の基準を満たした認定機関が認定した研修等を経て取得する認定資格(※)を導入。 ※ 名称は今後検討。 この新たな認定資格は、児童福祉司の任用要件を満たすものとして児童福祉法上位置づける(※1)。現場への任用が進むよう、児童相談所のスーパーバイザーになりやすい仕組み(概ね5年→概ね3年の実務経験(※2))や施設等に配置するインセンティブを設定。 ※1:児童虐待を受けた児童の保護等の専門的な対応を要する事項について的確な措置を実施するのに十分な知識等を有する者として規定し、認定機関の認定の枠組み等は下位法令等に規定。 ※2:要件の短縮は、他のソーシャルワークの現場での経験があるなど、子ども家庭福祉の実践的な能力がある場合に限ることとする。  新たな認定資格の取得状況その他の施行の状況を勘案するとともに、下記(※)の環境を整備しつつ、児童の福祉に関し専門的 な知識及び技術を必要とする支援を行う者に関して、その能力を発揮して働くことができる組織及び資格の在り方について、 国家資格を含め、認定資格の施行(R6.4)後2年を目途として検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる(◎)。 ※その者が実施すべき業務の内容、必要な専門的な知識・技術や教育課程の内容の明確化、養成するための必要な体制の確保、その者がその能力を発揮して働くことができる場における雇用の機会の確保
○児童をわいせつ行為から守る環境整備(7.関係)(性犯罪歴等の証明を求める仕組み(日本版DBS)の導入に先駆けた取組強化)→わいせつ行為を行ったことにより登録 を取り消された者等については、その 後の事情から再登録が適当である場合 に限り、再登録することができる。わいせつ行為により保育士の登録を取 り消された者等の情報が登録された データベースを整備するなどわいせつ 行為を行った保育士の情報を、保育士 を雇用する者等が把握できるような仕 組みを構築する。

○児童発達支援センターの役割・機能の強化(1.B関係)→<改正案の内容> ↓
@ 児童発達支援センターが地域における障害児支援の中核的役割を担うことを明確化
。⇒ これにより、多様な障害のある子どもや家庭環境等に困難を抱えた子ども等に対し適切な発達支援の提供につなげるとともに、地域全体の障害児支援の質の底上げを図る。↓
 <「中核的役割」として明確化する具体的な役割・機能のイメージ> @ 幅広い高度な専門性に基づく発達支援・家族支援機能 A 地域の障害児通所支援事業所に対するスーパーバイズ・コンサルテーション機能(支援内容等の助言・援助機能) B 地域のインクルージョン推進の中核としての機能 C 地域の障害児の発達支援の入口としての相談機能。
A 児童発達支援センターの類型(福祉型・医療型)の一元化を行う⇒ これにより、障害種別にかかわらず、身近な地域で必要な発達支援を受けられるようにする。

○障害児入所施設からの円滑な移行調整の枠組みの構築(3.A関係)
<改正案の内容>
→@ 障害児入所施設から成人としての生活への移行調整の責任主体(都道府県及び政令市)を明確化する。 <都道府県・政令市が取り組む内容> @ 関係者との協議の場を設ける A 移行調整及び地域資源の整備等に関する総合的な調整を行う 等 A 一定年齢以上の入所で移行可能な状態に至っていない場合や、強度行動障害等が18歳近くになって強く顕在化して きたような場合等に十分配慮する必要があることから、22歳満了時(入所の時期として最も遅い18歳直前から起算し て5年間の期間)までの入所継続を可能とする。 (注)現行法において入所できる児童の年齢は原則18歳未満。20歳未満まで入所の延長が可能。
○児童福祉法等の一部を改正する法律の経緯↓
・令和4年6月8日→参・本会議において修正案にて全会一致で可決し、成立。


◎資料2−2 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
○衆議院 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
→1〜20項目。
○参議院 児童福祉法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議→1〜27項目。


◎資料2−3 児童福祉法改正法施行に向けた進め方 (スケジュール)
・「施行」「改正事項」「R4〜R7」→進め方あり。
・司法審査の施行→実務者作業チーム(令和4年8月〜)・府令改正・マニュアル検討・施行マニュアル公表後⇒R7.5〜6月施行予定。
※ R6年4月に向け、R4、5年度は、令和3年度補正予算(安心こども基金)等を活用し先行的な取組を実施。


◎資料2−4 児童福祉法施行令の一部を改正する政令案及び児童福祉施設の設備及び運 営に関する基準等の一部改正案
○児童福祉施設に対する実地検査に係る政令等の改正について(1〜4)↓
1.現行制度(児童福祉法施行令第38条)
→都道府県知事は一年に一回以上、実地につき検査させなければならない。
2.分権提案及びその対応↓
【提案内容】
→ (略)昨今の新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点より、現地への立入を控えている。(略)今後もしばら く実地での監査の未実施が続く可能性が高い。そのため、今般のコロナ禍のような状況下においても法定の指導監査が 実施できるよう、現地を伴わずリモート等による実施について検討をお願いしたい。
【対応方針】(令和3年の地方からの提案等に関する対応方針(令和3年12月21日閣議決定)抄)→(2)児童福祉法(昭22法164)⇒⇒ (I)児童福祉施設に対する一般指導監査⇒新型コロナウイルス感染症等の感染拡大防止の観点から、実地 によらない方法での実施を可能とする方向で見直すことを検討し、令和3年度中に結論を得る。その結果に基づい て必要な措置を講ずる。
3.研究会の報告→新型コロナウイルス感染症の流行状況や他の福祉施設についての対応等を踏まえ、実地によるものを原則とした上で、 @対象となる児童福祉施設の所在地における感染症の流行状況を踏まえ、実地による監査を控えるべき事情がある と認められ、かつ、直近の監査において大きな問題が確認されていない、 A対象となる児童福祉施設の前年度の実地監査の結果、適正な運営が確保されている 等のいずれかの場合においては、例外的に書面監査を可能とすることが適当であり、そのための法令上の措置を講ずるべきと考える。 注 報告書では、Aの場合であっても、設置後一定年数を経過している施設を対象とすべきとされている。
4 . 今後の予定→報告書の内容に沿った以下の内容で政令等の改正を実施予定(現在パブリックコメント集計中)。 引き続き実地検査を原則。 例外的に、天災その他やむを得ない事由により当該年度内に実地検査を行うことが著しく困難又は不適当と認められる場合、前年度の実地検査の結果その他厚生労働省令で定める事項(児童福祉施設等を設置してからの年数を規定予定)を 勘案して実地検査が必ずしも必要でないと認められる場合、 には、実地によらずとも検査を実施できることとする。

○児童福祉施設の設備及び運営に関する基準等の一部改正について
・改正事項
→(予定)@ 児童福祉施設における児童の安全確保のための計画策定の義務化 A 児童福祉施設における業務継続計画策定等の努力義務化 B 保育所と児童発達支援事業の併設を可能とするため、設備及び人員の専従規定の緩和 C 保育所における看護師等のみなし配置に関する乳児の在籍人数要件の見直し⇒各改正事項については、追って留意事項等をお示しする予定。
・改正スケジュール(予定)→本年8月中旬〜9月中旬 パブリックコメント実施中。本年10月上旬以降 公布。令和5年4月 施行。

