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地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第6回)資料 [2021年11月21日(Sun)]
地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第6回)資料(令和3年11月2日)11/21
《議題》(1)保育士の確保・資質向上等について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22015.html
◎資料2 構成員提出資料
《坂ア構成員提出資料》↓
◎第 6 回 地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会
〜保育士の確保と資質向上等について[意見]〜   (福)日本保育協会 坂ア
○対応案@
[保育士の人材確保・定着支援]について→「保育士の処遇改善」は、早期に実現する必要がある。 「保育士確保策の検討」も、「待機児童解消(都市部)」から「人口減少 地域(地理的特性も含めて)」へと転換する必要がある。
・上記を踏まえた、人口減少地域における論点としては次のとおり。↓
@ 給与・働き方・多職種参加→ 保育士以外の「他の資格等を持つ福祉・保健人材の活用」、「活用する場 合の仕組みの構築」が必要である。 最早、人口減少地域では「給与」「働き方」「多職種参加」の 3 点セットは、 不可避と考える。 その他にも、 ・給与面のマイナス部分の補填 ・園児数減少による保育士等の減少に伴う休暇取得の困難さ など、「人口減少地域ならではの困難さ」がある。 このような問題の積み重ねが、保育等の定着に繋がっていない要因に なっている。 給与面での保障と共に、保育士等及びこれらの地域の保育所等の確保 の為の仕組みは早急に必要である。 また、現状の保育時間を成立させるためにも※多職種参加は、待った なしの状況である。その際には、「こども食堂」(子どもの貧困対策)や「障害児対応」(発達 支援策)の導入・協同も視野に入れるべきである。

○対応案A[資質の向上]について→ 人口減少地域におけるオンライン研修の功績は大である。 保育の質を高める観点の記述で、「ノンコンタクトタイムの確保」や「保育 士 どうしで共有する機会の確保」については重要である。 そのためには、定数や働き方の見直しを行わないと実現できない。 また、地域の子育て支援は重要だが、現行の短期大学課程での充実(延長 線) については一部疑問を持っている。現行で充実させるには内容的にも 非常に 厳しいのではないかと思料する。 一般的な問題ではあるが、
自己評価ガイドラインにおいて、保育所自体が評価の充実を図ってきて いることは衆知の事実である。 施設類型において幼児教育の評価に違いがあり、必須として 揃え る必要はないのではないか。 保育所にも施設関係者評価や公開保育等の門戸を開くべきである。 これらが、質の向上の一翼を担っていることは事実であり、その仕組み の導入を保育所でも検討すべきである。 現行の要領や指針を核施設の解説書にして、ナショナルカリキュラム と 言うべき乳幼児期の要領・指針の一本化を望みたい。 また、平成 27 年度から出現した保育教諭の位置づけなど、養成課程や リカレント教育などを検討する時期に来ている。 更に、保育者の給与面など、公定価格にかかわるが保育教諭等の給与 体系などについても検討する時期であると考える。 現行の公定価格設定上、保育士の給与表の適用は福祉職俸給表、幼稚 園 教諭は教育職俸給表であると思うが、かつて保育士(保母)と幼稚園教諭との給与格差是正(特別給与改善費の算入)を図っていた。平成 12 年の福祉職俸給表の創設により、保育士については専門職として の一定の評価はなされたが、認定こども園制度の普及や保育教諭といった 時代に相応しい給与体系の在り方も検討する時期に来ているのではないか。
○[保育士登録制度の厳格化]について↓
先行している教育職員等による法制度を踏まえて検討していくことにな ると思うが、資格で網にかける制度であり、教職員や保育士以外の職種や 関係者の範囲をどうするのか、複数資格のある場合にどうするのか、何よ りも「被害者である子どものケア」も併せて考えるべきではないか。 わいせつ行為に拘わらず、犯罪行為、信用失墜、秘密保持違反など厳 密に 進めるべきであろう。
その他 前述したが 現行の公定価格の療育支援の金額の増加は必須である。 このような人材に対して、キャリアアップ研修と同様の障害児や子育て 支援に対する国レベルの研修は必要。


《遠山構成員提出資料》
○相模原市の人材確保・定着・育成事業

• 施設型給付費に加え、本市独自の処遇向上のための加算 (月額21,000円)
• かながわ保育士・保育所支援センター事業 →神奈川県、横浜市、川崎市、横須賀市、本市で共同運営
• 保育士等就職支援コーディネーターの配置 →本市就職支援センター内に配置
• 保育士宿舎借上げ支援事業 • 保育士修学資金貸付事業、潜在保育士再就職支援事業
• 全ての教育・保育施設に勤務する職員を対象とした「保育者ステッ プアップ研修」の実施

《開構成員提出資料》
<<提案>>
→@地域で担う子ども・子育てに求められる機能(全体)と地域における保育所の役割(個)を整理して考える A転換期だからこそ、優先順位をつける 待機児童対策(量的拡大)から質的向上への転換(まずは在園児保育、 子育て支援への集中)→できる園から地域へ B保育所の中で、保育士とそれ以外の資格免許をもつ職員との専門性の違いを整理する C専門性に関する境界領域の資格免許に関して、保育士だけが学びを拡充(一方的)ではなく、他資格免許が乳幼児期の教育、保育、子育て支援に関する学びを拡充する 互いの歩み寄り(双方向的)
<保育所の機能> ↓
・地域で担う子ども・子育てに求められる機能を整理 → 一体的に相談支援等を行う機能を有する機関がハブ
・地域における保育所の役割→ 保育所だけが担うべきか?保育所のほうがやりやすいのか? 保育所として共通して残す核となる機能の明確化、量的拡大から質的向上へ 初めて本腰で取り組める→「入所する子どもの保育→子どもの最善の利益、福祉を積極的に増進、最もふさわしい生活の場」「入所する子どもの保護者に対する指導→ DV、貧困等の問題について気付く、寄り添う役割」「地域の子育て家庭に対する支援→保育所における通常業務である保育に支障をきたさない範囲で、情報提供と相談及び助言」

<保育所の保育士の役割>
・保育士の専門性 ↓

(1) 保育士に求められる専門性の特徴
@総合性 →乳児期の教育(家庭・地域)+幼児期の教育(家庭・地域・学校)+保育(養護と教育の一体性) +福祉(ソーシャルワーク)⇒ 幅広く知識がある、できることが求められるが、どこまでが範囲か、安易に片手間でできない。 養成課程の問題(4 年制大学、2 年制短大・専門)、得意・不得意、経験不足等の課題。
A生活と遊びの専門家(核1) 子どもと共に生活する者、子どもに生活する力を育てる者、遊びの援助(発達、興味・関心を踏まえた学び)
B一緒になって子育てするパートナー、悩み考えてくれる身近な存在(核2)→身近な相談相手。近所の子育て仲間(一緒になって子育てをする人)、医師等の専門的知識・技術を与えてくれ るというより不安を聞いてくれる、悩みに寄り添ってくれる、一緒になって迷ってくれる、だから一人じゃない、 心強い、嬉しい存在。「困ったね〜、一緒に考えてみよ、ちょっと知り合いの専門家に聞いてみよっか?的な存在」 これを、好き嫌い等ではなく、必要に応じてできることが専門性。

<<提案>> ↓
・児童の保護者に対する保育に関する指導の対象を、将来児童の保護者になることが見込まれる者に拡充
・児童の保護者に対する保育に関する指導 → 児童の保護者に対する保育に関する支援
a 専門的知識及び技術の内容(保育所保育指針解説より) ※乳幼児の発達支援から保護者支援まで 縦・横・ななめが求められている ※本来、他資格免許の専門家が強みをもつ知識及び技術も求められている
A保育所以外の施設・事業又は保育士以外の資格・免許における専門性の評価
1)保育士+αを求める→ 保育士の知識及び技術に他資格免許の知識及び技術を追加
☆一定の要件の下で保育士を配置できる→ キーワード生活と遊び(保育士の知識及び技術)⇒+医療、小学校以降の児童の発達、ソーシャルワーク等の知識及び技術
2)保育士の知識及び技術そのものを求める
☆保育士の配置を必置 児童養護施設、障害児入所施設、児童発達支援センター、児童心理治療施設 →キーワード日常生活、社会生活⇒ ・保育士必置の理由として考えられること 「児童」を対象としていること 「生活」していく力の援助を目指していること

境界領域(複数の分野にまたがる学問分野)→教育、発達、福祉の分野との境界。


《森田構成員提出資料》
◎第 6 回 地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会 提出資料
全国保育協議会 副会長 森田信司
○保育士等の専門性、保育内容の社会的な発信について

全国保育協議会の内部組織である全国保育士会では、下記目的を達成すべく、保育士資格 が国家資格となった 11 月 29 日の前後 1 週間(11 月 22 日〜12 月 6 日の期間)を目途に、 全国保育士会会員が所属する保育所・認定こども園等において、保護者や地域社会に向けた PR ポスターを一斉に掲出している(平成 24 年度から)。
・ポスター掲出の目的 ↓
子どもの育ちを支える保育の内容や保育士・保育教諭の専門性が必ずしも保護者や地域の 方がたから十分に理解されていない状況に鑑み、一人ひとりの子どもの豊かな育ちを支 え、すべての子どもに養護と教育を一体的に提供してきた保育の重要性と社会的役割を保 護者や地域社会に発信し、社会全体で子どもを育てる基盤づくりの取り組みをすすめてい こうとするもの。⇒「ヨコ型ポスター(令和 2 年度版)」「タテ型ポスター(令和 2 年度版)」


◎参考資料 検討会開催要
1.目的
→昨今の保育行政は、待機児童の解消を目的として保育の受け皿整備を行う こと、子どもの健やかな育ちを支える観点から保育の質を確保・向上すること を両輪として各種施策を講じてきた。 こうした中で、待機児童数は着実に減少を続けており、今後は地域の特性に 応じた支援を進めていくため、令和2年 12 月 21 日に「新子育て安心プラン」 を取りまとめた。 一方で、子どもの数や生産年齢人口の減少、地域のつながりの希薄化等を踏 まえ、地域における保育の提供の在り方を検討することが必要となっている。 また、我が国の今後の人口構造等の変化を見据えると、これが地域だけの問題でなく、全国的な課題になることも想定される。 このため、子ども家庭局長が学識経験者等に参集を求め、中長期的な視座に 立って、今後の保育所や保育士等の在り方について検討することとする。
3.主な検討事項 →(1)地域における保育所等の役割に関すること (2)今後の地域・社会情勢を踏まえた保育士等の在り方や確保方策に関すること (3)その他保育所や保育士等の在り方に関すること
○(別紙)「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会」
・構成員名簿→12名。(オブザーバー)→3名。

次回は新たに「第3回雇用と福祉の分野横断的な基礎的知識・スキルを付与する研修の構築に関する作業部会(資料)」からです。

地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第6回)資料 [2021年11月20日(Sat)]
地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第6回)資料(令和3年11月2日)
《議題》(1)保育士の確保・資質向上等について (2)その他
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_22015.html
◎資料1 保育士の確保・資質向上等
《保育士の確保と資質向上》
○保育士の確保と資質向上
・論点
→生産年齢人口の急減や地域の子育て支援における保育所の役割を踏まえた、保育士の確保策や資質の向上策につい てどのように考えるか。
・対応の方向性→従来から進めてきた取組を引き続き推進、特に人口減少地域で保育士以外も含めて地 域で保育の提供を支えていく仕組みの構築や保育の質の改善のための環境整備を推進していくほか、地域子育て支援 としての役割・機能を果たすことができるような評価や研修体系の整備の検討などを進めていく。
・構成員からの主な意見→<保育士の量的確保について>4意見。<保育士の資質の向上について>8意見。
○保育士の確保と資質向上@↓
・対応案@【保育士の人材確保・定着支援】↓以下の3つの局面の支援。

@新規資格取得者への支援→保育士修学資金貸付の実施などにより養成校に通う学生への支援や、試験合格を目指す者への教材費等への支援を引き続き実施していくことが重要。
A就業者への定着支援→地域で就業することのインセ ンティブ方策を検討するとともに、保護者支援や地域子育て支援などに高齢者を含む子育て経験者等を更に活用する など、保育士以外も含めた地域全体で保育の提供を支えていくことが必要
B離職者の再就職支援→再就職する際に必要な費用の貸付の実施などを引き続き実施していくとともに、多 様で柔軟な働き方を選択できるような勤務機会の創出の在り方について、検討していくこととしてはどうか。
<魅力発信等>→地域に開かれた保育 所として、地域住民への情報提供を行うともに、積極的に保育所が地域支援を行うための方策について検討する。
<処遇改善>→引き続き、財源の確保 と併せて検討していくことが重要である。
・保育士確保対策を検討するに当たっては、これまで主に待機児童解消のための都市部向けの取組を中 心に検討してきた側面もあるが、今後は地域における保育士の確保という観点にも留意しながら取組を行うことが必 要である。
・保育人材の確保に向けた総合的な対策→「新子育て安心プラン」に基づく約14万人分の保育の受け皿整備に必要となる保育人材(新たに約2.5万人)の確保を含め、 処遇改善のほか、保育の現場・職業の魅力向上を通じた、新規の資格取得、就業継続、離職者の再就職の支援に総合的に取り組む。
・保育士修学資金貸付等事業
・保育所等におけるICT化推進等事業【新規】
・保育補助者雇上強化事業【拡充】
・若手保育士や保育事業者等への巡回支援事業【拡充】
・【概要】保育の現場・職業の魅力向上検討会 報告書(令和2年9月30日公表)
1.基本的な考え方
2.具体的な方策→@保育士の職業の魅力発信・養成の充実 A生涯働ける魅力ある職場づくりB保育士資格保有者と保育所のマッチング⇒それぞれ(具体的な取組)あり参照。

・(参考)子ども・子育て支援新制度施行後5年の見直しに係る対応方針について(令和元年12月10日子ども・子育て会議)(抄)→更なる処遇改善について、必要な財源の確保や改善努力の見える化と併せて引き続き検討すべきである。

○保育士の確保と資質向上A
・対応案A【資質の向上】
→6対応案あり。次回の保育所保育指針の改定に際して、地域単位での資質向上に向けた取組に関する記載の拡充などを検討するとともに、こども目線での行政の在り方に関する検討等も踏まえ、認定こども園、幼稚園の要領や研修内容等 との更なる整合性を図るなどにより、一定以上の保育の質を確保できる体制づくりを推進していくことが必要
・保育環境改善等事業→障害児を受け入れるために必要な改修等や病児保育事業(体調不良児対応型)を実施するために必要な設備 の整備等に必要な費用の一部について支援
・保育所等における保育の質の確保・向上に関する検討会 議論のとりまとめ【概要】2020(令和2)年6月26日
・「保育所における自己評価ガイドライン(2020年改訂版)」の概要
・保育所における自己評価等に関する実態調査@(自己評価の実施状況)→「園において自己評価を行っている」2,098か所(80.4%)。 「自己評価を行っていない」と回答したのは、 421か所(16.1%)。
・保育所における自己評価等に関する実態調査A(自己評価結果の公表状況)→「を公表している」769か所(36.7%)。 「公表していない」、1,272か所(60.6%)。
・「福祉サービス第三者評価事業」の保育所等における受審の状況→過去5年以内に受審22.3%、受審してい ない71.8%。
・過去に保育士として就業した者が再就業する場合の希望条件(複数回答)→通勤時間、勤務日数、勤務時間等が多く挙げられている。
・保育士として就業を希望しない理由(複数回答)→働く職場の環境改善に加え、再就職に当たっての課題も多く挙げられている
・保育士の専門性と他の施設・事業、資格との関係について→保育士に求められる専門性は、乳幼児の発達支援から保護者支援まで幅が広い 保育所以外の施設・事業又は保育士以外の資格においてもその専門性が評価されている

《保育士の資質の確保》
○保育士の資質の確保
・論点
→わいせつ行為を行った保育士の対策など、保育士に求めるべき最低限の資質の確保策について、教員の取扱い等を 踏まえ、どのように考えるか。
・対応の方向性→5つの対応。引き続き、監査等を通じた保育所・保育士に関する最低限の質を確保していくとともに、 わいせつ行為を行った保育士について、登録の取消しや再登録等について、教員と同様の対応を行うこととする。
・構成員からの主な意見→3意見あり。わいせつ行為を行い保育士の再登録を可能とすることが適当かどうかについては、性犯罪心理の専門家などにもヒアリングを行うべき。保育所に復帰してきた時にも保育所任せにするのではなく、再教育や性犯罪を犯した後のケアに関する専門家のフォローアップ 等が必要である。おむつ替えが必要な子どもを担当することや一人担任を行うことについてのプロセスをどうするかなどについて、非常 に慎重に進めていくべきである。

○保育士の資質の確保@
・対応案@【最低基準の遵守等】
→一部の悪質な事案の発生により、保育所・保育士の信用が傷つくことはあってはならない。こうしたことがないよう、自治体は これらが適切に確保できているよう、児童福祉法の規定に基づき必要な監査に引き続き努めることが重要。 また、保育士の登録が取り消された保育士については、保育士を名乗り保育を行うことが相応しいと認められない ことから、引き続き登録を取り消された保育士の保育士証の返還を厳格に求めるなど、保育士の資格管理を徹底的に 行うことも重要である。
・対応案A-1【保育士登録制度の厳格化】→(1)登録禁止期間の延長(保育士の登録禁止期間を、教員と同様、 禁錮以上の刑に処せられた場合は期限を設けず、それ以外の場合は3年 に見直すこととしてはどうか。)。(2)取消事由の追加(わいせつ行為には刑に処せられる場合以外 にも様々な態様があることから、保育士資格を有する者の適性を確保するため、教員と同様、こうした行為について も保育士の登録を取り消さなければならない事由とすることとしてはどうか。)
・(参考1)保育士及び教員の欠格事由及び登録禁止期間の比較

○保育士の資質の確保A
・対応案A-2【保育士登録制度の厳格化】
→(3)わいせつ行為により保育士の登録を取り消された者の再登録の制限(都道府県においては、新たに審査会を設置するか、既存の都道府県児童福祉審議会において、再登録の可 否について審査し、その意見を聴いた上で判断することとしてはどうか。)。( 4)わいせつ行為により保育士の登録を取り消された者の情報を把握する仕組みの創設(今般成立した教員に関する議員立法の仕組 みと同様、国においてわいせつ行為により保育士の登録を取り消された者の情報が登録されたデータベースを整備す るなどわいせつ行為を行った保育士の情報を保育士を雇用する者等が把握できるような仕組みを構築することとして はどうか。)
・(現行)犯罪を犯した保育士に対する登録の取消しの流れ
・教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和3年法律第57号)概要
・わいせつ行為等に係る保育士登録取消処分の実態調査結果@→計64名
・わいせつ行為等に係る保育士登録取消処分の実態調査結果A→従事先施設の就学前児童が最も多い。
・保育士登録の取消事務に関する実態調査結果→再登録申請の状況あり。
・(参考1)教育職員免許法 (昭和二十四年法律第百四十七号)(抄)→(失効等の場合の公告等) 第十三条
・(参考2)教育職員免許法施行規則等の一部を改正する省令の公布について(通知)(令和3年2月26日)(文部科学省総合教育政策局長 通知)(抄)→ 第一 改正省令の概要⇒ 今回の改正は、わいせつ行為等を含めた懲戒免職処分等の理由の主な類型等を教員免許状の失効又は取上げに係る官報公告事項として規定することで・・・。令和3年4月1日から施行。
・(参考3)教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和三年法律第五十七号)(抄)→(任命権者等の責務) 第七条、 (データベースの整備等) 第十五条
・(参考4)教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和三年法律第五十七号)(抄)→(特定免許状失効者等に対する教育職員免許法の特例) 第二十二条、(都道府県教育職員免許状再授与審査会) 第二十三条
・(参考5)児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)(抄)→都道府県に児童福祉に関する審議会その他の合議制の機関を置くものとする。A 前項に規定する審議会その他の合議制の機関(以下「都道府県児童福祉審議会」という。)は、同項に定めるもののほか、児童、妊産 婦及び知的障害者の福祉に関する事項を調査審議することができる

