第24回休眠預金等活用審議会 [2020年05月31日(Sun)]
第24回休眠預金等活用審議会(令和2年5月20日)
【議事】 議事 休眠預金を活用した新型コロナウイルス対応緊急支援について https://www5.cao.go.jp/kyumin_yokin/shingikai/2020520/shingikaisiryou.html ◎資料3 各専門委員のご意見 ◯内閣府から依頼した質問事項 ↓ @ コロナ感染拡大による影響により、社会課題解決の活動を行う団体や要支援者に どのような変化やニーズが生じているか。 A 休眠預金を活用する場合に留意すべきと考えている点。 ◯↑上記質問事項についての意見↓↓ ◯三宅委員 @→子供食堂が開催できないので毎日弁当配りをしている。食材費や使い捨ての容器代がかさむ。学校がないので、子供食堂が休めない。調理ができないので、もらった食材を配っている。それ以外の食材や配送など手 間がかかっている。 A→特に生活困窮家庭の子供たちは給食がないので子供食堂がたより。従って子 供食堂のスタッフが休めない。疲弊してきているのではないかと思う。 一方で、外食産業は店舗を閉めており、テイクアウトでの営業を続けているがこちらも厳しい環境。みらいたまご財団ではテイクアウトのお店と子供食堂を結び付け て支援ができないか、そうすることでスタッフの負担を軽減できないか等を検討して いる。 ※現場の声 ・食材提供探し、食材購入費、維持管理費に困っている。 ・ボランティアや運営者が感染しないかといつも不安 これから暖かくなると衛生面 もしっかりやらなければならないのでそちらへも神経を使う。 ・自治体とのパイプがないので、仲間内のネットワークや子供食堂サポートセンター からの情報だけが頼り。行政からの支援あるならお願いしたい。 ◯磯村歩委員 @→1)IT リテラシー向上の⽀援策 2)オンライン化サービスと今後の事業の戦略策定 3)感染防⽌のためのツールの提供 A→事業実施期間の延⻑、中⽌の承諾 休眠預⾦に限らず、多くの⽀援団体(含:当⽅所属の世⽥⾕まちづくりファン ド)が申請受け⼊れ期間、採択検討会の延期を決定しています。活動に伴う施設 等が休業で使⽤できない中、致し⽅ない判断だと思います。 ◯江口委員 第一の要望、この度の多くの資金分配団体実行団体の事業内容は、子どもと若者 支援、日常生活・社会生活を営む上での困難を有する者等の「ヒト」に焦点をあてた支援 が圧倒的に多いため、予定していた期間の延長を視野に入れていただきたく存じます。そ れは、実行団体の活動は対人、集会など人が集まることが想定されるためです。その代替 案が整うまでの時間が必要と考えます。 第二に、企業や学校がそうであるように、資金分配団体、実行団体共に、在宅勤務やリ モートでの活動に仕組みを変えていく必要が出てきております。そのための基盤整備とし て金銭的、人的支援をお考えいただきたく存じます。 特に IT 環境、WEB の技術については非営利活動は特に遅れ気味の団体も多い中、特化 した支援が必要と考えます。 第三に、社会に必ず必要な活動であるにも関わらず、活動が終息してしまうような団体 が出ないように、「プログラムへの助成金」ではなく、一度きりであっても「寄付金」ある いは「貸付金」としての資金援助をご検討できればと存じます。 ◯小河光治委員 @について ・子どもの貧困を含め、生活困窮者の生活が一気に悪化。親の失業や減収、子どものバイト打ち切りや減収も。 ・学校休校で出費の増加、給食なしで子どもの栄養不足、オンライン教育による学力格差の拡大も。 ・こども食堂、学習支援、居場所事業が実施できない。居場所を失う子どもたちの危機。 ・社会的養護や一時保護施設を巣立った若者たち、ネットカフェなどで生活していた若者たちは、仕事も住まい も失い、孤立状態にあり支援が必要。 ・不登校、ニート、ひきこもり等の若者を支援してきた団体は活動停止を余儀なくされ 団体の存続の危機に。 ・ひとり親世帯など困窮者支援団体への相談などが激増しパンク状態。野戦病院状態という声も。 ・規模の大きかったり著名で財政基盤が整備されていたりする団体に寄付が集中。一方、個々の現場で地道に 活動を続けてきた草の根団体や生活困窮と関わりの薄い団体への寄付は減少か。 ・事業収益が収入の柱である団体の収入が激減、事業中止による助成金の助成返上や受託金の返還も。 ・こども支援団体への民間の緊急助成への応募が全国各地から殺到し、とても高い採用倍率になっている。 ・民間の緊急助成もオンラインでの支援活動に集中しているが、長期化や地域ごとの状況に応じて、今後はオフ ラインでの支援を再開していくことに取り組む団体への支援もとても重要になる。 Aについて ・従来の枠組みの改革も重大だが、当面は「コロナ特別枠」に限って、柔軟な活用方法の推進が必要。 「コロナ特別枠」の資金分配団体は、既存の資金分配団体の中で、その担い手になりうるのは、全国網羅性が あり、また、大規模災害時の助成のノウハウが蓄積されている中央共同募金会が候補になるのではないか。 ・それらの資金分配団体の知見をもとに配分ルールを決め、過剰な実行団体管理を廃すること。この点は、緊急 支援を効果的に行う際に不可欠である。 ・資金活用にあたっては、第3分野「地域社会における活力の低下その他の社会的に困難な状況に直面してい る地域の支援に係る活動」の規定から、文化活動などでの活用もできることとする。 新型コロナの蔓延防止は、国内対策のみでは有効ではないことからも、海外協力団体や在日・滞日外国人支 援にも活用できることが必要。(法・要綱との整合が必要だが、新型コロナの特性をふまえれば、必須)。 ・@今回の事態の発生前から生活困窮者等の抱える問題が深刻化したことに対する支援活動への助成と、A 分野を問わず、活動・事業・組織の継続危機の団体への基盤支援のための助成の、2つの領域が必要。@は、平時から課題や生活困窮などを抱えていた人々に対する支援活動を基礎としつつ、自然災害の発災時 における被災者支援活動などに求められる対応を加味した活動・事業助成を行う必要がある。 Aは、活動・事業が再開されるまで、組織存続のための最低限度の金額への助成を行う必要性が高い。管理 ではなく、今回の助成が生きる運営サポートのようなコミュニケーションも必要。 ・範域は、@=都道府県域を超えて広域的に活動する団体も想定、A=都道府県内などの範域内での状況確 認や支援が重要と考えられる。 助成期間は、事態の進展の見通しが困難であり、ア)9月末まで、イ)12月末まで、ウ)来年3月末までの計3期 の構成で運用はどうか。 ・@は、平時からの生活困窮などを抱えていた人々に対する支援活動を行ってきた団体に1件あたり200〜300 万円程度。Aは各都道府県内で活動する団体を対象として1件あたり50万円程度。 ・@300万円×1期あたり500件×3期=45億円、A50万円×1期あたり5000件×3期=75億円 合計120億円に、管理費として30%を加えた160億円程度の概算ではどうか。 ・地域の小規模の団体のために、寄付を募り、助成する他のプログラム、例えば共同募金会による「新型コロナ 感染下の福祉活動応援全国キャンペーン」や各地のコミュニティ財団によるものなどとの連携を期待する。 ◯栗林知絵子委員 @について ・居場所づくりの活動団体は、2 月ころから活動休止が続いている状況。 ・飲食店等に勤務していた人は失職し、不安を抱えて過ごしている。 ・浪人生、大学生はアルバイトできずに、家賃・学費支払いが見通せない。 ・虐待を受けている子どもが、家族密室に堪え切れず、逃げてきたケースもあった。