@児童福祉施設等における安全計画の策定について→保育所を始めとする児童福祉施設等が児童の安全を確保するための計画を策定することを義務付ける省令改正を予定。
(参考)衆・厚生労働委員会での修正趣旨と参 ・厚生労働委員会での附帯決議→保育所が送迎バス等の付加的サービスを含めた児童の安全確保に関する計画を策定することを、都道府県等が従うべき国の運営基準として定めること。その際、計画内容の職員間の共有や体制確保、定期的な訓練や研修、保 護者への説明の実施などにより、その実効性を確保させること。
A児童福祉施設等における業務継続計画の策定について→保育所を始めとする児童福祉施設等が業務継続計画を策定すること等を努力義務とする省令改正を予定⇒障害児入所施設を含めた他の社会福祉施設における取組を踏まえれば、児童福祉施設でも、業務継続に向けた計画の策定を進めるべき。
Bインクルーシブ保育について→保育所と児童発達支援事業の併設を可能とするため、設備及び人員の専従規定の緩和を行う。⇒「それぞれで 保育・療育を行う場合」「がともに保育・療育を行う場合」の例降り。
(参考)地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会 取りまとめ (令和3年12月20日)概要(抜粋)→「保育所と児童発達支援との一体的な支援(インクルーシブ保育)を可能とす るための規制の見直し」の項目あり。
C保育所における看護師等のみなし配置に関する人数要件の撤廃について→保育所におけるみなし看護師等の雇用に当たっての乳児の在籍人数要件を一定の要件の下で撤廃する省令改正を予定。⇒乳児の在籍人数の要件を撤廃することとするが、これに伴い、条文上は看護師等のみで乳児への保育を行うことが 可能となってしまうことから、別途、保育士と合同で保育を行う旨の要件を課すとともに、各々の看護師等の最低 限の資質の確保の観点から、保育に係る一定の知識と経験を有することを要件として明確化する。 ※一定の知識と経験についての具体的な要件は別途通知で示すこととする

次回も続き「資料3−1 児童虐待相談対応件数及び死亡事例数」からです。

第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料) [2022年09月24日(Sat)]
第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料)(令和4年9月13日)
《議題》(1)資金移動業者の口座への賃金支払について (2)労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27962.html
◎資料 No.1 資金移動業者の口座への賃金支払について 課題の整理↓
○資金移動業者の口座へ賃金支払を行う場合の制度設計案(骨子)→(1)使用者の労働者の同意を得た場合の賃金の支払について⇒銀行口座への振込、一定の要件を満たす証券総合口座への払込は、引き続き可能。 資金移動業者の口座への賃金支払⇒使用者が労働者に強制しないことが前提。(2)(指定の要件→@〜D)。(3)厚生労働大臣の指定を受けようとする資金移動業者⇒@〜Dの要件を満たすことを示す申請書を厚生労働大臣に提出。厚生労働大臣⇒@〜D の要件を満たさなくなった場合には、指定を取り消すことができる。


○労働条件分科会における主な意見と具体的な検討の方向性@〜F
(1) 労働者の同意→9つの主な意見⇒意見ごとに具体的な検討の方向性あり。
・銀行口座等への振込と同様に、労使協 定を締結する取扱とすることが必要。→事業場内でのルール設定をする際、銀行口座等と同様に、@対象労働者の範囲、 A対象となる賃金の範囲及びその金額、B取扱資金移動業者の範囲、C実施開 始時期などについて、労使協定を締結することとする。
(2) 資金移動業者の指定要件→10の主な意見⇒意見ごとに具体的な検討の方向性あり。
・不正防止。アカウントの有効期限( 10年間は確保)。<資金保全><報告体制><技術的能力・社会的信用>など。
3)厚生労働省による指定・指定取消→3つの主な意見⇒意見ごとの具体的な検討の方向性あり。
・指定要件を満たさなくなった 場合の指定取消、2階部分の指定要件、金融庁との連携。
(4)その他(制度普及の観点等)→3つの主な意見⇒意見ごとの具体的な検討の方向性。
・賃金支払専用の口座、銀行振込の支払実務の制度化、報告の周知など。

○「会員の資金移動業者が提供する資金移動サービスに関する不正取引の発生状況等に関するとりまとめ結果について」 一般社団法人日本資金決済業協会HPより(令和4年8月2日)(抄)→「資金移動サービスに関する不正取引の発生状況等に関するとりまとめ結果について」「補償せずの取扱いとなる事例について」 参照。
○保証機関が介在する資金保全スキームの概要と厚生労働省の審査方法(イメージ)→保証機関が介在する資金保全スキームの場合、厚生労働省は指定時・指定後に、@保証機関が金融機関との契約等により 一時的な資金需要に対応する手段を有すること、A想定される要履行保証額が調達可能額の範囲内に収まることを確認。 加えて、保証機関の財務状況等を定期的に確認。一時的な資金需要への対応や保証機関の財務状況等に問題があれば、 資金保全の要件を満たさないとして指定取消を検討。

○令和3年1月28日/2月15日/3月16日/4月19日/令和4年3月25日/4月27日/5月27日 労働政策審議会労働条件分科会の主な意見(ペイロール関係)@〜F↓
・12の論点に対する対応の「主な意見」あり。⇒銀行口 座との 比較、資金保全、不正引出し等へ の対応、換金性、制度化のニー ズ、導入に当たっ ての企業実務 @A、労働行政と監督指導の関係に ついて、個人情報保護、本人同意、滞留規制、その他など。参照。

《参考資料@ 資金移動業の規制等(1階部分)》
○資金移動業者の口座への賃金支払を認める場合に必要な規制のイメージ
→現行では、資金決済法等に基づき、「利用者の保護及び資金移動業の適正かつ確実な遂行」の観点から、 全ての資金移動業者に必要な規制がなされている(『1階部分』)。 仮に資金移動業者の口座への賃金支払を認める場合には、『1階部分』に加えて、労働基準法施行規則 に基づき、「賃金の確実な支払」を担保するための要件を満たす一部の資金移動業者のみに限定すること が必要(『2階部分』)。

○資金移動業について@A→金移動業者とは、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)に基づき、内閣総理大臣(財務局長に委任)の登録を受けて、銀行その他の金融機関以外の者で、為替取引を業として営む者。(2022年7月末時点:85事業者)。 一回当たりの送金額上限は、100万円以下。(政令で規定。) ※ 2020年6月に資金決済法が改正され、高額送金を取扱可能な類型を創設するなど3類型に分類(2021年5月1日施行)。
・登録の要件→@〜H役員に不適格者がいないこと。
・事業者への主な規制→(1)履行保証金の供託等(当該期間の末日から1週間以内に供託。) (2)情報の安全管理 (3)委託先に対する指導 (4)利用者の保護等に関する措置(5)犯罪収益移転防止法における取引時確認   参照。
・金融庁・財務局による監督等→財務局への報告書の提出。 <資金移動業に関する報告書(年1回)、未達債務の額等に関する報告書(年2回)> ※未達債務の額等に関する報告書については、改正資金決済法において年4回の提出が必要。 報告徴収、立入検査。業務改善命令。 業務停止命令、登録の取消しなど。

○資金移動業における口座開設時の本人確認(取引時確認)→犯罪による収益の移転防止に関する法律(以下「犯収法」という。)では、銀行や資金移動業者等の特定事業者は、顧客等と の間で預貯金契約の締結や為替取引等の特定取引を行う際に、省令に定める方法(※)により、顧客等について、取引時確認 を行わなければならないこととされている。
(※) 犯収法施行規則→取引時確認の方法⇒顧客が自然人の場合、対面取引における本人確認書類の提示や、非対面取引における本人 確認書類用画像情報の送信等によるほか、預貯金口座における口座振替の方法により決済される取引→あらかじめ当該口座が開設されている銀行等と合意することにより、@当該銀行等が預貯金契約を締結する際に顧客等の取引時確認を行い、A当該取引時確認に係る確 認記録を保存していることを確認することによる方法も認められている。 なお、令和3年2月26日に改正された金融庁の事務ガイドライン(資金移動業者関係)→「口座振替サービスとの連携に際し、資金移動業の利用者⇒公的個人認証その他の方法により実効的な取引時確認を行い、本人確認書類等により確認した当該利用者の情報と連携先が 保有する情報を照合することにより、当該利用者と預貯金者との同一性を確認するなど、適切かつ有効な不正防止策を講じている」こと、「資金 移動業者における不正防止策は、連携先の銀行等における不正防止策の内容と重複しないものとする必要がある」こととされている。
○資金移動業の利用状況等→「年間取扱額及び年間送金件数の推移」「送金額及び利用者資金残高の分布」「各社の資本金の状況」「金融庁・財務局によるモニタリングの状況→これまで破たん事例なし。(2022年2月末時点)」
○令和2年資金決済法改正の概要 (令和3年5月1日施行)→【法改正のポイント】⇒資金移動業に、現行類型に加え、新たに高額類型と少額類型を設け、送金額に応じた規制を適用。 具体的には、類型ごとに、利用者資金の滞留の可否や保全方法に差を設ける。
○銀行、資金移動業者の比較@〜D→「許認可等」「資本要件」「セキュリティ対策」「マネー・ローンダリング対策」「換金性」「個人情報」「破綻した場合の資金保全」「不正払戻しの補償」について比較。各項目の参照。
○「インターネット・バンキングにおける預金等の不正な払戻しについて」 一般社団法人全国銀行協会HPより(平成28年6月14日)(抄)→(別紙2)補償減額または補償せずの取扱いとなりうる事例について   参照。
○「インターネット・バンキングによる預金等の不正払戻し」等に関するアンケート結果 一般社団法人全国銀行協会HPより(令和4年6月24日)(抄)→【別紙2】の図参照。