次回も続き「資料2 構成員提出資料」からです。

東京栄養サミット2021厚生労働省準備本部 資料 [2021年11月19日(Fri)]
東京栄養サミット2021厚生労働省準備本部 資料(令和3年10月27日)
《議事》 東京栄養サミット 2021 に向けた厚生労働省の対応方針(案)に ついて
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21863.html
◎資料 1 東京栄養サミット 2021 について ↓
・「栄養サミット」は、ロンドンオリンピック・パラリンピック競技大会を契機に英国が開始した栄養改善に向けた国際的 取組で、2013年にロンドンで、その後2016年にリオで開催され、本年、東京で開催予定。
・東京開催では、これまで議論の中心であった低栄養だけではなく、低栄養と過栄養が併存する「栄養不良の二重 負荷」をも対象とした上で、これらの解決に向けた議論を予定。
・厚生労働省は我が国の栄養行政を中心的に担う省庁として、これまでの栄養政策の知見・経験を基に本サミットに 参画し、「持続可能な開発目標 (SDGs)」の達成に向けて、さらに今後の栄養に関する国際貢献(諸外国での 栄養政策の立案・展開支援)につなげていく。
○【開催概要】↓
・日程・場所 →2021年12月7日(火)、8日(水)に都内にて開催

・主催 →日本政府(外務省・厚生労働省・農林水産省他)
・想定される出席者→ 各国政府、国際機関、学術機関、市民社会、民間セクター等
・目的→世界の栄養改善の現状と課題を確認し課題解決のための国際的な取組を推進する。


◎参考資料1 東京栄養サミット 2021 厚生労働省準備本部設置規定
(設置) 第1条 令和3年 12 月に東京で開催する東京栄養サミット 2021 の開催に向け た準備を省内横断的に調整する体制を確保するため、厚生労働省に「東京栄 養サミット 2021 厚生労働省準備本部」(以下「本部」という。)を設置する。
(組織) 第2条 (プロジェクトチーム) 第3条 (庶務) 第4条 (補則) 第5条
 
◎参考資料2 東京栄養サミット 2021 に向けたパンフレット及び動画 の作成について
・「東京栄養サミット2021」を契機として、国内外の栄養改善に向けた機運が高まるよう、 100年以上続く、日本の栄養政策のあゆみを分かりやすくまとめた、パンフレットと動画 「誰一人取り残さない日本の栄養政策 〜持続可能な社会の実現のために〜」を作成。
・日本語、英語、フランス語、スペイン語の4か国語分を用意。

◎参考資料3 栄養サミットについて
○2013年栄養サミット(ロンドン)の様子
○東京栄養サミット2021の開催

・「栄養サミット」は、英国が開始した栄養改善に向けた国際的取組→これまでの栄養サミットは、飢餓を始めとする低栄養が中心であったが、東京開催では、過栄養のほか「栄養不良の二重負 荷」をも対象とした上で、これらの解決に向け、持続可能な開発目標(SDGs)の推進にも資する議論を予定。
○<参考>栄養改善に関連する国際的取組と主な目標内容
○ロンドンサミット(2013年)でのコミットメント

・成果文書 「Nutrition for Growth Compact(成長のための世界的な栄養コンパクト)」 概要→12か国が国家の発育阻害削減を目標: 「2020年までに、2000万人の子どもを発育阻害から守り、170万人の命を救う」
・日本政府によるコミットメント→TICAD5(アフリカ開発会議(TICAD)|外務省 (mofa.go.jp))で発表した、今後5年間にわたる、保健分野への5億ドルの支援や、母子の栄養 不良を予防するための支援を含む世界銀行を通じた1億ドルの支援の実施
○栄養改善の取組は、持続可能な開発目標(SDGs)の17ゴール のうち、少なくとも12ゴールの達成に貢献するとされている

○東京栄養サミット2021の5つのテーマ
1 健康 : 栄養のユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)への統合
2 食 :安全で 持続可能かつ健康的な食料システムの構築
3 強靭性 : 脆弱な状況下における栄養不良対策の促進
4 説明責任 : データに基づく説明責任の促進
5 財源 : 栄養のための資金調達の推進

◆東京栄養サミット2021厚生労働省準備本部↓
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08874.html

次回は新たに「地域における保育所・保育士等の在り方に関する検討会(第6回)資料」からです。

第42回労働政策審議会雇用環境・均等分科会 [2021年11月18日(Thu)]
第42回労働政策審議会雇用環境・均等分科会(令和3年10月25日)
<議題>(1)と(2)に関しての(諮問) (3)令和4年度予算概算要求について(雇用環境・均等局関係)
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21854.html
◎資料1 次世代育成支援対策推進法施行規則の一部を改正する省令案要綱(諮問)
第一 次世代育成支援対策推進法第十三条の厚生労働省令で定める基準の見直し 次世代育成支援対策推進法第十三条の認定の類型を次の四類型とし、それぞれ の類型についての基準を次のとおりとすること。
第二 法第十五条の二の厚生労働省令で定める基準の見直し 法第十五条の二の認定の類型を次の二類型とし、それぞれの類型についての基準を次のとおりとするこ と。

一 1から3までのいずれにも該当する一般事業主であること。
1中小事業主において、その雇用する男性労働者のうち育児休業等をしたもの又は小学 校就学の始期に達するまでの子について育児目的休暇制度を利用したものがいない者に限る。第三 法第十五条の三第二項の厚生労働省令で定める公表事項の見直し
第四 その他
一この省令は、令和四年四月一日から施行すること。


◎資料2 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則 の一部を改正する省令案要綱(諮問)
第一 育児休業の取得の状況の公表の方法
第二 育児休業の取得の状況として公表しなければならない事項
法第二十二条の二の規定により、常時雇用する労働者の数が千人を超える事業主が、その雇用する労働者の育児休業の取得の状況として公表しなければならない事項は、次のいずれかの割合とすること。
一その雇用する男性労働者であって法第二十二条の二の規定により公表を行う日の属する事業年度の直 前の事業年度において配偶者が出産したも のの数に対するその雇用する男性労働者であって公表前事業年度において育児休業等をしたものの数の割合
二その雇用する男性労働者であって公表前事業年度において配偶者が出産したものの数に対する、その 雇用する男性労働者であって公表前事業年度において育児休業等をしたものの数及び小学校就学の始期 に達するまでの子を養育する男性労働者を雇用する事業主が講ずる育児を目的とした休暇制度(育児休 業等及び子の看護休暇を除く。)を利用したものの数の合計数の割合
第三施行期日  この省令は、令和五年四月一日から施行すること


◎資料3 令和4年度概算要求の概要
○令和4年度 雇用環境・均等局関係 概算要求の概要
○ー 令和4年度概算要求のポイント ー
第1 雇用の確保や労働移動の推進、女性や就職氷河期 世代、高齢者等の多様な人材の活躍促進
1 雇用の維持・在籍型出向の取組への支援 *(6,809億円)

2 女性・非正規雇用労働者へのマッチングやステップアップ支援、 新規学卒者等への就職支援 372億円(363億円)
3 デジタル化の推進、人手不足分野への円滑な労働移動の推進 128億円(113億円)
4 キャリア形成支援の推進 21億円(21億円)
5 女性活躍・男性の育児休業取得等の促進 178億円(193億円) うち雇用環境・均等局分 138億円(152億円)
6 就職氷河期世代の活躍支援 796億円(679億円)↓
(2)就職氷河期世代の失業者等を正社員で雇い入れる企業への助成金等の活用 21億円(14億円)
(3)地域若者サポートステーションにおける就職氷河期世代の無業者の支援 47億円(52億円)
(5)就職氷河期世代の活躍支援のための都道府県プラットフォームを活用した支援等 5.3億円(6.4億円)
(6)ひきこもり支援の充実及び良質な支援者の育成【一部新規】【一部推進枠】 674億円の内数(555億円の内数)

7 高齢者の就労・社会参加の促進 283億円(303億円)
8 障害者の就労促進 177億円(181億円)
(1)中小企業をはじめとした障害者の雇入れ支援等【一部新規】136億円(137億円)
(2)精神障害者、発達障害者、難病患者等の多様な障害特性に対応した就労支援 31億円(32億円)
(3)障害者の雇用を促進するためのテレワークの支援(一部再掲・(1)参照) 13億円(15億円)
(4)公務部門における障害者の雇用促進・定着支援 2.7億円(3.3億円)
(5)雇用施策と福祉施策の連携による重度障害者等の就労支援 7.7億円(7.7億円) →雇用施策と福祉施策が連携し、企業が障害 者雇用納付金制度に基づく助成金を活用しても支障が残る場合や、重度障害者等が自 営業者として働く場合等で、自治体が必要と認めた場合に、地域生活支援促進事業に より支援を行う。

9 外国人に対する支援 107億円(115億円) うち雇用環境・均等局分 14百万円(14百万円)
10 労働者協同組合の設立の支援【新規】【推進枠】1.0億円→ 円滑な法律の施行のため、都道府県と連携し実施する労働者協同組合に関するフォーラムの開催や、組合の設立を希望する方への相談支援等を行う。

第2 労働環境の整備、生産性向上の推進
1 柔軟な働き方がしやすい環境整備 24億円(33億円) うち雇用環境・均等局分 22億円(30億円)
2 安全で健康に働くことができる職場づくり 288億円(290億円) うち雇用環境・均等局分 48億円(50億円)
(4)総合的なハラスメント対策の推進 39億円(41億円)→ @ 職場におけるハラスメント等への相談及び周知啓発の実施 38億円(41億円) A中小企業へのハラスメント対策取組支援【新規】 24百万円 B カスタマーハラスメント対策等の推進【新規】 30百万円
3 最低賃金・賃金の引上げに向けた生産性向上等の推進、同一 労働同一賃金など雇用形態に関わらない公正な待遇の確保 296億円(285億円) うち雇用環境・均等局分 29億円(41億円)
4 治療と仕事の両立支援 33億円(33億円)


◎参考資料1 次世代育成支援対策推進法施行規則の一部を改正する省令案に関する意見募集(パ ブリックコメント)に寄せられた御意見について
(令和3年9月 21 日から令和3年 10 月 20 日まで実施)→意見数 2件 。
○主な意見
→改正前と改正後のそれぞれの(見込み)認定企業数・割合をお示しください。 また、この改正により、どの程度出生率の向上を期待しているかについても、 併せてご提示ください

◎参考資料2 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律施行規則 の一部を改正する省令案に関する意見募集(パブリックコメント)に寄せられた御 意見について
(令和3年9月 21 日から令和3年 10 月 20 日まで実施)→意見数 3件。
○主な意見↓

・出産・育休取得が事業年度をまたぐケースは、どのように計算すればよいか ご教示いただきたい。 ・公表する数字は割合だけでなく、分母と分子の数字も入れるべきではない か。 ・改正法について、基準となる常時雇用する労働者の数が千人を超える場合とするのは、基準となる数としてはあまりに多過ぎるので、三百人あるいは百 人といった数が適切と考える


◎参考資料3 令和4年度予算概算要求における重点要求(参考資料)
○目次のみ↓

ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現
●多様な人材の活躍促進 ・女性活躍・男性の育児休業取得等の推進
・外国人に対する支援
・労働者協同組合の設立の支援
●誰もが働きやすい職場づくり
・柔軟な働き方がしやすい環境整備、 安全で健康に働くことができる職場づくり
・最低賃金、賃金引上げに向けた生産性向上等の推進、 同一労働同一賃金など雇用形態に関わらない公正な待遇の確保・・・・26
子供を産み育てやすい社会の実現
・不妊症・不育症に対する総合的支援の推進

次回は新たに「東京栄養サミット2021厚生労働省準備本部 資料」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月17日(Wed)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎参考資料6 次期基本計画に関する団体ヒアリングにおける意見書
○「成年後見制度利用促進」に向けたヒアリング用  意 見 書
一般社団法人日本認知症本人ワーキンググループ 代表理事 藤田 和子
【1.成年後見制度の運用改善や成年後見制度のあり方について】
1.成年後見制度の理念が浸透し、守り続けられるように
→ @「誰のために、何をめざした」制度か、その基本理念*が私たち認知症の本人や住民、関係者 に浸透しないまま、制度の利用促進や運用が進められてしまっている。 A基本理念を飾り物にせず、その意味や重要性こそ、もっとしっかりと浸透をはかり、基本理念 を守り続けるための制度として改善していってほしい。

2.すべてにおいて、本人視点、本人参画を徹底し、本人の声をもとに→ @上記1のためには、「本人からみてどうか」本人視点にたって考え、取組み、見直しや改善を続 けていくことを、あたりまえのルールとしてほしい。 A本人視点といいつつ、それをおざなりにして家族や周囲の視点にたって進められている現状が ある。本人視点を形骸化させないために、本人が必ず参画し、本人が声を出せ、それが大切に されることを、市町村における計画・実施段階において、あたりまえのルールとしてほしい。

3.本人が知り、利用のメリット・デメリットについて自分なりに考えられる情報提供を→ @現在の制度に関する(具体的な)情報が、私たち本人には、皆無といっていいほど届いていない。「普及をしている」でなく、私たち本人に行き届くための方策を私たち本人と一緒に工夫してほしい。 A様々な情報・チラシ等が作られているが、私たち本人には非常に読みにくく、わかりにくい。本人が読めて、わかるための情報発信の配慮をしてほしい。 B今ある情報は、どちらかというと家族や支援者向けのものが多く、私たち本人が利用した場 合のメリット・デメリットについて本人が知り、自分が利用を考えていく参考になる情報が 非常に不足している。特に、利用した本人が「制度を利用してよかった」「利用したことでこう いう暮らしを続けることができている」という本人の実際の情報がほしい。

4.制度利用の評価を、本人参画、本人の声をもとに →@上記 3 とも関連して、すでに制度を利用している多数の認知症の本人が制度を利用してどう だったか、その評価結果を知りたい。 A判断能力が低下しても、私たち本人は今の暮らしや状態がいいかどうか、声やサインで発信 できる(発信している)。今後、制度利用、制度のあり方の評価・改善には、必ず本人が参 画し、本人の声をもとになされるルールにしてほしい。

【U.権利擁護支援の地域連携ネットワークの充実に関すること】
☆基本的考え方・進め方は、上記Tを踏まえて ↓
1.「権利擁護」の発想の転換を:日常生活の中での権利擁護を基本に浸透を
→ @「権利擁護」支援、イコール「高齢者虐待」、「権利擁護にかかる処遇困難事例の対処」など、非常に限定的な発想や取組みでとどまっている自治体や専門職が多い。 問題対処としての発想ではなく、「本人が権利を守られることはあたりまえのこと」、「理念倒れではなく、あたりまえの権利の保障である」という発想に転換することに力を注いでほしい。 A認知症施策推進大綱でも、共生が目指されている。大綱を推進し実現していくための根幹と して、「権利擁護」を肩苦しいお題目にせずに、私たち本人が日常の生活の中で自分らしく暮ら していくための権利擁護という考え方や実際をリアルに広げていってほしい。

2.本人が認知症と向き合いあたりまえの権利を知って決めていけるプロセスの重視を: ピアサポートを権利擁護のネットワークの中に
→ @私たち本人がよりよく生きていくためには、自分の中に起きている認知症と向き合い、折り合 いをつけながら自分なりに考え、決めていくプロセスがとても重要だと実感している。 A社会の中に偏見が根強く残っている中でも、私たち本人が自分を保ち(自分を取り戻し)自分なりに決めていくためには、一足先に前向きに暮らしている本人仲間と出会い、あたりまえに 暮らし続けていける可能性や権利を実感的に知る体験が非常に大きな力になっている。 Bそうした本人同士の出会いや支え合いのための「ピアサポート」を、権利擁護支援のネットワ ークの中にしっかりと位置付けてほしい。

3.自分を守るために、信頼できる人に出会え、託せるように;出会い、伴走を→ @私たち本人は、今と将来にわたって、自分を守っていくために信頼できる人を切実に求めて いる。認知症や問題だけを見るのではなく、私たち本人をしっかりと見つめて、私たちの声 をよく聴きながら望むこと(それが変わりうること)を知ってくれて、「この人なら託せる」と 実感できる存在を求めている。 Aそうした存在と出会い、関係を育むためには時間が必要である。そのためにも認知症になっ たできるだけ早い段階から、私たち本人が味方になってくれる人と身近な地域で出会い、語り合い、ともに歩んでいく体験を日常生活の中で重ねていくことをネットワークでは重視してほ しい。(本人との関係作りを抜きにした安易な後見人の選定や変更にならないために)。

4.研修・人材育成を私たち本人とともに→ @今後今まで以上に、地域連携ネットワーク作りが進められ、その関係者の研修・人材育成が 活発になっていくことが期待されるが、本人抜きで進められないように、地元の本人が、研修 の企画や実施・評価に参画するルールとしてほしい。 A各自治体/組織のみでは、本人参画が難しい場合は、広域の本人に参画を求めたり、JDWG に協 力を求めるしくみとしてほしい。

5.私たち本人の望みや力(可能性)を知ってほしい
最後に、私たち本人は、認知症の原因疾患やレベル、年齢等によらず、一人ひとりが、 その人の人生の主人公であり、外見上からははかり知れない希望、可能性をもっていることを 広く周知してほしい。 *「認知症とともに生きる希望宣言」「希望のリレー」を広げて下さい。      以上

○認知症とともに生きる希望宣言↓
1 自分自身がとらわれている常識の殻を破り、 前を向いて生きていきます。
2 自分の力を活かして、大切にしたい暮らしを続け、 社会の一員として、楽しみながらチャレンジしていきます。
3 私たち本人同士が、出会い、つながり、 生きる力をわき立たせ、元気に暮らしていきます。
4 自分の思いや希望を伝えながら、味方になってくれる人たちを、 身近なまちで見つけ、一緒に歩んでいきます。
5 認知症とともに生きている体験や工夫を活かし、 暮らしやすいわがまちを一緒につくっていきます。
○「認知症とともに生きる希望宣言」は、↓
わたしたち認知症とともに暮らす本人一人ひとりが、 体験と思いを言葉にし、それらを寄せ合い、 重ね合わせる中で、生まれたものです。 今とこれからを生きていくために、一人でも多くの人に 一緒に宣言をしてほしいと思っています。 この希望宣言が、さざなみのように広がり、 希望の日々に向けた大きなうねりになっていくことを こころから願っています。 それぞれが暮らすまちで、そして全国で、 あなたも、どうぞごいっしょに。


◎成年後見制度利用促進に関する国の次期基本計画に向けてヒヤリング意見
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会

この制度は、一定以上の収入や財産がなければ報酬認定があっても実際には被後見人から徴収できないため、誰もが同水準の支援を受けられる制度とはなっていないと感じています。親族も誰もいないすべての当事者(被後見人)を確実に守るために、国、市町村長、人権擁護機関、家庭裁判所、後見人、地 域支援者が連帯して、保護者、後見人の役を担ってほしい。身上保護を主とする成年後見も視野に、被後 見人の財力に応じた報酬基準だけでは、日常生活費程度の財力しかない人も、十分な資産を持つ人も同じ水準で制度利用できなければ、何のための成年後見制度なのかが問われると感じます。障害がある方 たちとその家族が「親亡き後」の心配をしなくてよい制度にしてほしい。親族と交際が途絶え、孤立して いるすべての当事者を、守れる制度にしてほしい。どんなに貧しい人でも使える制度にすべきです。 親族が誰もいないすべての要支援者を確実に守るために、国、市町村長、人権擁護機関、家庭裁判所、 後見人、地域支援者が連帯して、保護者、後見人の役を担ってほしい。報酬を払えなくても、利用できる 制度にしてほしい。障害がある方たちとその家族が「親亡き後」の心配をしなくてよい制度にしてほしい。親族と交際が途絶え、孤立しているすべての要支援者を、守れる制度にしてほしい。
すなわち、自己決定権の制限のある中で、いかなる自己決定支援をどのように担保していくのか、その ためにも社会モデルの徹底をおこなうための連携が生かさなければならない。 本人を保護しようとするあまりに、その自己決定を封じ込めてしまう成年後見制度の利用は、財産関係 がとても複雑で高額である場合や悪意で財産を狙う人から本人が逃れられないでいる場合のような特殊 な場合に限られるべきではないかと思います。
報酬認定は、家庭裁判所が成年後見人の業務や成年被後見人の資産などを総合的にみて合理的な金額 を定めることになっています。しかし、実際には書記官等のマンパワーも不足していることから、後見業 務内容の十分な実態把握をするのは困難な状況にあります。そのことから定期報告書による書面での確 認に偏重せざるを得ない体制をそのままに、今回の報酬基準を設けることになれば、より家庭裁判所が 後見業務内容を実態確認・把握できないことになり、裁量権が実質的には狭められることのないように してほしいです。 そうでなければ、後見人からの定期報告が報酬基準をクリアするための報告になりかねず、被後見人と なる当事者が真の人権擁護を受けられているかを見失っているにも関わらず、書類上は成年後見業務が 適正と判断されてしまわないか危惧します。
最後に自己決定の困難さがあるなかで、本人が後見人の交代を希望する事案等が生じる場合にはどの ようにその意思を反映させていくことができるのか。精神障害のある人の場合、信頼と安心のできる対 話の輪を粘り強く作りあげて、対話を続けていくことで意思を通わせることを後見業務にいかに落とし 込むのかも注視していきたい。