このケースは、 子どもが行政に相談したが掛け合ってもらえず、子ども食堂スタッフに相談してくれて、現在安全 な場所に保護できた。 ・密室育児で相談してくる親も、今まで関係構築できている草の根団体に相談してくる。 ・幼保学校に出向き、文化芸術を伝える活動団体は、オンライン活動も難しい。 ・高齢者を対象とした活動団体は、オンライン交流は難しい。 ・子ども食堂、学習支援団体等は、ボランティアで成り立つ活動だが、ボランティア同士の交流がな いため、コロナ後にボランティアが再度集まるか不安。 ・外国ルーツの子どもは、学校や居場所を失うと、日本語に触れる機会をなくしている。 ・コロナ下では、行政が様々な支援が出来ない(民生委員活動も休止状態)。今こそ市民が活動する 必要があるが、資金も乏しく、社会的に活動しにくい空気があるので、人も参加しにくい空気。 ・家賃やスタッフ雇用している団体は、存続の危機。 ・NGO は、外がロックダウンし運営状況も把握できず、総会開催が出来ない状況と聞く。 ・生活困窮相談が激増のため、対応整備に追われている。 Aについて ・全国には小さな草の根団体が点在し、地域を支えていてセーフティーネットを構築している。その 小さな NPO の持続も包摂できる活用が必要。 ・小さな活動まで支援可能な中間支援団体→社会福祉協議会に期待したい。コロナを機に、全 国の社会福祉協議会が成長してほしい。(コロナ休眠預金で、社協に適格に活用する柔軟性を持つ 市民活動者を雇用して運用することで社協が成長すると思う) ・コロナは全国一律で影響を与えているので、全国隅々に、資金が届く運用が必要。 ・休眠預金を、迅速にコロナ特別枠で大胆に運用することが社会実験であり、大きなインパクト効果 をうみ、休眠預金の理解と関心を得ることができる。 ・コロナ影響で、活動が実施できない今をしのぐための活用と、終息後に活動再開するときの支援。 ・コロナ終息後も、復興にはかなり時間がかかるので、休眠預金による長期的なロードマップを作製 し、誰一人取りこぼさないための活用を検討してほしい ◯⽩井智⼦委員 @について ・新型コロナによるソーシャルベンチャーへの影響(調査結果)→新公益連盟会員の 59%が 100 万円以上の損失を発⽣させており、23%は 1,000 万円以上の損失 ・イベント・セミナーの中⽌が相次ぎ(87%)、既存事業の⾒直しを迫られている団体も少なく ない(26%)。またリモート(48%)や時差出勤(22%)の対応も迫られており、負荷がかかっている。 ・例えば、陸前⾼⽥の NPO 法⼈ SET は、毎年 5-7 ⽉に都市圏からの⺠泊修学旅⾏を受け⼊れてきた。しかし、⺠泊受⼊家庭は⾼齢者が多く、都市部からの引受が困難な状況。現在、陸前 ⾼⽥の地域内のみで完結可能な事業への組み換えを検討中。また、⽐較的規模の⼩さな NPO は、代表者の講演・研修を主な収益源にした団体も少なくない。そうした事業者は事業がたち ゆかなくなる恐れがある Aについて ・2 ⽉ 17 ⽇の WG でも発⾔した通り、国⺠の意識として、このような疾病やパンデミックが発 ⽣したときの対応に関して休眠預⾦が使われることには納得感があるのではないか。 ・休眠預⾦の性質に鑑み、これが新型コロナの影響によって弱い⽴場に置かれた⼈々を救済す るために使われることについて、活⽤する団体には説明責任が⽣じると考えます。 ・この説明責任をどう担保するかということ、活動団体として選定された場合にどのような条 件のもとで活動することになるかということについて、募集の段階でわかりやすく明⽰されて いる状況をつくることに特に留意すべきと考えます。 次回も続き「資料4 日本民間公益活動連携機構「2020 年度事業計画・収支予算」(変更案)」からです。 |