《参考資料A その他》
○資金移動業者の口座への賃金支払に係る近時の決定
・「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月7日閣議決定)
→資金移動業者が破綻した場合に十分な額が早期に労働者に支払われる保証制度等のスキームを構築しつつ労使団体と協議の上2022年度できるだけ早期の制度化を図る。
・外国人材の受入れ・共生のための総合的対応策(令和4年度改訂)(令和4年6月14日外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議決定)→資金移動業者が破綻した場合に十分な額が早期に労働者に支払われる保証制度等のスキームを構築しつつ、労使団体と協議の上、令和4年度(2022年度)のできるだけ早期の制度化を図る。〔内閣府(地方創生)、厚生労働省、金融庁〕《施策番号119》

○賃金の「通貨払の原則」について→労働基準法では、賃金は通貨払いが原則であるが、現行の労働基準法施行規則では、その例外として、労働者 の同意を得た場合、@銀行口座への振込とA証券総合口座への払込による賃金支払が認められている。
○銀行口座・証券総合口座への賃金支払を行う際の現行の取扱→賃金の口座振込み等について(平成10年9月10日基 発 第 5 3 0 号 ※労働省労働基準局長から都道府県労働基準局長宛の通知) 参照。

○資金移動アカウントを利用する場合の資金の流れのイメージ@→利用者の資金移動アカウントに一定額ある場合、利用者は当該資金の債権を資金移動業者に対して有する一方、 実際の資金は資金移動業者の銀行口座にある。たとえば、利用者の銀行口座から利用者の資金移動アカウントに一定額をチャージし、店舗で当該額の決済を 行う場合、当該資金の権利保有者と実際の資金の流れのイメージは以下のとおり。⇒【利用者の銀行口座から利用者の資金移動アカウントに一定額をチャージし、店舗で当該額の決済を行う場合のイメージ】参照。
○資金移動アカウントを利用する場合の資金の流れのイメージA→仮に資金移動アカウントへの賃金支払が認められ、使用者が労働者の資金移動アカウントに賃金(の一部)を支 払う場合、当該資金の権利保有者と実際の資金の流れとして想定されるイメージは以下のとおり。たとえば、使用者が労働者と同じ資金移動業者のアカウントを開設する場合、使用者の資金移動アカウントから 労働者の資金移動アカウントへの賃金支払により、実際の資金は資金移動業者の銀行口座から移動しないものの、 当該資金の権利保有者は使用者から労働者に移ることとなる。⇒【使用者が労働者の資金移動アカウントに賃金(の一部)を支払う場合のイメージ(例)】 参照。
○資金移動業者の口座への賃金支払を行う場合に考えられる振込エラーの原因と対応策の例→「考えられる振込エラーの原因→(1)〜(3)参考」⇒(1)〜(3)の対応例あり。

○資金移動業者の口座への賃金支払に関する労働者のニーズと考えられる背景
・公正取引委員会「QRコード等を用いたキャッシュレス決済に関する実態調査報告書」(令和2年4月21日)→ノンバンクのコード決済事業者のアカウントに対して賃金の支払が行えるようになった場合,約4割の利用者が,自身が利用するコード決済サービスのアカウントに賃金の一部を振り込むことを検討と回答,一定のニーズがあると考えられる。
【考えられる背景】 ↓

1.QRコード等によるキャッシュレス決済が普及していること⇒ 2022年6月時点「月間アクティブユーザー数」(月に1回支払ったことがある人の数の6社の合計は約5110万人。
2.銀行口座から資金移動業者口座へのチャージを行う手間がなくなること
3.銀行口座と資金移動業者口座の間で連携できず、チャージできないケースがあること

○資金移動業者の口座への賃金支払に関する労働者のニーズ調査(令和2年以降)→キャッシュレス利用者のうち、4分の1程度は、「給与デジタル払いが可能になったら、制度を利用したい」と回答。 利用方法⇒35.2%が「給与の1割〜3割程度」の振込を希望。
○労働者及び使用者が資金移動業者の口座への賃金支払を選択する場面等の整理→@〜B参照。
○資金移動業者が破綻した場合の資金保全のスキームの例→資金移動業者が破綻した場合に、資金移動業者の口座にある賃金について、@十分な額が、A早期に、労働者に支払 われる仕組みとして、例えば以下のようなスキームが考えられる。


◎資料 No.2 労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
○労働基準法等に基づく届出等に係る電子申請の状況について
・趣旨・経緯
→労働基準法等に基づく届出等⇒規制改革実施計画(令和2年7月17日閣議決定)等を踏まえた 押印原則の見直しに併せ、電子申請における電子署名の添付を不要とすることとした。(令和3年4月1 日施行)。 その際の本分科会の議論⇒「電子申請の利便性向上は急務である一方、今後、電子署名が普及し、行政手続の標準になる可能性も将来的にはあるかもしれない」といった指摘があり、電子申請の件数や利用率、利用率引上げに向けた取組の実施状況等について、本分科会において御審 議いただくもの。
○電子申請件数と利用率(令和3年)→過去5年の電子申請利用率の推移も参照。
○電子申請利用率向上に向けた取組@A→1.電子署名添付の不要化(R3.4〜) 2.電子申請に限った本社一括届出の要件緩和(R3.3〜) 3.API連のための労働基準法等関係手続に関する仕様公開(R3.6〜) 4.電子申請促進のための広報・啓発 5.ユーザビリティ向上のためのシステム改修 6.一年単位の変形労働時間制に関する協定届の本社一括届出の開始 各項目の参照。
○(参考)ユーザビリティ向上のためのシステム改修のイメージ→ 例:36協定届エラーチェック機能等の改善   参照。

次回は新たに「第52回社会保障審議会児童部会 資料」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月23日(Fri)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月14日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料4 家計改善支援等のあり方について
○生活困窮者家計改善支援事業について
・【現状と課題】
→平成30年改正法によって努力義務化を行った結果、令和3年度の実施率は約7割(令和4年度には8割を超える見込み)。新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、令和2年度の利用者数は令和元年度と比べ約1.4倍に増加。また、自立相談支援事業と併せた一体的実施を促進するため、就労準備支援事業及び家計改善支援事業との 緊密な連携を図る体制が確保されている場合⇒家計改善支援事業の補助率を引き上げることとした。 その結果、就労準備支援事業・家計改善支援事業の両事業を実施している割合は増加しており、両事業を実施している自治体の方が、そうでない自治体に比べて、新規相談受付件数やプラン件数が多いとの効果。家計改善支援事業⇒「家計の収支バランスが悪い」や「債務整理や滞納に関する課題を抱えている」といった相談者が多く、自治体の中には、本事業を利用することによって、債務・滞納の解消や世帯への包括的な支援に役立ったといった効果が見られた例も。一方で、家計改善支援事業を実施していない自治体の理由として「自立相談支援機関で対応できているから」と答えた割合が最も高い。ただし、実施自治体の方が、未実施自治体に比べて支援対象者に対して実施できている家計支援の程度が充実している傾向にある。また、未実施自治体のうち約半数が、利用ニーズについて「把握していない」と回答。家計改善支援事業の広域実施⇒「想定している」又は「必要性を感じているが実施は難しい」とする自治体は未実施自治体の約2割であっ た
・【考え方】→自立相談支援機関の相談⇒特に高齢者の「家計管理」に関する課題が多く見られること、またコロナ禍で顕在化した生 活困窮者の生活の立て直しなど、特にコロナ後の相談支援において欠かせない支援であることから、全国どこでも必要な支援を受けられ るようにする必要がある。 その場合、自治体内の支援ニーズが少なかったり、自治体内の社会資源が限られているような小規模自治体もあり、このような自治体に対しては、例えば広域連携による事業の実施に向けた支援を行う等の配慮が必要。
・【論点】→家計改善支援事業⇒必須事業化することについてどのように考えるか。小規模自治体でも円滑に事業が実施できるよう、例えば広域連携による実施を推進してはどうか。