◎全国「精神病」者集団のヒアリング意見書  
T 次期成年後見利用促進基本計画に追加すべき事項
(1)障害者の権利に関する条約の第 1 回締約国政府審査に係る事
項→ 計画には、「障害者の権利に関する条約第三十六条及び第三十九条に基づき障害者の権利 に関する委員会からの提案及び一般的な性格を有する勧告が行われたときには、障害者を 代表する団体の参画の下で、当該提案及び勧告に基づく現状の問題点の把握を行い、関連法 制度の見直しを始めとする必要な措置を講ずること」が必ず明文化されるべきである。
2)当事者参画の必要性 →成年後見制度利用促進専門家会議には、ピアサポーターの職能団体からの参加はあるものの、病棟患者自治会、地域患者会、都道府県連合会、自立生活センタースタッフ等の幅広 い精神障害者の声をシェアする障害者団体の参画までには至っていない。障害者の権利に 関する委員会一般的意見第 7 号によると、障害者団体は障害者の権利に関する条約に協力 し擁護する義務を負うものである。今後は、全国「精神病」者集団から推 薦を受けた精神障害者を成年後見制度利用促進専門家会議の構成員に加えるとともに、以 下において適宜意見するとおり、各種ガイドライン等の策定過程におけるヒアリングも積 極的におこなうことを求める。
(3)尊重すべき事項→次期計画には、障害者の権利に関する委員会による一般的意見第 1 号を尊重した政策の 実施を明文化することが必要である。
(4)民法等の改正に向けた体制づくり→次期計画には、成年後見制度の見直しに係る民法及び民事訴訟法、家事事件手続法等の改 正に向けた検討を開始するための関係省庁会議を障害者団体の参画のもとで実施すること の明文化を求める。 民法等の改正の具体的なポイントを提言すると、⇒@障害者の法的能力の平等な享受の明 文化、A精神上の障害要件の削除、B事理弁識能力要件から社会的障壁の除去必要性要件へ の修正、C行為能力の制限範囲の限定、D意思決定支援の明文化、E補充性原理の導入、F その他、関連法制度の見直し、G実体的に障害を理由とした不平等を形成する事案への取り 組みの検討の 8 点があげられる。
(5)附帯決議 成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関す る法律案に対する附帯決議の衆議院附帯決議の 1〜4 と参議院附帯決議 5〜8 は、全国「精神病」者集団の提言によって成文化されたものである。次期計画は、当該附帯決議を踏まえて策定されなければならない。

U 現行の成年後見制度利用促進基本計画において修正等が必要な事項
1 利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善
(1)利用促進という表現ぶりの変更
→現行計画及び中間評価には、「早期の段階からの制度の利用を促進」や「制度の利用によるメリットや参考事例」の周知が書き込まれているが、本来はメリットだけではなく公平か つ多角的な情報提供が必要とされるはずである。例えば、生活環境が変化したとしても機能 障害に変更が見られなければ後見の取消し決定が出にくいだとか巷でもトラブルの多い情報についてもきちんと公平に伝えていく必要がある。そして、なによりも次期計画において は、「利用促進」などの審判及び決定件数の増加を彷彿させる表現をすべて削除するととも に適正化などの表現に改められるべき。
(2)後見制度以外の選択肢の拡充 次期計画には、成年後見制度ではない意思決定支援の選択肢にかかわる利用促進についての検討を書き込む必要がある。
(3)必要な時だけ利用できる方法の検討→ 後見等の決定は、変化のない機能障害の場合、“死亡するまではずせない”ことが一般的。次期計画には辞任や交代だけではなくやめたいときにやめれるなど必要な時だけ 利用できる方法の検討について書き込む必要がある。
(4)後見人等の交代の推進→ 現行計画に掲げられている後見人等の交代の推進は、進んだものと評価。しかし、 後見人等であった前任者と後任者の間で行き違いや責任の所在が不明となっている事例が確認されている。次期計画には、後見人等が交代のために辞任した後の引き継ぎ等についても中核機関等を含む地域連携ネットワークがフォローできる体制を検討していくことを書き込む必要がある。
(5)社会的障壁にフォーカスを当てた審判を可能とすること→ 民法には、精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある者等の規定があるため、社会的障壁を見ずに機能障害のみを根拠にして審判が進められることになる。現行計 画に基づく診断書の書式改定及び本人情報シートの運用開始は、現行法の中で最大限に環 境因子を入れようとしたものであると評価しているが、本人情報シートが提出されずとも 審判が進められている現状があり、民法改正によらなくては達成されない課題があること を検討のなかで確認していく必要がある。 また、診断書の書式改定は、精神障害当事者の不在のまま検討が進められた経緯があり、 既述の通り当事者参画の上で再検討されるべきである。
(6)後見開始申立書の統一書式→最高裁判所は、2020 年 4 月 1 日から成年後見開始等申立書統一書式の運用を開始した。 申立書統一書式には、精神上の障害を申告する欄には行動障害のことが書かれており、大声 を出すなどの行為が列挙されている。しかし、身上監護及び財産管理をおこなう上で行動障 害に係る申告は不要であるばかりか、成年後見人等にいらぬ先入観を与え、偏見を助長し適切な身上監護を困難せしめる可能性がある。次期計画においては、運用状況の把握と必要な 見直しについて書き込む必要がある。また、申立書統一書式の改定は、精神障害当事者が不 在のまま検討が進められた経緯があり、既述の通り当事者参画の上で再検討されるべきで ある。
(7)本人の陳述 →民法第 843 条第 4 項、第 852 条、家事事件手続法第 120 条では、成年後見人及び成年後見 監督人の選任に際して本人の陳述の聴取の機会を確保しているが、但し書きにおいて省略 することが認められている。ところが、審判手続きにおいて本人の陳述の聴取の機会は、ほ とんどの審判で省略されているのではないかとの疑いがあり、次期計画には適正化に向け た実態把握と取り組みについて書き込む必要がある。
(8)報酬 →報酬の算定基準の検討は、精神障害当事者が不在のまま検討が進められた経緯があり、既 述の通り当事者参画の上で再検討されるべき。また、次期計画には、任意後見におけ る後見監督人等の報酬についての検討を書き込む必要がある。 また、報酬額や報酬付与の理由については、中核機関を含む地域連携ネットワークが後見 人等を通じて開示していく仕組みの導入が必要である。
(9)意思決定支援の在り方についての指針の見直し等 →各種ガイドラインにおける意思決定支援は、最善の利益に基づく介入(best interest) を容認。しかし、障害者の権利に関する委員会による一般的意見第 1 号では、最善 の利益に基づく判断が否定されており、政府として尊重するのであれば見直しについて真 剣に検討されるべきである。次期計画には、条約の観点からの意思決定支援ガイドラインの 見直し、意思決定支援研修のブラッシュアップが書き込まれる必要がある。

2 権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり
(1)中核機関等によるクリアリング・スクリーニング機能
→ 各種意思決定支援ガイドラインが整備されている現在、身上監護は後見人の排他的な役割とまでは言えなくなってきており、取引の安全こそが成年後見制度の排他的役割となり つつある。このことをよく理解していないままに財産保護制度という看板文句だけで後見 審判の申立てに至り、トラブルに発展するケースが各地において散見される。また、そうし た運用は、申立人が思い描く制度のメリット像との乖離を顕著に感じさせ、制度不信につな がっている。 地域連携ネットワークの機能のあり方は、個別的な相談対応として「制度等の利用が必要かどうかのニーズの精査」や「必要な見守り体制へのつなぎ」が考えられる。後見制度が必要であると主張している人が本当に後見制度によって果たされるニーズの持ち主であるか どうかを相談・助言するためのワンストップ窓口が必要である。成年後見制度ではない見守 り体制がある場合(重度訪問介護の活用など)は、その他の意思決定支援を優先的に活用し、 後見審判の申立を最終的な選択肢に据えていく流れを作る必要がある。 次期計画には、中核機関等によるクリアリング・スクリーニングを明文で書き込み、相談 体制についても検討を重ねていく必要がある。
(2)被後見人等の居場所がわからなくなり関係が分断されている問題→ 後見人等が被後見人等との交流がある親族や友人に対して被後見人等の居場所を教えな いなどして関係を分断してしまう事例が各地で散見される。こうした事例にたいしては、中 核機関をはじめとする地域連携ネットワークによって解決されるべきである。問題意識に ついて次期計画に明文で書き込まれる必要がある。 また、虐待案件とされて面会できない事例の中には、不適切な虐待認定によるものが含ま れるため、実態把握や救済策が検討される必要がある。例えば、高齢の親と障害のある子ど もの家庭が 8050 問題に絡めた不適切な虐待認定によって分離を余儀なくされ、そのまま首 長による後見申立てとなった事例。親が施設に囲い込まれ、子は虐待の濡れ衣を着せ られ、親子ともそれまで築いてきた親密な人間関係や環境を突然断ち切れたままにされる という、極めて深刻な事態が見受けられる。
(3)家族の位置づけ→ 被後見人等を支援する社会資源として家族の存在を評価し、地域連携ネットワークの中 に位置付けていく必要がある。
(4)市民後見人・法人後見等→ 市民後見及び法人後見は、後見審判及び決定の拡大路線に応じるものであることに憂慮する。市民後見については、後見人等のなり手不足の解消のために市民後見を活用するべきではないし、やる気のあるボランティアに対して “やりがい搾取”のようなかたちなって しまわぬようバランスの取れた運用こそ求められるはずである。法人後見については、100 件以上受任している法人がなんらかの理由で解任された場合に民法第 847 条第 1 項第 2 号 により欠格事由に該当し、他の受任事件においても当然に後見人等としての地位を失うた め、新たな後見人等の確保が数量的に困難になることが想定される。すると、不正が発覚し た場合でも内部処理に向かいやすく表面化しにくいのではないかとの疑念を持たないわけ にはいかない。少なくとも、法人後見については実態調査をおこなう必要がある。 いずれにしても、次期計画には安易な拡大路線をとらないよう慎重に進めるという観点 をなんらかのかたちで明文化するべきと考える。また、研修の実施やブラッシュアップなど 質の向上を優先させることで安易な量産に歯止めをかけていく必要がある。

3 不正防止の徹底
(1)監督権限をもつ家庭裁判所の取り組みについて
→ 後見人等の監督は、家庭裁判所によるところ。不正は、家庭裁判所の監督によって 防止されることを基本としており、不正防止にあたっては家庭裁判所の監督及び人員体制 の在り方に関する検討が必要とされるはずである。専門職団体がおこなう不正防止策を妨 げるべきとは考えないが、家庭裁判所の取り組みが先立たずして民間の取り組みのみが現 行計画にあげられているのは序列が逆転しており不可思議でしかない。これでは、専門職団体による取り組みも家庭裁判所のマンパワー不足の補填としておこなわれているのではな いかという疑念さえ生じうる。次期計画には、家庭裁判所の監督についての検討を書き込む 必要がある。
(2)意思の尊重義務(民法第 858 条)違反→ 平成 29 年 3 月 28 日、名古屋高等裁判所において、後見人が、@民法 858 条の無理解、A 親族への説明拒絶と脅迫的態度を理由として解任の決定が出された(平成 29 年 3 月 28 日・ 名古屋高等裁判所・平成 29 年(ラ)52 号)。決定の書面には、「専門職後見人は被後見人と 密接な関係にある親族に対しては、特段の事情がない限り、被後見人のプライバシー等に配 慮しつつ、情報を公開し、親族等から意見を聴取することは欠かせないものといわなければ ならない。」と書かれた。親族に必要な情報を提供しないなどの意思尊重義務(民法第 858 条)に違反した場合は、解任事案になり得る点を周知し不正防止に努めるべきである。

4 基本計画に盛り込まれているその他の施策
(1)医療等に係る意思決定支援が困難な人への支援の削除
→ 医療同意は、法律行為とは異なる事実行為であり、医学的侵襲行為の違法性阻却事由であ ることを鑑みて、通常の代諾の枠組みを後見人等がおこなう場合の考え方を示す程度の従 来の取り組みを継続していくことで問題ないと考える。次期計画では運用実態の把握程度 にとどめるべきである。 (2)成年被後見人等の権利制限の措置の見直し→ 現行計画に基づいて成年被後見人等の権利制限(「欠格条項」)の大規模な 見直しがおこなわれたことは大きな前進であった。しかし、一方で個別的・実質的な審査と いうかたちで欠格条項が完全に廃止されずに残されているという課題がある。次期計画で は、個別的・実質的な審査の運用状況の実態把握や政省令、通達、条例等の見直しに加えて、 さらなる欠格条項の見直しに向けた検討を書き込む必要がある。


◎成年後見制度に対する意見書
特定非営利活動法人 日本障害者協議会(JD) 代表 藤井 克徳

高齢者・障害者の財産等を保護する観点においては、詐欺等の犯罪が社会的関心を集める中で、成年 後見制度が権利擁護的な役割を果たしていることは認めたいと思います。しかし、成年後見を一度受け てしまうと、会社の役員等になれないなど、多くの欠格条項がありました。これらについては一括削除 されたものの、「心身の故障」などとして、返って制約が広まったとの指摘もあります。市民としての権 利の保障と、財産の保護という問題を両立させ調和を図りながら解決していくことが求められます。
日本は障害者権利条約を批准していますが、私たち(JD)が参加している日本障害フォーラム(JDF) は、この条約の理念を国内政策に活かす取り組みを行なっています。本年 3 月 JDF は、「日本の総括所見用パラレルレポート」をまとめ、国連の障害者権利委員会に提出しています。その中で「成年後見制 度と訴訟無能力条項の廃止」を提起し、「障害者の法の前の平等を制限する法律が存在することを懸念 する」旨を明らかにし、民法および民事訴訟法の改正を強く訴えています。さらに代理意思決定支援で はなく、支援付き意思決定への転換、「障害者の意思および選好を基礎においた法的能力の行使に当た って必要とする支援を障害者に提供する制度」を求めています。まさに日本の成年後見制度は、国際的な観点からは転換期を迎えているといえます。 障害者等の権利擁護を考えていく際、財産の保護ももちろん重要ですが、虐待や差別からの“保護” という視点も必要で、これらを包括的な形の一つの制度として作り上げていくことも課題として挙げら れると思います。ただ、このような考え方をすぐに実現できるかと言えば、ある程度の時間が必要だと 考えます。2017 年 3 月に閣議決定された「成年後見制度利用促進基本計画」により、意思決定支援や 身上保護の重視、権利擁護支援の地域ネットワークの構築などが具体化しつつあります。しかし、次期 計画の策定にあたっては、以下について更なる検討を重ねていただきたいと考えます。


1.財産の保護のみならず、障害者等の諸権利を保障する包括的な権利擁護制度の構築をすること。
2.現行の制度における“代理意思決定”の要素を極力抑制し、「支援付き意思決定」の要素を可能な限 り高めていくこと。
3.家庭裁判所の成年後見決定にあたっては、総合的に状況を考慮していき、市民としての権利をはく 奪しかねないものと認識し、可能な限り慎重に行うこと。また関係者も同様の認識を持って当事者を 支援すること。


◎成年後見制度に対する補充意見   特定非営利活動法人 日本障害者協議会(JD)
《有意義だったヒアリング 》↓

10 月 4 日(月)、成年後見制度に対する意見交換会(ヒアリング)を開催してくださり誠にありがとう ございました。 当会(JD)は、 ↓
1.財産の保護のみならず、障害者等の諸権利を保障する包括的な権利擁護制度の構築をすること。
2.現行の制度における“代理意思決定”の要素を極力抑制し、「支援付き意思決定」の要素を可能な限 り高めていくこと。
3.家庭裁判所の成年後見決定にあたっては、総合的に状況を考慮していき、市民としての権利をはく 奪しかねないものと認識し、可能な限り慎重に行うこと。また関係者も同様の認識を持って当事者を支援すること。 を意見書で提出いたしました。ヒアリングでは様々な観点からの意見が出され、私たちにとっても勉強の 機会となり、とても有意義な時間でした。 以下は、補充意見です。
《成年後見制度は必要なのか、検証を》 ↓
成年後見制度は障害者や高齢者の権利を守る目的でつくられた制度であるにもかかわらず、時が経つに つれ、逆に障害者の人権を制約してしまっていることがしばしばあります。現在は欠格条項が改正されていますが、先日、成年後見制度を受けていたがために、退職を余儀なくされた障害のある男性の問題に対して岐阜地裁は、成年後見制度にある欠格条項は憲法違反との判断を下しました(10 月 1 日)。現在でも 「心身の故障」のある人に対しての欠格条項が存在しています。 成年後見制度自体、医学モデルの考え方に基づいてつくられたものであり、「社会モデル」や「人権モデ ル」を基調にした障害者権利条約の考え方とは相容れないことに着目する必要があります。 権利能力とともに行為能力が認められてこそ、法的能力が尊重されていると言えます。「法の下の平等」 を考える時、だれにも意思があり、その決定能力は備わっていると考える必要があります。詐欺や犯罪か ら財産を守るとする成年後見制度ですが、「後見」を受けることによって烙印を押され、社会参加や将来の 可能性を閉ざしてしまう実態もあります。現状は、成年後見制度の利用率は圧倒的に低い状況です。後見 を受ける障害者・高齢者は、費用負担をしています。成年後見人による不正事件も少なくなく、何のため に後見を受けたのかわかりません。本当にこの制度が必要とされているのか、しっかりした検討が迫られ ています。
《 権利擁護を包括的にし、他施策との連携も視野に》↓
法律自体を改正し、包括的な権利擁護制度による支援付き意思決定による権利擁護への転換が必要です。 法律改正がなされるまでの間は、成年後見に安易に依存するのではなく、既存の社会福祉法制を駆使し ていくことが重要であると考えます。社会福祉力を十二分に展開させ、福祉サービス、福祉事業の中で、 障害当事者同士(ピア)のつながりを重きに置いたソーシャルワーク機能を十分に発揮させていくことが 求められます。財産の保護は大切ですが、それ以上に「どういう生活をしたいのか」を基底に、本人の意 思に基づいた生活を実現させていく取り組みが求められています。 その時は、障害者差別解消法や、障害者虐待防止法等、関連法と緊密性をもたせながら行なっていくこ とは重要な視点となると考えます。 何卒、「社会モデル」「人権モデル」に基づいた“意思決定支援”の仕組みがつくられ、実践がなされま すようご尽力をよろしくお願い申し上げます

次回は新たに「第42回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月16日(Tue)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎参考資料1 成年後見制度利用促進専門家会議 委員名簿 →22名。

◎参考資料2 成年後見制度利用促進基本計画(ポイント・概要と本文)
○成年後見制度利用促進基本計画について
<経緯>
→○H28.5 「成年後見制度の利用の促進に関する法律」施行
⇒○H29.3 「促進会議」にて「基本計画の案」を作成の上、閣議決定
<計画のポイント> ※計画対象期間:概ね5年間を念頭。市町村は国の計画を勘案して市町村計画を策定。→(1)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善 ⇒財産管理のみならず、意思決定支援・身上保護も重視した適切な後見人の選任・交代 ⇒本人の置かれた生活状況等を踏まえた診断内容について記載できる診断書の在り方の検討 (2)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり ⇒@制度の広報A制度利用の相談B制度利用促進(マッチング)C後見人支援等の機能を整備 ⇒本人を見守る「チーム」、地域の専門職団体の協力体制(「協議会」)、コーディネートを行う 「中核機関(センター)」の整備 (3)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和 ⇒後見制度支援信託に並立・代替する新たな方策の検討 ※預貯金の払戻しに後見監督人等が関与

○地域連携ネットワークとその中核となる機関→全国どの地域においても成年後見制度の利用が必要な人が制度を利用できるよう、 各地域において、権利擁護支援の地域連携ネットワークを構築する。   ※協議会・・・法律・福祉の専門職団体や、司法、福祉、医療、地域、金融等の関係機関が連携体制を強化するための合議体   ※チーム・・・本人に身近な親族、福祉・医療・地域等の関係者と後見人が一緒になって日常的に本人の見守りや意思や状況等を継続的に把握。
○成年後見制度利用促進基本計画の工程表→「T 制度の周知」から「Z 成年被後見人等の権利制限の措置の見直し」まで。⇒各項目の「2017年度 (平成29年度)」から5年間の「2021年度 (令和3年度)」までの工程。

○平成29年3月24日 閣議決 定「成年後見制度利用促進基本計画について」
1 成年後見制度利用促進基本計画について

(1)成年後見制度利用促進基本計画の位置付け→政府 が講ずる成年後見制度利用促進策の最も基本的な計画
(2)基本計画の対象期間 →平成29年度から平成33年度の概ね5 年間を念頭に。
(3)基本計画の工程表
2 成年後見制度利用促進に当たっての基本的な考え方及び目標等
(1)基本的な考え方→ノーマライゼーションや自己決定権の尊重等の理念、本人の意思決定支 援や身上保護等の福祉的な観点も重視した運用とする必要。@制度の広報・周知、A相談・発見、B情報集約、C地 域体制整備、D後見等申立て、E後見等開始後の継続的な支援、F後見等の 不正防止、といった各場面ごとに、地域における課題を整理して、体制を整 備し、対応を強化していくことが求められる。
(2)今後の施策の目標等
@今後の施策の目標
ア) 利用者がメリットを実感できる制度・運用へ改善を進める→ (a)利用者に寄り添った運用  (b) 保佐・補助及び任意後見の利用促進 
イ)全国どの地域においても必要な人が成年後見制度を利用できるよう、各地域において、権利擁護支援の地域連携ネットワークの構築 を図る→(a)権利擁護支援の地域連携ネットワーク及び中核機関の整備  (b)担い手の育成
ウ)不正防止を徹底するとともに、利用しやすさとの調和を図り、安心して成年後見制度を利用できる環境を整備→ (a)不正事案の発生を未然に抑止する仕組みの充実 (b)地域連携ネットワークの整備による不正防止効果 
エ)成年被後見人等の権利制限に係る措置を見直す。
A今後取り組むべきその他の重要施策
ア)成年被後見人等の医療・介護等に係る意思決定が困難な人への支 援等
  イ)死後事務の範囲等
B施策の進捗状況の把握・評価等

3 成年後見制度の利用の促進に向けて総合的かつ計画的に講ずべき施策
(1)利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善 −制度開始時・開始後における身上保護の充実− →@高齢者と障害者の特性に応じた意思決定支援の在り方 A後見人の選任における配慮  B利用開始後における柔軟な対応 C成年後見制度の利用開始の有無を判断する際に提出される診断書等 の在り方
(2)権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり→ @地域連携ネットワークの三つの役割(ア)権利擁護支援の必要な人の発見・支援 イ)早期の段階からの相談・対応体制の整備 ウ)意思決定支援・身上保護を重視した成年後見制度の運用に資する 支援体制の構築) A地域連携ネットワークの基本的仕組み(ア)本人を後見人とともに支える「チーム」による対応 イ)地域における「協議会」等の体制づくり) B地域連携ネットワークの中核となる機関の必要性 C地域連携ネットワーク及び中核機関が担うべき具体的機能等(ア)広報機能 イ)相談機能 ウ)成年後見制度利用促進機能(→(a)受任者調整(マッチング)等の支援、(b)担い手の育成・活動の促進 (c)日常生活自立支援事業等関連制度からのスムーズな移行) エ)後見人支援機能 オ)不正防止効果) D中核機関の設置・運営形態( ア)設置の区域 イ)設置の主体 ウ)運営の主体 エ)設置・運営に向けた関係機関の協力) E優先して整備すべき機能等
(3)不正防止の徹底と利用しやすさとの調和 −安心して利用できる環境 整備→@金融機関による新たな取組 A親族後見人の成年後見制度への理解促進による不正行為の防止 B家庭裁判所と専門職団体等との連携 C移行型任意後見契約における不正防止
(4)制度の利用促進に向けて取り組むべきその他の事項→ @任意後見等の利用促進 A制度の利用に係る費用等に係る助成 B市町村による成年後見制度利用促進基本計画(市町村計画)の策定
(5)国、地方公共団体、関係団体等の役割→ @市町村 A都道府県 B国 C関係団体( ア)福祉関係者団体 イ)法律関係者団体
(6)成年被後見人等の医療・介護等に係る意思決定が困難な人への支援等 の検討 →@ 経緯等 A中間報告の内容 B 今後の方向性↓
B 今後の方向性↓
○ まずは、医療の処置が講じられる機会に立ち会う成年後見人等が医 師など医療関係者から意見を求められた場合等においては、成年後見 人等が、他の職種や本人の家族などと相談し、十分な専門的助言に恵 まれる環境が整えられることが重要であり、その上で、所見を述べ、又 は反対に所見を控えるという態度をとるといったことが社会的に受け 入れられるような合意形成が必要と考えられる。
○ 今後、政府においては、このような考え方を基本として、 ↓
・ 人生の最終段階における医療に係る意思確認の方法や医療内容の決 定手続きを示した「人生の最終段階における医療の決定プロセスに関 するガイドライン」等の内容や、
・ 人生の最終段階における医療や療養について患者・家族と医療従事 者があらかじめ話し合う自発的なプロセス(アドバンス・ケア・プラ ンニング)の考え方 も参考に、医療や福祉関係者等の合意を得ながら、医療・介護等の現場 において関係者が対応を行う際に参考となるような考え方を指針の作 成等を通じて社会に提示し、成年後見人等の具体的な役割等が明らかに なっていくよう、できる限り速やかに検討を進めるべきである。

(7)成年被後見人等の権利制限に係る措置の見直し↓
○ 成年被後見人等の権利に係る制限が設けられている制度(いわゆる欠 格条項)については、成年後見制度の利用を躊躇させる要因の一つであ ると指摘されている。
○ また、促進法第11条第2号においては、成年被後見人等の権利に係 る制限が設けられている制度について検討を加え、必要な見直しを行う こととされている。
○ 成年被後見人等の人権が尊重され、成年被後見人等であることを理由に不当に差別されないよう、今後、政府においては、成年被後見人等の 権利に係る制限が設けられている制度について検討を加え、速やかに必 要な見直しを行う。
(8)死後事務の範囲等
○ 促進法第11条第4号においては、成年被後見人等の死亡後における 事務が適切に処理されるよう、成年後見人等の事務の範囲について検討を加え、必要な見直しを行うこと○ 成年被後見人等宛ての郵便物の成年後見人への転送や、成年後見人に よる死後事務(遺体の火葬・埋葬に関する契約の締結等)等については、 成年後見の事務の円滑化を図るための民法及び家事事件手続法の一部 を改正する法律が平成28年10月13日から施行されており、政府に おいては、その施行状況を踏まえつつ、これら成年後見人による事務が 適切に行われるよう、必要に応じて検討を行う。

4 その他 →促進法附則第3条において、促進法施行の日から2年を超えない範囲内 において政令で定める日に内閣府に置かれた成年後見制度利用促進会議及 び促進委員会を廃止するとともに、新たに厚生労働省においてその庶務を処 理する成年後見制度利用促進会議及び成年後見制度利用促進専門家会議を 設けることが規定されている。 円滑な事務の引継ぎを行い、基本計画の推進に支障を来すことがないよう、 内閣府及び厚生労働省において緊密に連携を図り、関係省庁の協力を得て所 要の準備を進める。


◎参考資料3 次期成年後見制度利用促進基本計画 中間とりまとめ
○目次 (再掲・目次のみにします)

はじめに
○ 中間とりまとめまでの経緯
○ 中間とりまとめに当たっての基本的な考え方
T 権利擁護支援の地域連携ネットワークづくりとその持続的な機能強化
1 権利擁護支援の地域連携ネットワークの持続的な機能強化に関する基本方針
(1) 基本方針
@ 都道府県の機能強化等による中核機関等体制整備の推進(現行計画の課題へ の取組) A 多様な主体による権利擁護支援の機能強化(次期計画の推進)
B 地域連携ネットワーク関係者の連携・協力体制の強化(次期計画の推進)
(2)地域連携ネットワークづくりの基本的考え方
(3)地域連携ネットワークづくりの主体
(4)市町村の役割
2 都道府県の機能強化等による中核機関等体制整備の推進
(1)都道府県の基本的な役割
(2)都道府県による市町村体制整備支援の機能強化
(3)市町村への具体的な支援内容及び都道府県自らの取組
@ 継続的な研修の実施
A 都道府県単位での連携のしくみを通じた実態把握等
B 市町村等への情報提供や相談対応
C 市町村の課題に応じた支援や調整の実施
D 都道府県自らの取組の実施
3 多様な主体による権利擁護支援の機能強化
(1)互助・福祉・司法における権利擁護支援の機能強化
(2)担い手の確保・育成等
@ 市民後見人の育成・活躍支援
A 法人後見の担い手の育成
B 専門職後見人の確保
(2) 成年後見制度と日常生活自立支援事業等との連携の推進及び同事業の実施体制の強化
4 地域連携ネットワーク関係者の連携・協力体制の強化
(1) 中核機関のコーディネート機能の強化による地域連携ネットワークの機能強化
@ 機能強化の基本方針
A 広報及び相談の機能強化
B 受任者調整及び後見人支援の機能強化
C 地域連携ネットワークの更なる機能強化の検討
(2)地域連携ネットワークの更なる機能強化に向けた関係機関の連携推進
(3)権利侵害の回復支援における市町村の対応
@ 市町村の責務.
A 市町村長申立の適切な実施
(4)家庭裁判所の役割と連携に向けた取組
(5)専門職団体の役割と連携に向けた取組
@ 基本的役割
A 具体的な取組.
(6)新たな連携・協力体制の構築

U 本人のための成年後見制度の運用改善等
1 高齢者と障害者の特性に応じた意思決定支援とその浸透
(1)成年後見制度の利用促進における意思決定支援の浸透
(2)様々な分野における意思決定支援の浸透
2 適切な後見人等の選任・交代の推進等
3 任意後見・補助・保佐の利用促進等
(1)任意後見・補助・保佐の利用促進
(2)任意後見制度の趣旨に沿った適切な運用の確保に関する取組

◎参考資料4 次期基本計画の検討の進め方について
1 議論の進め方に関する基本的な考え方
・議論の順番について
・論点とワーキング・グループの設置について→@地域連携ネットワークWG A福祉・行政と司法の連携強化  B成年後見制度の運用改善 等に関するWG
2 ワーキング・グループの構成等について→上記@〜Bの構成、説明。
3 次期基本計画の閣議決定に向けた今後のスケジュール予定→令和4年3月頃 ⇒成年後見制度利用促進会議へ「次期基本計画」(案)の報告⇒「次期基本計画」閣議決定

○参考:ワーキング・グループでの検討スケジュール等


◎参考資料5 成年後見制度利用促進専門家会議基本計画の変更に関するワーキン グ・グループ設置・運営規程
○令和3年3月29日 成年後見制度利用促進専門家会議決定 →成年後見制度利用促進専門家会議の設置について(平成30年6月21日関係省庁申合せ) 「6.雑則」及び成年後見制度利用促進専門家会議運営規則(平成30年7月2日成年後見 制度利用促進専門家会議決定)第9条の規定に基づき、この規程を定める。⇒第1条から(雑則) 第六条まで。
○【別紙】 ワーキング・グルー プの名称、 論点と主な課題、構成員 あり。

次回も続き「参考資料6 次期基本計画に関する団体ヒアリングにおける意見書」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月15日(Mon)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎第 11 回 成年後見制度利用促進専門家会議 意見書 同志社大学 永田祐
これまでのワーキングループでの協議も踏まえ、次期基本計画の策定に向け、地域福祉の観点から以下の 3 点 について意見を提出する。なお、1.と 2.は、「B次期基本計画において、中長期的な視点から目指すべきこと、 方向性について」、3.は「@権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について」ついての意見である。

1. 権利擁護支援のグランドデザインにおける成年後見制度以外の権利擁護手段の充実 ↓
これまでの議論の中でも、必要な時に制度を利用し、必要なくなれば利用を中断できる「カジュアルな成年後見制度」にしていくために必要な運用改善や法改正について議論されてきた。次期基本計画では、こうした方向 性を是非進めていただきたい。その上で、権利擁護支援全体のグランドデザインを描くなら、有期限定的な成年 後見制度と一体で、代理権を付与せず、金銭管理を含む日常生活上の支援を意思決定支援に基づいて行う権利擁 護の手段を充実させていくことが不可欠であると考える。
地域における権利擁護支援の手段の充実としては、これまで議論されてきた現行の日常生活自立支援事業の運 用を改善・拡充していくことに加え、現在研究事業で取り組まれている、地域生活における日常的な金銭管理等 と意思決定を支援する仕組みの構築に向けた検討にも期待したい。日常的な金銭管理サービス等については、介 護保険制度や障害福祉サービスに組み込むことも検討に値すると思われるし、意思決定支援をこうした支援から 分離して実施することで、本人の意思を尊重した簡易な権利擁護支援の手段となることが期待できると考えられ る。併せて、両者の活動を点検する団体の役割も検討する必要があるが、そうした体制が整備されれば、適宜適 切に法定後見につなぐことも可能になると考える。以上のように、権利擁護支援のグランドデザインという観点 からは、民法の改正を視野に入れて協議を進めていくことと平行して、社会福祉法、介護保険法、障害者総合支 援法といった福祉関連法規の改正も検討していく必要があると思われる。

2. 成年後見制度における市民参加の促進↓
成年後見制度を利用する人が、利用してよかったと思える制度に変えていくためには、その制度の運営に様々 な形での当事者や市民の参加の回路を作り、その意見や経験を反映させていくことが重要である。成年後見制度 において、市民参加を促進させていくためには、第 1 に、市民後見人等として広義の権利擁護支援に関わる市民 を応援し、また活躍の場を作っていくこと、そして、第 2 に、当事者が自らの支援のプロセスに積極的に関与し ていくことができる機会を得ること(意思決定支援)、そして、その人らしい暮らしを地域社会の中で継続できる こと(参加支援)が重要になる。さらに、ワーキンググループでファンドレイジングの議論がなされたように、 今後、市民が制度に関心を持ち、寄付や遺贈といった形で参加していくことも重要であるといえる。
以上のよう に、次期基本計画においては、@市民後見人等としての参加、A当事者の参加、B寄付や遺贈を通じての参加と う 3 つの市民・当事者参加を通じて、成年後見制度を変えていくという視点を盛り込んでほしい。

3. 都道府県を含めた重層的な支援体制と権利擁護支援
これまで、地域連携ネットワークの整備においては、市町村における包括的な支援体制の構築及び重層的支援 体制整備事業の実施と一体的な運用を行い、権利擁護支援を基盤とした包括的な相談支援体制を整備していくべ きだと述べてきた。しかし、身近な圏域では解決が難しい課題があるのと同様、市町村の単位では解決が難しい 課題や都道府県単位での相談支援機関との協働が求められるケースも少なくない。後者の場合では、都道府県が 所管する相談窓口が縦割りで、包括的な支援につながらない場合も指摘されている。そこで、次期基本計画では、 都道府県単位でもいわゆる「横串」をさした取り組むが進むよう、例えば、都道府県の横断的な権利擁護支援の 窓口や市町村を支援するアドバイザーを設置し、市町村の包括的な相談支援体制と連動しながら、重層的な支援 が実施できるような体制を整備していくことを都道府県の役割として検討していただきたい。 以上


◎第11回成年後見制度利用促進専門家会議・意見書
(公社)認知症の人と家族の会 花俣 ふみ代

成年後見制度の利用促進について中間とりまとめ以降も、多様な立場の各委員により、 具体的かつ踏み込んだ提案等を含む熱心な議論が重ねられており、利用者側にとって は次期計画の策定内容に大きな期待を寄せているところです。 ここで更なる意見を項目別に利用者側から発信することは容易ではないことから、各論 点として示された以下の点をまとめたものとして申し述べます ↓
@ 権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について
A 成年後見制度の運用改善等について
B 次期基本計画において、中長期的な視点から目指すべきこと方向性について。
C その他、成年後見制度利用促進に関することについて

「認知症施策推進大綱」における、成年後見制度の利用促進に関しては、『全国どの地 域に住んでいても、成年後見制度を必要とする人が制度を利用できるよう、「成年後見 制度利用促進基本計画」に基づく市町村の中核機関(権利擁護センター等を含む。以 下同じ。)の整備や市町村計画の策定を推進する』目標として 2021 年度末までに・中核 機関の整備や協議会等の合議体を設置、パンフレット等による成年後見制度や相談窓 口の周知等々と記されています。今後、以下の資料が示す通りに、認知症高齢者数が 急増することを考えれば、制度利用を必要とする人の数も同様に急増し、現行制度の改 善は喫緊の課題でもあります。
○○市においては H30・3 月末のデーターでは、認知症高齢者数は 27,700 超、若年性 認知症者が約 600 人と推計され、成年後見制度利用者数は 1,400 人とあります。
制度の利用が必要な人が多くいるにも関わらず、極端に利用者数が少ないのは、これま で事例等で課題を挙げてきたように、制度の理解が十分でなく結果的に不安や不満に つながる場合や、そも、手続きの煩雑さ、相談先等の周知ができていないことが利用に 至らない最大の要因です。 つまり、利用したくないのではなく、利用しようにも幾重にも壁があり利用出来ないのが現 状と言えます。 次期計画の目的でもある「地域共生社会の実現」には、まず全国どこでも、必要な人が 必要な時に制度が利用できるよう、例えば、全国一律に後見人等が業務に相当する報 酬をきちんと受けられる。その報酬が負担できない低所者や資産がない場合は公的な助 成制度をより充実させる。適切な後見人等の選任・交代の推進。日常生活支援事業に 取り組む人材等の財源確保。等々〜見えてきた課題の解決に向け計画的に、より一層 それらの取り組みが進められる事を求めます。

次回は「参考資料1」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月14日(Sun)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎第11回専門家会議への意見   弁護士 青 木 佳 史
0 はじめに
→第10回専門家会議で提案した中長期的な課題の議論を踏まえ、次期計画に盛り込 むべき運用改善を念頭において、具体的な課題について意見を述べる。
1 権利擁護の地域連携ネットワークの4つの機能のあり方について
○ 広報機能
○ 相談機能
○ 利用促進機能(2つに分ける)
○ 後見人支援機能
2 市町村長申立の運用改善について →今後さらに全国的に増加する「身寄りのない」当事者への支援のために、市民後見人が相応しい事案の市町村長 申立の積極的な活用を含め、その必要性が高まる。
そこで、各地の運用 の実情から、下記の諸点についての検討・改善が求められる。 ↓
○ 福祉のために必要ある時に積極的に申立を行うこと。→ 現状では、虐待事案等に限定してその他の事案の申立をしない、保佐・補助事案 の申立をしない、担当課の審査・処理が進まず申立が遅延する、などの実情が各地 に存在し、そのため後見制度の利用に繋がらず、あるいは、やむをえず、本人に申 立の意思が明確でない場合まで無理に後見事案の本人申立の支援に回す等の事態が 生じている。 こうした実情を解消し、必要な事案を速やかに申立するように、標準処理期間を 定め、関係機関の書式の統一や担当部署の明確化による進捗管理等の迅速な申立の ための体制を整備すること。
○ 親族調査の範囲の柔軟化 →厚労省事務連絡により、申立にあたって親族の申立意向を確認する調査の範囲を 二親等を原則としているが、親族の関係性が希薄になっている実情に鑑み、事案に よる親族調査の範囲の限定をより柔軟にできるように改めること。
○ 申立担当課の継続的なスキルアップ→ 申立実務についての担当者スキルアップのため、申立マニュアルを作成し、都道 府県や市町村研修等を毎年継続的に実施し、担当職員の申立実務の不明により遅延 が生じないようにすること。
○ 申立すべき市町村間の調整→ルール作りと都道府県の調整対応を確立す ること。
○ 市町村長申立相当事案の運用について、各市町村と家庭裁判所との相互理解と連 携をはかること。→たとえば、市町村長申立に至る各市町村の支援スキーム(特に、虐待やネグレク ト事案)を家庭裁判所はよく理解し、申立における市町村の調査・準備に基づく速 やかな選任に繋げ、過度な疎明の負担や保全の必要性の厳格化をしないこと。一方、本人に申立意思が確認できないような無理な後見事案の本人申立を支援する事 案によって、審理・選任が滞る事案等について、家庭裁判所からの協力要請等によ り市町村長申立を積極的に行うようにすること。
○ 以上の諸点の運営改善のため、昨年度実施された市町村長申立の実務者協議に留 まらず、市町村長申立の運用全般の円滑化にむけた体制作りのための検討の場を設 けること。