○生活困窮者家計改善支援事業と他制度との連携について
・【現状と課題】
→家計改善支援事業の支援のうち生活福祉資金の貸付あっせん書を作成した者⇒貸付決定されたものは約9割。貸付利用希 望者に対する支援として「償還開始後も、一定期間、伴走支援を行っている」自治体は約4割。 新型コロナウイルス感染症対応のための緊急小口資金等の特例貸付を利用された方の中には、家計改善支援事業を利用して、家計 計画表の作成などを通じて生活費と事業費の区分けを行い、その方自身で家計管理ができるようになった事例もみられている。生活福祉資金貸付制度のうち、特に総合支援資金、緊急小口資金⇒貸付の申込があった際には自立相談支援機関へつないだり、 貸付決定から償還開始までの間に情報交換を図る等、自立相談支援事業と連携する枠組みとなっている。  成年後見制度⇒今年3月に閣議決定された「第二期成年後見制度利用促進基本計画」で「権利擁護支援」の考え方が 位置付けられた。同計画では「総合的な権利擁護支援策の充実」に向け、生活困窮者自立支援制度等との連携も考慮しつつ、日常生活自 立支援事業の実施体制の強化に取り組むこととされている。 また、今年度より「持続可能な権利擁護支援モデル事業」を実施。金銭管理に関するテーマとして、日常生活自立支援事業の支援に市町 村社協以外の法人や事業者が参画する取組や、日常的な金銭管理等を通じた地域生活上の意思決定支援による取組が検討されている
・【考え方】→生活福祉資金制度⇒家計改善支援事業が関与していくことは、両制度の効果的な実施に資すると考えられるため、例えば、生活 福祉資金の貸付の際には、必要に応じて、貸付決定から返済、償還免除等にも家計改善支援事業が関わり、その後のフォローアップ支援につなげるなど、家計改善支援事業と生活福祉資金貸付制度との連携を強化することが重要。 また、金銭管理支援の観点⇒本人の判断能力が不十分で日常生活に支障が生じている場合や本人保護など権利侵害の回復支 援の視点からの支援が必要な場合は、社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業や成年後見制度につなぐことも想定され、日頃か らこれらの事業・制度との連携を進めることが重要。
・【論点】→生活福祉資金貸付制度とどのような連携が考えられるか。 社会福祉協議会が実施する日常生活自立支援事業や成年後見制度などの権利擁護支援策とどのような連携が考えられるか。

○被保護者に対する家計改善支援等のあり方について
・【現状と課題】→被保護者家計改善支援事業⇒世帯の自立に向けて家計に関する課題を抱える被保護者世帯に対する家計管理方法の提案支援を行う、大学等への進学を検討している高校生等のいる世帯の進学に向けた費用についての相談や助言等を行うもので現在、予算事業として行われている。 一方、被保護者家計改善支援事業の令和3年度の実施自治体数は、77自治体(実施率:8.5%)にとどまっている
。 また、被保護者の中には、依存症を抱えていたり、家計管理能力に課題がある等、金銭管理支援を必要とする状態像の者もおり、金 銭管理支援に対するニーズは相当程度あると考えられる。 金銭管理支援は、対象者像や支援内容の面で、被保護者家計改善支援事業とは一定の違いがある。このため、金銭管理支援を実施する場合⇒個別支援プログラムの一つとして金銭管理支援プログラムを策定した上で、直営又は委託事業として実施している。 また、利用条件が合えば、事業内容が類似する日常生活自立支援事業の活用も可能。新規契約締結件数のうち生活保護受給者 が占める割合は、全体の40%以上に上っている
・【考え方】→被保護者家計改善支援事業は、家計に焦点を当てた個別的な働きかけを通じて、家計改善の意欲、更には生活力を高め、自力で家計管理を行うことを支援するもの、生活の質の向上や自立に向けた基盤づくりにも効果があると考えられる。このため、より多くの被保護者が本事業による支援を受けられるようにする必要があり、制度をまたいだ本人に対する支援の 継続性・一貫性の確保や、地域の支援資源の有効な活用の観点から、生活困窮者自立支援制度との連携を検討する必要がある。 被保護者が必要に応じて金銭管理支援を受けることができる機会を確保することが必要。
・【論点】→より多くの被保護者が支援を受けられるようにする等の観点から、任意事業として法定化する とともに、被保護者家計改善支援事業に代えて、生活困窮者家計改善支援事業の中で被保護者も支援できるようにすることについて、被保護者に対する金銭管理支援を推進するため、日常生活自立支援事業との関係も踏まえた上で、どのような取組が考えられるか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者家計改善支援事業について
→家計の状況を把握することや家計の改善の意欲を高めることを支援するため、家計表等 を活用し、本人を含む世帯全体の家計収支等に関する課題の評価・分析(アセスメント)を行い、状況に応じた家計再生プランを作成。具体的な支援業務⇒ @ 家計管理に関する支援(家計表等の作成支援、出納管理等の支援) A 滞納(家賃、税金、公共料金等)の解消や各種給付制度等の利用に向けた支援 B 債務整理に関する支援(多重債務者相談窓口との連携等) C 貸付のあっせん 等を行う。⇒効果(家計に対して指導を行う事業ではない)→自力で家計管理できるようになり、世帯としての家計基盤が整うことにより、将来の収支変動にも 対応可能に。 滞納している税・公共料金等や債務等を解消することにより、生活が安定。

○生活困窮者家計改善支援事業の現状→家計改善支援事業の実施自治体数は毎年増加しており、令和4年度は8割を超える見込み。 コロナ禍の影響により、令和2年度の利用者数は令和元年度と比べ約1.4倍の増加となっている。 利用者像としては、「家計の収支バランスが悪い」、「債務整理や滞納に関する課題を抱えている」、「家計の 状態を把握できない」といった相談者が多い。⇒1.実地自治体数の推移 2 . 利 用 者 像 参照。

○生活福祉資金貸付制度の概要→目的 低所得者、障害者又は高齢者に対し、資金の貸付けと必要な援助指導を行うことにより、その経済的自立及び生活意 欲の助長促進並びに在宅福祉及び社会参加の促進を図り、安定した生活を送れるようにすることを目的。貸付対象:
(低所得世帯)→必要な資金を他から借り受けることが困難な世帯(市町村民税非課税相当)。 (障害者世帯)→身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の交付を受けた者等の属する世帯。 (高齢者世帯)→65歳以上の高齢者の属する世帯。資金の種類あり。貸付金利子→連帯保証人を立てた場合 無利子。連帯保証人を立てない場合 年1.5%。
○生活困窮者自立支援制度との連携→生活福祉資金貸付制度は、自立相談支援事業と密接な連携を図りながら対応することで、両制度がともに、より効果的、効率的に機能することが期待されている。その観点から、特に総合支援資金、緊急小口資金については平成27年度から見直しを行い、現状では、以下(【総合支援資金・緊急小口資金の大まかな流れ】参照。)のような流れで両制度が連携する枠組みとなっている。 ※ 自立相談支援事業のプラン作成(2〜4)と貸付の審査決定・貸付金の交付等(A〜B)のタイミングや、プ ラン終結(6)と償還開始(E)のタイミングは、個別ケースにより様々。