3 中核機関の行う後見人相談・支援と家庭裁判所の行う助言・指導・監督の適切な役割分担
⑴ 問題の所在
→ 権利擁護の地域連携ネットワーク(中核機関)の機能の1つとしての
後見人支援 機能が位置づけられたのは、主として親族後見人が本人の権利擁護者として適切に 職務を担えるようにするための支援を念頭においてのことであるが、その機能・役割と家庭裁判所が本来果たすべき後見監督との関係性やそれぞれの役割分担については今期の計画では共通した認識・整理がなされてはいなかった。 この点、いくつかの裁判所から、家庭裁判所の後見監督は、広範な後見人職務の 裁量を前提にその裁量の逸脱の有無をチェックするものであるから、裁量の範囲内 にある職務について相談・助言を行うことはできない、とか、そうした相談・助言 を担うために必要な地域の情報量が家庭裁判所には欠如している、などとして、親 族後見人の相談・助言を将来的には全て中核機関等の後見人支援機能に委ねようと する見解が示されることがあった。しかしそのような見解は、法の予定する後見監 督の趣旨からも、また、福祉行政機関である中核機関の担うことのできる支援とし ても、不適切なものであり、まずは、本来の裁判所の後見監督の趣旨・役割を改め て明確にすることが重要である。

⑵ 家庭裁判所の後見監督の趣旨と範囲 →2000年の改正で、後見監督人を職権で選任できることとしたことにもある ように裁判所の後見監督の範囲・手法は、必要に応じて後見監督人を選任すること を含めて、後見人等が被後見人等のためにその職務を適切に行うように職務全般に ついて適切な助言、指導を行うことが後見監督の一環として予定されているのであ り、その延長線上に裁量を逸脱した行為への監督が予定されているのである。これ まで親族後見人就任時の説明会の開催や個別の相談への対応をしてきた実務も、そ うした本来の後見監督の一環としての助言、指導として行われてきたものである。 親族後見人の支援は、本来、第一義的には、裁判所の後見監督の一環として行われ るものであり、それは成年後見制度利用促進法ができたことにより変わるものでは ない。
⑶ 中核機関に後見人支援機能が期待される趣旨→ 他方、後見職務において、2000 年改正当初とは異なり、身上保護や意思決定支援 が重視されるようになり、親族後見人には本人に身近な存在として、その職務においてより期待されるところであるが、この部分に関する家庭裁判所の現体制においては、各地域の福祉的資源の活用や調整に関する情報を十分把握できないことや福 祉専門職の配置が十分ではないことから、それらについての相談・助言ができにく い実情がある。 そこで、この部分を中心に、親族後見人への支援を、本人や親族後見人に身近な 地域の中核機関(地域連携ネットワーク)におけるチーム支援の中で、適切な相 談・助言を行うことにより、親族後見人の職務を支援することが、中核機関等の機 能として位置づけられ期待されることとなったのである。

⑷ 家庭裁判所と中核機関の役割分担の共通認識→ こうした本来のあり方と中核機関に期待される機能から、家庭裁判所と中核機 関の役割の整理は、次のように考えるべき。
まず、親族後見人の支援の中味を分析的に確認すると、大別して、@財産管理、 A身上保護、B意思決定支援、C報告書作成等の後見事務手続の4項目に分けら れ、それぞれについて相談・助言があると思われる。 このうち@財産管理とC後見事務手続に関する相談・助言は、裁判所が主として 担うべき役割であり、A身上保護とB意思決定支援に関する相談・助言は、中核機 関にも期待することが可能な役割である。また、支援の手法としては、中核機関については、あくまでも親族後見人からの相談に基づく助言に留まるものであるが、 家庭裁判所については、相談・助言に留まらず、@からCの全てについて、必要に 応じ、指導、指示、監督処分といった後見監督へと発展するものである。
したがって、親族後見人の支援につき、中核機関がその機能を進めるとしても、 その役割は、あくまで身上保護や意思決定支援を中心とした相談・助言の役割であ り、財産管理や後見事務手続については、家庭裁判所の助言・指導を担う体制をよ り強化することが求められる。こうした役割分担についての認識をまずは共通に し、これを前提として体制整備をはかる必要がある。
⑸ 総合支援型監督人の位置づけ→ なお、これに関連して、現在、最高裁と各家庭裁判
所で、専門職団体への協力 要請により、親族後見人の支援の強化策として導入が検討されている「総合支援型 後見監督人」の運用は、親族後見人の選任初期の段階において、後見監督人による 後見職務の基本に関する丁寧な相談・助言を行うことで、親族後見人が適切な職務 を自立して担えるように育てようとするものであり、総合支援型後見監督人は、家 庭裁判所の後見監督の一環として選任され、その職務は上記の4項目全般に及ぶも のであり、監督機能よりも相談・助言機能を重視するものである。ここで留意しな ければならないことは、総合支援型を活用できるのは、後見監督人の報酬を担える 一定資産をもつ事案に限定されるものであって親族後見人全員の支援に及ばないも のであることないこと、また総合支援型後見監督人の役割が、将来的に、そのまま 中核機関の後見人支援機能に移行するものではないことに、留意が必要である。
⑹ 適切な役割分担の共通理解こそ肝要↓
いずれにしても、中核機関(地域連携ネットワーク)による親族後見人の支援 には、そのベースとなる家庭裁判所による全般的な後見監督を背景とした相談・助 言機能を、福祉的な側面から下支えすることにあるのであって、こうした役割分担 について、中核機関と家庭裁判所が共通認識をもって連携を進めていくことが重要 である。

4 本人ニーズに応じた適切な後見人等の選任(受任者調整)と地域ごとの担い手の育成
⑴ 各地域における受任調整機能(マッチング機能)の目安の確
立→中核機関と地域連携ネットワークの利用促進機能の中核をなす、本人ニーズに応じた適切な候補者の調整と家庭裁判所の選任という受任調整機能(マッチング機 能)について、各地域ごとに、家庭裁判所と中核機関や市町村長申立担当課、市民 後見人育成機関や法人後見実施団体、候補者推薦を行う専門職団体等の間で、マッ チングの目安の共通認識を形成する取り組みを具体的に進めることが、次期計画の 重要な課題となる。まずは市町村長申立事案の候補者選定について、次には中核機 関等支援チームが関わって申立支援をする場合について、マッチングの目安及び具体的な候補者推薦のスキームを地域ごとに形成していくことである。
これまで市民後見人の推薦事案の目安を家庭裁判所と支援機関とで認識共有をし てきた経験等も生かし、これをさらに各地域の担い手の資源に応じたものに広げて いくことが必要である。 そして、家庭裁判所は、これらを踏まえ、市町村長や中核機関等が関わらない申 立事案についても、同様の目安に基づいた選任を考慮することで、本人のニーズに 応じた選任に向けた運用が進むことが期待される

⑵ 市民後見人育成体制の全市町村での整備 →地域共生社会の実現に向けた地域福祉に
おける住民参画の観点から、そして、 意思決定支援を重視した身近な権利擁護活動の推進の観点から、市民後見人の育成 事業(養成、選定、活動支援の一連の事業)を、老人福祉法や各障害者福祉法に定 める責務として、全ての市町村が、都道府県の支援を受けつつ実施することを、改 めて明確にし、未実施の4分の3の市町村が次期計画において実施に至ることを明 確にすべきである。この事業を展開することで、中核機関のマッチング機能や後見 人支援機能にも繋がるものとして、重要な位置づけである。そのためには、都道府 県が広域的に対応することが望ましい研修体制や専門職の参画などについて積極的 な取り組みを行うことが重要である。 同時に、養成後選任されない市民後見人バンクの方々が、地域の様々な意思決定 支援のための支援事業等に関わって経験を重ねる機会を作ることが重要である。

法人後見の育成・支援体制の整備 →法人後見の育成については、第三者後見の担い手の少ない地域における受け皿 として、また、長期間の継続的な支援を必要とする事案の受け皿として、そのメリ ットを生かした活動をはかるための支援体制を、都道府県が中心となって展開するべきである。 支援体制整備のために検討すべき課題は、以下のとおり。 ↓
○ 育成・研修のための研修の実施→ 国においてオンライン等を活用して、毎年継続して養成講座を実施いただく とともに、都市部や過疎地ごとの地域の担い手の事情をふまえた都道府県もしく は広域の市町村合同単位での研修をこれに付加するといった重層的な研修体制が 期待される。
○ 継続性の確保 →法人後見が継続するためには人の確保(育成・研修)と財源確保(法人の財 政基盤と行政負担)が不可欠であり、法人後見としての採算性をいかに図るか。
○ 質の確保 法人に求める理念や構成員の資格・資質、専門的知見や実績・経験をどう評 価するか。
○ 法人後見に適正な事案の整理→ 大別して、@困難事案・対応頻繁事案等の後見業務の内容や組織的対応の必 要性からの整理(都市部も地方も共通)とA第三者後見の受け皿確保からの必要 性の整理になると思われる。
○ 社会福祉法人による法人後見の扱い→ 現在、社会福祉法人の「社会貢献」の一環として、法人後見事業の促進が検 討されているが、果たして専任の職員を確保して経験を蓄積したり、多職種の専 門職が関与するなど法人後見のメリットを生かせるような人的体制や質の確保が可能か、同法人のサービス利用者を担当することのないように厳格な利益相反禁 止を維持できるか等の課題を克服できる体制作りを検討しなければならない。
※ 専門職が作る法人後見の扱い→ 形式的には法人とはいえ、実質的な専門職が個人で受任することと大きな 差はな いことが多く、これをどのように位置づけるか。少なくとも、育成・支援の対象とす べきかについての整理が必要である。
⑷ 専門職後見人等の持続可能な供給体制の検討→ これまで第三者後見の担い手のほと
んどを担ってきた3つの専門職団体(弁護 士会、リーガルサポート、ぱあとなあ)は、受任件数・無報酬案件・困難案件等の 増大と若手の担い手不足等により、都市部・地方ともに、持続的な供給体制が各地 で課題となってきている。そこで、今後も、各地域の専門職後見のニーズに対応で きる持続的な供給体制を維持するための課題につき、各地の家庭裁判所や都道府県 や各市町村の中核機関等と専門職団体との間で、現状の共有と課題の検討を行うことが必要である。
⑸ 各市町村ごとの担い手整備計画の作成と推進→ 以上のような都道府県や各市町村に
おけるマッチング機能と担い手整備を進め ていくためには、各市町村ごとに、裁判所や市町村が基礎的データを毎年公表した上で、今後予想される利用者数と各種担い手のニーズとそれに対応できるための担 い手育成数等などを分析・検討し、地域ごとの担い手育成計画を作成して、広域調 整を含めた体制整備を進めていくことができることを期待したい。

5 後見職務に関する苦情への対応 →後見職務に関する苦情への対応は、家庭裁判所、専門職団体、中核機関、市町村 担当課などへ様々な形で持ち込まれているところであるが、適切な対応体制が十分に とられているわけではない現状がある。これに対する適切な対応体制を、地域連携ネ ットワークと家庭裁判所と専門職団体との連携の中で行っていくことで、本人の権利 擁護につなげる必要がある。 この点でまず、後見職務に関する苦情というものには、本人の権利・利益が損なわ れるような不祥事もしくは不適切な職務に関するものや、身上保護や意思決定支援を 軽視し後見人等の価値感だけに基づく独善的な職務に関するものがある一方で、周囲 の親族や支援者の便宜や都合に沿わないことへの不満にすぎないものや、法令や制 度・実務への十分な理解のないもの、被後見人等本人が後見制度による自身への支援 の必要性を理解・納得できないことによる訴えの現れ、支援者や本人とのコミュニケ ーション不足であるものも相当数ある(もちろんその中にも、それを踏まえて後見人 等側により適切な対応を見直す事案はある)。 そのため、後見職務への苦情対応としては、まずは、事情を十分に聴取・確認し、 本人の権利・利益の観点から、苦情として具体的な対応を必要とするものかどうかを 見極めることのできる対応体制が求められる。その結果、本人の権利・利益の観点か ら、後見人等の職務の改善を求める必要がある場合、後見人等の交代(辞任+選任) を検討するべき場合、さらには後見人等の解任が必要な場合について、それをどのよ うな体制・スキームで対応していくことができるかについて、各地域ごとの具体的な 体制作りが求められている。 後見職務の苦情対応として、各地域ごとに統一の苦情窓口が必要との意見もある が、まずは、当該後見人等の選任された経過に応じた対応体制を整備していくことか ら始めるべきであると思われる。たとえば、市町村長申立や中核機関の申立支援によ りマッチング・選任に至った事案であれば、当該市町村や中核機関がケース会議等に おいて当該後見人等を含めた事情確認や調整を行うこと、専門職団体が家庭裁判所や 自治体に候補者を推薦して選任に至った事案であれば、専門職団体が当該後見人等等 や関係者への事情確認や調整を行うこと、その他の経緯で選任に至った事案であれ ば、家庭裁判所が事情確認や調整を行うこと、といったようにである。こうしたいく つかの対応体制による事情聴取と調整を行う実践を積み重ねた上で、将来的に統一的 な苦情対応窓口の必要性を検討していくことが相当であると思われる。 また、上記の各対応体制での対応が不調・困難であった事案については、後見監督 を司る家庭裁判所が、その指導権限に基づき、専門職団体や中核機関と連携して、当 該後見人等への適切な対応を行うことになると思われる。

6 後見人等の柔軟な交代→ 後見人等の交代を検討する場面は、大別して、@選任時の本人のニーズや対応すべ き課題が変化し、それに応じて求められる適切な後見人等の属性が変化し、マッチングをしなおすべき場合、A本人と後見人等との相性が合わないなどの事情から、本人 が後見人等の交代を求めている場合、B現在の後見人等が不祥事もしくは不適切な後 見職務をしているため、本人の権利・利益のために交代を必要とする場合、などが想定される。 いずれについても、まずは上記の苦情対応と同様に、当該後見人等の選任の経過に 応じて、中核機関・自治体や専門職団体、家庭裁判所による調整により、関係者が交 代の必要性の共通認識にいたり、円滑な交代手続(辞任申立+選任申立)を行えるよ うな調整機能が果たせる運用を培っていくことが求められる。 しかし上記@やAの類型について関係者の共通理解が得られない場合、特に当該後 見人等の理解が得られない場合には、家庭裁判所が、本人のニーズや意思尊重の観点 から、より望ましい後見人等選任を確保するという立場で、その調整機能を発揮する ことが期待される。Bの類型についても、後見人等の裁量の範囲を逸脱した明らかな 不祥事や不適切な職務があれば、家庭裁判所の後見監督に基づく辞任の勧告や最終的 には解任により後見人等の交代を果たすことができるが、Bの中でも、後見人等の広 範な裁量の範囲内の職務ではあるものの、本人の権利・利益からは適切とはいえな い、より適切な対応ができるという質の向上を確保したい場合には、@やAと同様 に、家庭裁判所の調整機能を発揮することが期待される。 こうした柔軟な交代を運用において実現していくための具体的な方策としては、選 任時に将来の課題解決やニーズ変化に応じた後見人等のリレーの予定・見込みを、支 援機関や家庭裁判所、選任される後見人等との間で確認しておくことや、一定期間経 過後に後見人等の交代の必要性を検討することを想定して、何らかの手法で記録に残 しておく運用が考えられる。 また、選任当初には想定されなかったけれども、その後の事情で後見人等交代が求 められる事案では、各調整機関の調整が果たせればいいが、そうならなかった場合 に、家庭裁判所において、後見監督の一環としての863条の指導として、家事事件 手続規則による「指示」、調査人選任による調整、調査官調査等も活用して、当該後 見人等と支援機関のケース会議の開催や本人の表示されている意思を尊重した職務、 あるいは、本人の意思決定支援の実践を求め、その指示事項への当該後見人等の対応 の結果を踏まえて、交代の必要性等への調整機能を発揮するといった方策を具体的に 運用していくべきである。 後見人等の柔軟な交代については、様々な契機や事案の多様性、対応する機関の特 性などもあるため、交代に向けた対応の在り方について、いくつかの類型ごとの具体 的モデルスキームを検討し、各地での実践を行い、それを踏まえて現行制度下におけ る後見人等交代の可能性と限界を見据えていくことが重要である。

7 家庭裁判所の果たすべき役割と機能強化→ 以上のような様々な積極的な運用の改善をはかっていくには、中核機関と地域連携 ネットワークが、都道府県や各市町村の福祉行政とともに、求められる機能を果たしていくとともに、家庭裁判所の福祉機関との緊密な連携が不可欠である。家庭裁判所 が管轄下の各市町村に出向いて協議会や中核機関の運営会議等に参加するなどして地 域状況を把握し、マッチングを含めた共通認識を醸成するとともに、家庭裁判所自体 が身近でアクセスしやすい存在になることが求められる。また、意思決定支援や身上 保護も含めた後見職務のきめ細やかな評価を行い、後見監督の前提となる助言・指導 を的確に行い、苦情対応や柔軟な後見人等交代へのイニシアティブを的確にとりえる 専門性も求められる。 こうした役割を、福祉機関と連携しつつ、それぞれの役割を担い合っていくことが 可能となるように、家庭裁判所の支部・出張所を含めた人的体制の拡充、専門資格を もった職員の確保、身上保護や意思決定支援等の継続的な研修等、質・量の両面にお ける人材確保・育成策が求められる。

8 福祉と司法の連携にあたっての個人情報の取り扱い→ 家庭裁判所と中核機関等が、適切なマッチングによる選任、親族後見人の支援、柔 軟な後見人等の交代、後見人等への苦情対応を、連携して担っていくためには、本人 や後見人等の情報を必要に応じて適切に共有することが不可欠であるが、その際の個 人情報の取り扱いについてのルール等については、各対応を要する目的に応じた情報 共有の必要性も吟味しつつ、令和3年個人情報保護法改正による自治体個人情報保護 条例の統一的扱いなどの推移を踏まえ、整理・検討を行っていく必要がある。また、 地域連携ネットワークの構成員間、支援チームのメンバー間での情報共有のあり方に ついても同様である。 この点、適切なマッチングや親族後見人の支援などにおいては、原則としては、同 意に基づく個人情報の共有のあり方を具体化することになると思われる一方、後見人 等の苦情対応や共通理解の難しい後見人等の交代事案や不祥事対応などにおいては、 同意に基づかない例外的な個人情報共有のルール等の検討も必要になると思われる。

9 後見報酬のあり方と報酬助成制度
⑴ 後見報酬のあり方
→ 後見報酬は、従来、民法862条の「被後見人等、後見人等の資
力その他の事情」との規定に基づき、本人の資産や収入を中心とした報酬算定をしてきたものであるが、これは最高裁が指摘するように、財産管理面においては客観的で分かりや すい考慮要素として実務に定着してきたものであり、その面では現在でも妥当するものであると思われる。そこで、「実際の事務の内容や負担の程度等に見合わない 報酬額になる事案の存在」と言われるものがどういうものなのか、具体的に検証することが必要であるところ現時点までなされていない。一方、後見職務における身 上保護や意思決定支援の重視を受け、これに関する評価を報酬に反映する観点は重 要であり、そこから今後の後見報酬の算定要素として多面的な考慮が必要になった というのが、検討の出発点である。 そして現在、最高裁と各家庭裁判所では、従来の報酬算定の基準を全く止めて、 「後見人等の事務の内容と負担」という単一の指標での見直しを検討している。し かしそもそも後見報酬のあり方は後見人等等の役割への評価の問題であるところ、 現在の多種多様なニーズに応じた後見人等等の職務は、いくつかの評価軸の複合的 な要素で評価されるべきである。後見事務の内容と負担だけではなく、後見事務の 質への評価、各専門職の専門性自体への評価、管理財産についての責任への評価、 専門職団体としての質確保への評価といった多面的な評価軸による総合的評価がな されるべきであり、単一の評価軸でまとめることは困難である。特に、管理財産の 多寡や後見人等のマッチングにおいて重要なポイントとなる専門性や属性が報酬で は全く考慮されないことは、ドイツの経験を踏まえても極めて不十分なものである。従来の基準に、後見人等の事務の内容と負担を考慮要素に加え、さらに多面的 要素を加えたあり方が検討されなければ、今後の後見人等の持続可能な確保は困難 であるといわざるをえない。 第4回の運用改善ワーキングで、最高裁から報告された検討状況の個別の点につ いても、就任時、継続時、終了時という時期的な区切りは選任から数年間全く落ち 着かない事案も少なくないこと、「事務内容と負担」については専門性を求められ る事案では事務負担では評価できない質的な要素が大きいこと、身上保護と財産管 理の事務負担の区別は、当事者団体からも指摘され、実務経験からも実感するとこ ろとして、実際は分けがたく渾然としているものであり区別した評価が適切かとい う疑問があること等、基本的な観点で検討を要するものである。 また、報酬算定のあり方は、各地域の担い手・給源の実情とも密接に関わるもの であるところ、必ずしも十分な給源がない地域、あるいは中核機関が機能していな い地域、柔軟な交代ができずやむを得ず後見人等を続けないといけない地域等々、 過渡的な状況下で後見人等が選任されている事情に対し、「事務の内容と負担」だけで対応することの不適合さへの視点も重要である。現状を踏まえた過渡的な場合 のものと、将来的に描かれる十分な給源のもとで後見人等の交代が速やかに行わ れ、さらには必要性・補充性の原則に基づき、適時適切な場合だけに後見人等が選 任される場合のものと、前提となる実情を区別して、報酬のあり方を議論すること が、持続可能な供給体制を維持するために重要であると思われる。
⑵ 後見報酬助成制度の抜本的拡充→ 後見人等報酬の助成制度は、本人資産から賄うこと
の負担の大きさや資産僅少 の本人の負担困難性に鑑みれば、必要な人への普遍的な制度利用の観点からは、後見報酬のあり方と切っても切り離せない両輪として進めていくべき課題であり、最 高裁も指摘するように、新たな報酬算定の運用の基盤となる環境整備の問題として、運用開始時期にも影響するものであり、報酬のあり方の議論だけが先行することがあってはならない。 特に、現在の成年後見制度利用支援事業では、市町村ごとに、助成対象が市長申 立事案や生活保護に準じた世帯だけに限定したりしなかったりが区々であり、各市 町村の財政負担能力にも左右されており、それが倉敷市の報告にもあるように、担 い手確保にも影響している。全国どこでも同じような助成を受けることができる制 度にするためには、抜本的な報酬助成制度の見直しが不可欠である。 最近の新規申立の傾向が表すように、市長申立や本人申立による福祉的ニーズに 対応する(身寄りのない世帯や生活保護世帯の支援)制度利用の高まりは、成年後 見制度による支援が、医療や介護と同様に、自己決定を支援・代行する福祉的支援 としての役割を果たしてきており、その財源基盤は国が担うべきものである。
生活 保護の生活扶助項目への追加や介護保険法や障害者総合支援法の個別給付に準じた 対応を含め、国としての助成制度を創設すべきである。 また、成年後見制度が民法に基づく制度であり、上記の福祉的ニーズとは別に、 虐待対応や消費者被害、親族間紛争、法的トラブル等における本人の権利回復のた めの支援としても重要な役割を担い、今後も認知症高齢者の増加に伴いその役割が 増大することを踏まえれば、司法制度としても、報酬を賄うことのできない低所得 者への司法的支援策として、総合法律支援法に基づく後見報酬等の援助等を援助対 象として追加すべきである。

⑶ 後見報酬付与の現状データの整理・分析と開示 →ところで、後見報酬のあり方及び報酬助成制度の検討は、現行基本計画の中間 検証以降に議論が本格化したものであるところ、そもそも現行の報酬付与の決定状 況が、全体の事案総数の中でどのように運用されているかの基礎データの分析はないままに、個別事案や現場感覚で議論されてきたように思われる。どのような見直 しを行うにしても現状の客観的認識が重要であり、最高裁において各家庭裁判所の 把握しているデータを集積し、各家庭裁判所ごと(本庁・支部を含め)の過去1年 間の全事件(継続事案)における、後見人等等の属性(親族、市民、第三者、法 人)による選任数・割合、報酬付与の有無(後見人等等の属性別)、報酬付与した 場合の報酬額(年額又は月額)の分布状況(後見人等等の属性別)についてデータ 整理をしていただくことを求めたい。

10 任意後見制度の適切な運用改善や法改正に向けて→ 任意後見制度は、意思決定支援の延長に位置づけることのできる自己決定に基 づく代理代行制度として、利用促進をはかることが求められる、より身近な 制度として感じられ利用に結びつけるための方策とともに、主に親族が任意後見受 任者となっている現状における課題につき、日弁連の「任意後見制度の利用促進に 向けた運用の改善及び法改正の提言」(2020年11月18日)を参考にしてい ただきたい。
⑴ 任意後見制度の利用促進に向けて↓
○ 任意後見制度の利用を阻害している原因を的確に把握し、運用の改善や法改 正を検討するためのさらなる実態調査を行うこと。
○ 中核機関や地域包括支援センター等の第一次相談機関において、任意後見制 度の理解を周知徹底させ、一般市民に対する啓発活動や相談活動を強化する。
○ 誰もが、身近な地域の中に自分に合った適切な受任者を見付けられるよう、任 意後見受任者の担い手につき、適切な質を確保した受任者として適切な専門職や 団体についての適切な情報提供体制の検討
○ 任意後見監督人の報酬助成の制度の検討
○ 任意後見契約発効後も、柔軟に代理権目録の追加変更の登記を可能にすると ともに、本人の意思決定能力やニーズに即して、代理権の段階的発効が可能にな るような法改正
⑵ 任意後見制度の濫用防止に向けて ↓
○ 移行型の任意後見契約において不正が行われることを防止する
ため、任意後見 発効前の委任契約における代理権を必要なものに限定するとともに、地域連携ネ ットワーク等において任意後見監督人選任申立ての支援を行う取組の実施 。 任意後見契約発効後の権限の濫用を防ぐため、不祥事対策に有用な契約条項の 在り方を普及・啓発
⑶ 専門職が任意後見受任者である場合の登記表示に関する改善提言。 専門職が業務として任意後見契約を締結する場合には、業務の本拠である事 務所の所在地を住所として登記できるよう改善を図ること。 任意後見の登記においても職務上の通称姓の登記ができるよう適切な措置を 講じること。

11 法定後見制度・任意後見制度の不正防止策
⑴ 後見人等を孤立させない支援体制の重要さ→
後見制度の信頼維持のために、後見人等の不正防止策は重要であるところ、主 として事前防止策を充実させることに向けた対応をさらに進めることが大切であ る。そのためには、親族後見人・市民後見人であれ、専門職後見人等であれ、後見 人等を孤立させないように、バックアップ体制や本人支援のネットワークの中で職 務を担わせる環境整備が重要である。家庭裁判所と中核機関の連携による親族後見 人の支援策の推進、市民後見人の育成体制における継続的な支援機関による定期的 な助言・確認体制、専門職団体における家庭裁判所とも連携した定期確認や指導体 制を、各地で整備・充実させることが最大の不正防止策であることを確認したい。
(2) 後見支援商品の課題 →また、事前防止策の1つとされる後見制度支援信託や後見支援
預金については、導入時に財産の固定化や自己決定への制約が懸念されていたが、全国の身近な 金融機関全てで支援預金が利用できるようになれば、従来本人が形成した資産を変動させることなく利用できるという意味で、本人の自己決定に反する弊害を抑える ことが期待できる。ただし、支援商品選択時に設定した日常生活に必要な収入・資 産範囲の見極めが、その後変動する本人の生活状況に的確に対応できているのか、 設定時の枠内に本人の生活が押し込められることになっていないかの検証が必要である。 加えて、長期化するゼロ金利時代において、今後の制度利用者は、流動資産を預 貯金より有価証券・投資信託等で形成する傾向にあり、毎年相当の配当利益を受け ているにもかかわらず、これを解約して利息の伴わない支援商品の適用を指示する ことは、本人の経済的利益を損なうものとして慎重にすべきであり、むしろ証券取 引における不正防止策を別途検討することが求められる。 さらに、保佐・補助類型についても、後見支援類似の商品の検討が金融庁のフォ ローアップ会議でなされていることが報告されたが、被保佐人・被補助人は、被後 見人等以上に、自己の資産についての意思を表明する機会が多くこれを尊重する必 要があり、また日常生活や社会生活の変動も大きいため、より柔軟な資産活用への 対応が求められるため、商品検討にあたっては、必ず、現場の保佐・補助の職務の 実情や当事者の意見を踏まえて、その可否を検討すべきである。 なお、保佐,補助類型においては,第 10 回専門家会議の意見において、必要 性・補充性の原則の運用レベルでの反映として、代理権付与の範囲の必要性を事案 に応じて厳格に吟味することを提案したが、これを金融機関との取引においても, 管理の必要な銀行口座の取引についてのみ保佐・補助人に代理権を付与し、その余 は本人が取引を行い保佐・補助人は同意権を行使するという形態とすることで、不 正行為は行われにくくなる一方、意思決定支援の理念にも資するものであり、代替 策として検討に値する。
⑶ 損害保険等の事後救済策の整備→事後救済策としての後見職務についての損害保険等の整備については、後見人 等の善管注意義務違反による損害を填補する保険だけでなく、監督責任機関の責任 を填補する保険も整備されつつあり、さらに後見人等の故意の不祥事をカバーする 商品の開発も進んでおり、こうした保険等を後見人等の属性を超えて全ての後見事 案に普及させる環境整備が重要である。これについて、保険料負担のあり方を含め て普遍的な制度としていくためのあり方の検討が求められる。

12 高齢者・障害者の取引主体としての合理的配慮の確保と成年後見制度の円滑な 運用のために金融機関が果たすべき役割→ 高齢者や障害者も、取引社会の一員として、他の者と同様の扱いを受ける権利が あるのであり、そのため支援者が意思決定支援によりそれを支援するとともに、事 業者が本年成立の障害者差別解消法改正による3年以内の合理的配慮の義務化が求 められることになったことを受け、金融機関もまた、まずは、認知症や知的・精神 障害がある顧客についても、職員が認知症や障害特性について十分に理解し応対できるための研修の実施や人材の養成、本人の意思及び認知判断能力の確認方法や支 援の在り方の検討など、適切な「合理的配慮」を提供することのできる体制整備が 重要である。近時の金融機関のペーパーレス、デジタル化、店舗縮小等の流れは、 こうした個別の特性に応じた合理的配慮を難しくする面もあり、改めて体制整備を 本格的に検討いただく時期である。 そして、同様に、本人が任意後見や保佐、補助の利用となった場合も、本人の取引 主体としての地位が失われるものではないにもかかわらず、実務上は、本人自身の取 引が制限され、本人が取引から排除されてしまう運用の改善が求められるとともに、 成年後見人等や任意後見人等、保佐人、補助人についての制度理解を進め、従来本人 あれば認められていた取り扱いと同様の地位を保障し(全支店での取引、キャッシュ カードの利用、ネットバンキングの利用等)、円滑な金融機関の利用を継続できるよ うに運用改善をはかるべきである。 まずは、こうした本人の取引主体性の確保及び成年後見制度の円滑な利用継続を確 保した上で、それでも本人の取引が難しい場合の日常生活の必要性に応じた家族等に よる代理・代行などの取り組みにつき検討することが道筋である。 この点、本年2月18日に公表された全国銀行協会の「金融取引の代理等に関する 考え方および銀行と地方公共団体・社会福祉関係機関等との連携強化に関する考え方 (公表版)」は、認知症高齢者を念頭においた代理・代行等の考え方を示している が、上記の諸点についての十分な配慮とともに、@任意代理人との取引については、 その運用に当たり、本人の権利・利益確保の観点から、濫用防止の措置を講じること が不可欠であり、A親族等による無権代理取引への対応を安易に広げることは、本人の権利・利益を害するおそれもあるため、具体的にどのような場合に「本人の利益に 適合することが明らかである」として依頼に応じるかについては、慎重な検討がなさ れるべきである(以上については、本年6月17日付、日弁連意見書「一般社団法人 全国銀行協会「金融取引の代理等に関する考え方および銀行と地方公共団体・社会福 祉関係機関等との連携強化に関する考え方(公表版)」についての意見書」を参照さ れたい)。

13 次期計画における目標値の設定→ 以上で意見を述べてきた次期計画に盛り込むべき実務運用改善の各課題について は、次期計画において、成年後見制度利用促進法12条2項に基づき、目標指標化の 可能なものにつき、期限を定めた目標指標を明確に定め、その進捗を具体的・着実に 進めていくことが重要である。 次の諸点については、具体的な指標を掲げた課題の推進が期待される。↓
・地域連携ネットワークにおける第一次相談機関における権利擁護相談の効果検証
・家庭裁判所と中核機関におけるマッチング機能の運用
・中核機関の後見人支援機能の運用 ・家庭裁判所と中核機関の連携による柔軟な後見人等交代スキーム試行
・市町村長申立の件数、標準処理期間
・市民後見人の全市町村での育成体制整備 ・都道府県の法人後見支援体制の整備
・家庭裁判所の都道府県や各市町村の協議会や中核機関の運営協議への参画
・市町村の成年後見制度利用支援事業の標準的な助成要件の達成
     
以 上

次回も続き「第 11 回 成年後見制度利用促進専門家会議 意見書」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月13日(Sat)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎第11回成年後見制度利用促進専門家会議 意見書
最高裁判所事務総局家庭局長  手嶋あさみ
1 権 利 擁 護 支 援 の 地 域 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク の 機 能 等 に つ い て
(1)中 間 と り ま と め に お い て 提 示 さ れ た よ う に , 成 年 後 見 制 度 の 利 用 促 進 は ,
権 利 擁 護 支 援 の 重 要 な 手 段 と し て ,地 域 共 生 社 会 の 実 現 と い う 大 き な 文 脈 の 中 に 改 め て 位 置 付 け ら れ , こ れ を 地 域 住 民 の 参 画 も 得 な が ら , 家 庭 裁 判 所 , 関 係 行 政 機 関 ,地 方 公 共 団 体 ,専 門 職 団 体 ,民 間 団 体 等 の 協 働 に よ る 権 利 擁 護 支 援 の 地 域 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク を 通 じ て 推 進 し て い く こ と が 期 待 さ れ て い る 。そ こ で は ,地 域 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク の メ ン バ ー で あ る 各 機 関・団 体 等 の 協 働 ,と り わ け 福 祉 ・ 行 政 と 司 法 が ,互 い の 機 能 や 特 質 を 十 分 に 理 解 し ,そ れ ぞ れ が 地 域 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク に お い て ど の よ う な 役 割 を 果 た す べ き も の で あ る か を 腑 に 落 ち る 形 で 共 有 し ,信 頼 関 係 を 深 め て い く 必 要 が あ る 。
そ の た め に は ,や や 逆 説 的 な が ら ,そ れ ぞ れ の 立 ち 位 置 か ら 見 え る「 景 色 の 違 い 」, す な わ ち 福 祉 ・ 行 政 と 司 法 の そ れ ぞ れ の 本 来 的 な 役 割 や そ こ か ら 生 ず る 視 点 ・ 発 想 の 違 い , 取 組 が 難 し い ポ イ ン ト 等 , お 互 い の 違 い を 改 め て 確 認 し , そ こ か ら ス タ ー ト す る こ と が 重 要 で は な い か と 感 じ て い る 。そ し て で き る 限 り 歩 み 寄 り の 努 力・ 工 夫 を こ ら す と 同 時 に ,そ の 限 界(「 す き ま 」)も ま た き ち ん と 意 識 し て い く 必 要 が あ る の で は な い か ,2 つ の ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ で の 議 論 を 経 て , そ の 重 要 性 を 改 め て 感 じ て い る 。
(2)こ う し た 問 題 意 識 や 第 1 0 回 専 門 家 会 議 で の 住 田 委 員 の ご 指 摘 等 も 踏 ま え ,最 高 裁 判 所 に お い て も ,今 般 全 国 の 各 家 庭 裁 判 所 で 後 見 事 件 を 担 当 し て い る 裁 判 所 書 記 官 や 家 庭 裁 判 所 調 査 官 か ら ,福 祉・行 政 と の 連 携 に 際 し 課 題 と 考 え る こ と 等 に つ い て の 声 を 集 め ,「 裁 判 所 の 実 務 担 当 者 か ら 見 え る 景 色 」 の 提 示 を 試 み た 。そ の 結 果 は 本 会 議 に お け る 最 高 裁 判 所 の 説 明 の と お り で ある が ,厚 生 労 働 省 作 成 の 参 考 資 料「 市 町 村 に お け る 司 法 と の 連 携 に 関 す る 諸 課 題 に つ い て ( 第 7 回 専 門 家 会 議 資 料 抜 粋 )」 と 合 わ せ 見 る と , 安 易 な 単 純 化 は 避 け る べ き で は あ る も の の ,全 体 と し て ,裁 判 所 に お い て は ,申 立 て を 待 っ て こ れ に つ い て 審 理 判 断 す る と い う 司 法 機 関 と し て の 特 性 も あ り ,現 に 裁 判 所 に 対 す る 申 立 て の あ っ た 事 件 の 審 理 と い う 枠 組 み を 超 え た 全 体 的 な 景 色 は 見 え に く く ,そ の 点 の 理 解 を 深 め る た め に は 更 に 踏 み 込 ん だ 努 力 を 要 す る こ と ,福 祉・行 政 側 に お い て は ,申 立 て を し た 後 に つ い て の 景 色 は 見 え に く い ,す な わ ち 申 立 て 等 を 受 け て 行 わ れ る 裁 判 手 続 が 本 質 的 に ど の よ う な も の で あ る の か ,ま た 裁 判 手 続 や そ の 後 の 支 援 を も 見 据 え て ,福 祉・行 政 側 に ど の よ う な 対 応 が 期 待 さ れ る か と い っ た 点 に つ い て は ,全 体 像 が 見 え に く い と い う 実 情 が あ り ,双 方 が な お 一 層 の 努 力 を し て い く 必 要 が あ る よ う に 思 わ れ る 。 例 え ば 受 任 者 調 整 等 の 場 面 に つ い て み れ ば ,裁 判 所 側 は ,申 立 て 前 の 段 階 で 中 核 機 関・地 域 連 携 ネ ッ ト ワ ー ク に お い て ど の よ う な 取 組 が さ れ ,ど の よ う な 調 整 を 経 て い る の か 等 を さ ら に 知 る 努 力 を す る 必 要 が あ る し ,福 祉・行 政 側 に は ,裁 判 手 続 の 流 れ や 本 質 を ご 理 解 い た だ く と と も に ,選 任 後 の 円 滑 な 支 援 体 制 の 構 築 等 も 視 野 に 入 れ て ,福 祉・行 政 と し て 手 当 て す べ き こ と を 考 え て い た だ く 必 要 が あ る 。 ま た ,前 記 の 福 祉 ・ 行 政 側 , 裁 判 所 側 そ れ ぞ れ の「 声 」 を 見 る と ,虐 待 が 疑 わ れ る 場 合 等 緊 急 性 が あ る 事 案 の 対 応 に つ い て そ れ ぞ れ が 見 て い る 景 色 の 違 い は 相 当 に 大 き い こ と が う か が わ れ る 。し か し こ の よ う に 難 し い 局 面 に つ い て の 対 話 で あ れ ば こ そ ,お 互 い を 知 り ,理 解 を 深 め る 絶 好 の 契 機 と も な り 得 る よ う に も 思 わ れ る と こ ろ で あ る 。 お 互 い に 一 歩 踏 み 込 ん で 互 い を 知 る 努 力・視 野 を 広 げ る 努 力 を 続 け る こ と が ,地 道 で は あ る が ,相 互 理 解 と 連 携 を 深 め る 重 要 な 取 組 で あ る と 感 じ て い る 。
⑶ そ し て ,こ の よ う な 互 い を 知 る 努 力 と と も に ,そ れ ぞ れ の 役 割 に 係 る 本 質 的 な 理 解 と 認 識 の 共 有 を し て い く こ と も ま た 極 め て 重 要 で あ る 。 本 人 や 後 見 人 と の 関 係 で ,福 祉・行 政 と 司 法 が ,そ れ ぞ れ ど の よ う な 形 で , ま た ど の よ う な 役 割 分 担 で か か わ っ て い く べ き か と い う 問 題 は ,成 年 後 見 制 度 利 用 促 進 の 取 組 を 進 め る 上 で ,本 質 的 か つ 重 要 な 問 題 で あ る が ,第 1 回 福祉・行 政 と 司 法 の 連 携 強 化 ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ に お け る 稲 田 龍 樹 弁 護 士 の 報 告 等 で も 触 れ ら れ て い た と お り , 裁 判 所 の 役 割 の 本 質 が 司 法 作 用 で あ り , 後 見 事 務 に 対 す る 後 見 人 の 裁 量 の 幅 に 留 意 し つ つ ,法 的 判 断 を 行 う 立 場 と し て 一 定 の 緊 張 関 係 を 保 つ べ き 立 場 に あ る こ と ,し た が っ て ,個 別 の 事 案 に お け る 後 見 人 や 本 人 の 支 援 に は 限 界 が あ る し ,こ う し た 本 人 等 に 寄 り 添 う 形 の 支 援 や 福 祉 的 助 言 は ,む し ろ 福 祉・行 政 側 に お い て そ の 強 み を 発 揮 す べ き 場 面 で あ る こ と , そ の 意 味 で 裁 判 所 の 行 う 「 監 督 」 と 中 核 機 関 の 行 う 「 支 援 」 は 本 質 的 に 異 な る こ と に つ い て ,共 通 の 理 解 が 形 成 さ れ て き て い る 。こ う し た 本 質 的 な 理 解 と 共 通 認 識 を 持 っ て ,具 体 的 な 場 面 に 即 し て ,適 切 な 役 割 分 担 の 在 り 方 や 連 携 の 在 り 方 を 具 体 的 に 考 え ,対 話 し ,連 携 を 深 め る べ き 部 分 を 見 極 め て い く こ と が で き れ ば ,そ れ が 互 い に 一 歩 ず つ 歩 み 寄 る 運 用 上 の 工 夫 に つ な が る 建 設 的 な 一 歩 と な る 。そ し て ,そ の よ う な 営 み の 中 で ,運 用 上 の 工 夫 で は 解 決 で き な い「 す き ま 」が 顕 在 化 す る と す れ ば ,そ れ が 制 度 の 在 り 方 を 含 め た 中 長 期 的 な 課 題 に つ な が っ て い く も の と 考 え る 。
⑷ 福 祉・行 政 と 司 法 の 連 携 に 向 け た 協 議 の 実 践 面 に 関 し て は ,協 議 体 の 在 り 方 に つ い て は 都 道 府 県 の 役 割 に 期 待 が 寄 せ ら れ る こ と は ,第 1 0 回 成 年 後 見 制 度 利 用 促 進 専 門 家 会 議 意 見 書 に も 記 載 し た と お り で あ る 。円 滑 か つ 合 理 的 な 連 携 の 実 現 に 向 け て 重 要 な ポ イ ン ト と 考 え る こ と か ら ,重 ね て 触 れ て お き た い 。な お ,家 庭 裁 判 所 に お い て は ,庁 を 単 位 と し た 対 応 が 基 本 と な る 一 方 , 協 議 内 容 等 に 応 じ ,支 部 や 出 張 所 も 含 め た 対 応 を 検 討 し て い く 必 要 が あ る と 考 え て い る こ と も , 前 記 意 見 書 に 記 載 の と お り で あ る 。