○持続可能な権利擁護支援モデル事業の概要→「第二期成年後見制度利用促進基本計画」の期間(令和4年度〜8年度)に2025年を迎え、認知症高齢者の増加などによ り、成年後見制度の利用を含む権利擁護支援のニーズの高まりが想定される。相続や不動産売却処分などの法律行為が必要な 場合など、成年後見制度による支援が必要な方が適切に制度を利用できるようにするとともに、広範な権利擁護支援ニーズに 対応していくためには、多様な主体の参画を得て、権利擁護支援に係る新たな連携・協力による支援体制を構築することが肝 要。一方で、寄付等の活用や民間団体等の参画を促す際には、利益相反関係が生じる可能性があるなど、このような体制を全 国的に拡大していくためには、予めルールやスキームを整理する必要がある。 ○ 本事業では、自治体において、多様な主体の参画による権利擁護支援に係る連携・協力体制づくりをモデル的に実施し、新 たな支え合いの構築に向け、取組の効果や取組の拡大に向け解消すべき課題等の検証を行う。(事業の概要・スキーム・実施主体等 参照。)

○日常生活自立支援事業について 令和4年度予算額:生活困窮者自立支援法等関係予算594億円の内↓
<目的> 認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等のうち判断能力が不十分な者に対して、福祉サービスの利用に関する援助等を行うことにより、地域 において自立した生活が送れるよう支援する。
<実施主体> 都道府県社会福祉協議会又は指定都市社会福祉協議会。ただし、事業の一部を、市区町村社会福祉協議会等(基幹的社協等)に委託できる。 (令和2年度末現在の基幹的社協等は1,563ヵ所)(補助率)1/2 <事業の対象者> 判断能力が不十分な者であり、かつ本事業の契約の内容について判断し得る能力を有していると認められる者。 (令和2年度末実利用者数は56,761人)
<援助内容> @ 福祉サービスの利用援助 A 苦情解決制度の利用援助 B 住宅改造、居住家屋の賃借、日常生活上の消費契約及び住民 票の届出等の行政手続に関する援助等 C @〜Bに伴う援助として「預金の払い戻し、預金の解約、預金の 預け入れの手続等利用者の日常生活費の管理(日常的金銭管理)」 「定期的な訪問による生活変化の察知」
<新規契約締結件数の状況> 日常生活自立支援事業の新規契約締結件数は、 毎年12,000件弱で概ね横ばいとなっている。 新規契約締結件数のうち生活保護受給者の割合は、 毎年40%以上となっている(右図参照 P11へ。)。

○被保護者家計改善支援事業について↓
・ 世帯の自立に向けて家計に関する課題を抱える被保護者世帯に対する家計管理方法の提案支援を行うとともに、大学等への進学を検 討している高校生等のいる世帯に対する、進学に向けた費用についての相談や助言等を行う。(平成30年3月30日社援保発0330第12号厚生労働省社会・援護局保護課長通知)「被保護者家計改善支援事業の実施について」)
・生活保護者受給者等の中には、家計の状況を把握し中長期的な生活設計を立てた上で日々の生活を組み立てることが難しい方が存在。生活保護受給中から家計管理のスキルを身につけることで、保護脱却後に再び生活保護の受給に至ることを防止することが期待される。
・ また、大学等に進学する子どもがいる世帯についても、進学前の段階から進学に受けた各種費用についての相談・助言、各種奨学金 制度の案内等により、子どもの進学や世帯全体の自立を促進することが期待される。 ※ 別途、生活保護受給者の家計管理の支援は、平成25年法改正により「収入、支出その他生計の状況を適切に把握する」ことが生活上 の義務として規定されたことも踏まえ、これまでは自立支援プログラムの一環として支援を行っている自治体もあり。
・実施主体⇒都道府県、市、福祉事務所を設置する町村(社会福祉法人、NPO等に委託可)
・補助割合は、国2/3 都道府県、市、福祉事務所を設置する町村1/3 令和4年度予算額:被保護者就労支援準備事業29.1億円の内数
・ 実施自治体数:77自治体(令和3年度実績)

○被保護者家計相談支援事業(H3 0年度〜R3年度実績)→実施自治体数は毎年増加しているが、総自治体数に占める実施率は依然として低調である。
○被保護者の金銭管理支援が必要な者の状態像→金銭管理の支援が必要な者の状態像としては、「支払いの滞納がある」が87.5%、「多重債務・過剰債務がある」 65.7%、「依存症がある」が63.9%であった。また「その他」が20.6%であった。

次回は新たに「第178回労働政策審議会労働条件分科会(資料)」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月22日(Thu)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月14日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料3 就労支援のあり方について
○生活困窮者に対する就労支援全般について(他制度との連携を含む)
・【現状と課題】
→支援対象者の状態に応じて、自立相談支援事業におけるアセスメントやプランに基づき、ハ ローワークなどの関係機関や地域の事業所等との連携のもと、段階的な支援を実施。丁寧なマッチングや面接への同行支援等を行い、就労につなげている。就労支援の利用件数は年々増加。特に令和2年度は新型コロナの影響により、自治体の中には、就労準備支援事業において、様々な理由で移動手段が確保できない者に対して車による送迎を実施、送迎に係る燃料費用や車両の借り上げ費用は国庫補助の対象としている。 コロナ禍で、就労に関連する多様な支援ニーズが顕在化しており、ハローワークや職業訓練等の他制度との連携による就労支援の重要 性が増し、実際の連携も進んでいる。
・【考え方】→様々な状態の人が就労できる多様な就労支援のあり方や柔軟な支援体制を確保する仕組みをつくっていくことが必要。就労準備支援事業又は認定就労訓練事業によって実際の事業所における就労体験や就労訓練等を行うことは、コミュニケーション能力の習得や生活習慣の改善等を含めた就労支援のほか、居場所づくりなど幅広い社会参加支援の側面も あることから、利用促進を図っていくことが重要。また、生活困窮者に対する就労支援には複数のフェーズが存在するが、それぞれのフェーズ毎に支援が分断されるのではなく、一貫した支援が必要。顕在化した多様なニーズ⇒労働関係施策や障害者への就労支援施策等の他の就労支援制度との連携をより一層進めることが 重要。
・【論点】→就労支援に加え、居場所づくりなど幅広い社会参加を支援していく観点から、就労準備支援事業及び認定就労訓練事業の利用を促進するためには? 受入企業の開拓から就労後の支援対象者・受入企業双方に対するフォローアップまで一貫して行うことができる体制が必要。 支援対象者の多様なニーズに対応するため、職業訓練等の他の就労支援制度とどのような連携が考えられるか。

○生活困窮者就労準備支援事業について
・【現状と課題】
→自立相談支援機関における相談の「出口」のツールとして、いずれの自治体においても求められるものであることから、平成29年の部会報告書⇒「法律上の必須事業とすることも目指しつつ、全国の福祉事務所を設置している自治 体で実施されるようにすべき」とされた。当時の実施率が約4割にとどまっていた状況。平成30年改正法によって努力義務化を行った結果、令和3年度の実施率は約7割(令和4年度には8割を超える見込み)。「自立意欲の向上・改善」「社会参加 機会の増加」の変化幅が顕著に見られるなどの効果あり。一方で、実施率は、福祉事務所設置町村において低い。実施しない理由としては、「予算を確保するの が難しいから」と答えた自治体が最も多い。
・【考え方】→相談支援機関における相談では、相談者の年代を問わず「就職活動困難」に関する課題が多く見られ、これらの課題に対する支援となる 就労準備支援事業については、全国どこでも必要な支援を受けられるようにする必要がある。
・【論点】→必須事業化することについてどのように考えるか。その際、小規模自治体においても円滑に事業が実施できるよう、例えば広域連携による実施を推進してはどうか。