2 成 年 後 見 制 度 の 運 用 改 善 等 に つ い て
(1) 後 見 人 の 柔 軟 な 交 代
こ の 点 に つ い て は ,さ ら な る 実 践 の 余 地 と と も に ,そ の 限 界 も ま た 共 有 さ れ つ つ あ る よ う に 思 わ れ る 。
現 行 法 下 に お い て ,後 見 人 等 の 交 代 は ,基 本 的 に 後 見 人 の 辞 任 と 選 任 の 条 文 の 適 用 に よ り 実 現 す る こ と に な る 。柔 軟 な 交 代 を 実 現 す る た め に は 現 後 見 人 の 円 滑 な 辞 任 が 必 要 と な る と こ ろ ,例 え ば ,開 始 段 階 で ,本 人 の ニ ー ズ や 課 題 ,専 門 職 の 関 与 す る 目 的 等 を 明 確 に し ,選 任 当 初 か ら ,課 題 が 解 決 し た 際 の 選 任 形 態 の 変 更 に つ い て の イ メ ー ジ を 共 有 す る 運 用 や 実 践 を 蓄 積 し なが ら 運 用 改 善 を 試 み る 必 要 が あ る し ,そ の 余 地 は 十 分 に あ り ,一 部 の 家 庭 裁 判 所 で 既 に そ の よ う な 取 組 が 進 め ら れ て い る こ と は ,先 般 ,ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ に お い て 最 高 裁 判 所 か ら 報 告 し た と お り で あ る 。他 方 ,そ の よ う な 実 務 上 の 工 夫 に か か わ ら ず , 現 後 見 人 か ら 辞 任 の 意 向 が 得 ら れ な い 場 合 に は , 解 任 ( 民 法 8 4 6 条 ) に よ る 以 外 に 後 見 人 の 交 代 を 実 現 す る 余 地 は な い が , 解 任 事 由 に つ い て の 厳 格 な 定 め( 民 法 8 4 6 条 )や 解 任 は そ の 後 の 欠 格 事 由 と な る こ と( 同 法 8 4 7 条 )に 鑑 み て も ,解 任 に 関 す る 規 律 は 相 当 に ハ ー ド ル が 高 い も の と な っ て い る 。
こ の 点 に 関 し ,ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ で は ,家 事 事 件 手 続 規 則 8 1 条(「 家 庭 裁 判 所 は ,い つ で も ,成 年 後 見 人 に 対 し ,成 年 被 後 見 人 の 療 養 看 護 及 び 財 産 の 管 理 そ の 他 の 成 年 後 見 の 事 務 に 関 し 相 当 と 認 め る 事 項 を 指 示 す る こ と が で き る 。」)の 活 用 可 能 性 に 係 る 指 摘 を い た だ い た 。こ こ に い う「 指 示 」は , 後 見 の 事 務 の 監 督 に 係 る 民 法 8 6 3 条 2 項 所 定 の「 必 要 な 処 分 」の 一 内 容 と さ れ て い る こ と か ら ,裁 判 所 の 監 督 の 目 的 ,す な わ ち 当 該 事 案 に お い て 指 示 を 受 け た 後 見 人 が 指 示 の 内 容 に 沿 っ た 適 正 な 事 務 の 実 施 を 確 保 す る た め に 行 わ れ る も の で あ る 。個 別 の 事 案 に お け る 裁 判 体 の 判 断 と し て ,具 体 的 な 後 見 人 の 交 代 が 問 題 と な る 局 面 に お い て こ の「 指 示 」と い う 方 法 を と る と す れ ば ,究 極 的 に は 後 見 人 に 対 す る 解 任 権 の 行 使 と の 関 係 を 意 識 せ ざ る を 得 な い も の と 考 え ら れ ,指 示 を 出 す の が 相 当 な 場 面・ そ の 内 容 等 に つ い て は ,様 々 な 考 え 方 が あ り 得 る よ う に 思 わ れ る 。

(2) 成 年 後 見 制 度 支 援 信 託 ・ 預 貯 金 等
こ れ ら の 支 援 商 品 等 に つ い て ,提 供 す る 金 融 機 関 が 増 加 し て い る こ と は 心 強 く ,不 正 防 止 は も ち ろ ん ,高 額 な 資 産 の 管 理 に 関 す る 後 見 人 の 責 任 や 負 担 感 の 緩 和 を 図 っ て い く 上 で も 有 用 で あ る と 考 え ら れ ,積 極 的 な 活 用 を 図 っ て い く 必 要 が あ る 。併 せ て ,保 佐・補 助 類 型 に お け る 支 援 商 品 に つ い て も 金 融 機 関 の 自 主 的 な 勉 強 会 で 検 討 が 進 め ら れ て い る 状 況 が 報 告 さ れ て い る と こ ろ で あ り , 実 現 ・ 普 及 に 向 け た 積 極 的 な 検 討 が 求 め ら れ る 。
(3) 後 見 人 等 の 報 酬
後 見 人 の 報 酬 算 定 の 在 り 方 に つ い て は ,改 め て 難 題 で あ る こ と を 痛 感 し て い る 。 こ の 点 に 係 る 民 法 上 の 規 律 は ,「 家 庭 裁 判 所 は , 後 見 人 及 び 被 後 見 人 の 資力 そ の 他 の 事 情 に よ っ て ,被 後 見 人 の 財 産 の 中 か ら ,相 当 な 報 酬 を 後 見 人 に 与 え る こ と が で き る 。」と の 定 め( 民 法 8 6 2 条 )が あ る の み で あ る 。具 体 的 な 報 酬 算 定 は ,個 別 の 事 案 の 具 体 的 な 事 情 ,事 実 関 係 を 踏 ま え ,上 記 規 定 の 解 釈・適 用 を 通 じ て ,具 体 的 な 判 断 を 積 み 重 ね て き た 。そ の よ う な 蓄 積 と し て ,家 庭 裁 判 所 に お け る 従 前 の 実 務 に お い て は ,前 回 の ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ で の 最 高 裁 判 所 か ら の 説 明 に も あ っ た と お り ,財 産 管 理 の 事 務 負 担 が 財 産 の 多 寡 と 相 応 の 相 関 関 係 に あ る こ と 等 か ら ,財 産 の 多 寡 を 主 要 な 考 慮 要 素 と し て 報 酬 を 算 定 す る 運 用 が 多 く み ら れ ,こ う し た 運 用 が 客 観 的 に 明 確 で 分 か り や す い 等 の 利 点 も あ り ,相 応 に 定 着 し て い た と い っ て よ い よ う に 思 わ れ る 。 し か も ,実 際 の 事 案 は 実 に 千 差 万 別 で あ り ,審 理 を 担 当 す る 裁 判 体 は ,上 記 の よ う な 実 務 の 蓄 積 を 前 提 と し つ つ ,そ れ ぞ れ 知 恵 と 工 夫 を 尽 く し ,そ の 裁 量 の 範 囲 内 に お い て , 当 該 事 案 に 即 し た 判 断 に 努 め て き た と 言 っ て よ い 。 例 え ば ,実 情 を よ り 詳 細 に 知 り た い と の ご 指 摘 を い た だ い た 財 産 少 額 事 案 に お け る 審 理 判 断 の 状 況 に つ い て も ,い く つ か の 家 庭 裁 判 所 に お け る 実 情 を 聞 き 取 っ た 限 り で も ,そ の 難 し さ の 裏 返 し と し て ,様 々 な 審 理 判 断 の 実 情 が 見 て 取 れ る 。予 め 報 酬 助 成 制 度 の 利 用 見 込 み 等 を 聴 取 し ,そ の 範 囲 内 で 付 与 の 判 断 を 行 っ た 例 ,報 酬 助 成 制 度 の 利 用 見 込 み 等 に つ い て は 勘 案 せ ず ,相 当 額 を 付 与 し た 例 ,本 人 の 資 力 の 観 点 か ら 低 額 な 報 酬 を 付 与 し た 例 等 様 々 で あ る 。し か も ,特 筆 す べ き は ,そ の 前 提 と し て ,そ も そ も 後 見 人 の 報 酬 付 与 の 申 立 て の 在 り 方 自 体 が 多 様 な こ と で あ る 。本 人 の 資 力 を 勘 案 し て 可 能 な 範 囲 で の 報 酬 付 与 を 求 め る 例 ,お よ そ 報 酬 付 与 自 体 求 め な い 例 ,将 来 的 に 相 続 等 に よ る 本 人 の 資 力 増 加 が 見 込 ま れ る よ う な 場 合 に ,通 常 通 り 報 酬 付 与 を 求 め つ つ そ の 回 収 は 当 面 見 合 わ せ て お ら れ る 例 ,時 機 を み て 報 酬 付 与 の 申 立 て を す る こ と と し ,そ の 間 は 申 立 て を 見 合 わ せ て お ら れ る 例 等 ,実 情 は 様 々 で あ り ,家 庭 裁 判 所 は ,こ の よ う な 点 も 勘 案 し て ,裁 量 に 基 づ き 個 別 に 判 断 し て い る 実 情 が 見 て 取 れ る 。こ の こ と の み か ら 見 て も ,全 国 の 実 情 を 統 一 的 な 形 で 把 握 し 提 示 す る こ と の 困 難 性 に つ い て は ご 理 解 を い た だ け る の で は な い か と 考 え る し ,ま た 仮 に 財 産 少 額 事 案 に 限 ら ず ,そ の よ う な 分 析 を 試 み た と し て も ,特 に 従 前 の 実 務 上 の 運 用 と は 基 本 的 な 考 え 方 を 異 に す る こ と に な る 新 た な 報 酬 算 定 の 在 り 方 を 検 討 す る 上 で の 有 意 性 に つ い て は ,疑 問 と 言 わ ざ る を 得 な い も の と 考 え て い る 。
現 在 ,全 国 の 家 庭 裁 判 所 に お い て は ,前 回 の ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ で ご 説 明 さ せ て い た だ い た と お り ,後 見 人 が 行 っ た 事 務 に 焦 点 を あ て ,そ の 内 容 や 負 担 の 程 度 等 を 考 慮 し て 算 定 し ,後 見 人 が そ の 事 案 に お い て 必 要 な 事 務 ,す な わ ち そ の 事 案 に お い て 後 見 人 に 期 待 さ れ る 事 務 を 行 わ な か っ た 場 合 は 報 酬 を 減 額 す る と い う 基 本 的 な 方 向 性 に 沿 っ て ,検 討 を 進 め て き て い る と こ ろ で あ り ,本 専 門 家 会 議 に お い て も ,従 前 よ り 折 に 触 れ 説 明 を さ せ て い た だ き , 共 有 し て い た だ い て い る と こ ろ と 認 識 し て い る 。そ し て ,ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ に お い て も 説 明 し た と お り ,各 家 庭 裁 判 所 に お い て は ,上 記 の よ う な 方 向 性・視 点 を 基 に し つ つ ,本 人 に 対 す る 虐 待 の 問 題 や 親 族 間 紛 争 の 有 無 ,財 産 の 規 模・内 容 等 に よ る 管 理 の 複 雑 さ な ど と い っ た ,各 事 案 自 体 の 特 徴 や 事 務 の 遂 行 に 発 揮 さ れ る 専 門 職 後 見 人 の 専 門 性 を 適 切 に 評 価 す る こ と を 検 討 し て い る と こ ろ で あ る 。個 々 の 事 案 に お け る 裁 判 体 に よ る 独 立 の 裁 判 と い う 枠 組 み の 中 で の 検 討 に は 自 ず と 限 界 も あ り ,ま た 極 め て 多 様 性 の 大 き い 具 体 的 な 事 案 を 前 提 と し つ つ ,利 用 者 に と っ て の 予 測 可 能 性 を 確 保 し 得 る 形 で 考 え 方 を 整 理 す る こ と は ,そ れ 自 体 至 難 で あ る 上 ,本 来 事 後 的・個 別 的 判 断 を そ の 役 割 と す る 司 法 機 関 に と っ て ,い わ ば 従 前 の 実 務 の 蓄 積 か ら 離 れ た 考 え 方 で 新 た に 予 め 考 え 方 を 整 理 す る と い う 営 み は ,ほ ぼ 未 体 験 の 挑 戦 と 言 っ て も 過 言 で は な い 。 前 回 の ワ ー キ ン グ・グ ル ー プ に お い て ,上 山 委 員 よ り ド イ ツ に お け る 法 改 正 の 経 緯 等 に つ い て の ご 説 明 を う か が い ,裁 判 所 に よ る 報 酬 算 定 に 係 る 様 々 な 社 会 的 コ ス ト ま で 含 め た 問 題 点 全 体 を 踏 ま え ,精 緻 に 整 理 さ れ た 在 り 方 に 接 し ,感 銘 を 受 け る と と も に ,現 在 直 面 し て い る 困 難 や 悩 み は あ る 意 味 で 普 遍 的 な も の で あ る こ と も 痛 感 し た と こ ろ で あ る 。司 法 判 断 と い う 枠 組 み を 維 持 し つ つ ,新 た な 在 り 方 を 模 索 す る こ と は 容 易 で は な い し ,一 度 に 理 想 的 な 整 理 を 求 め る こ と は 難 し い か も し れ な い 。む し ろ そ の よ う な 認 識 も 持 ち な が ら ,少 し で も 利 用 者 が メ リ ッ ト を 感 じ ら れ る 後 見 制 度 の 運 用 の 実 現 に 向 け て , 改 善 の た め の 取 組 を 行 う 必 要 が あ る し ,最 高 裁 判 所 と し て も ,司 法 の 独 立 を 踏 ま え ,自 律 的 取 組 が 期 待 さ れ て い る こ と に 鑑 み ,各 家 庭 裁 判 所 の 検 討 を 支 援 し て い き た い と 考 え て い る 。

3 次 期 基 本 計 画 に お い て ,中 長 期 的 な 視 点 か ら 目 指 す べ き こ と→方 向 性 に つ いて 以 上 述 べ た と こ ろ は ,い ず れ も 中 長 期 的 な 視 点 か ら 検 討 を 行 う べ き 課 題 で も あ る と 認 識 し て い る 。こ こ で は ,先 に 述 べ た 報 酬 算 定 の 在 り 方 の 検 討 と の 関 連 で , 報 酬 助 成 制 度 の 拡 充 の 点 に つ い て 敷 衍 し て お き た い 。 中 間 検 証 報 告 書 に お い て 「 本 人 の 資 産 が 少 な い 場 合 に お い て も 制 度 を 適 切 に 利 用 す る こ と が で き る よ う に す る こ と が 重 要 で あ り , そ の た め に は , 担 い 手 の 確 保 と そ の 報 酬 の 在 り 方 , 申 立 費 用 や 報 酬 の 助 成 制 度 の 推 進 等 に つ い て 併 せ て 検 討 し て い く 必 要 が あ る 。」と 記 載 さ れ て い る と お り ,報 酬 助 成 等 の 環 境 整 備 は , 成 年 後 見 制 度 の 円 滑 な 制 度 運 用 の た め に 解 決 し な け れ ば な ら な い 不 可 欠 な 課 題 の 一 つ で あ る 。 こ の 点 は , 現 在 の 運 用 を 前 提 に し た 場 合 も 改 善 を 要 す る 喫 緊 の 課 題 で あ り , 次 期 計 画 の 下 で 速 や か に 対 応 す べ き も の と 考 え ら れ る 。 な お , こ の 点 に つ い て は , ワ ー キ ン グ ・ グ ル ー プ に お い て も , そ の 拡 充 に 向 け て , 財 源 確 保 の 観 点 か ら と し て 所 要 の 情 報 提 供 の 求 め を い た だ い て い る 。 具 体 的 に 有 意 な 情 報 と し て ど の よ う な 提 供 の 在 り 方 が あ り 得 る か も 含 め , 裁 判 所 と し て も 必 要 な 検 討 と 連 携 を 図 っ て い き た い と 考 え て い る 。



◎第11回 成年後見制度利用促進専門家会議   倉敷市意見
次期計画には、地域連携ネットワークの各機能は、司法と福祉・行政が連携して 取り組んでいく必要性と、家庭裁判所の役割も明記していただきたい。 中間とりまとめの14ページに、「C地域連携ネットワークの更なる機能強 化の検討」の項目に、「家庭裁判所における司法で取り組む範囲と、福祉・行 政の支援のあり方についての整理や福祉・行政と司法との連携のあり方も検討 する必要がある」と記載があり、9月以降、2つのワーキンググループにおい て、司法、福祉・行政の支援や連携のあり方について議論を重ねてきたが、司 法による「制度の運用・監督」、福祉・行政による「本人中心の支援」の範囲 を認識して進めていく必要があることは、明らかになったと感じている。 例えば、現行計画において、担い手の育成については、中核機関の役割と記 載されているが、家庭裁判所により法人後見や市民後見人を後見人等に選任す る際の考慮要素等が明らかになっていなければ、中核機関において、活動支援 や育成のための啓発や研修が実施できない。 また、後見人の苦情対応についても、検討テーマに係る関係資料の6ページ に、「福祉・行政が中心となり実施している内容」に記載されているが、ワー キンググループでの議論の中で、後見人に対する苦情の受け止めについては、 親族、本人、第三者によるものと様々であり、また、その後の対応について も、後見人の交代のような内容については、中核機関だけでは調整できないこ とが明らかになった。 中核機関が、本人の立場で苦情をどのように受け止め、解決していくかにつ いても、関係者の調整で済むことなのか、後見人等の交代や解任の問題になる のか、それぞれの段階により、司法、福祉・行政でできる役割も異なってい る。

以上のことからも、今後5年間で様々な体制整備を充実させるために、次期 計画には、地域連携ネットワークの各機能は、司法と福祉・行政が連携して取 り組んでいくことが必要であることから、家庭裁判所の役割について、新たに 整備する機能も含め、次のような点を計画に記載していただきたい。↓
(相談機能)→ ・家庭裁判所による後見人等の選任や監督に関わる相談機能の充実。 (成年後見制度利用促進機能) ・中核機関の受任候補者調整を受けて、家庭裁判所に円滑に後見人等の選任を 行って頂けるようにするために、家庭裁判所が有する事案の資産状況や解決す べき課題に対する考え方や判断基準等について、中核機関と共有すること。 ・中核機関が後見人等の候補者として推薦しうる法人の候補者名簿を整備するために、家庭裁判所が保有する後見等を行っている法人及び法人で後見人等を 行っている個人についての活動状況に関する情報を中核機関と共有すること。 ・虐待等本人に喫緊の課題がある事案について、首長申立てを行う場合に、家 庭裁判所と中核機関の双方がスムーズに手続きを行えるための事務簡略化等の 運用改善。
(後見人等支援機能)→ ・負債や相続等の専門的な支援を要する課題が解決した後,専門職後見人等から市民後見人等に柔軟な交代ができるような運用の仕組みを作ること。 ・後見人等の業務内容に応じた報酬を算定する仕組みの見直しや、家庭裁判所 が後見人等の報酬算定を行う際に考慮している事項の標準的な判断の目安を示 すこと。

次回も続き「第11回専門家会議への意見」からです。

第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議) [2021年11月12日(Fri)]
第11回 成年後見制度利用促進専門家会議(web会議)(令和3年10月25日)
【議事】@成年後見制度の利用の促進に関する施策の進捗状況(報告) A〜B
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_21658.html
◎資料4 各委員提出資料
◎第 11 回専門家会議意見
特定非営利活動法人尾張東部権利擁護支援センター長 住田 敦子
@ 権利擁護支援の地域連携ネットワークの機能等について
〇中核機関の機能と体制整備について ↓

中核機関の設置が社会福祉協議会を中心に進んでいるが、先行して社会福祉協議会が法人後見実施団体としての実績が評価されている例がみられる。 当センターの経験からすると、一定数の人口規模である場合には、法人後見の増 加が見込まれることから、中核機関に求められる業務とが競合してしまい、センター配置の 人材が確保されない場合には、次期計画が目指す中核機関のコーディネート機能の強化に よる地域連携ネットワークの機能強化への対応が困難となる。そのため中核機関の設置の 第一段階(広報啓発・相談)から第二段階(コーディネートにおける支援の多機能化等)では、これらの業務に並行して法人後見の増加に対応した計画が強化されることが求められる。 また環境条件の厳しい地域ほど、地域の社会資源も少なく、社会福祉協議会への期待が大きくなることが予測され、既存の事業(介護保険等のサービス事業)などを担わざるを得ないことも想定されるため、利益相反の問題も加わる。 法人後見→日常生活自立支援事業からの移行や公的後見の必要性も見込まれるが、中核機関と法人後見を同一法人で担う場合には、法人後見の透明性や公平性を明らか にする等の工夫が必要となる。 例えば、上伊那成年後見センターによる「法人受任審査会」や、当法人による「適正運営委員会」などでは専門職等を含めた合議体で、法人後見候補者の要否について検討判断して いる。これらは中核機関の候補者調整における中立性を担保するものとなる。 こうした組織的対応を図るため、自治体レベルでの利用促進計画の場で検討することが 必要となる。地域福祉計画の盛り込まれた計画項目も含めて、権利擁護支援に関する進行管 理や評価を独立して実施することが求められるためこの点を明記していただきたい。 体制整備においては小規模市町村での整備が進んでいない(5 万人未満の自治体では 27.4%が未定)。令和 2 年度、「成年後見制度利用促進基本計画における地域連携ネットワー クと中核機関の体制整備上の課題分析と効果的手法に関する調査研究事業」による報告書 では、小規模、中山間・離島等の地域(環境条件の厳しい地域)で、体制整備を進めている 市町村の共通点のひとつに、社会福祉法人による法人後見の推進、都道府県社協と専門職団体、市町村社協の協働による法人後見の実施など、地域の実情を見極めた担い手の拡大解消 に向けた対応が挙げられている。小規模市町村における中核機関の設置にむけた検討段階から、「都道府県による市町村支援のためのガイド」を参考に都道府県による市町村支援に 期待したい。
〇苦情対応について →中間取りまとめ以降、地域連携ネットワークおよび中核機関が担うべき具体的機能について、「個別支援」と「地域の体制づくり」に 4 機能の整理が示された。そのうち「個別支援」 の中に、実施している事例があるものとして苦情対応があるが、福祉・行政が中心となり実施する苦情対応では、苦情の質がさまざまであり、後見人の交代を要望するものなど解決まで地域で担えるものではない。また、中核機関は本人の代弁性なども備えるため当事者性が 強まる傾向にあることも否めない。苦情対応は個別支援でもあるが、そのための仕組みは地域づくりの支援でもあり、福祉・行政と司法の役割を分けて苦情解決の仕組みを構築してい くことが必要と思われる。

A 次期基本計画において、中長期的な視点から目指すべきこと、方向性について 成年後見制度利用支援事業について
1)申立て費用の助成→
申立てに係る費用は、診断書代、(鑑定の場合には鑑定書費用)、申立手数料(印紙)、後 見登記手数料(印紙)、郵便切手代、戸籍謄本や住民票の取得費用など、鑑定費用を除けば おおよそ 1〜2 万円程度が必要となる。 成年後見制度利用促進施策に係る取組状況調査結果(第 8 回専門家会議資料)によると 申立て費用の助成をしてない市町村のうち、高齢者関係 57.2%、障害者関係 55.6%では 申立費用助成制度がない理由として「自治体内で必要性を感じていない」と回答している。 このことは、市長申立てのみを想定しているかと思われるが、本人、親族申立ての場合に は申立て費用が負担となり、申立てのタイミングを逃したり、遅れる場合がある。利用支援 事業は償還払いのため、本人、親族に申立ての意思があっても生活費や債務やのため申立て 費用が用意できず市長申立てを行う場合もある。そのため、将来的に利用支援事業の申立て費用の償還払いを見直してはどうかと思う。財 源等は異なるが、介護保険の住宅改修費用や福祉用具購入費用も償還払いが負担なため受 領委任払いに改正している。医療保険における高額療養費制度も償還払いからの改正であ る。 この償還払いへの対応として、尾張東部圏域では申立て費用の捻出が困難なケースが複 数あったため、平成 29 年に、現在の協議会(適正運営委員会)で検討し、当センターに「申 立て諸費立替制度」を設けた。直近の実績は 11 件(本人 10 件、親族 1 件)、平均の立替費 用は 1 万 6724 円である。立替に係る費用の支払いについては、直接センターから医療機関 に診断書費用を支払い、収入印紙、切手等は現物を本人、親族に渡している。申立て後はセ ンターから市町に償還払い請求ができるよう各市町が要綱の書式を揃えている。これにより本人や親族が申立て費用の心配なくスムーズな申立てに繋がり、市長申立ての負担も軽 減されている。

2)成年後見制度利用支援事業の内容等について
尾張東部圏域(瀬戸市・尾張旭市・豊明市・日進市・長久手市・東郷町)では平成 27 年 から専門職後見人の受け皿を確保するため、費用助成の在り方について 6 市町が共通認識 をもって検討し、これまで数度改正を行ってきた。以下ア〜エは地域の実情に応じて改正を 行ってきた特徴的な内容について紹介したい。例に東郷町の成年後見制度利用支援事業を参考に説明する。なお、要綱改正は 6 市町が基本的に同じ内容で同年度に行っている。
ア. 法人後見に対する特別助成 →成年後見制度利用支援事業では、本人および世帯の収入要件や資産要件を定めているが、 法人後見を実施する当センターが受任した場合は、それらの要件に該当しなくても報酬助 成を受けることができる。法人後見の適否については(市長申立てに限らず、専門職後見人 が個人で受任するには困難な場合など)、適正運営委員会に諮り、候補者となることが必要 だと認めた場合、申立てを行い法人後見の審判を受けた場合に該当する。この費用助成の考え方は公的後見の要素ともいえる。
第 13条 (後見人等に対する報酬等の助成) ⑷ 尾張東部権利擁護支援センター適正運営委員会設置要綱(平成23年10月1日施 行)第1条の規定により設置された適正運営委員会の決定において特定非営利活動法 人尾張東部権利擁護支援センターが後見人等又は後見監督人等となっている者であって、別表に規定する要件に該当し ないもののうち、必要となる費用の全部又は一部について助成を受けなければ成年後見制度の利用が困難であると町長が認めるもの

イ 助成対象者と助成上限枠 →助成の額については、被後見人一人当たりではなく、複数後見の場合も想定し、後見人等 1 人につき、1 月あたり 28000 円を限度としている。 また、月額の上限を 28000 円とし、居所によって後見事務の内容が評価されるものではな いため、施設と在宅で分けていない。 例えば、施設に入所している方でも、トラブルなどにより施設を変更したり、在宅の検討を することもある。
第 14条 (助成金の額) 2 前条第2項の規定により町長が助成することができる後見人等に対する報酬等は、後見人等又は後見監督人等1人につき1月当たり28,000円を限度とする。この場合にお いて、家事事件手続法第124条第2項に基づく報酬付与の決定により家庭裁判所が決定した後見人等に対する報酬等の額が助成の限度額に満た ないときは、その額を助成金の額とする。

ウ 申立て諸費立替制度を利用した場合の助成金の請求について 2 項に明記している。 (助成金の請求) 第 17条 前条の規定による交付決定を受けた者は、同条第2項の交付決定通知書を受領後 速やかに東郷町成年後見制度利用支援事業助成金請求書(様式第4)により、助成金を町長 に請求するものとする。 2 前条の規定による交付決定を受けた者の審判請求費用を、やむを得ない事由により尾張 東部権利擁護支援センターが負担している場合には、前項の規定にかかわらず、尾張東部権 利擁護支援センターが交付決定を受けた者に代わって、助成金の請求を行うことができる ものとする。

なお、資産要件については社会福祉法人減免制度を基準額としている。→ ⑴ 町民税非課税世帯(世帯員全員が非課税)の者 ⑵ 世帯の年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した 額以下の者 ⑶ 世帯の預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加 算した額以下の者 ⑷ 世帯員が居住する家屋その他日常に必要な資産以外に利用しうる資産を所有していない者 ※ 世帯員とは、同一敷地内に居住するなど生計を一にする者も含む。        以上


◎第 11 回成年後見制度利用促進専門家会議提出意見
北海道社会福祉協議会 事務局長 中村 健治
1. 市町村の役割と包括的支援体制との連動

〇中間とりまとめにおいて、権利擁護支援は本人を中心にした支援・活動の共通基盤であると位置付けられました。地域の福祉関係者がこの認識を共有 することが重要であるとともに、共通基盤としてしっかりと機能するよう、 権利擁護支援の体制整備を、市町村における包括的支援体制の構築と連動を図りながら進めることが重要です。
○中核機関や協議会を形式的に整えることのみを急ぐのではなく、各市町村が、包括的な支援体制のビジョンを描く中で、権利擁護支援の仕組みをどのように位置づけ、整備していくか、地域の住民や専門職、関係機関と協議し ながら作り上げていくことが求められます。 ○その意味では、中間とりまとめで打ち出されたように、人口規模が少ない地 域における体制整備の推進に向けて都道府県の機能強化を推進することは 重要ですが、市町村の主体的な取り組みが後退することのないよう、留意する必要があります。
○また、権利擁護支援の重要なツールとして日常生活自立支援事業について 市町村の行政担当者が十分に理解することが重要です。同事業の利用状況 や潜在的なニーズ、支援における課題、成年後見制度との連携状況等を踏ま えながら、両制度が切れ目なく柔軟に活用できるような体制を整える必要があります。

2. 権利擁護支援の地域連携ネットワーク
〇地域連携ネットワークが担う 4 機能を個別支援と地域の体制づくりにわけて整理されたことは今後の取り組み推進において重要であり、個別支援を通じて把握された課題を踏まえて地域の体制づくりが進むというように、 両者が両輪となって体制整備を推進することが重要と考えます。
○また、本人の意思や状況を踏まえて適切に受任者調整を行うためには、後見人の確保・育成により担い手の選択肢を増やしていくことが不可欠であるように、これらの機能はそれぞれが別々の物ではなく相互に強い関係があり、好循環を創り出していくことが求められます。
○これまで、まずは広報機能や相談機能から段階的・計画的に体制整備を進め ることが推奨されてきましたが、今後、これらの機能を強化していくうえでは、地域連携ネットワークの要となる中核機関の役割がますます重要となります。専門性を持った職員を中核機関に配置できるよう、財源の確保が必要であり、地方交付税単価の引き上げとともに市町村における予算化を進めて 頂きたいと考えます。

3.虐待対応との連携
○身体的・精神的虐待や介護放棄、あるいは金銭搾取等の権利侵害に対して、本人を保護したり権利を回復するための支援を行う際、成年後見制度の利用を検討する場合がありますが、申立の準備や審判に時間を要し、迅速な対応が困難な状況があります。 ○例えば「みなし適用」のような方法で、一時的に成年後見制度を利用して緊 急的な対応を行い、対応が落ち着いた後に改めて本格利用するかどうかを 検討し決定するなど、虐待対応における機動的な権利擁護支援の仕組み作りについて検討が必要と考えます。

3. 法人後見の受任体制の整備について
〇令和元年 10 月時点では約 3 割の社協が法人後見の受任体制を整備してお り、法人後見を受任する社協数や受任件数は年々増加しています。法人後見の依頼があるケースは、本人の年齢が低く長期にわたる支援が必要であったり、頻回な訴えや臨時の対応、支援に関わる多機関との調整等、きめ細かな身上保護が求められるケースが多い傾向にあります。 ○地域における権利擁護支援の担い手づくりや市民後見人の選任を推進する 観点からも、市民後見人を育成・支援する社協自身が法人後見に積極的に取り組む、また、経験を積むことは有効と考えています。しかし、限られた社 協の体制のなかで中核機関の受託と両立させていくことは、負担が大きいのも現状です。そのことからも、法人後見の担い手を社協以外にも広げることは不可欠と感じていますが、法人後見実施機関が安定的・継続的な受任体制を整えられるよう、業務に応じた適切な報酬額の確保と併せて運営基盤に対する公的な支 援が必要と考えます。あわせて不正防止の仕組みの十分な検討が必要 です。


◎(一社)全国手をつなぐ育成会連合会・意見書 (一社)全国手をつなぐ育成会連合会
1 現行法の運用において対応可能かどうかの確認について
改善を要する点については法改正も含めた対応が必要。
(1) 判断力が不十分な人が成年後見制度を利用しないことは違法か
→現状では、たとえば重度知的障害者に後見人等が選任されていなくても日常 生活上の財産管理や契約行為などには特段の影響がありません。この状況はな ぜ現出しているのでしょうか。違法状態の放置に当たるのか、何らかの法的妥 当性があるのか、あるいは何らかの要因により違法性が阻却されているのか、 確認させていただきます。
(2)類型決定と後見人等決定の時間軸を分けることは可能か →原則的には類型の決定と後見人等の決定は同時と理解していますが、たと えば後見人等が欠けた場合には、次の後見人等が選任されるまでの間、「後見 類型として決定はされているが、後見人は選任されていない」状態がありうる と考えられます。たとえば、その状態が結果的に10年続くといったことは法的に可能でしょうか。
(3)後見制度支援預金の活用は可能か→ 上記(2)の状況がありうるとして、「後見類型として決定はされているが、 後見人は選任されていない」期間中に中核機関または地域連携ネットワークが 運用管理する前提で後見制度支援預金を活用することは可能でしょうか。
(4)後見人等候補の絞り込み柔軟な選任は可能か→ 上記(2)の状況がありうるとして、たとえば相続や訴訟、大型契約など法律等の専門職による集中的な対応が必要になった時点で家裁により(専門職)後見人等を選する際、よりスムーズな選任のため、予め後見人等の候補を絞り込んで おく運用は可能でしょうか。
(5)成年後見制度の柔軟な利用、休止は可能か→上記(2)の状況がありうる場合、理論的には「後見類型として決定はされているが、後見人は選任されていない」状態は随時に現出しうると考えられます。すなわち、集中的な対応が必要になった時点で(専門職)後見人等が選任され、当該状況が集結した時点で解任される(後見類型として決定はされているが、後見人は選任されていない状態に戻る)運用は可能でしょうか。
(6)成年後見制度に試用期間を設けることは可能か →成年後見制度の具体的な利用イメージや後見人等との相性確認などを含めた 成年後見制度の「体験利用」あるいは「試用期間の設定」は可能でしょうか。より具体的には、現行制度では申立てそのものが高いハードルとなっていることから、地域連携ネットワークの所管により家庭裁判所も協力し、申立てと類型と後見人等の決定、実際の後見活動を模擬的に(半年程度の期間で)実施すること は可能でしょうか。
(7)成年後見制度利用支援事業の柔軟な運用は可能か→現在、成年後見制度利用支援事業の運用は基本的に市町村へ委ねられていると理解していますが、たとえば上記(5)のような運用となった場合、後見人等の報酬助成を短期集中的に行うことは可能でしょうか。

2 後見人等の選任、交代について→ 後見人等の選任、交代については、可能な限り柔軟な運用とすることが重要と 考えます。最終的には「専門職後見が必要な時にだけ利用する(必要ない時には 後見制度を休止する)」運用が望まれますが、難しい場合であっても親族後見や 市民後見、法人後見と専門職後見が柔軟に入れ替わる仕組みとすることが求め られます。その際には、後見人等の選任、交代について膨大な書類を用意しなけ ればならない事務手続きの簡素化も重要となります。 本会が現行制度の範囲内で想定する選任、交代などの流れは⇒@ 成年後見制度を申し立てて、類型のみ審判を受ける A 平時には障害福祉サービスなど本人を支える福祉サービス及び人権擁護を福祉で受け止め支援していく(公の金銭管理のチェックの仕組みが別途必要、また、福祉サービスを利用していない人も含む) B 福祉サービス(現状)では「困難な事案」が現出する C 後見人等の選任審判を受ける(専門職後見等を利用する) D 「困難な事案」が解決する E 専門職後見人等が解任される(成年後見制度を休止する) F 休止中にいては、Aに戻る 上記の意図は、「人の人生を豊かにし幸福感が持てる福祉の制度」としての社会保障制度と明確に位置付けていただくことにあります。福祉サービスの利用有無に関わらず、本人の人権擁護の視点から、本人の意思を確認しながら日々の 暮らしを支える仕組みがあれば「本人が出来ることは本人がやる」「障害基礎年 金だけでも安心できる」と思えるような、見守りとセーフティーネットの仕組みを構築していただきたいと考えます。

3 地域連携ネットワークについて→ 上記のような運用を可能とするためにも、平時には親族後見や市民後見、法人 後見をサポートし、専門職後見が必要になった際には選任された専門職後見人 等へ適切な情報提供を行う仕組みが必要です。地域連携ネットワークには、こう した機能を全国どこでも提供できる体制とすることが不可欠と考えます。ただ し、こうした機能は地域連携ネットワークだけが担うものではなく、たとえば親 族や市町村等の福祉事務所、相談支援専門員やケアマネジャーが役割を担うことも考えられます。 また、本会のアンケート調査からは、個別事情に応じた成年後見制度の利用是非も含めた相談窓口の必要性が指摘されています。地域連携ネットワークや中核機関の相談機能がこれを担うことが求められます。次期計画の目標指標にこうした機能の実施状況を盛り込むべきと考えます。

4 後見人等への報酬について→現行の成年後見制度利用支援事業を含め、後見等への報酬をカバーする助成制度の整備拡充は後見制度の利用促進に不可欠です。本会のアンケート調査からも、報酬が高いことを理由に利用を控えているとの回答が約18%となっているほか、適正報酬への意見でも1万円/月以下を選択した者が36%となっており、潜在的な利用希望者は一定数いるものの、報酬設定がネックになっている現状が明らかとなっています。 専門職後見については法務省、市民後見、法人後見については厚生労働省のよ うな役割分担の下、専門職にはふさわしい報酬を設定しつつ、低所得の利用者で も負担可能な支払い水準になるような助成制度(給付制度)の設定が不可欠と考 えます。 また、報酬設定の際には、いわばメニュー表のような活動内容と標準的な報酬 額が分かりやすく示された資料が提示されることで、受けられる支援と負担の 関係性が明確化すると考えます。 なお、後見監督人の報酬については、本来「監督を受ける者」が負担すべきも のであり、特に監督人を希望したわけではない被後見人が負担するのは不合理 です。少なくとも、法人後見において後見監督人を選任する場合には、被後見人ではなく法人が報酬を負担すべきと考えます。

次回も続き「第11回成年後見制度利用促進専門家会議 意見書」からです。