○生活困窮者認定就労訓練事業について
・【現状と課題】
→制度創設当初から、認定件数や、管内に認定事業所が1つ以上ある認定主体自治体(都道府県・指定市・中核市)は着実に増加。しかし、認定件数の累計は令和2年度までで約2,000件にとどまる。認定就労訓練事業所利用件数⇒令和2年度においては547件と未だ低調。一方で、認定就労訓練事業を利用した者⇒利用していない者に比べて、「自立意欲の向上・改善」や「社会参加機会の増加」において、利用後の変化が顕著に表れている効果。 認定就労訓練事業の利用実績がない自治体にその理由⇒「地域に認定就労訓練事業所がない、あるいは少ない」と答えた自治体が最も多い。また、事業所の認定件数や利用件数を増やすために必要なこと⇒4割以上の自治体が「就労訓練 事業の開拓を行う専門人材の育成・確保」や「対象者と就労訓練事業所のマッチングの支援」等と回答。手続きが煩雑で事業所の負担が大きいため、認定件数が増えないといった意見。平成28年度より、都道府県に「就労訓練アドバイザー」、福祉事務所設置自治体に「就労訓 練事業所育成員」を配置し、認定就労訓練事業所の開拓・育成を推進。
・【考え方】→対象者の状況に応じた柔軟かつ多様な働き方を可能とし、一般就労に向けた着実なステップアップを実現する場として重要、その実施促進のためには、まずは認定件数を増やしていくことが必要。認定件数だけでなく、利用件数を増やしていくことも必要であり、利用者にあった仕事づくりや受入企業の開拓、 対象者と認定事業所とのマッチング支援や、就労後の支援対象者・受入事業所双方に対するフォローアップによる定着支援が重要。生活困窮者に対する就労支援には複数のフェーズが存在するが、事業推進の観点からは、それぞれのフェーズ毎に支援が分 断されるのではなく、一貫した支援が必要。
・【論点】→認定就労訓練事業を推進するための申請・認定手続について、どのような改善が必要か。 受入企業の開拓から就労後の支援対象者・受入企業双方に対するフォローアップまで一貫して行うことができる体制が必要ではないか。

○被保護者に対する就労支援について@就労支援
・【現状と課題】
→就労支援員による就労に関する相談・助言等の支援や、ハローワークと連携してチーム支援を行う生活保護受給者等就労自立促進事業に加え、被保護者就労支援事業、被保護者就労準備支援 事業を実施してきた。これら各種事業の活用により、就労可能な被保護者の多くは就労し、保護の廃止に到っているが、中には、保護の受給期間が長期にわたり、障害がうかがわれる者や、就労の経験が乏しい者など、日常生活や社会生活の面で課題を抱え、就労による自立に一定程度の時間を要する者も存在。また、KPIとして設定されている、就労支援事業等に参加可能な者の事業参加率、就労支援事業を通じた就労・増収率及び「その他の 世帯」の就労率⇒実績値が目標達成には至っていない状況。就労に向けた一定の準備支援を行う被保護者就労準備支援事業は、現在任意の予算事業であり、実施率は約36%にとどまる。
・【考え方】→保護の受給期間が長期にわたり、障害がうかがわれる者や、就労の経験が乏しい者などに対し、日常生活自立、社会生活自立など、 就労に向けて徐々に自立支援を行っていく取組を強化する必要。被保護者就労準備支援事業は、本人の生活にある程度深く関わることができ、日常生活自立や社会生活自立に関する支援として有効 であることから、より多くの被保護者が本事業による支援を受けられるようにする必要。また、制度をまたいだ本人に対する 支援の継続性・一貫性の確保や、地域の支援資源の有効な活用の観点から、生活困窮者自立支援制度との連携を検討する必要。被保護者の抱える課題が多様化する中、被保護者個々人に対するアセスメントを丁寧に実施し、被保護者個々人の状態像に応じた自 立を支援する必要がある。
・【論点】→より多くの被保護者が支援を受けられるようにする等の観点から、任意事業として法定化する、被保護者就労準備支援事業に代えて、生活困窮者就労準備支援事業の中で被保護者も支援できるようにすることについて。就労支援を、現行のKPIに基づき引き続き着実に進めていくとともに、被保護者の多様な課題に対応するため、就労自立のみならず日 常生活自立や社会生活自立も今後推進する必要があることを踏まえ、これら3つの自立の取組を総合的に評価していくことについて。被保護者就労支援事業を実施するためのアセスメントの充実を図るために、どのような取組が必要と考えられるか。

○被保護者に対する就労支援についてAインセンティブ→
・【現状と課題】
→就労インセンティブの増進・自立助長を図ることを目的として、就労収入のうち一定額を収入から控除して収入の一部を手元に残す、 勤労控除の仕組みや、就労自立給付金、就労活動促進費等の各種制度が設けられている。そのうち、就労自立給付金は、税・社会保険料負担の発生など保護廃止直後の不安定な生活を支え、再度保護に到ることを防止するた め、保護受給中の就労収入のうち収入認定された金額の範囲内で別途一定額を仮想的に積み立て(最長6ヶ月)、安定就労の機会を得たこと等により保護廃止に到ったときに支給するもの。 就労自立給付金の支給率(働きによる収入の増加・取得による保護廃止世帯に占める、就労自立給付金支給世帯の割合)は、近年増加 傾向にあり、令和2年度は6割。就労収入増加による保護廃止人員数を就労期間別⇒最も多いのは就労開始時点。次いで就労期間4ヶ月、3ヶ月、5ヶ 月、6ヶ月の順になっており、就労期間1ヶ月、2ヶ月の者は、相対的に少ない状況にある。 一方、現行の就労自立給付金の支給額は、一律の最低給付額に毎月の勤労収入額の一定割合を加えて算定するため、就労開始時点など より早期に保護を必要としなくなる者に対するインセンティブが弱いという課題がある。
・【考え方】→生活保護を受給することになった者に対しては、就労・増収等を通じた自立への意欲を喚起する取組を強化する必要。 この点について、保護廃止にならないよう就労を調整すること等により、就労に結びついても必ずしも保護廃止にならないケースがある中で、保護廃止後の不安を解消できるようなインセンティブとして、就労自立給付金を効果的に活用することが重要である。
・【論点】→被保護者の就労の実態を踏まえ、就労による保護廃止に向けたインセンティブを強化する必要があるのではないか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者に対する就労支援
→「就労までの段階的な支援施策」と「就労に向けた困難度(支援対象者)」のマトリクス。R元→R2 実績あり。  参照。
○生活困窮者就労準備支援事業の実施状況等→令和3年度の就労準備支援事業の実施状況は、622自治体で全体の約7割が実施、令和4年度⇒8割を超える見込み。 就労準備支援事業を実施しない理由⇒基礎自治体において「予算を確保するのが難しいから」が 33.0%、「委託先となる事業者がいない・少ないから」が28.6%となっている。
○生活困窮者認定就労訓練事業の実施状→認定件数は令和3年度末時点で、2,042事業所。 利用形態⇒「非雇用型のみ」が全体の約7割である。
○生活困窮者認定就労訓練事業を巡る課題→認定就労訓練事業の利用実績がない理由⇒「地域に認定就労訓練事業所がない、あるいは少ない」が約7割。 認定就労訓練事業所の認定数や受入実績を増やすために必要なこととして、4割以上の自治体が「就労訓練事業の 開拓を行う専門人材の育成・確保」、「対象者と就労訓練事業所のマッチングの支援」、「受入れ事業所に対する金 銭的インセンティブ」と回答。
○生活保護受給者に対する就労支援施策について→就労・自立インセンティブの強化(就労自立給付金・勤労控除・就労活動促進費) 参照。
○被保護者就労準備支援事業実施自治体(H2 8年度〜R3年度実績)→令和3年度で327自治体(実施率36.1%)と上昇傾向。
○就労支援事業等におけるKPIの設定について
・就労支援事業等の参加率2018年度(平成30年度)までに60% →就労支援事業等に参加可能な者の事業参加率2021年度(令和3年度)までに65%
・就労支援事業等の参加した者のうち、就労した者及び就労による収入が増加した者の割合は、2018年度までに50% →目標値を維持。2021年度までに50%
・「その他の世帯」の就労率(就労者のいる世帯の割合)2018年度までに45% →目標値を維持。2021年度までに45%
○就労自立給付金について(生活保護法第55条の4第1項)→生活保護から脱却すると、税・社会保険料等の負担が生じるため、こうし た点を踏まえた上で、生活保護を脱却するためのインセンティブを強化するとともに、脱却直後の不安定な生活を支え、再度保護に至ることを防止すること が重要。 このため、保護受給中の就労収入のうち、収入認定された金額の範囲内で 別途一定額を仮想的に積み立て、安定就労の機会を得たこと等により保護廃止 に至った時に就労自立給付金を支給。

次回も続き「資料4 家計改善支援等のあり方について」からです。

第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料) [2022年09月21日(Wed)]
第20回 社会保障審議会「生活困窮者自立支援及び生活保護部会」(資料)(令和4年9月13日)
《議事》(1)生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方(2)生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する自立支援のあり方(3)就労支援のあり方について (4)家計改善支援等のあり方について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27949.html
◎資料1 生活困窮者自立支援制度及び生活保護制度の見直しに向けた考え方について
○平成30年改正等による両制度の発展と課題↓
・就労準備、家計改善に関する各支援策の実施自治体は増加したが、困窮・保護それぞれで更なる実施の増加が必要との指摘。また、両制度間移行時に支援が途切れるなど継続性の確保や社会資源の有効 な活用も課題 →<生活困窮者自立支援制度の状況>
※H30改正で努力義務化(就労準備支援事業 48.2%(H30)→80.6%(R4(見込み))。家計改善支援事業(44.7%(H30)→82.2%(R4(見込み))。
<生活保護制度の状況> ※予算事業(就労準備支援事業(29.9%(H30)→37.7%(R4(見込み))。家計改善支援事業 1.3%(H30)→8.1%(R4(見込み))。
・各行政機関や地域の社会福祉法人、NPO法人等関係機関間の調整 や計画的な支援を行うための制度的枠組みの創設・強化が課題(生活困窮者に係る支援会議(H30改正で法定化)の設置率 13.0%(R元)→31.3%(R2) ※被保護者に係る同様の会議はない。
・ ホームレスは減少傾向にあるが、知人宅やネットカフェ等を行き 来する不安定居住者や、住居はあるものの虐待・DV等による緊急 一時的な居場所など、居住へのニーズが多様化。また、貧困の連鎖 防止のための親を含めた子育て世帯全体への支援の推進等が求めら れる。このため、セーフティネットの一層の強化が必要

○新型コロナの経験も踏まえた課題↓
・新型コロナウイルス感染症の影響により、相談者数等の急増ととも に、相談者像も複雑化・多様化。これまでに生活福祉資金貸付の特例 措置や住居確保給付金の要件緩和、生活困窮者自立支援金の創設などの一時的な生活支援を講じてきたが、今後は、生活再建・自立に向け た伴走型支援に軸足を移行する必要 。

<生活困窮に係る相談者等の増加>→新規相談受付件数 248,398件(R元)→786,163件(R2)(3.2倍)。住居確保給付金の新規申請件数 4,270件(R元)→153,007件(R2)(34倍)。 ※保護申請件数は令和2年4月に前年同月比25%増、翌5月に減少に転じその後増減があるものの、様々な支援策の効果もあり、被保護人員の増加は みられない。
<生活困窮者自立支援相談窓口における相談者像の変化>→個人事業主やフリーランス、外国人、若年層等これまであまり相談につな がっていなかった新たな相談者の存在が顕在化。3個以上の複合的な課題を抱える相談者が半数以上に増加 。
<福祉事務所における相談者像の変化>→コロナ前と比較して、若年・中年層や、「不安定就労」「自営業・フリー ランス」などの相談者が増加。被保護者世帯の抱える課題は多岐にわたり、複数の課題を抱える世帯も多 い。

○次期制度見直しに向けた考え方↓
・上記の課題を踏まえ、平成30年改正法の施行状況や社会経済状況の変化、新型コロナウイルス感染症の影響により顕在化した相談者像の 複雑化・多様化等にも適切に対応するため、 @相談支援機能の強化、就労・家計・居住・子どもなど各種課題への対応や医療扶助の適正化にも取り組むとともに、 A生活困窮者自立支援制度・生活保護制度間の一体的な支援・連携強化による切れ目のない支援を図る必要がある。
・ こうした考え方に立ち、具体的な方策等について、本部会において更なる議論を進める。

○【参考】当面の議論のスケジュール(案)→第7回(第20回)は9月13日(火)(今回)。⇒第8(第21回) 10月中旬⇒第9(第22回)10月下旬(子どもの貧困への対応など)


◎資料2 生活困窮者に対する自立相談支援のあり方及び被保護者に対する 自立支援のあり方について
○生活困窮者自立相談支援事業の機能強化・関係機関との連携について
・【現状と課題】
→生活困窮者自立支援法に基づく「支援会議」を設置済み・設置予定ありの自治体は約4割と低調。支援会議を設置しない理由⇒「必要性を感じない」「人員不足」等が挙げられている。
・【考え方】→コロナ禍で顕在化した新たな相談者層への対応も含め、相談者の抱える課題がより一層複雑化・複合化している実態を踏まえ、早期 に関係機関間で情報共有を行い、アウトリーチを含む支援につなげることが重要。そのため、アウトリーチすべき対象者の把握や、 関係機関間の連携を進めるための体制強化が必要。
・【論点】→支援会議の設置を促進するため、例えば設置を必須化、少なくとも努力義務化することについて、フードバンク、社会福祉法人の「地域における公益的な取組」、社会福祉協議会等において行われている現物給付の取組など民間団 体による支援との連携強化やプラットフォームの設置等、多様な社会資源を開拓するための方策を講じてはどうか。 多様な層を支援につなげるための周知・広報に更に取り組むべきではないか。また、オンラインツールやSNSを活用した相談支援に 関し、個人情報の取扱いにも留意しつつ、利用促進を図るための方策を講じてはどうか。

○生活困窮者自立相談支援機関の支援体制の確保につい
・【現状と課題】
→新型コロナウイルス感染症拡大の影響により令和2年度には新規相談受付件数が急増、支援員の負担が過大となっ たことなどを背景に、各種支援員の総数は増加したものの、人口規模別にみると、人口10万人以上の自治体の支援員数が全体平均よりも低くなっている。また、各種支援員の専任の割合は約4割〜5割にとどまっている。
・【考え方】→自立相談支援事業の支援員は、従来兼務が多いことに加え、コロナ禍で業務負担が過重となっており、相談窓口としての機能の弱体 化が危惧されている。法の理念に基づく支援を実現するためには、制度の中核を担う自立相談支援機関に支援員を適切に配置することは不可欠であり、相談件数、世帯数、人口規模等を適切に踏まえた配置のあり方の検討等を行い、地域特性に応じた体制を強化す ることが必要。
・【論点】→法の理念に基づく支援を実現するためには、支援実績や支援の質等を考慮した適切な人員体制の確保が重要、そのような人員体制を確保するための仕組みを構築する方策が必要ではないか。 事業の委託先選定⇒良質かつ多様な委託先を確保するため、例えばガイドラインを示すなど更なる方策が必要ではないか。

○被保護者に対する自立支援のあり方について
@ケースワーカーの役割及び関係機関との連携
・【現状と課題】
→ケースワーカーは関係機関との連携を図りつつ各種調査や保護の決定実施、被保護者への相談・助言や、指導・指示等を通じ、必要な各種支援やサービスが利用できるよう総合調整する役割。必ずしも充分な協力が得られていないという課題を感じているケースワーカーも多い。ケースワーカーと被保護者が援助関係を構築する際の妨げとなっていることも指摘されている。
・【考え方】→多様で複雑な課題を抱える被保護者に対して個別の専門的な支援を行うためには、福祉事務所やケースワーカーが、関係機関と連携 しながら支援に取り組むことが不可欠。 こうした連携を今後改善・強化⇒計画的 に支援に取り組んでいくことが重要であり、こうした取組を制度上も後押しする必要がある。
・【論点】→多様で複雑な課題を抱える被保護者に対し、関係機関同士で連携しながら援助を行えるようにするため、その役割分担を明確化した 上で、被保護者の援助に関する計画を作成すること。また、計画の作成をはじめ、関係機関との間で支援の調整や情報共有を充分に行うため、生活困窮者自立支援法や社会福祉法に基づ く支援会議の例を参考に、会議体を設置できるようにすることについて。 計画の作成や会議での情報共有の対象となる被保護者に関し、取組の趣旨を踏まえ、複数の関係機関による緊密な連携による援助が 必要と福祉事務所が判断した被保護者とすることについて。計画の作成や会議の開催に当たり、事務を実施するケースワーカー等の負担についてどう考えるか。

○被保護者に対する自立支援のあり方についてA自立支援プログラム等の各種事業について
・【現状と課題】
→被保護者が抱える多様で複雑な課題に対応するため、平成17年より、自立支援プログラムが導入され、経済的給付に加え、福祉事務所が組織的に被保護者の自立支援を行う制度への転換を目的として各種取組が行われてきた。「自立の助長」⇒経済的自立、日常生活自立、社会生活自立、これら3つの自立が並列の関係、相互関連が前提。その中から必要なプログラムを本人同意の上で決定し、更に、他法他施策や関係機関の積極的活用等実施体制の充実を 図ることにより、被保護者が自らの自立のために行う活動を組織的に支援するものであった。平成25年の法改正により被保護者就労準備支援事業や被保護者家計相 談支援事業(現:家計改善支援事業)が予算事業化され、平成30年の法改正により被保護者健康管理支援事業が法定化された。現状、各自治体で策定している自立支援プログラム⇒一部の自治体では、経済的自立のみならず、日常生活自立や社会生活 自立の観点から、支援対象者の多様な属性に応じたきめ細かな取組が行われているところも。その一方で、全体としてみると、 就労など経済的自立に関するプログラムが多くを占めており、日常生活自立や社会生活自立に関するプログラムを策定している自治 体や策定プログラム数は、相対的に少ない状況にある。
・【考え方】→自立支援プログラムにおける経済的自立、日常生活自立、社会生活自立の3つの自立の概念について、現状を踏まえ、今一度、考え 方を明らかにする必要があるのではないか。 特に、日常生活自立や社会生活自立⇒プログラムを策定している自治体や策定プログラム数を増加させるなど、被保護者への支援の充実を図る必要があるのではないか。
・【論点】→3つの自立の概念について、改めて趣旨を明らかにした上で、日常生活自立や社会生活自立を中心に、自立支援プログラムを活用した自立支援の取組を促すことについてどう考えるか。 さらに、被保護者就労準備支援事業や被保護者家計改善支援事業、居住不安定者等居宅生活移行支援事業について、より多くの被保 護者が支援を受けられるようにする等の観点から、事業を法定化するとともに、生活困窮者自立支援制度との一体的実施を進めるこ とについてどう考えるか。

《参 考 資 料》
○生活困窮者自立相談支援事業について
→生活困窮者からの相談を受け、 @ 生活困窮者の抱えている課題を評価・分析(アセスメント)し、そのニーズを把握 A ニーズに応じた支援が計画的かつ継続的に行われるよう、自立支援計画を策定 B 自立支援計画に基づく各種支援が包括的に行われるよう、関係機関との連絡調整を実施 等の業務を行う。
・期待される効果→生活保護に至る前の段階から早期に支援を行うことにより、生活困窮状態からの早期自立を支援。
○生活困窮者に関する支援会議・支援調整会議について→関係機関の狭間で適切な支援が行われないといった事例の発生を防止するとともに、深刻な困窮状態にある世帯など 支援を必要とする人を早期に把握し、確実に相談支援につなげるため、平成30年改正法で「支援会議」を創設。支援調整会議⇒個々の生活困窮者の支援プランの決定等を行い、継続的な支援を行うことを目的とするもの、目的や対象者の範囲等が異なる。⇒【支援会議と支援調整会議の整理】「支援会議と支援調整会議の事例→富山県黒部市」 参照。
○関係機関間の情報共有を行う会議体(支援会議)の設置状況→平成30年改正で新設された支援会議⇒約4割の自治体が設置済み・設置予定、効果⇒関係機関間の情報共有や役割分担の促進が挙げられている。

○生活困窮者自立支援の機能強化事業→新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金(都道府県等実施分) 62億円の内数 (令和3年度 補正予算51億円 + 令和4年度 予備費11億円)→新型コロナウイルス感染症の発生を契機に、生活困窮者への支援ニーズが増大したことに加え、新たな支援層の顕在化や孤独・孤立問題の深刻化等、従来の支援ニーズよりも多様化している現状を踏まえ、民間団体独自の支援との連携や現場の職員が支援に注力できる環境整備 等を図り、生活困窮者自立支援制度の機能強化を図る。
⇒事業内容@〜J参照。
○生活困窮者自立支援制度に係る委託先の選定にあたっての留意点→平成30年の制度見直しにおいて、「生活困窮者自立支援制度に係る自治体事務マニュアル」を改正し、委 託の選定にあたっては、質を踏まえた選定を行うことを留意点として示した。⇒委託先の選定等⇒事業の質の維持の観点から、これまでの事業の評価結果を踏まえたものであること。事業を利用する方の視点も踏まえた選定が望ましいこと。自治体の契約のルールも踏まえつつ、事業の継続性の観点にも留意。また、制度の着実な実施・浸透を図っていくためには、従事者の質的・量的確保を配慮した視点も重要であること。委託先の選定⇒事業の内容を中心とした総合的な評価を行うことが事業の質の維持等の観点から適切であり、価格のみの評価を行うことはその観点から必ずしも適切でないこと。

○生活保護受給者に対する「自立支援プログラム」について→経済的給付に加え、福祉事務所が組織的に被保護者の自立支援を行う制度への転換を目的⇒実施機関は、管内の被保護者の状況や自立阻害要因を類型化し、自立支援の具体的内容と手順を定めた自立支援 プログラムを類型毎に策定。 様々なプログラムの中から、個々の被保護者に必要なプログラムを本人同意の上決定し、労働部局、医療・福祉施 設、NPO等の関係機関と連携し、被保護者が自らの自立のため行う活動を組織的に支援。自立支援プログラムのイメージ参照。

○自立支援プログラム策定率(令和2年度実績)→自立支援プログラムは、福祉事務所設置自治体の895自治体(98.9%)で策定している。 ○ そのうち、経済的自立に関するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は894自治体(全福祉事 務所(905自治体)に占める割合98.8%、2,578プログラムとなっている一方で、日常生活自立・社会生活自立に関 するプログラムを策定している自治体数及び策定プログラム数は経済的自立に関するものと比べ少ない状況。

○被保護世帯が抱える課題(1.福祉事務所へのアンケート、2.ケースワーカーへのアンケート)→多岐にわたり、複数の課題を抱える世帯も多い。⇒1.新型コロナウイルス感染症の影響により生活保護の申請につ ながった代表的なケースの特徴(回答のあった448例について集計)→病気(メンタルヘルス含む)、→不安定就労(非正規雇用等)が多い。2.担当経験があり、支援に困難さを感じたケースの割合→ひきこもり、アルコール依存、認知症が多い、その他アリ。

○福祉事務所と自立相談支援機関等の関係機関との連携状況(ケースワーカー、福祉事務所長へのアンケート)→ケースワーカーが連携したことがある主な機関・団体等として、地域包括支援センターや、社会福祉協議会、通院・入院 先医療機関、ハローワーク、民生委員・児童委員等が挙げられている。⇒@〜C地域  参照。
○関係機関との連携にあたっての課題(平成29年度社会福祉推進事業「自治体の社会福祉行政職員の業務や役割及び組織体制等の実態に関する調査研究事業」報告書)→関係機関と連携する上では、「業務範囲外のこともケースワーカーに押し付けられる」ことや「役割分担、支援方針 の考え方や違いの調整」が必要になること、「個人情報、プライバシー、守秘義務への対応」が必要になること、 「連携機関間での押し付け合いになる」等の課題があることが指摘されている。

次回も続き「資料3 就労支援のあり方について」からです。

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